会議資料・開催案内等

政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(2月15日開催)議事録


  1. 日時  平成20年2月15日(金)13時30分から15時30分

  2. 場所  法曹会館 富士の間

  3. 出席者
            (分科会所属委員)
      金本良嗣政策評価分科会長、寺尾美子委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、高木勇三臨時委員、高橋伸子臨時委員、立花宏臨時委員、田中常雅臨時委員、田辺国昭臨時委員、永瀬伸子臨時委員、八丁地隆臨時委員、吉野直行臨時委員
      (オブザーバー)
      宮本幸始臨時委員
      (総務省行政評価局)
      関行政評価局長、伊藤審議官、新井審議官、若生総務課長、松本(敦)評価監視官、吉開政策評価官、吉田政策評価審議室長

     
  4. 議題
            1. 政策評価の点検活動の状況について
      2. 政策評価の機能の発揮に向けて
      3. 平成20年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について

  5. 資料(PDF)
            資料1−1   政策評価の点検活動の状況について
      資料1−2 評価の内容点検で検討対象としている事例
      資料2 重要対象分野に関する評価の大枠について(案)
      資料3 平成20年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について

  6. 会議経過
    【金本分科会長】  まだお見えになっていらっしゃらない委員の方がいらっしゃいますけれども、定刻になりましたので、ただいまから政策評価・独立行政法人評価委員会の政策評価分科会を開会させていただきます。今年になって初めての分科会ということになります。早速始めさせていただきたいと思います。
     今日は3つの案件がございまして、それぞれについて事務局から説明をいただいて、御審議をいただきたいと思います。
     初めは、議題1の「政策評価の点検活動の状況について」、松本監視官から説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
    【松本監視官】  評価監視官の松本です。よろしくお願いします。
     お手元の資料1−11−2を用いまして説明をさせていただければと思います。
     まず、資料1−1を御覧いただければと思いますが、現在の状況を簡単に御説明したものでございまして、私どもの客観性担保評価担当といたしましては、昨年1年間に各府省が実施した政策評価、自己評価ということでやられておるわけですけれども、その客観性を高めるという観点からチェックをいたしております。
     チェックにつきましては2種類ございまして、1つは評価のやり方ということで、評価として本来備えるべき要件、これを満たしているかというのを、チェックしておるということでございます。
     なお、資料1−2は、本日、個別に御説明するものでございますけれども、評価の内容に立ち入った点検ということでございまして、これは認定関連活動といいます。認定というのは私どもの権限にございまして、各府省の評価、これがきちんとやられてない場合には、場合によっては代わって評価を行うというものがございまして、それぞれの府省が評価をきちんとやられているかどうか、これをチェックしていく活動でございます。
     資料1−1の下のほうでございますけれども、本年のやり方点検につきましては、今回、説明は省略させていただきますけれども、規制の事前評価というのが新たに義務付けられましたので、その関係の審査というのをやっていきます。これは始まったばかりでございますので、やり方を個別にみるというよりは、向上に向けた課題を抽出するということで、ベストプラクティス的なものをピックアップして、各府省の評価の参考にしていただけるようにということを考えております。
     2ページを御覧いただければと思います。今日お出しした資料でございますけれども、個別の事例としては65事例を御用意しております。こういうものを用意しておりますが、それぞれの府省が行った評価のうち、私どもが読みまして、いろいろと疑問を持ったものについて各種照会をしておるわけですけれども、照会の過程で、それではわかりましたというものもあるわけですが、なお疑問が残る、あるいは改善すべき点があるというものについて、最終的に整理をして、その改善を促していこうということでございます。
     それでも改善がみられないということになると、なお、私どもが代わって評価を行うという余地があるわけですけれども、とりあえずのところは自己評価が原則でございますので、改善を促していくといった作業を今行っているというところでございます。
     ちょっと飛びまして、4ページ、一番裏になりますけれども、現在行っている政策評価の件数を表にしております。上のほうが、政策評価法によって評価が義務付けられていない一般の政策ということで、それぞれの府省が評価を行っているものですが、基本的には実績評価方式で事後に行われているものが多くございます。それ以外、事業評価方式で行われているものと総合評価方式で行われているものがございまして、677件ございます。これについては、全部目は通したという形になっております。
     下のほうの「義務付け4分野の政策」なんですけれども、公共事業が件数としては2,300程度ございます。一昨年はもっと件数が多かったのでございますけれども、これは例えば、農林水産省において政策評価に関する基本方針の改定等を踏まえ、評価対象を評価法に基づく法令の義務付けの範囲という形にしまして、そこで件数が大幅にダウンしているといったことによるものでございます。
     資料1−2に移らせていただきます。
     こちらに、今回、個別の事例ということで整理をさせていただいておりまして、1ページ目でございますけれども、これまでですと、評価の内容点検につきましては、個別の事例がただ並んでいるという形だったんですけれども、今回、公共事業とその他の政策で、大体どのあたりで問題があるのかというのを類型ごとに整理をいたしまして、その類型ごとに何か横断的に言えるものはないか。こういったことを考えながら作業を進めておるところです。
     と申しますのも、個別の事例だけを取り上げても全体の底上げになかなかつながらない側面もございますので、共通にみられた課題については、共通的にも物を言っていこうということで、それで評価の質を高めていければいいなというねらいを持っておるものです。
     2ページに移らせていただきます。個別の事例について当方のもった疑問点とそれに対する各府省の現時点の見解をまとめておりますので、順次御覧いただきたいと存じます。
     2ページ、3ページでございますけれども、これは公共事業の関係で、仮想市場評価法(CVM)という手法を適用しているものでございますけれども、その適用の仕方に問題があるのではないかといったものを掲げております。
