会議資料・開催案内等



政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会議事録



  1.  日時 平成17年9月8日(木)13時30分から16時45分

  2.  場所 中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

  3.  出席者
    独立行政法人評価分科会所属委員)
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、森泉陽子独立行政法人評価分科会委員、縣公一郎、浅羽隆史、阿曽沼元博、井上光昭、梅里良正、岡本義朗、梶川融、河野正男、河村小百合、黒川行治、黒田壽二、黒田玲子、島上清明、鈴木豊、田渕雪子、松田美幸、丸島儀一、山谷清志の各臨時委員
    総務省)
    伊藤孝雄官房審議官、新井豊評価監視官、山下哲夫評価監視官、榎本泰士調査官、岩田博調査官、加瀬徳幸調査官

  4.  議題
    (1) 見直し当初案に関する府省ヒアリング(文部科学省、内閣府、厚生労働省)
    (2) 役員の退職金に係る業績勘案率について(文部科学省、国土交通省、財務省)
    (3) 「独立行政法人評価年報(平成16年度版)」のとりまとめについて
    (4) 報告事項

  5.  配付資料
    (1) 見直し当初案<文部科学省5法人(国立特殊教育総合研究所、国立国語研究所、国立美術館、国立博物館、文化財研究所)>
    (2) 見直し当初案<内閣府所管1法人(駐留軍等労働者労務管理機構)>
    (3) 見直し当初案<厚生労働省所管1法人(国立健康・栄養研究所)>
    (4) 各府省独立行政法人評価委員会の業績勘案率(案)について(文部科学省、国土交通省、財務省)
    (5) 独立行政法人評価年報(平成16年度版)(案)について



 富田分科会長
 それでは、時間になりましたので、ただいまから政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会を開会いたします。
 本日の分科会は、昨日に引き続きまして、17年度末までに中期目標期間が終了いたします24法人の見直し当初案に関する府省ヒアリングの一環といたしまして、文部科学省所管5法人、内閣府所管1法人及び厚生労働省所管1法人の、計7法人の見直し当初案に関するヒアリングを行います。
 昨日の分科会の際にも申し上げましたとおり、今後当分科会として主要な事務・事業の改廃に関する勧告の方向性の検討を行っていきます上で、非常に重要な意味合いを持つものと考えておりますので、委員の皆様の御協力を何とぞよろしくお願いいたします。
 では、初めに事務局から説明をお願いいたします。

 新井評価監視官
 本日のヒアリングでございますが、まず文部科学省から国立特殊教育総合研究所、国立国語研究所、国立美術館、国立博物館、文化財研究所の5法人について、それから内閣府、これは防衛施設庁からの説明になりますが、駐留軍等労働者労務管理機構、それから厚生労働省、国立健康・栄養研究所、この計7法人についてヒアリングを行いたいと思います。よろしくお願いいたします。

 富田分科会長
 それでは、文部科学省所管5法人の見直し当初案につきまして、ヒアリングを行います。
 最初に国立美術館、国立博物館、文化財研究所、国立国語研究所及び国立特殊教育総合研究所の見直し当初案につきまして、文部科学省から御説明をいただきます。
 本日は、文部科学省樋口政策評価審議官、岩橋文化庁文化財部長、辰野文化庁審議官、布村審議官を始め、御担当の皆様にお越しいただきました。
 まず国立美術館、国立博物館及び文化財研究所の見直し当初案につきまして、一括して御説明いただき、質疑応答を行います。その後、国立国語研究所、国立特殊教育総合研究所の見直し当初案についてそれぞれ説明をいただき、個々に質疑、応答を行いたいと思います。
 それでは、最初に国立美術館、国立博物館及び文化財研究所の見直し当初案について、短時間で恐縮ですが、15分で御説明をいただきたいと存じます。よろしくお願いします。

 樋口審議官
 文部科学省の政策評価審議官の樋口でございます。まず初めに文部科学省全体としての見直しの方向性、ポイントにつきまして御説明申し上げ、その後、各担当から具体的な内容についてお話をさせていただきたいと思います。
 文部科学省の独立行政法人のうち今回対象になります5法人は、いずれも教育文化立国を目指す我が国にとりまして、極めて重要な役割を担っていると認識をしております。一方で、今後の行政改革の方針といたしまして、独立行政法人については、中期目標期間の終了時において、必要な見直しを行うことが求められていると理解しておりまして、このような中で文部科学省といたしましては、まず組織形態の見直しといたしまして5法人すべてを非公務員化することとしており、特に研究機関である3法人につきましては、任期付きの研究員制度を導入することとしております。このような柔軟な人事制度を採ることによりまして、大学等との連携を図り、人事交流を促進しながら、研究内容の一層の充実を図ってまいりたいと考えているわけであります。
 業務の見直しにつきましては、社会の変化を踏まえ、喫緊の課題への対応を強化するとともに、大学、地方公共団体等との役割分担を進めながら重複の排除を徹底するなど、業務の効率化、重点化を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、施設管理等の業務については、一層効率化を図るために民間委託の更なる推進を図ってまいりたい。これにより経費の縮減を進めてまいりたいと考えているわけでございます。
 このような見直しを実施することにより、時代の要請に応じた効果的・効率的な法人運営に努めてまいりたいと思っております。
 それでは、各担当から御説明申し上げます。

 辰野審議官
 それでは、まず国立美術館について申し上げます。
 まずミッションといいますか目的でありますけれども、基本的な性格は芸術文化の創造と発展ということで、近現代、西洋の美術作品の収集・展示を通じた芸術の振興として位置付けられております。さらに、美術による国際交流、感性を高める美術教育ということもそのうちに入っているわけでございます。
 美術館は現在四つありまして、それぞれの性格が個性的で、東京の国立近代美術館は近現代美術全般、そのほか工芸館、フィルムセンター等を備えております。京都につきましては、京都を中心とする関西に重点を置いた日本の近現代美術。それから国立西洋美術館は、これは松方コレクションをベースにした西洋美術。国立国際美術館、これは大阪に移転したばかりでございますけれども、現代美術を中心にしています。このほか平成18年度から国立新美術館の開館を予定しております。
 中期目標期間中の取組ということでは、おおむねが評価をされているところでございますけれども、質の高い展覧会の実施、それから新人アーティストの発掘、その他進めておりますが、独立行政法人になりましたことにより、いろいろと柔軟な、また機動的な対応ができるという中で、例えば、思い切ったロビー、エントランスホールを企業の新作発表の場として貸し出すとか、それから金曜日、年末・年始についても開館してできるだけ多くの人に提供するということを進めてまいりました。
 その結果、自己収入、入館者数ともに独立行政法人化の前と独立行政法人化後の比較におきまして、大きく伸びているところでございます。
 次に中期目標終了後の見直しと、今後の展望でございますけれども、組織につきましては、非公務員化して柔軟な組織を実現するということでございます。
 法人運営につきましては、特に美術館の場合には、各館の個性、多様性を重視して、各館の競争と連携を促していく、こういう法人運営を更に進めてまいりたいと考えております。
 それから、各館に権限を委譲しておりますが、人事、会計等の管理業務の一元化については、本部機能として強力に推進してまいりたいと。
 それから、民間委託につきましても、一層推進いたしまして、一般管理費等を縮減することを考えております。
 次に、内容的な性格でございますけれども、今後ナショナルセンターとして全国の美術館に方向性を示す先導的な取組、新しい分野でメディアアート・アニメ・デザイン・建築、そういう最先端の現代アート、このような取組にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 国際的視野に立った主導的な展覧会も開催をしてまいります。
 それから、美術作品の動向に関する国内、国際的な情報収集能力を大いに高めてまいりたいと考えております。
 それから、国公私立美術館等への支援機能ということでは、先端的な美術教材というものが一応求められておりますので、教育プログラムの開発事業に特化をしてやっていきたいと考えております。
 従来型の博物館実習、キューレーター実務研修、これらにつきましては廃止しまして、中核的な人材を育成するためのプログラムというものによる研修を実施してまいりたいと思っております。
 それから、今後の展望は、このように法人化したことによって非常に思い切った取組が行われ、非常に上げ潮ムードでありますけれども、更にナショナルセンターとして、現代社会における美術動向を的確にとらえたアートの発信の場として、特にアニメ・建築など、日本が世界に誇る現代表現に積極的に取り組んでいくということで進めてまいりたいと考えております。
 美術館につきましては、以上でございます。

 岩橋文化財部長
 続きまして、国立博物館と文化財研究所について御説明させていただきます。
 まず、独立行政法人国立博物館についてでございますが、この国立博物館の使命と役割については、私どもは大きく三つあると考えております。
 まず、第1点は、文化財の保存と継承でございます。文化財保護法に基づき、国宝・重要文化財といったものを指定して、保存、活用のための体制を整備しているわけでございますが、国立博物館には約13万件の所蔵品がございます。国宝で言えば、寄託を受けているものを含め38%、重要文化財では25%を所蔵しておりますが、こういった文化財は適切に保存をしないと損傷、劣化をするというものでございます。こういったものを適切な環境のもとで後世に着実に継承していくことは国の責務だと考えているところでございます。
 第2点は、文化財は、我々の先人が生み出してきた蓄積の集大成でございます。こういったものを通じ、日本人としてのアイデンティティーを育み伝えていくと。ますます国際化する世界の中において、やはり日本人としてのアイデンティティーをいかにして確立し、その上で国際的に活躍、あるいは発言していくかという面でも基礎を支えるものとして極めて貴重な、重要なものだと認識しております。 
 あわせまして、日本文化の魅力、財産でございますが、国内外に平常展、企画展といった展示を通じて発信をしていく。こういった三つの大事な使命と役割を持っていると認識しております。
 それでは、独立行政法人化した後、どのように我々が業務を改革してきたかということでございますが、御案内のように、博物館は、国以外にも地方にも民営のものもございます。その中で、国立博物館はナショナルセンターとしての機能を有しております。こういった機能を強化する観点から、柔軟かつ機動的な業務の展開に努めてきたところでございます。
 幾つか例を示させていただきますが、昨年の台風で国宝の厳島神社が、多大な損害を受けました。もちろん文化庁といたしましては、こういった国宝の修復のための補助金等において早急な復旧にも努めているところでございますが、国宝の展示を迅速にやることによって、国民に厳島の貴重な財産の有り様を示し、そしてその場で寄附活動等のお手伝いをする等々の形でも貢献をしているところでございます。
 さらに、この5月に上野の国立博物館で、「遣唐使と唐の美術」という博覧会を実施いたしました。これは昨年、まさに発見された、遣唐使の一員だったと言われております井(せい)真(しん)成(せい)の墓誌名が発見されたということでございまして、この墓誌名が愛知の万博に出品されるという機会がございましたので、これを契機に、急遽こういった非常に日本と中国唐の関係において意味のある展覧会を開催したものでございます。
 この二つは、国の機関のときには、予算がすべて厳しく制約されていて、私ども文化庁、あるいは財務省と協議しないと一切年度途中で機動的な対応ができないということがございましたが、独立行政法人化されて予算執行上の柔軟性が増したという長所を最大限に活用して、理事長の指導性の下に実行したものでございます。
 その他、平常展の展示を分かりやすい展示に変える、我が国のナショナルセンターとして、我が国に来ておられる留学生の方に日本の文化を知っていただくための展示、あるいは外国語でのパンフレットを刷る、政府を挙げて実施しておりますビジット・ジャパン・キャンペーンに協賛する形での企画に積極的に参加するといった取組をしております。
 さらに、独立行政法人化によりまして、それまで各館は大臣に直結して独立していたわけでございますが、一つの法人になったということで、業務の効率的な運営に努めております。
 その他入館者へのサービスの提供ということで、観客の目線に合った柔軟な企画等に努めております。
 次に、見直しの方法でございます。
 組織の見直し等については、文部科学省を通じて非公務員化、柔軟な組織に努める。
 それから、法人運営の効率化についても、横断的な経営に努める、あるいは一般管理費等の一層の節減に努めていきたいと思います。
 文化財の保存・継承につきましては、一つは、先ほど冒頭申し上げました貴重な国宝等をお預かりしております。昨今の地震等に備えるためのインフラの整備等にも努めてまいりたいと思っておりますし、発信のための機能も高めてまいりたいと思っております。
 それから、公私立博物館への支援につきましては、地方のニーズに応じ、巡回展については廃止して、地方の意欲的な取組に対して文化財を貸与するという形で、うまく連携を図っていきたいと考えているところでございます。
 それから、実習等キューレーターについては、美術館と同様に見直しまして、新たなニーズに対応していきたいということでございます。
 続きまして、文化財研究所について御説明をさせていただきます。
 文化財研究所は、文化財保護法で保護の活用の対象となる文化財全般について、文化庁の行政をサポートする形での調査研究を担っている機関でございます。基礎的な調査研究の成果を踏まえ、実践的な調査研究を担っているということが特徴でございます。
 具体的には、いろいろ報道されております高松塚古墳、それからキトラの古墳の壁画をどうやって守っていくかという場合にあたりまして、その判断基準となるデータの提供、そして、方針が決まった後は、実施母体としてそういったものの保存修復に貢献していただくという重要な機能を持っております。
 さらに、最近私どもが非常に重要だと思っておりますのはアフガニスタン、イラン、イラク等における文化財の保存・修復に対する協力でございます。
 そのような意味で、文化財研究所に求められる今後の課題としては、文化財保護行政を支える表裏一体となった調査研究、それから崩壊の危機に瀕している世界各地の文化財に対する我が国の国際貢献、こういったものを支えていくという機能でございます。   
 事務・事業といたしましては、文化財保護行政上の非常に緊急性の高い課題、高松塚、キトラのような、今手を下さないともう失われてしまうような文化財を、どう保存・修復していくか等の課題に集約化を図ってまいりたいと思っております。
 2点目は、今申し上げましたような国際的な貢献ということでございます。これまで大学、あるいは個別の機関でばらばらに行われていました文化財協力を外務省等の協力の下で国際的なネットワークを作る、こういった意味での基本的な機能も果たしていただきたいと考えているところでございます。
 地方公共団体の支援等については先ほどと同じような形で、研修等の業務については、重点化を図っていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

