戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)
平成26年度の新規採択課題

ICTイノベーション創出型研究開発(フェーズI) 20課題

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
設計工程に侵入したハードウェアトロイの検出と耐ハードウェアトロイ設計技術の研究開発 戸川 望
(早稲田大学)
  フェーズIでは設計工程のハードウェアトロイの性質を明らかにし、設計工程ハードウェアトロイをモデル化する。トロイ回路そのものを検出するのでなく【ハザードトロイパス】という考えを導入し、その検出がトロイ回路自身の検出と等価であることを実証する。フェーズIIではトロイ動作に擬似した動作をするトロイ回路について、これを《可視化》し耐ハードウェアトロイ設計を行う。各種の暗号チップ試作により提案技術の有効性を評価する。 1か年度
重畳表示と両面表示を実現する透明インテグラルイメージングディスプレイの研究開発 高木康博
(東京農工大学)
  透明なフラットパネルディスプレイとレンズアレイで構成されるインテグラルイメージングの光学系を2つ対称に組み合わせることで、背景からの光線の透過と選択的な遮光、両面への立体表示を可能にする。フェーズIでは、高精細印刷物を用いた検証システムを試作する。フェーズIIでは、小型と中型のフラットパネルディスプレイを透明化し、タブレットサイズ、スマートフォンサイズ、メガネサイズのディスプレイを試作する。さらに、高精細印刷物を用いてコンタクトレンズサイズの実証システムを試作する。 1か年度
身体スキーマの操作によるテレプレゼンス追体験の研究開発 池井 寧
(首都大学東京)
北崎 充晃
(豊橋技術科学大学)
広田 光一
(東京大学 )
身体の運動とそれに伴う感覚の計測と提示を行うシステムを構築する。実体験者の四肢・体幹の運動を計測し運動モデル(身体スキーマ)を取得する技術、追体験者に運動と触力覚等を提示する技術を開発する。身体メディアの特性に基づいて、身体運動感覚から感覚刺激を導く。身体メディアの特性を身体スキーマにより体系的に理解することを試みる。テレプレゼンス追体験旅行システムを試作する。現地のガイド(実体験者)と旅行者(追体験者)とが体験を共有しながらコミュニケーションすることを可能とする。 1か年度
3Dプリントされた患者個別臓器モデルとのインタラクションに基づく診断治療支援システムの開発 森 健策
(名古屋大学)
伊神 剛, 小田 昌宏
(名古屋大学)
本研究課題では、仮想化臓器モデル(コンピュータ上)とそれを現実化した現実化臓器モデルを融合して利用する新しい診断手術支援手法のためのユーザインタフェースの実現を目指す。ここでは、CT像から構築した仮想化臓器モデルと現実化臓器モデルを同期させ、現実化臓器モデルに対して指などを用いて指示するとコンピュータ上の仮想化臓器モデルにその情報が伝えられ、様々なインタラクションが行える技術を開発する。 1か年度
小生命体の機械化による自律分散型センサネットワークの創製 森島 圭祐
(大阪大学)
  本申請研究は、小生命体体液中に含まれる糖を燃料としたバイオ燃料電池、小生命体に搭載可能なマイクロワイヤレスセンサ、外部刺激による歩行制御技術を組み合わせることで、自律分散型バイオハイブリッドセンサネットワークの実現を目指すものである。特に本申請研究では、100万以上の種類が存在し、地球上至る所に生息している昆虫をターゲットとすることで、様々な環境下で使用可能なセンサデバイスの開発を目指す。 1か年度
神経情報表現に基づく高速物体画像認識アルゴリズムの研究開発 宮脇 陽一
(電気通信大学)
  高速・高精度なヒトの物体認識は、最先端の計算機やロボットをしても実現することができない、ヒトがもつ優れた機能の代表である。本研究では、ヒトが自然な物体画像を観察している際の脳活動を最新の統計的信号処理手法によって解析することにより、物体画像の特徴がヒト脳内でどのような時空間ダイナミクスで表現されているのかを明らかにする。この知見を応用し、コンピュータビジョンによる物体認識の超高速化を実現するアルゴリズムを提案し、高速画像認識が必要とされるICTの技術革新に貢献する。 1か年度
四肢麻痺患者のための脳波P300による情報発信ツールの研究開発 古橋 武
(名古屋大学)
寳珠山 稔、吉川 大弘
(名古屋大学)
ひらがなインターフェースの最適化を行い、日本語モデルによる高速判別法とBSを利用した教師あり学習法を統合することで、 1文字平均入力時間を利用者によらず10秒以下とする、ひらがなP300スペラを開発する。メニュー選択と文字入力のインターフェースを統合することで、利用者が脳波により全ての操作ができる情報発信ツールを開発する。四肢麻痺患者がいつでも自由に自分の思い・考えを発信でき、ツィッターやブログなどで対話ができれば、患者の心はサイバー空間にて身体的拘束状態から解放される。 1か年度
遠隔操作ロボットメディアによる認知症高齢者の長期データ収集プラットフォームの研究開発 西尾 修一
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
山崎 竜二、港 隆史
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
数井 裕光、佐藤 眞一
(大阪大学)
テレノイドの身体に密接して使用する特性を利用し、準接触型の内臓センサを開発すると共に、初心者でも安定して運用可能な統合システムを開発する。高齢者介護施設へ導入し、運用するための手順を確立すると共に、蓄積されたデータを用いて認知症周辺症状の詳細分類に関する初期検討を行う。また国内に加え、デンマークでも実証実験を実施し、有効性を確認する。 1か年度
次世代ヒューマンセンシングに向けたRGB-Xイメージングシステムの研究開発 奥富 正敏
(東京工業大学)
田中 正行
(東京工業大学)
吉崎 和徳, 菊地 直
(オリンパス株式会社)
本研究開発では、従来のRGBカメラに広く採用されている単板撮像素子とベイヤーカラーフィルタアレイを用いた撮像技術を拡張し、RGB画像に加えて付加価値の高いX画像、例えば近赤外画像や距離画像を同時に撮影できるRGB-Xイメージングシステムを開発する。開発するシステムでは、従来のRGBカメラが有する、(a) 小型で、(b) 安価で、(c) 誰でも手軽に、(d) 動画像撮影可能、という利点を残しつつ、RGB-X画像が取得可能である。申請期間では、高画質RGB-X画像生成アルゴリズムの開発、試作機製作、および実証実験を行う。 1か年度
小型端末用1受信アンテナMIMO受信システムの研究開発 眞田 幸俊
(慶應義塾大学)
  研究フェーズIにおいては準ミリ波帯で提案する誤り訂正符号を組み合わせた1受信アンテナMIMO伝送方式が適用可能であることを計算機シミュレーションにより評価する。研究フェーズII(1年目)は提案方式を用いた実験システムを構築し、有線結合で特性を評価する。研究フェーズII(2年目)は準ミリ波帯の実伝搬環境を測定し、測定結果を計算機シミュレーションならびに伝搬実験により伝送特性を評価する。 1か年度
