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政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会(5月21日開催)議事録

日時

平成24年5月21日(月)13時30分から15時10分まで

場所

中央合同庁舎第2号館11階 総務省第3特別会議室

出席者

 (独立行政法人評価分科会所属委員)
阿曽沼元博独立行政法人評価分科会長、山本清独立行政法人評価分科会長代理(※)、田渕雪子委員(※)、森泉陽子委員、縣公一郎(※)、浅羽隆史、荒張健、石田晴美、梅里良正、岡本義朗(※)、梶川融(※)、川合眞紀、河野正男、河村小百合、木村琢麿、柴忠義、鈴木豊、瀬川浩司、園田智昭、玉井克也、野口貴公美(※)、宮本幸始、山谷清志の各臨時委員
(※)を付した委員は、議決の一部に参加していない。

(総務省)
新井英男行政評価局長、井波哲尚官房審議官、三宅俊光総務課長、武藤真郷評価監視官、北川修評価監視官、萬谷優人調査官、平野誠調査官

議題

 

(1)役員の業績勘案率(案)について
(2)「平成23年度業務実績評価の具体的取組について」の策定等について
(3)その他

配布資料

会議経過

【阿曽沼分科会長】  ただいまから政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたしたいと存じます。
 本日は、「役員の業績勘案率(案)」及び「平成23年度業務実績評価の具体的取組」について御審議をいただく予定としております。なお、本日の会議につきましては、「政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会の運営について」に基づきまして、最初の議題であります「役員の業績勘案率(案)」の審議につきましては非公開で行うことといたします。この審議終了後10分程度の休憩をおとりしますので、その際に傍聴希望者の入室を行い、その後の会議は公開となりますので、御承知置きください。
 それでは初めに、「役員の業績勘案率(案)」について審議を行います。まず、案につきまして、事務局から説明をお願いします。
【平野調査官】  それでは、役員の退職金に係る業績勘案率(案)について御説明します。業績勘案率資料1−1を御覧ください。1ページ目の総括表ですが、今回御審議いただく退職役員は6府省15法人で26名です。このうち、一番右の欄に★がついている、外務省独立行政法人評価委員会から通知された国際交流基金の前理事長の1.1及び国土交通省独立行政法人評価委員会と財務省独立行政法人評価委員会から通知された住宅金融支援機構の退職役員6名中4名の勘案率(案)について、各担当ワーキンググループで審議した結果、意見を述べるという案になっております。それ以外の退職役員については、通知された業績勘案率(案)について意見無しとなっております。意見無しの府省のうち厚生労働省所管の高齢・障害・求職者雇用支援機構の3名が0.9、同じく厚生労働省所管の国立病院機構の副理事長1名が1.2となっております。なお、1.0で通知された外務省所管の国際交流基金の前理事や、農林水産省、文部科学省、内閣府所管の各法人の退職役員については、各担当ワーキンググループにおいて、特段の加算・減算要因も無いことから、各府省独立行政法人評価委員会から通知された業績勘案率(案)1.0について、政独委としては意見は無いという案になっております。それは2ページ以降に記載しております。
 本日は、意見を述べることとしている外務省所管の国際交流基金、国土交通省と財務省共管の住宅金融支援機構と、意見無しのうち勘案率が0.9の厚生労働省所管の高齢・障害・求職者雇用支援機構、1.2の国立病院機構について、事務局から、各ワーキンググループの意見案について御説明します。
【萬谷調査官】  それでは、最初に、外務省所管の国際交流基金の前理事長の業績勘案率です。外務省独法評価委員会からは、同委員会の計算方式等に沿って1.1ということで当方に通知されてきました。以下、1.1の中身を見ていきます。まず業績の内容からです。在任期間中の年度評価の実績は、平成15年度から20年度の間は最上級の評定がS、21年度と22年度はイになりますが、そういったものが無いという事実関係があります。また、0.1が加算された理由となった業績について見ますと、まず、業務運営の効率化を推進して、通常よりも一般管理費や人件費等を削減するなど成績がよかったこと。更に、業務の質の向上として、日本語能力試験の複数回実施ですとか、試験地の拡大等を行ったということです。
これまで1.1以上をつけた法人の役員の業績勘案率を見てみますと、1.1の案件としては宇宙航空研究開発機構、物質・材料研究機構、国立病院機構がありまして、法人の業績ということで見ますと、世界トップレベルの拠点としたとか、論文引用件数が三十何位から3位になったとか、大赤字の病院を黒字に転換させたとか、そういった業績になっております。1.2の場合も同様のような業績になっておりまして、今回、外務省独法評価委員会から通知された業績について、過去0.1あるいは0.2を加算した事案の業績に照らして見たときに、同等あるいはそれ以上と見なし得ることはなかなか難しいのではないかということです。したがいまして、第1ワーキングの結論としましては、業績勘案率資料3ページ目、資料1−2の別紙になりますが、意見案として、国際交流基金理事長の業績勘案率(案)については、1.1で通知があったが、一方で1.0を超えるものについては厳格な検討が求められる。今般の基金の理事長の業績を見ますと、i)最上位の優れた実績を上げているという評定が無い、ii)1.0を超えた過去の案件の業績と比しても同等まで達していない、ということで、意見としましては、外務省の独立行政法人評価委員会に対して、更に審議を深めていただきたいといった旨の意見を出そうということになっております。
 以上です。
【平野調査官】  次に、住宅金融支援機構の退職役員の業績勘案率について御説明します。住宅金融支援機構につきましては、主務省からは6名の退職役員について、理事長、理事長代理、理事Bの3名につきましては0.9、他の3名は1.0で通知されてきております。第4ワーキングでは昨年12月以来4回ほどワーキングを開催し、主務省独立行政法人評価委員会における勘案率の算定方法等を確認しつつ検討が行われました。住宅金融支援機構について、第4ワーキングにおける論点は主に二つございました。第1の論点は、これまでの独法分科会でも何回か審議されましたが、法人の業績関係についてでございます。主要業務である証券化支援事業につきましては、役員在職期間中において実績が計画を大きく下回っている期間があり、これまでの住宅金融支援機構の役員の業績勘案率についてはいずれも0.9としておりました。今回も平成22年度は計画を上回っている部分もありますけれども、役員在任期間中を見ると計画を下回っている期間があり、法人業績としては良好とは言えないとの判断でございました。
