会議資料・開催案内等


独立行政法人評価分科会(平成19年12月21日開催)議事録


  1. 日時 平成19年12月21日(金)10時02分から10時40分

  2. 場所 総務省第1特別会議室

  3. 出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    大橋洋治委員長
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理(※)、森泉陽子の各委員
    縣公一郎(※)、浅羽隆史、阿曽沼元博、稲継裕昭、井上光昭、梅里良正、岡本義朗(※)、梶川融(※)、河野正男、河村小百合、黒川行治、黒田壽二(※)、黒田玲子(※)、櫻井通晴(※)、鈴木豊、木佳子、田渕雪子、玉井克哉(※)、松田美幸、宮本幸始、山本清(※)、山谷清志の各臨時委員

    (政策評価分科会所属委員)
    寺尾美子(※)、新村保子(※)の各委員
    (※)を付した委員については、審議の一部に参画していない

    (事務局)
    関行政評価局長、伊藤大臣官房審議官、新井大臣官房審議官、若生総務課長、白岩評価監視官、清水評価監視官、吉田政策評価審議室長、岩田調査官、細川調査官

  4. 議題
     平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)について

  5. 配付資料(PDF)
     平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)について(報道資料委員長談話本文

  6. 会議経過

    ○ 富田分科会長
     ただ今から独立行政法人評価分科会を開会いたします。
     本日は、本年度の見直し対象35法人のうち、残りの12法人につきまして、当分科会や政府部内における様々な議論が、ほぼ集約されつつある状況となりましたので、まず、「平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)」につきましてご審議いただきます。
     その後、年度評価意見の作業状況等につきまして、事務局からご説明いただき、そこで独立行政法人評価分科会は閉会することといたします。
     その後、引き続き、大橋委員長に司会を代わっていただきまして、政策評価・独立行政法人評価委員会として、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)」につきまして議決願えればと考えております。
     それでは、まず、「主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)」及び「委員長談話(案)」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

