戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)
平成24年度の新規採択課題

ICTイノベーション創出型研究開発

グリーン・イノベーションの推進

課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
究極的シリコン系発光デバイスの研究開発 丸泉 琢也
(東京都市大学)
澤野 憲太郎
野平 博司
徐 学俊
白木 靖寛
(東京都市大学)
発光源としてSOI (Silicon On Insulator) 基板上に分子線エピタキシー技術により形成したゲルマニウム(Ge)量子ドット、高ドープ歪Ge、Ge/SixGe1-x多重量子井戸などを用い、フォトニック結晶、マイクロディスク(リング)などの微小共振器と組み合わせることで、通信波長帯で、室温で高効率に発光する究極的シリコン系発光デバイスを開発し、そのレーザ発振を実証する。さらなる発光効率の向上に向け、Ge量子ドットへの不純物添加によるドットサイズの均一化とモフォロジー制御を進めると共に、発光材料と共振器構造の組み合わせに依存した発光寿命をはじめとする発光特性の変化・相関を詳細に解析し、シリコン系発光デバイス設計要素技術を確立する。 3年
装置内ハーネスの無線化を実現する低遅延多元接続通信技術の研究開発 清水 聡
(沖電気工業(株))
菊池 典恭
畑本 浩伸
(沖電気工業(株))
阿野 進
北沢 祥一
伴 弘司
((株)国際電気通信基礎技術研究所)
大平 昌敬
(埼玉大学)
本研究では車載ハーネスの中でも特にICT化によって数量が増大しつつあり、軽量化に効果的と思われるセンサ用のハーネスに焦点を絞ることにする。その場合の基本要件は、多数のセンサのリアルタイムモニタリングを実現する低遅延多元接続無線技術、上位の車載ネットワークの標準化動向との整合性、利用シーンにおける耐干渉性(セキュリティ)となる。これらの要件を前提としつつ、熱環境の問題からもハーネスの無線化の要請が高いエンジンルーム(ER)を主対象として、電波伝搬の詳細な測定・分析、車両内伝搬の基礎的特性の解明、高周波回路シミュレーションや電磁界解析の結果等に基づく通信方式の検討、実車両を用いた通信方式の仮説検証実験を行い、最終的に、システム遅延0.5 ms、ノード数200、通信速度10 Mbps/Chを満足しかつ耐干渉性の高い無線通信の基本技術を確立する。 3年
純スピン流を利用した半導体不揮発多値メモリの要素技術開発 浜屋 宏平
(九州大学)
木村 崇
(九州大学)
全ての情報通信機器に含まれる半導体「シリコン(Si)」に対して、申請者が開発した独自のスピン注入・電界制御技術を活用することで、新しい半導体不揮発多値メモリの原理を実証する。具体的には、本提案によって実現するSiチャネル中の「巨大スピン蓄積」を外部電界によって制御し、Siチャネル中を拡散するスピンの流れ(純スピン流)の変化を信号として読み出す技術を開発する。電界制御されたスピン蓄積量の変化は、読み出し出力の変化(多値化)となるため、強磁性電極の磁化制御によって実現する「0」/「1」不揮発メモリ機能と重畳することで、不揮発多値メモリの実現に向けた要素技術となる。 3年

ライフ・イノベーションの推進

課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
高齢者・障がい者の自立支援のための複合現実感(MR)技術を用いた多感覚フィードバック型遠隔ヘルストレーニング・リハビリテーションシステムの研究開発 田中 敏明
(東京大学)
宮坂 智哉
(植草学園大学)
和田 親宗
(九州工業大学)
吉成 哲
((地独)北海道立総合研究機構)
泉 隆
(東海大学)
飯島 勝矢
(東京大学)
本研究で開発・研究するシステムでは、理学療法士や作業療法士等が遠隔から利用者(健康高齢者・外来患者・障碍者)の状態をリアルタイムで監視・指導が可能となるように、利用者宅、関連病院施設、さらに研究施設をも含めた情報ネットワークを構成する。また、効果的なヘルストレーニング・リハビリテーションコンテンツを提供するために、MR(複合現実感)技術を用いた多感覚フィードバック型の新しい遠隔ヘルストレーニング・リハビリテーションシステムの構築を目指す。特に、3次元画像呈示装置、3軸方向に振動可能な振動子を開発することにより、ヒトが運動方向を容易に理解可能なシステムとする。
本システムにより、高齢者・外来患者・障碍者は遠隔においてもよりリアルな環境で、正確かつ、安全・適切なトレーニング・リハビリテーションを受容することが可能であり、ICTを用い、高齢者の健康維持および障がい者の自立促進に大きく寄与するものである。
3年
クラウド・マニュファクチャリング・システムの構築によるカスタムメイド人工関節置換術の実現 杉田 直彦
(東京大学)
阿部 信寛
(岡山大学)
原田 香奈子
光石 衛
(東京大学)
個々の患者に合わせたカスタムメイドのインプラントを導入する動きが加速しているが、生産システムや、病院と人工関節メーカの連携などにおいて多くの課題が存在している。そこで申請者らは、日本人特有の骨格や骨形状における個体差を解析した医療データに基づき、クラウド型マニュファクチャリング・システムやインテリジェント手術デバイスの開発を通して、カスタムメイド人工関節置換術による整形外科手術の高度化・効率化を実現する。 3年
ネットワーク型高速ビジョンを用いた対象と環境の双方向認識 石川 正俊
(東京大学)
本研究では、双方向情報通信に基づく実環境の3次元情報把握を実現するために、(1)高速ビジョンネットワークによる情報プラットフォームの構築、(2)環境設置ビジョンによる対象把握、(3)移動体搭載ビジョンによる環境把握、これら3つの課題を設定する。これにより、多階層の情報表現におけるシームレスな時空間情報の再構成や、環境内を自由に動く移動体の識別・追跡が実現可能となる。 3年
柔軟物コンピューティング基盤の研究開発 稲見 昌彦
(慶應義塾大学)
Adrian David Cheok
牧野 泰才
(慶應義塾大学)
 「柔軟物コンピューティング」基盤を構築するため、
(1)柔軟物を計測システムとして利用した、人の行動の計測、及び心的状態の推定
(2)柔軟物の柔軟性を利用した情報提示と、行動や情動の誘発
(3)柔軟物を介した、情動を伴うコミュニケーション
の3テーマに関し研究開発を行う予定である。ユーザは抱擁する、つぶす、叩く、揉む、撫でるといった自然な動作でインタラクションすることが可能となる。
3年
聴覚的顕著性の操作に基づく、音響情報の選択的強調技術の創出 古川 茂人