     例えば、事例1−2でございますけれども、これは大阪府の堺市の沖合に人工干潟を整備するという事業でございます。この事業を実施した場合には、大阪府全世帯に便益が及ぶという想定にしておるわけであります。私どもの疑問は、この手法をとった場合には、便益が及ぶ世帯を大阪府とした以上は、大阪府の全世帯から無作為に抽出するというのが、この手法の基本であると考えられますが、今回、アンケート調査は行われておりますが、アンケート調査は、大阪府のうち、堺市であるとか堺市近辺、この事業の近いところだけを取り出しておりまして、大阪府全域から満遍なくとったと言えないのではないか。結果的に、この事業に対する支払いの意思というのを問うているわけですけれども、支払う意思が比較的高い人たちのアンケートをとって、それを大阪府全体にかけているということで高目に出ているのではないかということでございます。
     事例1−3は、石川県金沢城公園で、アンケートをとっており、これも石川県の全世帯に及ぶとされているわけですけれども、アンケートをとったのが、公園に来た人でございますので、公園に来た人であれば、やはり公園について高く評価する傾向がみられるのではないかということをこちらとしては疑問を持っている。それぞれ、国土交通省は、そう言う疑問があるということについては今のところ認めておりまして、今後、やり方について、あるいは分析について検討していきたいという見解が示されております。
     4ページに移らせていただければと思います。
     4ページは、トラベルコスト法というものなんですけれども、あるものを整備したときに、そこにどれぐらいの人がどれぐらい遠くからどれぐらいの頻度で行くか、その旅行費用を計算しまして、それが価値であるといったやり方をするものでございます。ただ、それもあくまでもアンケートをとったりして、仮定を置いて行うものでございます。事例1−5というのは徳島の事例でございますけれども、これはアンケート調査はとっているんですけれども、そもそも近隣住民がどれぐらいここに行くかというのをとるようなアンケートではなくて、そこで働いている人へのアンケートを行ったということで、アンケート自体に問題があったのではないかという事例でございます。
     事例1−6は、旅行費用というのを算出したときに、新しくつくるところに、それだけを目的に旅行する場合には、例えば、下のほうですと鳥取砂丘なんですけれども、大阪から鳥取砂丘だけに行くのであれば、その費用を全部カウントしてもいいと思いますけれども、それが主目的でない場合、それは適切に按分すべきというところですけれども、事例1−61−7は、複数目的があるというのは考慮せずに、全部がここを主目的で行くことにしております。1−6は、道の駅に親水施設を整備するというものでございますので、道の駅というのは大体通過、そこだけを目的にして行くことは少ないと思いますので、それを全部そこに行くための費用と換算しているというのは過大になっているのではないかといったことが疑問として挙げられるといったものでございます。それぞれより精緻に行う余地があることを国土交通省も見解として示しております。
     6ページ、7ページ、8ページでございますけれども、こちらは需要予測の観点、需要予測が過大ではないかといったことについて疑問があるということで、やりとりをしているということでございます。
     事例1−11でございますが、七里長浜港というところの防波堤を整備するという事業でございますけれども、防波堤を700メートル程度整備するわけでして、現状で600メートルぐらいは既に整備されておりまして、あと100メートルぐらいというところまで来ているんですけれども、輸送の実績は、現在、年間で5万トン程度です。これが今後10年間で40万トン増加し、それで便益が発生すると言っているんですけれども、その根拠はどうなんでしょうかということで、疑問を投げかけておりまして、現時点で、国土交通省は増えるんですと言っており、平行線という状況でございます。
     次に、9ページに移らせていただきます。
     9ページは、ちょっと観点が違うものなのですが、河川改修を行ったことによって被害が防止される、これが便益であるということで算定しているものでございます。河川の場合は、ある一定の水量が流れ、その水位が高くなると、氾濫を起こすというようなシミュレーションを行って、雨量とかから換算するわけでございますけれども、シミュレーションを行っております。その結果出た値が、過去の実績値と比べても高過ぎるのではないかというのがこちらの疑問点でございます。先方の見解としては、氾濫のシミュレーションをやっているんだけれども、ある一定水量を超えたら氾濫するという前提でやっていますと。ただ、氾濫しない場合があるのは、おっしゃるとおりなんだけれども、それがどういう要因かというのは、なかなか今の知見ではあらかじめ算出できないということでございまして、なかなか難しいんですというのが回答になっております。
     10ページも同様の案件でございます。
     11ページ以降は、これは整備した場合と整備しない場合を比較しまして、その差というのを、整備した場合のほうがいいというようなものでございます。
     事例1−16は厚生労働省の水道事業なんですが、これは、安威川ダムというのを大阪府の北のほうにつくる。それから、紀の川、これは和歌山県ですけれども、それから水源をとる、かなり昔からそういう事業があります。ただ、大阪府の水需要自体がそれほど増えてございませんで、工業用水を転用して一部は賄うというように、途中から計画は変更されております。
     ただ、工業用水から一部賄っても、なおダムと堰をつくるのは必要だということで、今回、評価結果が出ているということでございますけれども、そこのそれぞれの関係というのがよくわからないということで、新しくダムをつくった場合だけ、それは耐震構造にするので、地震が起こった場合、そこから給水できるんだと。したがって、ペットボトルで水を備蓄する必要もなくなるんですよということを便益として計算しているということでございますけれども、他の施設も耐震化するようですし、仮にこれだけ耐震化したとしても、そこから給水車で全部に配るということも想定しがたいのではないかということで、便益の算定としてどうなのかと、疑問を投げかけておりまして、現時点では議論が平行線になっているところでございます。
     15ページに移ります。事例1−23というのがございまして、土地区画整理事業なんですが、土地区画整理というのは、土地を整備しまして、地価の上昇を見込んで、事業として成立するというものなんでございますが、実際問題として、ここのひたちなか市の事業はうまくいっておりません。地盤が悪いといった状況にあるということもあって、地元でも休止してはというような状況なんでございますけれども、国土交通省の評価書では継続となっておりまして、そこの関係はどうなのかということでございます。
     公共事業の評価書というのは、短冊のようなものが並んでいるというのが、公表されているものとしてはあります。国土交通省ではそういうものをどうやって算出しているんですかといった場合には、資料はいろいろ出していただいております。継続ということで、否定的な面は全く書かれてないという状況なんですけれども、こちらが入手した情報と比べますとどうなのかなという疑問があるというものでございます。