三次元地図データとマルチGNSSを活用したurban canyonにおける測位精度向上 上條 俊介
(東京大学)
許 立達, 古 艶磊
(東京大学)
本研究では、フェーズIにおいて、都市部の正確な三次元地図、マルチGNSS手法、準天頂衛星のL1-SAIF信号を組合わせて、GNSS技術単体で3m程度の測位精度を目指す。また、CANデータをGNSS技術とを組合わせて1、5m程度の測位精度を目指す。さらに、車載カメラのとのセンサー融合により、車線識別、右左折交差点の識別など、都市部の自動運転に必要な走行プランニングの可能性を検証する。 1か年度
半導体多層膜結合共振器によるテラヘルツLEDの研究開発 北田 貴弘
(徳島大学)
盧 翔孟, 井須 俊郎, 熊谷 直人
(徳島大学)
森田 健
(千葉大学)
赤外でよく発光する量子ドットを埋め込んだp-i-n構造の単一共振器と、2次非線形性に優れた量子ドットをもつ高指数面上の単一共振器を個別に結晶成長し、2つのウエハの直接接合により結合共振器構造を創製する。この構造は、2波長面発光レーザとして機能し、かつ内部での2次非線形光学応答によるテラヘルツ帯差周波の高効率発生が可能である。電極形成等の素子プロセスを施すことで、電流注入により室温で動作するテラヘルツ波発生素子を実現する。 1か年度
100Gbpsインターネットにおける超高速TCP通信の研究開発 平木 敬
(東京大学)
下見 淳一郎, 稲葉 真理, 本城 剛毅
(東京大学)
(1)500ms以下のRTTを持つ100Gbpsインターネットに対し、シングルストリームでTCPを実現するためのソフトウェアをLinux用に開発する。(2)TCP最適化技術としてLinux上に100Gbps通信ソフトウェアを実装し、公開する。シングルストリームTCPではハードウェアの機械学習による新しいTCPアルゴリズムをFPGAを用いた汎用テストベッド上に実現する。(3)開発する汎用テストベッドを高速サーバと接続し、10GB/sレベルのファイル間データ転送を実現する。 1か年度
漫画・イラストのマルチメディア処理に向けた基盤技術研究 相澤 清晴
(東京大学)
山崎 俊彦
(東京大学)
漫画は白黒2値の線画、イラストは基本的にべた塗りによる作品であり、連続階調である自然画像とは大きく性質が異なる。そのため、自然画像で確立されている手法は全く不十分である。このような問題に対し、我々がこれまで蓄積してきた漫画・イラストのためのメディア処理技術を深化させ、検索、編集、認識、可視化等の主要要素技術を系統立てて開発していくことで誰もが漫画に対してメディア処理が出来るようにするための基盤とする。 1か年度
家電,環境センサ,ウェアラブルセンサの連携による「人にやさしい」家庭内行動センシング・認識システムに関する研究開発 安本 慶一
(奈良先端科学技術大学院大学)
玉井 森彦
(奈良先端科学技術大学院大学)
目的達成のため、(1) センサデータの可視化・行動ラベリングツール、(2) 機械学習に基づいた行動認識ツール、(3) 屋内位置推定システム、(4) (2)および(3)の連携による行動・位置の高精度化システムの開発を行うとともに、(5) スマートハウスにおける被験者実験を通して行動と位置の推定精度を評価する。さらに、推定した行動、位置の組を用いて、行動予測モデルを構築し、省エネ家電制御システムや見守りシステムに適用することで、提案する行動認識、行動予測手法の有用性を評価する。 1か年度
能動的3次元通信エリア制御を用いた複数無人航空機による同時観測技術の研究開発 樋口 健
(室蘭工業大学)
矢野 一人, 阿野 進, 北沢 祥一, 有吉 正行, 小林 聖
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
伏水 博樹
(日本遠隔制御株式会社)
上羽 正純
(室蘭工業大学)
目的を達成するため、大規模設備や大型プラントを想定環境とし、同一周波数帯を使用する複数UAVと追尾アンテナを有する複数の地上局によってブロードバンド無線通信リンクを確立する。この際、UAVが構造物付近を移動することで地上局との見通しが遮られたり、複数の地上局―UAVペア間で干渉が生じることにより、伝送品質の劣化を引き起こす。この様な状況でも通信品質を維持するため、移動するUAVの位置・姿勢情報や信号強度情報、アンテナ指向性情報等を用いて、各地上局のアンテナの追尾方向、各UAVが接続する地上局、及び各通信リンクの使用チャネルを動的に制御する。1km四方のエリア内に追尾アンテナを有する地上局が3〜5台設置される環境において、最大3機のUAVとのデータリンクが所望のスループットを下回る時間率を2%以下に抑えることを目標とし、スケールモデル化した伝送実験により目標達成を示す。 1か年度
ワイヤレスM2M共通基盤の実現に向けたスマートメータ/スマートユーティリティネットワークの研究開発 原田 博司
(京都大学)
  主体的に標準化したIEEE802.15.4g規格をもとに屋内外利用、マルチホップ機能、コグニティブ無線対応広域システムとの連携ができる各種ユーティリティアプリケーション対応統一無線通信規格を開発し、 Wi-SUNアライアンスで国際規格化し、さらに仮想化ネットワーク技術を搭載し、コグニティブ無線、仮想化ネットワーク管理サーバを統合することによりアプリケーションが相乗り可能なワイヤレスM2M共通基盤ネットワークを実現する。 1か年度
呼吸および脈波の非接触計測を用途とするK帯高感度レーダーシステムの研究開発 松井 岳巳
(首都大学東京)
香川 正幸
(首都大学東京)
呼吸脈波を高感度に検出する格子状レーダーアレイ(9個のドップラーセンサ)を新規に開発する。各センサはビーム幅を絞り照射領域を直径3cm以内とする。9個のセンサから脈波を最も高感度に捕捉するセンサと脈波を含まないセンサ(体動、呼吸のみ)を動的に選択し、両者の差分から脈波信号を抽出する。フェーズIは、レーダーシステムの開発・評価を行い、フェーズIIは、レーダーの小型化、高精度化を進めるとともに、専用アプリケーションの開発、実証評価、さらにモバイル環境を活用したサービス商品化を検討する。 1か年度
遠隔身体インタラクションインタフェースの研究開発 中西 英之
(大阪大学)
山下 直美
(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
これまでに行ってきた遠隔握手に関する研究に基づいて、指差しやマッサージなどの多様な身体的インタラクションを遠隔地間で可能にするためのロボットハンド・ロボットアームの研究開発を行うとともに、それらを対話相手の実時間映像にシームレスに結合することによって、高度なソーシャルテレプレゼンスや仮想的な身体転送を実現することのできるユーザインタフェースデバイスの研究開発を行う。 1か年度
集積化可能な電気制御スピン量子ビットで構成される量子インターフェースの研究開発 樽茶 清悟
(東京大学)
米田 淳, 大塚 朋廣
(理化学研究所)
山本 倫久
(東京大学)
都倉 康弘
(筑波大学)
大岩 顕