 富田分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明のありました三つの法人につきましての見直し当初案に関します質疑応答に移ります。御質問などございましたらどなたかからでもお願いいたします。
 山谷臨時委員
 いろいろ改革、あるいは改善をされているところには大変敬意を表するところでございます。二つ質問がございます。
 まず一つは、国立美術館と国立博物館に関する質問でございます。お話を伺っておりますと、そもそも文部科学省、あるいは文化庁が考えるべき政策マターの話と独立行政法人が考えるべき業務マターの話が両方にまたがっているようなところがございまして、どうもそこのところで頭が混乱してしまいます。私が考えるには、やはりナショナルセンターとして何をするか、いろいろ国としての新しい試みとして何をするかという部分とは別に、独立行政法人としていろいろなことをされるわけですが、この美術館、博物館に関して言えば、要するに基本は展示、見せるという部分と、それから収集、集めるという部分、この業務に特化されるところがあるのではないかと考えるわけです。その場合に、美術館にしても博物館にしても、同じような集める業務、あるいは見せる業務を行っているのであれば、これは一緒になってもそんなに問題はないのではないかなと感じるのですが、その点について御意見を伺いたいと思います。
 それから、第2点でございます。国立博物館と文化財研究所でございますが、これもやはりよく似ている業務がございます。要するに調査研究のところでございまして、その部分に関して言えば、この二つの独立行政法人も、別々にあるというよりはむしろ一緒にしたほうがかなり効率的なのではないかということについて、無理なのかどうか、あるいは違う考え方があるのかどうかについて、お考えを伺いたいと思います。お願いいたします。

 辰野審議官
 まず、国立美術館と国立博物館の統合について、これは確かに一見似たようなところがございますが、これは政策的な目的といいますか、その設置目的というのが基本的に違っているところがあります。先ほどミッションのところで申し上げましたように、国立美術館は、最終的には芸術創造活動をいかに国全体として充実を図っていくかが目標でありまして、国立博物館は、我が国の宝であります文化財をいかに継承して活用していくのかというように基本目的が違うわけです。そこで、そのための館の運営手法、マネジメントというのも相当異なってまいりまして、先ほども少し申し上げましたが、国立美術館では、新しい芸術に対する発信という観点から、各館の個性を更に発揮させるような形でマネジメントをやっていきたい。国立博物館は、むしろ博物館全体としてそういう文化財を保護するという形から、全体として例えば研究職を一括採用してみたり、理事の担当につきましても、横断的な役割と責任を与えたりということで考えているところがございます。
 それから、我々の海外調査の結果、国際的な趨勢というものを見てみますと、国立のところも相当ありますし、独自の法人格を与える場合にも、館ごとの独自性、自立性を制度的に保障するという形が多いと把握しているところでございます。
 例えばイギリス、フランス、ドイツあたりでも館ごとに法人格を持たせており、例えばルーブルでは独自の運営ができるようになってから入館者が倍増したというように、各館に努力させて、そこで上がってきた収入を更にそこの充実に使うと、そしてその特色というものを発揮しながら切磋琢磨して、最終的に全体として充実した美術館、博物館活動を行うという格好になっているわけであります。これはまさにインセンティブとしても非常に大きく働くところがあるということだろうと思います。
 しかし、我が国のように、例えば美術館、博物館を何館かまとめてというのは、ある意味ではユニークなやり方でありますけれども、それはそれで我が国は今まで国立だったものから独立行政法人になったことによる柔軟な、ないしは機動的な運営ができるということを最大限にいかして、また連携をまさに大きく図ることによって全体の機能を発揮するということでありますので、それはそれで私どもとしてもそういうことをいかしていきたいと思ってはいますけれども、全体の趨勢はそのようなところにあると考えております。
 ですから、更にこれを統合してしまうと、政策目的が違うものをあえて統合してしまって、そして例えば意思決定にしてもいろいろなものに対する対応にしても、これが非常に重くなってしまう。それから、例えば芸術の振興、それから文化財の保護ということを、どういう重みを持たせてその中でやっていくかということについて、大きな法人の理事長が判断をするということになってしまうと、国全体としてのそれぞれの振興策ということに影響してくると思っているところであります。
 ですから、私どもとしては、今まで独立行政法人化してそれぞれ成果を上げてきておりますので、これを更により発展的にこれを発揮できるような形で、このメリットをいかしていく方向で当面実施していきたいと考えております。

 岩橋文化財部長
 それでは、第2点につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
 お尋ねは、国立博物館と文化財研究所を統合したらどうかということであったかと思います。これにつきましては、今、博物館と美術館の御説明をいたしましたけれども、博物館と文化財研究所の業務の範囲、それから私ども行政がその二つの独立行政法人に託している使命というのは、若干異なると考えております。
 博物館は、国宝、重要文化財等を保存しているわけですが、文化財保護法の体系から言いますと、基本的に博物館で収集・展示しているのはいわゆる動産でございます。大半は美術・工芸品であります。それで、先ほど述べました高松塚のようなもの、あるいは建造物のようなものは博物館等に収蔵して展示するということは基本的にできませんので、基本的には現地に置いてある。一方、文化財研究所として調査研究、我々としても行政を支えている意味での研究を期待しておりますのは、そういった美術・工芸品、建造物にとどまらずに無形資産のようなものもございます。例えば文化財研究所、私どもこれから重要度が増えていくのは無形資産のようなものがあろうと思っているわけでございます。
 御案内のように、我が国初めてのユネスコの事務総長として松浦さんが行かれまして、そのリーダーシップのもとに無形資産条約というのができました。これは、欧米を中心とした今までの考え方というのは、基本的に石造りの文化でございます。その中で東洋、あるいはこれから重要になってきますアジア・アフリカの無形資産をどう位置付けていくかということが、私ども文化庁の行政として極めて重要でございます。こういったものを国際的に主張していく場合には、やはり研究所で長期的に取り組んでいただいて分析し、データに基づく論証をしていく必要がございます。こういったものも文化財研究所は担っているということでございます。
 それから、かなりの領域、文化庁との関係において使命の違うものを、一人の理事長の下に置くということについては、私どもは若干デメリットの方が多いのではないかと考えております。先ほど申し上げましたけれども、独法というのは理事長の裁量性が非常に強うございます。したがって、先ほどのようにいい面もあるわけですが、その中の資源配分が理事長の裁量で自由になるわけで、私どもとしては、行政上の異なるミッションなり位置付けを置いているものを一つの法人の下に置くのはいかがかと思います。
 それから、もう1点ございますのは、博物館は入場料収入を上げて少しでも収益を稼ぐということがあるわけでございます。一方、文化財研究所は、収入を上げるというものではございません。国が地道な研究をしてほしい、あるいは高松塚キトラのように、文化庁として責任を持って対応しなければいけないものに応えていただくというものでございますので、経営マインドがかなり異なってくるだろうと考えておりまして、統合すれば直ちにメリットが出るというものではないのではないかと考えているところでございます。

 河野臨時委員
 ただいま国立博物館と文化財研究所の統合についてお答えいただきましたが、統合ということとは別に、文化財研究所についてお伺いいたします。東京文化財研究所が運営しております黒田記念館がございますが、保存上の問題から木曜日と土曜日の午後しか一般公開していないと聞いております。一般公開をできるだけ行った方が望ましいのではないかと思います。東京博物館の敷地内にあると聞いていますが、管理運営を、同じような知見を持っている東京博物館に任せるというようなお考えはないのかというのが1点です。
 それから、もう1点です。いろいろな調査研究をされていますが、その調査研究を国とか地方自治体へ役立てるということについてどのような仕組みが考えられているのか、お教えいただければと思います。

 岩橋文化財部長
 東京文化財研究所にあります黒田記念館でございますが、これは黒田清輝さんの一連の著作に関する研究の成果の一部を展示しているというものでございまして、性格的には美術館のような常設という形では行っておりません。したがいまして、作品を解析して、昨年も特別の展示をやりましたけれども、新しい工学的な今のデジタル画像の技術を使った研究の成果、そういったものがある程度まとまったときに特別展のような公開をするという形でやっているところでございます。引き続きまだ研究をしているというところでございます。
 文化財研究所の調査研究の成果をどう反映しているかという意味では、大きく二つあろうかと思います。
 例えば奈良、伝統的な遺跡、あるいは古い文化財がたくさんあるところでございますが、こういったところでは今でも平城京とか藤原京の発掘をやっております。こういったものの発掘の技術というのは、実際各地で遺跡が出ているわけですが、ほとんどの場合には発掘作業をしているのはパートの方々でございまして、ある県では、私も行きましたけれども、200人ぐらいのパートの方を動員してやっていると。そういった発掘作業をする指導者の教育に資するというのが1点。
 それから、もう1点は、これは私どもの評価委員会でも指摘されておりまして、これから少し活動しなければならないかと思っているところですが、我が国の文化財保護行政の一つの成果というのは、調査の結果をきちんと資料に残しているということでございます。私どもの評価委員会からは、いろいろな調査の終わった結果を早く成果物として資料として残し、それをデータベースにいかして共有できるようにするよう言われております。そういった形でこの成果を国民に公表するだけではなく大学等の研究にも役立てていただくということを考えているところでございます。

 松田臨時委員
 確かに各法人が個別にその法人格の下で自由度を持って経営していくメリットと、それから複数の法人を一つのグループとしてグループ経営していく形態のメリットというのは、どんな分野でもあり得ると思います。どちらがプラス、マイナスがあるかはそれぞれあると思いますが、今お聞きしたように、今回独立行政法人化して非常に個々の組織のミッションが明確になって、そのミッションに対して非常に成果が出しやすくなったということは、私も本当にすばらしいと思っています。一方で、なぜ世の中の様々な組織がそういうグループ経営をしたり統合化したりしていくかというところの背景の一つには経営資源をいかに有効に使うかということで、財務的に規模が小さくて個別に行っていたらできないことが、統合して財務的な規模が大きくなることによって投資もしやすくなる、あるいは様々な事業の規模も年によってめり張りをつけてできるようになるとかということもあり得ますし、それから人的な資源も、場合によってはグループ経営した方がよいという場合も出てまいります。今後ますます財務的には独立行政法人も厳しくなっていくと思います。
 ましてやお聞きしたように文化財研究所の展示にも、確かにそれは研究がテーマだから国民に見せる機会は少なくてもよいのだという考え方もあるかもしれませんが、それほどすばらしい文化財であれば、多少資金を投じてでももっともっと国民に触れていただくということもミッションかもしれないですし、もっと財務的な柔軟性だとか投資の機会を失わないというようなことを考えたときのメリット、デメリットを考えていただく可能性はないのか。
 もう一つ、グループ経営した場合、確かに各法人の長の独自性がどうなるのかということはあるかもしれませんけれども、通常で言えば企業経営を行ったときに、グループの例えばCOとカンパニー長の関係で、どこまでカンパニー長に権限を持たせるかというのは、当然その組織組織の判断でできるわけです。ましてや独立行政法人というのは、主務官庁が本当に各独立行政法人の理事長と契約を結んでいるわけではないので、ある意味で明確に法人のトップが各組織のカンパニー長に対して、むしろ厳しい契約関係を求めていくことも、場合によってはグループ経営にするとあり得るのかもしれない。そういう経営形態についての御検討が、財務的にも人的組織、ガバナンスの上でも再考される可能性はないのか教えてください。

 辰野審議官
 まさにおっしゃるとおり独立行政法人化をするに当たって検討する視点としましては、いかにスケールメリットというものをつくっていかしていくのかということと、それから館の独自性、それぞれの機関の独自性をいかに確保して文化の振興を図るのか、その調和をどうするかというところでいろいろな検討をしたわけでございます。その結果、やはりそれぞれの館、機構の目的というものを、その機能を十分にいかすためには目的別にグループにくくって、そして運営していくと。そこからまず始めてみようということでやっているわけであります。
 こういう運営形態というのは確かにどれがベストかというのは言いにくい部分があるかもしれませんけれども、5年間経ちまして、少なくとも美術館相互、それから博物館相互の中で、一体的にいろいろなことをやっていかなければならないんだという意識が芽生えてきた。それで非常に思い切った取組ができるようになってきた。
 しかし、例えば本部機能の中で人事とか事業の関係、そのような統一的にできるものについては、本部機能で行うということで進めてきておりますので、これをまだ発足して5年、しかも先ほど来申し上げていますように、美術館と博物館とで若干運営の考え方というのが、片方の美術館は個別の館の独立性を更に発揮させようと。ところが、博物館は、全体として文化財保護のためにどのようにマネージをしていくかというようなことで、少し異なる部分もありますし、それぞれの取組というものを当面はもう少し推し進めてみるのかなと。その中で更に次の段階に行くというようなことになれば、それはそれだと思いますけれども、私どもは一応今まさにおっしゃられたことが、最初の設計のときに考えて発足しているというようなことだろうと思っております。

 松田臨時委員
 ありがとうございます。そうしましたら是非、財務的なくだりについてのお答えがありませんでしたが、そういう問題がこれまでもあり、今後も発生しないのかどうかということは、また改めて御検討いただければと思います。

 辰野審議官
 財務的にはもちろんこれは少なくとも館をまとめているわけですから、そこでのスケールメリットをいかした形での節減というものが行われておりますし、それは評価の中でしっかりと見られているところでございます。

