( | 独立行政法人評価分科会所属委員) 富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、縣公一郎、稲継裕昭、岡本義朗、小幡純子、梶川融、河村小百合、黒川行治、黒田玲子、島上清明、鈴木豊、田渕雪子、松田美幸、丸島儀一、山本清の各臨時委員 |
( | 総務省) 福井良次行政評価局長、伊藤孝雄官房審議官、新井豊評価監視官、榎本泰士調査官、岩田博調査官、加瀬徳幸調査官 |
(1) |
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(2) | 報告事項 |
(1) | 経済産業省説明資料 |
(2) | 農林水産省説明資料 |
○ | 富田分科会長 時間となりましたので、ただいまより政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会を開会いたします。 本日の分科会は、独立行政法人の事務・事業に関する府省ヒアリングの一環といたしまして、経済産業省所管6法人及び農林水産省・財務省所管1法人の計7法人の事務・事業に関するヒアリングを行います。 このヒアリングは、今後 では、初めに事務局から説明をお願いいたします。 |
○ | 新井評価監視官 本日は、関係府省ヒアリング3回目でございます。経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、中小企業基盤整備機構、日本貿易振興機構、原子力安全基盤機構、情報処理推進機構、それから農林水産省・財務省所管の農林漁業信用基金、以上7法人についてのヒアリングをお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。それでは、経済産業省所管6法人の事務・事業につきましてヒアリングを行います。本日は、経済産業省高橋審議官始め、御担当の皆様にお越しいただきました。 最初に、新エネルギー・産業技術総合開発機構の事務・事業の概要について、恐れ入りますが、 それでは、よろしくお願いいたします。 |
○ | 高橋審議官 経済産業省政策総合審議官の高橋でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、今御紹介がございましたとおり、本日、経済産業省所管の六つの独立行政法人につきまして御説明申し上げたいと思います。 このうち、日本貿易振興機構、それから原子力安全基盤機構につきましては、本年度をもちまして中期目標機関が終了する法人でございます。以前より、見直しの内容につきまして検討を進めてまいっているところでございます。 また、昨年度に取りまとめられました行政改革の重要方針を踏まえまして、石油天然ガス・金属鉱物資源機構、情報処理推進機構につきましては、来年度に中期目標期間が終了する法人でありますが、前倒しでその見直しを進めるということにしているものでございます。 さらに、これからトップバッターで御説明いたします、新エネルギー・産業技術総合開発機構( それでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構( |
○ | 住田技術振興課長 経済産業省技術振興課長の住田でございます。よろしくお願いいたします。 技術振興課が独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構( 御手元に資料がございます。順次お話をいたします。まず最初に、 全体の予算規模でございますが、平成 その中で、研究開発業務が、予算的に言いますと1, 本日の主たるテーマとなります融資業務に関しましては、むしろ新エネルギー・省エネルギー技術導入普及業務の関連の業務でございます。新エネルギー・省エネルギーに関しましては、様々な技術の導入普及業務というのを行っているわけでございますけれども、これに関連をいたしまして、融資業務、右側の吹き出しのところに書いてあるものがございます。 まず、大きく分けて二つございまして、一つ目が、特定事業活動等促進業務と書いてございます。省エネルギー、あるいはリサイクルに関します債務保証でございます。基金が 大きな2番目が、新エネルギー利用等債務保証業務ということでございますが、これは、例えば風力発電事業などが典型でございますが、そういった新エネルギーの分野で、その事業に必要な資金借入れについての債務保証業務でございます。基金の額は そのほか、経過業務といたしまして出資・貸付経過業務、こちらは旧基盤センターから承継した部分等がございます。また、石炭関連の経過業務等もございます。 本日は、先ほど申し上げました融資業務についての御説明をもう少し詳細にさせていただきます。別紙1を見ていただきますと、省エネ・リサイクル支援法(エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法)に基づきます債務保証、あるいは利子補給についての御説明でございます。 この省エネ・リサイクルといいますのは、省エネの話とリサイクルの話があるわけでございます。リサイクルに関しましては、政府全体として また、省エネルギーにつきましても、昨年4月に閣議決定いたしました京都議定書の目標達成計画におきまして更なる様々な努力をすべきだということでございまして、それに基づいて現在更なる整備法の審議をお願いしているところでございます。 こういったリサイクルの奨励、あるいは省エネの支援というのは、非常に社会全体に便益をもたらすことが期待される、公共性が高い業務でございますが、反面、いろいろな意味でのリスクがあるわけでございます。 次のページにいっていただきますと、そのリスクの一つでもあるわけですが、なかなかその収益の見通しというのが不透明なケース、あるいは投資資金の回収に非常に長期を要するということがあります関係で、政策金融の対象とするということが極めて重要なわけでございます。特に、今申し上げましたような、通常の事業において考慮すべきリスクと必ずしも同じでないような様々なリスク評価をして、その上で政策的に支援をしていくことが非常に重要でございますので、民間金融機関での資金供給だけではなかなかやっていけないという状況がございます。 そこで、債務保証制度の必要性というところに書いてございますが、リサイクル関係の事業というのは中小の事業者が行う場合が非常に多いということでございます。政策投資銀行による融資もあるわけでございますが、これは融資比率が また、省エネに関しましては、様々な地球温暖化に関する対策についての社会的要請が高まっている、あるいは こういったことで、債務保証制度が非常に期待されているわけでございまして、引き続き、この制度が必要なのではないかと考えているところでございます。 また、利子補給につきましては、今申しましたような省エネ事業、あるいはリサイクルに関する事業につきましては、なかなかその投資回収が長期化する可能性が高いので、そういう中で金利面での優遇措置というのを得られることがまた非常に大きな意味を持つわけでございます。そういったことで、この制度が存続をしているということでございます。 それでは、資料の6.のところでございますが、なぜ 続きまして、別紙2でございますが、新エネルギーに関する債務保証制度でございます。新エネルギーにつきましては、例えば風力発電などが代表的なケースでございますが、実はその主体としては中小企業に対する期待というのが非常に大きいわけでございますけれども、一般的には中小企業はなかなか財務基盤が脆弱であるということ、さらには、新エネルギー事業特有のいろいろなリスクもございますので、単に民間金融機関による支援だけではなかなか立ち行かない。とりわけ、2.1)に書いてございますように、新エネルギーに関する評価については、ニッチな技術分野についての専門知識が必要であるということ、また中ほどにございますが、日本の場合には特に台風ですとか落雷といった天災に影響されることもございますので、運転に関するメンテナンスについてのノウハウが必要であるという点がございます。 また、さらに2)にございますように、非常に設備導入のコストが高い。例えば1万キロワットの風力発電ですと、建設費だけで この事業につきましても、 御説明の方は以上とさせていただきます。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 それでは、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問等ございましたらどうぞ。 |
○ | 岡本臨時委員 それでは、私から2点質問させていただきたいと思います。 観点は両方とも同じでございます。本日、融資等業務ということですので、金融業務に絞った形で質問させていただきたいと思います。 まず、省エネ・リサイクルの債務保証・利子補給です。今の御説明の中で、なぜ 必要性を述べられたのですが、私どもの観点から見ると、必要性の割には実績が少ないのではないのか。実績から見ると、果たして政策的に必要な手段なのかという疑問が出てまいります。その辺、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか。 もう一つ、新エネの債務保証についても全く観点は同じでございます。ここには全体の政策スキームの中に国の補助金も入っているかと思います。国の補助金、政策金融機関の融資・貸付、 新エネの債務保証について、先ほど御説明の中に実績がございますというお話がありましたが、 |
○ | 住田技術振興課長 まず、御指摘のございました省エネ・リサイクルの方でございますけれども、 それから第2点目の、必要性の割に実績が上がっていないのではないかということでございますけれども、この点につきましては、確かに利用実績が多くないということは御指摘のとおりかと思います。今後、更に利用実績が拡大をしていく可能性というのが十分あるのではないかと考えております。 新エネに関しましては、御指摘のございました、なぜ また、複層的な支援を行っているのではないかという御質問ですが、正に複層的な支援を行っておりますが、これは風力発電のケースのようなものを例に挙げれば、ほかの競合する他の電力と同じだけの条件にはないわけです。まだまだ正直言ってコストが非常に掛かるわけです。しかしながら、そのコストが掛かるという理由でそれが駄目になってしまうというのでは、せっかくの新エネルギーに向けた努力が台無しになってしまいますから、不足している部分をいろいろな形で補っていくことが必要であるという考え方から、こうした仕組みをつくっているわけでございます。 また、 |
○ | 岡本臨時委員 現在の実績をどう見るかということについて御説明いただいたのですが、今までの反省を踏まえて、次期中期目標期間にどのように利用を深めていくかということについて、政策的な評価を必ず行っていただきたい。それを、次にどの技術環として展開するかというのを教えてだきたいと思っております。 |
○ | 河村臨時委員 今のお答えに関しまして、省エネ・リサイクルの方ですが、利用の実績が少ないが、今後増えていく可能性があると御判断されていらっしゃるというお話でした。私どもの考え方といたしましては、実績が少ないということは、これを評価するときに二つの考え方があり得るだろうと思います。 一つは、元々のニーズが少ないのではないか。もう一つは、ニーズは潜在的にはあるのだけれども、そのニーズをうまく捕捉できるような制度の設計になっていない、制度の問題があるのではないか、そのように推定できるのではないかという感じで議論をいたしております。 ただ、御説明では、理由をお示しいただけませんでしたので、ニーズが本当にあるのか、その辺りも含めて、もう少し突っ込んで御説明いただきたいと思います。 |
○ | 富田分科会長 今のお二方の御意見、御質問に対して簡潔にお願いいたします。 |
○ | 池田環境調和産業推進室長 省エネ・リサイクル法から御説明させていただきたいのですが、当初は平成5年にできておりましたけれども、 そういうことで 金利情勢も、今後上昇の可能性があるということで、このニーズが今後出てくるのではないかということですけれども、我々も |
○ | 安藤新エネルギー対策課長 新エネルギー対策課長でございます。風力の関係を御説明申し上げます。 正に電気事業といいますか発電所の特性が現れている話でございまして、 この 実は、風力発電を行っておりますのは、単に中小企業というよりは、個人の篤志家みたいな方とか地域の有志の方が集まって何とか地域で風をいかそうとしている人たちです。大手の人たちは風況の良いところで、自前で大きな資金力でできますし、電力会社も子会社などございますので、そういったところでできるのですが、一方で、地域の中で風をいかしていこう、クリーンなものをいかしていこう、こういう方たちは個人としては企業の社長であったり資産をお持ちかもしれませんが、風力発電の会社に投じられるほどの大きな金はない。一例で申し上げますと、大体家庭 |