 したがいまして、法人業績におきましては、理事長、副理事長、理事長代理、理事B、理事Cについては、法人業績において減算要因が有りということになっております。監事につきましては、法人に業績不振等がある場合の監事の業績勘案率については、平成22年7月の独法分科会において、監事は他の役員とは異なり法人の経営に直接関与していないことから、監事としての職責の遂行状況によって業績勘案率への反映の要否を判断すると整理されておりまして、今回の監事も、証券化支援事業に係る改善点等を監査報告で指摘するなど職責は果たしていることから、法人業績においては減算要因無しとなっております。
 次に第2の論点でございますけれども、個人の業績関係についてです。個人業績関係では不祥事ということで、主要業務でございます証券化支援事業におきまして、幹部職員による収賄事件が発生しておりました。この収賄事件が発生したがために、個人業績におきまして、幹部職員の上司である理事長と理事長代理につきましては減算要因が有りと第4ワーキングでは判断されております。それから、コンプライアンス担当の理事Cについては、コンプライアンス方針等に基づき職責を果たしていることから減算要因は無しとなっております。また、監事につきましても、監事監査報告書においてコンプライアンスの取組、コンプライアンスヘルプラインの外部設置等を適切に指摘するとともに、それをフォローアップし、監査効果を確保しているということで、この不祥事につきましては減算要因無しとなっております。
 以上を総合しますと、理事長につきましては通知された業績勘案率は0.9でございますけれども、先ほど申しましたように減算要因として、法人業績における減算要因と個人業績における減算要因という二つの減算要因があることから、この0.9については第4ワーキングとしては意見無しとすることはできないということで、意見有りになっております。
それから理事長代理につきましても、主務省独立行政法人評価委員会からは0.9で通知されてきておりますけれども、法人業績、個人業績において、それぞれ減算要因があることから、0.9では意見なしとはできないということで、意見有りになっております。
 副理事長及び理事Cにつきましては、1.0で通知されてきておりますけれども、法人業績において減算要因があるということで、この1.0についても意見無しとはできず、意見有りになっております。
 理事Bにつきましては、法人業績において減算要因あり、これについて通知された勘案率も0.9であることから、意見は無しとなっております。
 監事につきましては、監事監査において、経営上の課題や収賄事件関係について、コンプライアンス上の課題等と指摘しており、職責を果たしているから減算要因は無く、通知された1.0について意見は無しということになっております。
 最終的な意見案としては、業績勘案率資料1−5のとおり、理事長と理事長代理については、0.9で通知されてきていますけれども、減算要因が二つあるのに0.9であるのはおかしいので、個人業績における減算要因について十分考慮してほしいという意見案になっております。
 2番目の副理事長と理事Cにつきましては、業績不振による減算要因が考慮されていないというので考慮する必要があるという意見案になっております。
 なお、第4ワーキングにおける住宅金融支援機構の退職監事の業績勘案率の検討において、政独委は監事の業績勘案率の検討に際し、監事の職責に応じた形でチェックすることとしているのですけれども、現行制度では監事の職責に関し統一的な基準が無く、法人によって監事の職責が個々であり問題ではないかとの問題提起もございました。この点につきましては、本年5月11日に閣議決定された独立行政法人通則法改正法案の中で、監事の職責等がより明確に規定されており、今後具体的な運用指針等の策定作業の中で、全法人統一的なものが具体化されるよう、事務局としても制度官庁等に働きかけを行っていきたいと思っております。
 次に高齢・障害・求職者雇用支援機構の退職役員の業績勘案率について御説明します。高齢・障害・求職者雇用支援機構は、昨年10月に解散しました雇用・能力開発機構の職業能力開発業務が、高齢・障害者雇用支援機構に統合されてできた法人でございまして、退職役員は理事長、理事長代理、経理部門の理事の3名です。通知された勘案率は0.9となっております。第5ワーキングにおいて論点となりましたのは、この法人は雇用安定事業関係業務等につきまして都道府県の雇用開発協会等に業務委託しておりましたが、当該業務委託について平成18年度、19年度の会計検査院の決算検査報告において目的外使用等を指摘されているという点についてです。更に、国会での警告決議もあったところでございます。本件については、既に22年5月の独法分科会において、法人として随意契約から競争契約への変更に取り組んできたことや、目標、計画は達成していること、業績自体は良好であること、これはあくまで委託先の公益法人の問題であることから、法人業績においては減算せず、個人業績において減算との扱いにしております。今回、第5ワーキングで個人業績について御議論いただいた結果、この委託費の問題について、検査院の指摘と国会で警告決議を受けていることも考慮しますと、まず理事長については、本法人の業務全体を処理すべき責任者である理事長には減算要因が有る。それから、理事長の補佐役であり、相応の掌理責任があると言える理事長代理も減算要因が有る。更に、業務委託を所掌し、直接この経理部門を担当する理事についても減算要因有りということになりました。減算の程度につきましては、過去の法人の例を見ますと、会計検査院の指摘に加えて国会の警告決議を受けたものについては、0.1減算しています。最終的には、厚生労働省の独立行政法人評価委員会から通知された業績勘案率0.9と、過去の減算の程度が0.1というのは一致しますので、第5ワーキングとしては意見は無いという結論になっております。
 次に、国立病院機構の退職役員の業績勘案率についてでございます。副理事長の在任期間は平成16年4月から23年9月で、この間理事長を補佐して、業務全般を担当しておりました。厚生労働省の独立行政法人評価委員会からは1.2と通知されてきております。副理事長の在任期間中の法人業績を見ますと、16年度から22年度の評価結果は全てA以上、そのうち中期計画を大幅に上回るS評定が3割強を占めております。経営面においては、赤字病院数の確実な減少ですとか、経常収支に係る収支相償という目標に対し、7期連続達成に加え、22年度においてこれまでの実績を大きく上回る当期利益を計上しております。
 医療面につきましても、政策医療や地域医療への貢献を果たしているということでございます。
 これまでも国立病院機構の法人業績は加算要因有りとしておりましたけれども、その後も経営改善等は進んでおり、今回も第5ワーキンググループにおきまして、法人業績は加算支給するほど極めて好調と判断されております。個人業績につきましても、副理事長として理事長を支え、7年6カ月にわたり機構の業務運営の見直しや、効率化による収支改善に取り組んでいるということで、個人業績においても加算要因有りとの判断になりました。