(日本電信電話(株))
柏野 牧夫
(日本電信電話(株))
高橋 宏知
(東京大学)
音の顕著性は比較的新しい概念であるため、技術的な基盤が未整理である。このため、まずはその定量的な測定方法を確立する。そのうえで、最新の心理物理学的および神経科学的アプローチを動員して、顕著性を規定する音響的な要因および神経科学的な要因(聞き手の状態)を同定する。これらの要因を操作することで、コンテクストや聞き手の状態に合わせて、特定の音を知覚的に強調または抑制する手法を確立する。 3年
複合撮像面による空間情報取得システムの研究開発 洗井 淳
(日本放送協会放送技術研究所)
岡野 文男
冨田 豊
山崎 順一
(NHKエンジニアリングサービス)
佐々木 久幸
日浦 人誌
三浦 雅人
(日本放送協会放送技術研究所)
三次元空間を伝搬する光線の方向と強度の情報を、撮像素子と光学素子アレイを用いて、高い分解能で取得する装置を開発する。単一の撮像素子で実現できる画素数には限界があるため、複数の撮像素子を接合して構成する複合撮像面を提案する。複合撮像面は二枚の3300万画素撮像素子を接合して構成し、撮像素子間の信号レベルの特性差を吸収する処理、隣接する撮像素子間の間隙で欠落する情報を補間する処理技術についても開発する。 3年
ALS患者のための音の空間情報を利用したブレインマシンインタフェース(BMI)の研究開発 牧野 昭二
(筑波大学)
森 浩一
(国立障害者リハビリテーションセンター研究所)
Rutkowski Tomasz
(筑波大学)
(1)空間的な音響刺激への反応として計測された脳波信号の成分分解法の開発と脳活動の抽出および活動部位同定技術を開発する。そして(2)これらの情報を活用しマルチクラスで制御可能な聴覚BMIシステムを構築する。さらに(3)本システムを、画面上のカーソルの移動、バーチャルキーボードの制御等に用い、重度身体障害者(ALS患者)のコミュニケーション手段として、在宅環境で実地に試用し、その効果を評価する。 3年
入力型BMI電気刺激を用いた運動と感覚の再生法の研究開発 横井 浩史
(電気通信大学)
加藤 龍
杉 正夫
山田 幸夫 
(電気通信大学)
久保田 雅史
武田 朋子
(福井大学)
本研究は、入力型BMIを用いた持続型電気刺激による運動及び感覚の再生と身体機能を回復させる装置を開発することを目的としており、f-NIRS、EEG、f-MRI、PETを用いて、脳活動の領域情報を計測し、ネットワーククラウド上へデータベースを構築する。これを用いて、運動と感覚の機能回復を支援するための電気刺激パラメータを最適化することにより、非侵襲・安全、疲労の少ない電気刺激装置を構築するための技術開発を行う。 3年
日常ジェスチャーで操作する超臨場感を伴った情報通信端末の研究開発 星野 聖
(筑波大学)
延原 肇
浜中 雅俊
(筑波大学)
第一に,個人差のある不特定ユーザデータを付与し、また、手指画像からの正確な爪位置の算出、さらには手指領域の尾根線ベクトル情報の利用により、不特定ユーザに対しても安定した手指形状推定が行えるようにする。第二に、物理シミュレータと、高速ドキュメント表示機能とを導入することで、たとえば現実の本のように形状変化しつつドキュメントを表示する3Dアイコンやデスクトップマネージャーを実現する。第三に、ひとつの3Dアイコンに複数の手モデルが作用できるようにし、複数ユーザが利用できる環境を実現する。 3年
意志合意形成に基づくロボットハンド遠隔操作システムの研究開発 川ア 晴久
(岐阜大学)
今田 葉子
遠藤 孝浩
川合 隆光
西本 裕
毛利 哲也
(岐阜大学)
上木 諭
(豊田工業高等専門学校)
遠隔操作において、マスターの操作にスレーブが追従することを基本としつつも、スレーブに安全性や最適性に関する複数の部分自律運動機能を持たせ、操作者の動作意図に応じて部分自律機能を働かせる遠隔操作システムの基本方式を確立する。さらに、多指ハプティックインターフェイスを用いた人間型ハンドロボットによる遠隔触診システムにより、その有効性を実証する。このため、操作者とロボットの意志合意形成技術、人体の柔らかさを提示可能なハプティックインターフェイス、人間型ハンドロボットによる遠隔触診システムを研究開発する。 3年
次世代車載連携アプリケーション向け分散処理プラットフォームの開発 高田 広章
(名古屋大学)
佐藤 健哉
島田 秀輝
(同志社大学)
石川 佳治
本田 晋也
山口 晃広
山本 雅基
(名古屋大学)
中本 幸一
(兵庫県立大学)
本研究では、車両の速度や位置情報など更新頻度が高い車載データを、論理的なデータ空間へ統合し、遅滞無くアプリケーションから統一的な手法でアクセスするプラットフォーム研究を行っており、平成24年度から企業との共同研究を開始する。本提案では、この研究成果を、車外から使用できるようにし、かつ自動車の種類やネットワークなどの違いを意識することなく、統一的にデータをアクセスするプラットフォームを実現する。 3年
複数のマイクロホンアレイの連携による音環境知能技術の研究開発 石井 カルロス寿憲
((株)国際電気通信技術基礎研究所)
Jani Even
モラレス佐伯ルイス洋一
((株)国際電気通信技術基礎研究所)
複数の固定・移動型マイクアレイとLRF群の連携・協調において、従来の音源定位・分離及び分類の技術を発展させ、環境内の音源の空間的及び音響的特性を20cmの位置精度かつ100msの時間分解能で表現した音環境地図の生成技術を開発する。本技術によって得られる音環境の事前知識を用いて、施設内の場所や時間帯に応じた雑音推定に役立てる。会議の議事録、家庭内の異常音検出、ロボット案内サービスなどのタスクを通して、対象となる音の識別や品質における性能向上を実証する。本技術は、聴覚障碍者のための音の可視化、高齢者のための知的な補聴器、音のズーム機能、防犯用の異常音検知など、幅広い応用性を持つ。 3年
5感インタフェース技術を用いた拡張テレイグジスタンスの研究開発 前田 太郎
(大阪大学)
従来のテレイグジスタンス技術における問題点であった臨場感成立における伝送・追従特性上の時間・空間精度に関する厳しい制限を、前庭電気刺激や錯覚利用インタフェース等の新しい感覚提示技術を利用した錯覚現象を用いることによって緩和し、一定の随意性や自己同一性を維持しつつ、時間・空間的なずれを許容しながら行動意図のレベルで一致した体験と行動の伝送を実現する柔軟に拡張されたテレジグジスタンス技術の実現を目指す。 3年
監視におけるプライバシー問題の根本的解決と病院内実証実験 谷口 倫一郎
(九州大学)