○ | 富田分科会長 ほかにいかがでしょうか。 それでは、私から質問ですけれども、京都議定書という極めて大きな目標の中で、手段としての 御説明の中でもし他の機関にこういう政策金融を任せた場合に、保守的になってしまう、消極的になるということでした。つまり、それだけリスクが高い、債務回収が難しいということについて、研究開発を通じて、いや、そうではない、それほどリスクは大きくないという御説明で使われたと思いますけれども、そこのところも少し分かりにくいのです。 それから、多くの委員からの、利用が少ないということはニーズが少ないことの表れだという指摘です。さりとて、無利子でどんどん信用保証せよということを委員が言っているわけでもないことも御認識いただきたい。 非常に大きな目的に対して非常に限られた資産である現状を考えた場合に、廃止も含めた見直しといったことも検討されてはどうかというのが、端的に言いたいことです。お願いします。 |
○ | 住田技術振興課長 京都議定書の中での位置付けはどうかというと、これは非常に小さいではないかという御指摘かと思いますけれども、もちろん京都議定書という非常に大きな目的を達成するためには、私どものあらゆる手段を投入しようということでございます。例えば規制的な手段もございますし、あるいは これらのあらゆるものをミックスして、すべてのものが少しずつ貢献する形で、何とか6パーセントを達成しようではないかというようなことを行っているわけでございます。ある意味、逆に言うと、どの一つが欠けても全体の目標というのがなかなか達成できなくなってしまう面もあるわけでございます。先ほど新エネ課長の方から申し上げましたような風力発電のケースなどというのは、正に風力発電というのは多くの国民の方が期待をされているわけでございますけれども、実際に事業をやってみろと言われると、ああいう形で二十数億円の金が掛かり、その中で補助金が出ているのが7億円、残りの十数億円はどうすればいいんだという議論になるわけでございます。実は、そういった地道なところを一つ一つやっていかなければ、この大きな京都議定書の目標というのはなかなか達成できないのが実情であるということでございます。 それから、利用が多い、少ないにつきましては、特に新エネについては、全体の風力発電のうちの2割ぐらいが使っているというようなこともございまして、かなりある意味で制度としても利用されているのではないかと私どもは判断しておりますが、この利用の多い、少ないにつきましては、どうしてもそういった点は少し見方の違いというものが出てきてしまう面があるのかなと思っております。 私ども、先ほど御指摘ございましたように、制度の中でも、例えば省エネ・リサイクルなどにつきましては、制度の中で担保をたくさん積まなければいけないとか、連帯保証人が必要だとか、そういった面で少し使いにくい部分があるのではないかという指摘もございますので、そういったものを見直すことも含めて、どのようにしていけばよいのかを考えたいと思っており、正に押し売りでたくさん使ってくださいというつもりはないわけでございます。ニーズに合った形で使われるという姿を目指して、より使いやすい制度にすることを含めて、今の御指摘を踏まえた検討をさせていただきたいと思っております。 |
○ | 富田分科会長 それでは、ほかに御質問が無ければ次に移りたいと思います。債務保証については短期的には直接国民の負担として認識されにくいがゆえに、安易な活用ということは問題だということを最後に申し上げたい。 それでは、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の事務・事業につきまして、 |
○ | 高田政策課長 では、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の概要について説明させていただきます。お手元の資料、まず1ページ目を開いていただきまして、石油天然ガス・金属鉱物資源機構と長い名前になってございますが、この独立行政法人、御案内のとおり、元々石油公団と金属鉱業事業団と二つの団体がありましたところ、石油公団が行政改革の中で廃止され、その一部、備蓄などの機能と金属鉱業事業団の機能とを統合して発足いたしました。 まず、その課題として、御存じのとおり日本は天然資源に乏しく、これを海外に依存している中で、資源エネルギーの安全保障を確保していくことが非常に重要な命題でありまして、このため、石油、石油ガス、非鉄金属鉱物の安定供給確保、さらには金属鉱業などに起因する鉱害防止、こういったことに対応するため、業務を行っております。 この1ページ目の下にオレンジ色で四つほどのボックスがありますが、それが大体この団体の大きな柱と考えていただければよろしいかと思います。一つは、石油天然ガス開発の支援、二つ目は非鉄金属鉱物資源の探鉱・開発の支援、資源国家備蓄の推進、それから鉱害防止の支援、こういった柱でございます。 続きまして、この四つの柱につきまして順次ポイントを説明させていただきたく存じます。 まず、2ページ目、石油・天然ガスの自主開発の支援から始まります。石油・天然ガスの自主開発の支援は、石油・天然ガスの権益をとってくるための事前準備から、鉱区を得て、そこを探鉱し、開発し、生産と、こういうそれぞれの段階によって有効な手立てが違っているものですから、それぞれに合うようにツールを組み合わせて、それを全体として最後のアウトカムにつながるような支援ツールでまとめていっております。 具体的には、3ページ目になりますが、最初のステージとして産油・産ガス国との関係を強化していきます。石油や天然ガスというのは、何もないところでただ鉱区の入札があって、ぽっと札をさして鉱区が手に入るというものではありません。戦略物質としての性格があって、自分の国の鉱区について、国営石油会社が管理しているけれども、特別な友好関係があるから、その一部についてあなたの国にも参加を認めましょうといった話になることが非常に多いわけです。そういう意味で、相手国との友好関係を作っていく。例えば今ですと、ブラジルにペトロブラスという国営石油会社がありますが、そこは非常に水面下の深いところで、油田開発についていろいろ取り組んでいます。ここに対して、 そして、4ページ目になりますが、地質構造調査などの権益獲得支援に入っていきます。例えば、今サハリンについては具体的に二つのプロジェクトが動いていますが、さらにそれ以降のプロジェクトの動きがありまして、その公開入札を控えて、日本の関心のある企業などに呼びかけ、またそこの投資環境情報、環境規制とか現地の法制度などに関する情報を提供しています。そのほか、東シベリアからの石油パイプラインをどう持ってくるか、そういった意味での施策を講じるとか、東シナ海の地質構造調査といったことを行っております。 5ページ目になりますが、こういう鉱区などが立っていきますと、そのあと具体的に、リスクが高い段階に入ってきますので、リスクマネーを供給していきます。金融ではなく、正にあえてリスクマネーと書いておりまして、通常の企業のベースではやらない。例えば、メジャーであればエクソンやシェルなどにお金を貸して油田開発をしてくれという人はいないわけです。エクソンやシェルなどは、自分の体力で、自分のお金で、それを損金に充ててやっていく。ところが、日本ではそういうリスクをとるだけの体力があるものがいない。金融ベースでやるには、地質構造の調査なども、とても普通の金融機関ではできない。そういう中で、リスクマネーを探鉱段階への出資や開発段階への債務保証といった面にも支援していく。またそのときに、 また、7ページ目になりますが、技術開発の面でも、やはり技術を持っていない日本の石油開発ということでは産油国側から相手にされないわけで、そういった面でもいろいろ地質の把握の技術ですとかガス圧入の技術ですとか、技術開発の支援も行っている次第です。 続きまして、2つ目の柱、金属の探鉱開発の支援、8ページ目からお話しいたします。石油と金属では、地質構造や探鉱など、似たようなところがありますが、どちらも資源ナショナリズムがあり資源セキュリティーがある。そしてそれぞれ石油メジャーと同じように資源メジャーというのがあるわけですけれども、そういう中で日本がきちんとやっておかなければいけない。鉄やアルミといったものは比較的賦存量が多いですが、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、ましてやレアメタルといったものについては賦存状況もかなり偏在があるといった中で、確実に押さえていくための支援をこの分野でもしていく必要があるということでございます。 9ページ目になりますが、現在、機構の地質構造調査などの支援の結果、開発された鉱山は、九つありまして、さらに、二つが今年から生産開始予定、また、二つが探査プロジェクトに参入して将来に結びつけていこうという段階に入ってございます。 例えば、元々銅鉱山で、大体鉱石中の含有率が2パーセントぐらいだったわけですけれども、最近、鉱床でいいところ等は大分開発が進んでおりますので、既に0.5パーセントぐらいの品位まで劣化してきています。そういう0.5パーセントぐらいの、昔でいえばそれほど品位が高くないような鉱山であっても、確実に採って経済ベースに乗せていくといった技術開発をしていくわけです。 続きまして、 その量につきまして、レアメタル備蓄は、国家備蓄倉庫を機構が管理しておりまして、備蓄目標は 具体的に、 それから、 それから、 この 例えば技術開発の面でも、坑廃水から出てきます沈殿物をどのように減量できるかとか、ポリマーを使った形での流水の抑制をする技術の開発とか、ホウ素、フッ素、アンチモンなど新しい規制物質、水中に入っているものをどう取り除いていくかといった技術開発の支援をしているということであります。また、松尾鉱山のように、運営の委託を受けて廃水の管理をしていたり、鉱害防止積立金の運用管理をしていっております。 また、 統合法人は、統合時にまずそれ以前のスケールからダウンサイズしまして、発足当初に比べて また、金属と石油との間でそれぞれ畑が違いながらも、お互い違う目で見てみると、アドバイスし合える部分もあり得るわけでして、そういう意味での石油、金属両分野の技術戦略についての議論でシナジー効果を高めるということも行っているところであります。 いただいた時間が相当長くなってしまいましたが、以上です。 |
○ | 富田分科会長 簡潔にと申し上げたのに、随分説明いただきました。委員の皆様、質問というよりも問題点の提起等をよろしくお願いいたします。 |
○ | 黒川臨時委員 それでは、数点質問させていただきます。 まず第1点は、金属鉱物探鉱支援に関連して、出資や貸付け、債務保証など、いろいろスキームがありますけれども、なかなか実績が少ないように思われます。実績が少ないという理由ですけれども、出資、貸付け、債務保証という政策自体に問題があるのではないかと勘ぐるところです。もう一つは、情報でしょうか、金属鉱物の探鉱というところで、先ほどの御説明にもあったように、東京にいてもできないわけで、世界各国の現場に誰かが出かけて行って、そういう情報を集めているかということも大事なのではないかと思います。 そこで、まず非鉄金属等々の金属鉱物の探鉱ということは、日本の国家にとっても非常に大事なので、出資、貸付け、債務保証のスキームについて、何か問題があるのかどうか。もし問題があれば、見直すか廃止するか。 それから、本日いただいた 第2番目は、石油の備蓄支援でございます。リスクが高いか低いかという観点で平行線になるのかもしれませんが、まず石油備蓄については、私どもの判断ではリスクは低いのではないかと思っています。ですから、直接貸付けをしなくてもよろしいのではないか。貸付期間の年数などで御反論されるかもしれませんけれども、リスクという点では、もう低いのではないか。そうであれば、例えばこのスキームの根本は利子補給にあるのであれば、せめて利子補給ぐらいにして、極力元本部分は少なくしてしまうということもあるのではないか。それに関しても、やはり組織図上で、多額な金額が動くから人もたくさん必要でしょうけれども、具体的にどういう仕事をされて、そこに人が何人ぐらいおられるのか、併せて、お示しいただきたいと思います。 3点目は、鉱害防止でございます。中期目標において徐々に先細りというのでしょうか、ニーズが少なくなっているのかもしれませんけれども、実績や政策的必要性を踏まえた上で評価をして、抜本的に休止、廃止を含めて見直しを実施すると書かれているようでございますけれど、これについて現状どのように考えられているのか。 4点目は、貴法人で非常に重要だと思うのは、ここの説明にもあるように、メタンハイドレート、こういう技術開発ではないか。先ほどの1点目で言った探鉱と同時に、開発が重要だと思っています。開発で、貴法人は実際にどんなことを担っておられるのか。ここも、技術者がどのくらいおられ、具体的にどういう研究開発を担っているのか、という点をまずお聞きしたいと思います。以上です。 |