 一方、退職役員の任期中、業績の著しい悪化や、不適正経理などの減算要因は認められないため、最終的には1.2については意見は無いとなっています。
 それから最後でございますけれども、第3ワーキングで御議論いただきました教員研修センターの監事についてでございます。これにつきましては、平成18年4月から23年3月まで在任し、文部科学省独立行政法人評価委員会からは1.0で通知されてきております。監事在職中の21年4月に会計課用度係長が、18年11月の入札において入札価格を業者に教えて賄賂をもらい、収賄罪で逮捕されるという不祥事が発生しております。この不祥事は組織的なものではなく、在任期間中の法人業績自体に特段の問題は無いことから、法人業績において減算要因は無く、個人業績においても、事件自体は監事就任半年後、定期監査の前に発生したものであり、また、監事在任中は、監事監査規定に基づき監事監査を実施し職責も果たしておりますし、この監事の18年12月以降の定期監査の実施後、収賄事件は発生しておりません。加えて、21年4月の逮捕後、法人内における事件の調査チームの中心となり再発防止策を立てるなどの取組を行っていることから、第3ワーキングでは0.1減算するほどではないと判断しまして、文部科学省から通知されてきました監事の1.0については意見無しとしました。しかしながら、再発防止策の履行状況の確認が、監事監査報告書において一部明確になっていない年があったことなどから、業績勘案率資料7ページ目、資料1−4を御覧いただきたいのですけれど、意見はないのですけれども、「通知のありました業績勘案率1.0については特に意見はありません。なお、今後の教員研修センターの評価に当たっては、法人における監事監査の強化など収賄事件の再発防止策の取組状況にも一層留意願います」という付言を付しております。これはあくまで、1.0には意見はないけれども、その後の再発防止策の履行状況の確認が監事監査報告書において明確になっていない部分等があったので、文科省独法評価委員会において、そういう再発防止策について年度評価できちんと留意してくださいという意見を付けた方が良いのではないかというワーキングでの議論がありましたので、付言することとなっております。
 長くなりましたが、事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いします。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明について、御担当のワーキングでは十分な御議論があったと思いますが、意見の有るもの、意見無しとしたものに関しまして、御意見、御質問ございましたら、どなたからでも結構でございますので、御発言をお願いしたいと思います。
【縣臨時委員】  一般論として、今まで政独委が各府省の独法評価委員会に意見を述べたのが何回ぐらいあるかということと、政独委と府省独法評価委員会の審議結果が違った場合に、従来、審議するプロセスとしてはどういう形が一般的であったかということについてお答えいただけますか。
【平野調査官】  これまで政独委が各府省の独法評価委員会に対して意見を述べたのは3件ございます。プロセスにつきましては、平成15年12月19日に閣議決定された「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について」では、業績勘案率の決定に当たり、各府省の独法評価委員会はあらかじめ総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会に通知し、政独委は府省独法評価委員会に対し意見を述べることができるとなっておりますので、基本的には、政独委は府省独法評価委員会から通知されてきた勘案率に対し、意見を述べればそれで終わりということかと思います。
【縣臨時委員】  あと、過去の3件は最終的にどういうふうに決着したのですか。
【平野調査官】  過去2件については、勘案率(案)について再度審議してほしいと政独委から意見し、府省独法評価委員会で再度審議した結果勘案率(案)を変更し、当初通知したものから下げましたという形で府省独法評価委員会から政独委に対し再度通知が出されております。それについては当方の政独委の考えどおりやっておりますので、意見は無いということです。
 それから、残りの1件については、駐留軍等労働者労務管理機構につきまして、0.9で通知されたことについて審議を深めてほしいという形で意見を述べましたが、結果的には防衛省独法評価委員会で審議を深めた結果、0.9のままということになっております。
 閣議決定上は意見を述べるということにとどまっており、意見については特に強制力等はございません。しかし、政独委としては当方の意見を反映させる方向で、事務局を通じていろいろな努力はしているという状況でございます。
【阿曽沼分科会長】  よろしゅうございますか。1.0以下というのは過去3件と、意外と少なかったなという感じも受けますが、そういう意味で今回は大分件数が多いということでございますので、きちんと御説明をいただいて議論を深めていただくように、よろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、外務省、農林水産省、文部科学省、国土交通省、内閣府、及び厚生労働省の各独立行政法人評価委員会から通知されました、「役員の退職金に係る業績勘案率(案)」についてお諮りをいたしたいと思います。
 本件について、委員会としての回答につきまして、案のとおりとさせていただくことで御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阿曽沼分科会長】  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。なお、事後の処理につきましては、私、分科会長に御一任いただくこととさせていただきます。よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阿曽沼分科会長】  それでは、そのように取り扱わせていただきます。
 ここで事務局から、机上資料についての御説明がございます。
【萬谷調査官】  現在、独法評価に係る審議及び議決に際しましては、評価の中立・公平性を担保するために、平成17年の申し合わせ等に基づきまして、評価対象の独法等との間で一定の関係を有する委員の皆様につきましては原則として当該法人の審議には参加せず、議決にも参加をしないということにいたしております。申し合わせ対象になる方々と対象法人については、一覧表を机上資料として昨年度からお配りしておりますが、24年4月1日時点に更新いたしましたので、御確認していただき、御不明の点等がございましたら、事務局の方にお尋ねいただければと思います。
 私の方からは以上です。
【阿曽沼分科会長】  それでは、御確認をいただいて、何かございましたら事務局の方にお尋ねいただければと思います。
 ではここで10分程度の休憩をとりまして、その後、次の議題の審議に移りたいと思います。