    ○ 白岩評価監視官
     お手元の資料に沿いまして、見直し結果の第二次分についてのご説明を申し上げます。広報等も兼ねてダイジェストで公表する資料として作ったものが一番上に「(案)」 であると思います。その下に「(参考)」として「対象法人一覧」という一枚紙、その 下に「勧告の方向性の指摘に当たって」という談話の案がありまして、その次に分厚 い冊子で「勧告の方向性(第二次)」本体があるかと思います。時間の関係もございま すので、ダイジェスト版を使いながら、本体を参照しつつ、まず第二次勧告の方向性 につきましてご説明申し上げたいと思います。「見直し結果のポイント」というところ にまとめておりますものをご覧いただきたいと思います。
     内閣府の国民生活センターにつきましては、警戒すべき情報、特に緊急を要するような安全情報につきまして、このセンターが主催もしくは管理しておりますネットワークに必ずしも情報が迅速に登録されていないではないかとか、そういった種々の問題点が明らかになってきたところでございます。そこで、情報分析業務のあり方、迅速な提供など、そういったことについての抜本的な見直しをすべきである、あるいは消費者行政と関係する諸機関の連携を強化すべきである、さらに、この業務全般のあり方について非常に社会的にも注目を浴びているので、平成19年度末までに、きっちりこのセンターが中心的存在になるように検討すべきである、こういう趣旨のことを述べております。
     財務省につきまして、造幣局、国立印刷局についてでございますが、通貨の製造を担当しております独立行政法人については、大きな論点として、非公務員化の論点、もう一つは、実際問題、経営に関するデータが評価をする際に必要であるにもかかわらず、必ずしも出ていないという論点、さらに、資産の保有状況についてがおおむね論点であったかと思います。そこで、このレジュメの中でも何カ所かに散りばめられて書いてございますが、これは編綴上の都合でございまして、今言ったような論点でまとめて申します。
     まず、非公務員化については、通貨の信認を確保するために公務員をもってこの業務に当たらせるべしという判断については、必ずしも当委員会としては異を申し上げないと。さはさりながら、その前提において、この両法人がほかの周辺業務について携わっていることについては削っていくべきであろうということで、ここにまず、一般向け商品である金・銀盃製造業務を造幣局については廃止、あるいは国立印刷局の情報製品事業というのは、主として市販の書籍の印刷も含む業務でございますが、このような業務について廃止するとともに、職員の診療所として持っておりました病院、特にここには小田原健康管理センター業務については明確に廃止の方向が決まっておりますので書きました。ほかにも東京病院というものがございまして、これについてもあり方を検討というようなことを打ち出させていただいたところでございます。
     次のページに、実は人員の削減ということも書いてございまして、平成18年度から5年間で政府全体としては5%以上削減するように各独法について言っているところでございますが、これにつきまして、造幣局・国立印刷局はその倍の削減を図る。
     また、国立印刷局の出張所の集約というのは、歴史的経緯もありまして、ミツマタの生産地が四国・中国地方に分散していたわけですが、現時点では、高速道路等の道路網の整備等もかんがみまして、出張所を集約すべきであると、中国地方、四国地方にそれぞれ1カ所ずつに集約しなさいということをここに入れているところでございます。保有資産の見直しのところでも、大手町敷地の適正な処分、それから保養所、職員宿舎につきましても稼働率等を勘案いたしまして、あるいは現在のこういった福利厚生施設の保有状況を勘案しまして、見直して廃止・集約を図るべきであるというような項目を申し上げてあります。
     なお、このレジュメには特に書いてございませんが、先ほども申しましたとおり、経営判断に必要なデータについて提供がない、あるいはされにくいということについては、今後は積極的に出す、この評価委員会等の評価機関からの要請があれば、それについても積極的に対応するということを方針として打ち出していただく、さらに、それを前提とすることになろうかと思いますが、各地の工場の見直しということについても若干検討の方向を打ち出させていただいております。
     本文を提示いたしますと、財務省の10ページでございますが、東京支局、具体的に言うと、造幣局の東京の工場でございますが、置かれている豊島区の都市計画等との勘案をしながら、土地の有効活用等を図るという趣旨を打ち出していただいております。
     印刷局につきましても、虎ノ門工場というところは主として官報の印刷等をやっている工場でございますが、これについて印刷機能の都内他工場への移転を図ることによる資産処分について、前向きに検討ということを勧告の方向性に盛り込んだところであります。
     次に、文部科学省でございますが、日本スポーツ振興センターにつきましては、toto業務に係る繰越欠損金が大きな問題、それに関連してというか、もっと大きな問題としてtoto業務全体の実施体制の問題という論点でございましたけれども、ともかく繰越欠損金のできるだけ早期の解消というのがまず大前提でございまして、その上で平成21年度末を目途に事業の実施体制のあり方も含めた見直しの検討・結論をするということを盛り込んでおります。
     なお、日本スポーツ振興センターは、ほかにもいろいろな業務をやっているわけですが、特に学校安全普及業務の災害共済給付業務に関連するものへの重点化、つまり、これ以外の周辺のものでいろいろなことをやっているんですが、利用度等を勘案いたしまして、無駄を刈り込んでいただく、あるいは効率化をしていただくということを盛り込んでおります。
     厚生労働省のところで、労働者健康福祉機構でございますが、いわゆる労災病院、全国に現在33ございますが、これにつきまして、同じ厚生労働省所管の国立病院との診療連携の構築と病院配置の再編成を含む総合的な検討をするようにということ。また、海外勤務健康管理センターといって、海外に行っている法人の健康相談等を受け持っているセンターでございますが、この業務の利用度等を勘案しまして、民間の損保会社等にもこういうサービスをしているところもございますので、業務の廃止等を盛り込んだところでございます。
