会議資料・開催案内等


―速報のため事後修正の可能性あり―

独立行政法人評価分科会(平成19年9月12日開催)議事要旨


  1.  日時 平成19年9月12日(水)13時30分から17時40分

  2.  場所 都道府県会館 101大会議室

  3.  出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、縣公一郎、浅羽隆史、岡本義朗、河野正男、河村小百合、黒田壽二、黒田玲子、鈴木豊、田渕雪子、宮本幸始の各臨時委員

    (総務省)
    関有一行政評価局長、若生俊彦行政評価局総務課長、白岩俊評価監視官、清水正博評価監視官、岩田博調査官、細川則明調査官

  4.  議題
    (1)   見直し当初案に関する府省ヒアリング(文部科学省)
    (2) 報告事項

  5.  配布資料(PDF)
     見直し当初案<文部科学省所管8法人>
      資料1 宇宙航空研究開発機構(説明資料本文
      資料2 海洋研究開発機構(説明資料本文
      資料3 理化学研究所(説明資料本文
      資料4 日本芸術文化振興会(説明資料本文
      資料5 日本スポーツ振興センター(説明資料12本文
      資料6 大学評価・学位授与機構(説明資料本文
      資料7 国立高等専門学校機構(説明資料本文
      資料8 メディア教育開発センター(説明資料本文

  6.  会議経過
    (1)  文部科学省から同省所管の独立行政法人に係る見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。
    (宇宙航空研究開発機構について)

    ○ 民間移管に伴い、ロケット打上げ時の「対応人員」を約55%削減したとの説明だが、「対応人員」ではなく、「職員数」は、どの程度削減されるか。

    ○ H-II2Aロケット標準型の場合と同様の考え方で、他の型のロケットについても、今後も民間移管は進んでいくと理解してよいか。

    ○ 「プロジェクト管理(経営審査の充実等)の強化を行い、徹底したリスク管理を行う。」との説明だが、これにより、計画の継続の可否も判断されることとなると理解してよいか。また、プロジェクト管理の中にコストの管理はどう織り込まれるか。プロジェクトが予定の予算を上回ることが多いためきちんと管理してほしい。

    ○ 見直し当初案にある「民間では実施困難な行政ニーズ等を踏まえた先端的・基盤的研究開発」とは具体的に何か。既に研究設備や研究者が存在することが前提となってニーズが引き出されているのではないか。

    ○ 航空機の事故の技術的原因究明、航空機の型式証明、先端的研究開発に貢献し役立っているとのことで、それは理解しているが、そのためにこれだけの組織が必要か。

    ○ 経済産業省が、衛星産業育成のための予算要求をしていると聞いているが、機構との関係をどう考えているか。類似の種目に対して予算要求しているのではないか。

    ○ 機構は安全安心、地球環境保護、災害対応などに関する衛星の技術開発を重点的に行うとの説明だが、衛星の技術開発に関して、商業ベースでどのぐらいのニーズがあるのか。機構はそのニーズを踏まえて開発を行うのか、それとも全く関係なく動くか。官民の役割分担はどうなっているか。

    ○ 「経済産業省の八百何十億という小型衛星の研究開発のすべてがつまびらかではない」との説明だが、研究開発の成果の普及は機構の研究においても期待されているはずである。その中で、他の省庁でも同じような種目の予算要求が出ているのであれば、もっとそれを真摯に受け止めるべきではないか。

    ○ 研究開発拠点は、相変わらず、全国的に散在している。効率的かつ効果的に研究開発を進めるためには、これらを集約化した方がよいのではないか。

    ○ 東京事務所の在り方に関する記述が見直し当初案に記載されていないのはなぜか。見直す気がないのか。これだけ交通の利便性も増した時代において、管理部門の大半を東京の丸の内に設置しておかなければならない合理的な理由があるか。事業部門から遠隔の地にあるということは、かえって、非効率な業務運営とならないか。

    ○ 名古屋駐在員事務所を縮小するとの説明だが、どの程度の規模の組織となるか。現在よりも小規模な組織で、どれほどの業務が実施できるか。規模の縮小以前に当該事務所を設置していることで、経費面も含め非効率となるのではないか。


    (海洋研究開発機構について)