( 休憩 )

【阿曽沼分科会長】  それでは、審議を再開いたしたいと思います。
 次の議題は、「平成23年度業務実績評価の具体的取組について」の策定についてでございます。委員の皆様方にはいろいろと貴重な御意見・御指摘をいただきまして、御礼を申し上げます。
 まず案について事務局から説明をお願いします。
【萬谷調査官】  それでは御説明させていただきます。
 資料2−1、2−2と参考資料1です。参考資料の方ですが、内容を少し御紹介させていただきます。参考資料1−1が、昨年の具体的取組と今年の具体的取組案との対照表でございます。4ページ目が昨年の二次評価で、今年の具体的取組に関連する言及があるところの抜粋版でございます。
 次の5ページ目ですが、今年の3月23日に行革実行本部で決定された、独立行政法人が支出する会費の見直しについて、賛助会費等に対する見直しについて方針が示されたものです。7ページ目でございますが、こちらも今年の4月3日、行革実行本部で決定された、独法宿舎の見直し計画でして、廃止方針が示されたということです。
 9ページ目ですが、行革実行法案が今年の4月13日に国会に提出されていますが、この関係で独法の特に資産に関して言及があったところを抜粋しています。10ページから16ページ目までが、運営費交付金債務と欠損金との関係等に関する、昨年の会計検査院の指摘、それを受けた制度官庁であるところの行政管理局の方針、ガイドラインの抜粋です。
 最後の17ページ目が、昨年来分科会等で、今般の震災を受けて、リスク対策としてどんな対策を講じているか、講じていないかということの実態を把握すべきではないかという御意見を踏まえて、このような内容でどうでしょうかという骨子案になります。
 それでは資料2−2で説明させていただきたいと思います。字が小さくて申し訳ありませんが、横表になります。説明の内容は右側の欄になりまして、左側は評価の視点、これは従来から当面この視点でということで恒久的なものになります。まず、1ページ目、基本的な視点の関係です。こちらはどちらかというと本体業務の方の視点、ここが1丁目1番地ですので、従来こういった視点で見ていただいておりますが引き続きということで、読み上げさせていただきますと、「次の点について特に留意する。●法人のミッションに沿った適切な指標に基づく業績の評価、●過去の実績等をも踏まえた的確な業績水準の判断、●法人のミッション遂行に向けた取組の効率性、生産性等及びサービスの質の向上を促すアプローチ、●分析、結論に至る考え方・理由・根拠及び評価の結果についての説明の分かりやすさ、●被災者支援及び復旧・復興対応に関する取組と法人のミッションとの関係、法人の業績低下等と震災との関係を精査した厳格な評価」。最後の下線が引いてあるものについては、先ほどの参考資料1−2の4ページですが、昨年の二次評価でも言及していますので、それに対応した事項として載っております。
 1枚めくっていただきまして2ページ目になります。以降が各法人に共通する個別的な視点、どちらかというと間接業務系のものが多いのですが、まず冒頭の政府方針等について、次の点について特に留意するとしております。「●「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定)で個別に措置すべきとされた事項等で、平成23年度において取り組むこととされている事項についての法人の取組状況」ということで、こちらの方も昨年の二次評価意見で、評価を通じてもフォローアップしましょうということを言っています。●の二つ目と三つ目については、政独委で出した勧告の方向性、あるいは二次評価意見のフォローアップをしましょうということです。最後の下線が引いてある●のところですが、公益法人等に対する会費の支出について、独立行政法人が支出する会費の見直しについて、3月23日の行革本部決定で示された観点を踏まえた見直しを促すアプローチということで、先ほどの参考資料になります。本部決定に基づいた取組自体は24年度以降ではあるのですけれども、視点とか見直しをしましょうという方針が示されておるので、評価を通じてもきちんとやりましょうと促すようなアプローチをしているか確認するということです。
 1枚めくって3ページ目のところで、保有資産の管理・運用等について、基本方針に基づき不断の見直しが求められている保有資産について、法人による以下の取組に特に留意するとしています。一つ目として実物資産、職員宿舎については独立行政法人の職員宿舎の見直し計画で示された方針等を踏まえた見直しを促すアプローチ、こちらは参考資料1−4のところでございますが、これも平成24年度中に見直し計画をつくって、その計画に沿った推進はそれ以降となるのですが、廃止方針等が示されておりますので、そういったことをきちんとやるように促すようなことが行われているかどうかを確認します。
 二つ目の●ですが、基本方針において既に個別の措置を講ずべきとされた施設等以外の建物、土地等におけるi)利用実態の把握状況、ii)利用実態を踏まえた保有の必要性等の検証状況ということで、平成22年12月の基本方針では、独法の方において不断に見直しすることになっておりますので、その資産の内容については宿舎以外のものにも指摘されているということなので、例えば宿泊施設、研修施設等について、利用実態がどうなのか、例えば50%未満みたいな稼働率についてはどうなのか、要るのか・要らないのかというのを、実態も把握した上で必要な意見を言っているか・言っていないかを確認しますということです。
 三つ目の●、金融資産のところですが、いわゆる溜まり金の精査における、次のような運営費交付金債務と欠損金等との相殺状況に着目した洗い出し状況についてということで、i)運営費交付金以外の財源で手当てすべき欠損金と運営費交付金債務が相殺されているもの、ii)当期総利益が資産評価損等キャッシュ・フローを伴わない費用と相殺されているもの、こういったものに着目して、そのお金について、個々納付されているのか、法人内に引き続き置いてあるのかどうなのか、そういったことを確認しましょうということでして、こちらの事項については、昨年の会計検査院の指摘等を踏まえた事項として参考資料1−6の方の指摘を踏まえて、事項として設けたものでございます。
 次の4ページ目のところですが、こちらは保有資産の一環であります。年金、基金、共済等の事業運営のための資金運用について、法人における運用委託先の選定・管理・監督に対し、次の点に特に留意するとしております。「●事業用金融資金の管理・運用に関する基本方針の策定状況及び委託先の選定・評価に関する規定状況、●運用委託先の評価の実施状況及び定期的見直しの状況、●資金管理機関への委託業務に関する管理・監督状況」、こちらの方は今年年明けに大きな問題になりましたAIJの問題の関係で、これが動機付け、イコール同じような問題が出るということではないのですが、運用委託をしている独法もありますから、そこについてどういう管理がされているのかというのを、今一度確認しましょうという趣旨でございます。
 次の5ページ目、内部統制になります。「2−6 内部統制の充実・強化に向けた法人の長の取組に留意するとともに、監事の監査結果を踏まえた評価を行っているかについて特に留意する。また、内部統制の充実・強化に関する法人・監事・評価委員会の積極的な取組を注視する」としております。注視するというのは注目する、顕著な取組について把握しようということです。注書きとしまして、法人の長の取組に関する評価については、これまでに当委員会が示した二次評価意見における留意点等を踏まえるものとするということで、昨年度は法人の長のトップマネジメントを中心にやりましたが、今年度については監事監査にも着目している事項としています。