     国立病院機構でございますが、こちらは、実は公務員独法でございます。特定独法でございます。これは、非公務員化を検討していただくということで、ちょうど中期目標期間の終了は来年度ですが、実は前倒しで今年見直した関係もございまして、ここでは平成20年度に検証となっておりますが、非公務員化の方向、取り組む積極的な方向については打ち出しているところでございます。また、労災病院との相方ということで同じ指摘をさせていただいているところでございます。
     経済産業省の日本貿易保険につきましては、報道もあったかと思いますが、大臣レベルでの折衝により、経営形態のあり方については判断がなされているところでございます。当方で問題になっている点として明らかになった点は、日本貿易保険の関連公益法人として存在する貿易保険機構、財団法人でございますが、ここが信用調査等の業務を日本貿易保険から随意契約でかなりの割合、7割を超える割合で委託を受けております。しかるに、人事的な連関も多い法人との関係を整理すべきであるということは、ここで指摘されているところでございまして、いろいろ議論した結果、随意契約は少なくとも全部見直す、また、関連公益法人につきましては、自発的な解散をするということでございますが、今回の勧告の方向性の中では、この独法に対する勧告の方向性でございますので、随意契約の見直しということが盛り込まれているところでございます。
     次に、国土交通省の国際観光振興機構でございますが、これにつきましては、ビジット・ジャパン・キャンペーン推進体制という仕組みはうまく機能しているわけですが、若干それに比して独法本体のパフォーマンスが悪いのではないかというご指摘が多かったと考えております。そのような点につきまして、推進体制を一元化して活性化するというようなことを指摘させていただこうと考えております。なお、海外宣伝事業の重点化、組織体制の整備ということがございますが、逆に国内にある機関につきましては、むしろ選択と集中を図っていただきたいということを言っているところでございます。
     空港周辺整備機構につきましては、代替地造成事業というのがあったわけですが、これにつきましては廃止ということを打ち出していただく。また、民家防音事業につきましては、空調機工事単価が、この事業そのものを始めるときに比べてそんなに高くない、また一般的になってきていることも勘案いたしまして、事業費の縮減を図れるのではないかという勧告の方向性を出しているところでございます。なお、空港周辺整備機構については、本文の53ページをご覧いただきたいと思いますが、若干組織面での見直しを行う方向性が出ているところでございます。これにつきましては、結論まで出ておりませんので、レジュメの上では書いておりません。
     次に、都市再生機構でございますが、これにつきましては、まず、都市再生事業の事業手法選択の妥当性の検証のための基準の策定ということになっておりますが、都市再生事業に都市再生機構が乗り出す場合の基準あるいは実施方法の基準、そういったものが不明確であり、一方、都市再生事業については、民間のディベロッパーあるいは地方公共団体も行っている業務ですので、その役割分担をどうするのかというのが大きな論点であったと思います。また、賃貸住宅に係る業務について、いろいろな業務を担当している独立行政法人でございますので、どういうふうにミッションを明確化するかというような論点があったと思います。
     さらに、関連会社への随意契約が大きな問題になっておりまして、これについて随意契約が多いではないかという指摘がなされてきたところでございますが、レジュメに書いた形で、まず、基準の策定と有識者による評価と評価結果の公表について勧告の方向性に盛り込む。また、市街地再開発事業の施行等に伴う賃貸住宅の新規供給は原則行わないということで、明確に賃貸についても一つの境界を画すということを言っております。さらに、関連会社につきましては、競争性のある契約方式への移行ということを盛り込んでおりまして、90%近い随契だったのが、それがほとんど0%になるところまでやるべきであるという状況を言っております。
     2ページに行きまして、今触れませんでしたほかの項目でございますが、まず、日本万博機構につきましては、大阪府と共同経営してきた公園でございますけれども、公園事業に関しては、大阪府と協議して納得が得られれば、独立行政法人としてのこの運営は廃止するという方向を打ち出しております。
     また、海上災害防止センターにつきましては指定法人化と、要するに、一般の民間の法人ではありますが、法律上、特別な業務を行う、今後の海上災害防止センターの場合には、海上保安庁長官の指示を受けて適切な処理をしなければいけない場合がございまして、そういったことを受ける資格を指定することによって得させようという指定法人化を図るという方針を打ち出しております。
     日本貿易保険につきましては、特殊会社化という方針が出ております。
     労働者健康福祉機構については、労働安全衛生総合研究所との統合という方向が、別途これは全体の101の見直しの中で行われておりますので、それを踏まえて、なお、その事業についてはしっかり整理してもらおうということが書かれております。
     非公務員化につきましては、国立病院機構について先ほど申し上げたとおりでございます。
     あとは、全体はもう既に触れたものと思いますが、その他指摘事項で、効率化目標の設定、給与水準の適正化等、随意契約の見直しにつきましては、第一次と同様に指摘しているところでございます。
     その他、法人別の主な指摘事項についても、今回残っておりますものについては、様々な論点があるものが多くございましたので、詳細に盛り込んだものとなっておりますが、今まで申し上げた中で、どの独法についても言及しておりますので、その他の部分についてはご説明を控えたいと思います。
     「(参考)」の1枚紙を見ていただきますと、結局、今回の指摘分12については、現状でこのような結論になっておりますので、これで35すべての独法について当委員会としての論点は整理できていると考えております。
     また、「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性の指摘に当たって」という1枚紙があるかと思いますが、例年、勧告の方向性を公表するに当たっては、委員長名で談話を発表させていただいております。その案としてここに書かせていただいたものでございます。一通り読み上げさせていただきます。