     次に17ページでございます。17ページ以降は、公共事業以外のものを挙げております。これも事例がたくさんございますが、最初のグループとしては、政策評価というのは、政策による効果に着目して、それを把握するということが基本になっているわけでございますけれども、効果を把握したと言えるのかどうかといった点で問題がある。これは従来よくあるパターンで、なかなか改善が進んできてない部分の1つであります。
     事例の2−1ですが、金融庁は、利用者保護ルール等の整備・徹底ということで、事務運営の報告、こういうことをやりましたというのが続きまして、端的な結論ということがありますけれども、ここに、達成度と判断理由がAとありまして、この理由が、法律が成立したとか、政令、府令の整備に着実に取り組んできたのでAだというようなことを言っておるわけでございます。政策評価のもともとの趣旨は、法律や政令をつくるとか、予算を獲得するだけで、その効果を把握してなかったということが問題になって、導入につながったわけでございますので、これはよくあるパターンではありますけれども、効果に着目して評価をやっていけないかということで議論しております。金融庁はこういう事例が多いわけでございますけれども、特にこの分野は、可能なのではないだろうかということで、ここから議論させていただいております。金融庁としても、改善を図っていきたいということで、検討いただけると理解しております。
     次に、19ページ、事例の2−6です。これはかなり難題なんでございますけれども、基礎研究について一定の資源を確保するという目標を掲げておるものでございます。
     これにつきましては、予算を確保すること自体を目標として、予算を確保すればうまくいっているのではないかということなんですけれども、実際、基礎研究の予算というものをうまく測れてなくて、例えば、大学共同利用機関の予算、運営費交付金も全部算入して、実際に基礎研究に使われたかどうか確かでないものも含めて、それで確保しましたと言っているんですけれども、何らかの政策効果に着目して考えられないだろうかということでございまして、今のところは、考えなきゃいけないのはわかっているんだけれども、なかなか難しいというのが文部科学省の見解でございます。
     以下、20ページ、21ページも、予算額とか予算に基づいて設置したものの数とか、そういったものを指標としておるというグループでございます。
     22ページ、23ページのグループは、実績評価方式をとっておりますので、指標をそれぞれ設定しております。政策をはかる指標として物差しを設定しているんですけれども、それがあまりにも全体をとらえてないのではないかとか、あるいは、設定すらしてないのではないかというものがございまして、事例2−12は法務省なんですが、従来は、保護司の充足率とかを挙げていたんですけれども、それはやめまして、保護司に対する研修が重要だということで、研修を指標としますと言っているんですけれども、研修をどれだけやったのかとか、どうやったのかということについては特段の記述もなく評価されておるということで、研修は重要だとおっしゃるのであれば、何かそこについて、もっと具体的に分析すべきじゃないだろうかというのがこちらの考え方でございます。
     25ページでございますけれども、こちらは、指標とそれぞれの政策の評価の因果関係がよくわからないというものでございます。事例2−16は厚生労働省の事案で、医療従事者の確保を図るという、医師不足を取り上げておるわけですけれども、この中に個別目標2というのがございまして、「出産、育児等に対応した女性医師の多様な就業を支援する」となっております。多様な就業なので、いろんな形での就業、就業形態の多様化というのをはかるのかなと思うわけですけれども、実際の指標としては、女性の医師数だけ挙がっていまして、多様な就業というのはどこで測定するんだろうという疑問があります。
     女性医師バンクというのを設立したという記述があって4件ありましたとあるんですけれども、これは、もともとの女性医師バンクだけの目標だと、実は、200件という目標を掲げておりまして、それとの比較も考えますと、これで進展があったというには、ちょっと少ないのではないだろうか。分析としてどうかということで、多様な就業というのを測定するような指標、これを充実していくべきではないかというのがこちらの考え方でございます。
     26ページは、指標の特定ということで、これもよくあるパターンなのですけれども、実績評価の場合は、指標を掲げて、目標を定めないと、なかなか測定のしようがないわけですけれども、目標が特定されていないというものでございまして、2−20は、警察庁の案件です。警察庁の政策については、難しいのは承知しているのですがそこは議論していくということで、改善に向けた検討をお願いしたいということで、これを挙げたわけでございます。警察庁の中でも一部のところは、犯罪の発生に関するような指標を掲げているところもあれば、これは絶対難しいんだと言っているところもあって様々なものですから、全体として向上を図ってほしいということで、議論をさせていただいているということです。
     27ページですけれども、最終的な目標値に対応した中間年度、5年後の目標を掲げておって、途中の目標が特段定まっておらないので、途中の年度はどうやって測定するのだろうというのがわからないものでございます。
     事例2−22ですけれども、男性の育児休業取得率については、閣議決定では10%という目標があるんですけれども、評価書上は、前年度増というのを目標にしていまして、現状は0.5とか、ちょっと減っているという状況なんですけれども、とりあえず横ばいだということを評価書では言っていまして、それ以上の分析はなく、全体として有効・効率的だということでございます。ここは男女別にもっときめ細かく評価をし、閣議決定の実現に向けた道筋をつくっていくべきじゃないかということで、議論を続けているというものであります。
     28ページにいきまして、判断基準が甘いのではないかということが言えないかというものでございます。事例2−24というのは文部科学省の取り組みなんですけれども、学校の安全。文部科学省は、それぞれ評価について、判断基準というのをS、A、B、Cと掲げておりまして、この取り組み自体は評価すべきものではあるんですけれども、防犯マニュアルを活用している学校の割合、活用している、または実施している割合が100%だとSだと、50から100がAだといっています。50から100でAというのを想定どおり進展というのが文部科学省の評語なんですけれども、50%ぐらいでAと言っても、実績を見ますと、96とか、かなり高い数字が出ていますので、政策について効果が出ているのかどうかということについては、この基準ではなかなか伺えないのではないかということです。
     さらに、例えば、通学路の安全点検とかは、一部分だけやっても、実施していることになっております。こういったところで改善ができないかと疑問を呈していますが、文部科学省としてもここは改善をしていきたいという回答をいただいております。