 黒田(玲)臨時委員
 関連していることなので続けて質問させていただければよかったのかもしれないのですが、黒田記念館についてですけれども、研究しているから公開しないとおっしゃいますが、国立美術館には黒田清輝の重要文化財が展示されているわけですし、両方にまたがってあるということですので、私物化するというのではなくて、研究するけれども同時に展示をするということは可能なのではないかと考えます。そういう意味では、その部分だけでも移すというようなことも可能かなというような気も少ししています。何せ同じ敷地の中にありますので。
 それから、こういうものが実はビジット・ジャパンということもありますけれども、アジア、あるいは韓国や中国等との歴史的なことを通じて国際交流、文化を通しての交流ということにも非常によいので、日本のよいものを見せるとか、あるいはキトラとか、向こうからの影響で非常に深いつながりがあるものを見せるということは非常によいことなので、研究だけではなく、いわゆる博物館としての機能というものも持っていただきたいと思います。
 また、海外からの留学生デーというのがあっていいと思いますが、そういうことがなくても日本、あるいは日中、日韓を見るためにはそこに来なければいけないというようなセンターになっていただきたいと思うことが1点です。
 それからもう一つ、六本木に、国立新美術館ができると聞いています。一方で、例えば東武美術館がなくなってしまっている。都の美術館は同じ上野にあって、前はレイトオープニングデーというのがあったのですけれども、最近それもなくなってきているということで、結構環境が厳しいのかなと思うときにまたもう一つ造られる。もしも現代とかメディアとかそういうところに行くとすると、民間とどんな形で競合するのか。新しい館に対するプラン、国立美術館、国立博物館、その全体像の中でお聞かせいただけるとありがたいと思います。

 小松伝統文化課長
 それでは、黒田記念館につきまして、補足で御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、黒田記念館の敷地でございますけれども、これは上野にございますのでそういう誤解があるかと思いますが、文化財研究所の敷地内にございます。
 それから、調査研究を行っている施設は、やはり作品を国民の皆様に見ていただきたいということで、地方に対する巡回展とか、それから地方館で何か企画展をされるときに貸し出しをするということも含めまして、国民の皆様に見ていただく努力は最大限しているつもりでございます。
 重要文化財の指定を受けている作品も含まれておりまして、重要文化財ですと年間でおおむね半年分ぐらいしか日数的に公開できないという制限などがございまして、現地で公開する日数が非常に限られたものとなっておりまして、そういう御指摘をいただいているのかと思っております。
 この黒田記念館の公開、あるいは活用につきましては、御指摘も踏まえまして更にもう少し検討してみる必要があると考えております。

 辰野審議官
 国立新美術館の関係でございますけれども、これは今六本木に建設中で平成18年度から開設されるわけですけれども、これはコレクションを持たない美術館が特色でございます。すなわちなかなか今全国的な公募団体にしても、それから専属しない方々についても、発表の場というものがないと。今回の美術館では、全体で1万4,000平方メートル、1,000平方メートルの展示場が最大限10枠とれるわけでありまして、この中で公募団体の発表の機会、それから専属しない方々もここで発表できる機会が生ずる。それから、大規模な企画展をやるというときにも、ここの館というものが有効に活用できるわけです。
 また、この館独自の企画展として、まだ評価の必ずしも定まっていない現代的な、ある意味で最先端のものについても、ここで思い切って展覧会を開くことによって、いわばリードをしていくことも期待されているところでございます。
 ですから、国立新美術館自体が、これが法人の美術館全体の中にどういう意味を持ってくるかというと、そういう意味で展示の機会を広く提供することによって、また今までになかった、知られなかったもの、それから最先端のものをここでパイロット的に展示することができる。
 それから、ここでは情報収集と提供機能を大いに重視しており、世界の美術館や美術界の動向を、常にここにおいて統一的に把握して提供していくという意味でも一種の発信基地といいましょうか、パイロット的な位置づけをここで行っているわけでございます。
 これからでありますから、一応このような理念を持ちながらこれをいかしていくような形でこれからも進めていきたいと思っております。

 黒田(壽)臨時委員
 それでは、まず私から、3点ほど質問をしたいと思います。まず、美術館と博物館の違い、先ほどからお話を聞いているのですが、美術館の方は、芸術文化の創造と発展ということと、博物館の方は、文化財の保存・継承と言われているわけですけれども、内容を見てみますと、最近は博物館において、入館者の視点に立ったサービスということで、どこでもやれるようなサービスを始めている。これは収益を目的としているのかもしれませんが、どんどん進んできますと美術館と博物館の違いがなくなってしまうというおそれがあると思います。そういうことになったら、美術館と博物館とは統合できるのではないかという感じを受けるわけです。
 したがいまして、国立美術館のミッション、ポリシーというのは何であろうかということと、国立博物館は、長い歴史があって、日本にとって非常に重要なものだと思いますけれども、文化財の保存・継承という1点に絞って今後経営されるのかどうかということ。こういう余分なことを行うことによって美術館との境がなくなってしまうという懸念を私は持っております。そういうことについてお聴きをしたい。
 もう一つは、独立行政法人になって国立美術館は4館を抱えている。4館を抱えて、それぞれの独自性をということを強調されていますが、連携がどうなっているのかということです。連携なくして独自性を維持しているということであれば、4館を一つにした意味が全くないということになるわけですから、その辺りのこともお聴きしたい。
 また、国立博物館も、今3館、九州ができて4館になるわけですが、それをどのように今後運営するのかということについてもお聴きしたい。
 それから、博物館の文化財の保存と継承には、文化財研究所が実施している研究の内容がすべて含まれないと文化財の保存と継承はできないはずです。そうなってきますと、博物館の保存技術、それと文化財研究所の保存技術、これが同じものではないかということにもなるわけです。ですから、もしその違いがあるならばはっきりさせていただくということが重要ではないかと思います。

 浅羽臨時委員
 文化財研究所の施設について教えていただきたいことがございます。まず奈良にあります三つの施設なのですが、こちらは今後どうされていくつもりなのかということをお聴きしたいと思います。飛鳥資料館ほか三つありますけれども、例えば地元の地方公共団体に施設そのものは移管するとか、そういうことは考えられないのか。もちろん研究の展示、研究の発表ということで必要であったとしても、施設を保有してまで研究所で行わなければいけないのかということは、必ずしも必然ではないのではないのかと考えております。ほかにもいろいろな研究所と名の付く独立行政法人がありますけれども、研究成果をそのまま自分のところで見せているとは限りませんので、必ずしも保有されるということ、もしくは運営されるということが必然かどうか、どう考えていらっしゃるのかということをお聴きしたいと思います。それが第1点です。
 第2点目は、奈良の文化財研究所の三つの施設のうち、飛鳥資料館だけが有料で、あとの二つは無料で見せていらっしゃるということなのですが、飛鳥資料館が有料で、集まっている人数が目標よりも少し少ないというのは有料が原因なのかもしれませんが、それよりも多くの人数を集めている施設もあるという数字を拝見しています。したがって、例えばそこである程度有料化するとか、あるいは先ほど黒田記念館の話が出ていますけれども、黒田記念館も無料で見せていますけれども、あの中にはあるテレビ番組で日本人作家の美術作品としての人気第1位の作品が所蔵されていたりしますので、必ずしも無料でなくても、開館の日数が少なかったり時間が短いというようなことはありますが、それもできるのではないのかと思います。ただ、もちろん、私は国立美術館でもできるものではないのかと思っていますけれども、今後の在り方や多少なりとも収入を得るというようなことも含めてお聴かせ願えればと思っております。

 辰野審議官
 まず、基本的なミッションが何か崩れてきていないかという話なんですけれども、これはむしろ美術館、博物館ということにそれぞれなったことによって、先ほどの基本的な性格というものはむしろ更に明確にしていこうというのが基本であります。ただ、独立行政法人化したことでむしろいろいろなことができるようになりまして、そこで思い切っていろいろなことをやる。例えば、お茶会をやるとかコンサートをやるとか、新車の発表会に場所を貸すとかいうことが、一見何か少しはしゃぎ過ぎではないのかということで見られる部分がありますけれども、これは親しみを持ってもらう、ないしはこれによってお客さんにまず足を運んでもらうということを考えているわけでありまして、基本的な性格というものは、これは先ほど来申し上げた形でいかしていくということには変わりはございません。
 それから、連携の問題ですけれども、確かに先ほど個々の館について独自性をというのを少し強調し過ぎたきらいがありますけれども、当然美術館につきましては、これは一つの法人でありますので、本部機能として必要なところは全部統一的に行っておりますし、それからこの理事長の下に各館長が集まってきて、そして定期的に全体の方針、それから情報交換、それからお互いにこういうことをやったらという提案をやっている。そういう形で統一的な美術館としての動きを確保しているわけでございます。

 岩橋文化財部長
 文化財研究所のうち奈良文化財研究所に所属している三つの施設でございますが、二つは現在まだ、平城京なり藤原京が発掘中でございます。展示施設というのは広大なフィールドに発掘調査を継続しておりますので、その周辺の地元の方の理解を得ることを含めまして、その発掘中の状態を見ていただくという意味での展示施設というものでございます。したがいまして、発掘がまだ予算とか人員の問題もありまして当面続きます。それが完了したときどうするかということについては、今後の課題かと考えます。
 それから、飛鳥資料館でございますが、これは主に埋蔵物のように発掘したものを展示しているわけですが、今年もやりましたように、キトラ古墳から出てきたものについて、さびとかを取ったものを成果として展示をさせていただきましたけれども、これにつきましては、引き続き私どもとしては、今いろいろと報道されておりますが、高松塚古墳は現在のままの状態では壁画が劣化するばかりだということで、解体をして修復することにしており、そのための場所として当面使おうと考えております。10年ぐらいかかりますので、財政上の問題もあり既存の建物を有効利用するという観点でございますので、当面はあの施設を活用して保存・修復に努めたいと考えているところでございます。
 それから、一部の施設の有料、無料という御指摘がございました。これにつきましては、御指摘を踏まえてどのような形で対応していくのがいいか考えていきたいと思います。今のところ特にその方針を固めているわけではございません。
 それから文化財研究所の保存と博物館の保存はどう違うのかということでございますが、博物館は動産、美術工芸品を保存してございます。文化財の範疇には今申し上げました高松塚の古墳のように博物館に持ってこられないものがございます。こういった遺跡や建造物をどうやって保存・修復するかといった研究はやはり文化財研究所にお願いしているところでございます。博物館に展示ができるものは基本的に美術工芸品、動産の部類であろうという点について、やはり範囲がかなり違うということでございます。

 田渕臨時委員
 最後に、地方自治体との役割分担について確認をさせていただきたいと思います。特に国立美術館について、感性を高める美術教育の拠点ということに関しては地方自治体でもかなり行われています。なぜ国立美術館として行わなければいけないのか、その点が少し理解できないので、その部分を中心に説明願います。
 国立博物館の部分に関しても、移管すべきところ、できるところは行っていくべきだと思っておりますので、地方自治体とのすみ分けというか、移管できるものはないのか。 
 国立博物館に関しては、国宝とそれ以外、というすみ分けができるかもしれないのですけれども、国立美術館に関してはかなり重複している部分があると思います。その部分で、地方自治体との役割分担について確認させてください。

 辰野審議官
 国立美術館について、地方との役割分担ということですけれども、やはりナショナルセンターとして国立美術館があると。そのことによってまず収蔵品の数、質が圧倒的に違うわけです。それから、国際交流の拠点として、これは国の施設としての信用とこれまでの積み重ねというものがありますから、そこで非常に充実したものができるだろうと。地方におきましては、当然それぞれ独自の地方を踏まえた展示というものが行われていると思いますけれども、やはり国全体の中核的な機関として、国立美術館の役割があると我々としては考えております。
 それから、美術教育につきましては、学校週5日制等もあり、非常に盛んになってきておりますけれども、国立美術館におきましては、圧倒的な収蔵品の数がありますし、それからこれまでの研究の成果がある。そういうものをいかしながら、例えば教材を作成し、こういうものがあるんだということを示すことによってまた参考にしていただくと。それからここでなければ作れない成果をいかしたものというものを、それぞれの地方の美術館の参考にしていただく、そういう観点で考えているわけです。