 最後の6ページ目になります。業務改善のための役職員のイニシアティブ等についての評価ということで、震災の関係がありましたので、それの動機付けとした事項でございます。2−9としまして、「自然災害等に関するリスクへの対応について、法令や国等からの指示・要請に基づくもののほか、法人独自の取組を注視する」、ここも注視するということで、積極的な取組、ベンチャーな取組について、独自にどんなことをやっているのかということをアンケート調査をして、実態を取りまとめて、関係方面各省、各法人の方に情報提供したらどうかということです。
 参考資料の1−7、一番最後のページを見ていただけますでしょうか。17ページになります。アンケート調査のイメージとして、こういうことをやったらどうかということで骨子として整理したものです。調査の目的ですが、独法の事務・事業というのは確実に実施されなければいけないものであるが、今般の震災を受けたところの状況を見ますと、確実に実施しなければいけないところが確実に実施できなかった、あるいは被災を受けてできなかったというようなことが多々ありましたということです。いずれにしても、こうしたことに対応しようと思うと、常日頃からの備えが重要でしょうということで、法人の役員・職員のイニシアティブとかリーダーシップの下、独自にどんな取組をやっているのかについて取りまとめ、顕著な取組事例について情報提供したらどうかと考えております。調査の内容ですが、(1)(2)とありますが、簡単に申しますと、(1)は今般の震災の関係で特に教訓を得た災害ということになると、地震と津波と原子力事故ですので、そういったことについてどんな取組をやっていたのか。それと、今般の震災でどんな教訓を得て、どういった見直しをされているのかです。
 (2)はその他のリスクについてはどういう備えをしているのか。リスクの範囲ですが、リスクといってもかなり広い話になりますので、先生方の意見を聞きまして、地震、津波、台風等の自然災害、あるいは原子力事故、テロとかパンデミックという外的要因に起因して、法人の職員の人命、法人の資産や財産の損失、法人の業務継続が困難、あるいは研究所等は危険物をいろいろ持っておりますが、そういったものが紛失・流失するといった事故・事件、ということにしております。これは、外的要因を受けて法人自身が一法人として業務が難しくならないように、あるいは危険物を持っている事業所として、そういったことに備えてどんな取組をやっているか、やっていないのか、そういう範囲で考えたらどうかということです。調査対象は全法人で、6月から8月の数カ月かけて、アンケート方式で、できるだけ簡潔なもので、負担にならないようにということで考えています。内容につきましては、メール等でまた調査の様式や中身等をご照会させていただいて、お知恵をお借りしたいと思っております。
 以上でございます。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございます。政独委の職責として非常に重要な点でございますので、ただいまの事務局からの御説明につきまして、御意見・御質問等がございましたら、どなたからでも結構でございます。御発言をお願いいたします。
 私の方から1つ、確認と御質問よろしゅうございますか。資料2−2の1ページ目で、過去の実績等をも踏まえた的確な業績水準の判断ということでございますけれども、これは過去の経験を踏まえて、ここで強調することについて、今一度解説をしていただけますでしょうか。
【萬谷調査官】  ここの趣旨は、中期目標、中期計画というのは、各法人や各省で設定し、評価はその目標に対しての到達水準や達成水準を見るということではあるのですけれども、過去の事例であったのは、定められた目標・計画に対しては、まさにAとかSではあったのですけれども、過去の実績に照らすと、既にそこは過去に達成しているような内容ではないかと。本当に真にSなのか、特に優れているのか・優れていないのかは、目標だけで判断するのではなくて、過去の実績がどれぐらいの水準だったのかということに照らしてどうなのかを、二次評価の目線としてはきちんとチェックしましょう、そういうような趣旨でございます。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。
 もう一つよろしゅうございますか。4ページ目で、●の二つ目、三つ目、運用委託先の評価の実施及び定期的見直しの状況ですとか、委託業務に関する管理・監督状況ということですが、そんなに法人は多くありませんけれども、この評価の視点の基本的なガイドラインみたいなものは、各独法の中で共通の認識であるのか、それとも、その辺については今後、事務局の方で議論を深めて各省と御相談されるのか、確認させてください。
【萬谷調査官】  ここのところは、この対象になっている事業用資産の種類によって、法令に基づいてやっているものもあるでしょうし、そうでないものもあるかもしれません、中身は個々に違うのだろうと思っています。まずは、どんな取組をやっているのか、どんな根拠に基づいてどうしているのかというのを調べた上で、個別に意見するのか、あるいは今後の課題として共通意見という形で取りまとめるのかという最後のアウトプットの形については、実態を確認しながら、また御相談させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。
 よろしゅうございますでしょうか。
 最後に、自然災害等についてはアンケートを実施するということで、当然、各独法のミッションに沿ったものでなければいけないことは当然でございますけれども、自らの法人が自ら考えるきっかけになるという意味では、大変良い試みではないかと思いますので、アンケートの結果をまた大変興味を持って見ていきたいと思っております。
 大体よろしゅうございますでしょうか。
 それではお諮りをいたします。平成23年度業務実績評価の具体的取組について、本案のとおり決定することでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阿曽沼分科会長】  ありがとうございます。それでは、本件につきましては案のとおり決定をさせていただきます。
 なお、本件は当分科会の重要な取組方針でございますので、各府省独法評価委員にも通知し参考にしていただきたいと考えております。各府省独法評価委員会への通知など、事後の処理につきましては、私分科会長に御一任いただくことで御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阿曽沼分科会長】  それでは、そのように取り扱わせていただきます。
 次に、事務局から報告事項がございます。よろしくお願いします。
【北川評価監視官】  それでは、独法改革と周辺の状況について御報告申し上げます。
