会議資料・開催案内等


独立行政法人評価分科会(平成19年12月11日開催)議事録


  1. 日時 平成19年12月11日(火)13時30分から13時55分

  2. 場所 法曹会館 高砂の間

  3. 出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    大橋洋治委員長
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理(※)
    浅羽隆史、阿曽沼元博、梅里良正、河村小百合、黒川行治、黒田壽二(※)、櫻井通晴(※)、鈴木豊、橋滋、田渕雪子、山本清(※)の各臨時委員

    (政策評価分科会所属委員)
    寺尾美子(※)、新村保子(※)の各委員、吉野臨時委員
    (※)を付した委員については、審議の一部に参画していない。

    (事務局)
    関行政評価局長、伊藤大臣官房審議官、新井大臣官房審議官、若生総務課長、白岩評価監視官、清水評価監視官、吉田政策評価審議室長、岩田調査官、細川調査官

  4. 議題
     平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)について

  5. 配付資料(PDF)
    資料1  報道資料 独立行政法人の事務・事業の見直し結果(第一次)
    資料2  平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)について

  6. 会議経過

    ○ 富田分科会長
     政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたします。
     当分科会では、これまで分科会や各ワーキング・グループにおきまして、精力的にご議論をいただいたところでございます。本日は、これまでご議論いただきました35法人のうち、23法人につきまして、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)」といたしまして、ご審議いただきます。
     その後、大橋委員長に司会を代わっていただきまして、政策評価・独立行政法人評価委員会を開会していただき、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)」について、議決を願えればと考えております。
     なお、残りの12法人につきましては、当分科会といたしまして、さらに議論を深めるべき点が残っていることや、政府部内において別途様々な議論が行われている状況を踏まえた上で、後日ご審議を願えればと考えております。師走の多忙な時期でもあり、分科会等の開催日程の調整が困難な場合には、持ち回りにより開催させていただくこともあろうかと思いますが、その点は何とぞご理解願います。
     それでは、まず、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