○ | 富田分科会長 関連して御質問、御意見ございませんか。 すべてお答えいただくと長くなりますので、簡潔に、本日、これだけは言っておきたいということだけでとどめていただき、あとは事務局を通じて文書で御回答いただきたいと思います。どうぞお願いします。 |
○ | 朝日鉱物資源課長 では、最初に幾つか重要な質問をいただきました。私、金属関係の探鉱開発を担当しております鉱物資源課長でございます。 金属関係の探鉱開発、出資、融資、債務保証の枠組みを持ってございます。 昨今、 探査に関連する人材の関係で御質問がありましたが、最後のページに組織図がございますけれども、金属関係の探査開発の関係で申しますと、真ん中のあたりにあります金属資源探査推進グループ |
○ | 箱崎石油精製備蓄課長 それでは、石油備蓄につきまして簡単に御説明申し上げます。 今、黒川委員からリスクの有無についてございましたけれども、私ども、石油備蓄に関するファイナンスをリスクマネーの供給だとは認識してございません。高田から説明があったように、1点目は、備蓄義務は石油会社にとって非常に重い負担なのでできるだけ軽くしてあげると。2点目は、各石油会社の間にかなり信用力の差はあるところを平等に備蓄義務をかけてございますので、それを補完するという意味合いでこういった形で政府保証及び利子補給をしているということを御理解いただければと思います。決して探鉱のように千に三つといったリスクの存在が政府系金融の理由となっているわけではございません。 それから人員につきましては、1点だけ申し上げますと、御指摘なのは |
○ | 餅田鉱山保安課長 鉱害防止について一言。鉱害防止ですけれども、鉱山の坑廃水処理といいますのは非常に長い時間がかかります。生産活動が終了したあと長い時間で対応しないといけないということで、この融資システムというのは非常に重要なシステムというふうに考えています。しかしながら、それぞれのシステムについてどのように対応しないといけないかというのを一つずつ制度をしっかり点検していきたいと考えており、今、その点検をしている状況でございます。 |
○ | 富田分科会長 この独立行政法人について、中期目標で鉱害防止支援事業への融資業務については見直すということが明言されていますが、見直し作業等は進んでおりますか。対象を含め見直すということが書いてありました。 |
○ | 餅田鉱山保安課長 それも含めて見直し作業を進めております。 |
○ | 富田分科会長 まだいろいろとあろうと思いますけれど、どうぞ、黒川委員。 |
○ | 黒川臨時委員 2点目の石油備蓄について、リスクが無いと明言されたわけで、ただ備蓄石油と資産担保ということも考えられるし、結局資金を民間金融機関から石油精製業者等へ直接貸し付けるということも実施できる、こう考えてよろしいですか。 もし仮に利子補給、平滑化とおっしゃられたようなことが実は本質なのだということであれば、それだけにするということでもよろしいということですね。 |
○ | 箱崎石油精製備蓄課長 今、政府系金融として行っていますのが2点ございまして、利子補給と政府保証でございます。 これは、政府保証することによって金利負担が減りますので、財政負担を減らしながら円滑な備蓄の積み増しを行う、あるいは維持を行うというためのものでございまして、そういう意味では現在の法体系では各民間同士の貸付けに対して政府保証というのはつけられませんので、何らかの組織が必要になるという点がございます。 |
○ | 富田分科会長 まだいろいろと議論はあろうかと思いますが、本日は残念ながら時間の制約でここまでにさせていただきます。 どうもありがとうございました。 続きまして、中小企業基盤整備機構の事務・事業についての質疑に移りたいと思います。たくさんの方がお見えいただいておりますが、時間の都合でもう始めさせていただきます。中小企業基盤整備機構の事務・事業について、 |
○ | 山本企画課長 中小企業庁の企画課長の山本と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。 お手元の資料1−3という横長の中小企業基盤整備機構の事業について、というものがございます。これに基づいて御説明させていただきます。 表紙と目次をめくっていただきまして、2ページに、まず中小企業基盤整備機構の総合支援機能と、この独立行政法人のごく概略が書いてございます。この独立行政法人は、平成 事業の内容は、そこに1、2、3と三つ書いてございますけれども、大きく分けると、一つ目は、立ち上がり期、すなわち、創業や新事業展開の促進というところ。二つ目は、中小企業が水平飛行に入って巡航速度で航行しているときの経営基盤の強化。三つ目は、何か問題が発生した、経営環境の変化への対応、こういう三つのところに整理をいたしております。 いろいろな事業を行っておりますけれども、大きく分けますとソフトな支援、すなわち専門家派遣やアドバイスですとか、情報提供ですとか、研修などの人材育成、こういうようなものが一つ。このために、数多くの中小企業診断士等の専門家を擁しております。 それから二つ目の大きな柱が、資金面での支援ということになっておりまして、ファンドによる出資ですとか高度化事業の中の貸付けですとか、こういうことを行っているわけでございまして、二つ目のところが、本日ヒアリングをしていただく見直しの対象となっております。 ページをめくっていただきまして、4ページから高度化事業を御説明いたします。4ページに高度化事業の内容をかいつまんで書いてございますが、字ばかりで分かりにくいところがございますので、次の5ページの絵の方で御説明をさせていただきます。 高度化事業と申しますのは、左側に写真が載ってございますけれども、こういう事業について都道府県と中小企業組合等の中小企業のグループがタイアップして進めていく事業でございます。対象となっている左側の事業は、次のような特性を備えたものでございます。 一つは、中小企業が共同して取り組む事業であること。二つは、国の政策目的、例えば環境保全ですとか中心市街地の活性化ですとか、災害からの復旧ですとか、そういうものに対応したものであること。三つ目は、都道府県がその地域計画などに沿って主体的に関与するインフラ整備的な事業ということでございます。 こういった事業につきまして、右側の上の青いところに書いてあります都道府県と、下の中小企業組合・グループがタイアップして事業を進めていくという格好になります。それを一番右端の中小機構がバックアップするという格好になっております。 もう少し具体的に申し上げますと、都道府県の役割としては、都市計画や中心市街地活性化計画等の地域政策上の観点から全体計画を策定、推進いたします。それに呼応して、中小企業のグループが、中小企業同士で共同して行う事業計画を検討いたします。 また、都道府県が具体的な土地や用水の手当ですとか交通計画等に関して助言、提供したり、必要があれば土地自体を供給するというようなことを行います。 これに応じて、中小企業グループがいろいろな支援を受けながら計画を進めていくということになっております。 機構がどういう役割を果たすかといいますと、国の政策の方向を提示することと、共同事業はどうやって進めていくのがいいかといったことについての全国レベルでの経験、情報ノウハウを持っておりますので、そういう観点から情報提供、助言などを行います。 このようにして、計画の構想段階から両者タイアップをしまして共同して計画を進めてまいります。 最後に資金でございますが、都道府県が中小企業グループに対し、必要な資金の 先ほど御説明いたしましたように、事業自体が収益性が非常に乏しい公益的な目的を持った事業でございますので、そのコスト、リスクをすべて中小企業に負担させることが難しいわけでございまして、したがって、そういう実施に必要となるコスト、リスクを官側がある程度分担する、こういうことでございます。形の上では、県から組合への貸付けということになっておりますけれども、実質的に考えますと無利子、あるいは超低利で 少しだけ実例を御説明します。次の6ページは、市街地で創業していた中小水産加工業者が悪臭、排水等の公害問題の解決を図るために、県の誘導によって、県が用意した工業適地に集団移転したということでございます。共同で排水処理施設を持つことによって公害問題を克服し、それぞれの企業も非常に衛生的な工場にするということでございまして、県が用地をあっせんするとか、機構等が、その下に書いてありますようにどのような排水処理施設を作ったらいいか、井戸水をどうしたらいいか、投資額をなるべく少なくするように組合員間の負担の調整ですとか、そういったことを様々に支援いたしまして、金目では 2枚めくっていただきまして、8ページは商業の例でございます。M町というところで、消費がどんどん町外へ流出して、町の中小商業が衰退して活気が失われてきたということで、大型店の誘致をしまして、地元の商工業者が街づくり会社を設立しまして、ショッピングセンターを建設したと、こういうことでございます。 こういうものにつきましても、どんな施設を設置するのか、あるいは非常に多数の関係者の調整が必要になりますので、その調整、あるいは大型店を併設しますので、大型店と中小企業との役割分担ですとか店舗のコンセプトをどうするかとか、そういったようなことにつきまして中小機構がいろいろなノウハウを使って県と一緒になって支援をしていく。最後に、高度化貸付で 9ページのものも商業で、内容的には同じようなものでございますが、これは阪神大震災で倒壊した零細商店を復興するために共同でセルフ方式の店舗を作ったということでございます。高度化事業は、阪神大震災、中越地震のような災害復旧にも活用されております。 中小機構が出資の対象としておりますファンドは、創業、新事業の促進や事業の再生などの高い政策的意義を有し、かつ期待収益率、投下資本回収期間等の点から、民間資金のみではなかなか組成が困難なものに限っておりまして、具体的には下にあります三つのパターンのものがございます。 民の補完という観点から、出資額はファンド総額の2分の1以内に限定をしておりまして、民間資金の呼び水として機能いたしております。 また2枚めくっていただきまして、 最後に、 左の下に書いてございますが、適時に見直しを行っておりまして、平成 それから最後に、 少し長くなってしまいました。以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 ただいま御説明ありました中小企業基盤整備機構の事務・事業につきまして、御意見等ございませんか。 |
○ | 岡本臨時委員 それでは、私から4点ばかり御質問させていただきます。 まず、総論的な話です。よく分からないという意味で御説明をお願いしたいという趣旨ですが、機構でいろいろな金融スキームを持っていらっしゃる。それぞれ理由はあるのでしょうけれども、全体的にどういう考え方で出資、融資、債務保証等々の手法を採っていらっしゃるのか。あるいは、それはなくて、その場の政策との観点からスキームを選ばれるのか、その辺の御説明をお願いしたいというのがまず1点です。 なぜこのように申すかというと、中小企業に対する資金が円滑に流れるというのはそのとおりだと思いますが、ほかに中小企業金融公庫ですとかいろいろな金融機関が政府の中にもある。その中で見ますと、中小企業基盤整備機構が行う理由はどこにあるのかという観点から見させていただきたいというのが第1点目でございます。 第2点目は、一番最初に御説明いただいた高度化の部分ですけれども、本日御説明いただいた資料の一番最初の、5ページでしょうか、この仕組みを見させていただき、課長のお話を伺っておりますと、都道府県に対する支援ではないかというようにも見えるわけです。実際に中小企業や組合に対する貸付けの判断は実質誰がなさっているか。都道府県なのか中小企業基盤整備機構なのかどちらなのか、あるいは一緒なのか。その辺、どのような判断をなさっているのか。中小企業に対する金の融通のように見えるし、実際には都道府県に対する支援のようにも見えますので、その辺りの御説明をお願いしたい。そして、結果的に貸倒引当金の引当率が非常に高いようにもお見受けするので、なぜこのように高く、恐らく貸倒れリスクが高いということを表しているのだと思いますが、その辺の御説明もお願いしたいと思います。 3点目は、ベンチャー・ファンドのファンド出資です。最終的な中小企業、ベンチャー企業、あるいは再生企業でもいいのですが、実際に企業を選定するファンド・マネジャーみたいな方がいらっしゃると思うのですけれども、例えばこういうファンドが必要だというのであれば、むしろ逆に中小企業基盤整備機構が直接企業にファンドを作ってそこにお金を入れるというような形の方がよいのではないかと思っております。 他方で、そこまでやるのか、公的なセクターがそこまでやってもいいのかという議論があると思いますので、その辺の御判断といいましょうか、説明をお願いしたいと思うのが第3点目でございます。 それから最後、我々の質問の基本は、簡素で効率的な政府の実現という観点にありますので、最終的な指標というのは会計基準でいう行政サービス実施コストに表れてくると思います。したがって、行政サービス実施コスト、国民の負担コストというのはどのぐらい減っていくかというのが全体的に問われてくると思います。そういう観点から、今後、中小企業基盤整備機構の新たな指標として行政サービス実施コストを位置付けてもらいたいと、これは要望的な話になりますが、以上4点、お願いいたします。 |