岩下 友美
内田 誠一
倉爪 亮
辻 徳生
長原 一
長谷川 勉
諸岡 健一
(九州大学)
本課題は、「匿名カメラのハードウェア開発」と「その有用性の実証実験」の2つを柱とする。前者については、特定部位(特に顔)の像のみを歪ませるべく、これまで培ったコンピュテーショナルフォトグラフィ技術を発展させ、新たな光学系をデザイン・実装する。その際、無駄のない開発のために、光学シミュレーションを援用する。後者については、数々の病院内情報環境構造化プロジェクトでの実績を活かし、これまでカメラの導入が難しかった病院内の各種シーンにおいて、匿名性を維持したままでの人物行動解析を行う。 3年

社会にパラダイムシフトをもたらす技術革新の推進

課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
高利得高効率広帯域平面アンテナを使用した100GHz超帯無線通信技術の研究開発 廣川 二郎
(東京工業大学)
竹内 淳
枚田 明彦
(NTTマイクロシステムインテグレーション研究所)
100GHz超帯無線に使用可能な安価かつ高利得高効率広帯域平面アンテナの研究開発を実施する。積層薄板の拡散接合により形成した並列給電導波管スロットアレーアンテナで40 dBi以上の高利得を実現し、周波数利用効率の向上に向けて垂直及び水平偏波用多層給電導波路で放射スロットアレーを励振する偏波多重用アンテナの開発を行う。これらのアンテナで10 Gbps 級データの偏波多重伝送を実現するとともに、到来方向推定及びビーム走査の要素技術を確立する。 3年
IPv6の広大な空間活用により多様なサービス利用と安全な通信を実現するコンテンツセントリックネットワーキングの研究開発 北村 浩
(日本電気(株))
阿多 信吾
(大阪市立大学)
村田 正幸
(大阪大学)
(1) コンテンツセントリックネットワークに適したアドレッシングアーキテクチャ、(2) コンテンツ名表現の解決メカニズム、(3)柔軟な粒度を持つセッション連動型透かし入りコンテンツアドレスによるセキュリティ機構を研究開発する。広大なアドレス空間を持つIPv6のネットワークを利用することで、新たなセキュリティ機構を導入できるのに加え、クライアント、サーバ、およびネットワークの現有の資産の修正の最小化あるはでそのまま活用することができ、既存の使い勝手はほぼそのままに、ユーザ側で特別な意識をすることなく容易に利用することができるコンテンツセントリックネットワークを実現できる。 3年
ソーシャルメディアにおける青少年の人間関係抽出技術とネットいじめ予防への応用 吉田 俊和
(名古屋大学)
田上 敦士
長谷川 亨
本庄 勝
((株)KDDI研究所)
大西 彩子
(甲南大学)
三島 浩路
(中部大学)
黒川 雅幸
(福岡教育大学)
仲間外れや無視など人間関係を操作するネットいじめを対象とする。青少年の人間関係をソーシャルグラフとして抽出し、その構造的特徴からネットいじめの検出を行う技術を確立する。本技術確立に向けて、社会心理学の観点でネットいじめの発生メカニズムをモデル化し、情報工学の観点で検出アルゴリズムを開発する学際的なアプローチで研究開発を進める。また確立した技術を社会に根付かせるため、ネットいじめ予防システムの設計や、実証評価を進める。 3年
生体−半導体ハイブリッドセンサ技術の研究開発 中里 和郎
(名古屋大学)
検体に特別な処理を施さないラベルフリーで、ユビキタス情報社会と整合性の高い電気的検出法を用いた生体−半導体ハイブリッドセンサの実現に向けて、生体分子の新しい電気的検出法、生体分子の高精度検出のための新しいアナログCMOS回路技術、溶液搬送を含む実装技術を開発する。従来に比べ10-100倍の安定性・精度向上を図ることにより実用化のレベルまで引き上げ、半導体集積回路チップの汎用化・標準化を行う。 3年
擾乱計測技術に基づく安全な量子通信の研究開発 小澤 正直
(名古屋大学)
浜田 充
(玉川大学)
枝松 圭一
(東北大学)
量子インストルメントの一般理論における小澤の不等式で定式化される新しい不確定性原理に基づき、盗聴通信路の擾乱に関する一般理論を確立するとともに、それらを現実の系に応用するために、弱測定の一般理論を展開して、弱測定によって通信路の擾乱を計測する基礎技術を開発する。また、盗聴下通信のための新しい符号化方式を考案し、量子インストルメントを用いた通信路モデルにおける符号性能の解析を行う。 3年
ディペンダブル光FPGAの研究開発 渡邊 実
(静岡大学)
小林 史典
(九州工業大学)
荻原 昭文
(神戸市立工業高等専門学校)
大坪 順次
(静岡大学)
宇宙放射線の入射による一時的なソフトエラーに強い耐性を持ち、同入射が累積されて恒久的な故障が発生してもリモートによる再プログラムで復旧ができ、宇宙空間で安心して長期に渡り使用できるディペンダブル光FPGA(Field Programmable Gate Array)を開発する。このディペンダブル光FPGAは高信頼性だけでなく宇宙空間での高速な計算・複雑なアルゴリズムの実行をも可能にし、通信衛星の高性能化にも大きく寄与する。また、地球上においても、福島第一原子力発電所内外の復旧に用いる災害対策ロボットの集積回路としても大変有効なデバイスである。 3年
極低消費電力テラヘルツ波無線通信に向けた集積回路基盤技術の研究開発 冨士田 誠之
(大阪大学)
永妻 忠夫
(大阪大学)
大西 大
向井 俊和
(ローム(株))
研究代表者・分担者らが世界に先駆けて実証してきたフォトニック結晶による光波制御技術、小型量子効果電子デバイスによるテラヘルツ波無線通信技術、フォトミキシング法による数10Gpbs級のテラヘルツ波無線通信技術を応用・融合することで、テラヘルツ波集積回路の基盤となるテラヘルツ波結晶平面回路の開拓を進める。そして、0.3THz 帯にて、従来より一桁低いミリワット級消費電力での近接無線通信の実現を目指す。 3年

東日本大震災を踏まえた復興・再生、災害からの安全性向上への対応

課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
デマンド・アドレッサブル・センサネットワーク(Demand Addressable Sensor Network)の研究開発 宮崎 敏明
(会津大学)
束原 恒夫
林 隆史
(会津大学)