    ○ 白岩評価監視官
     お手元に資料1、資料2及び1枚紙で参考として「勧告の方向性(第一次)対象法人一覧」と題してあるものがあろうかと思います。これを使ってご説明申し上げます。資料2は、勧告の方向性の本文でございますが、これは適宜参照していただくことにいたしまして、資料1をメインにしてご説明いたします。先ほど、分科会長からご案内がございました23法人につきましては、参考の1枚紙に太枠で囲ってある23法人でございます。残りの12法人は、太枠の外にあるものでございますので、ご一覧いただければと思います。
     では、資料1をお開きください。23法人につきまして、分科会、ワーキング・グループ等でご議論いただきまして、検討した事務・事業の項目を単純にカウントいたしますと、200を超える状況でございます。そのような中から、ポイントだけかいつまんでご説明申し上げますが、事務・事業の廃止としまして、主なものをここに挙げております。
     まず、文部科学省の理化学研究所ですが、バイオ・ミメティックコントロール研究事業、ゲノム科学総合研究事業という研究について、1つの目鼻が立ったということで、この事業は廃止ということを打ち出しております。また、宇宙航空研究開発機構につきましても、垂直離着陸用ファンエンジンに関する研究開発の廃止等ができるということで、これも取り組んでいるということでございます。また、大学評価・学位授与機構につきましては、認証評価業務について、民間企業の参入が今後も見込まれることから、順次廃止または休止という方向を打ち出しております。
     厚生労働省の高齢・障害者雇用支援機構につきましては、弱者保護のため、非常に多彩な業務を営んでおりますが、そのような中で、再就職支援コンサルタント事業、あるいはせき髄損傷者職業センター業務につきましては、大分対象者も減っているというような動きもございました。地域障害者職業センターにおけるOA講習業務等の廃止を打ち出しております。
     農畜産業振興機構につきましては、蚕糸業振興業務等を廃止。また、緑資源機構につきましては、これは既に機構自体の廃止ということが打ち出されておりますが、当然に付随するものとして、3つの事業、緑資源幹線林道事業、特定中山間保全整備事業、農用地総合整備事業につきましては、現在、行っているものについてはそれが終了するまで、それ以外のものについては今後新規のものについては認めない。なお、林道事業につきましては、独立行政法人の事業という形ではなく、地方への移管ということであります。
     経済産業省の新エネルギー・産業技術総合開発機構につきましては、基盤技術研究促進事業、ものづくり支援事業という形でやっていますが、これにつきましても、一応の成果が得られたという報告もございまして、廃止を含めた検討ということでございます。中小企業基盤整備機構につきましては、戦略的基盤技術高度化支援事業、言ってみれば研究開発を委託する業務で、相手に新規のベンチャー的なビジネスをやらせるという事業ということでございますが、これも廃止を打ち出しております。
     鉄道建設・運輸施設整備支援機構につきましては、高度船舶技術開発、いわゆるTSL等の開発を行った事業でございますが、これについての利子補給、債務保証という業務の廃止ということを打ち出したところでございます。
     また、1枚めくっていただきまして、法人形態等の見直しということになりますと、事務・事業を見直していった結果、あるいは既に決まった方針に基づいて廃止というものは、平和祈念事業特別基金、緑資源機構、メディア教育開発センター。民営化につきましては、通関情報処理センター、いわゆるNACCSでございます。非公務員化につきましては、統計センターが非公務員化ということで方向を打ち出したところでございます。
     出先機関等組織面の見直しにつきましては、現在、独立行政法人が統合等いろいろな形で、存在しているものもございまして、出先につきましては重複等が多く見られたところでございますので、ここに書いてあるような独立行政法人において、統合等の提案をしているところでございます。
     保有資産の見直しにつきましては、基本的には本社ビルあるいは事務所のビルの重複があるものとして高齢・障害者雇用支援機構あるいは勤労者退職金共済機構を挙げさせていただいておりますが、このほか職員宿舎の売却という点で、この5つなどでかなり大きな数が出てくるものだということでございます。
     その他でございますが、効率化目標の設定、給与水準の適正化等、人件費も巷間話題になっておりますので、どのワーキング・グループでもかなり話題になりましたが、そういったことにつきまして、例えば公務員の出向者が多い場合において、なぜラスパイレスが高いのかといったような議論が行われていることを踏まえ、説明責任をしっかり果たすようにという方向を打ち出しております。
     また、随意契約の見直しにつきましては、11月の段階で政府におきまして、随意契約について独立行政法人のすべてを厳しく見るという中で、独立行政法人評価の仕組みも活用するという方針が打ち出されておりますので、そのような観点から随意契約を厳しく見るようにという方向を打ち出しているところでございます。
     ページをめくっていただきまして、今、申し上げたのが概括でございますが、個別の独立行政法人についてはどのようになっているか、また、右側に本文のほうとページの参照ができますように一覧の資料を作っているところでございます。かいつまんで申しますと、例えば内閣府の沖縄科学技術研究基盤整備機構につきましては、世界最高水準の大学院大学を作るというミッションははっきりしているが、タクティクスがはっきりしない。または具体性がないということで、なかなか作業が進んでいないのではないかという懸念がこの場でも問題になったところでございます。そういう点から、明確な目標設定、進ちょく状況の検証等を厳しく申し入れるような形になっております。
     統計センターについては、既に申しましたとおりです。平和祈念事業特別基金につきましては、法人の廃止ということは法律上決まっておりますが、この事業については、国に円滑に移行しなければなりません。そのためには、平成22年9月までの間、目標管理を行いながら適切に準備をしていかなければいけないということを指摘してございます。
     また、ページをめくっていただきまして、日本芸術文化振興会につきましては、文化庁の助成事業と、この振興会の助成事業の重複等が特に議論されたところで、ご記憶にあるかと思います。また、国立劇場の活用、公演回数が少ないのではないか、このような議論もワーキング・グループでは厳しく行われたところでございます。国民の文化の振興という観点から、助成事業の統合・一元化、あるいは国立劇場の公演回数の増加等、そういったことを申し入れております。
     海洋研究開発機構につきましては、2つ変わったところで、「深海地球ドリリング計画」という国際的なプロジェクトがございます。この進行管理の徹底、あるいは進ちょく状況や成果を開示して国民に謹呈する、こういったような指摘。あるいは「地球シミュレータ」は、これが一時期は世界ナンバーワンであったわけですが、その後、大きなコンピュータがどんどん開発されてきております。この「地球シミュレータ」を世界一に持っていくにはどうするべきかというようなことをせずに、この海洋研究開発機構のミッションに沿って必要な更新をするべきである、それによって更新経費の抑制をするべきであるというような指摘がされたところでございます。
     国立高等専門学校機構につきましては、ニーズがあるのですが、それにつきまして地域的な偏在も見られますので、配置のあり方の見直し、あるいは各高専に置かれている専攻科というものは実際に必要かというような問題が特に論議になったかと思います。
     メディア教育開発センターにつきましては、廃止の方針ということでございます。ICT活用教育支援業務というものの重要性ということについても、ここで議論されたところでございまして、それにつきましては、精査してスリムな形で放送大学学園において実施という形で打ち出しているところでございます。
     ページをめくっていただきまして、勤労者退職金共済機構につきましては、分科会の場でも未請求退職金の発生防止等の問題が厳しく議論されたところだと思いますが、このような問題につきまして、具体的な対策の実施を求めることにしております。
     また、ページをめくっていただきまして、農畜産業振興機構につきましては牛肉関税等を活用した数々の畜産の助成事業につきましても、保有資金が大分拡大しており、この使途あるいは資金の流れについて透明化するべきであるとともに、資金の無用な拡大を抑制するべきであるというご指摘が出されておりますので、その点を方向性に盛り込んでおります。
     また、新エネルギー・産業技術総合開発機構につきましては、研究開発業務の整理ということ、あるいは新・省エネルギー導入普及業務の事業メニューについてサンセットを導入したらどうかという形を打ち出しております。
     中小企業基盤整備機構につきましては、官民競争入札等を中小企業大学校の研修事業、現在やっております事業の約7割に相当するものについて、思い切って導入しようということで方向性に盛り込んでおります。
     国土交通省関係では、水資源機構につきまして、水門談合事件の舞台になったのではないかというような厳しい議論があったかと思いますが、内部統制の強化等の方向性を打ち出しております。
     また、環境再生保全機構につきましては、こちらで公害健康被害予防事業というものについて、効果の測定があまり十分になされていないというようなご指摘がありまして、そういう工夫をするようにということを申し入れるとともに、地球環境基金業務の改善につきましては、助成を受ける団体の固定化等をできるだけ避けるようにというような運用上の改善も申し入れるようにしているところでございます。
     以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     ただ今の事務局からの説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、どなたからでもお願いいたします。