 富田分科会長
 続きまして、国立国語研究所の見直し当初案についての御説明をお願いいたします。短時間で恐縮ですけれども、5分でお願いします。

 辰野審議官
 国立国語研究所についてでございます。
 国語の重要性については今から申し上げることもありませんけれども、国語というのは当然国の基幹でありまして、国語政策というのは国の基本的な政策の一つであるわけです。国立国語研究所は、それを進めていく上で必要な科学的な調査研究を行う中核的な機関であり、戦後すぐ昭和23年に設けられて、これまでその活動を進めてきたわけでございます。
 そして、国語研究所の使命としましては大きく二つありまして、国語政策が一つ、それからもう一つは日本語教育政策ということであります。
 国語政策につきましては、例えば国民の言語生活の向上という観点から、科学的な研究を基にした様々な施策に反映される研究を進めてきております。
 日本語教育、これは海外から来られる外国人の方々、それから海外における日本語のシステムもありますので、この日本語教育を行うときのベースになるデータ等を提供するということでございます。
 次に、現状と課題についてでございます。ここをめぐっては情報化等がいろいろと進む中で、国語力全体が低下しているのではないか。それから、ITが進む中で、eメールにしましてもインターネットにしましても携帯にしましても、国語をめぐる全く新しい状況が出てきていると。そういう危機感からここに関する国民の関心も非常に高まってきているわけです。『声に出して読みたい日本語』なんていうのがベストセラーになりましたし、それから文字活字文化振興法というものが前国会で成立いたしました。
 それから、国際化に伴いまして異文化が流入する、外国人も増加するということで、国語自体に対する揺らぎといったものも生じてきている。標準的な日本語教育をいかにしていくかということが大きな課題となってくるわけでございます。
 そこで、改革の方向性ということで4点ございます。1点目は、国の機関として大規模で高度なデータベースの構築を長期的・継続的・基幹的な研究に位置付けて進めていくということ。
 2点目は、国語政策と日本語教育政策、この基礎となる研究成果を提供していくということ。
 3点目は、これは実はこれまで国語教育研究として少し弱かった部分なんですけれども、国語教育の充実に関して、大学、国立教育政策研究所、それから学校等との連携というものを図って、どのようなことが今求められているのか、それに対してどのようなデータを提供できるのかということについても、一つの柱として立てているわけでございます。
 それから、4点目には、他の機関では成し得ない情報収集・発信、普及・研修を今後とも進めていくということでございます。
 次に見直しの内容として、組織形態につきましては、これは共通のことで非公務員化、通常の独立行政法人に移行というのは非公務員化ということですけれども、これを行う。
 それから、先ほど来申し上げました理念に従って組織を見直していく、そして任期付きの研究員制度を導入することを考えております。
 それから、国語の研究事業ということで言えば、これまで、ともすれば研究者の関心に応じて細分化されたややばらばらな部分というものもなかったとは言えません。こういうものを整理・重点化して、政策にいかすという形、これを大いに強調していきたい。政策指向の組織体制を作りたい、研究体制を作りたいと考えているわけであります。
 そこで、具体的には、データベースを作っていく、それから国民の言語行動、言語意識、言語能力というものの調査を適宜行っていくと。これらを基にしまして、例えば外国語の言い替えとか、そういうことについても積極的な提案を行っていくということも考えているわけであります。
 それから、研究成果の提供についても、重要性、緊急性の高い基礎資料を常に意識して提供していく。例えば文化審議会で敬語と漢字について審議中でございますけれども、これに対する資料の提供を行っていく。
 それから、国語教育を充実するための連携と資料提供を考えていくということでございます。
 それから、日本語教育の関係につきましては、これは今後必要性はどんどんと高まっていくと思われます。実を言いますと、日本語教育に関して、例えば学校で言いますと学習指導要領のような、国のスタンダードというか基準は実はこれまでなかったわけでございます。これにつきまして、研究所がこの前のデータベース等も活用しながらそのようなものを作っていきたい、学習項目一覧、学習到達目標というものを作っていきたい、そして日本語能力の評価基準を作っていきたい、それから辞書、日本語学習用の辞書を作っていきたいと考えております。
 それから、研修につきましても、これまでの様々な長期研修、短期研修を全部組み替えまして、短期研修はほかでも実施しているところがありますので、これは廃止をいたします。それから、長期研修も、こちらから単に教え込むのではなく、研究参加型研修と呼んでおりますけれども、研究所の研究のテーマに参画して、そして研究者の助言等も得ながら何かの問題を解決していく、そういう非常に課題解決能力の高いリーダー的な人物の育成に重点化することを考えております。
 それから、情報発信ということでございますけれども、実は国立国語研究所では研究をいろいろやって、また蓄積があるんですけれども、なかなか知られていないという部分がございます。そこで、インターネットの中の「日本語情報資料館」というものを充実していくと。それから、広報戦略を持って広報に努めていくということについても、重点化をしていきたいと考えています。
 以上でございます。

 富田分科会長
 それでは、国立国語研究所の見直し当初案につきまして、質疑応答に移ります。どなたからでもお願いいたします。

 山谷臨時委員
 2点質問がございます。
 まず、第1点目です。国語研究関係ですけれども、そもそも国語政策というものが何なのか、私はあまりよく理解できないのですが、国語政策に国立国語研究所がどうかかわり、あるいは貢献するのか、そこがいまひとつ明確に把握できないので、もう少し御説明をしていただきたいと思います。あわせて、今後どのような関係で政策について国立国語研究所が貢献していくのか、そこをもう少し御説明いただきたいということです。
 二つ目の質問でございますけれども、外国人に対して日本語の教育とか研修とか、あるいは日本語能力の評価を実施するとおっしゃっていますが、実はかなり民間ベースで進んでおり、改めて国立国語研究所が実施するということは、今まで民間ベースで進んできたものが何らかの問題があって、それではだめだからなのか、それとも国として改めて何かをお考えになって取り組むのかというところを教えていただきたいと思います。

 富田分科会長
 ほかに関連の御質問ございませんでしょうか。どうぞ、黒田委員。

 黒田(壽)臨時委員
 国立国語研究所は、一般には全く見えない組織のようです。ここで何をやられているかというのが一般の人には分からない。片方で、昔からある国語審議会というのが今は文化審議会になっていますけれども、そこで出されることが国語のすべてだろうという感じを受けていたのですが、国語審議会の中で出てくるいろいろなデータが、国立国語研究所から出たデータかというとそうでもない。あまり利用されていなかったというのが現実のようです。
 そういう点では、今後どう連携をとって活用するかということと、それから国立国語研究所の研究が、大学の研究者が大学の中で行っている研究とどこが違うのかというところです。大学でできることは大学に任せればいいわけで、国立国語研究所で改めて行う必要はないだろうと考えます。
 もう一つは、日本語教育で外国にいる日本人に対する、また外国人に対する外国での教育というのはここが担当していないと聞いています。外務省が窓口になっているようですけれども、そこで使われている教科書とか、そういうものがこの審議会からきちんと出ているのかどうか。向こうは向こうで独自に教科書を作っているということであれば、統一した国の政策は成り立たないということになりますので、その辺のこともお聴きしたい。
 以上です。

 浅羽臨時委員
 私はもう少し細かい話を質問させていただきたいと思います。
 大規模な日本語のデータベースを構築されるということですけれども、何で必要なのか、何に使うのか、なぜここでやらなければいけないのかということを、まず一つ教えていただきたいと思います。
 もう一つは、日本語教育についてスタンダードを作るとのことですけれども、スタンダードにつきましても、どういうふうに活用するためにスタンダードを作るのかという研究の目的、これは用法・用例の辞書についてもそうですが、何をどう使うか、どのように日本語教育政策の中に位置付けられるのか、その点を教えていただきたいと思います。

 松田臨時委員
 内容以前に、見直しのスタンスをお聴きしたい。厳しいかもしれませんが、お聞きしていると、実は今までできていなかったこととかがあります。それに取り組もうという前向きな御提案ではあるとは思いますが、現状の国語政策による様々な課題がこれだけ起きていて、もっと取り組まなければと、これだけありますからこれからやっていきますというのが、中期計画の5年目に出てくるということ自体がどうなのかと思います。5年目に見直すからそれでいいのか、もっと独立行政法人化した時点でこういう課題は出てこなかったのかを併せてお聴きしたいと思います。

 辰野審議官
 まず、見直しのスタンスというところでありますけれども、国語政策というのはこれは息の長いものでありまして、長期的に継続的にずっと取り組んでいかなければならないものでありますから、そういう意味で基本のところというものはあまり大きくは変わらないわけであります。しかし、特に最近情報化、それから国際化の中で様々な状況の変化があり、それが国語の揺らぎというものを生んでいると。そういうものも長期的な研究を通じて初めて分かってくるわけであります。そういうものに対して、これまでは実を言いますと少し危機感といったものが薄かった。学術的な研究をしていて、それを国語審議会に提供するというようなスタンスが多かったわけですけれども、これを今回の見直しを契機にむしろ政策に直結するような、ないしは政策に提言をするような形の事業内容としていこうと考えているところでございます。
 それと、国語政策とは一体何なのかということは、イメージが分かりにくいということですけれども、例えば送り仮名というものをどう付けるかとか、漢字の使用についてどのように考えるかと、それから仮名遣いについてどう考えるかということをこれまでも出してきました。それから、例えば電子政府というものをつくっていくときに、例えば国語の字体というもの、これは実はいろいろと微妙に違っておりまして、そこのところをスタンダードなものに統一するということも、一つの国語政策でございます。
 そのようなことに寄与するために、これまでは国語審議会で最終的な提言は出ているわけですけれども、その国語審議会への基礎資料をこの研究成果として出していた、そういう関係でかかわっていたわけであります。
 あともう一つ、データベースということですけれども、これはまさに国語に関する科学的な研究を進めていく上での一番基本になるものでございまして、現在作られておりますのは19世紀の終わりから20世紀の初めにかけての、近代語の成立のときの雑誌、『太陽』という雑誌なんですけれども、これを全部を入れ込みまして、そこでそれをいろんな形で検索ができるようにしているんですね。このような語は『太陽』でどのような用例で使われているかというのは、これはもう既に公開しておりますのでインターネットでも使えます。
 今進めようとしておりますのは、現代語について、これを幅広く、雑誌とか新聞とか様々なものがありますけれども、それのデータベースを作って拡充していこうと。それから、話し言葉、これは自然の話し言葉を録音いたしまして、それでその中でどのように例えば変化というものがあるのか。例えばこのデータベースで分析しておりますと、いわゆる「ら抜き言葉」というのがありますね。「見れる」とか「食べれる」とか、そういうものがどうなっているかというのは、これはデータを解析していきますと非常によく分かるわけです。例えば1950年以前に生まれた人と後のところで大きくそれが今違っているとか、それをデータとして出してどのようにするかという次につなげていくわけであります。
 ですから、データベースは一番基本になるところでありますし、またかつこのように大規模で長期的、継続的で、もちろん営利というものはあまり考えられないというものについては、なかなかこれは民間で行うというのは難しい部分があろうかと思います。まさに国立国語研究所が責任を持って行っていかなければならない。世界の先進的な国におきましては、必ず国語についての国レベルの研究所を置いているわけでありまして、それが我が国の場合はここに当たるということでございます。
 それから、大学、民間等いろいろなところで研究しておりますが、ここはここでそれぞれの目的、それから学者たちの興味、関心、それから地方のニーズに応じたいろいろな研究が行われるんでしょうけれども、ここは日本全体としての基礎資料を長期的に継続的に集め、そこからいろいろな照会や連携の申し出があったときにそこに応えていくという性格があろうかと思います。ただ、率直に申し上げますと、そこのところがなかなか今まで少し学術的なものに偏っておりまして、そういうものに対して連携をもっとこちらから進めていくという形が弱かったものですから、今回の見直しの契機にもう少しそこのところを進めていこうということでございます。
 それから、日本語についてでございますけれども、これは試験の話をした方が分かりやすいかと思うんですが、現在日本語の試験が3種類あるわけであります。一つは日本語能力試験といいまして、これは国際交流基金と日本国際教育支援協会で実施しております。ここで1級から4級までの合否判定を行うわけであります。もう一つは、日本留学試験というものがありまして、日本の大学に進学する人を対象とした試験を日本学生支援機構が作っております。それからもう一つ、日本語教育能力の検定試験、これは日本語を教育する、先生を対象とした日本語を教育する能力の検定試験でございまして、これは日本国際教育支援協会が実施しております。
 これらが何をベースにしているかというのは、実は手さぐりというところがございまして、昭和50年代ぐらいに作った、最初に申し上げました日本語能力試験の1級から4級で大体目安としてこれは何語ぐらいとか、そういうものをベースに行っておりまして、これについては、当然国立国語研究所からそれを作るときに資料提供等を行っているわけでありますけれども、きちんとした形での基準はこれまでなかったと。ですから、今後基準を作るのに、国立国語研究所が、例えば日本語能力試験というものをやるという意味ではなく、これらがやっている試験の問題を作成、評価をすると。その際のよりどころというものを作っていきたいということでございます。
 それから、外国での日本語教育ということにつきましては、特にこれは国際交流基金との関係があるわけですけれども、日本における基礎的な研究というものは国立国語研究所がやりますけれども、外国における教育等につきましては、例えば教材についても、それを基にした応用教材を作って国際交流基金が実施していくと。この辺につきましては、外務省との間で役割分担が昭和40年代にできております。基礎的な研究をこちらでやり、また海外での実際的な教育というものは交流基金が主に担当するという分担になっているところでございます。

 田渕臨時委員
 日本語教育の部分ですが、私は日本語教育能力検定試験にパスしていまして、こちらの事情もかなり分かっているつもりなので、コメントさせていただきます。今までですと、国際交流基金と青年協力隊でも日本語教育が行われていたと思います。日本語教育能力検定試験が始まったのは15年ぐらい前だと思いますが、そのころから民間中心に日本語教育が行われています。今なぜ新たに国立国語研究所で実施しなければいけないのかというのが分からないのです。実際かかわっている人間として、「なぜ今さら」というのが非常に強い。その点をもう一度簡潔に御説明いただけますか。

 辰野審議官
 それはやはり実態が相当変わってきたというところも一つあろうかと思います。日本に来る外国人が増えておりますし、それから日本語を学習する海外の人たちも増えていると。そうすると、いろいろ多様になってくるわけです。これまでは、例えば先ほど三つの試験があると申しましたけれども、日本の大学に進学する人に焦点を当てればいいと、それから日本で就労する人に焦点を当てればいいというようなことでやっていたわけですけれども、だんだんと多様になってきますと、例えば、家族のコミュニケーション能力というのをどうつけていくとか、そういう広範なニーズが生じてくるわけであります。これまでは言わば国立国語研究所は資料提供しながら手さぐりで実はそういうのを作っていたわけですけれども、そういう状況の中で、例えば日本語能力試験につきましてもこれを少し抜本的に、先ほどの級別の日本語能力試験を見直してTOEFLのような点数にするかとか、そういうことも議論されているところでありまして、そういう状況の変化に対応した形で本格的な基準作成が求められてきたと御理解いただければと思います。

 富田分科会長
 いろいろまだまだお聞きしたい点も委員の皆さんからあろうと思いますが、時間の都合もございますので、国立国語研究所の見直し当初案については、ここで本日のところは質問を打ち切らせていただきます。
 続きまして、国立特殊教育総合研究所の見直し当初案についての御説明をお願いいたします。5分間で御説明をお願いいたします。