     以下、過去の実績を踏まえると、もうちょっと高い目標が設定できるのではないかという事例がいくつかありまして、32ページでございますけれども、農林水産省の2−29という事例があります。中山間地域の1戸当たり農家所得の総所得を維持するという政策を立てておりまして、トレンドとしては、高齢化とかそういったもので下がっていくだろうというものを、政策的努力で維持しようという目標を立てておるわけでございます。485万という値を1回達成しており、その後下がっていっているということですが、実績値としては448万で、目標の維持に対して92.4%だけれども、これはAだと。農林水産省は、目標に対して9割超えていればAだとしているんですが、下がっていっているものを、90までAだと言ってしまうと、そこは政策がうまくいっているのかどうかという判断としてはどうなんでしょうかということで、この基準を変えるか、あるいは、もっと中身を分析するかということをできないのかという形で、議論しているところであります。
     その次、資料1−2の事例2−30でございますけれども、「スポーツの実施を通じて、子どもの体力の低下傾向に歯止めをかける」という目標を掲げております。従来は、50メートル走とかソフトボール投げの数字を挙げて、これはそれほど上がっておらず、体力が低下傾向にあるということなんですが、それを参考指標に変更しまして、アンケート調査からの指標に変更したと。3年に1回する世論調査なんですけれども、子どものスポーツ環境が変化したかどうか、よくなった、悪くなったというようなことを聞いて、これの答えをみて判断するということと、「体力の低下傾向に歯止めをかける」ということの関連というのがみえにくくなっているのではないかというのがこちらの疑問でございます。
     以下、それぞれ事前に立てた目標と関係なく評価をしているのではないかというものがございまして、34ページの企業等OB活用というのは経済産業省の事業ですけれども、目標はそれぞれ1万人と3,000件と掲げているにもかかわらず、目標は達成してないわけですね。達成してないんですが、達成度は低いんだけれども、数字的実績とは別にということで、手厚くやっているんだということを書いておりまして、実際問題としては、そこの目標に届かなかった原因とか、そういったことを本来分析すべきところだと思いますけれども、そういったことは特に触れていないというものでございます。このように、指標と評価結果の関連のところに疑問があるというものが幾つかございます。
     35ページにいきますと、情報通信システムですね。ここは事業数だけをとらえておりましたので、そこでは評価はできないのではないかということで、総務省としても改めて分析を行うというものでございます。
     事例2−39でございますけれども、こちらは政府開発援助、ベトナムの関係なんですけれども、外務省の評価書をみますと、全体のプロジェクトをみたとおっしゃっているんですけれども、実際、評価書には健康医療分野だけうまくいっているということだけが書かれております。ただ、ベトナムの援助については重点分野がいくつかございますので、重点分野について、ある程度網羅的に書くべきじゃないかということで、ここはもう少し外務省としても記述を増やすことに努めたいという回答をいただいておるというものでございます。
     それから、事例2−40ですが、これは農林水産省、先ほど、方式として目標値を定めて90以上ならAだとおっしゃっているんですけれども、これについては、1つの指標について160%という達成度が出ているものがあり、これは汚水の処理人口普及率なんですが、これが、人口が減った面もあって大幅に達成したということなんですけれども、そういうものを掲げるというのはどうなのか。160というのを、またほかの指標の値と足して評価しているということがありまして、全体が高くなってはいないかということで、こちらも先方と議論しております。
     今、御説明させていただきましたけれども、それぞれ評価について、いろいろ疑問点を投げかけて、改善の方向に結びつけていきたいということで作業を進めております。
     もちろん、ここに出しておりますのは、こちらとして疑問を持ったものですので、疑問を持たないようにきちんとやっているという評価がたくさんあるということは、申し上げておきたいと思います。
     こういった方向で議論していることについての御意見であるとか、さらに、各府省で行われている評価の向上に向けてのいろいろな御示唆をいただければありがたいと思います。
     説明は以上でございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
     それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見をお願いいたします。
    【高木臨時委員】  1点質問で、1点意見なんですけれども、質問のほうからまいりますが、公共事業のほう、24件ということで整理していただいて、内容をみますと、ほとんどが国土交通省の案件だと。農林水産省の案件は1件という、そのほか、厚生労働省の案件ということですけれども、実施されている公共事業の数からしますと、農林水産省のところが非常に指摘が少ないのかなという感じを持ちますが、これは農林水産省の評価自体が適切であったということからなのかどうか。その辺のところを教えていただきたいというのが1点です。
     それから、「その他の政策」ということで事例別にまとめていただいたわけですが、資料の目次をみますと、府省別の状況というのが何となくわかるような、理解できるような感を持つんですけれども、このような整理というのが、私、非常に有効なのではないかなと思いますし、まず、これ、1から5までがプランニング段階の問題であると言えると思いますし、6から8が、実施における問題と整理できるかと思うんですが、その整理はさておきとしまして、次年度おやりいただくときに、今回の結果と、その次の年度の結果とを府省別に比較するような表をおつくりいただくと、全体像がますます理解されやすくなるのではないかなと思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。
     以上です。
    【金本分科会長】  御質問について、何か。
    【松本監視官】  今の最初の御質問の関係なんですけれども、実は、公共事業は、去年は幾つかやったんですけれども、特に農業関係のは十分取り上げておりませんでした。今年実質初めてなんですけれども、国土交通省の関係は、先ほど資料を御覧いただきましたが、短冊が出ているんですけれども、これの資料は出していただいております。農林水産省にお伺いすると、計算の過程について改めて資料を作成する必要があるといったこともお伺いしている状況でございまして、農林水産省の案件は、算出根拠とか、資料を順次提出いただき、1つ1つ聞いていっている現状でございます。