    ○ 機構のミッションは何か。また、なぜ機構が独立行政法人として業務を行わなければならないのか。

    ○ 日本は四方を海に囲まれていながら海洋研究が立ち遅れており、本格的な研究は始まったばかりで「リスク」が高いとの説明だが、この「リスク」とは何か。

    ○ 広報誌を一部廃止するとの説明だが、機構の業務を国民にもっと積極的に知らしめる活動が必要ではないか。

    ○ 機構の業務の性格から、特殊で専門的な施設・設備は必要だが、外部供用はどの程度の割合で行っているか。

    ○ 機構には、機構専属の研究員と外部の研究員がいるとされているが、その割合はどのようになっているのか。また、現状で最適の割合と考えるか、それとも今後更なる改善が必要と考えるか。

    ○ 機構は船舶等を所有し、運用を外部委託しているが、所有権も含めて外部に移管し、研究・開発に特化することが合理的ではないか。

    ○ 船舶等の外部委託の会社と機構の人的な関係などはどうなっているか。

    ○ 機構の運営費交付金の約3割を占める深海地球ドリリング計画については、日米両国が10年間の経費の大半を負担することが覚書として取り交わされているようであるが、負担が当初の予定より増えた場合、機構の判断で計画参加を中止できるか。また、為替変動リスクについてはどのように考えているか。

    ○ 機構は、会議開催等を理由として東京事務所を必要としているが、所有することのメリットはあるか。


    (理化学研究所について)

    ○ 理研の研究分野は幅広いが、他の研究機関と比較して、国の科学技術政策の中での理研の位置付けはどうなっているか。また、それらの研究機関との連携状況はどうなっているか。

    ○ 個々の研究者は有名で「顔」が見えるが、理研としての具体的成果が明確ではなく理研の「顔」が見えず、国民に対するPRが不足しているのではないか。

    ○ 規模の大きな研究費が効率的に配分され、無駄な部分がないかきちんとチェックしてほしい。

    ○ 駒込分所及び板橋分所は、資産処分してはどうか。特に、駒込分所は和光市の理研本部に統合できるのではないか。

    ○ 社会に対するインターフェイスを充実させ、社会に対して成果を還元するべきではないか。特に特許という形で社会に成果を還元していくべきではないか。

    ○ 海外拠点は恒久的なものではなく、随時見直していくとあるが、当該事項を見直し当初案に盛り込むべきではないか。


    (日本芸術文化振興会について)

    ○ 文化芸術活動に対する支援について、見直し当初案によれば、舞台芸術及び映画の創造活動に対する助成事業の一元化とあるが、助成プログラムはどのようになるか。また、その助成プログラムを見直し当初案に盛り込むべきではないか。

    ○ 助成事業の一元化によって、助成規模はどのようになるか。今般の財政状況からみて、当然に縮小する方向にあるか。

    ○ 文化庁の助成事業に関する事務が振興会に移ることによって、文化庁の助成担当職員は何名削減できるか。

    ○ 各劇場稼働率の向上を図るために、積極的に劇場施設を貸し出すとの説明だが、具体的に何をするか。また、主催公演についての費用対効果とは何か。

    ○ 現代舞台芸術の研修のうち、民間でも行われているものについて、国費を投入してまで実施しなければならない理由は何か。また、文化庁の新進芸術家海外留学制度を利用してロシアなど海外で研修する方が効率的・効果的ではないか。

    ○ 前回の分科会ヒアリングの際に指摘させていただいた国立劇場の施設・設備の管理運営業務について、振興会が直営で行うということの理由は何か。

    ○ 基金を持って文化芸術を支援する独立行政法人は他にもあるが、これらとの関係をどう考えるか。また、同じ目的であるなら、他の独立行政法人の基金を含めた一元化を図るべきではないか。


    (日本スポーツ振興センターについて)

    ○ スポーツ振興投票業務について、売上回復及び経費節減により、繰越欠損金を早期解消し、財務内容の改善を図ると説明しているが、売上回復の方策とは何か。また何の経費を節減するか。さらに繰越欠損金はどれ位の期間で解消できるか。

    ○ 売上目標額を上回ったとの説明だが、目標額を超える利益のすべてを繰越欠損金の解消に充てるということでいいか。

    ○ toto事業については、一銭の国費も投入していないとの説明を受けていたが、政府出資金等で構成された基金を担保にしていることについてどう考えるか。

    ○ スポーツ振興助成のために、toto事業を行うという政策目標は、これまでの事業の運営状況をみると間違っていたのではないか。事業の存廃をきちんと議論するべきではないのか。仮にやめるとしたらどれだけのコストがかかるか。