ユーザが発した抽象的なセンシング要求を解釈し、その要求を充たすセンシングデータを保有するセンサ群を発見し、それらセンサ群から取得したセンシングデータを、他のシステムが発する有益情報と共にネットワーク内でマッシュアップして、ユーザ端末に実時間表示可能とする広域センサネットワーク構築技術を確立する。センサネットワーク自体には、各センサノードが周囲の状況とユーザが発した要求を勘案し、動的に自らの役割を変更して所望のセンシングデータを積極的に取得するように自律動作する環境適応能力を実現する。
大きく以下の2つの技術開発と、それらを統合したシステムを試作し実証実験を行う。
(I)ユーザ要求を適切なセンサ群に伝え、それらから取得した必要十分なセンシングデータを、他の有益情報とネットワーク内でリアルタイムに統合してユーザに提示するネットワーク技術
(II)環境変化及びユーザ要求に従って、役割を動的に変更可能なセンサノードから成る環境適応型無線センサネットワークシステム
3年
医療サービスの継続性を担保する電子カルテ秘密分散バックアップ技術の研究開発 木村 映善
(愛媛大学)
佐藤 敦
田中 大介
(NRIセキュアテクノロジーズ(株))
松村 泰志
(大阪大学)
粂 直人
(京都大学)
平松 治彦
(兵庫医科大学)
山下 芳範
(福井大学)
本研究では各情報断片からの情報復元を不能にすることで、個人情報の漏洩から守る秘密分散・秘密計算技術を使用した分散バックアップシステムを開発する。複数の医療機関が相互に計算機資源を提供して、秘密分散技術を用いて分散多重保存することで、個人情報の安全性を担保し、かつ単一障害点を有しない相互医療情報バックアップ環境を実現する。また、秘密計算処理を用いて、個人情報を保護した上で緊急時のサーベイや集計処理ができることを確認する。医療機関に接続された複数のネットワークとOpen Flow技術を利用し、災害によるネットワーク障害からの速やかな回復手順を確保する仕組みを開発する。 3年
超広帯域マイクロ波変調レーザを用いたスポットライト方式合成開口レーダの開発研究 間瀬 淳
(九州大学)
内野 喜一郎
(九州大学)
犬竹 正明
(東北大学)
近木 祐一郎
(福岡工業大学)
本研究は、マイクロ波信号により振幅変調されたレーザビームを利用した「レーザ応用合成開口レーダ」であり、低出力で準定常的なレーザの振幅をバンド幅の広い(周波数幅10-15GHz)チャープマイクロ波信号で変調することにより、従来のレーザレーダやマイクロ波を用いた合成開口レーダの欠点をなくし、被測定物の2次元高分解能画像をリアルタイムに取得することが可能なシステムの開発を行うものである。 3年

若手ICT研究者等育成型研究開発

課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
オンチップWDM光ネットワークに向けたシリコン波長選択スイッチの研究開発 庄司 雄哉
(東京工業大学)
本研究課題で提案するシリコン基板上の波長選択スイッチは、波長分波用のリング共振器と経路選択用のマッハツェンダー干渉計(MZI)型光スイッチより構成される。微細な光回路が実現可能なシリコンフォトニクス技術を用いてこれらの要素光回路を作製し、特性を評価する。さらに要素光回路を集積して波長選択スイッチを作製し、オンチップWDM光ネットワークに必要とされる性能(チャネル波長間隔、クロストーク、動作速度等)を評価し、高機能特性を実現する。 3年
対話相手の状況をリアルタイムに推定して自身の挙動を適応させる音声対話ロボットの研究開発 北原 鉄朗
(日本大学)
複数のモダリティ(画像、音声の言語情報、非言語情報)から対話相手の状態(聞こうとしているか、聞こえているか、理解しているか)をリアルタイムに推定し、それに応じて振る舞いを適応的に変化させるロボットを開発する。これにより、ユーザが聞こえていなかったり理解していないのにロボットの発話が次々と進んでしまうといった状況を防ぎ、人とロボットとの間でストレスのないコミュニケーションを実現する。 3年
究極の省電力ディスプレイ実現に向けた高効率・長寿命有機ELデバイスの研究開発 深川 弘彦
(日本放送協会 放送技術研究所)
 本研究開発では有機ELデバイスの発光挙動を明らかにすることで、発光材料の設計指針を構築するとともに、高効率かつ長寿命なリン光有機ELデバイスを開発する。具体的には、これまで解明されていないデバイス内の電気エネルギーの75%が関与する発光挙動を明らかにする解析手法を確立し、高効率化・長寿命化に有効な発光材料の設計指針を得る。その指針に基づき、従来困難であった緑色・青色の発光材料を開発し、平成26年までにほぼ100%の電気エネルギーを発光として取り出すことができる緑色・青色リン光デバイス用発光材料を開発する。開発した材料を用い、内部量子効率がほぼ100%かつ実用的な耐久性(寿命10,000時間以上)を持つ緑色リン光デバイスを作製し、材料の実用性を実証する。 3年
主観的な空間認識をリアルタイム推定する非侵襲インターフェースと行動補助デバイスへの応用 星野 隆行
(東京農工大学)
筋電位など末梢の生体信号から脳の処理情報を逆推定し、(1)脳が計画している運動を事前に予測すること、(2)生体内の神経系に学習されている生体が接する外部環境のダイナミクスをリアルタイムに推定すること、の2点に挑戦する。小脳は誤差から運動モデルを学習し、外界環境との相互作用を予測しながら骨格筋を制御しているという知見に基づくと、逆に"末梢器官には学習モデルがコーディングされている"という仮説が立てられる。この仮説に基づき実時間において小脳の「予測制御」を予測することで、非侵襲的な表面筋電位などの末梢の情報から脳内で処理される主観的な空間認識や意思・意図に近い情報が得られる。 3年
省エネルギーな超高速光パルス列の発生素子に関する研究開発 田邉 孝純
(慶應義塾大学)
シリカは優れた光学材料であり、シリカトロイド微小光共振器を利用すると極めて高い性能の光閉じ込めが得られる。すると弱い連続光を入射しただけでも効率的に光学非線形効果が得られ四光波混合波を発生できる。共振器の自由スペクトル領域(FSR)の波長間隔で発生する四光波混合波の各波長成分の位相はお互いに揃うので、時間領域ではFSRの逆数に等しい繰り返しパルスが得られる。これは一種のパッシブモードロックであるが、シリカトロイド微小光共振器はサイズが小さいため、集積可能、省エネルギー、高繰り返しという特徴が得られる。特にトロイド共振器の形状を変えることで、光のモード形状の操作を実現し機械的安定性に優れる光ファイバ接触させた状態でも外部との最適な光結合を実現する。 3年
M2M 無線用RF CMOS トランシーバ回路のバッテリーレス化技術の研究開発 伊藤 浩之
(東京工業大学)