○ | 富田分科会長 関連して御意見ございませんか。 |
○ | 河村臨時委員 関連して御質問させていただきます。 岡本委員からもお話がありましたが、経済産業省で所管されているところで中小企業金融公庫、信用保証協会、いろいろな形での中小企業への支援があると思います。御説明いただいた中小企業基盤整備機構の事業、高度化事業なりほかのいろいろな政策金融に関して、中小企業金融公庫の中の信用保証ということになるかと思いますが、重複するケースがどの程度あるのか。このことについても、効率的な政府の仕事の上ということを考えれば、必要な支援はためらうべきではないとは思いますが、あまり重複するのもどうかと思いますので、その辺、御説明をお願いしたいと思います。 |
○ | 富田分科会長 今の河村委員の御指摘、岡本委員の最初の御指摘も、機構そのものの存立意義は何か。とりわけ政府系金融機関の一本化がなされた中でその意義がどこにあるのかということです。即座にお答えも難しいかもしれませんが、簡潔にお願いいたします。残りの3点についてもできれば簡潔に。 あるいは、簡潔に答えると誤解を生ずるというのであれば、文書で回答するなりしてください。 |
○ | 山本企画課長 十分なお答えをさせていただけるかどうかは分かりませんが、とりあえず今お答えできることをなるべく簡単にお答えさせていただきます。 出資、融資、財務保証、いろいろな手法があるけれども、どのように使い分けるのかというようなお話がございました。まず第1に、今の河村先生の御質問とも関係いたしますけれども、中小企業基盤整備機構における出資や融資、債務保証などは、いずれも単なる金融手法の一つとして位置付けられる支援制度ではないように考えておりまして、先ほど御説明しましたように、中小企業基盤整備機構の特色としては専門家を非常に大勢擁しておりまして、アドバイスをするとか、他の支援機関とも連携をするとか、総合的な支援機関としてソフト的な支援をやってきている、私ども中小企業政策の一番主体的な実施機関でございます。 したがって、そういうソフトな支援と一体的に組み合わせることによって最大限の効果が期待できるような資金面での支援の仕組みというふうにお考えいただければと思います。 その上で、一般的に申し上げれば、リスクが相対的に高くて資本市場で直接投資を確保するのが困難だという場合には、資金供給手段として出資を使います。融資の場合は、先ほど長時間頂戴して御説明しましたように、民間金融機関が行う融資などとは大分性格が異なるものであると考えております。 また、河村委員から御指摘があったように、中小企業金融公庫などと重複するのではないかというお話がございましたけれども、高度化融資などにつきましては、先ほども御説明しましたように、中小企業が十数社も組んで、かなりインフラ的なものを行っていく。それを県や市町村も一緒になって共同して行っていくというようなものでございまして、規模からいきましても、ソフト支援との組合せということからいきましても、中小企業金融公庫等のほかの政府系金融機関などが同じような融資をするということにはなじまないところで、重複はほとんどないのではないかと考えております。 岡本委員からは、都道府県に対する融資なのか中小企業に対する融資なのかということでございまして、国の政策としては正に中小企業が力を合わせて公益的なことにもチャレンジしながら高度化していくというのが政策目的でありますので、私どもとしては中小企業を支援したいと思っておりますが、資金の流れとしては都道府県とも一体になって行っておりますので、それを後ろからお金を補給するという形で実現していくということでございます。 岡本委員から、引当率が非常に高いのではないかという御指摘がございました。確かに引当率、 引当金を積んで実際に返ってこなくなれば、民間金融機関であれば早急に償却してしまう、不良債権の処理が行われるところでございますが、先ほど申し上げましたように、貸し手が都道府県でございまして、都道府県もどこまで、現に操業している連帯保証人などの保証を追及して、これでも返してもらえないというところまで突き詰められるか、あるいはこれはどうしても返ってこないということについて県議会の承認を求めないといけない。こういったことで、なかなか県が不良債権処理をうまく進められないところもございまして、普通であれば償却されるべきものが不良債権として残って引当金がそのまま積まれているといったこともあります。 それから、組合というか中小企業のグループに対する融資の形をとっておりますので、グループの中の1人でも返せないということになりますと、 最後に、ファンドの質問がございました。御指摘のとおり、ファンドに中小企業が出資をいたしまして、その先のベンチャー企業への出資などについてはファンド・マネジャーに当たるところが選定を行っております。 直接出資してはどうかというお話がございました。ベンチャー企業ができるとか中小企業の開業率が増えるということは大きな国の政策目的でございますので、直接に国がそういうベンチャー企業の株式を取得するということも考えたほうがいいのかもしれないと思います。 ただ、今までのところは民業補完というような環境から言うと、国が直接に株を買うというのは少し行き過ぎかということも考えまして、ファンドに民間の出資者を立てながら、そちらにメジャーをとってもらって、中小企業基盤整備機構はマイナーの方の主張をして、むしろどういうファンドのキャラクターにするか、そういったことを組合契約に反映させるとか、投資先の企業を育成支援するとか、そういうことでよりいいベンチャー企業などが育ってくるように行っているわけでございます。 最後に、コスト削減などについてのお話だったと思いますけれども、もちろんこれはコスト・パフォーマンスを上げて、最小のコストで最大の政策達成を実現していかなければいけない、努力していかないといけない問題だと思っております。 |
○ | 富田分科会長 追加的に御意見等ございませんか。 お答えいただいたのですけれど、それで我々理解できたということでは決してありませんので、また事務局を通じていろいろと伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。 それでは、ここで (休憩)
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○ | 富田分科会長 再開させていただきます。 日本貿易振興機構の事務・事業の概要について御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。 御説明、 |
○ | 木村通商政策課長 経済産業省の通商政策課長の木村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 お手元に、資料1−4「日本貿易振興機構−業務・組織の概要について」という資料がございますけれども、これに基づきまして説明をさせていただきます。 日本貿易振興機構を通称ジェトロと申し上げておりますので、以下ジェトロと省略させていただきます。ジェトロでございますけれども、そもそも昭和 2ページでございますけれども、ジェトロの目的と主要業務がございますが、(2)に七つの柱を挙げております。以下それぞれ1ページごとに、それぞれの事業について概要を整理してございますので、次のページから説明をさせていただきます。 3ページ目、これはまず、主要事業の1番目の対日直接投資の促進ということでございます。それで、この資料は、次のページもそうでございますけれども、一番上の箱がその業務の裏付けとなる政策といいますか、国の基本的な政策を四角で書きました。その下に、そのための主要事業、ジェトロが行っている事業というような形で整理をさせていただいております。 対日投資につきましては、御案内のとおり、 主な事業でございますけれども、対日投資について、いろいろな投資相談、日本の投資にかかわる規制、制度はもちろんのこと、様々なセミナー、シンポジウムを通じて、広報・情報発信をしております。それから、日本に投資を考えている外資が来て、そのオフィスを約 成果につきましては、表にまとめておりますけれども、発掘案件件数あるいは誘致成功件数は、大体3倍から4倍になっております。それから、アジアからの対日投資が増えておりますし、東京以外の地域も誘致では増えているというのが特徴でございます。 次のページ、中小企業の輸出支援も大きな柱でございまして、 主要な事業といたしましては、海外のいろいろな市場の調査や、それに基づく情報提供をしたり、あるいは展示会・商談会への出展支援とございますけれども、これは、例えば国際的な展示会に出ようと思うと、ほかの国は大体、政府がまとめてブースをとるんですけれども、日本の場合は、ジェトロの名前でブースを借りて、中小企業を集めて出る。もちろん事業者負担を2分の1から3分の1はしていただくという形で、国際的な展示会に出たり、あるいは日本での商談会を開いたりというのがございます。それから、マッチングとか商談支援につきましては、ここにございます六つの重点分野を定めて行っております。 成功事例でございますけれども、最近、 それから、輸出で見ますと、その機能とか製品というより、むしろ文化的な特性に重きを置かれるようになっておりまして、そういう意味で、そのコンテンツとかファッション、ファッションにつきましては、中国にジェトロが音頭をとって、展示会を開いたりというのをしております。 それから、一番下には、重点6分野の商談件数というのを掲げさせていただいております。 それから、その次が開発途上国支援でございます。これは今、 以上が、ジェトロが注力している大きな三つの柱でございます。 それから6ページ、これは先端分野でのビジネス・マッチングでございますけれども、ハイテク分野での中小企業の国際展開、ビジネス・パートナーを探したり、マッチングを支援する、いわゆるグローバル・ニッチ企業をお手伝いしようということで、特にバイオや情報通信、それから、ロボットという分野に、その重点を置いて行っております。 成果事例のところにございますけれども、例えば、関西とシカゴにおけるバイオ関係者の交流、あるいはいろいろなイベントに一緒に参加することによって、成功事例でございますけれども、ビジネス・パートナーを見つけることができたということもございます。 それから、次のページをめくっていただきまして、五つ目の柱、これは正にジェトロの基本的な業務でございますけれども、海外 8ページ、海外事業円滑化支援とありますけれども、これは海外に日本企業が進出する際の支援、それから、進出してからのいろいろな問題、海外での労務や法務、税金の問題などについて、いわゆる「駆け込み寺」的な機能の役割を果たしております。それから、この数年間、非常に知的財産について、ジェトロが中心になって、特に中国に対して、相手国政府に対しても日本の企業の意見をまとめ、政策提言を行っておりますし、最近ではインドなどに対して、中小企業を中心にミッションに派遣しております。ジェトロが行けば、インドでも首相自ら出迎えていただけるということで、中小企業が海外進出する際の後ろ楯となる、という取組もしております。 それから、最後の柱になりますが、9ページ、開発途上国経済研究活動でございますが、これはいわゆるアジ研が行っております調査研究の部分でございます。 主要事業のところに、基礎的かつ総合的研究などいろいろございますが、一言で申し上げれば、アジ研は、御案内のとおり、アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカ、すべての それから、最後のページ、業務効率化の取組でございますけれども、私ども、できるだけ選択と集中ということで、対日投資、中小企業の輸出支援、開発途上国支援に、予算もシフトしてきております。マクロで見ると、交付金は、先ほど申し上げましたように、 以上でございます。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 ただいま御説明がありました日本貿易振興機構の事務・事業につきまして、御質問、御意見等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。 |