 布村審議官
 続きまして国立特殊教育総合研究所につきまして御説明させていただきます。文部科学省初等中等教育担当審議官の布村と申します。
 1番目に、この特殊教育総合研究所のバックグラウンドといたしまして、我が国におきましては、憲法、あるいは教育基本法にのっとりまして、障害を有する子供のための教育の機会均等をしっかり図っていこうという国の責務が書かれております。これらを踏まえまして障害者基本法に基づき、平成14年に閣議決定された障害者基本計画の中でも国立特殊教育総合研究所におきまして、先導的な指導方法の開発や体制等に関する研究を一層推進すること、また、その成果を教育現場に円滑に普及することが明記されております。
 2番目に、障害のある子供たちの現状についてでございますけれども、障害のある児童生徒が自立し社会参加すると、そういう資質を養うために一人一人の障害の程度や種類に応じまして盲学校・聾学校・養護学校、そしてまた小中学校における特殊学級等においてきめ細やかな教育を実施しているところでございます。
 特殊教育の対象となる幼児・児童生徒は約225,000人おり、おおよその数で、就学幼児・児童生徒全体の1.4%という数字になっております。
 また、最近では学習障害、注意欠陥多動性障害、あるいは高機能自閉症の子供たちが、約6%程度の割合で小中学校の通常の学級に在籍している可能性があるとの調査結果が出ており、これらの発達障害のある子供たちに対する適切な指導、必要な支援も、今後の大きな課題になっているところでございます。
 それ以外にも子供たちの障害の重度重複化、あるいは多様化、複雑化が進行しているという現状にあるところでございまして、これらの子供たちの教育的なニーズをしっかり把握して適切に教育的な支援を行うという意味合いで、特別支援教育を今後とも国の責務として取り組んでいく必要があるという大きな課題の下に、障害のある子供たちの教育の振興施策ということで、まずは一人一人に応じたきめ細やかな教育に当たるための研究が中核になりますが、それを踏まえて教員の方々の指導力を高める、あるいは保護者の方々に向けた教育相談を構築するといったことが重要な課題でございます。
 国立特殊教育総合研究所におきましては、研究活動を核といたしまして研修事業、教育相談、情報普及、国際交流ということを一体的に取り組みまして、我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターとして、障害のある子供たち一人一人に応じた教育的なニーズに対応していきたいと考えております。
 次に国立特殊教育総合研究所の見直しについてでございます。
 1点目は組織の見直しといたしまして、職員の勤務形態につきましては、非公務員型へ移行を図りたいと考えております。国立大学が非公務員化を図ったこととも相まって、今後人事交流を一層活発にするという視点からのものでございます。
 また、研究職員の流動性を高める観点から、任期制を積極的に導入していきたいということがあります。
 それから、組織体制につきましては、障害種別から課題重視型へと大きく見直しを図っているところでございます。
 次に研究活動の見直しといたしまして、研究活動は中核的な役割を果たしておりますけれども、今後より発達障害など、政策的重要度の高い研究に重点化をしてまいりたいと。
 また、二つ目としましては、教育現場のニーズを的確に把握した上での研究を設定していきたいということがございます。
 それから、三つ目としましては、評価システムを構築するということで、研究の成果がしっかり教育現場でいかされているかどうかをしっかり検証してまいりたいと考えております。
 それから、研修事業の見直しについてでございますが、研究員制度というものを平成19年度から新たに設けたいと考えております。現状は長期研修という形で障害のある子どもの教育に関し、都道府県で指導的立場に立つ教員等を対象として、講義中心の受動的な研修を実施しているところでありますが、この研究員制度においては、都道府県等における政策課題の実現の中核となる指導主事等を対象として、積極的に研究プロジェクト等に参画いただくという能動的な形態に改善を図り、都道府県等における教育政策や教育研究の推進に寄与することを目的としております。
 また、研修の重点化、実施方法の見直しについてでございますが、研修につきましては、より各都道府県等のリーダーとなれるような教員等を対象として、特別支援教育コーディネーター指導者養成研修、あるいはLDADHD等に関する政策的重要度の高い研修や教育現場の喫緊の課題に対応した研修に重点化を図ってまいりたいと考えております。
 それから、情報通信技術を活用した研修の実施ということで、新たな情報機器を活用した研修体制に取り組んでいきたいと考えております。
 最後に、教育相談の見直しになりますけれども、現状では、保護者等からの個別の教育相談もニーズに応じて受けておりましたけれども、今後は、原則、各都道府県の特殊教育センター等にゆだね、国立特殊教育総合研究所におきましては、臨床的研究のフィールドとして必要な教育相談、あるいは都道府県では対応が困難な発生頻度の低い障害に対する相談、そして在外の子供たちの相談などに重点化をしていきたいという形で、見直しを図ってまいりたいと考えております。
 繰り返しになりますが、研究活動中核としてその成果を研修事業、教育相談、情報普及、国際交流にいかしていきたいと。そのような形で国民、あるいは障害を持った子供たちの教育をより適切にできるように、ナショナルセンターとしての機能を果たしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 富田分科会長
 それでは、質問に移らせていただきます。どなたからでも質問お願いいたします。

 河野臨時委員
 私見ですが、障害のある子供の教育に係る研究につきましては、研究活動が非常に重要なウエイトを占めていると理解されますが、研究活動と政策とが制度的にきちんと関係付けられているのか。研究をするに当たっての研究課題が政策から反映され、研究成果が政策に反映される仕組みができているのか、これから構築するのかが第1点。
 見直しのところに評価システム、すなわち研究成果の見直しの視点で評価システムの構築とありますが、具体的にこのスケジュールはいつまで作るようなことが考えられているのかが第2点。この2点について説明願います。

 山谷臨時委員
 1点質問ですが、独立行政法人の場合、事業評価のようなものが入っておりますが、研修事業、教育相談、情報普及、国際交流、それぞれについて評価を入れる予定がおありなのか、あるいは現在実施しておられてもう公表済みであるか、その辺を教えていただきたいのですが。

 浅羽臨時委員
 教育相談事業の重点化ということで、個別相談をやめてほかでは取り扱えないものとか、国外在住のというところに重点化されていくということですけれども、現在の教育相談、個別の教育相談を実施している組織なり人員が、今後重点化した後、どう変わるのか。余るのか、あるいは新規に雇う必要があるのか、ほかの事務・事業とのかかわりについて教えていただきたいと思います。

 布村審議官
 最初に、研究活動につきまして、政策との連携でございますが、文部科学省特別支援教育課とこの国立特殊教育総合研究所が、十分連携しながら研究テーマを設定してきたところでございますけれども、今後はより都道府県等からのニーズを調査して、より教育現場にとって喫緊の課題を重点的に研究を図ってまいりたいと思います。

 瀧本特別支援教育課長
 評価システムの構築につきましては、既に、プロジェクト研究につきましては事前・中間・事後の評価システムを導入をしておりますが、それを他のすべての研究課題に広げていくということを、次の第2期の期間に実施するということで予定しております。
 それから、研修事業、教育相談、情報普及、国際交流、それぞれの事業について事業評価を行っているかの御質問でありますが、毎年度、独立行政法人通則法に基づく評価委員会において、評価を実施し、その結果を公表しているところでございます。
 最後に、個別の教育相談を重点化した後、組織・人員がどう変わるのかの御質問でありますが、国立特殊教育総合研究所においては、教育相談センターを設けておりますが、相談の障害種別や内容、ないしは子どもの状態像等に応じて所員それぞれが専門を持っておりますから、教育相談センターを経由して、そこから該当の研究者のところにまいりますので、そういう意味では全研究者を挙げて相談に当たっているというのが現状であります。なお、教育相談センターに属する者についても、日々の研究活動や研修事業等にも参画しているところであります。今後は、特に症例の少ないケースとか、都道府県の特殊教育センター等では対応が困難な個別ケースや、国外在住の邦人からの教育相談等に限り国立特殊教育総合研究所で対応することとし、それ以外は原則、各地域で対応していただくという考えであります。したがいまして、個別の教育相談を都道府県にゆだねた場合におきましても、これらの業務に係る組織・人員については、これまでどおりの体制が必要かと考えております。

 富田分科会長
 大体よろしいでしょうか。それでは、時間の都合もありますので、ここで質問を打ち切らせていただきます。
 本日は御説明いただきました皆様におかれましては、御協力を賜りましてありがとうございました。当分科会といたしましては、ただいま御議論いただきました点も踏まえまして、主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、今後とも御協力をよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その際には、後日事務局を通じて照会いたしますので、御対応よろしくお願いいたします。
 先に御説明いただきました辰野審議官、岩橋文化財部長は既に御退席ですが、よろしくこの件をお伝えください。
 それでは、文部科学省の皆様方には御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございます。

  (休憩)

 富田分科会長
 それでは、時間になりましたので再開いたします。
 内閣府所管独立行政法人の見直し当初案につきましてヒアリングを行います。
 最初に、駐留軍等労働者労務管理機構の見直し当初案につき、防衛施設庁から御説明をいただきます。本日は、防衛施設庁 長岡業務部長を始め御担当の皆様にお越しいただきました。短時間で恐縮ではありますが、5分で御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

 長岡業務部長
 防衛施設庁の業務部長の長岡でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日御審議をいただきます駐留軍等労働者労務管理機構、その行います労務管理事務につきましてでございますが、まず簡単に概略を御説明させていただきたいと存じます。
 我が国には日米安保条約に基づきまして在日米軍が駐留いたしております。その米軍の任務遂行に必要な労働力というのは、日本国政府が雇用主となり労働者を雇用いたしまして、その労務を在日米軍に提供するという間接雇用方式をとっております。
 この労務提供契約と申しますのは、日米地位協定で、日本国の当局の援助を得て充足されると規定されておりますように、日本側の条約上の義務となっているわけでございます。具体的に申し上げますと、この間接雇用方式をとっております労務提供を実施するということで、日本国政府と在日米軍との間で労務提供契約を締結いたします。この労務提供契約には、労務管理の方法とか労働者の給与その他勤務条件が細かく取り決められてございます。
 こういった多くの事務の実施に当たりましては、国は雇用主として実施する事務、つまり労働契約の締結等については自ら行います。個々の労働者の雇入れとか、人事の実施手続とか給与計算、福利厚生といいました大部分の実施事務につきましては、国に代わってこの労務管理機構が実施させていただいているわけでございます。
 現在、機構は東京にございます本部、それから全国の米軍基地の近傍に設置しております10の支部の計400人の体制で、年間約50億円の予算で防衛施設庁と一体となりまして、全国約2万5,000人の駐留軍等労働者の労務管理事務を行っているところでございます。
 ちなみに、駐留軍等労働者の雇用に要します人件費でございますけれども、これは年間約1,400億円でございます。
 こうした労務管理機構の事務というのは、条約上の義務履行に関するものでございますので、いかなる場合であっても継続して確実に実施されなければならないという性格のものでございます。
 ただいま御説明申し上げましたとおり、本機構の事務は、日米安保条約に基づきまして我が国が在日米軍に労務提供義務を果たすという、他に例のない特殊なものでございます。したがいまして、この事務は代替、あるいは廃止できないと考えております。
 その理由でございますけれども、在日米軍に対する労働提供義務を果たすというためのものでございますので、廃止することはできないと考えております。
 それから、国、または地方公共団体への事務の移管でございます。地方分権推進計画、それから中央省庁等改革の推進に関する方針に従いまして現行体制が成立いたしておりますので、そういった経緯からしても国や地方公共団体に事務を移管する、しなければならないという理由は見当たらないのではないかと考えているところでございます。
 次に、他の独立行政法人、あるいは民間への事務の委託ができないかということでございますけれども、これにつきましても、この事務は特殊なものでございます、他に行い得る適当な法人はないと考えております。
 また、民間への移管につきましても、これは国が責任を持って継続して確実に実施していくという観点に立てば、必ずしも適当ではないのではないかと考えております。
 機構の組織形態につきましても、ここ数年機構を運営しまして、その経験を踏まえましても、現行の体制で実施していくのが適切ではないかと考えております。
 これまで申し上げさせていただきましたように、民営化はアウトソーシングを積極的に行うということにとどめさせていただければと思っているところでございます。
 非公務員型の独立行政法人への移行につきましては、この事務はどのような場合におきましても、例えば我が国周辺の軍事情勢が緊迫した場合にあっても、在日米軍への労務提供を確実に実施できることが肝要でございます。こういった体制を担保するためには、争議権を有しない国家公務員型の組織が必要ではないかと考えております。
 また、機構の業務は、国家間の条約で定めた義務の履行に関するものでございます。業務の相手方が米軍であるということを勘案すれば、当方も政府機関であることが望ましいことは言うまでもございません。在日米軍は、これまで一貫して米軍の調整相手方は日本国政府でなければならないということを申しております。本機構創設時におきましても、この機構というのは実質的には日本国の政府機関と考えてもらっても結構だということで説明いたしまして、了承をとりつけているところでございます。
 最後に中期目標の達成状況でございますが、2点数値目標を設定してございます。一つは、一般管理費の対前年度比を1%程度抑制するということと、在日米軍から労務要求書を機構が受領いたしましてから1か月以内に資格要件を満たす者を紹介する率、いずれもこれを達成させていただいております。機構の他の業務につきましても、今後とも不断に事務の効率化、質の向上を図ってまいりたいと思っておりますので、引き続き委員の先生方の御指導、よろしくお願いいたしたいと思います。

 富田分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、見直し当初案に関します質疑応答に移ります。御質問などございましたらどなたからでもお願いいたします。

 森泉委員
 主に3点ほど質問させていただきたいと思います。
 まず一番初めに、確かに日米安保条約に決められている特殊事務であり、契約を確実に履行しなければいけないということですが、契約を確実に履行というのはどこの会社でもどこの組織でも当然であり、いかに組織を効率的に運営していくかということはまた別の問題であると思います。中期目標についての達成度も勘案しますと、私の印象では、もう少し効率化を図ることができるのではないかという気がいたしました。
 効率的運営に関しては、例えば業務の電子化であるとか、アウトソーシングの拡大であるとか、それに伴う人員の削減ということが考えられますが、申し上げたいことは数量的な指標、目標というものがあまり明らかではなかったということです。例えば人件費を、一般管理費を削減しているとおっしゃっていますが、いかにして1%を達成したのかということが、実はあまり明らかに把握、理解することができませんでした。
 次に、効率的運営に関してのアウトソーシングの拡大ですが、どの部分をアウトソーシングするのか、例えばハローワークなどをもっと活用することについて、どこに問題点があるのかということがよく見えませんでした。アウトソーシングを拡大していないために、あまり人員も削減されていないのではないかという気がいたします。それが第1点です。
 第2点は、効率的運営ということと関係するのですけれども、本部と支部の関係について、そもそも独立行政法人化したときに、支部間のアンバランスを解消するという考えがあったと思います。再編を目指したというのですが、最近いただいた資料によりますと相変わらずでこぼこしていて、バランスがとれていない。職員1人当たりの労働者数も、増えたものもあれば減ったものもあるということで、そこの辺りがやはりはっきり見えてこなかったということです。そうであるならば、独立行政法人化したメリットが全く出てきていないと理解されてしまうのではないかと思います。
 本部と支部の関係、要するに効率的運営にも関係しますが、支部を一括して本部がマネージするという方向は考えられないのかどうか。要するに事務的な処理を各支部がそれぞれ独立して別々に行っているように理解しているのですが、それを本部が一括して行うということに対する考えをお聞きしたいと思います。
 そもそも米軍も、多分基地を別々に運営しているのではないと思うので、機構の事務もむしろ支部間のばらつきというのを持っているのはかえって効率的ではないと思います。
 ちなみに、職員1人当たりの労働者数という指標については、分子を減らしても分母を減らしても数値は変わってしまうので、労働者の削減、あるいは支部間の効率的な運営を示す指標としては、もう少し工夫して別の指標を考えられたらいかがかと思います。
 第3番目は、次期の中期目標に関しては、是非数量的指標をもう少し明確にして、例えば今申し上げたように職員1人当たりの労働者数という分子と分母ともに変わってしまうような指標ではなくて、職員配置の基準としては、もう少しはっきりした分かりやすい指標を盛り込まれることを望みます。