     ということがあって、今の段階で、この算出根拠、この点がおかしいのではという指摘はできる状態にはないというのが率直な状況でございまして、ただ、今回、そうした算出根拠とかそういうものを資料としては入手しつつありますので、これを参考にして、今後、中身を精査するのに役立てていきたいとは考えております。農林水産省は、他の府省と比べて指摘がないからうまくいっているということでは必ずしもなく、うまくいっているのかどうが分からないという状況であろうと思います。
     それから、2番目の御提言につきましては、ありがたい提言ということで、検討させていただければと思います。以上です。
    【金本分科会長】  それに関して、この内容点検の後、どういう処理になるんですか。公表はどのようにされるのでしょうか。
    【松本監視官】  従来は、一度、報告書の取りまとめの直前に分科会での議論をやらせていただいたんですけれども、最終的には、報告書という形で、総務省からの疑問と、それぞれの府省からの最終的な回答、今、平行線になっているものも改善に向けて、できれば改善の方向というものを先方からいただきまして、それを取りまとめて公表という形を考えております。こちらの政策評価分科会は次回は3月17日でございますが、そこで御報告させていただいて、その後に公表ということを考えております。
    【金本分科会長】  公表されるとすると、今言われたような、まじめに対応しているところが誤解を受けることにならないように考慮すべきだと思います。データの整備、公表の度合いなどの取組が不十分なものについては、その状況を整理し、公表する必要があるのではないか。
     そのほか。
    【吉野臨時委員】  今のに関連なんですけれども、府省ごとのバランスというのがちゃんととれているかどうかだと思うんです。やはりみやすい指標のところから、どうしても手がつけやすいとしますと、数量的になかなかできない政策のところは、どうしてもうまく点検ができないような気がします。ですから、そういったことがないようにする必要があり、バランスをきちんと考えていただきたいと思います。
     2番目は、先ほどの文部科学省のように、児童・生徒の安全とかいうのは、地方公共団体と中央政府の連携というのもあると思うんですけれども、ここの評価はすべて中央政府だけからしかみてないと思うんです。本来であれば、もっと地方公共団体がその部分をやったほうがいいかもしれないわけですけれども、そういう点も本当は少し考慮していただきたいと思います。
     それから、これ、文部科学省の現場の先生からなんですが、こういう政策評価が来ると、現場の先生にみんな丸投げなんですね、アンケート調査で。そうすると、いっぱい来るというんですよ。それで、現場で忙しいのに、何でこんなに答えなくちゃいけないんだと。そうすると、先ほどの、体力で、50メートル走何秒ですかというと、全部それを埋めなくちゃいけない。ですから、アンケート調査でやっていただくことは非常にいいんですけれども、現場の手間暇というのもあるということは御承知おきいただければと思うんです。
     最後は、こういう政策目標の達成のときに、大きな流れなんですが、中間目標が達成されたかどうかということをみて、本当の最終目標じゃないところで評価している府省が多いような気がするんです。ですから、そこも気をつけていただいて、それが本当の目標ではないというようなものもあると思います。
     以上です。
    【松本監視官】  御提案につきましては、また検討させていただければと思いますが、まず、府省別のバランスという点では、今回、件数を増やしておるんですけれども、できる限りの府省について認定関連活動の対象としております。その上で、府省別に、評価をめぐる状況が違いますので、初歩的なことを言わなければいけない省もあれば、高度なことを言っても議論になるところもありまして、議論のステージが違うというのはございます。
     ですので、そもそも政策評価と言えるのかどうかといったところから指摘をしているところもあれば、数値の目標値の話とか、そういったものの議論になっているところもありまして、アンフェアではということなんですけれども、全体の底上げということで、それぞれ省に応じた処方せんを考えていきたいと考えております。
     それから、現場の手間暇とございましたけれども、これは、現状に加えてやれというようなことを言っているものではなくて、そもそもあるものなのに、急にそれをやめるとか、全然違うものを使うというのはどうなのかということでございますので、たまたまとっているので有益な指標があるのであれば、それを使うのであって、違うのを急に持ち出すというのはおかしいのではないかという観点から、今回指摘しておるのでございます。
     それから、中間的な目標とかいうのはおっしゃるとおりでして、かなり手前のところで評価しているなということでございますけれども、それは、まだまだ底上げということで、ステージ別という話もしましたけれども、行政がやったことだけでとらえているところは、それより先にいっていただいて、途中でやっているところは、さらにもっと最終的なアウトカムで評価するようにという方向に進めていきたいと考えています。
    【金本分科会長】  今さっきの地方の先生という話も、こういうもののやり方がモグラたたき方式だから問題というところがあって、何か悪いところを見つけてたたくということしかやっていないわけです。本来、地方分権して地方でやるべきものを国がやってきたことが悪いのであって、その中で国をたたくと地方に余計な仕事が増える、そういうストラクチャーがあるのかなという気がします。その辺、ちょっと考えていただかないと、縦割り役所の弊害というのが増幅されるという、甚だ本意と違うことが起きそうな気がいたします。
     そのほかにございますでしょうか。
    【八丁地臨時委員】  あまり専門家じゃないのであれなんですけれども、資料1−2の評価の内容点検の検討対象としている事例というのを御説明いただきまして、大変な仕事をされているなと思ったのと、やっぱりこういうふうに評価をしている知恵というか、ナレッジというか、というものに相当の蓄積があると強く感じるんですが、こういう知恵とかナレッジというのは、国民だとか各府省にも開示をされているのかどうかというのをお聞きしたいと思ったんです。つまり、ここに書かれているというのは、もう各府省が既にやってなきゃならないもので、政策評価の具体的なノウハウではないかなと思いますので、こういう情報が、例えば、FAQだとかQ&Aとか、どこかに公開されていると、毎年同じこういうことがあるのか、新しい課題なのか、直されたことなのかというのが、こういう流れだとか、それから、実際に評価を各府省でしている方への総務省のノウハウの提供だとかいう面で大きく役に立つのではないかなと思うんですが、その辺はどういうふうに今現在はされているんでしょうか。
    【松本監視官】  現状を申し上げますと、そもそも客観性ということでいろいろチェックするという活動自体が、外部に見えるような形できっちり理論化されているというまで至っておりませんので、外部にも提供できていなかったというのが今までの状況ではなかったかと思います。
     今回は、蓄積も増えてきましたので、ケーススタディー的に、こういうのに気をつけろというのを言えないかということで、ある程度、それぞれの府省に提言するように持っていけないか。ただ、これだけでは提言としてはまだ足りないのかもしれませんし、理論的にはまだ不足している部分もあると思いますけれども、それはまた、この政策評価分科会でも引き続き御意見をたまわりながら、さらに各府省にこういう形で提言していけばというお知恵もいただければありがたいと考えています。