 まず制度改革について、参考資料2−1、2−2、2−3でございますが、前回お話しさせていただきました今年1月に閣議決定された「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」に沿って、行革事務局中心に法案化作業が進められてきましたが、先般、5月11日に独法通則法の改正法案とこれに伴う整備法案の2本が閣議決定され、国会に提出されたところでございます。内容でございますが、まず参考資料2−3でございます。これは1月の基本方針の閣議決定で盛られた制度・組織改革の全体を俯瞰したものでございますが、繰り返しになりますけれども、現行102ある独法を一つの枠に入れて一律に取り扱うのではなくて、類型化し、それぞれふさわしいルールを設けていこうということでございまして、右端の方の国に移管するもの、左端の方の廃止したり特殊会社等になっていくものを除きまして、真ん中のほうに残ります、成果目標達成法人と行政執行法人、この二つをあわせまして行政法人と呼んでおりますが、これらについてそのページの下のほうにありますけれども、共通的なルールを設けていくことになります。今回国会に提出されましたのは、この共通的ルールの部分の法案であります独法通則法を改正するものであります。成果目標達成法人には、更にその下に類型化がございますが、こういった類型ごとの特性を踏まえたガバナンスの構築と、この資料2−3の2ページ目に、それぞれの類型に具体的に法人を当てはめたものが載ってございますが、統廃合もありまして、こういった類型ごとの特性と統廃合の処理というものは、来年の通常国会に、それぞれの法人法の改正を提出するという予定となっております。
 ただし、この類型の中の研究開発型につきましては、共通ルールである行政法人通則法の中で特別に位置付けを与えておりまして、国立研究開発行政法人という名称の下に、他の成果目標達成法人とは若干異なる仕組みを設けているということでございます。
 参考資料2−1に戻りまして、これがこの共通ルールの独法通則法改正法の概略でございまして、内閣官房で作成した資料になります。
 1ページ目でございますが、法人の名称は行政法人になります。独立という言葉を外しておりますが、主務大臣の責任の下、主務大臣の政策実施機関であるという位置付けを示しています。
 次に、法人格としては行政法人ですが、その中で大別して、中期目標行政法人と行政執行法人に分けるということで、基本方針閣議決定のときから成果目標達成法人の名称が中期目標行政法人と変わっていますが、これは法案作成過程での技術的修正でございます。
 両者の違いとしては、3年から5年の中期的な目標管理を行い、中期ごとに経営の自主・自律性を与えて効果を引き出すか、あるいは単年度ごとの管理をしていくかということでございます。
 以下、1ページの3以降、共通ルールとしての規律です。一つは組織規律で、主務大臣が今より法人に関与できるようにすること、監事の調査権限や位置付けをより明確化するといったことです。また、(3)(4)とございますが、役員の任命に当たっては原則として公募し、内閣の承認を得て任命すること、独法から関連公益法人等への役職員の再就職のあっせんを規制すること等でございます。後で若干触れますが、行革実行法案の中にも、こういった方向の措置を講ずるようにという規定がございまして、政治的な着目度の高いところでございます。
 財政規律におきましては、運営費交付金の適切で効率的な使用に努めなければならないという責務が明文として入っております。
 (3)(4)の目標・評価等については、後で申します。
 3ページの下の方、施行日でございますが、公布の日から2年内の政令で定める日と、法案上はそうなってございます。実行上は閣議決定に基づきまして平成26年4月1日を目指しています。
 次は参考資料2−2、新しい制度における目標や評価についてでございます。現行は主務大臣が目標設定する一方、評価については、有識者から成る各府省の独立行政法人評価委員会で一次評価し、政独委でもチェックするという流れでございますが、今般の制度改革では、法人の政策実施機能を最大限発揮させるため法人管理の一貫性・実効性を高めていくということで、各府省の独法評価委員会を法律上廃止し、主務大臣が責任を持って毎年度及び中期の評価をして、それに基づいて次期中期目標を設定するということで、政策主体である主務大臣がPDCAに関して責任持って回すということになっています。そして、その主務大臣の中期見直しでは、法人の存廃まで含めて組織・業務全般を見直していくということになります。このように、主務大臣にPDCAを一元化する一方で、これがいわゆるお手盛り的なようにならないよう、国民目線での第三者チェックをより充実するということになりまして、新しい法人の評価の制度所管する総務省に設置する第三者機関、行政法人評価制度委員会が第三者チェックを担っていくということです。この新しい委員会は新制度施行と同時に設置されますが、新制度移行に向け各法人が一斉に新しい新中期目標に切り替わることに対応して、その事前チェックのために、25年度中に行政法人評価制度準備委員会として発足させることになっております。この委員会がチェック・点検するほか、閣議決定にもございましたが、行政評価・監視、行政事業レビューといった関連する行政のチェック機能も有機的に連携させて、総体として第三者チェックをより充実していこうという方向であります。
 その中で、国立研究開発行政法人については、大きな議論になりましたが、国策として科学技術・イノベーションをプッシュしていくということ、研究開発の成果の評価には相当の専門性・特殊性があるということで、国立研究開発行政法人については若干特殊な形になっておりまして、各主務大臣の下に審議会を置くということになっています。
 また、新しい行政法人評価制度委員会に並ぶような政府全体のものとして、科学技術・イノベーションの司令塔となる機関が、国際水準で統一的な評価指針というものを絡めて点検等をやっていくということです。国立研究開発行政法人については、科学技術の司令塔と、この新たな行政法人評価制度委員会両方がチェックするということになります。両者はそれぞれ観点を異にしておるわけですが、その両者の関係については、法人にも、過大・過重な二重・三重の負担にならないように、運用上の工夫をこれからしていく必要があるという状況です。
 おめくりいただきまして、2ページは先ほど申しましたことと同じでございます。政独委の独法分科会はなくなりまして、新たな評価制度委員会にその担っていた機能は引き継いでいかれるということです。各省においては、評価は基本的には主務大臣に一元化し、ただし、研究開発分野については審議会を置く。それから、行政評価局の行政評価監視機能を、新制度の下では行政法人についても活用していくということになっております。
 3ページ目が第三者機関たる委員会についての新旧の対比でございますが、一つ大きな違いは、新しい委員会は、総務省に置かれますが、現行の総務大臣任命から総理の任命ということになります。そして、特に中期目標期間終了時の見直しにおいて、必要に応じ総理に意見具申するということになっています。
 また、現行の政独委独法分科会は評価作業がミッションでありまして、制度の在り方自体については直接審議するものではなかったわけですが、新たな制度におきましては、目標・評価のガイドライン等について総務大臣に意見を言い、また、主務大臣にも、評価制度の実施に関して、必要があれば意見を言うということで、制度についても審議対象になります。
 それから、実際の評価ルーティンでございますが、現行は毎年度の二次評価と中期目標期間終了時の見直しの2本柱になっておりますが、新制度では、毎年度の実績評価については主務大臣の責任の範疇になります。これについては、政府横断的な観点からガイドラインを示してバラツキ等を抑えるとともに、行政評価・監視、事業レビュー等も活用して随時ウォッチをしていくということであります。そして、中期目標期間終了時の見直しにおいては存廃まで含めた見直しを行い、必要があれば総理に意見具申することもありうるということです。それから、主務大臣が新しい中期目標を作る際に意見を言っていくということで、中期の節目ごとの関与の度合いは深化したものになっています。主務大臣へのPDCA一元化と、第三者機関のチェック、相互の充実を図っていくという、メリハリをつけた設計になっていると思います。