 阿曽沼臨時委員
 森泉委員の補足ということですが、数字を挙げて少し具体的に御質問したいと思います。職種が1,300職種あって労務管理上も給与計算上も非常に事務が複雑で大変だというお話ですが、基本的に、駐留軍等労働者の平均在任年数が12.6年で、年間採用件数が2,400件、退職件数も2,400件ということは、事務の量としてはそれほどの量ではない。それから、基本的に機構の一番主な業務というのはマッチメイクということです。人を採用するかしないかというのは米軍が決めているわけですから、事務・事業が大変だといっても、ほとんどの事業のワークフローは定型化している、オペレーショナルな業務である。ということは、多くの人間をかけて事務作業を行う必要性が非常に薄いのではないかと思います。この件についてはどうでしょうか。
 非公務員化の問題ですけれども、基本的には2万5千人の労働者が雇用されていて機構の管理下に置かれているわけですが、これらの労働者は公務員ではなくて民間人として雇用契約をしている。この人たちのセキュリティー・ホールというのは大変な問題であって、これが雇用契約で何とかなっているという論理であるとすれば、防衛施設庁の配下でこの人たちの管理を行っている機構の職員を非公務員化をできない理由というのは非常に理解できない。
 それから、確かに日米安保条約という問題がありますが、この間のワーキング・グループでの説明の中で、非公務員化したからといって、条約に基づく今の契約の変更は全く必要ないということでした。ということは、米軍が日本国に行ってほしいということと、機構が非公務員化するということについては全く論理的な結び付きはないのではないか。防衛施設庁は何のためにあるのか、防衛施設庁は国であり、国と機構とは行うべきことが違うということなので、その辺りからすると機構が非公務員化できないという論理はどうも理解できない。その辺りについて具体的に御回答いただければと思います。

 梶川臨時委員
 業務そのもののアウトソーシングというものも御検討だということで、その関連の質問として、アウトソーシングの内容をある程度具体的に検討されておられるのか。
 それに対して少し補足的な意見に近いと思いますが、多分事情は特殊でいらっしゃいますけれども、実施している事務・事業は民間でも行っている給与計算であったり労務、雇入れ・採用の事務と同じであり、特に今、阿曽沼委員がお話しのように、採用、退職がそれほど大量のものでなければ、一番定常的に行われているのは給与計算業務、それに付帯する旅費、保険の業務といったものが一般業務上かなりの分量を占められているのではないかと想像はつきます。その辺の比率が何十%かというのもお聞きすればよいのですけれども、いずれにしろ運営費交付金50億円が入れられており、ここで管理されている従業員は2万5,000人で、単純に50億を2万5,000人で割りますと20万円かかっています。このうちの半分ないしは3分の1が給与計算だとして、おおよその計算として20万円を半分で割れば10万円、もう少し小さくすれば8万円。これを月に直せば8,000円、9,000円ということになります。民間で同様のアウトソーシングをするとしたら、あえて金額は申しませんけれども、月次で8,000円ないしは1万円近くでこのような業務に金額を払っていただけるということで入札をしましたら、多分ほとんど何分の1かで済むという結果になると思います。
 普通、民間で一人当たりの給与計算に、アウトソーシングの費用をどのぐらいかけているかというと、今ここで数字は申しませんけれども、少なくとも1万円に近いようなことは、ありえない。30万円の給料を払うのに、その計算だけで1万円月々払っていたのでは、どう考えても常識的な数値にはなりません。民間と桁がどのぐらい違うかということを理解した上でアウトソーシングするかしないかを検討されているのかということについて伺いたい。

 岡本臨時委員
 補足的になりますが、この機構は、アウトソーシングとか何かではなくて廃止ではないかと思います。というのは、日米安保条約であれ、国が必要であれば防衛施設庁が絡めばよく、実際の業務形態はほとんど民間と同じだということであれば、機構が果たしている付加価値は何かというのはやはり真剣に考えなければいけないような気がします。少し厳しいようなことで申し訳ないのですけれども、機構が契約形態の中に入ってくることによって果たしてどういうことがあるのか。防衛施設庁が行えばよいような仕事だったら防衛施設庁が行えばよいし、民間でできることは民間に渡してしまえばよいと思うと、果たして機構が行うべきものは何かというのは少し疑問だなと思っています。

 長岡業務部長
 できるだけ網羅的にお答えさせていただきます。
 まず、アウトソーシングの御指摘がございましたけれども、健康診断、離職前職業訓練等、7、8のできるだけ外注の可能なものについてはアウトソーシングをさせていただいております。
 それから、支部のばらつきの御指摘がございました。これは確かに在日米軍には陸海空軍、海兵隊とございまして、これがまた仕事のやり方がばらばらでなかなか一つのやり方というものはございませんで、その実態にあって例えば二つの軍種がいるところとか、近くに二つの軍種のある基地があるところとかないところとかで支部の人間のばらつきが出ているところでございます。
 それから、中期計画の見直しにつきまして、次期数値目標をもっと入れるようにという御指摘はできるだけ、そういう方向で検討させていただきたいと思っております。
 それから、これは独立行政法人でやる必要はないのではないかという御指摘は、従前国の業務ということで防衛施設庁、それから機関委任事務で都県にお願いしていたところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、地方分権推進計画の閣議決定におきましてこれは国の直接執行業務だと御整理をいただきまして、中央省庁等改革推進に関する方針におきまして、独立行政法人に移行せよということでございます。我々といたしましては、従前国の業務でやっておりましたので、国でやらせていただいてもいいんですが、独立行政法人でも私どもは国と同じような機能が果たせるということで、独立行政法人へ移管をさせていただいたところでございます。
 それから、なぜ公務員型でなければならないのかということでございますけれども、実はこれは条約に基づく業務でございますので、どんなときにでも必ず確実に継続して提供されなければいけないという大前提でございます。
 例えば、極東有事で米軍が日本の周辺で実際に戦闘行動を始めたというような場合に、民間に果たしてこういう業務がきちんとやっていただけるかという、そこは非常に私どもは危惧を持っておりまして、やはりこれは政府系といいますか、公務員型でないとそういった場合にはとても対応できないのではないかということを非常に危惧しております。

 阿曽沼臨時委員
 組織論と非公務員型というのは別の問題であって、今のお答えは、公務員でなければいけないという答えになっていないような気がします。それが理解ができないのでございますが、時間もございませんので、もし何かあれば文書で御回答いただくということにしていただいたほうがよいような気がします。

 長岡業務部長
 分かりました。数字的な件につきましては、労務調査官から御説明させていただきます。

 永井労務調査官
 先ほど御質問がありました組織の効率化の関係でございます。いわゆる機関委任事務時代、各都県に453名分の委託費を交付いたしまして仕事を実施していただいたわけでございます。独立行政法人化したときには、役員等も含めて出発は413名と、現在ここから効率化をしておりますので今年の出だしでは確か401名でございます。そういう形で組織自体はまずスリム化したというのは事実でございます。今後もそこのところはスリム化していきたい。
 あと、各支部ごとに、職員の配置にでこぼこがあるというお話がございました。一番効率化されているのは横須賀支部でございます。1名の職員で100名ほどの従業員を管理するという状況になっている。ところが、横須賀は海軍施設とか池子の住宅地区がすぐ近傍にあるということで、連絡調整だとか、そういったものに対してのマンパワーがあまり必要ないということがあり非常に効率化されています。他方、例えば横田支部ですと、横田基地があり、東京港区にあるニューサンノー米軍センターだとか、赤坂プレスセンター、こういったところに出かけていろいろな調整もしなければならない。そういうことがあって人的なアンバランスがあるのは確かでございます。しかし、そういったことについても、今後、どれだけ合理化できるかということで考えていく必要はあると思います。
 なお、駐留軍等労働者の給与等の経費は日本政府が負担しております。これは機構の予算とは別のものです。

 縣臨時委員
 人件費について議論が交錯していて、ここで議論すべきは機構自体の人件費の問題です。機構運営関係費というのは、人件費とほかのものが混じってマイナス3.9になっていると思いますが、人件費そのものはどうなっていますか。

 永井労務調査官
 この16年度の人件費は全体で27億円ほどということで、14年度に対して1億円ほど、そして15年度に対しても約1億円ほどの節減を図っております。
 それから本部で一括してできないかというお話がございました。
 実は機構が行っている事務は極めて迅速を要する部分です。例えば給与計算であれば、現地の米軍から月の頭の1日とか2日に出てきたものを計算して支払いを準備しますが、支払日が10日、またはそのころということになっており、土日が入ったり何かすると非常にタイトな中で行うことになりますし、米側から出てまいります就業記録をチェックしていろいろ調整をするとか、そういうことに時間を要する部分もございます。
 また、基地で働く人たちの制服等の支給も法人の仕事でございますが、その制服等の支給について、中央でやるということはこれはできないので地方でやるという形にならざるを得ないというところでございます。

 縣臨時委員
 非公務員化にもう一回話を戻しますが、実施の段階では、いくつかの業務はいろいろなところにもう外部委託をされている。それは、あくまで国の責任として、つまり法定受託事務にしないで国の直轄事務に戻したわけですが、その限りにおいて国の責任であることは担保されているからです。であるとすれば、国が管理している機構自体が非公務員化しないという理由は全く我々には理解できない。
 今までいただいているお話では、非公務員化できないという理由としては立論されていないと思います。閣議決定で非公務員化できないという理由が正当に立証されない限り非公務員化されるということになっていると思いますので、その点もう一度よく御説明いただきたい。

 梶川臨時委員
 先ほどの絶対量的効率性についてお聞きしますが、この主たる業務であろう給与計算などは、通常、金額的に見れば5分の1ぐらいで多分やれるのではないかと申し上げました。アウトソーシングを御検討されているという以上、いや、そうではないのだというようなことがおありになるのか。
 普通の民間と違うというのは、社会コストとして業務の遂行のためにそのコストはどのぐらいかけているのか。給与計算自体は全く民間で行われている業務と同じですので、先ほど1人当たり1万円のものが実は1,000円ぐらいでできるのではないかと申したのは、民間で言えばごく当たり前の世界なのですけれども、アウトソーシングを御検討されているという以上、その点をお聞きしたいということであります。

 岡本臨時委員
 全く皆さんの意見を補足するのですけれども、沿革を理由にされて独立行政法人に移行するということを根拠にされていますが、これは地方分権推進計画、中央省庁等改革の推進に関する方針、かつて確かにこうなっているのですが、その後閣議決定等々を経て市場化テストを行うということで、独立行政法人の対象業務が市場化テストにかかっているという状況の変化の中で、これを根拠にして独立行政法人が存続するということは私は無理だと思います。
 ですから、民間で行っている業務をなぜ独立行政法人で実施しなければいけないのかということを説明しない限り、独立行政法人が存続すること自体が難しいという気がしてなりません。したがって、防衛施設庁がこの業務をアウトソーシングし、民間事業者が実施していけばそれで終わりではないかという気がしてならないのです。あくまでも業務内容において、それから業務内容に係ってくる日米安保条約は、本当に民間事業者が絡むのは一切だめなのかどうか、あるいはいろいろな契約上の工夫をすることによって可能なのではないかという気がしてならない。
 契約を結んでいる以上、民間事業者も必ず実施しなければならないのは当たり前の世界であって、民間だったらいい加減でもよいのかということは決してないはずですから、その辺はやはりこれを根拠に法人を存続するという理由付けをしていくのは非常に難しいような気がしてなりません。
 したがって、結論はともかくとして、この法人がなぜ独立行政法人としてその業務形態の中で実施しなければいけないかという説明はなされるべきではないのかと思います。

 長岡業務部長
 前段の方をまずお答えさせていただきます。まず繰り返して恐縮になりますが、継続して確実に行わなければいけないということなんですけれども、例えば争議権を行使されたりすると非常に困るということがございます。
 それから、民間でもこういう業務はできるのではないかということですけれども、アメリカ側が非常に政府政府と言っている一つの理由は、多分こういった業務を行えば労働者の配置転換とか、それから時間外労働が増えるとか減ったとか、いろいろな情報に接することができますので、非常に米軍が機微な動きをしているときに、そういった米軍の部隊配置とか運用体制というのがある程度こういう情報から類推できるということもあって、非常に嫌がっているんだろうと思っています。したがって、こういった業務は是非政府でということを言っております。
 アウトソーシングにつきまして、そういう心配のないこと、例えば従業員の方の健康診断、あるいは退職の準備研修という軍の機微には触れないようなことは可能な限りアウトソーシングさせていただきたいと思っているところでございます。
 それから、もう一つは、日本人が日本人を雇用するという感じではなくて、実は私も昨日米軍に行ってきましたけれども、日本とアメリカはいろいろ雇用習慣も違います。それから軍と民間という、いろんな考え方の違いがありまして、ここの調整というのは結構職種とか何とかでいろいろ煩雑な面もございまして、そういったことからも向こうも是非調整は政府機関とやりたいということを言っているんだろうと思います。