    【金本分科会長】  そのほか、何かございますか。
    【佐藤臨時委員】  恐らく政策評価に対する評価というのは、多分、AだったかBだったかということよりも、政策評価の手法自体が多分問われなきゃいけないと思うんです。だから、せっかくこれだけの資料があって、しかも、先ほど、どなたかがおっしゃっていたように、まじめに出してきている府省があって、そういう府省が誤解を受けないようにするために、政策評価の結果がAだったかBだったかじゃなくて、政策評価の仕方が妥当だったかどうかで評価してあげるという手もあって、それが将来的には、もちろん仕事の中身というのは府省によって違いますので一概には言えないかもしれませんが、政策評価の手法であるとか書き方とかのひな形になっていくと思いますので、これだけせっかく資料を集めていらっしゃるので、やっぱりある意味で、結果じゃなくて分析の仕方として一番いいのはどういうものだったか、あるいは、一番だめだったのはどんなものなのかという、こういう例示を示したほうがいいのではないかと思いますけれども。
    【松本監視官】  これまで、分析の仕方とかで、ベストプラクティス的なものは報告書の中でもいろいろ紹介はさせていただいております。今回も、こういう悪い例だけじゃなくて、先ほど規制の話も申し上げましたけれども、いい例だとか、あとは、総合評価は、今回あまり取り上げておりませんけれども、多角的にきっちり分析している例なんかは取り上げて、これはいい例だというのを紹介するというのは引き続きやっていきたいと思っております。
    【金本分科会長】  その点に関連して、指摘ができるレベルがいろいろあるということは、外には見えないんですね。例えば、CVMを、最初のところで疑問があるものと出ていますが、CVMを使っている評価がどれだけあるかということ自体もわかってないときに、何か突ついてみて、おかしそうなのがあるところだけ出しているという、そんな感じに見受けられます。今さっきの農林水産省との関係でいえば、多分、農林水産省で使っている手法がたくさんあると思うんですが、どういう手法をどうやって使っているかということの情報自体が出てない。それは、最初のところで問題があるという話ですね。それが何件あるとか、そういった情報が出てないとまずいのではないかという感じがするのが1つ。
     CVMについては、私もそんな専門でもないんですが、かなり教えたりしているものですから、ここで出ている問題点というのは瑣末な問題点であることが多いんですね。本来の問題点というのは、例えば、非常に特定の地域にしか便益がないものについて、大きなアンケートをとって、例えば、北海道に何とか川というきれいな川があると。これを整備すると、当然、環境が守られると。そのときに、北海道のその地域の村の住民、北海道全体の住民、東京の住民、こういうぐあいにアンケートをとっていって、東京の住民もそこそこの、1人3,000円とか4,000円とかというのが出てくるんですね。それに東京の住民数を掛けると莫大な便益が出てきます。これ、実際にかなりやられているんですね。そういう非常に大きな問題をほうっておいて、細かいところをみているといった感じがあるんですね。そういう意味で、もう少しシステマチックに手法について横断的に全部押さえて、どういう問題があるかということを指摘していくという必要があるんだろうという感じがします。それを事務局だけでやるというのはなかなか難しいかなということがあって、体制をもう少し考える必要があるかなという気がいたします。
    【松本監視官】  先ほどの、もともと外からわかるかというので、とりあえず、この資料で眺めていてもなかなか出てこないんですけれども、たまたま事例1−3の金沢城公園は「アンケート調査」とあります。ただ、上のものは、アンケート調査とは特に書いておりませんので、実際、この事業の評価にあたりCVMをとったかどうかというのは別に調べて分かったということになっていまして、他の事業でとっているのかどうか、農林水産省はそもそもCVMを用いているのかどうかは、なかなか全容が分からないというのが現状でございます。
     今回、たまたまCVMがたくさんあったので、これの問題点を並べておるんですけれども、さらに大きな問題、CVMという手法自体の大きな問題というのは確かにありまして、そもそもこれを用いて、これは絶対とか、そういうこと自体が適当なのかという問題もたくさんあると思いますので、こちらはまた新たな評価が年度末にも出てきますけれども、それをみながら、検討するということで考えていきたいと思います。
    【立花臨時委員】  私も実は、今日話題になった、ある省の政策評価委員をやっていて、なるほどなと思って、今、松本監視官からのお話をお聞きしたんですけれども、こういった話をお聞きしながら、1つは、各府省の政策評価に当たっているアマチュアの評価委員といいましょうか、そういう人たちのレベルをどうやってアップするのか。しょせんと言ったら投げやりかもしれませんけれども、アルバイト的な感じで政策評価をやっているわけで、その辺の能力というか、レベルをどうやってアップするのかということと、それから、ベースは各府省の政策評価課というのがありますけれども、そういうチームでやっているわけで、しかも、この人たちはローテーション人事で替わっていくわけで、本当のプロでもないわけですね。ある意味でいえば、各府省の外部評価をやっている人たちもアマチュア的な感じ。各府省で自己評価やるチームも、二、三年のローテーションの中での担当ということで、アマチュアというか、正直言うと、レベルがどうなのかなということは、この辺の全体の仕組みとも関係してくるかもしれませんが、こういったレベルアップをどうやって図っていくのかということが、1つ、共通の課題となっている。
     もう一つは、分科会長のお話にも関連しますけれども、こういったのが、予算とかそういった査定とかにどのようにつながっていくのか。そういうところが、どうも必ずしも見えないなという感じがして、まだまだこういった課題を解決していかないと、やはり自己評価というのは限界があるのではないかなという感じがして、そうならない前に、まだいろいろ解決すべき課題がありますから、そういった点を各府省の評価の体制、レベルアップ、それから、それに雇われて、民間の有識者的な感じで、第三者評価的な各府省の外部評価に従事している人たちのレベルアップをどうやっていくのか。それと、それを予算等にどう活かしていくのか。その辺がどうも、今日のお話を伺って、課題かなという感じがいたしました。
    【金本分科会長】  なかなか難しい課題で、私も幾つか、ほかの省の評価委員をやっていますけれども、省全体の外部評価委員会みたいなのはできているということで、そういうのをつくれとだれかが言ったという話があるんですが、うまく機能しているかというと、必ずしもそうではなくて、単に膨大なものをざっとみて、その場で何かお話しして終わりという、そんな感じで、専門的なことをやるだけの時間もありませんし、能力もない、そういう状況です。そんなものに何の意味があるかというところが若干問題かなと。