○ | 黒川臨時委員 それでは、数点、質問させていただきます。 まず1点目でございます。ジェトロの主たる業務というのは、そのときどきの日本の状況というもので重点が移ってきていると思うわけであります。そこで、一時期は輸入に重点があったこともありましたけれど、今は、かなり減らしているということでございます。それでも、今日、御説明を受けたところ、かなり幅広い業務をされている。特にバイオなどまでされている。私も少しは知っているつもりでしたけれども、実際にはもっと広くされているのかなと思った次第です。何かほかの独法と重複しているようなところもあるのではないかと思います。中期目標において中核事業と位置付けられるようなところに特化・重点化していって、もう少し減らすべき、整理すべきところは減らした方が良いのではないかという気もしますけれども、その辺について1点。 2点目は、アジア経済研究所の位置付けでございます。本日の御説明ですと、統合の効果が徐々に上がっているということですけれども、具体的に、もう少し御説明をいただきたい。今日は、時間があまりありませんから、もちろん簡単で結構ですので、後で文書等で具体的な事例等を教えていただければと思っております。 3番目は、統合の効果と関連するのですけれども、自己収入の増加をどのように考えているか教えていただきたい。特にアジア経済研究所の研究成果をどのように扱うかという点で、旧アジ研をどういう方向に持っていくかとも関係すると思うのです。あるいは政策提言の方にいくのか、あるいは客観的な研究機関にしていくのか、その辺も踏まえて、2番目との関連で教えていただきたい。 それから最後、4番目ですが、ジェトロは、私は、国内から国外までの情報のネットワーク機能が根幹ではないだろうかと思います。国内事務所と海外事務所、それぞれの情報を結びつける、ネットワークがジェトロは大事だと思うのです。まず、国内事務所について、地方、特に中小企業を考えていますけれども、各地場産業等々との情報、そして国内事務所に結びついて、それから海外拠点との、どういうところに売れるかとか、そういうところのネットワークが大事だろうと思うのですけれども、その辺の適切な業務運営というか、そのネットワークはどのように構築され、それから、地方自治体等との連携はどのように進んでいるのか、この辺、もう少し御説明をいただきたいと思います。 |
○ | 岡本臨時委員 今の黒川委員の御質問に関連させて、3点ばかりお聞きします。 アジア経済研究所の位置付けですけれども、経済産業省全体で見ると、経済産業研究所があり、ここも政策研究を行っていらっしゃる。アジア経済研究所も、恐らく政策研究を行っていらっしゃる。この辺を経済産業省でどのように政策研究として位置付けていらっしゃるのか、もう少し大きな見方というものが必要ではないのかと個人的に思いますので、その辺の見方を教えていただきたいと思います。 2点目の海外事務所ですが、効率化の観点から、我々が考えているのは、効果的な配置というのが必要ではないか。私のかつての経験からいいましても、外務省の在外公館の経済班とジェトロ、あるいはほかの独法の海外事務所との間でもう少し、オールジャパンで必要な情報を有効に効果的に収集し、提供することがあってもよいのではないかという場面が幾つもありました。その辺は、そういうお考えがないのかどうか。単にジェトロの中で効率的にというのではなくて、もう少し広く考えて、効果的な日本の事務所というものを作っていくべきではないかという意見です。 そういう観点からみますと、統廃合を進めていらっしゃるのは、先進国を閉めて途上国を増やすと聞いたこともありますけれども、これはどのような考え方からそのようになっているのか。むしろ、先進国は民間の情報があるから、それはもうよいとお考えになっていらっしゃるのか。あるいは途上国はもっと注力しようと、みんなそのようになさっているのか、その辺のお考えをお聞きしたい。 最後ですが、自己収入に関連いたしまして、自己収入はどんどん増やしてほしいと思うのですが、増えた結果、支出が増えてもいけません。先ほどもほかの機関にも申し上げましたけれども、最終的には行政サービス実施コストということで、国民負担ができるだけ減って、効果が大きくなるような形と思っておりますが、そういう指標を、是非有効に活用していただきたい。 |
○ | 富田分科会長 それでは、まとめて、簡潔にお答えいただければと思います。 |
○ | 木村通商政策課長 まず、黒川委員の御指摘の、そのときどきによって状態が変わるのではないか、バイオとか、そういうビジネス・マッチング、私の説明の中にございますけれども、そういうのは少し手を広げ過ぎではないかという御指摘でございます。ほかの独立行政法人、例えばバイオとか それから、もっと特化、重点化すべきではないかという御指摘につきましては、御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、できるだけ対日直接投資あるいは中小企業等の輸出支援、開発途上国支援に特化させようと思っております。バイオなどのビジネス・マッチングは、予算面においても3から4パーセントと非常に小さい。むしろ中小の支援と合体したような位置付けになっております。 それから、アジ研の位置付け、統合の効果でございますけれども、これはまた後ほどペーパーで出させていただきますけれども、例えば今、 それから、自己収入につきましては、アジ研につきましても、いろいろな出版物などで得ておりますけれども、今後また更に、アジ研の機能における自己収入の在り方というものについても検討させていただきたいと思います。 それから、五つ目の情報ネットワークの機能で、国内事務所と海外の事務所のネットワークをもっとうまく構築していくべきではないかという御指摘につきましては、国内事務所の役割というのは二つございまして、一つは地場産業が世界に出ていくときの支援をする、それから、外資が入ってくるときにそのお手伝いをする、あるいは地方公共団体が外資を誘致するのをお手伝いする。そういうときに、もちろん海外事務所が例えば中国に進出しようというところについては、海外事務所の、正に本部の情報を国内事務所を通じて地域に流すし、あるいはその地域に外資を誘致するというときにも、海外事務所とのネットワークを本部が旗ふり役となって行っているつもりでございますけれども、ここはもう、更に有機的な連携ということで検討させていただきたいと思います。 それから、経済産業研究所は、昔の通産研究所ですが、そもそも私どもの国の機関だったのですけれども、そこの中で行われているアジアの研究と、このアジ研の位置付けでありますけれども、経済産業研究所というのは、アジアの研究だけではなくて、もちろん、今、経済産業政策の中で、アジアとの経済統合が非常に重要なので、柱の一つになっておりますけれども、一番の違いは、アジ研というのは、ほかの研究機関と違って、これは経済産業研究所だけではなくて、ほかの民間と違って、すべての途上国についてのエキスパートがいるということです。それから、すべての国の情報収集が、その現地の言葉を介して、きちんと情報収集できる。例えば経済産業研究所で地域、アジアと日本の関係などの研究をしても、これはまあ、経済学者の方とか、そういう地域研究のエキスパートも入りますけれども、そういう意味で、大分、深みも違うのではないかと思っております。 それから、もちろん、アジ研と経済産業研究所との連携というのも図っているところでございます。 それから、海外事務所の配置でございますけれども、私ども、先ほど申し上げました8か所廃止して2か所新しく作りましたという、8か所はヨーロッパを中心に、それから、新しい2ヶ所は中国でございます。これは日本の経済の軸足が、ヨーロッパよりも、むしろアジアにどんどんシフトしておりますので、新しい企業の進出のフロンティアとしてどこを考えるか。それに対して、行政機関というか独法が、公的な役割として、ヨーロッパよりも、むしろ中国というところについて、いろいろな情報提供をする、あるいはお手伝いをするという必要があるのではないかということで、そういうシフトをさせていただいているということでございます。 以上でございます。 |
○ | 富田分科会長 ほかにいかがですか。本日のところは大体そういうことでよろしいですか。 それでは、先ほども岡本委員から御指摘がありました自己収入の増加と行政サービス実施コストの引下げについても、より一層の推進をお願いしたく存じます。 本日はどうもありがとうございました。 続きまして、原子力安全基盤機構の事務・事業に議題を移します。早速ではありますけれども、原子力安全基盤機構の事務・事業の概要につきまして、御説明を |
○ | 新井統括安全審査官 原子力安全・保安院の統括安全審査官をしております新井と申します。 本日は、私ども原子力安全基盤機構について説明する機会を与えていただいて、ありがとうございます。時間も限られていますので、早速ですが、お手持ちの資料に沿って、説明に入らせていただきます。 まず、1枚目、2枚目ですけれども、私ども原子力安全基盤機構、 ページ番号の1番、目次を御覧いただきますと、 それでは1枚めくっていただきまして、ページ番号2番を御覧ください。 それでは、ページ番号3以降で、各業務の内容について、少し具体的に御紹介させていただきたいと思います。 まず、検査等業務でございますが、表が少し細かくて見づらいかもしれませんが、国と分担して実施するものと 1枚めくっていただきまして、ページ番号4でございますけれども、自治体への検査結果等の説明を実施というものでありますが、先ほどの説明の中で、 続きまして、下のページ番号5番を御覧いただきますと、こちらに解析・評価の業務実績について書かせていただいております。こちらは主に こちらにつきまして、1枚めくっていただきまして、ページ番号の7番を御覧いただきますと、先ほど冒頭の説明でも若干触れましたが、平成 続きまして、事故・トラブル対応について、ページ番号8を御覧いただきたいと思います。事故・トラブル対応といたしまして、一昨年8月に発生いたしました美浜原子力発電所の配管破損事故をこちらの方で取り上げておりますけれども、美浜の3号機の事故といいますのは、国内の原子力発電所として初めて死亡事故が発生したというもので、関係者の間で非常に大きな問題として取り上げられたものでございます。この事故に対しまして、経済産業大臣から 続きまして、防災関係でございます。ページ番号9番に書いていますが、年に1回、国の主催で総合防災訓練を実施しております。昨年は柏崎刈羽原子力発電所で防災訓練が実施されまして、その際、 1枚めくっていただきまして、 続きまして、下のスライドを御覧いただきますと、安全規制の検討とございます。原子力安全・保安院では、様々な安全規制の検討を行っているわけですけれども、ここで紹介していますのは、今後、保安院として大きな課題の一つとして取り組んでいく必要がある廃止措置関係について記載したものでございます。この廃止措置対策についても、今後、 それから、 1枚めくっていただきまして、 最後になりますけれども、 以上、非常に簡単ではございますが、私の説明とさせていただきます。ありがとうございました。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 それでは、ただいま御説明いただきました原子力安全基盤機構の事務事業について、御意見、御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。 稲継委員、お願いします。 |
○ | 稲継臨時委員 御説明どうもありがとうございました。少し漠然とした質問になるかもしれませんけれども、3点ほど、お伺いしたいと思います。 一つは、国家として原子力政策を進めている中で、 今後、引き続き、独立行政法人として原子力政策の一部を実施しなければならない理由というのが、いまひとつ明確でない部分がございますので、その辺、御説明いただければと思います。 例えば、今の御説明の中で、3ページのところで、検査等業務に限って言えば、非常に詳細に、国との分担あるいは 2点目は、 |
○ | 岡本臨時委員 関連で、1点だけですけれど、稲継委員のお話にもありましたが、過去の経緯から、 |
○ | 富田分科会長 それでは、お二方の御意見に対しまして、簡潔にお願いいたします。 |
○ | 新井統括安全審査官 それでは、お答えさせていただきます。 まず、 また、効率化の話ですとか、あと、 一方で、効率化という議論につきましては、 簡単ではございますが、以上です。 |