閾値電圧を0V に調整可能な新規擬似フローティング回路技術をRF CMOSトランシーバと電磁波エネルギーハーベスティング回路に導入する。これによって電源電圧を0.5V 以下に下げ、20kbps〜250kbpsで10pJ/bit という世界最高レベルの電力効率を有する超低電力RF CMOS トランシーバ回路の実現を目指す。-30dBm入力、変換効率60%以上を達成する電磁波エネルギーハーベスティング回路を目指す。 3年
テラヘルツ波高機能制御のための電磁メタマテリアルによる人工誘電体レンズを実装した高感度放射検出素子の研究開発 鈴木 健仁
(茨城大学)
高野 恵介
(大阪大学)
電磁メタマテリアル技術により任意屈折率を有するテラヘルツ波帯人工誘電体レンズを設計する。レンズ形状として、均一屈折率の凸レンズと分布屈折率の平板レンズを開発する。また、電磁メタマテリアルの単位モデルの周期を調整し、レンズの反射率の制御も行う。アレー化した光伝導アンテナをレンズの屈折率を考慮して設計し、空気の屈折率に近く、反射損失の少ない基板上に作製する。人工誘電体レンズをアレー化した光伝導アンテナに実装し、高感度かつ高機能なテラヘルツ放射検出素子を開発する。 3年
ノコギリ波状の制御光による高効率・超高速波長スイッチの研究開発 柏木 謙
(東京農工大学)
光波形整形器から生成した100GHzオーダのノコギリ波を制御光として、超高速に応答する光ファイバ中の相互位相変調により高効率かつ超高速の波長変換を実現する。波長変換量は制御光の光強度の傾きに依存するので、制御光の強度を変調して超高速の波長スイッチングを実現する。制御光波形を適切に整形して、波長変換と同時に分散補償やOTDM/WDM信号変換技術も開発し、パケット単位の波長スイッチの実現を目指す。 3年
多重クラスタ光演算による高速データ検索の研究開発 渡邉 恵理子
(電気通信大学)
我々は大容量データを光情報としてホログラフィックに記録し、光照射のみで高速相関演算を行う光相関演算システムの研究開発を行ってきた。しかし従来の光相関システムでは、一つの光束に1カテゴライズのデータを保存していたため、演算の汎用性が乏しく、動画シーン検索などの専用応用に留まっていた。本研究ではホログラフィックディスクに、多重クラスタ化してデータを保存することで、これまで専用的であった光相関演算の部分的な汎用化、および超高速化を目指す。 3年
先進生体計測融合型子どもリハ/ケア支援ネットワークシステム「c-KIDS ノート」の開発研究-子育てサポートタウン構想に向けて- 本井 幸介
(弘前大学)
これまで成人を対象として研究開発を行ってきたウェアラブル姿勢・活動解析システム及び家庭調度内蔵型ヘルスケアモニタについて、これら基盤技術を子どもリハ・ケアに利活用して、子どもや両親あるいは医療スタッフに負担なく活動・就寝状況・栄養状態を解析可能なシステムとして進展させる。また、これら解析結果や診療情報等をネットワーク化し、子どもの家族や関連機関が情報端末を用いて閲覧・共有可能なシステムの開発を実施する。 3年
機械の視覚のための奥行き画像の高効率符号化・伝送形式の開発 福嶋 慶繁
(名古屋工業大学)
奥行き画像の動画像に対して「1/200」の圧縮率を目指す。これは、現行最高の映像圧縮方式であるH.264/AVCが映像圧縮に関して達成している数値の2倍である。そのために、オブジェクト符号化の奥行き画像拡張、バイラテラル超解像、従来とは異なる新たな変換符号化を導入する.そして、圧縮時の情報損失が、画像品質ではなく、物体の検出率や認識率、3次元再構成の品質に及ぼす影響が少ない符号化を開発する。 3年
次世代蓄電デバイスに向けた革新的電極材料の開発 櫻井 重利
(アンヴァール(株))
藤田 武志
(東北大学)
東北大学で開発したナノポーラス金属を基軸として
*従来のバッテリーが抱えている問題である寿命が短いこと、従来のキャパシタが抱えているエネルギー密度が低いことの両方を解決できる次世代スーパーキャパシタを開発する。
* 次々世代の蓄電池として脚光を浴びているリチウム空気電池などの空気極として活用する
の2点を重点として次世代蓄電池を開発する。
3年
有機分子熱電発電シートモジュールの研究開発 筒井 真楠
(大阪大学)
本研究では、半導体微細加工技術に1分子技術を組み合わせることで、1分子熱電性能評価法を確立し、単一分子接合に特有な電子状態を利用した高効率(無次元性能指数ZT>3)1分子熱電素子を開発する。さらに、1分子熱電素子ユニットを集積させたシート状有機分子熱電発電モジュールを開発するとともに、同モジュールを用いた熱電発電動作を実証する。 3年
角膜表面反射画像を用いた注視点・注視対象推定の研究開発 竹村 憲太郎
(奈良先端科学技術大学院大学)
本研究は、角膜表面の反射画像から注視点、及び注視対象の情報を抽出するため、まず色恒常性モデルを作成し、虹彩色の影響を取り除く。また、角膜表面反射画像の歪みを除去するため、眼球の三次元モデルを用いて展開画像の生成を行う。そして得られた展開画像に、特定物体認識等に用いられる局所特徴量の抽出を行い、データベースに登録された画像群と照合することで、注視点、及び注視対象の推定を実現する。さらに、三次元環境モデル上に注視対象データベースを配置することで、推定された注視対象の情報を位置推定へと発展させる.最後に実用化、サービス展開を意識し、これらの技術を用いた注視点、注視対象駆動型のガイドシステムを試作し、有効性を検証する。 3年
超低消費電力連想メモリとその応用に関する研究開発 中原 啓貴
(鹿児島大学)
インターネットにおける情報交換はルータが行っており、連想メモリ(CAM)が消費電力の大部分を占める。フェーズIではSRAMと小規模FPGAを組合せCAM機能を実現する。SRAMの消費電力はCAMの10分の1以下であり、実現に小規模FPGAが必要であるものの、消費電力を大幅に削減可能である。フェーズIIではフェーズIで開発したCAMを実際のルータに適用する手法を開発し、消費電力が削減可能であることを実証する。また、将来的な分野であるウイルス検出のハードウェア化を目指す.。 3年

地域ICT振興型研究開発

管轄局 課題名 研究代表者 研究分担者 概要 研究期間
北海道 ICTを用いた北方型住宅向け再生可能エネルギー活用システムに関する研究開発 川村 淳浩
(釧路工業高等専門学校)
内海 洋
((株)アクト)
荒井 誠
梶原 秀一
千田 和範
野口 孝文
林 裕樹
(釧路工業高等専門学校)
森 太郎
(北海道大学)