     個々のこういったものについては、それぞれについて利害を持っている人たち、あるいは、お金を出す人たちが1件1件みないといけないというたぐいのもので、評価委員会が1つあって、そこがやれば済む、そういう話ではないはずなんですが、それがうまくいくようになってないというところだと思います。基本的には、1件1件の情報が公開されて、利害関係者がワイワイ言っているというところがないと、結局、機能しないのかなという感じがいたします。なかなか難しいですね。
     そのほか、何かございますでしょうか。
     よろしゅうございますか。ちょうど予定の時間でございますので、第2の議題で、「政策評価の機能の発揮に向けて」について、吉開政策評価官から御説明をお願いいたします。
    【吉開政策評価官】  私から、資料2に基づきまして、御説明を申し上げたいと思います。
     昨年の11月26日に、政策評価の重要対象分野ということで、少子化社会対策に関連するものとして、育児休業制度、子育て支援サービス及びワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組、それから、若年者雇用対策、農地政策、この3分野の5政策、これを総務大臣から経済財政諮問会議に意見具申いたしまして、そのとおりの提示が経済財政諮問会議から行われたわけでございます。これらの重要対象分野の選定に当たりましては、政策評価分科会、ワーキング・グループにおきまして議論を重ねていただきましたので、改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
     その後でございますが、ワーキング・グループで引き続き、重要対象分野の評価を行う際の指針となるものを各府省に示すべく議論を行っていただきました。この御議論を踏まえまして、事務局が取りまとめたものが、今お手元にあります資料2の「重要対象分野に関する評価の大枠について(案)」というものでございます。
     本日は、この評価の大枠について御説明申し上げた上で、御議論をお願いしたいと思っております。さらに、その上で政策評価分科会から御指示をいただきまして、本日の議論の内容も含めまして、関係府省に伝えてまいりたいと思っております。
     それでは、資料2につきまして、ポイントをかいつまんで御説明申し上げたいと思います。
     まず、1の「評価の対象とする政策(施策・事務事業)」とございますけれども、これは、重要対象分野として選定された政策パッケージが幾つかあるわけでございますが、その政策パッケージの中で、どの施策、事務事業を評価の対象として選定すべきかという考え方を示したものでございます。
     評価の対象とする具体的な施策、あるいは事務事業といたしましては、経済財政諮問会議が提示した評価のねらいというのがございますので、これを踏まえまして、各府省が特に重要な役割を担うと考える施策、あるいは、評価によって見直しですとか改善が見込まれる施策といったものを選定してくださいと求めております。
     それから、2番目の「評価に当たって明らかにすることが望ましい事項及び留意点」というのがございますけれども、この中では、4つのメッセージを各府省に伝えたいと思っております。
     まず、(1)でございますが、政策がその目標を達成するまでの道筋、ロジック・モデルを明らかにしてくださいということを求めております。申し上げるまでもなく、本来、政策というものは、明確な因果関係の流れに沿って論理的に組み立てられなければいけないはずのものでございますけれども、現状は、先ほどの松本監視官からの説明にもありましたように、必ずしもそうもなっていないということもありますので、こういった現状を踏まえまして、最初のメッセージとして、このロジック・モデルを示してくださいという点を申し上げております。
     (2)でございますが、評価によって政策の問題点を洗い出して、見直しですとか改善の方向性を示してくださいと求めております。
     特に重要対象分野の評価でございますので、経済財政諮問会議に最終的にその評価の結果を報告するわけですけれども、経済財政諮問会議における議論に耐えられるものにしなければならない、そういうレベルにしなければならないということで、単なる進捗状況のモニタリングのような評価にはしないでくださいということで釘を刺しているわけでございます。
     (3)の「評価の観点」でございますけれども、この中では、必要性、有効性、効率性という観点の3つを示しております。これらは、政策評価の基本と申しますか、閣議決定で定めております政策評価に関する基本方針がございますけれども、こういったものの中にも定められているベーシックな事項ではございますが、各府省の官房はともかく、評価を実際に行う現場レベルで本当にちゃんと浸透しているのかというと、疑問もございますので、念のために記載をしているというものでございます。
     (4)でございますが、昨年来、政策評価分科会、あるいはワーキング・グループで議論を重ねていただいておりますけれども、その中で、特に少子化社会対策ですとか若年者雇用対策の分野において、利用者の視点からの評価がもっと必要なのではないかとか、地域別にどういうふうに効果が発現しているのかという分析をきちんとやるべきではないかという御意見が繰り返し出されておりましたので、これを総論的に(4)のところで書いて、メッセージとして出しております。
     次のページにまいりまして、各論でございます。このページと次のページ、四角で囲った箱書き部分がございますけれども、この部分は、昨年11月に経済財政諮問会議から提示があった内容をそのまま記載しておりまして、その枠の外の下の明朝体で書いた部分が、政策評価分科会からの指摘事項として各府省に伝えていきたいと考えている部分でございます。
     箱書きの部分、経済財政諮問会議からの提示が大きな課題であるといたしますと、政策評価分科会からの指摘というのは中課題という整理になると考えております。
     まず、育児休業制度でございますけれども、経済財政諮問会議からの提示の中では、女性の継続就業が増加してない原因について掘り下げた分析をしてくださいということを求めておりますけれども、政策評価分科会からの指摘事項としましては、それをさらにブレークダウンいたしまして、3つを整理しております。
     まず1つは、これまでの育休制度の効果把握。それから、今後さらに育休制度の制度拡充というのが予定されているようでございますので、その効果の見込みを明らかにしてくださいということを求めております。
     2番目としましては、育児休業をそもそも利用できない者が多く存在していることが問題ではないかということで、そういったことに着目した原因分析を行ってくださいということを求めております。
     3番目でございますが、男性の育休取得を促進するための施策、これの見直しに資する評価を行ってくださいということをメッセージとして出しております。
