会議資料・開催案内等


―速報のため事後修正の可能性あり―

独立行政法人評価分科会(平成19年9月7日開催)議事要旨


  1.  日時 平成19年9月7日(金) 10時00分〜12時20分

  2.  場所 中央合同庁舎第2号館 総務省第1特別会議室(8階)

  3.  出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、森泉陽子委員、縣公一郎、浅羽隆史、阿曽沼元博、井上光昭、岡本義朗、梶川融、河村小百合、黒川行治、櫻井通晴の各臨時委員
    (総務省)
    関有一行政評価局長、伊藤孝雄官房審議官、若生俊彦総務課長、白岩俊評価監視官、清水正博評価監視官、岩田調査官、細川調査官

  4.  議題
    (1)   見直し当初案に関する府省ヒアリング(厚生労働省、内閣府)
    (2) 報告事項
    ・独立行政法人評価年報(平成18年度版)の発行について
    ・今後の予定について

  5.  配布資料(PDF)
    資料1  見直し当初案<厚生労働省所管3法人>
    ・勤労者退職金共済機構(説明資料本文
    ・高齢・障害者雇用支援機構(説明資料本文
    ・国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(説明資料、本文12
    資料2  見直し当初案<内閣府所管1法人>
    ・国民生活センター(説明資料本文
    資料3  独立行政法人評価年報(平成18年度版)の発行について

  6.  会議経過
    (1)  厚生労働省から同省所管の独立行政法人の見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。
    (勤労者退職金共済機構について)

    ○ 国として、制度への加入が任意である退職金制度を運営する理由は、どのような政策的位置付けによるものか。また、業務の実施主体として、独立行政法人が優れている点は何か。

    ○ 予定利回りに基づき、退職金額を算定することで、あらかじめ退職金額を示すことができ、加入者の安心が得られるとしているが、結果として予定利回りを引き下げており、もはや加入者の安心を維持するという役割を果たしていない。機構が金利リスク等による欠損金を負う必要もないため、実際に欠損金が発生した場合、結局は加入者にリスクを負わせてしまっている。予定利回りに基づき退職金額を算定する方法を変更すべきではないか。

    ○ 建設業退職金共済事業において、長期間にわたり共済手帳の更新をしていない者で、所在が把捉できていない者はどの程度いるか。

    ○ 資産運用とシステム管理について事務を統一して執行することにより、具体的に職員数と事務費はどの程度削減されるのか。また、加入受付・退職金給付業務について区分会計を活用することは理解できるが、区分会計の活用の有無にかかわらず、事務手続については統一できるのではないか。

    ○ 加入促進対策の費用対効果をどのように把捉し検証していくのか。

    ○ 業務処理の統一という言葉を使っているが、「統一」とは、単に事務書式といったものを統一するだけか、それとも抜本的な組織の再編を含むものか。

    ○ 機構において、公的サービスとして位置付けられている業務はどれかということが分かりづらい。保険契約の時期のずれを受益者間で補完することにより収支均衡を図ることを公共サービスとして位置付けているが、これは 民間でも実施していることであり、公的な色彩は薄い。
     もし、倒産リスクがないことが公共サービスに位置付ける上で重要であるならば、運営主体の維持ではなく、契約者をきちんと保護し、契約が破綻しないようにすればよいことから、民間を運営主体として同種のサービスを提供することは可能ではないか。

    ○ 業務の統一について、共済事業ごとに加入受付等を行う必要があるとしているが、民間の生命保険会社ならば、この程度の差異は保険種目の違い程度である。(複数の保険種目についてまとめて運用や支払いを行っており、)保険種目ごとに事業部を設置するということは、考えられない。

    ○ 市場化テストについて、加入促進、相談業務は、主要な業務ではないため、実施は困難であり意味もないとしているが、本当に、実施は困難なのか。効率的な業務になっているかという視点から見直していく姿勢が現れていないからではないか。

    ○ 機構と同様の業務を行っている他の民間機関がないため、市場化テストは困難としているが、他でやっている・いないにかかわらず、市場化テストを行っていくことで、効率化を図っていくものであって、他の民間機関がないことは全く理由にならない。

    ○ 建設業退職金共済事業については、当方としては、未払い退職金が仕組上発生しやすいことを問題視していたところ。3年以上手帳更新されていない者が約89万人おり、そのうち退職金の受給資格のあるものが41万人いるとのことだが、その中で実際何人が今後更新する意思があるかというのを名寄せもした上で把握しているのか。また、ここ数年間、当該事業に関して具体的にどのような取組を行ってきたのか。
     退職金給付が行われていない被共済者が何人ぐらいいて、どれぐらいの金額になっているのか、公表すべきである。


    (高齢・障害者雇用支援機構について)

    ○ いくつかの業務を廃止するとしているが、まだまだ不十分との印象である。

    ○ 事業成果について成果指標が不明確で各事業が適正規模かどうかを判断できない。事業成果をより具体的に説明すべきである。

    ○ 65才までの定年引上げなどの義務化に伴い、新たに70才まで働ける企業の実現等の政策転換をした中で、事業の見直し等を行っているが、政策転換以前から継続して実施している事業が多いことから、事業の見直しをしっかり行うべきである。障害者施策も同様である。