    ○ toto事業については、こういう状況になったら廃止するということを明確にしておくべきではないか。

    ○ toto事業については、このまま続けていいのか、続けられない状況がどんな場合に生じるのか考えるべきではないか。前向きに努力をすればいいというものではない。国民にとってベストな方策を考えるべきではないか。

    ○ 災害共済給付業務、学校安全普及業務、食に関する普及充実業務及び衛生管理に関する業務のすべてを独立行政法人として行う必要はあるのか。特に、災害共済給付業務については、民間ではできないか。

    ○ 存続する附帯業務については、中央で一括して、地方6支所は廃止するべきではないか。また、業務を中央で実施した場合と地方6支所で実施した場合の経費を試算して提出してほしい。

    ○ スポーツ振興くじについて、どんな説明をされても心に響かない。このことを重く受け止めてほしい。


    (大学評価・学位授与機構について)

    ○ 認証評価は、大学基準協会や高等教育評価機構等の民間機関でも既に実施されていることから、機構の認証評価業務は廃止すべきではないか。仮に、見直し当初案にあるように、今後4年間で多くの大学の評価をこなすための評価機関数が足りないということであるならば、民間のみで対象校数に対応可能になった後に機構の認証評価業務を廃止することを明らかにし、民間の評価機関の育成に務めることが文科省の政策ではないか。

    ○ 事務局への回答をみれば、評価や学位授与に関する調査研究の内容は、恒常的に実施しなければならないものに思えない。恒常的に独立行政法人の業務として教員を雇用してまで実施する必要があるか。

    ○ 現在の認証評価は、複数の認証評価機関がある中で、大学評価・学位授与機構は国立大学、大学基準協会等は私大というように事実上住み分けされているようであるが、今後もそのような住み分けでいくか、それとも民間に移していくか。

    ○ 学位授与業務については、手数料収入でまかなえない部分があり運営費交付金を充てている。「受益者負担」の考え方から、原則として学位授与基準の検討等の部分についても手数料収入でまかなうべきではないか。

    ○ 認証評価業務、学位授与業務の主要な業務に比較して、補助業務である調査研究や情報提供部分の経費が大きすぎるのではないか。

    ○ 情報提供業務については、データベースの費用の見直しや効率化を一層図るとのことだが、特に一度システムができると、それに乗って、わりと低コストにできるのではないか。

    ○ 大学の事前規制としての設置認可と事後規制としての認証評価との関係、その中での機構の在り方はどうあるべきなのか。国大評価と認証評価の重複による評価疲れが起きているのではないか。


    (国立高等専門学校機構)

    ○ 国立高等専門学校の再編整備の検討に着手するとの説明だが、再編に当たっての基本的な考え方は何か、また、具体的な立地条件や入学志願者数等の基準はあるのか。

    ○ 国立高等専門学校の再編整備により、経費や人員はどの程度削減されるのか。また、再編の具体的な内容を見直し当初案に盛り込むべきではないか。

    ○ 専攻科に求められる人材養成ニーズとは何か。また、国立高等専門学校でありながら学士を出す理由は何か。

    ○ 国立高等専門学校卒業生のために設立された長岡技術科学大学や豊橋技術科学大学が存在するのにもかかわらず、専攻科を設ける理由は何か。

    ○ すべての国立高等専門学校に専攻科は必要ないのではないか。本科の再編の中で、専攻科はさらに再編が必要なのではないか。


    (メディア教育開発センターについて)

    ○ 「IT新改革戦略」における数値目標達成のために、センターに支援を依頼していない場合は、大学等が自らソフト開発等を行ったり、民間企業に支援を依頼しているということでいいか。

    ○ コンテンツの開発は、大学で行うことができるのではないか。

    ○ インフラ整備等がまず先決であり、その後のコンテンツの開発は民間で可能ではないか。

    ○ センターは、元々、放送大学のための組織であったはずなのに、放送大学とは関係のない事業を行っているのは問題ではないか。

    ○ 「IT新改革戦略」がセンターの業務の基本となっているようだが、戦略策定時から1年半が経過し、センターがどのような実績を挙げたのかを明らかにすべきではないか。また、数値目標を達成するために、アクションプランを策定し、センターが取り組むべき事項を明確にするべきではないか。それができないのであれば、センターの存在意義はないのではないか。


    (2)  事務局から、今後の分科会の日程等についての報告があった。

以上
(文責:総務省行政評価局独立行政法人第一担当室)


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