(大阪大学)
これまで半導体量子ドットを使った単一光子検出と単一円偏光子から単一電子スピンへの角運動量転写を実現している。フェーズIでは、単一光子から単一電子スピンへの量子状態転写を目指す。さらに変換効率を当面10%程度まで向上させる方針を提案し実証する。フェーズIIでは、量子中継に必要な遠隔2地点のもつれ配信の基盤技術として光子―電子スピン間もつれ生成を実現する。これらの研究はGaAs系量子ドットを中心に進めるが、スピンコヒーレンス時間が長いSi系量子ドットを使った量子ビットを開発・導入し、光子‐スピン量子インターフェースに量子メモリーを付加することで、量子ノード開発の基盤技術を確立する。 1か年度

若手ICT研究者等育成型研究開発(フェーズI) 22課題

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
生態相互作用を利用した省電力な野生動物装着型鳴き声センサ・ネットワーク機構 小林 博樹
(東京大学)
  本研究では、複数個体間の生態行動学的な相互作用を「検知」した場合にのみノード間通信をアクティブにし、それ以外の時は常にスリープ状態とするシステムを設計・開発する。 本提案により「野生動物自身が鳴き声センサを持ち歩き、単独行動時に取得したデータを、集団行動時に省電力で共有・回収するシステム」を実現する。 1か年度
色覚特性者の色彩感覚メカニズムの解明/色彩によるイメージの伝達を考慮した画像の再配色システムの研究開発 佐藤 敬子
(香川大学)
  色覚特性者に対する画像再配色システムに色覚特性者の色感覚モデルを導入する。色覚特性者に対する色イメージ評価実験から、データ解析によりイメージと色彩のマッピングを行い、色覚特性者の色彩感覚を表現する。また、イメージから色彩特徴を推定するアルゴリズムを構築する。このアルゴリズムを、画像を再配色する際に組み込むことで、色覚特性者に対して、本来画像が持つイメージを損なうことなく正しく伝達するシステムの構築を目指す。 1か年度
多感覚拡張現実感提示技術を用いた脳-機械インタフェースの開発と機器操作・パーソナルモビリティ支援 小谷潔
(東京大学)
  本研究では、多感覚(視覚・聴覚・触覚)に拡張現実感を付与させた情報提示BMIシステムを構築し、BMIを実用可能な技術に高める。はじめに視覚・聴覚・触覚それぞれについて、拡張現実感提示システムを構築する。次に、利用者意図読み取り技術としてマルチスケール脳神経系モデルをクラウド上に実装し、大規模計算により非侵襲脳計測信号から内部パラメータを同定する。また、抽出された意図に基づきアクチュエータ・機器スイッチを操作する柔軟な機器操作システムを設計する。そして構築したシステムが、健常者による作業速度を超える高速かつ直感的な操作が可能なインタフェースであることを機器操作・パーソナルモビリティ支援によって示す。 1か年度
共進化型最適化を用いた2次元コード真贋判定用電子透かし設計方式の研究開発 小野 智司
(鹿児島大学)
  申請者は、半脆弱な電子透かしを用いることで印刷された2次元コードの真贋判定を行う技術を開発した。この技術を携帯電話ディスプレイに応用したいが、表示系、撮像系の特性を考慮した透かし抽出アルゴリズムの設計が困難である。実機およびシミュレーションを用いた最適化により、電子透かしおよびその抽出アルゴリズムを自動設計することで、多様な機種に共通して利用可能な、携帯電話用2次元コードの真贋判定技術を実現する。 1か年度
高速・高精度テラヘルツ偏光スペクトル計測を用いた非破壊・非接触イメージング技術の研究開発 渡邉 紳一
(慶應義塾大学)
  フェーズIでは、研究代表者らが2014年3月に発表した電気光学変調器を用いた新しいテラヘルツ高速電場ベクトル計測法の性能を評価する。「1ミリ秒以内に、5°の電場ベクトル角度検出分解能を持つテラヘルツ電磁波偏光計測系を構築する」という具体的な数値目標を設定し、その実現に取り組む。フェーズIIでは、フェーズIで得られた知見をもとに、ガルバノミラーシステムと組み合わせた高速イメージングシステムを構築する。また光学遅延ラインシステムを導入することによって、テラヘルツ電磁波偏光スペクトルイメージング技術を完成させる。 1か年度
大容量光通信用高機能シリコンフォトニック波長可変レーザの開発 北 智洋
(東北大学)
  本研究は、シリコンフォトニクスをハイエンドな光通信システムに応用するうえで問題となるシリコンの非線形光学効果の解明、克服を第一の目的としている。本研究によって従来のデバイスにはない高機能・低消費電力な波長可変レーザを実現できる。 1か年度
運動物体に対する高速プロジェクションマッピングの研究 鏡 慎吾
(東北大学)
  プロジェクタおよびカメラを高フレームレート化し、高速ビジュアルフィードバック技術の適用により映像の生成・変形を高時間分解能で行うシステムを開発することにより、高精度の追従と動きぼけの低減を実現する。この際、実物体の運動だけではなくプロジェクタ・カメラ間の位置姿勢関係も動的に推定することにより、キャリブレーション負荷が小さく稼動時の位置ずれにも強いシステムを実現する。多様な動きを含む組立作業の支援等への応用の開発を行う。 1か年度
人間の大規模行動認識のための社会実装技術に関する研究開発 高野 渉
(東京大学)
  本研究課題では、人間行動の記憶とその再利用という観点から、身体運動とその周囲の環境に内在する音声・物体などの多様な情報を蓄積したマルチモーダル行動データベースの設計、およびそのデータベースを利用して人間の行動を理解する計算システムの構築を行う。行動理解システムを社会に実装することで、日常生活においても実用性の高い行動認識システムを開発する。 1か年度
被介護者のための見守り支援ロボットシステムの研究開発 飯尾 尊優
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
  環境に設置した複数の三次元距離計測センサを用いて座ったり横になったりした状態でも高精度に各身体部位の位置を検出する技術を確立する。その技術を用いて転倒を95%以上の精度で認識する転倒認識技術、被介護者の局所的な行動パターンと大局的な生活状況の推定技術を確立する。これらの技術で認識された結果を記録する生活状況記録システムを開発し、ロボットと連携させることで生活状況に応じた生活習慣改善の情報提供を行う技術を確立、生活習慣改善の効果を確認する実証実験を進める。 1か年度
高周波数てい倍2トーン光信号の搬送波波長無依存生成と光・無線融合ネットワークへの応用 千葉 明人
(群馬大学)
  無線信号を中継する光波の生成において副次的に発生する不要波長成分の抑圧を、光の自由度のひとつである偏光を利用して実験的に実証します。これにより、任意・多数の波長信号に対する生成をシンプルな構造により可能とし、大容量の光・無線融合ネットワークの実現に資する機器を低消費電力で実現する要素技術の確立を進めます。 1か年度
大規模ユーザによるモバイル計測を用いた生活環境下での臭気汚染箇所特定システム 岩井 将行
(東京電機大学)