本研究開発では、道東地域で供給可能な再生可能エネルギーを有効活用するために、ICTを用いた下記要素技術開発をおこない、釧路工業高等専門学校内の「北方型実験住宅」に適用して統合システムとしての実証をおこなう。1)ハイブリッドストレージ太陽光発電システム、2) 太陽熱供給(暖房・給湯)システム、3) アクティブ室内環境制御システム、4)北方住宅向けインテリジェントHEMS(Home Energy Management System) 2年
自立型健康増進・生活支援のための地域サポート技術の開発検証 小笠原 克彦
(北海道大学)
良村 貞子
(北海道大学)
本研究開発では、以下の2点を行う。(1)次世代遠隔健康相談システムでは、従来の遠隔健康相談システムにユビキタス収集可能な血圧計・活動量計・ICタグを連結させ、自宅で利用可能な遠隔健康相談システムを開発・検証する。(2)コミュニティ健康情報クラウドでは、医療機関での健康関連情報の利用を可能とするために検診情報・お薬情報・健康情報などを標準化されたデータ形式で一元的に蓄積し、地域コミュニティ・親族が遠隔から限定された情報の閲覧を可能とするプライベート・クラウドを構築する。 2年
東北 遺跡発掘による出土遺物の計測・整理・デジタルアーカイブの研究開発 土井 章男
(岩手県立大学)
産業用CT装置とデジタルカメラで測定した出土遺物の計測データから、文様の自動生成と土器片からの形状復元を行う。具体的には、3次元画像データとデジタルカメラで取得したテクスチャ情報を用いて、文様の効率的な表現手法を開発する。土器片からの形状復元では、対話的に配置する方式と自動で組み上げる方式を提案する。
これらの手法を用いることにより、大量に保存されている未整理な土器群の整理・解析・データベース化を試みる。
2年
ICTを用いた集合住宅高齢者生活支援システムの研究開発 櫛引 正剛
((地独)青森県産業技術センター工業総合研究所)
三浦 武
((株)ブルーマウステクノロジー)
菊池 直人
高橋 潤一
((株)ワールドコミュニケーションズ)
横濱 和彦
((地独)青森県産業技術センター工業総合研究所)
低価格化を実現するために、通信回線に低速型PLC(Power Line Communication)を用い、人感センサ等と組み合わせて高齢者のライフスタイルに合わせた安否確認システムを構築する。このシステムは、高齢者が地域から見守られていると感じる様に簡単な地域情報をLCD等で表示し、高齢者を支援する立場の自治会関係者、民生員、遠隔地の家族などに日々の安否情報をメール等で伝える支援者に過度の負担にならない低価格な集合住宅高齢者生活支援システムを開発する。 2年
関東 公共交通機関が未発達な地域における高臨場感遠隔学習支援システムの研究開発 八代 一浩
(山梨県立大学)
水越 一貴
深澤 昌志
((株)デジタルアライアンス)
我々は遠隔日本語教育においてタブレット端末を用いて教材提示・情報共有が行えるedutabシステムを開発した。このシステムをインターネットを利用した実環境でも授業ができるようにする。初年度は実施対象校の間で基本的な遠隔授業が行える環境を整える。次年度は初年度の成果をふまえ、すべての機能を利用した授業が実施対象校の間で行えるようにする。開発では児童が高臨場感を持てるような教材提示技術の開発を行う。 2年
家族地域連携を実現する生活密着型サイバーフィシカルリビングルームの実践的運用開発 杉浦 一徳
(慶應義塾大学大学院)
福井県の高齢者家庭を実証実験の主対象とした、遠隔にある子世代、孫世代家庭、地域、友人との連携を行い、どの年齢でも利用できるインターネットを感じさせないコミュニケーションリビングルームを実現する。リビングルームに設置したインターネット雑貨と単純入力インターフェイス、出力ディスプレイを利用したコミュニケーション環境を構築する。各家庭の一個人は地域、家族、友人情報を持ってThings-Networkに登録され、個人の行動に従って柔軟に地域,家族,友人と接続する。 2年
災害対応分散連携型情報ステーションの研究開発 町村 昌紀
(アイキューブド研究所(株))
林 良拓
(アイキューブド研究所(株))
本研究開発は、クライアント側は、位置情報を取得可能な携帯情報端末、サーバ側は、携帯情報端もしくは無線LANアクセスポイントとPCからなるシステムである。クライアントの機能として、有効位置情報をキーとした掲示板サービスの検索、閲覧、編集、掲示板のスナップショットの移行機能を用意する。サーバの機能として、位置情報を紐付けした掲示板サービスの提供とスナップショットの管理、インターネット復旧時の情報マージ機能を用意する。
本研究開発により、アドホック通信に必要となる専用機器やプロトコルを用いずに、既存の機器、プロトコルでネットワークを構築し、連携できる。将来、公共無線LANアクセスポイントに設置されるようになれば、防災のための社会的インフラになりえる。
2年
信越 地域観光振興と防災に向けデータマイニングを活用した地域情報プラットフォームとエリアワンセグ配信システムの研究開発 三代沢 正
(諏訪東京理科大学)
増沢 健一
(エルシーブイ(株))
山本 永
(茅野まちづくり研究所有限責任事業組合)
土屋 健
広瀬 啓雄
(諏訪東京理科大学)
唐澤 英安
(データ・ケーキベーカ(株))
亀山 渉
小柳 恵一
(早稲田大学理工学術院)
広域観光情報は分散しているためほしい情報にすぐには到達できないのが現状である。また、個別、隠れた深い情報にはアクセスが難しい。そのため、ソーシャルメディアも含めた地域情報プラットフォームを構築し、データマイニングにより狭小地域の情報を発掘する。その上で、放送・通信メディアの連携可能なエリアワンセグ配信システムシステム構築を行う。配信コンテンツは放送・通信を有機的に連携させ、視聴者利用データの分析に応じて番組の編成を最適化することとする。また、災害時の放送・通信の利用可能性を考慮した自律型防災速報システムを開発する。 2年
地域農産物ブランド化を支援する分光型クラウドセンサネットワークの農圃場「現場」実証試験 齊藤 保典
(信州大学)
小林 一樹
(信州大学)
木浦 卓治
平藤 雅之
深津 時広
((独)農研機構)
元永 佳孝
(新潟大学)
クラウド型農分光情報センシングデバイスの開発、農圃場現場移動型センサネットワークの開発、クラウド対応センサネットワークプラットフォームの開発、農産物のブランド創出支援システムの開発、の重要開発課題を設定し、信越地域(長野県・新潟県)でブランド化が検討されている「銀寄(クリ)」「ナガノパープル(ブドウ)」「ブラムリ(リンゴ)」「信州大実(アンズ)」「ル・レクチエ(セイヨウナシ)」の各農場「現場」にて実証試験を行う。 2年
北陸 地域活性化のための共生型モデルシミュレーションの研究開発