 井上臨時委員
 非公務員化という場合に、要は公務員であるべき必要性というのを立証していただきたいと思います。
 一つは、国の公権力行使に伴う業務であるのかどうなのか。そのため公務員である必要があるのかどうなのかという点です。
 もう1点は、つまり守秘義務などを今回の見直しの当初案でも掲げておりますが、それらについては、個別法令で担保することは可能です。そのような中で、本当に公権力行使という意味合いで、公務員であり続けることが必要なのかどうなのかを立証していただきたいと思っております。
 また、基地の労働者というものが民間人であるという点から考えて、それに対する労務管理を行うのが公務員である必然性はないと私も思っておりますので、それに関する立証をお願いしたいと思います。

 富田分科会長
 時間の都合もありますので本日は簡潔にお答えいただいて、後でまた資料等を賜ればと思いますが。

 永井労務調査官
 公権力の行使になるかどうかという部分につきましては、我々は非常にそれに近い形のものを法人はやらざるを得ないと思っております。例えば米軍で働く従業員の人員整理をするようなとき、順位付けとかを行って国が意思表示をするんですけれども、それを実際に調整をして実施するということも、法人の業務としてやらざるを得ないということからすれば、公権力の行使に近いものをやっていると我々は理解しております。
 また、日米間の労務提供契約については、その契約の当事者である在日米軍からは、本来的にこの業務は政府職員によって行われるべきものであるという意見もきている状況であるということを御承知いただきたいと思います。

 長岡業務部長
 一言だけよろしいでしょうか。さきほどのお話でございますけれども、この基地従業員というのは、例えば普通の民間会社が雇う労働者ではなくて、警備員、消防士、それから艦艇などの修理工、こういった人たちが大体6割ぐらいおられるんです。外国へ展開している軍隊からみますと、艦船の修理工などは広い意味では戦力の一部を構成すると。そういう観念でとらえておりますので非常にセンシティブになっているわけでございます。そこは是非御理解を賜りたいと思っております。

 阿曽沼臨時委員
 時間がないので最終的にまとめて意見を申し上げます。本日の説明でもやはり納得がいかないし、理解ができないし了解もできないということがございますので、合理的、論理的にきちんと説明できるよう御検討を再度していただきたいと思っております。

 梶川臨時委員
 それぞれの業務ごとに大体コストをどのぐらいかけられているのかということについて、追加的に資料をいただきたいと思います。それぞれの事務・事業、労働者務の雇入れ、給与計算等々、おおよそで結構でございますから、50億円をどういう形で配分されているのか。それによって一人当たりのユニットコストというものが、例えば給与計算であれば計算業務の、雇入れであれば大体雇入れのコストというものが分かる。これを民間で行っている同種業務と比べて、特別な社会コストをかけながら業務が行われる。それが日米安保条約のために必要なのだという、そこまで分かるように教えていただければ、政策コストが幾らかかっているかということが非常に分かりやすく、そのコストが本法人の存在意義であることも分かると思います。
 決して高いからいけないということを言っているのではなくて、政策、業務の確実な実施のために国民がこれだけのコストを民間業務と比べてかけているということが分かれば教えていただきたいということです。

 富田分科会長
 本日は時間の都合もありますのでここで御質問を切らさせていただきます。
 本日は御説明いただきました皆様におかれましては大変御協力ありがとうございました。当分科会といたしましては、ただいま御議論いただきました点も踏まえまして、主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、今後とも御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
 また、先ほども申し上げましたように、時間の関係で十分な御質問、御回答をいただけなかったこともございますので、後日また追加的な質問も含めまして事務局を通じて照会いたしますので、御対応方よろしくお願い申し上げます。
 それでは、防衛施設庁の皆様には御退席いただきます。ありがとうございました。
  (内閣府説明者退場)

 富田分科会長
 続きまして、厚生労働省所管1独立行政法人の見直し当初案についてヒアリングを行います。
  (厚生労働省説明者入室)
 富田分科会長
 それでは、ただいまより国立健康・栄養研究所の見直し当初案につきまして、厚生労働省から御説明をいただきます。
 本日は、厚生労働省安達大臣官房厚生科学課長をはじめ、御担当の皆様にお越しいただきました。短時間で恐縮ですが、御説明は5分でお願い申し上げます。

 安達厚生科学課長
 ただいま御紹介いただきました安達でございます。
 まず、独立行政法人国立健康・栄養研究所についての概要を御説明させていただきます。
 この研究所につきましては、大正9年、栄養研究所として設立し、戦後国立栄養研究所になり、さらには国立健康・栄養研究所として、平成4年10月からは現在地でございます新宿区戸山に移転しております。さらに、平成13年には国立の研究機関からいわゆる独立行政法人化されました。その後約5年が経過したところでございます。
 役員数、職員数につきましては、そこにお示ししているとおりでございます。
 また、予算額につきましては、平成17年度で約11億円でございます。
 次に、事務・事業につきましての見直し案について御説明させていただきます。
 まず、大きく分けまして四つの事務・事業につきまして今後の見直し案を示しております。
 一つ目の事務・事業といたしまして、健康・栄養政策の基礎的データの調査研究にかかわる事業がございます。
 見直しの方向性についてでございますが、既存の研究テーマの終了に伴います新テーマの選定につきましては、新たな中期計画等においてより具体的、計画的に定めることを基本としつつ、国民生活の向上に資するテーマをより効果的、弾力的に設定することとしております。
 次に二つ目の事務・事業である国民健康・栄養調査の集計事務についてでございます。事業の概要につきましては、健康増進法施行令第1条によりまして、この独立行政法人国立健康・栄養研究所が実施することとされているものでございます。
 この事業の見直しの方向性につきましては、廃止・縮小、あるいは他機関への譲渡ということは効率的な事業継続の観点から困難であるということで、新たな中期計画におきまして、国の政策ニーズに応じた調査結果の内容の検証を行うなど的確な集計を行うとともに、事業実施に当たっての費用節減や事務の合理化の徹底等を図ることにしております。
 次に三つ目の事務・事業として特別用途表示の許可等に係る試験についてでございます。
 事業の概要は、特別用途表示の許可等を厚生労働大臣が行うに当たりまして、申請者の申請及び厚生労働省の指示に従いまして、許可を行うに際し、必要な栄養成分や関与する成分に関し試験検査を行うというものでございます。
 見直しの方向性につきましては、この業務につきましても、廃止・縮小した場合、直ちに「特別用途食品」の許可等に支障が生じることは明らかでございますので、処理期間の短縮等を図りつつ、引き続き当該業務を継続することとしております。
 次に四つ目は、特別用途食品の収去試験に関する事務・事業でございます。
 事業の概要は、健康増進法第27条によりまして、収去された「特別用途食品」の栄養成分や関与する成分に関し試験検査を行うというものでございます。
 見直しの方向性につきましては、本業務につきましては、中立性・公平性を確保するために一元的に行う必要があるということで、廃止・縮小、あるいは他機関への譲渡は困難であると考えております。新たな中期計画等における標準処理期間の設定、あるいは事業実施にあたっての費用節減や事務の合理化を図るという方向性を考えております。
 次に組織形態の見直しにかかわる考え、対応案でございます。冒頭申し上げましたように、この独立行政法人は、ちょうど5年を経過しつつあるということで、新たな中期計画を来年度から設定する必要がございます。そのような中で、組織形態の見直しに関しましても見直しの方向性を示しております。そこに書いておりますように、業務の効率化を図るため従前の組織の見直しを行い、目的とする研究内容に対応するプロジェクト体制を整備してきております。このようなプロジェクト体制は、その目的とする研究を遂行するため、部の枠を超えた存在としてそれぞれの部からプロジェクト研究に必要な人材を選出し、効率的な研究体制の整備に努めているところでございます。次期中期目標におきましては、このような既存の部体制の見直しを行うとともに、非公務員型の独立行政法人とするという方向で見直しを考えていきたいと考えております。
 なお、このような方向性を講ずる理由といたしましては、例えば昨年1224日の閣議決定等も踏まえ、現在の国家公務員法体系にとらわれない柔軟な人事体制が可能な非公務員型の独立行政法人への移行を図るという考え方で、上記措置を講ずるということにしたいと考えているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。

 富田分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、見直し当初案につきましての審議に移りたいと思います。御質問などございましたらどなたからでもお願いいたします。どうぞ、梅里委員。

 梅里臨時委員
 この国立健康・栄養研究所ですけれども、組織形態の見直しの問題があるかと思いますが、これらは今の御説明の中で、前向き、積極的に非公務員化で対応するという方針が打ち出されておりますので、評価したい。
 次に業務の効率性については、具体的なところなんですけれども、国民健康・栄養調査を実施していて、これはほかに移管することは難しいということ、なおかつ国民の健康状態を継続的に把握して時系列的にフォローするということの必要性から直接調査の実施を行う必要があるんだという御説明になっているかと思います。継続的にフォローするということですと、逆に言いますと、突然に調査の方法を変えるということになると、過去のデータ等の継続性が保証されないわけですから、これらというのは調査の方法、分析等に関してもかなり類型化しているのではないかと思われます。そうするとかなりの部分アウトソーシングといいますか、外部に調査をゆだねるということができるのではないか。結果についての分析、判断、それの活用ということについては、研究所で行う必要があるかと思いますが、調査そのものの実施については相当の部分外部に委託できないのかというような点があります。
 それから、もう一つ、業務の効率という面では、研究所にかなり高額な設備、ヒューマンカロリーメーター等のものがあるということをこの前見せていただいたんですけれども、こういう設備の稼働率といいましょうか、そういったものについてもう少し上げていく、向上させていく、それから更に活用の方法を考えるということについてどのように考えておられるかということです。他の設備もなんですけれども、特に高額なものについてどのように考えておられるかということです。
 少し細かいところで恐縮ですけれども、今の御説明の中で特定用途表示の許可にかかわる試験と、特定用途食品の収去に関する試験と二つありまして、許可については、登録試験機関でも実施ができるようになったという御説明ですが、収去についても、同じ意味で登録試験機関等の関与を認めていくという形は考えられないのかどうか。
 それから、先日いただいた資料の中でNR(栄養情報担当者)という認定制度の資料をいただいておりますけれども、これらの制度を行っていく必要性、社会的効果をどのように把握していくのか、あるいはもう既に把握されているのかどうかについて伺いたいと思います。
 以上です。

 富田分科会長
 それでは、安達課長、簡潔にお願いいたします。

 安達厚生科学課長
 まず、本日御質問いただきました点、行政の進め方についての考え方の御質問もございますので、本日は、健康増進栄養にかかわる業務を所管しております健康局、それからいわゆる特定栄養食品等の食品にかかわる行政を担当しております食品安全部の担当者も来ておりますので、それらにつきましてはそれぞれ所管の者から答えさせていただきます。

 北島新開発食品保健対策室長
 それでは、食品関係につきましてお答えをさせていただきます。
 まず、食品につきましては、医薬品と異なりまして基本的には提供者、事業者が安全性に責任を持って提供することとされておりますが、ただ最近いろいろな健康食品ですとか新しい食品が提供される機会が増えてまいりましたので、こういった食品等に関する正しい知識を普及しようということで、この国立健康・栄養研究所でデータベースを作りまして、食品、それから素材の情報の提供をしていただいているところでございます。このデータベースにつきましては大変活用が進んでおり、新しい情報を常にアップしていただいているところでございます。
 それからNR、栄養情報担当者制度につきましては、平成13年2月26日付の「薬事食品衛生審議会報告書・保健機能食品の表示等について」において、アドバイザリースタッフの確保の必要性に関する提言がございまして、それを踏まえまして薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会におきまして、「保健機能食品等に係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的考え方について」の通知を出し、それに基づいて現在実施しております。
 こういったスタッフの養成の実施主体はあくまでも民間団体で、それぞれの民間団体が研修等を行っているところでございますが、それらの質を担保したり、養成した人たちのフォローアップをするためにこの国立健康・栄養研究所が養成講座、カリキュラム策定、資格取得後の情報提供等のフォローアップをして、クオリティー・コントロールをしているところでございます。
 また、これらのことからアドバイザリースタッフが、食品の持つ成分の機能やその活用方法等について理解して、一般消費者に対する健康食品等に係る正確な情報が提供できるよう、基本的な考え方について学ぶ機会を提供し貢献していると評価しているところでございます。ただ、アウトカムを評価するための指標を設けることが大変難しいのですが、事業の内容については私ども一定の評価をしているところでございます。
 以上でございます。

 古畑栄養・食育指導官
 私の方から国民健康・栄養調査の継続性の妥当性について説明いたします。この国民健康・栄養調査につきましては、もう50年来継続的に実施されてきております。特に戦後の言わば低栄養時代との絡み、さらには成人病と時代に即応してきております。特に現在生活習慣病対策ということで考えますと、血液、身長、体重、そういったものを総合的に絡めまして、その時代時代に合った形での内容を研究ともども評価しながら実施されてきている。これは国立健康・栄養研究所だからできるということを私ども評価しているところでございまして、特に最近は介護、低栄養という問題も絡んできておりまして、そういったことに応じて私ども時代時代に応じた形での生活習慣病対策、健康づくり対策という上で、国立健康・栄養研究所が企画立案と一緒に評価検討しております。今後も国民健康・栄養調査につきましては、効率的評価ということになりますと国立健康・栄養研究所で実施することが妥当ではないかと考えております。
 以上でございます。

 安達厚生科学課長
 高額な施設設備の利用促進について御指摘いただきましたが、平成16年に施設等利用規程というものを作成いたしまして、プール、あるいは運動フロア、さらに骨密度測定装置等の一般開放を行いました。ただ、研究所の施設ということで研究への協力をお願いするということが前提、逆に言いますと研究への協力をいただくということで一般の通常の施設よりは安くといいますか、コスト以下の費用で開放するということを行っております。