  本研究では、生活環境や河川領域の臭気を一般ユーザから収集・解析するシステムを研究・開発・実験を行う。広域に多くのユーザに広域から参加してもらう仕組みを設け、河川悪臭のビッグデータとして自治体や企業が集取して生活や不動産情報提供、環境汚染源の特定などの情報提供に役立てることを目的とする。本研究はユーザ参加型センシングのアプリを携帯端末上に構築し広く自由にダウンロードし利用出来るようにする。臭気センサは既に実験として活用している携帯端末に容易に接続可能とする。ユーザ参加型センシングで河川周辺や道路上において状況の計測を行う。中でも臭気、騒音レベル、気温、湿度、CO2レベル、街頭の光量、高度、道の歩き安さの自動計測と伴に、広域に多くのユーザに参加してもらう仕組みを設け、平常時には生活環境を可視化してわかりやすく「見える化」を行う。更にこのビッグデータとして自治体や企業が集取して汚染源特定プラットフォームを開発する。 1か年度
高品質触感ディスプレイと感性空間で消費者と開発者をつなぐ触感デザイン支援システム 岡本 正吾
(名古屋大学)
  従来よりも多くの材質感を振動触刺激によって加工するため、素材を滑らかに感じさせる技術および素材の静摩擦知覚を増加させる技術を開発する。2方向に機械的変位を生成する振動触感ディスプレイを開発し、これらの刺激を実現する。触感空間モデルの構築では、心理学実験の結果から、多次元で多階層な触感空間モデルを自動的に生成することが可能な計算手法を開発する。これらの技術を組み合わせて、感性的な表現で触感を操作し、それをリアルタイムで体験することを可能とする触感デザイン支援システムを開発する。 1か年度
高指向性アンテナ一体集積ワンチップテラヘルツ無線通信デバイスの研究 鈴木 左文
(東京工業大学)
  モバイル端末に実装可能なテラヘルツ無線通信チップを実現するために、コンパクトで高速変調可能な高出力共鳴トンネルダイオード発振器および微細ゲートの高電子移動度トランジスタを用いた高電流感度受信器を開発し、それらに高指向性のパッチアンテナアレイを集積する。そして、これら開発したデバイスを用い10Gbps以上のテラヘルツ無線通信デモンストレーションを行う。さらに、発振器の応答速度向上により100Gbps通信を目指す。 1か年度
網膜走査型3次元ディスプレイのための小型3軸MEMSスキャナの研究開発 岩瀬 英治
(早稲田大学)
  支持梁の幾何形状をデザインすることで各自由度に対する共振周波数を設計し、その構造を用いることで少数駆動電極による多自由度のMEMSスキャナの駆動を実現する。また、このMEMSスキャナを用いた網膜走査型3次元ディスプレイなどデバイス応用の検証も行う。実用的な観点から、単一駆動部で3自由度(x軸回り、y軸回り、z軸並進)を駆動することを目標とする。このように理論的な設計および有限要素解析によるシミュレーションから、実際のデバイスの試作による検証まで行う計画である。 1か年度
定常状態視覚誘発電位を利用した多重周波数型BMIの研究開発 南 哲人
(豊橋技術科学大学)
  本研究開発課題においては、定常状態視覚誘発電位(Steady state visually evoked potential: SSVEP)の脳情報を利用して、ヒトが複数移動物体への注意を向けている時の注意状態の読み取りを行い(目的1)、刺激提示装置も含めた多重周波数型SSVEP-BMIシステムの構築を行うこととする(目的2)。 1か年度
超高速組合せオークション技術と高スケーラブルなエージェントシミュレーション技術の融合による無線帯域割り当て 福田 直樹
(静岡大学)
  本研究開発では、局所的に見れば様々な点でまだ有効活用の余地のある無線帯域について、超高速組合せオークション技術を基盤としたオープンかつ高速実行可能な手法を用いて動的な割当を実現すると同時に、オークション理論を応用する事で、そうした無線帯域を利用する端末が不正を行うメリットを相殺する仕組みの実現を狙う。 1か年度
光ファイバー量子ビットデバイスを用いた量子シミュレータの基盤技術開発 笹倉 弘理
(北海道大学)
  微小共振器構造作製技術とチューナブル外部共振器の組み合わせにより、 量子系と光ファイバーの結合効率を高め、 光ファイバー量子ビットデバイスを作製する。更に既存の光ファイバーデバイスと融合させ、 現行システムを凌駕する新たな量子シミュレータを創出する。 1か年度
散布設置可能な要救助者捜索用無線センサネットワークの研究開発 橋本 昌宜
(大阪大学)
伊藤 雄一
(大阪大学)
本研究では、上空から散布設置可能なセンサノードを用いて構成する無線センサネットワークを開発し、災害時の要救助者探索に活用する。センサノードは情報収集を行いたい領域(例えば生存者や遭難者の有無を調べたい領域)に上空から散布する。散布されたノードは、無線ネットワークを構築し、人感センサの出力情報を収集する。提案システムは天候や昼夜に左右されず稼働する点で、要救助者の早期発見に貢献するとともに、捜索者による二次災害の危険も低減する。 1か年度
端末の移動軌跡情報を用いた被災状況推定・避難誘導システムの研究開発 笹部 昌弘
(奈良先端科学技術大学院大学)
川原 純
(奈良先端科学技術大学院大学)
まず、各避難者の所有するモバイル端末が定期的に計測した位置情報の履歴(移動軌跡情報)をDTN (Delay Tolerant Networking)技術によりクラウドシステムへと集める。クラウドシステムは、得られた移動軌跡情報と地図情報から各地の被災状況と人口密度情報を推定し、避難者毎に適した避難経路を計算し、DTNを介して各モバイル端末へと配信する。避難経路を受信したモバイル端末はウェアラブルデバイスと連携し、視聴・聴覚を利用した避難誘導を実現する。以上を実現可能な方式・システムを設計・実装し、シミュレーションと実証実験により有用性を実証する。 1か年度
ラピッドプロトタイプ型ポイントオブケアデバイスの開発と予防医療の新展開 浮田 芳昭
(山梨大学)
  3DプリンターをラピッドプロトタイピングICTインフラとして活用することで、製造技術開発および生産ライン整備等の新規事業の立ち上げコストを大幅に削減し、事業化のハードルを下げ、POCTデバイスを実用化する。また、POCTデバイスの実用化により微量血液の分析が可能になり、且つ、その場での診断が可能になる。これによりこれまで煩わしかった血液検査を手軽なものに刷新することができ、高頻度な血液診断を実現できる。 1か年度
共役系高分子マイクロ球体によるレーザー発振素子の開発 山本 洋平
(筑波大学)
  共役系高分子マイクロ球体によるレーザー発振素子の開発を行う。具体的には、以下の5点について段階的に研究開発を行う。
(1)高発光効率の共役系高分子の自己組織化によるマイクロ球体の構築、(2)1粒子へのレーザー照射による発光特性の確認とレーザー発振の実現、(3)高導電性/高発光性ポリマーマイクロ球体への電荷注入と電界発光、(4)電荷注入によるWGM発光およびレーザー発振の実現、(5)素子効率の向上、集積化など素子作製プロセスの検討
1か年度
グラフ信号処理によるセンサーネットワークデータ解析手法の研究開発 田中 雄一