    独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性の指摘に当たって


    平成19年12月
    政策評価・独立行政法人評価委員会
    委員長 大橋 洋治

    1 当委員会は、平成19年度末に中期目標期間が終了する23の独立行政法人に加え、「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日閣議決定)に基づき前倒しで見直すこととされた20年度末に中期目標期間が終了する12法人の計35法人の主要な事務及び事業の改廃に関して、去る12月11日に勧告の方向性(第一次)を、また本日、勧告の方向性(第二次)を各主務大臣に対し指摘いたしました。
    2 今年度の勧告の方向性の検討・審議に当たっては、各主務府省から見直しの検討状況やその考え方について詳しくヒアリングを行うとともに、委員自らが現地に赴き実情の把握に努めながら、精力的に議論を行ってまいりました。本年2月以降、独立行政法人評価分科会、ワーキング・グループ等の開催回数は、延べ100回以上に及びます。
    3 今年度は、一部の独立行政法人における不祥事の発覚を端緒とした国民の厳しい批判がある中で、当委員会としても対象の35法人の主要な事務・事業を徹底的に見直す方針で取り組みました。
     なお、政府では、「経済財政改革の基本方針2007」に基づき、行政改革推進本部が中心となって、規制改革会議、官民競争入札等監理委員会、資産債務改革の実行等に関する専門調査会の独立行政法人改革に関連する会議と連携して、101法人を対象に多角的かつゼロベースでの見直しが行われており、当委員会の取組はその一環としても位置付けられるところであります。
    4 今回の勧告の方向性では、事務・事業の廃止、重点化、具体的な目標の設定や成果の検証等による改善、4法人の廃止を含む民営化等組織形態の見直し10法人、保有資産の見直し等、第一次と第二次とを合わせて計300以上の指摘をしております。各法人に共通する事項としては、給与水準の適正化、随意契約の適正化等の指摘を行っております。
     当委員会としては、これらの指摘が最大限に尊重され、適切な見直しが行われることによって、各法人の一層の効率的・自律的な運営に大きく寄与するものと確信しております。
     今後、各主務大臣におかれては、今般の勧告の方向性を最大限にいかして見直しを進めていただくとともに、国民に対し独立行政法人による一層効率的で質の高い行政サービスを確保するため、御尽力されることを期待します。
     最後に、独立行政法人の適正な運営には、国民の皆様の監視と御理解とが不可欠であります。当委員会としては、独立行政法人の適正な運営を確保するため、今後とも積極的な活動を行ってまいる所存でありますので、引き続き御理解を賜りますようお願い申し上げます。

    以上

     私の説明は以上でございます。

    ○ 富田分科会長 
     それでは、ただ今の事務局からの説明につきまして、ご質問、ご意見などございましたら、どなたからでもお願いいたします。

    ○ 山本臨時委員
     内容については、全く異存はございませんが、事務的な確認でございます。
     委員長談話にもありますとおり、当委員会としては、見直し対象が35法人であったので、35法人について審議、検討して指摘をしたということでございますから、このほかの政策決定がなされたものについては、この委員会としては、とりあえず関与しなかったということと理解していいのかどうかというのが1点です。
     それと、この委員会としては、独立行政法人の主要な事務・事業の改廃について意見を申し上げることができるということになっておりますものですから、それとの関係が少し混乱しているものでございますから、その2つについて事務的にお答えいただきたいと思います。内容については、私、全く異存はございません。

    ○ 白岩評価監視官
     まず、政府において今現在行われている経営形態、組織形態の見直しとの関連と捉えさせていただきたいと思いますが、事務・事業の見直し、特に中期目標期間終了時の事務・事業の見直しとの関係で言えば、整合性を図った活動をしているものと理解しております。
     そこで、関与しているのかというご質問でございますが、そういう意味で政府内での活動の状況を見極めながら、その影響を受けるような部分については、委員の先生方にもご審議いただいた上で、必要があれば案文の中にそのような内容を盛り込んできたところであり、現時点で今後そのような動きで見直すべきものがあるとすれば、その中身については盛り込むような形にならざるを得ないかと思っております。
     しかしながら、事務・事業の見直しに関わらない組織形態のみの見直しになるものもあろうかと思います。そのようなものについては、この委員会としては、先生のお言葉であれば関与しないということではないかと考えております。
     以上でございます。

    ○ 山本臨時委員
     要するに、組織形態の変更というのは、事務・事業の改廃に当たらないという事務局のお考えということでお伺いいたしました。

    ○ 富田分科会長
     事務・事業の効率的な運営など影響を与え得る可能性があるがゆえに、政府全体の議論と整合性を合わせて、35法人についてはこういう形で提言したと。ただ、山本委員お尋ねでありましたのは、35以外の法人についてのこともあったんですけれども、それを事務局よりまだお答えいただいていないようなのですが。