○ | 富田分科会長 いかがでしょうか。 それでは、まだお聞きしたい点、また、意見を述べたい点もあろうかと思いますけれども、時間の都合もありますので、ここで打ち切らせていただきます。どうもありがとうございました。 続きまして、情報処理推進機構の事務事業に議題を移します。 それでは、情報処理推進機構の事務事業の概要について、 |
○ | 羽藤情報政策課長 それでは、情報処理推進機構につきまして、私、経済産業省の情報政策課長を務めておりますが、羽藤と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。御説明をさせていただきます。 お手元に資料を用意させていただきました。開けていただきますと、組織の概要、ミッション、業務の概要とございますけれども、ポイントは、この独立行政法人は、3にございますように、四つの大きな事業の柱を持っております。情報処理システムの信頼性・生産性の向上。これは最近では、大規模な重要インフラについて、システムの障害が起こる、もちろん、これはいろいろな原因があるわけですけれども、その背景として、果たして、システムの作り込み、ソフトウェアの機能というものが的確かどうかという議論がございます。これをこの それから、情報セキュリティー対策の確立。これは最近でも それから、高度 そして、産業競争力の強化とありますけれども、これは、技術を通じまして、日本の産業活動をソフト面、知的な部分で支えていこうと、こういった四つの柱で業務を展開しております。 組織が平成 3ページを開けていただきたいと思います。先ほど申しましたように、四つの柱を黄色い箱で書いております。その前提となっております、あるいは共通していますことは、ソフトウェアと呼ばれるものが、これが 4ページをお開けいただきたいと思います。 5ページをお開けいただきたいと思います。時間の関係もございますのでポイントだけ申し上げたいと思いますけれども、冒頭申しましたように、情報処理システムの信頼性・生産性の向上ですが、これは一度、いろいろな支障が起こる、トラブルが起こりますと、経済的な損害、影響は多大なものになります。そこで、まず、そういうトラブルが起こらないようにシステムをつくる、あるいはソフトウェアがしっかりと働く、機能するというところで、ソフトウェアの開発力というものを高めていくということが、ベースの大事な規制になるのではないかということであります。これは工学的な手法で生産工程を改善していこう、高度化していこうというものであります。 特に6ページを御覧いただきたいと思いますけれども、今、車であるとか、あるいは携帯電話であるとか、ソフトウェアが果たしている役割というものは、かつてに比べると、非常に大きなものが目に見えない形で組み込まれているわけであります。こういうものについては、しっかりと我が国の高度な知見、それぞれ企業にも分散をしておりますけれども、それを更に高めていくためには、先ほど申しましたように、産学官、英知を結集する形でソフトウェアの生産の高度化を図るということは、非常に重要であるということであります。 7ページでございますけれども、コンピュータ・ウイルス等への対策を強化しながら、セキュリティー対策を進めております。左下にございますように、 具体的には8ページを御覧いただきたいと思いますけれども、セキュリティーの機能というのは、もちろん国際的に、いろいろな測り方、評価の仕方がございます。特に 9ページでございますけれども、情報処理技術者試験でございます。これも それから そして 例えば、セキュリティーにかかわるソフトウェアの開発において、非常に多くの中小企業の方々がソフトウェアの開発に携わっている、こういったケースにおいては、民間の金融機関では、例えば、過去の黒字実績あるいは取引の成果といったものについて、測る指標がなかなか無い。また、当然のことながら、担保力の無い中小企業が、非常にたくさんございます。あるいは個人が実際にそういう形でベンチャーで起こしていこう、新しい技術を開発していこうという取組はあるわけでありますけれども、そういったところでは、なかなか金融機関では届かないところもございます。 一方で、この業界あるいは技術といった環境の変化も含めてですけれども、非常に多様化、進化のスピードが早いものでございます。そういう債務保証事業については、 なお、国からの予算を入れております関係で、 なお、 何とぞ、この事業の重要性、よろしく御理解をいただきまして、御検討をいただければと思います。 ありがとうございました。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 それでは、ただいま御説明をいただきました情報処理推進機構の事務事業につきまして、御意見、御質問などございましたらどうぞ。 |
○ | 丸島臨時委員 御説明ありがとうございました。時間の関係で、十分理解できないところもあるのですが、今日、質問として、大きな点と考えられる3点ばかりについて、お聞きしたい。時間の限りもありますので、後ほど書面で御回答いただいてもかまいません。 御説明をお聞きして、日本として 特に それから、第2点ですが、特に、先ほども少し御説明がありましたが、民間の金融機関も活用しつつとはおっしゃっておりますが、 それからもう1点は試験のことです。人材育成というのは非常に大事だというのは認識しておりますけれども、独立行政法人で国家試験をやるというのが果たして妥当なのだろうか。そういう意味で、妥当性の御説明をいただけたらと思います。特にこの試験の場合は、資格試験というより、どちらかというと能力認定試験と理解しているのですが、こういう試験を独立行政法人でやる、やらなければいけないという理由を、もう少し深く御説明いただきたい。 以上でございます。よろしくお願いします。 |
○ | 富田分科会長 関連して、御意見はございますか。 |
○ | 稲継臨時委員 丸島委員の2点目の債務保証事業に関連してですが、実績としては、一体何件ぐらいあって、どれぐらいの債務保証になっているのか。それに割かれている人員、どれだけの人がこの債務保証事業にかかわっておられるのか。人員対債務保証の件数の割合が、民間の金融機関の普通の事業から比べてどうなのかという点について教えてください。 |
○ | 富田分科会長 それでは、お答え願います。 |
○ | 羽藤情報政策課長 まず、最初の1点でございますけれども、 その中で、今日も資料の4ページでお配りをさせていただきましたところですけれども、 なお、以上の点につきましては、書面でというお話もございましたので、より正確を期すために、また改めて出させていただきたいと思っております。 また、債務保証の制度でございますけれども、現在、 そして、何よりも最近では、地銀、第2地銀がかなり前向きな融資対応を見せ始めているというのが、おそらく一般的にも言えることだと思います。そういう中で、例えば なお、3点目の先ほどございました資格試験との関係でございます。確かにこれは能力を認定するというところが中心であることは、そのとおりでございます。ただ、こういったスキルを引っ張っていく力、あるいは根元がどこにあるだろうといいますと、大手の国際的にも名前が知れております企業が、こういったことについて何か提供するということになりますと、どうしても囲い込みであるとか、一定の技術に偏ってしまうということがございます。つまり、中立性あるいは総合的にそのスキルを評価するという観点が非常に重要ではないかということでもあります。なお、今現在、こういった試験についても、様々な角度から、我々、内部では、特に政策的な観点で見直しが必要ではないかとも考えております。例えば、これは一つの議論中の見解、検討中の課題ではございますけれども、これだけ情報システムについて、いろいろな障害であるとかトラブルがあるという中で、相当グレードの高い資格の認定という形で導入をするという考え方もあるのではないか。そして、そういうものに対しては、やはり国がしっかりと関与する形で試験制度を運営して、そういう人材を、言わばこの社会でしっかりと支えていくシンボルのような形で、この試験制度を充実していくという考え方があるのではないかと、このような議論もございます。産業構造審議会で御議論をいただいておりますけれども、そういう意味では、この資格試験の在り方についても、併せて、よく、今回の御指摘も踏まえながら検討をしていきたいと思っております。 以上でございます。 |
○ | 岡本臨時委員 決して言葉じりをとらえるつもりは毛頭ないのですが、国民負担をなるべく小さくするという基本線がありますが、そういう観点から申し上げますと、 |
○ | 松田臨時委員 試験のことでもう2点お尋ねします。先ほど企業の技術に偏らないニュートラルな試験は、やはり国が開発すべきだというお話でした。逆に、そういう意味で、ニュートラルな国際的な標準の試験が既にあるわけで、そちらの方が日本でより行われている。知っている能力ではなくて使える能力を計ると言われていますので、こういうことをやっていることで、逆に日本の情報処理のスキームのレベルが国際水準から取り残されるということはないのかというのが1点です。それから、組織を見ますと、 |
○ | 羽藤情報政策課長 確かに国民負担との関係で、この在り方ということをよく我々も検証していきたいと思っております。 試験の運営というものは、基本的に法律に基づく、独立した勘定の下で、受験料収入ということだけで回しているということも一方にございますし、先ほど申しましたように、保証料のことにつきましても、一方、運営費交付金をいただきながらの人件費というのは、確かに、そういったところに充当するところもございます。全体のバランスの中で、よく検証して検討してまいりたいと思っております。 また、情報処理技術者試験、確かに全国で今、 なお、国際的な水準は、全く御指摘のとおりであると思います。ただ、それは一つのベンチマークだろうと思います。そして、そのベンチマークに向けて、やはり日本のソフトウェアの特質、良さというものを伸ばしていくような形で、この試験を実施していくという方向で考えていくということも、一つはあるのではないかと思っております。いずれにしましても、この試験の在り方につきましても、先ほど申しましたように、産業構造審議会の場でも議論をいただいているところでございますので、よく御指摘を踏まえながら、検討をしてまいりたいと思います。 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。 私から意見ですけれども、丸島委員もお尋ねになられた件について、我が国の 今のは私の感想ですけれども、組織であるからには、組織としての運営、組織としての評価を受けなければならないわけです。そういう観点からも、是非、この独立行政法人の見直しは、御省におかれても御検討いただきたい。私どもも、本日の御意見を踏まえて、検討を続けたいと思います。 どうもありがとうございました。 今日は、経済産業省から大変多数の方々、入れ替わりおいでいただきまして、大変御熱心に説明をいただきまして、御多用の中、本当に、御協力ありがとうございました。 当分科会といたしましては、今日の議論を踏まえまして、平成 また、本日は時間の関係で、十分な御質問、また、御意見が述べられなかった点がありますし、そういう委員の方もおられます。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じてワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがあるかもしれませんので、その際には、対応方よろしくお願い申し上げます。 どうも、経済産業省の皆さん、ありがとうございました。 それでは、ここで (休憩)
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○ | 富田分科会長 時間になりましたので、再開いたします。 農林漁業信用基金の事務事業につきまして、ヒアリングを行います。農林漁業信用基金の主務省は、農林水産省及び財務省であるため、本日は、農林水産省・山口課長、財務省・中原課長を始め、御担当の皆様にお越しいただきました。 まず、法人の事務事業の概要について、 それでは、よろしくお願いいたします。 |