 縣臨時委員
 他省の独立行政法人との関係ですが、例えば農林水産省の食品総合研究所というのがありますけれども、そことの関係をどう認識されていますか。それから、非公務員化をされるということはいいことだと思いますが、さらにここには大学や民間企業と円滑な人事交流がありますけれども、その場合に任期制の任用ということもお考えにならないのかということについて伺いたいと思います。

 梅里臨時委員
 今のお答えの中で他省との関係というのが出ましたけれども、先ほどのサプリメントとか健康食品、データベース化というお答えだったんですけれども、一部のものについては今試験をしたり機能性についての検証はされているんですよね。その辺のところをなるべく早く拡大していくことが必要ではないかと考えているものですから、データベース化の枠にとどまっているのかどうかということで質問を申し上げたということがあります。
 それから、もう一つなんですけれども、国民健康・栄養調査なんですが、私の質問の意味は、新たな調査等について何かを加えなければいけないとか、そういったものについては研究所の方で、いわゆる調査の計画については当然実施しなければいけないと考えているんですけれども、調査の実施とか集計でありますとか、それから類型化した統計分析、こういったものについてはかなりの部分アウトソーシングできるのではないかという意味で質問を申し上げて、全くその調査を全部外部にゆだねるということは無理だと思っているんですけれども、そういった意味でどこまでのアウトソーシングを考えておられるのかと、ある意味考えておられないのかどうか、そういったようなことについて先ほど伺ったつもりです。

 森泉委員
 集計調査に関して、梅里委員のおっしゃったことに賛成ですが、国の統計の方針として今後なるべく民間に委託するというような傾向がある中で、どうお考えでしょうか。

 安達厚生科学課長
 よろしいですか。それでは、まず農林水産省所管の研究所とのデマケをどのように考えているかということでございますが、基本的に今申し述べたような独立行政法人につきましては、食糧資源の観点から研究を行っておられると承知しております。一方、国立健康・栄養研究所におきましては、国民の健康の保持増進という観点から、栄養や食生活、あるいは運動にかかわる研究を行っているということで、そういった農林水産省所管の御指摘のような研究機関との統合を行うことによりまして、本研究所が厚生労働行政上果たすべき役割を十分担うことができなくなる可能性が高いと考えております。このため現在は統合についての検討は考えておりません。
 なお、二つ目の御質問でございますが、今後大学等も含めて研究協力等をもっと進めるべき中で、大学院生の活用ももっと考えるべきではないかという御指摘かと思います。私ども、この国立健康・栄養研究所に限らず国の研究機関、あるいは独立行政法人等が積極的にいわゆる競争的資金を獲得して研究を進めていただくということは、非常に望ましいことであると考えております。またそういった競争的資金、厚生労働省が所掌します競争的資金の運用に当たりましては、例えば大学院を修了して博士号を既にとっておられるような方々も含めた活用を図るための「推進事業」と併せて運用をしているところでございまして、この国立健康・栄養研究所におきましても、そのような事業を積極的に活用して研究が進められるよう指導していきたいと考えております。

 北島新開発食品保健対策室長
 健康食品の関係でございますけれども、本年2月に制度改正を行っておりまして、今御指摘のように健康食品、大変いろいろなものが出ておりますので、まず消費者に正しい情報が正確に提供できるような栄養表示の見直しを行ったり、また特定保健用食品という枠組みがあり、既に500以上が承認されておりますが、こういったものがなるべく的確に、また迅速に審査できるように制度の充実等の見直しを行ったところでございます。

 富田分科会長
 アウトソーシングのお話をお願いします。

 古畑栄養・食育指導官
 御指摘の調査の実施につきましては、都道府県でこれを実施しております。前もって集計業務、また精度管理という意味では、当初より栄養研究所と十分な連携をとって実施しておりまして、個々に上がってくる調査票については、それぞれ被調査者に記入をお願いしているところもございまして、記入していただくのが非常に間違ったところも出てくる場合もあります。そういった意味では、十分精度管理の上では国立健康・栄養研究所がすべていろいろな目を通して精度管理を徹底して実施しているということでもございますし、さらには、この集計業務につきましては、調査の統一性を担保するというようなことから、また、栄養学的な見地からも、企画・立案・実施と一貫性をもって行う必要性があるということでございまして、いわば私どもと一体となってこれらの健康・栄養政策を進めるという意味では、研究所において行う必要性があるということと、民間委託ということについては、非常に難しいのではないだろうかと思っております。
 以上でございます。

 富田分科会長
 それでは、阿曽沼委員からの御質問です。

 阿曽沼臨時委員
 先ほど国立健康・栄養研究所の中で、例えば他省庁との統合の問題とはまた別ですけれども、例えば内閣府の食品安全委員会、同じような厚生労働省の中の国立医薬品食品衛生研究所等とのいわゆるコラボレーション、連携が、今後どんどん必要になってくるのではないかなと思います。
 もう一つは、介護保険法などが改正されていくと、いわゆる食事というものと健康・栄養というものが非常に高齢者の社会の中でも重要になってきたり、家で御飯を食べなくて外でばかり食べるような社会文化になっていったり、もしくは単身者が増えたりということになると、ここに所属している研究員の得意技の栄養、運動と健康維持増進だけに限って研究するのではなくて、そういったニーズに沿った研究テーマを積極的に実施していかないと、組織のミッションが問われていくのではないかと思いますので、その点はいかがでしょうか。

 井上臨時委員
 私の方から2点質問させていただきます。
 一つは、健康・栄養政策に資するような調査研究を行うという点ですが、この事業の見直しに係る当初案にもありますように、事業の概要には、健康機能食品の規格基準の策定の検討に資するものなどがありますが、調査研究で具体的に何を行うのかをもっと具体的に示していただきたいというのが1点です。
 なぜそのようなことを申し上げるのかというと、先ほど阿曽沼委員からも申し上げましたように他機関、つまり隣接する他の独立行政法人及びナショナルセンターがございますので、そのような機関と調査研究内容がどのように異なっていて、国立健康・栄養研究所の存在意義が見い出せるというような説明が必要だろうという点から、実際に具体的な調査研究の内容を示していただきたい。具体的な調査研究の内容が健康・栄養政策にどのように資するのか。特に食事摂取基準に資するような調査研究になっているということでもございますので、政策との関連という面で教えていただきたいと思います。
 もう1点が、国民健康・栄養調査の集計事務について、事務・事業の改廃に係る具体的な措置に費用の削減及び事務の合理化の徹底等を図るということでございます。コスト削減の点からどのようなことを予定しているのか、どのような具体的な策を考えられているのかという点について、教えていただきたいと思います。
 以上です。

 縣臨時委員
 任期付きの任用については、付加的に競争的資金を導入したのは、もちろん結構なのですが、そうではなくて恒常的な研究員の中に任期付きの研究員を導入されるということを検討していただきたい。

 富田分科会長
 それでは、安達課長、質問がたくさんありますが、簡潔にお答えいただければと思います。

 安達厚生科学課長
 まず一つは、研究分野における関係機関、あるいは様々な機関との連携といいますか、目的に向かってどのように取り組んでいくのかという御質問かと思います。これにつきましては、そもそも厚生労働省だけでもございませんが、総合科学技術会議におかれまれして、基本的な理念及び政策目標を立てておられます。御案内のとおり科学技術基本計画は今年度が第2期の計画の最終年度ということで、来年度からは第3期の科学技術基本計画がスタートすると。その中で我が国としてとるべき政策目標というのが、確か八つぐらいあったかと思いますが、そのうち厚生労働省にかかわるものとしては「はつらついきいき生活」、要するに元気に国民が暮らせるような政策目標を立てて、そのために各省連携して取り組んでいきましょうということが予定されております。
 厚生労働省におきましても、その目的達成のために例えば先端医療の実現、あるいは医療安全の実現等のより具体的な目標を立てて関連研究者、あるいは関連する研究機関が、それぞれ自分たちの能力に合った力を出しつつプロジェクトを進めていこうということで取り組む予定にしております。
 この国立健康・栄養研究所におきましても、その一翼を担うことが期待されているわけでございますが、例えば隣接します国立国際医療センターと協力したプロジェクトを、栄養に関するプロジェクトを検討しているところでございます。また、それ以外にも個々の研究者としては様々なプロジェクトに参画して、結果として最終的には総合科学技術会議の示す政策目標に達成できるような取組をしていると理解しております。
 それから、あと任期付き任用に関しての考え方でございますが、既に現在の中期計画の中でも、新たに任用する場合においては原則として任期付任用としているところでございます。
 また、研究内容についてより具体的に示さなければ他の機関、あるいは他のプロジェクトとの重複等が判断できないのではないかという御指摘でございますが、ただ、個々のこの事務・事業に基づく個々の研究テーマにつきましては、今後外部の方々の意見も踏まえて、中期計画を策定する中で規定していくということになるかと思います。その際には、御指摘のように具体的な目標に明確につながるような目標をよりクリアな設定かできるように努めていきたいと考えております。

 富田分科会長
 それでは、時間の都合もありますので、ここで質疑を打ち切らせていただきます。
 本日は、御説明いただきました皆様におかれましては、御協力を賜りましてありがとうございました。当分科会といたしましては、ただいま御議論いただきました点も踏まえまして、主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、今後とも御協力のほどをよろしくお願いいたします。
 また、本日は時間の関係で十分な質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その際には、後日事務局を通じて照会いたしますので、御対応方何とぞよろしくお願いいたします。
 厚生労働省の皆様方には御退席をいただきまして結構でございます。ありがとうございました。
  (厚生労働省説明者退場)
   以上で、本日予定の見直し当初案に関する府省からのヒアリングを終了いたします。
 引き続きまして、文部科学省、国土交通省及び財務省独立行政法人評価委員会の役員の退職金に関わる業績勘案率についての報告及び独立行政法人評価年報についての報告が事務局よりございます。

 山下評価監視官
 それでは、業績勘案率の関係、手短に説明させていただきます。今回、文部科学省、国土交通省、財務省から多数業績勘案率が出ておりますが、一つ文部科学省の宇宙航空研究開発機構を除きましてすべて業績勘案率1.0でございます。また特段問題も認められませんので、通常どおり「特に意見はありません」という旨の意見を出させていただければと思っております。
 宇宙航空研究開発機構について、初めて0.9という業績勘案率が出てまいりましたので、これについて紹介いたします。
 今回出てまいりましたのは理事A、理事Bの二人でございます。以前5月の分科会の際に理事長についてお諮り申し上げました。理事長について、ロケットが落ちたという話があったわけでございますが、これが平成15年であり、業績勘案率適用前の時期であるということで、15年度の評価の理事長の欄を見ていただきますと、0.9という格好で出ていますが、16年度の1.0と通算した結果1.0となっていたものでございます。
 今回の理事A、理事Bにつきましても、業績勘案率の適用期間にかからないという意味では共通ですが、理事Aは総務担当の理事です。それに対して、理事Bは、三つのロケットのうちの「みどり」の担当の理事です。その関係で評価項目の分母が少ないので、理事Bについては15年度分が0.5と出ております。そのため、計算しますと、トータルが0.9になるというものでございます。
 なお、実際のボーナスの支給の減額などとも平仄がとれたものになっております。
 したがいまして、宇宙航空研究開発機構の関係の意見としましては、基本的には意見はありませんとしつつ、前回5月の理事長の際の意見と同じように、業績勘案率の期間にかかっていないからしようがないけれども、業績勘案率の期間であれば反映されなければならないし、項目ごとのウエイト付けをきちんとするようにということを意見に付記しているところでございます。
 なお、文部科学省もこのウエイト付けについては検討しているところでございます。
 以上です。

 富田分科会長
 ただいまの報告につきまして、御質問、御意見はございますか。それでは、文部科学省、国土交通省及び財務省独立行政法人評価委員会からの、役員の退職金に係る業績勘案率(案)に対する委員会の回答につきましては、案のとおりとさせていただきます。
 なお、事後の処理につきましては、私分科会長に御一任いただくことで御異議ございませんでしょうか。

   (「異議なし」の声あり。)

   それでは、そのように取り扱わせていただきます。
 引き続きまして、独立行政法人評価年報16年度版の取りまとめにつきまして、事務局から報告をお願いいたします。

 新井評価監視官
 独立行政法人評価年報につきましては、毎年更新しておりまして今年が3回目ということになります。
 内容的には、独立行政法人制度の概要とか、独立行政法人の現状、数、役職員の状況とか、あるいは会計などです。今年は16年度版になりますので、昨年度行った独立行政法人の評価活動、各府省の評価委員会の評価と、我が方がそれに対してどういう年度評価、意見を述べたかということが、対比の形で掲載されています。
 それから、公表資料を一括して参考資料として付けております。
 基本的に今年の年報も、昨年と同様のデータを更新するという形で資料的価値のあるものにしております。
 内容的に大部でありますので後刻御覧いただければと思います。刊行後にはホームページなどに載せまして広く公表していくこと考えております。
 以上でございます。

 富田分科会長
 後で御一読いただいた上で御意見等がございましたら、来週9月16日金曜日までに事務局あてに御連絡をいただきたいとのことです。いただきました御意見等はできるだけ反映させていきたいと思いますけれども、事後処理につきましては、分科会長に御一任いただくということでよろしいですか。

 縣臨時委員
 これはいつ公表されますか。

 新井評価監視官
 まだ内容について各府省と調整しているところもございまして、若干内容が変わります。最終的には政策評価・独立行政法人評価委員会として公表するものになっておりますので、これから委員長を始めとして皆さんに諮ることになりますので、できれば来月ぐらいに公表したいと考えております。

 縣臨時委員
 10月の初めですか、終わりですか。

 新井評価監視官
 後半ぐらいになってくるかと思っています。

 富田分科会長
 今説明がありましたように、政策評価・独立行政法人評価委員会として公表するという予定です。
 最後に、今後の予定につきまして報告事項がありますので、事務局からお願いいたします。

 新井評価監視官
 各省からのヒアリングでございますが、明日も9時半からこの場所で、農林水産省、環境省関係のヒアリングを行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 富田分科会長
 それでは、以上をもちまして政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会を終了いたします。本日は、御多用中のところを御出席賜りましてありがとうございました。
  (了)




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