    ○ 山本臨時委員
     いや、今のお答えでいいと思うのですけれども、分科会長の解釈と若干違っている点は、事務局のお考えは、組織形態の変更のみというのと事務・事業の改廃というのは、どうも切り離されてお答えになったと私は理解しています。
     ところが、分科会長の意見は私と非常に近くて、組織形態の変更というのは、当然、効率性であるとか事務・事業の改廃と一体的なものであるから、果たして切り離せるものかどうか。

    ○ 白岩評価監視官
     むしろ今のお話につきましては、切り離す内容になっているものはということで、事務・事業の見直しと密接にリンクするものは当然あるという前提でございます。
     それから、35以外の法人のことについて分科会長のご質問がありました。中期目標期間終了時の事務・事業の見直しというのがこの委員会のミッションでございます。過去にこの委員会からそういう指摘をなしたものが、66法人の中にあるなど、関連がございますので、それについては事務局でも内容を注視しておりまして、その関連性、矛盾等が生じることがあるのかないのか。あったとして、ここで我々としてどういうふうに考えるべきであろうかということについては、必要に応じご相談させていただいてきたつもりでございます。
     私どもの理解では、今までこの委員会においてなしてきた問題提起をそのまま受け継いでいるもの、また、その後の事情の変化に応じて新たに判断したものはあっても矛盾はしていないもの、そして、先程申しましたとおり、事務・事業の見直しと必ずしも関係のない組織経営形態の選択に関わるものにとどまっているものと私どもは考えております。
     以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。

    ○ 岡本臨時委員
     今回見直しのあった35法人のうち、特に日本貿易保険について申し上げたいことがございます。
     私自身は、本日提示された本文についての異論はございません。
     ただし、報道資料の見せ方なのですが、気になりますのは、2ページ、「法人形態等の見直し」で、「特殊会社化」というところでほかの項目と同じように書かれています。
     この報道資料というのは、政策評価・独立行政法人評価委員会としての見直しを行った結果ということでございますので、ここは若干取扱いを違うようにすべきではないのかなと。はっきり申し上げますと、この項目だけに関して、大臣折衝の結果というのを書いていただきたいということです。
     本文については異存はございませんので、そういう取扱いはできないものかどうか、確認させていただきたいと同時に、もしできるのであれば、そのようにしていただきたいということです。

    ○ 富田分科会長
     この点、形式的なこととはいえ、非常に重要な問題でもありますし、また、それでいきますと、ほかの同じく2ページの条件つき廃止だとか指定法人化の法人というのも、そこまで書いてしまうのかという問題もあるように思います。
     そういう意味で、ここでは政府全体の意思決定の中での決定ということでまとめてあると私は理解していますが、言っておられることもよくわかります。

    ○ 岡本臨時委員
     大臣折衝の結果そのものについて異論を挟むつもりはございません。ただし、その内容自体は、実際のところ、ワーキング・グループ、評価分科会、それから政独委の議論で積み上げてきたものではないという点が気になっております。報道資料の中で、他の部分との違いを正直に見せるべきではないかということをということを申し上げておきたいと思います。

    ○ 富田分科会長
     大変気になるところでして、本文の43ページに今の岡本委員のご指摘と関係するところがあって、こういう書き方になっておりまして、ここまで要約できないのでこういう形になっていると思うのですけれども、事務局はこの点をどのように考えておられますか。

    ○ 白岩評価監視官
     体裁についての考え方は、分科会長がおっしゃったとおりであろうかと思います。
     全体として先程も申しましたとおり、談話の中にも入っておりますが、政府全体の取組の一環としても位置付けられる取組であったことについては、ご案内のとおりだと思っております。もしそうであるとすると、おそらく101法人の見直しについての取組についても、本日中に結論が出ると漏れ聞いておりますが、その内容についての記者に対する発表のときに、これについては、条件つき廃止であるとか、特殊会社化という結論であったということで公表されるところになります。
     そこで、委員会の考え方について、ぜひ先生方に案としてお示しするときの考え方としてご理解いただきたかったのですが、そういう結論を踏まえて、我々としては、どういう指摘をするかということを勧告の方向性に書いたのだと思っております。
     その意味では、審議した結論である部分と、それに伴っていろいろなことを検討した部分がある。それをここに要約したときに、たまたまこうなってしまったわけでございます。
     しかし、もしそうであるとすれば、おっしゃるような趣旨につきましては、これを発表する時点で、ご説明の中に大臣折衝でこうなったので、ここについては我々としてはこういう項目を勧告の方向性に盛り込んでおりますと、本文の44ページに書いてあるような項目を盛り込んでおりますというご説明をさせていただくという形のほうが誤解がないのではないかなと思うのですが、いかがでございましょうか。