○ | 山口金融調整課長 農林水産省の経営局金融調整課長の山口でございます。座ったまま説明させていただきたいと思います。 まず、資料2の1ページ目を御覧ください。独立行政法人農林漁業信用基金の概要でございます。これは一言で言いますと、農林漁業者の信用補完業務を総合的に行っております全国機関ということでございます。農林漁業者の経営に必要な資金の融通を円滑にして、農林漁業の振興を図るために、保証・保険といった信用補完業務と貸付けの業務を行っております。また、農業者と漁業者が被る不慮の災害による損失に対しましては、それぞれ共済制度というのがございまして、共済団体が支払う共済金が不足したような場合に、必要な資金の貸付けも併せて行っているところでございます。 農林漁業の特性といいますのは、委員の先生方は御承知のことだと思いますが、一般の産業に比べまして、自然条件の影響を受けやすい、また経済状況の変化も受けやすいということでございます。野菜が豊作になれば、すぐ値段は下がりますし、いろいろな状況変化に対してのリスクが高いということでございます。災害の面でいいましたら、去年も台風が発生して、影響がありましたし、地震等の影響で、例えば山古志村などは、全く農作物が採れないという状況があるわけでございます。 また、生産サイクルが長く、収益機会が少ないという特徴がございます。お米が1年1作というのは誰でもお分かりだと思いますけれども、例えば牛乳。牛はいつでも牛乳を出しているわけではございませんで、当然、人間と一緒でございまして、お産をして、子供を産んで、それで初めてお乳が出るわけでございまして、牛乳を採るまでの間の飼育が必要になるわけでございます。収益機会が少ないという意味は、1年1作とか、収穫時期にならなければものが採れない、収益にならないということでございます。 また、金融という面で見ますと、担保を取るということが行われるわけでございますけれども、担保になるものが、農業であれば、農地でございますし、林業であれば、森林でございます。漁業でありますと、担保がないのですけれども、あえて言えば、漁船を担保にお金を借りるといったことしかできないわけでございます。 そういった点で、民間金融機関が農林漁業者の信用力を見て、融資をするという点では、かなり厳しい条件があるということでございます。そういったことで、信用力を補完するための業務というのを農林漁業信用基金で行っております。設立等については、下に書いてありますので、御覧いただければと思います。 次の2ページです。農林漁業信用基金は、後で御説明しますが、いろいろな業務を行っております。なぜそういう業務の種類が違うのかという御疑問を持たれるかと思いますので、先に御説明させていただきますと、昭和 業務の実績でございます。3ページを御覧ください。農業信用保険業務、林業信用保証業務、漁業信用保険業務、農業災害補償関係業務、漁業災害補償関係業務と、大きく五つに分けております。全体でいいますと、下のグラフにございますが、保証・保険関係で、大体4兆 次に、4ページを御覧ください。保証・保険業務の内容でございます。これは中小企業などで行われておりますところとほぼ同じでございまして、民間金融機関が農業者、漁業者に貸付けを行う場合に、信用力を補完するために保証を行う。その保証を行う機関は、農業、漁業のそれぞれ各県にございます信用基金協会でございます。この信用基金協会に対して、保証保険という形で、農業でいいますと7割、保険に付するということになっておりまして、漁業においては、若干割合が違うものもございますけれども、農林漁業信用基金が保険の引受けを行っております。 続きまして、5ページを御覧ください。債務保証業務でございます。これは林業のみでございますが、林業については、各都道府県に信用基金協会というものがございません。このため、農林漁業信用基金が直接債務の保証を引き受ける、債務保証機関となる、こういう関係になっております。 続いて、6ページを御覧ください。農業、漁業の融資業務でございます。この業務は、目的のところに書いてございますように、農業においては、農業経営改善計画という、将来的に農業の経営規模を拡大していって、自立した農業者になる、他産業並みの所得を得られる農業者になろうという計画で、その認定を受けた農業者に対して、短期・低利の資金を融通するものでございます。また、漁業についても同様に、漁業経営改善計画の認定を受けて、資金の融通を行っております。 この資金は、短期・低利のいわゆる運転資金でございまして、この融資の仕方に特徴がございます。国が農林漁業信用基金に出資をし、その出資額に応じた分をそのまま農業、漁業の信用基金協会、つまり都道府県にございます基金協会に低利貸付けを行います。その場合、基金協会では、都道府県からも出捐を得まして、元が1に対して1を出えんするということで、2倍になります。括弧のところに「2×」と書いてありますのは、資金量が2倍になるということです。この2倍の資金量を、民間金融機関に低利預託という形をとっております。低利預託された貸付原資に、自らの預貯金等で調達しました貸付原資を足しまして、大体1対3の割合で造成します。要するに4倍になるわけでございます。元の、国から農林漁業信用基金にいった割合で見ますと、ちょうど8倍ということになるわけですが、この金額を農業者、漁業者に対して融資をするという形をとっています。横の方に農林漁業金融公庫からの融資の仕組みを書いておりますけれども、農林漁業金融公庫は、財政融資資金で調達いたしました長期の資金、 次に、林業融資業務でございますけれども、基本的な仕組みは、今申しました農業、漁業と一緒でございます。ただ、目的が違っておりまして、こちらは、木材の生産・流通の合理化の促進ということで、認定を受けて林業者が必要とする低利の資金を貸すという仕組みは一緒でございますけれども、川上から川下までの林業者に対する融資ということを行っております。 それともう一つ、林業には、8ページの事業がございまして、林業寄託業務というのがございます。これは、現在の森林・林業について、なかなか材価が上がらず、かなり厳しい状況が続いている中で、一方では、地球環境問題等が叫ばれておりまして、今まで人工造林してきた木などを、森林を後世に残していかなければならない、これを多様な形での森林整備をしていく、また長伐期化ということで、長い期間、 9ページでございます。農業・漁業災害補償関係業務でございますが、これは、冒頭に申しましたように、自然災害等によって収入が減り、また、作物の収量が減った農家や漁家に対しまして、損失を補てんする共済の仕組みがございます。共済の仕組み自体は、共済組合、連合会、特別会計という流れで、共済金が農業者、漁業者に渡る仕組みになっているのですが、連合会なり共済組合が一時的に支払う共済金が不足した場合、農林漁業信用基金が必要な資金の貸付けを行うという仕組みでございます。 続きまして、 また、食料自給率の向上が求められておりますが、今、自給率は また、担い手を中心とした農業経営に変えていく一方で、農村が荒廃してしまってはいけないわけでございます。このバランスをとっていくというのが農村の振興などの国の政策でございます。 これに合わせまして、農林漁業信用基金の行っている業務も、例えば保証・保険業務でいいますと、担い手向けの資金、担い手に対して融資するものについては、保険料率を下げるなり、いろいろ政策効果が上がる形をとろうとしております。また、融資業務につきましては、正に担い手である認定農業者に対して、それを支援するための業務として行っております。 続きまして、林業の方にまいりたいと思いますが、 |
○ | 富田分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明がございました農林漁業信用基金の事務事業につきまして、御意見、御質問などございましたら、どなたからでも。 |
○ | 島上臨時委員 国の政策目的ということについては理解するわけですけれども、基金の業務ということについて見ますと、農林漁業関係支援というのは、かなり複雑な仕組みでなされておりますし、国がこの基金を通してかなり深く入り込んでいる、かかわっているという印象を持ちます。したがって、仕組みのスリム化であるとか、国の関与、あるいは政策金融という形での関与というのをもう少し縮小する方向で見直される必要があろう、こういう観点から、まず、個別業務についての見解をお伺いし、最後に包括的な見解を伺いたいと思います。 まず、個別業務について、その中の一つ、基金からの資金供給がかなりあります。これがなぜ必要なのかということについて伺いたいと思います。御案内のとおり、国のバランスシートを縮小しようという方向ですから、国からの資金供給は、できるだけ減らそう。そういう中で、基金が調達し、あるいは国からお金を持ってきて、それを貸し付ける、供給するというのは、縮小の方向に持っていくべきだと思っております。 最初は、6、7ページにあります、農業あるいは漁業、林業関係の融資業務です。これは、私に言わせれば、玉突き雪だるま融資だと思うのですけれども、目的が短期資金の低利貸付けということであるならば、何も国が原資貸付けを行うことはなくて、民間金融機関への国と都道府県からの一部の利子補てんを行って、実際の原資の貸付けは民間機関が行うということでいいのではないのか。なぜ原資貸付けまで行うのか見解をいただきたい。 さらに、8ページの森林整備活性化資金については、原資の預託先が政府系の金融機関であるわけですね。政府系金融機関からある意味での政策金融をやらせるために、なぜ別の政府系の機関から無利子預託金を出さなければいけないのか。ここら辺も、物事を複雑化しているだけのような気がして、本当に必要なのか、あるいは何か合理化できないかという気がします。 それから、もう一つは、農業・漁業災害補償関係の業務です。これは、御説明がありましたように、共済金の支払い資金ですけれども、一時的な支払い資金の、運転資金というか、一時的な資金の融通です。それをなぜ国がしなければいけないのか。例えば農林中央金庫等からの貸付けで十分資金繰りはいくはずであって、ここまで国がかかわる理由はないのではないかと思います。以上が、資金供給に関する問題です。 もう一つは、保証・保険業務に関するポイントですけれども、平成 今まで申し上げたのは個別の問題でして、全体的には、基金の信用補完業務といいましょうか、一種の政策金融業務の見直しについて、どのような方向でこれから検討なさろうとしておられるのか、基本的な方向付けについてお伺いしたい。これが総括的な質問です。 |
○ | 富田分科会長 続けて、先に御質問、御意見をまとめてお伺いしたいと思います。 |
○ | 山本臨時委員 林業については少し違うということはよく理解できましたが、林業の債務保証の見地なのですけれども、資料を拝見していますと、 |
○ | 樫谷分科会長代理 行政サービス実施コストについて聞きたいと思います。行政サービス実施コスト計算書を見させていただきますと、行政サービスのコストをいかに下げるかということが大きなテーマになると思うのですが、 |
○ | 富田分科会長 それでは、まとめて、簡潔にお答えいただけるところはお答えいただき、文書の方が適切なものは、後でそのようにしていただきたいと思います。どうぞお願いします。 |
○ | 山口金融調整課長 まず融資業務のことでお尋ねがございまして、基金からの資金供給がなぜ必要なのか、いわゆる利子補給で対応したらいいではないかという御質問でございますが、これは、運転資金の融資でございまして、極度額を農業者、漁業者個人ごとに設定しておりまして、極度額の範囲内で金融機関が融資をし、またそれを返済するというローリングをしていく、お金が回っていくような仕組みになっております。それに対して、利子補給という形になりますと、いちいち利子補給申請を上げてもらって、承認をとってということになって、機動的な対応ができないということでございます。農業、漁業には、これとは別に、近代化資金という制度融資がございます。農林漁業信用基金では行っておりませんで、民間の金融機関に対して、直接、都道府県から利子補給を行う仕組みがございまして、中期の設備資金を農協から融資する際に利子補給を行っています。今、先生から御質問のあった経営改善促進資金の業務といいますのは、その場その場のつなぎの資金を借りて、また返し、また借り、また返しということを繰り返していくための資金に対する助成でございまして、それについては、基金からの原資の一部を特別低い金利で預託して、それに自ら調達したプロパーの資金とを合せ貸しをすることによって、低利の資金を実現するという仕組みをとっておりまして、これを利子補給等にするというのはなかなか難しいのではないかと思っております。 森林整備活性化資金の話は、担当の林野庁の課長から御説明させていただきたいと思います。 それから、共済金について、農林中央金庫などの民間の貸付けで対応できないのかということでございますけれども、災害といいますのが、いつ起きるか、台風が起きたり地震が起きたりするわけでございますが、いつ起こるかが決まっていないという問題があります。また、地域が非常に偏ります。台風が通ったルートだけが被害を受けますし、そういったことを考えますと、連合会なり共済組合というのは、各県にあります。連合会は各県に一つずつございます。共済組合は、更に郡単位とか、そういう単位であるわけでございます。