-富山県・石川県におけるスマートフォン情報システムの構築-
南 和彦
((株)MINAMI)
赤座 久樹
伊東 順一
黒田 美菜子
山崎 忠志
((株)MINAMI)
佐藤 幸男
根岸 秀行
森川 裕二
(富山大学)
富山県・石川県内に無料のWi-Fiスポットを設置し、利用者の属性情報とアクセスログ、配信情報利用ログとの相関から、確率的な因果関係を学習し、行動モデルを構築する。各種の多変量解析・統計解析を検討し、行動予測、地域空間の形成プロセス予測を行うシステムを開発する。 2年
東海 知的画像処理の活用による高度歯科遠隔診断システムの研究開発 勝又 明敏
(朝日大学)
林 達郎
原 武史
藤田 廣志
(岐阜大学)
小久保 崇史
(メディア(株))
歯科の画像から、知的画像処理技術を駆使して口腔疾患と全身疾患の検出/評価法を開発する。
歯科遠隔診断にその技術を結合し、医科、歯科(専門医)、歯科(開業医)のシームレスな連携が可能なICT診断支援システムを構築する。このICT診断支援システムの有用性を示すために、地域の歯科医師会に所属する歯科医院を対象に実証実験を行う。これにより、ICT診断支援システムを活用すれば、患者は地方の歯科医院を受診した場合でも、都市部と同等の専門性の高い診断を享受でき、さらに、全身疾患の早期発見も可能になることを証明する。また、実証実験で収集した大規模画像データを活用して疫学調査研究を行い、口腔疾患と全身疾患の関係についての新知見の獲得を目指す。
2年
センサーネットワークを活用した植物工場における自動計画生産システムの研究開発 亀岡 孝治
(三重大学)
請川 克之
加藤 雅樹
斉藤 努
((株)構造計画研究所)
川北 友博
(チトセ工業(株))
礒崎 真英
近藤 宏哉
(三重県農業研究所)
橋本 篤
(三重大学)
本研究は、センサーネットワークを有効活用することで最適な計画生産を自動化できる、次世代型植物工場システムの実現方法を検討する。主要な研究テーマと成果目標は、(1)緻密な環境制御が可能な環境情報収集方法の確立、(2)高精度な生産期間予測モデルの構築と有効性の検証、(3)最適栽培スケジューリングシステムの構築と有効性の検証、(4)最適栽培スケジューリングシステムを組み込んだ植物工場システムでの実証実験によるシステムの有効性の検証と課題の明確化、の4つである。 2年
スマートフォンとモバイルネットワークを用いた弱者見守りシステムTLIFES の実現 渡邊 晃
(名城大学)
旭 健作
川澄 未来子
小中 英嗣
鈴木 秀和
中野 倫明
山田 宗男
山本 修身
(名城大学)
スマートフォンにより弱者の位置や行動だけではなく、通信機能を備えた健康機器や車両など周辺装置との連携によるセンシングを行うことにより、弱者の周辺情報を包括的に収集する。これらのデータをネットワーク上に蓄積することにより、過去の履歴との差異を用いて、携帯端末が単体では判断できなかったようなアラームをリアルタイムで検出する。さらに、弱者、見守る側、ネットワークの間で安全かつシームレスに情報伝達できる技術を開発する。 2年
近畿 災害時に活躍する見守り・監視に重点を置く情報インフラに関する研究開発 鳥生 隆
(大阪市立大学)
Thi Thi Zin
中島 重義
Pyke Tin
濱 裕光
(大阪市立大学)
安田 国弘
(北陽電機(株))
いつでもどこでも24時間モニタリングを行い、ウェブカメラ画像を含むマルチセンサー情報から「人の姿勢・動作」や「建物や空間の状態」を認識し、その結果「転倒、異常行動、不審者、不審物、建物の倒壊や交通事故等の異常事態の発生」等を検知し、通報、警告等を行えるシステム構築のための要素技術を開発する。また、正常・異常はTPO(時と場合)に依存するので、知識ベースを構築し、その情報を基に人や物との相互作用により正常・異常の判断基準を使い分けることで精度・柔軟性の向上を目指す。 2年
在宅高齢者の"こころ"を支えるICTシステムの開発 桑原 教彰
(京都工芸繊維大学)
森本 一成
(京都工芸繊維大学)
成本 迅
(京都府立医科大学)
吉冨 康成
(京都府立大学)
1)研究代表者の桑原が開発した高齢認知症者の意欲創出と注意誘導が可能な対話支援と予定支援システムを京都府丹後地区で暮らす在宅高齢者に導入する。2)支援システムの活用、また保守管理を担う地域ボランティアを育成する。3)支援システムを通して得られる在宅高齢者の情報を在宅支援チームと専門医が簡便に共有できるシステムを開発する。4)工学的技術を高齢者支援に用いることについての倫理的課題を検討する。 2年
運動中のスポーツ選手からのリアルタイム・バイタルデータ収集システムの研究開発 奥畑 宏之
((株)シンセシス)
河端 隆志
辻岡 哲夫
中村 肇
原 晋介
(大阪市立大学)
有銘 能亜
伊勢 正尚
渡邊 賢治
((株)シンセシス)
腰部に装着するだけでスポーツ選手から負担をことなくバイタルデータを取得できるバイタルセンシング方式と、これを装着している複数の運動中選手からバイタルデータをリアルタイムかつ同時に収集できる無線通信方式を研究開発する。取得データをスポーツ運動科学および医学の研究者が検証し、データの表示法に関してはスポーツ監督・トレーナとの意見交換に基づいて実践的なバイタルデータ収集システムの実現を目指す。 2年
中国 暗号機器のサイドチャネル攻撃に対する安全設計に関する研究開発 五百旗頭 健吾
(岡山大学)
渡邉 哲史
(岡山県工業技術センター)
籠谷 裕人
野上 保之
豊田 啓孝
(岡山大学)
安全・安心なICT製品を普及させる基盤技術として、暗号ICのサイドチャネル攻撃に対する安全性シミュレーション技術を開発する。さらに、サイドチャネル信号源のSNRを暗号ICの安全性標準評価指標として提案し、その同定法を確立する。安全性シミュレーションでは電磁環境技術の一つであるEMCマクロモデリング技術を適用し、暗号ICのEMCマクロモデル同定測定のためのプリント回路基板を開発する。 2年
公共交通案内サービスにおける利用者行動の解析・活用技術の研究開発 川村 尚生
(鳥取大学)
伊藤 昌毅
笹間 俊彦
菅原 一孔
高橋 健一
谷本 圭志
(鳥取大学)
本研究開発では、以下の3つの研究課題を通じてバスネット利用者行動解析システムを開発する。1:大量の非定型データの収集、解析技術の開発として解析すステムを開発し、それを2:データに基づくバスサービス・バスネットサービスの評価手法の確立として実際の路線バス制度やバスネットの改善のために用い改良を進める。その際、3:利用者の安心と利便性のバランスの取れた行動情報収集技術の開発としてプライバシなどへの配慮した情報収集手法を研究開発する。 2年