 この法案でございますが、国会には提出されましたが、審議日程の具体的な見通しはまだ見えておりません。御承知のように、国会でもまずは社会保障と税の一体改革の審議に入ったところであり、ほかにも手つかずになっている法案がございます。そういった状況でございますので、6月21日までの会期の延長があるのかないのか、どの程度の延長があるのか等、国会状況を注視して、ワーキング等で逐次御報告していきたいと思います。
 この改革の法案の動向と政独委の活動でございますが、これも各ワーキングでお話し申し上げてきましたが、2パターンあり、今国会でこの改正法が成立することになりますと、今年の夏以降やるはずだった中期目標期間終了時の見直しはなくなります。今年度見直しに当たっている法人については、26年の新法施行まで現行の中期目標期間を延長することになります。そして、25年度中に全法人の見直しを行うということになります。これまでに中期目標期間終了時の見直しをして、現行の中期目標期間が26年4月をまたぐような法人についても、26年4月で一旦切って、新しい中期期間をスタートさせるということになっております。
 一方、仮にですが、法案が何らかの事情で成立しないということになりますと、これは現行通則法が生きておりますので、これに基づき中期目標期間終了時の見直しを粛々と行っていくということでありまして、お配りした資料の最後に参考資料5とありますが、27法人の見直しをやっていく必要があるということでございます。6月7月には成立せず、秋の臨時国会などに持ち越されたとか、会期を大幅延長して後ろの方に回されるというような微妙な状況の場合については、法案の附則では、中期目標期間が終了する前に改正法が成立・公布されれば、その中期目標期間は新制度施行まで延長されるということでありますので、それは秋なのか冬なのかわかりませんが法案が成立しましたら、その時点で中期見直し作業は中断し延期する運びになります。ただ、ずっと秋冬まで状況を見極めて、動かずにいてもいざ見直しとなったら間に合いませんので、そこは各ワーキングでも今年度27法人の見直しの下準備は進めつつ、仮に秋冬になって、中断・延期ということになりましたら、それはそこまで詰めた論点や問題意識を引き継いでいく。いずれそれは新しい中期目標に活かされていくものですので、そういうことになろうかと思います。
 いずれにせよ、現行の独法通則法が存在する以上、二次評価自体はございますので、先ほど申し上げました具体的取組に基づく二次評価については今年度も粛々と進めるということになります。
 続きまして、参考資料3−1、周辺状況として行革実行法案関係についてですが、法案が党の主導でまとめられまして、民主党と国民新党の共同提案ということで、議員立法で今年4月13日に提出されております。これも国会審議の見通しはまだ見えておりません。内容は、参考資料3−1に全体概略があり、3−2に独法に関連する部分を抜粋したものをお付けしております。内容を端的に申しますと、社会保障と税の一体改革と併せて行革に強力に取り組んでいくという、政府・与党の決意・方針を示すプログラム法でございまして、平成26年度末までの向こう3年間で取り組むべき改革のメニューと、それを推進する体制として、閣僚から成る行革実行本部、有識者から成る行政構造改革会議の2本柱で行革を強力に推進するということが書いてあります。
 この中で、独法についても数点関わりがございまして、一つは国家公務員OBの独法への再就職適正化、それから、独法役員に定年制や報酬の上限を設けるということでございます。これらについては、独法通則法改正法案にも盛り込まれておりますが、新たな行政法人の役員任命に当たっては原則公募とすること、法人の役員の定年や報酬については総理大臣が基準を定めることになっておりまして、その基準の在り方について今後検討となっています。それから、利用の程度の低い独法保有の資産について、宿舎も含め、その売却・国庫納付を推進するということもこの法案でうたわれております。また、独法保有施設へのネーミングライツ、施設命名権の活用に努めるということであります。
 それから、独法から関連性を有する公益法人へのいわゆる天下りについても、基準を設けて透明化するということ、また、独法から関連公益法人への不適切な会費支出等にも適切に対処していくということが、改革のメニューとして挙げられております。
 先ほどの二次評価の具体的取組に、宿舎や会費の話を盛り込んでいるところですが、今後も政府として取組の方針や具体的な措置が定まってきたものについては、随時、評価においてもそれを踏まえて、状況を見ていくべきものでございます。
 こちらの行革実行法の方は、先行して既に実行本部も立ち上げられておりますし、また、有識者で行革を論ずる場としまして、5月に「行政改革に関する懇談会」が副総理の下に設けられました。大所高所から今後、行政刷新や行革について議論していくということでして、初回は5月7日に開催されております。懇談会メンバーには行政刷新会議のメンバーが入っているわけですが、加えまして、政独委の岡委員長もこの懇談会のメンバーに御参画いただいております。
 ということでございまして、こういった独法改革及びその周辺の行革を含めた状況、国会審議状況については、引き続き注視し、逐次御報告申し上げていきたいと思います。
 以上でございます。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、どなたからでも結構でございます、御発言をお願いいたします。
【梅里臨時委員】  資料2−2の1ページ目のところで質問です。各府省の一次評価を行う独法評価委員会を廃止して、第三者機関を設置するという理解でいいのですか。一次評価を行う各府省の独法評価委員会と第三者機関はどのように違うか、お尋ねしたい。
【北川評価監視官】  一次評価というか、「評価」は主務大臣が行い、それに対する評価結果のチェックを新しい委員会がやるということでございます。
【梅里臨時委員】  ということは、一次評価は委員会の形で行うのではなくて、ライン上でやるということですね。それを評価する第三者機関を作る。この第三者機関というのは委員会の形ですか。
【北川評価監視官】  第三者機関は明らかに委員会の形でして、審議会になります。評価の制度所管省となる総務省に置かれることになります。
【梅里臨時委員】  わかりました、ありがとうございます。
【阿曽沼分科会長】  すみません、資料2−2の3ページですけれども、ここに中期目標行政法人と書いてございますが、成果目標行政法人と同じですね。
【北川評価監視官】  同じものです。閣議決定された今年1月の時点では成果目標達成法人という名称だったのですけれども、法案では名称が変わっております。
【阿曽沼分科会長】  わかりました。
 ほかにございますでしょうか。
【岡本臨時委員】  研究開発法人について。研究開発法人を取り巻くいろいろな主体がまた幾つか新たにでき上がってくるのですけれども、一つ気になるのは、主務大臣の下に研究開発に関する審議会を置くということですから、研究開発法人はそれぞれ主務大臣ごとにまた分断されるというか、それぞれの審議会においてそれぞれの研究開発法人ができ上がるということですか。
【北川評価監視官】  そういうことだと思います。文科省、経産省等それぞれに研究開発法人に関する審議会があり、政府全体として新たな科学技術の司令塔があり、そしてまた、政府横断的なものとしては新しい行政法人評価制度委員会が、法人の業務の効率性等の観点からチェックするということです。
【岡本臨時委員】  それはなぜそういうものができる必要性があるのですか。いわゆる横断的な総合科学技術管理をやられるというのはよくわかるのです。ここで更にもう一つ主務省ごとに研究開発の審議会が置かれるということで、この両者はどう違うのですか。私が行政刷新会議の独立行政法人改革に関する分科会に参画したときには、できるだけ横断的にという委員の意見が大勢だったように思いますが、なぜここで主務大臣の下に審議会が復活してきているのでしょうか。