(東京農工大学)
田中 聡久
(東京農工大学)
フェーズIにおいてはフェーズIIにおける応用を見据え、グラフ信号処理の理論的基盤の構築とセンサーネットワークへの応用における課題を明らかにする。フェーズIIにおいては、フェーズIで構築された理論の更なる発展とともに、実センサーを用いて実験を行い、技術課題の発見と、課題を解決する手法の提案を行う。 1か年度

電波有効利用促進型研究開発

先進的電波有効利用型(フェーズI) 8課題

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
ミリ波による高速通信の拡大を牽引するSi基板上の窒化物半導体トランジスタの研究開発 分島 彰男
(名古屋工業大学)
  Si基板上のGaN系トランジスタがE-bandで実用可能であることを実証する。フェーズIでは、GaN層を厚くしたSi基板上AlGaN/GaN構造を採用しSi基板への高周波電力のリークを抑制する。フェーズIIでは、フェーズIで開発したトランジスタを用いて、電力増幅器などの機能素子を作製しトランジスタの有用性を実証する。また、大口径Siウエハを用いて低価格化に取り組み、また、InAlN/GaN構造採用し高周波特性の一層の向上をはかる。 1か年度
都市部における無線過密干渉回避のための周波数チャネル制御技術の研究開発 山口弘純
(大阪大学)
高井峰生、廣森聡仁
(大阪大学)
線形代数モデルに基づく最適制御によりベースチャネル候補を決定することで、システム内干渉を電波効率かつ安定的な状態へと制御すると同時に、システム外部機器からの被干渉のベースチャネルへの影響度を時空間的にオンサイトで定量化することで、低品質のベースチャネルを自律的に回避する制御手法を開発する。システム内外の干渉影響を2つの制御手法のシナジーにより最小化することで、システム内外干渉のいずれか一方のみ、あるいは一方を単純化して考慮している競合他手法と比較し、高効率な制御を実現する。 1か年度
プラズマ・アンテナによるクローキング効果と周波数可変性の実現 酒井 道
(京都大学)
  プラズマというマイクロ波帯で金属とほぼ等価に振舞う物質を、マイクロ波帯ワイヤレス無線用アンテナの構成要素として付加することで、アンテナパラメータの可変性が劇的に向上すると見込まれる。プラズマ強度の調整により動作周波数の制御が可能とし、1つのアンテナ素子を種々の電波周波数に時分割で割り当て可能となる。さらに、プラズマの誘電率勾配が存在する空間領域において、電波の迂回(クローキング現象)も実現する。 1か年度
広帯域短パルスレーザーを用いたテラヘルツ電場検出技術の開発と応用 片山 郁文
(横浜国立大学)
芦田 昌明
(大阪大学)
諸橋 功 、関根 徳彦、入交 芳久、寳迫 巌
(独立行政法人情報通信研究機構)
本研究では、チャープパルスを用いた電場検出技術を用いて、テラヘルツ電磁波の電場波形を瞬時に得ることのできるオシロスコープを開発し、それを用いて絶対周波数測定を実証する。そのために、時間波形をスペクトルにマッピングする技術と、スペクトルを群速度分散を用いて時間に戻す技術を利用して、テラヘルツ電場波形を低周波信号に変換し、それを用いて量子カスケードレーザーの絶対周波数測定を実現する。 1か年度
データセンターにおけるラック内空調効率改善をもたらす通信ケーブルワイヤレス化の研究開発 川口 秀樹
(室蘭工業大学)
上羽 正純
(室蘭工業大学)
久々津 直哉、鴨田 浩和
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
松岡 茂登
(大阪大学)
フェーズIでは、空調効率を考慮して、ラック背面に装着したメッシュ板のメッシュサイズ、表面特性等をパラメータに電磁解析等のシミュレーションを行い、電波漏洩及びラック筐体内電波伝搬特性を評価する。こののち、フェーズIIでは、上記メッシュ板とミリ波帯アンテナ、ラック等を組合せのハードウエアを用いて検証を行い、ワイヤレスシステム導入による空調効率改善に向けた有用な知見を獲得する。 1か年度
次世代移動通信システムのためのミリ波帯アクセスリンクの時空間伝搬特性に関する研究開発 金 ミンソク
(新潟大学)
佐々木 重信
(新潟大学)
府川 和彦
(東京工業大学)
本研究開発は、次世代移動通信システムにおける狭いサービスエリア(スモールセル)内の高速アクセスリンクのための10GHzを超える高い周波数マイクロ波・ミリ波帯の時空間伝搬特性に関するものである。具体的には、60GHz・ミリ波帯における角度遅延特性・MIMO通信路特性同時に測定する装置の開発、典型的な運用環境における複数周波数の電波伝搬特性の測定、データ解析を通じて支配的な伝搬メカニズムと周波数による影響の解明、そして、確率的通信路モデルの構築を行うものである。特に、高周波数帯無線機における局部発振器の位相雑音問題をデジタル信号処理で補償する技術を取り入れ、これまで測定が困難であることから十分に解明されなかった通信路の動特性や偏波特性を解明を目指す。さらに、通信路特性に加えて伝搬環境の画像データや距離情報を用いるアンテナビーム制御技術を開発し、実用的なシステム運用法を提案する。 1か年度
5Gに向けた高度化マルチキャリアによる柔軟な多元接続の研究開発 岩井 誠人
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
有吉 正行、菅野 一生、DATTA ROHIT
(株式会社国際電気通信基礎技術研究所)
接続機器に応じた柔軟な多元接続を実現するため、FBMCやGFDM等の高度化マルチキャリア(Enh.MC)をベースとした以下の要素技術を確立すべく研究開発を実施する。
  • Flexible Enh.MC伝送:サブキャリア間隔等の波形パラメータの異なるサブキャリアの並列伝送を実現することにより、QoS要求の異なるトラヒックへの柔軟な対応を可能にする。
  • Hybrid MC伝送:OFDMとの同一システム帯域内での同時伝送を実現することで、4G/5G端末が混在する状況で、接続割合に応じた柔軟な周波数利用を可能とし、5Gへの円滑な移行を促進する。
1か年度
インパルス無線とインパルス情報処理を統合したシステムコンセプトにもとづく無線センサネットワークの研究開発 若宮直紀
(大阪大学)
Peper Ferdinand、ライプニッツ 賢治
(独立行政法人情報通信研究機構)
寺前順之助
(大阪大学)
インパルス無線ノード内の符号化とセンシング技術、インパルス無線ノード間の符号化とネットワーキング技術の2つの課題に取り組む。具体的には、超低消費電力のインパルス信号で情報を効率よく伝達する方式を検討する。シミュレーションおよび試作された無線ノードの実測の両面から、消費電力や情報伝達機能の性能を評価する。多数のセンサの観測値に対する平均、分散、外れ値の有無といった統計量に対して、インパルス型の通信ネットワークに関するreservoir computationの適切な実装を決定し、その有効性を検証する。 1か年度

先進的電波有効利用型(フェーズII) 3課題