四国 チーム医療および地域医療機関間の情報共有を便利にするための精神科アウトカム管理システム(PSYCHOMS®)の標準化と市販化のための研究開発 谷岡 哲也
(徳島大学)
四宮 亜紀
福田 彰
(四国システム開発(株))
川西 千恵美
安原 由子
(徳島大学)
宮川 操
(徳島文理大学)
医療における電子システムが進む一方で精神科専用のものは未だ開発されていない。一般診療科と比較して医療職の人員配置の少ない問題を補う電子管理システムを目指す。具体的にはクリニカル・パスにプログラムされたとおり実施できなかったバリアンスの自動分析システム、看護日誌管理システム、看護計画システムを統合した精神科アウトカム管理システムを研究開発する。精神科領域では特に電子化が遅れているため、実態調査を行うことによって精神科領域に特有なデータベースの内容を同定する。そして精神科ケアサービスの向上を目指してより多くの精神科病院の医療・福祉チームおよび患者とのコミュニケーション、また施設間のコミュニケーションに役立つシステム開発を行う。 2年
地域の魅力の再発見と共有に基づく街体験型サービス技術に関する研究 杉野 静弘
((株)エス・ピー・シー)
田名部 弦
((株)エス・ピー・シー)
相原  健郎
(国立情報学研究所)
口コミ等のCGMコンテンツを活用したユビキタス情報サービスにおいて、コンテンツ作成者の特性を「説得性」で定量化し、それに基づいた精選により、受容度の高い情報提供を実現する。また、行動ログ等からユーザの街なかでの気分やモード等を含む心的なコンテキストの推定手法により、情報サービスの満足度の向上を目指す。
これらの技術を適用した実証サービスを24年度中に開発し、25年度末までに技術検証を進める。
2年
「救荒植物(災害時食糧備蓄となる植物)」栽培適地評価システムと森林資源をリアルタイムに公開する地域基盤情報システムの研究開発 高木 方隆
(高知工科大学)
菊池 豊
渡辺 高志
(高知工科大学)
高知工科大から見渡せる山地森林斜面を実証フィールドとして、伐採跡地のテレメトリーや、各種センサーによる環境要素の調査を行い3次元モデル化を図る。高知県内で古来食経験を有し、災害時備蓄として有用な植物を選定し、とくに、日用食材として商品化の可能性も高い、食用カンナなど数種を重点調査対象として、自生地分布や食文化などをGIS上にプロットし、これらの生育適地要素を抽出する。適地要素と環境要素の重ね合わせにより、栽培適地選定の方法論を確立する。 1年
九州 地域住民組織による災害時要援護者支援システムの研究開発 辻 利則
(宮崎公立大学)
大野 伸治
((株)フェニックスシステム研究所)
 要援護者にICタグ等を割り当て、日頃から支援する近隣住民、親族、要援護者の希望する支援者がICタグ等を携帯電話で読み取り、容易に支援者登録を行えるようにする。登録された支援者には日頃から要援護者宅へ訪問の際に、その状況を報告できるようにし、自治会、民生委員等の地域組織で情報を共有できるようにする。災害時に避難準備情報が発令された際には、各要援護者に登録された支援者に避難支援の要請を行い、要援護者の避難状況なども把握できるようにする。 2年
オートGPSとIMES屋内測位による広域観光の動態把握と回遊誘発情報提供システムの開発研究 斎藤 参郎
(福岡大学産学官連携研究機関都市空間情報行動研究所)
林 秀美
(北九州市立大学)
浅子 正浩
(測位衛星技術(株))
柴崎 亮介
(東京大学)
今西 衞
山城 興介
(福岡大学産学官連携研究機関都市空間情報行動研究所)
岩見 昌邦
(福岡大学)
本研究開発は、これまで把握することが困難であった、広域からの観光集客と九州内での広域観光回遊の動態をオートGPSの位置ログから把握すると同時に、九州域内に代表的観光・商業区域を設定し、IMES屋内測位システムと人数計測装置と連携することで、小区域での高精度の位置測位と実数ベースの広域観光回遊動態の把握を可能とするととともに、オートGPSの位置情報の変化や小区域内の立ち寄った場所などから、行動目的などのコンテキストを推定し、これをベースにどのような情報を提供するのが観光回遊の誘発に最も効果的かを検証できるシステムを開発する。 2年
「スマートテレビを活用した独居高齢者等の安心・安全ネットワークシステムの志布志モデルの実証実験研究」 藤田 晋輔
((株)鹿児島TLO)
岩崎 房子
田中 安平
(私立鹿児島国際大学)
吹留 博実
((株)鹿児島TLO)
岩倉 路和
加治木 啓之
((株)コムツアイト)
過疎地域の独居高齢者の急速な増加、介護施設等従事者不足から十分な見守りが出来ず、メディアに現れない孤独死が多い。IT環境は整備されたが、都市中心で高齢者はPCを扱えない。一方種々の機能を搭載した安価な機器登場でICT環境は急速に展開している。モデル対象地域は「CATV」がほぼ全世帯に設置された故。ICTとCATVを活用して、独居高齢者の行動や健康状態を遠隔地親族、福祉および医療施設等と共有する双方向通信ネットワークシステムの実証実験を行う。 2年
人の動きをやさしく支援する地域ITS利活用基盤に関する研究開発 古川 浩
(九州大学)
福田 晃
(九州大学)
増住 泰成
((株)シューマンテクノシステム)
木下 史弥
坂本 信幸
(JR九州パトニ・システムズ(株))
松尾 真悟
(マイクロコート(株))
公共交通や商業・観光など異事業者や自治体などからの多種センサ情報や関連URL情報を地域ITSの基本DBに容易に取り込むAPI及び手法、複雑に絡むプローブ・データをURL解析・アクセス解析等により整理・統合する技術、また統合コンテンツを効率的に利活用するAPIおよび手法を研究開発する。
問題点や効果の確認を行うためリファレンス・アプリを作成し、携帯電話網や公共無線LAN環境などを利用した実証実験により行う。
2年
沖縄 沖縄沿岸海洋環境観測のための海洋レーダ技術の研究開発 藤井 智史
(琉球大学)
御手洗 哲司
(沖縄科学技術大学院大学)
現在利用されている海洋レーダは、沿岸から数km以上沖合からしか観測できず、距離分解能もkmオーダーであるため、サンゴ礁周辺海域の詳細な流動観測には不十分です。そのため、沿岸から数km以内のサンゴ礁海域を高い空間分解能で観測するにあたり、必要な性能要件を実際の海洋観測から明らかにし、その性能に達する近距離高分解能海洋レーダの技術指針と実現方法をプロトタイプ機を構築することで検討を進めます。 2年

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