    ○ 樫谷分科会長代理
     資料2のところで、各府省すべてとなっているんですが、例えば内閣府のところで、4ページから5ページにかけて随意契約の見直しについて書かれており、5ページの一番最後に、「また監事及び会計監査人による監査において、入札・契約の適正な実施について徹底的なチェックを行うように要請するものとする」ということで、入札とか契約が適正に実施されているかどうかについて、監事とか会計監査人で管理させようということだと思うのですが、この文章だと徹底的なチェックを行うと書いてあるだけで中身がない。例えば会計監査人として、どういうチェックをすればいいのか。単に契約書と領収書がありますと言っても無駄なことをするだけの話でほとんど意味がないということになります。要するに、入札・契約が適正に実施されているかどうかということを、どういうふうに担保するかということが大事だと思います。
     担保するかどうかというのは、例えば民間でやっているのは内部統制であります。そういう適正に行うような仕組みを作って、内部統制が有効に働いているかどうかをチェックする。これは監事も会計監査人もチェックするということになるわけです。
     単に徹底的なチェックを行うと言われても、何が徹底的なのか。特に会計監査人については、監査基準に従って監査をすることになっております。その対象となるものが、会計監査は財務諸表であり、その財務諸表が会計基準に従って作成されているかどうかを監査基準に従ってチェックするという仕組みになっておりますので、こういう徹底的なチェックということを言われただけでは、どういうことをしていいのかよくわからないという、会計士協会からもそういう話が私のほうにも来ております。
     確かにこれだけでは、監査も戸惑うのではないかと思うのですが、会計監査人も戸惑うと思います。中身については少し詰めないと、監事さんもお困りになるでしょうし、会計監査人も困るのではないかなと思います。どういうふうにこの文章を読むべきなのか、取扱いについて少し工夫をしていただきたいと思います。