そうしますと、各組合にとって、お金が足りなくなる場合というのが毎年生じるわけでもないわけでございます。個別の組合なり連合会が資金調達をしようとして農林中央金庫と直接交渉しようということになりますと、農林中央金庫側の意見も聞いておりますけれども、個別の信用力の問題とか、そういった問題が出てくるわけでございます。また金利の面で見ましても、大口にロットをまとめて、農林漁業信用基金という、ある程度信用力のあるところが借りた方が低金利になるということがありまして、最終的には、行政コストにはねかえる問題でございますので、信用基金が対応しているということでございます。国からの出資金等で足りる場合は、それを使って貸し付けておりますし、一時的に不足する場合は、民間金融機関から調達して、共済組合の方に貸すということを行っております。 それと、保証・保険業務の収支でございますが、最終的な損益で見ますと、黒字になるわけでございますが、それぞれの保険業務の段階で見ますと、保険料収入よりも、保険金の支払い額の方が多い場合がございます。 農業の方は、ここ何年かは赤字でございます。漁業の方は、収支で見ますと、黒字になっております。そういう状況は後でお示ししたいと思います。 基金協会で完結するとか、7割の保険率を落とすということは考えられないかというお話でございますが、現在のところ、農林漁業の不安定性等を見ますと、基金協会が単独で債務保証を引き受けるというのは、まだ難しいという状況だと思っております。 将来的にどうあるべきかということにつきましては、産業構造の在り方とも絡む話だと思っております。ほかの産業でも、大企業があり、中小企業があり、中小企業に対する国の支援があるということになれば、農業においても、将来的には、なるべく大きな経営体、力強い産業に農業、漁業にしていこうとは思っておるわけでございますけれども、どうしても弱者も出てきてしまうのではないかと思っております。そういった者に対する国の支援というものは一定程度必要ではないかと思っております。 制度の仕組み等については、いろいろ複雑ではないかというお話が最初にございましたが、これは、それぞれの制度ができた経緯というのがございます。また、経緯だけではなくて、農林漁業信用基金の業務に対して、民間金融機関や各県の基金協会から出資を受けているものもあれば、林業者を中心に、事業者からの出資金も入っているものもある。農業の共済組合が出資しているものもあれば、漁業の基金協会が出資している業務もございます。それぞれ、今までの成り立ちがございまして、全部を一緒にしようとか、そういうことになりますと、出資金の関係等で、逆に複雑なことになってしまうおそれがあるわけでございます。お話をいただいた点は、我々も、制度の運用の改善ということでは、今後分かりやすい制度にしていきたいとは思っておりますけれども、勘定区分等も含めて、見直しにくいところがあることは御理解いただきたいと思っております。 あと、行政サービス実施コストは、御指摘のとおり、そのほとんどが機会費用でございまして、出資金から発生しているものが大半であると我々も思っております。それでは、出資金を返せばいいではないかというお話でございますが、農業、漁業の保証・保険関係につきましては、ほぼ出資金に見合う分を利用させていただいておりますし、融資については、現状は低金利が続いておりまして、貸付額が最近、若干低位に推移して、出資金分だけすべて貸し出してない状況があるわけでございますが、御承知のとおり、金利がこれから上がっていきそうな状況があるわけでございまして、今後の農業なり漁業の構造改革を進めていく上で、この資金の出番というのはこれから出てくるのではないかと思っているところでございます。 林業関係については、担当の課長から御説明させていただきます。 |
○ | 岡田企画課長 林野庁の企画課長の岡田でございます。よろしくお願いいたします。 先ほど森林整備活性化資金につきまして、御質問ございました。この資金につきましては、森林整備を一層進めなくてはいけないという中で、負担能力の問題等もございまして、資金を無利子化して貸し付ける必要性がありましたものですから、用意したものでございます。一方で、農林漁業金融公庫におきましては、財投資金を借り入れて、貸付けを行っておりまして、公庫自身での無利子資金というものがございませんでしたので、林業者等に対する債務保証業務を行っており、林業・木材産業の政策のノウハウも持っております農林漁業信用基金から無利子の貸付原資を寄託するという仕組みをとったものでございます。 また、政策金融機関から政策金融機関へ貸し付けるのはいかがなものかという御指摘があったと思いますけれども、農林漁業金融公庫、政策金融機関は、今申し上げましたとおり、財投の資金を原資として貸付けを行っているわけでございますけれども、これに利子補給を行って、無利子化する、こういった仕組みはないわけでございます。そういうことから、農林漁業金融公庫から無利子のこのような資金を直接融通しようといたしますと、現在ある補給金とは別途、新たに政策金融機関である農林漁業金融公庫に供給する、新たな予算措置を設けなくてはいけない。そういうことになりますと、二重の財政上の負担となって、適切ではないのではないかということが1点ございます。そのため、基金という形を通して資金を預託するという仕組みを採らせていただいております。 また、無利子貸付けを仮に国自身で基金のプロセスを行うということになりますと、そこは資金が回転するという性格上の問題から、国の方におきまして、特別会計を設置するなり、あるいは勘定を設けて経理をするということになるわけでございますけれども、特別会計のスリム化がうたわれている中で、新たにそれを設けるということはなかなか難しいのではないか。やはりそこは基金という主体の中で、機動的に無利子の資金を寄託して供給するというシステムが合理的ではないかと考えているわけでございます。 それから、保証割合の御指摘がございました。信用基金の保証、原則として、御指摘のとおり、 こういった制度資金に対する保証について それから、保証債務に占める正常先以外の割合が高いという御指摘の部分でございますけれども、これは、林業・木材産業は、元々地場の産業として発達したこともございまして、中小企業全体の中で比較いたしましても、経営状況は非常に脆弱でございます。産業全体として、正常先以外の割合が高いということで、保証の依頼者も大半がそこにならざるを得ないということでございます。事業体として必ずしも財務内容が良好でない状態でも、国内の森林資源を活用して、国内林業の振興、ひいては、森林の整備ということにつながっていくわけでございますので、そこの重要な役割をかんがみまして、これらも政策的に支えて、その事業体の信用力を強化し、企業の経営改善を進めたいということで、信用保証を行っているわけでございます。ただ、そこのところも、御指摘のとおり、新規の対象を基本的に要注意先以上に限るということにいたしまして、保証先区分の改善に努めているところでございます。今後ともまた、実施に当たりましては、優良保証の確保、あるいは厳格な保証審査、あるいは求償権の回収促進ということで、この点についても十分取り組んでまいりたいと考えております。 |
○ | 富田分科会長 ただいまの御説明、御回答につきまして、更にお聞きしたい点、ございますか。 |
○ | 黒川臨時委員 一番初めに、林業のところで、京都議定書との関係を御説明されましたが、一般的に言って、シンク( |
○ | 岡田企画課長 3.9パーセントの吸収量の問題につきましては、国際約束上、森林を手入れすることが必要だと、これは御案内のとおりでございます。そういたしますと、森林を整備するということは、そこに経済活動されている方がおられます。林業者の方が実際に手を入れて、ものが売れる。手を入れるということは、間伐をする。間伐をして、その間伐材が売れませんと、経費が出てこないということでございます。こういった間伐材を売れるようにしていくためには、国内の川下側の木材産業の方が経営改善を進めながら、国内の資源を十分使えるようになってくる必要がある。そういう関連性で、京都議定書の話を少し触れさせていただいたわけでございますけれども、基本的には、川上側の森林の整備と川下側の木材産業の振興ということが密接に結びついておりますので、そこのところで、趣旨として3.9パーセントの話も申し上げさせていただいたということでございます。 |
○ | 富田分科会長 今日は、時間の都合もありますので、ここで質問を打ち切らせていただきます。当分科会といたしましては、今日の議論も踏まえまして、平成 また、本日は時間の関係で、十分な質問ができなかった委員もおられると思います。この場合、後日、事務局を通じて、照会したり、必要に応じまして、ワーキング・グループにおいて、再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には対応方、よろしくお願いいたします。 本日は、御説明いただきました皆様におかれては、御多用な中、御協力いただき、ありがとうございました。 最後に、今後の予定等につきまして、報告事項がありますので、事務局から説明をお願いいたします。 |
○ | 新井評価監視官 お手元に、「平成 簡単に申し上げますと、1ページの検討の概要というところでございますが、今回、移行独法が対象になるというこから、国の歳出の縮減を図るという観点が重要ということで、業務の廃止・縮小・重点化、それから経費の縮減・業務運営の効率化、自己収入の増加、こういったことを基本とする。その上で、それらを評価する基盤としてのディスクロージャーの充実を図るべきということを基本線にして書かせていただいているところでございます。 その際に、今まで独立行政法人につきましては、一般管理費や業務費、あるいは人件費についての見直し目標が入っておったのですが、今回、先生方からも御議論いただいておりますが、業務コストということで、行政サービス実施コスト、これが国民の負担に帰せられるコストということでございますので、その削減のための取組が大事ではないかということを申し上げたいと考えております。 要すれば、業務の廃止・縮小・重点化等を行い、あるいは経費の縮減を行うことによって、行政サービス実施コストは小さなものになり、また、自己収入の増加を図ることによってこれが改善する、こういう流れになっているということでございます。それぞれの業務の廃止・縮小・重点化等々ごとに、ワーキング・グループなどで御議論がありましたものを、ここでは個別の法人の名称は出さずに、幾つかの論点について、こういった検討が必要でないかという点を書かせていただいているというのが、事務事業一般の見直しに関する説明でございます。 その後で、類型ごとの主な見直しの視点ということで、融資等業務とその他の業務とございますが、その他の業務につきましては、今までの成果、研究会などでやっておりますが、こういったこともいかしながら、さらに幾つかの視点を言っております。融資等業務につきましては、2月以来、政策金融ワーキングでやっていただいて、3月 見直しの主な視点ということで、2番のところで書いておりますが、国の政策の重点との関係において、今や独法がやる必要がないようなものについてはやめていいのではないかとか、あるいは民間金融機関で実施可能なものがないのかとか、そういったものを引き続き実施する必要があるのか。あるいは、政策目的達成のために、金融でやる必要があるのか。あるいは、今行っている独法でやる必要があるのか。特に民間との競合の可能性があるようなものにつきましては、融資等業務を専門に行う金融機関などといったところの関係の在り方についても検討する必要があるのではないかというところでございます。 いずれにしましても、1の基本的な見直しの考え方にございますように、今回の見直し、政策金融改革の趣旨を踏まえつつということでございますが、独法は、それぞれいろいろ特徴的なものがございますということで、個別の独法の業務の位置付け、特性を考慮しながら、個別に検討していく必要があるのではないかという趣旨でございます。それで、出資、融資等々、業務ごとの見直しの視点というものを整理させていただいたというところでございます。 事務局といたしましては、昨日、先生方にメールで送らせていただいたところでございますが、さらに、 これがまとまりましたら、今月下旬、今、 最後に、次回の日程でございますが、4月 |
○ | 富田分科会長 ただいまの事務局の報告につきまして、御質問等ございましたら。事前にお目通しいただき、お読みいただいていることと思いますけれども、これまでのワーキング・グループでの議論を踏まえたものになっていると思います。御意見などございましたら、事務局まで寄せていただければと思います。 ということで、もう6時を過ぎてしまいましたので。今日はお疲れさまでした。 |
(了) |