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
二次元プラズモンを利用した超高速近距離テラヘルツ無線用光源・検出デバイスの開発 佐藤 昭
(東北大学)
トンベット ステファン、末光 哲也
(東北大学)
従来の電子走行型電子デバイスの速度限界を打破するため、2Dプラズモン共鳴という新しい物理現象を動作原理として導入する。2Dプラズモンが有するプラズモン不安定性やプラズモン光整流作用というTHz波の発振・検出を担う物理現象を強く発現せしめる独自のデバイス構造を開発・導入する。発振デバイスでは発振周波数・出力電力積10の9乗(HzW) (1 mW@1 THz)の達成を、検出デバイスでは検出感度/透過雑音電力比10の14乗(V√Hz/W2)と100 Gbit/s級リアルタイム検出の達成を目指す。さらに、無線通信システムへの実使用に耐えるモジュール化実装技術を開発する。 2か年度
人と社会インフラが連携する医療ICTネットワークの構築に向けた人体・伝搬影響適応制御ウェアラブルアンテナとOTA評価方法に関する研究開発 小川 晃一
(富山大学)
本田 和博
(富山大学)
小柳 芳雄、佐藤 浩、上田 真司
(パナソニックシステムネットワークス株式会社)
フェーズIIでは、平成25年度に採択されたフェーズIの成果に基づき、多素子化・高周波化を図り、人が腕を振りながら多重波伝搬環境中を歩行している状況でMIMOアンテナをOTA評価できる世界に類を見ない腕振り電磁ファントム3次元フェージングエミュレータを用い、提案アンテナによってギガビットクラスのMIMO伝送と高信頼性医療データBAN通信が可能であることをパナソニックシステムネットワーク株式会社と共同で実証する。 2か年度
高周波数帯を活用する端末連携信号処理技術の研究開発 村田 英一
(京都大学)
田野 哲
(岡山大学)
梅原 大祐
(京都工芸繊維大学)
近傍の携帯端末間において信号処理連携グループを適応的かつ効率的に形成する手法や信号処理の分散方法、ならびに干渉補償技術の高度化に取り組む。更に、高周波数帯における連携通信用MACプロトコルの開発を行い、連携に要するオーバヘッドや消費電力を削減する。既存基地局装置と新たに導入する端末装置により、これら成果を反映した屋外伝送実験を行い、端末連携による周波数利用効率改善効果を実証する。 2か年度

若手ワイヤレス研究者等育成型(フェーズI) 4課題

研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
インプラントデバイスにおける高速・高信頼化を実現する超広帯域無線通信方式の研究開発 安在 大祐
(名古屋工業大学)
  本研究は医療ICTの1つの応用であるインプラント医療デバイスの無線通信技術に着目し、これまでの高速伝送を可能とする既存技術である400MHz帯と比較して高周波数帯の周波数帯域であるUWB low-band (3.4-4.8GHz帯)に焦点を当て、UWB帯の利点であるアンテナの小型化を活かしたMIMO技術、および、送信電力と変復調方式の最適化を行う。インプラント無線通信の高信頼・高速伝送方式の開発、そして、試作機による実環境での本研究開発方式の特性評価を実施する。 1か年度
波形選択性の原理構築と無線通信応用に向けた基礎研究 若土 弘樹
(名古屋工業大学)
  フェーズIでは波形選択性の原理を構築するため、メタサーフェス(meta-surface)と呼ばれる二次元上に周期的に構築された人工媒質に、ダイオードなどの回路素子を組み込む。その特性は導波管内で解析的、実験的に評価される。フェーズIIでは将来の無線通信応用を見据え、より現実的に近い状況を模擬するため、簡易なアンテナを用いながら自由空間中で数値解析および実験を行う。また、波形選択性を様々な周波数帯で実現する。 1か年度
20GHz帯を用いた次世代超高速無線通信用広帯域リフレクトアレーの研究開発 今野 佳祐
(東北大学)
  まず、自己補対構造を持つ広帯域なリフレクトアレー素子の設計をモーメント法により行う。 次に、 20GHz帯リフレクトアレーを設計し、 その帯域及び利得を明らかにする。 次に、 設計した20GHz帯リフレクトアレーを試作し、 その特性を実験的に明らかにする。 その後、 一次放射器をアレー化することで高利得化を図ると共に、 最適化により利得やビーム幅を改善する。最後に、 屋外伝播実験を行い、 アレー化した一次放射器を有するリフレクトアレーの特性を実験的に明らかにする。 1か年度
無線LAN端末密度の高い環境下における周波数の高効率利用を目的とした次世代マルチアクセス方式に関する研究開発 レオナルドジュニア ラナンテ
(九州工業大学)
  フェーズIとして、IDMA方式を無線LANシステムへ適用するための方式設計を行い、その有効性をシミュレーション評価する。また、プロトタイプ試作に向けて、そのシステム設計およびFPGA実装を行う。さらに、次世代の無線LAN規格への技術提案を行い、その採用を狙う。フェーズIIとして、IDMA方式を適用した次世代無線LANシステムのプロトタイプ試作を行うことで実環境における有効性を評価する。 1か年度

地域ICT振興型研究開発(フェーズI) 22課題

管轄局 研究開発課題名 研究代表者 研究分担者 概要 期間
北海道 食と健康のライフイノベーションを実現するためのレコメンドシステム開発研究 西平 順
(北海道情報大学)
永井 秀幸
(データクック株式会社)
健康状態、運動量、食生活などの日々のライフログおよび、健診情報、遺伝的情報などを含めた複数のビッグデータをスマートフォンアプリ等でクラウドに収集、分析後そのモニターに最適な生活習慣アドバイスを自動的おこなうレコメンドエンジンを研究開発。遺伝的アルゴリズム等による機械学習機能により、モデリング、プログラムの最適化をおこない、使われるほどレコメンド精度が向上する仕組みを実現する。 1か年度
北海道 漁船排出CO2の削減を目的としたICTを活用した定置網漁支援に関する研究開発 和田 雅昭
(公立はこだて未来大学)
森口 和弘, 前田 久昭
(株式会社光電製作所)
畑中 勝守
(東京農業大学)
安井 重哉
(公立はこだて未来大学)
本研究開発では、定置網内の魚群を可視化するセンサネットワーク技術が基盤技術となる。定置網に浮かべるリモート魚群探知機を開発し、魚影画像を携帯電話回線を用いてクラウド・サーバに収集する。漁業者は、タブレット端末を用いて現在の、または、過去の魚影画像を閲覧することができる。さらに、魚影画像を解析した魚種判別、漁獲量推定の結果を出漁判断の指標として提供することで、効率的な網起こし(漁獲)を支援する。 1か年度
東北 光学センシング技術を用いた非侵襲輸液血管外漏出遠隔モニタリング支援システムの開発 野坂 大喜
(弘前大学)
中野 学、高見 秀樹
(弘前大学)
本研究では、輸液血管外漏出を早期発見し、患者の皮膚障害未然に防ぐとともに、医療従事者の負担を軽減することで、安心安全な医療を提供すべく、血管外漏出バイタルサインを検知する基盤技術を確立する。生体センシング技術と医用画像処理技術の融合により、『光学センシング技術を用いた非侵襲輸液血管外漏出検知装置』を開発し、同装置と医療情報ネットワークの融合により『遠隔モニタリング支援システム』を実現する。 1か年度