    ○ 白岩評価監視官
     監査の問題につきましては、ご相談させていただければと思います。今の原案の段階では、樫谷先生のおっしゃることについて、承知の上で書いているところでございまして、昨年来あるいは一昨年来、随意契約についての取組で、各独立行政法人について、取扱いについてのルールをそれなりに定めていただいております。そのルール自体が不十分かどうかについては、見直し計画でやっていただくわけでございますが、現時点では、そのルールといったものに照らして適正かどうかということのチェックが、この中の徹底的なチェックというものではないかと考えた次第でございます。
     当然、ルールが変われば内容も変わってくる、あるいは、そのルールがまず充実すべきではないかというご指摘ではないかと思いますが、現時点において、随契についての取組の中で、いろいろ言われている中で監事さんにぜひ積極的にやっていただくというような要請を各府省のほうからすることによって、監事さんが動きやすいのではないかということもございまして、それで政府のほうにも取りまとめが出されたものをできるだけ普通の形で引用した形になるものですから、もちろん、こう書いてあるなら徹底にやる。では、何でもかんでも全部しらみ潰しにやれということになるのかと言えば、それはもちろん基準がなければいけないということは重々承知の上でございますので、何かございましたらば、それは訂正はできると思います。
     以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     樫谷委員、よろしいですか。
     ほかにいかがでございますか。

    ○ 鈴木臨時委員
     今の点に関連してですけれども、私は独法の会計監査人の監査基準を作成するときに関わったものですから、そこで今、樫谷先生がおっしゃったのは、まさに法規準拠性の監査を独法の中でどういうふうにやるかということで、非常にもめました。これは監査人との責任との関係でということで、1つは、今、樫谷委員がおっしゃるように、法規準拠性監査の場合には、準拠基準がないと監査人が責任を持って監査できないということを改めてお話ししたいと思います。それから、もう1つ、同時にこういう制度といいますか、会計監査人の監査とか、あるいは監事だとか、ここに主務省の評価委員会のことが書いていないですけれども、そういうそれぞれの制度なり、基準といいますか、それで行われているものについて見直せというような、そういう言い方をする場合に、ここに書かれるべきものなのかどうか、ちょっとわかりませんけれども、その点について少し気を付けないと、あらかじめある制度との整合性がうまくいかなくなってしまうのではないかと。意見として述べることは別に構わないと思うのですが。

    ○ 富田分科会長
     勧告の方向性というのは宛先は各主務大臣でありますので、表現としたら、こういうことだろうと私は思います。
     ほかにいかがでしょうか。

    ○ 吉野臨時委員
     資料1の5ページの真ん中ぐらい、それから7ページの民間競争入札の導入という、これはよく言われることなのですけれども、ただ、現在の価格だけが低いというのではなくて、例えばメンテナンスが必要であれば、その後の価格まで含めた割引現在価値で本来は競争入札というのを考えないといいサービスが提供できないと思いますので、競争入札というのは重要なことではあると思うのですけれども、そのスポットでの価格だけではなくて、その後のサービスまで含めた割引現在価値で考えた競争入札というのを含みとして考えておいていただきたいと思います。

    ○ 富田分科会長
     この点は、事務局からお願いします。

    ○ 白岩評価監視官
     正確には理解できているかどうかわからないのですが、今ここに使っております民間競争入札の導入というのは、いわゆる市場化テストにおける民間競争入札あるいは官民競争入札を含めた議論で、要するに市場化テスト的なことをしっかりやっていこうという趣旨で置かせていただいております。本文を見るとそういうことになっているかと思いますが、入札に際していろいろなこと、委員の述べられた点については、十分考慮するべきであるという点については、テイクノートということで、当然各省には意見を申し入れさせていただこうかと思っております。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。
     大体、よろしゅうございますでしょうか。それでは、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)」につきまして、お諮りいたします。
     「平成19年度に見直しの結果を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第一次)(案)」につきましては、独立行政法人評価分科会として、本案のとおり決定することでよろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 富田分科会長
     事後の事務的な処理につきましては、私、分科会長にご一任いただくということとさせていただきます。
     それでは、会議の初めに申し上げましたとおり、引き続き、政策評価・独立行政法人評価委員会においてご審議を願います。

    (了)






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