【北川評価監視官】  やはり主務大臣が評価をするに当たっても、研究開発の成果の評価には非常に専門的な知見を要するからであろうと思われます。
【岡本臨時委員】  多分、所管が違うから答えられない部分もあるのだと思うのですけれども、議論の方向性とできた結果が違うように思うのですね。総合科学技術会議の方で総合的にというのは、確かにそういう議論はされておりました。ただ、そこでもう一回なぜ別の審議会が総合科学技術会議と並列されるような形で置かれるのか、それも複数置かれる可能性が十分あるわけですね。
【北川評価監視官】  ええ、各省ごとです。
【岡本臨時委員】  それにどういう意味があるのかがよくわからないのです。
【阿曽沼分科会長】  この件について関係部署に問い合わせるということは可能ですか。
【北川評価監視官】  行革事務局にもよく確認した上で後日御回答いたします。
【岡本臨時委員】  お願いします。
【阿曽沼分科会長】  第三者評価ということを全うするとすれば、総合科学技術会議の中に研究の目的において専門の委員会があり、それが評価するということであればわかりやすいけれども、岡本委員の御指摘は、各府省全部に委員会があるとすれば、今までと同じことになりはしないかという疑念だと思いますので、その辺も踏まえて、御確認いただいて、御回答いただきたいと思います。
【北川評価監視官】  はいわかりました。ありがとうございます。
【阿曽沼分科会長】  ほかにございますでしょうか。
【山谷臨時委員】  参考資料2−2ですけれども、(2)国民目線での第三者チェックというところで、二つ目の・の第三者機関の点検のほか、行政評価・監視も組み合わせて、国民目線でチェックするということは、行政相談等も活用するということでしょうか。
【北川評価監視官】  行政相談までは、明示的には入っていないと思いますけれども、各府省とは異なる政府部内の第三者的な立場から行政評価局が実地に伺って帳簿等を見るというようなことを行っております。そういう行政評価・監視をやっていくということで、評価・監視を行うに当たっては、私ども評価局としていろいろな情報をインプットした上で問題意識を形成していきますけれども、その中の端緒の一つに行政相談や苦情相談みたいなところからのインプットがあることはありうると思います。
【山谷臨時委員】  ありがとうございます。
【阿曽沼分科会長】  ほかにございますでしょうか。
 大体よろしゅうございますでしょうか。資料を御覧になって、また何かございましたら、事務局の方にお問い合わせいただいて、情報も共有していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは最後に、事務局から今後の日程について説明がございます。
【武藤評価監視官】  次回の分科会ですけれども、参考資料4にございますように、例年どおりですと7月中旬ぐらいに分科会を開かせていただきまして、各ワーキングで検討いただいた状況を報告するというのが通例のパターンでございますが、先ほど北川からも申し上げたように、法案の動向次第によっては、資料4にある真ん中の欄が、平成24年度については全く白紙になる可能性もあって、その辺は、法案の進捗状況を見つつ、随時先生方に御相談しながら日程調整をさせていただきたいと思います。また、状況については随時御報告いたします。よろしくお願いいたします。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。事務局から説明がございましたとおり、現在国会に提出されております独法通則法の改正案の審議状況によりまして、今年度の政独委の活動内容が大きく左右されることとなります。このような不透明な状況下でありますけれども、いずれにせよ現行制度における中立公正な第三者機関としての職責・使命を適切に果たすべく、各委員におかれましては、今年度も引き続き積極的な御議論に御協力をいただきたいと存じます。
 事務局におかれましては、今後の活動方針や状況の変化等につきましては、ワーキンググループの場において逐次御報告、御相談いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 予定よりも大分早く終了になりましたけれども、全般を通して言い足りなかったこと、御議論を深めたいこと、何かございますでしょうか。
【園田臨時委員】  すみません、先ほどお話しすればよかったのですが、事務局の方から、業績勘案率に関しまして、監事の責任の範囲というお話があったのですけれども、所属するワーキンググループの方で、多少フォローが必要かということになりまして、ワーキンググループでどのような議論があったのか御紹介させていただければと思います。
 監事の監査の範囲ですけれども、簡単に言いますと、何か指摘する事項があったときにそれを指摘すれば終わりなのか、または指摘した後にそれがきちんと改善されたかのフォローアップまですべきなのかが、非常に曖昧ではないかというような議論になりました。具体的に言いますと、指摘した後に同じような問題が起きたときに、それを監事の業績勘案率に反映させるべきなのかどうかというのが非常に迷うところなのですね。責任の問題になりますので、それにはやはり根拠に基づいた合意が必要だと思いますし、ワーキンググループごとに対応を違えるわけにはいきませんので、そこで少し議論が必要なんじゃないかということになりました。改善に関しましては担当の理事がいらっしゃると思うのですけれども、その理事がきちんと改善することを、実際に監事がフォローまですべきかどうかというのが、ちょっとわかりづらいところかなと議論しました。
【石田臨時委員】  一般的に独立行政法人だけでなく、一般の事業会社の監査役などの場合、内部統制の整備・運用を確保することも主要な役割なので、内部統制の整備などに不備があった場合に、その後きちんとやっているかどうかについてフォローアップすることも、やはり監事は責任を負うのではないかとの考え方もあるのではないかと思います。その辺の監事の責任を今後明確にしていただければ、私どもも業績勘案率の決定のときに迷うことがないのではないかと思いました。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。全般の業績勘案率の評価の中で、皆さん方の御意見を反映して決定させていただきましたけれども、各ワーキングの中でどういった議論があったかということの御説明だったと思いますので、事務局の方で御意見をいただいたことを受けて、今後のために御議論いただければありがたいと思っております。何かコメントございますか。
【平野調査官】  制度改革の中で監事機能の強化という形で、監事の権限や範囲もより法律で明確化されることになっております。その法律に基づいて、実際の運用についても制度官庁等で検討されるかと思いますけれども、先ほど申しましたように、その具体的な検討の中で今指摘された事項等も踏まえて行っていただくよう働きかけたいと思います。
【阿曽沼分科会長】  ありがとうございました。
 園田委員、石田委員、ありがとうございました。
 ほかに何かございますでしょうか。
 それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を終了させていただきます。本日は御多忙の中、御出席を賜りましてありがとうございました。

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