東北 準静電界センシングによる路面状態推定技術を利用した交通問題対策の研究開発 新井 義和
(岩手県立大学)
柴田 義孝
(岩手県立大学)
滝口 清昭、須田 義大
(東京大学)
内田 法彦
(埼玉工業大学)
本研究では、準静電界センサで得られる情報から路面の状態を推測するアルゴリズムを構築し、そこから得られた情報をセンサーネットワークによって高度に情報共有することにより路面凍結が原因となる車両事故を減少させることを目標とする。このために、正確に路面状態を計測するための技術要素として「準静電界センサ」の路面状態測定への応用とセンサ情報の高度な情報共有化を実現するセンサーネットワークの構築を行う。 1か年度
東北 居住者の行動と住居の危険度・被災度をMEMS加速度センサーで見守る研究開発 澤本 潤
(岩手県立大学)
小田 義也
(首都大学東京)
朱牟田 善治
(一般財団法人電力中央研究所)
住居に複数の3 軸加速度センサーを設置し、地表面や住居に絶えず存在する常時微動と地震時および地震後の強振動の振動特性の違いを詳細に分析することで、居住者の行動や住居の危険度・被災度を推測する。今回、この住居見守りセンサープラットフォームを高齢者宅や災害多発地帯に設置し、宅内のセンサー数を変化させて、その効果を可視化する実証実験を行う。また、実証実験の効率向上に向けて、床模型や住居の危険度・被災度を計測できるミニチュア模型を準備し、振動試験機により各種の振動データを実測・分析する。 1か年度
関東 観光客の満足度向上のための情報提供技術の研究開発 渡辺 裕
(宇都宮大学)
伊藤 篤、藤井 雅弘、羽多野 裕之
(宇都宮大学)、
佐藤 文博、平松 裕子
(中央大学)
本研究開発では、Bluetooth Low Energyビーコンなどの最新のICT技術と、心理学的・論理学的な情報提供アプローチを組み合わせることで、観光客に、現在位置と状況、また天候、時刻、季節、年齢、性別などを総合的に判断して的確に情報提供するとともに、逆に、一部を隠し、魅力的な謎を含むような情報を提供することで、観光客が、自ら、観光情報を探求することを可能とする情報提供技術を開発するものである。 1か年度
関東 Law Story 〜高齢社会を支える法務モデルの開発と運用に基づくビッグデータ分析〜 星野 准一
(筑波大学)
植田 一博
(東京大学)
荻野 恭弘
(司法書士法人名南経営)
浦野 幸
(株式会社Nicogory)
法律専門家の適切なコラボレーションの支援により、法務の高品質化、低コスト化、業務の効率化、権利義務構造の可視化する仕組みをWEBクラウド技術により実現する。本研究では、既存の法務プロセスを約400個の「法務ユニット」による組み合わせで再構成し、専門家を横断した業務遂行を促進する新たな法務モデルを開発する。クラウド上で得られたデータをマイニングし、業務ボトルネックの探索や、潜在的クライアントや新規業務を開拓していく。 1か年度
信越 災害状況を遠隔地から把握するセンサーネットワークのための災害に柔軟に対応する通信インフラシステムの研究開発 不破 泰
(信州大学)
鈴木 彦文
(信州大学)
本研究では、これまで研究代表者らが長野県塩尻市において614台からなる大規模なAd-Hoc中継機網による高耐災害性を持つ通信インフラと、2007年から続けているこの通信システムを利用するセンサーネットワークに関する研究を基盤とし、本研究の目的とする災害に柔軟に対応できるセンサーネットワークと通信インフラシステムを開発するものである。
具体的には、(1)インフラとセンサーの設置をより容易に行う機能、(2)被災状況に柔軟に対応できるインフラ機能、(3)多様なセンシングに柔軟に対応できるセンサーネットワーク機能 に関する研究を行うこととし、フェーズIはその確実な実現可能性をシミュレーションによる検証、試作機器を実際のフィールドにて実運用をもって行う検証により確認し、フェーズIIにつなげるものである。
1か年度
信越 嚥下筋活動のセンシングと嚥下補助食品への応用に関する研究 大森 信行
(長野県工業技術総合センター)
村澤 智啓、相澤 淳平
(長野県工業技術総合センター)
栗田 浩、小山 吉人
(信州大学)
非侵襲的に嚥下時の筋活動を測定するために、シート上に配置した筋電図電極及び振動センサから構成されるセンサシートを開発する。センサシートにより、電極及び振動センサの取り付け作業を大幅に削減できる。また、測定波形から嚥下時の筋活動を表す特徴量を抽出することにより、X線や内視鏡といった侵襲的な方法と比べて、被検査者の負担がきわめて少ない検査により嚥下時の筋活動を測定できる。 1か年度
北陸 発光・蓄光金属を用いた災害危険度感知センサーとそのセンサーネットワーク展開の研究開発 堀田 裕弘
(富山大学)
松田 健二、大路 貴久、飴井 賢治、柴田 啓司
(富山大学)
センサーの核となる発光・蓄光特性を有する軽金属基複合材料に着目し、材料組成の立場から応力発光素子としての利活用を見極め、これと高感度受光素子やアンテナなどを含む組込み回路などから「災害危険度感知センサー」単体を開発し、情報センシングの感度や精度を見極める。さらに、材料組成の特性改善、センサー感度や精度を勘案しながらセンサー配置・利用について検討を行い、実利用化へ向けた改良を行い課題の整理を行う。 1か年度
東海 オープンデータとSNS解析による静岡県観光リソース活用支援技術の研究開発 武藤 伸明
(静岡県立大学)
大久保 誠也 、渡邉 貴之、湯瀬 裕昭、松浦 博 、斉藤 和巳、池田 哲夫
(静岡県立大学)
本研究開発では、オープンデータを用いた観光リソース活用支援技術を確立するために、(1)回遊性を重視した観光リソースの適切な配置候補地検出技術の確立、(2)利便性を重視した観光リソースの適切な配置候補地検出技術の確立、(3)回遊性重視型と利便性重視型での観光リソース配置の特性評価、を具体的な研究課題として、Wi-Fiスポット設置に特化して、静岡市中心部や、富士山から伊豆に至るエリアを対象として実証的に研究開発を展開する。 1か年度
東海 「措置入院」の診察のためのセキュアな精神保健指定医決定システムの開発 杉浦 伸一
(名古屋大学)
郷間 宏史
(名古屋大学)
浅野 美香
(MSドリーム株式会社)
フェーズIでは、文書画像化プロトコールとして既存のQRコードを用いた措置入院の診察のための精神保健指定医決定システムを構築して実証実験を行い、コード化した一斉メール送信システムの有用性を検討する。
フェーズIIでは、文書画像化プロトコールを開発し、患者資料や画像などの大容量データの秘匿化システムを構築する。このシステムを一斉メール送信システムに適用することで、診察の可否の判断に与える効果を検討する。
1か年度
近畿 循環器疾患患者を対象とした在宅ヘルスケア・システムの研究開発 小林 浩
(奈良県立医科大学)
武内 良典、今井 正治
(大阪大学)
田村 俊世、関根 正樹
(大阪電気通信大学)
藤井 敏夫、谷井 清、奥村 郁子、大西 佑佳
(テクノス株式会社)