    ○ 岡本臨時委員
     わかりました。了解いたしました。

    ○ 阿曽沼臨時委員
     今、そういう議論が出たので、労働者健康福祉機構についてですが、この内容については、全く異論はございません。
     報道資料4ページに労働安全衛生総合研究所との統合とあります。これは、以前に産業医学総合研究所と産業安全研究所を統合するという指摘をして、労働安全衛生総合研究所となったものです。
     その統合の中で、労働者健康福祉機構との業務の重複もあるので、抜本的にもう1回、もっと大枠で見直せばいいという議論はあったのですが、今回の見直しに関しては、労働安全衛生総合研究所との統合については、議論もしていない。
     しかし、この1行が入ったことについては、別に方向性としては間違いではないだろうと思うのです。
     もう一つの問題は、労働安全衛生総合研究所は、統合された後のフォローアップを全くしておりません。
     そういう意味では、もし記者発表の中で解説をしていただくとすれば、今後、年度評価をする中で、労働安全衛生総合研究所も対象になっておりますから、統合した結果、どういうようにいい組織になったのかについて我々が評価させていただき、その前提において、労働者健康福祉機構との統合が、どういう方向で検討されているのかを、年度評価の中できちんと見ていくということを加えていただくといいのではないかなと思います。いかがでございましょうか。

    ○ 白岩評価監視官
     ご趣旨は踏まえさせていただきたいと思います。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。

    ○ 河村臨時委員
     国立病院機構の非公務員化のところで「平成20年度に検証」という言葉が使ってあります。これは方向性としては固まっているからということで、先ほど評価監視官からご説明いただいて、平成20年度で中期目標期間が終了する法人ということだと思いますが、「検証」というのは、ごく一般には、何かやってみて、それでその効果等を確かめてというときに使うことが多い言葉かなという気もしまして、この言葉の持つ意味合いがよくわかりません。今、何か一応方向性は出ているけれども、もう一度それを最終決定するのが来年度という意味なのか、その辺をお教えいただければと思います。

    ○ 白岩評価監視官
     そのとおりでございます。要するに、方向性は出ているのですが、実際問題の細目ですね、どういう形でとか、どういう手順でとか、あるいは職員の方々との打ち合わせ等もあろうかと思いますけれども、そういったことについての検証をしていかなければいけないということだと思っております。

    ○ 河村臨時委員
     わかりました。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。大体よろしゅうございますでしょうか。
     それでは、お諮りいたします。「平成19年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(第二次)(案)」につきましては、独立行政法人評価分科会として本案のとおり決定するということでよろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 富田分科会長
     なお、事後の事務的な処理につきましては、私、分科会長にご一任いただくこととさせていただきます。
     また、年度評価意見の作業状況につきましては、事務局より報告があるとのことですので、ご説明願います。

    ○ 白岩評価監視官
     いろいろな検討をいただきまして、今年は35、通例よりも見直しの法人数も多かったこと、また、政府全体で101の独法について組織経営形態の見直しが行われていること等から、実は、まことに恐縮なことながら、年度評価、例年であればこのタイミングで結論を得ているものにつきまして、そのような議論をする環境にございませんでした。
     しかしながら、年度評価書自体は9月までに提出があったわけでございまして、それについて先生方のご協力を得ながら可及的速やかにこちらの評価をさせていただければと思っております。
     まず、来年になりましてワーキング・グループ等を開催いたしまして、1回か2回になるか、またもっと必要になるのか、ここは内容にもよると思いますが、それを踏まえて、できれば来年1月の終わりまでにまたこのような委員会を設けていただきまして、委員会としての結論を出していただきたいと考えております。
     幾つかのワーキング・グループでは一度ご検討いただいているところもあるかと思います。これにつきまして、先ほど説明したスケジュールに沿った形でのご審議をいただければありがたいなということで事務方としては考えております。
     以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     ただ今の事務局からの報告につきまして、ご意見、ご質問等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。よろしゅうございますでしょうか。
     それでは、会議の初めに申し上げましたとおり、引き続き政策評価・独立行政法人評価委員会においてご審議をお願いいたします。
     大橋委員長、よろしくお願い申し上げます。


    (了)






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