    ○ 障害者施策では、せき損センターの廃止や労災病院との連携にも言及しているが、労災病院自体も組織の見直しを行っているため、両者の整合性をとった上で具体案を示すべきである。

    ○ 高齢期雇用就業支援コーナーについては、業務そのものの必要性を検討し、どのようなスキームで地方協会と役割分担するかを整理した上で、全体の見直しを行うべきではないか。

    ○ 独立行政法人制度においては、企画を行う府省から事務を切り離した上で法人が実施するものである。地方協会に委託している事務によっては、機構が企画をしていると見受けられる実態は、制度上問題があり、厚生労働省に戻すべきではないか。

    ○ 現在の施策実施体制は、厚生労働省の地方支分部局、機構の地方支部、地方協会等の公益法人等があるが、短期や中長期の目標に合わせて、抜本的に機構の権限を見直し、業務の流れを整理すべきではないか。

    ○ 多くの組織や業務が絡み合った現状では、受益者はワンストップでサービスを受けることができず、数段階にわたり受益者自ら求めなければならないという現状の解決策を厚生労働省で考えるべきではないか。

    ○ 機構の業務は、ミッションとしてできる範囲が広いため、職員がいるから仕事を作っているという面があるのではないか。組織のミッション、達成目標及びアクションプラン等を明らかにし、複雑な組織を明確にする努力を行うべきである。


    (独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園について)

    ○ 厚生労働省では、障害者政策において、特に地域生活への移行が困難と思われる重度知的障害者に対し、政策全体としてどのような支援を行っていくのか。その中で、のぞみの園はどのような役割を果たすのか。また、支援サービスにおいて、のぞみの園と民間等で運営する他の施設とではどのような違いがあり、それによって、当法人の業務の必要性についてどのように考えているか。

    ○ 見直し当初案における、地域移行に関する目標として、第1期中期目標と同様「施設利用者の3割から4割の者を地域生活へ移行」としているが、実態として第1期中期目標で目標が達成できていないにもかかわらず、第2期中期目標においても同じ高い目標を立てている理由は何か。

    ○ 調査研究・情報提供、養成・研修及び援助・助言の業務に関して、これらの業務が障害者支援施策の中でどのような意味を持っており、どのように達成されたかについて検証するため、中期目標や計画において具体的な目標を設定すべきではないか。

    ○ 地域移行の進ちょくに応じて生活寮の廃止を進めるとしているが、今後の入所者数の縮減に伴う職員の削減についてはどの程度を見込んでいるか。

    ○ のぞみの園が価値のある組織となるためには、事務合理化だけでなく、別の観点からの事務事業の見直しが必要。障害者のライフコースごとにどのような施策を講じなければならない。のぞみの園と他の施設との役割分担、人材育成等も課題。これらを踏まえ、事務事業の在り方や見直し当初案について抜本的に再考すべきである。

    ○ 国の施設として障害者支援に関する調査研究等を主体的に実施した際に、調査研究結果の伝達、普及方法が重要と考えるが、養成・研修や援助・助言のほか、他の施設への職員の出向等、人的資源の流動化も取り組むべきではないか。


    (2)   内閣府から同府所管の独立行政法人国民生活センターの見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。

    ○ 消費者の相談から情報提供に至るまでに時間がかかりすぎており、センターの根本に関わる被害の未然防止等という機能が十分発揮されていないという現状に対して、情報収集の効率化を図るとしているが、今までの延長線上ではなく、根本的な見直しが必要ではないか。

    ○ 主要な業務である情報の収集・提供そのものに問題がある中で、事故情報データバンクを新たに導入することに疑問を感じる。消費者保護の一連の流れの中の付加情報であり、本来業務を整理する中で本データバンクについても考えていくのが筋ではないか。

    ○ ADR(裁判外紛争解決)について、センターが担うべき業務なのか。設立目的やミッションと合致するのか、費用対効果の関係で合理的に機能するのか疑問がある。

    ○ 同様の商品テストを実施する機関は他に多数あり、センターで直接実施する必要はない。わずかな件数の商品テストの実施をやめ、施設の有効活用についても考えるべきではないか。

    ○ 研修の成果は、センターの目的である消費者保護の観点からみた場合、受講者の満足度のみならず、消費者に対する発現効果をもとに測るべきではないか。

    ○ 宿泊施設について、仮に宿泊を伴う研修が必要だとしても、稼働率が低い現状からすれば、センターが自ら宿泊施設を所有する必要性は乏しいのではないか。

    ○ 東京事務所について、マスコミや各省庁との対応の関係で必要とのことだが、事務所としての機能と施設の資産価値がバランスするのか。機会費用も踏まえて資産を持つ必要性を明らかにすべきではないか。

    ○ 中核としての役割を強調しているが、中核を担う組織としてどうすべきかを十分検討した上で、具体的な事務事業について今一度考えてほしい。

    ○ コンピュータのソフトとハードの変更がシステムの抜本的な見直しではない。地方自治体や各府省の役割分担を含めた人や組織のネットワークについて検討が必要である。


    (3)  事務局から、独立行政法人評価年報(平成18年度版)の発行及び今後の分科会の日程について報告があった。

以上
(文責:総務省行政評価局独立行政法人第一担当室)


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