心疾患、脳卒中を発症後に在宅で療養する患者の再発予兆を見守る重要な生体情報として血圧、心電図、運動量計測が求められる。在宅での生活中に患者が意識することなく椅子に座るだけで血圧が計測され、ベッドに横たわるだけで心電図が計測され、TVを見ながら運動するだけで手足の動きが計測できる生体計測手段を開発し、その生体情報から健康見守りセンタの医療従事経験者が再発予兆を察し、早期に関係機関への対応をとる再発予防システムを目指す。 1か年度
近畿 学校健診データベース構築による地域健康増進と新規ヘルスケアニーズの探索 川上 浩司
(京都大学)
粂 直人、田中 司朗
(京都大学)
我々はフェーズIにおいて、協力をいただける関西圏の学校群と提携して、学校健診データおよび運動能力調査結果の紙データをデジタルキャプチャするシステムを構築する。フェーズIIにおいては、複数の小学校、中学校、高等学校から膨大な学校健診データの経年的な集積を無償で受託し、希望する個人には学校を通じて健診データを無料でオンデマンドにて還付する。 1か年度
中国 妊娠・出産・育児支援コミュニティ・ネットワークの研究開発 中田 雅彦
(川崎医科大学)
岡田 美保子、川崎 数馬、津島 ひろ江
(川崎医療福祉大学)
秋山 祐冶
(川崎医科大学)
スマートフォン等を用いて医療機関から提供される診療情報(妊娠の経過、推定体重、胎児診断の異常、胎児のエコー写真等)の閲覧や、本人による書き込み等を可能にする。この基本機能をフェーズIとして開発する。フェーズIIではスマートフォンの機能を拡張するとともに、医療職、本人、家族、友人等の繋がりを支え、妊娠・出産・育児に関わる悩みや不安に関する経験談を共有できるコミュニティ・ネットワークを構築する。 1か年度
四国 “命を守る”ためのICT活用地域密着型防災システム 光原 弘幸
(徳島大学)
上月 康則
(徳島大学)
井上 武久、山口 健治、武知 康逸、森本 真理
(株式会社オプトピア)
“防災+ゲーム+集合知”の組み合わせに着目し、(1)地域住民がゲーム感覚で防災情報・知識の蓄積や防災教材の作成に参加できるWebシステム、(2)蓄積・共有された防災情報・知識、防災教材及び実施した避難訓練について住民が議論や災害図上訓練のできるWebシステム、(3)現在急速に普及しつつあるスマートフォン上で防災教育(避難訓練)の機会を無理なく提供するモバイルシステムを開発する。そして、徳島県の複数地域を対象にその有効性を検証する。 1か年度
四国 医療ICTによる地域疾病管理―次世代型地域連携による糖尿病重症化抑制システムの開発と普及―の研究開発 村尾 孝児
(香川大学)
井町 仁美、横井 英人、上村 幸司
(香川大学)
研究開発の概要は、○かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)を活用した糖尿病重症化疾病管理マップを作成する。○地域医療従事者に対する糖尿病技術移転、糖尿病療養指導、症例検討会を開催し、各地域における糖尿病診療レベルの向上をはかる。○糖尿病地域連携クリティカルパスをコントロールする疾病管理マップの開発。○糖尿病重症化の指標による疾病管理マップの修正及び普遍化を行う。○他疾患への医療ITの応用および普遍化を行う。 1か年度
四国 ICT利用による情報化農業確立のための害虫発生モニタリングシステムの開発 有馬 誠一
(愛媛大学)
上加 裕子
(愛媛大学)
本研究課題では、害虫の発生状況の時系列データを得るべく、害虫発生モニタリングシステムを構築する。具体的には、既に広く普及している害虫捕殺粘着シートを携帯端末などのカメラで撮影し、画像処理技術を用いて、捕殺された害虫の同定やカウントを行う。これにより多地点・広範囲・高頻度で害虫発生の状況把握が可能となり、さらに、クラウド上での展開、害虫発生状況のマップ化により、害虫の分布と拡大の傾向、発生源の特定、栽培環境との関係を提示することができる。 1か年度
九州 実空間情報連動型ネットワークシステムの研究開発 中村 勝一
(株式会社ネットワーク応用技術研究所)
尾家 祐二、野林 大起、塚本 和也、池永 全志
(九州工業大学)
小寺 康平、嶋村 昌義、永田 晃、中村 勝一
(株式会社ネットワーク応用技術研究所)
実空間エリアと実空間上のユーザグループを動的に生成し、各ユーザに対して効率的かつ確実な通信が可能となる手法を確立する。実空間と連動した新たな情報通信プラットフォームを提供することにより、地域での幅広いアプリケーション開発推進に貢献し、身近な互助活動推進を支援する等、地域における安心・安全を確保するための人々の行動様式の変化にも貢献する。 1か年度
九州 Webナビゲーションと近距離無線通信技術によって公共交通の体系化を促し地域発ITSモデルの構築を目指す研究開発 森田 均
(長崎県立大学)
松坂 勲、山口 泰生
(長崎電気軌道株式会社)
山口 文春、高比良 惣
(扇精光株式会社)
まず位置情報配信の対象を基幹網としての路面電車に支線網として長崎市5系統の乗合タクシーを加えICT利用による公共交通体系化を促進させる。その際に、位置を軌道全域に配信すると利用者にとっては情報過多となる。そこで、配信範囲の局所化、緊急対応など、移動手段としての車両・乗合タクシーと位置情報(モビリティとインフォメーション)の調和に関してユーザー意向などの調査を行う。この調査によって得た位置情報、バリア情報、観光情報など情報表示の適切な手法に従いアプリケーションの開発を行う。次に交通網に情報通信ネットワークの機能を付加するために、近距離無線通信技術等を利活用して適切な情報環境を構築する。さらに、交通網と情報通信網の融合によるITS事業のモデル構築を行い、地域発の提案とする。 1か年度
九州 システム開発の設計工程におけるセキュリティ分析手法の研究開発 福田 晃
(九州大学)
谷津 弘一 、久住 憲嗣
(九州大学)
開発工程の中で作成される資料の間のトレーサビリティとSMTソルバを用いたモデル検査を組み合わせて、設計工程においてセキュリティ脆弱性の検出を可能にする汎用的な分析手法を研究開発する。そして、スマートハウスやスマートコミュニティのセキュリティ脅威分析や対策に関する知識を蓄積し、開発した分析手法に基くスマートコミュニティに特化したセキュリティ分析環境の実現を図る。 1か年度
沖縄 M2M通信を活用した再生可能エネルギー由来の充電ステーションシステムの開発 浦崎 直光
(琉球大学)
千住 智信、與那 篤史
(琉球大学)
本研究では、再生可能エネルギー由来の電気自動車(EV)用充電システムの開発を行う。再生可能エネルギーを効率的に得るために、各企業や家庭(以下、需要家と称する)が有する再生可能エネルギーを集約するアグリゲーション事業者を導入し、地域毎にEVの充電サービスを提供する。各充電ステーションでは需要家ならびにEVユーザとMachine to Machine 通信(M2M通信)により安価かつ低消費電力による無線通信を行い、双方向通信に基づいて最適運用を実現する。 1か年度

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