     次の「子育て支援サービス」でございますが、経済財政諮問会議からの提示の中では、保育所の待機児童につきまして例示を出しておりまして、その原因分析、これまでの取組の効果の検証を求めているわけでございますが、政策評価分科会からの指摘事項といたしましては、保育所待機児童の解消のための施策のほか、放課後対策ですとか、地域の子育て支援などについても、各種の施策の中から、特にパフォーマンスの高いものを見極めてくださいということを求めております。
     2番目の認定こども園でございますが、これは御承知のとおり、平成19年度から開始されたばかりの施策でございまして、まだ効果の見極めが難しいという面はあるかと思いますけれども、期待の大きい施策でもありますので、そういったことを考慮しまして、これまでの保育所、幼稚園とどこが変わったのかということを明らかにしてくださいということを求めております。
     3番目は、総論のところでも出てまいりましたけれども、利用者の満足度という言葉がございますが、利用者の視点からの評価ということを求めております。
     3)の「ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組」でございますが、経済財政諮問会議からの提示では、これまでの施策の効果の検証と、新たに数値目標が設定されましたので、数値目標を達成するためのロジック・モデルの明示を求めているわけでございますけれども、政策評価分科会からの指摘事項といたしまして、具体的に、企業規模別の検証を行っていただいて、これまでの施策について、どういった隘路、ボトルネックがあるのかということを明らかにしてくださいというメッセージを出しております。
     最後の「若年者雇用対策」でございますが、経済財政諮問会議からの提示では、各種施策の効果を検証して、パフォーマンスの高い施策を見極めてくださいと求めておりますけれども、政策評価分科会の指摘事項といたしましては、このほかに、年齢ですとか性別、学歴、地域別にみて、施策の対象として取りこぼしがされている階層はないかということを明らかにしてくださいということとともに、これまでの施策の成功例、失敗例を整理することによって、今後に活かせる知見を得ることができないか検討してくださいと求めております。
     冒頭に、3分野5政策と申し上げまして、このほかに農地政策があるわけでございますが、農地に関する新たな法案が今国会に提出されるかどうか、不透明な状況となっております。農林水産省は、来年度の政策評価の実施計画において、農地政策の評価の実施をするということを盛り込みたいとしておりますけれども、具体的な評価の時期ですとか、どういった方法で評価をするのかということにつきましては、法案が提出されて、それが成立して、政策自体が確定した後でないと議論できないという状況でございますので、その旨、御報告を申し上げたいと思います。
     資料2につきましては以上でございまして、次に、19年度の重要対象分野に関する今後のスケジュールにつきまして、御説明申し上げたいと思いますが、この分科会におきまして、今から御説明するようなスケジュール感で進めていってよろしいかということを御議論いただければと思っております。
     まず、本日、2月15日の政策評価分科会で、評価の大枠について御議論いただきまして、御了解いただけましたらば、各府省に伝えてまいりたいと思っておりますけれども、各府省はそれを踏まえまして、3月中にはおおむね評価の実施計画、20年度の実施計画を作っていくということになると思います。
     4月以降、具体的な評価作業に入ることになるわけでございますけれども、経済財政諮問会議にその評価結果を伝えていくということをにらみますと、遅くとも9月末までには評価結果を提出してくださいということを各府省に現時点でお伝えしているところでございます。
     評価書が提出されるまでの間どうするのかということでございますけれども、4月から7月ごろまでに、各府省から評価の取組状況をワーキング・グループにおいてヒアリングするなどの対応が必要ではないかとの御意見をいただいております。先ほども申し上げましたとおり、最終的には、経済財政諮問会議にこの評価結果を報告してまいりますので、評価書の出来上がりが経済財政諮問会議における議論に耐えられるものになっているのかどうか、途中段階で状況を把握する必要もあるのではないかと考えております。場合によっては、政策評価分科会から各府省に意見を述べることもあるのではないかと考えております。
     予定どおり、9月までに評価書が出てまいりましたらば、10月以降、どういった形で経済財政諮問会議に報告していくのかということを、ワーキング・グループ、政策評価分科会、政・独委員会にお諮りしてまいりたいと思います。
     最終的に、昨年のスケジュールにならえば、11月の下旬に評価結果といったものを経済財政諮問会議に報告する、または、評価が間に合わないものについては経過報告を行うという段取りになると考えております。
     私からの説明は以上でございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
     それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
    【高木臨時委員】  9月に評価書を提出ということであれば、4月から7月までのところで、ワーキング・グループにおける各府省ヒアリングというのは絶対的に必要なのではないかなと思っておりますが、ワーキング・グループにはいろいろ御苦労をかけるということになるのですが。あと、スケジュールがみえにくいものですので、確認の意味で述べさせていただくのですが、実施計画の改定が3月に行われるわけですが、新年度の計画のところで、今回の大枠についてのところでまとめられているような話が、いかに4月以降の年度の実施計画に反映されるかということも非常に重要と言えますので、4月から7月のワーキング・グループのヒアリングの中でそのようなことも把握していただいて、その結果を総括したような形で、10月以降のワーキング・グループ、政策評価分科会、政・独委員会で教えていただくという構図も是非ともお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  そのほか、何かございますでしょうか。
    【永瀬臨時委員】  ワーク・ライフ・バランスと育児休業制度のところなんですけれども、いろいろお話ししたことをそれなりに取り入れてくださっていると思いますと申し上げた上で、次の点を申し上げます。結局、女性の就業継続が進まないということとワーク・ライフ・バランスがとれないということは非常に深くかかわっています。現在のワーク・ライフ・バランス政策等の対象は、企業の常用雇用者が中心となっています。しかしワーク・ライフ・バランスといったときには、無職の人も含め、また、パートで働いている人も含めてみていく必要があると思います。また、常用雇用についても、一般職的な働き方の人から総合職的な働き方の人までみるべきです。それ全部を含めた意味で、ワーク・ライフ・バランスがとれるということと、女性が就業継続するということと、さらに見合った育児休業や子育て支援等のサービスがあるということ、これらを総合的にみる必要があると思います。
     なので、育児休業制度だけを取り上げるのではなく、また、ワーク・ライフ・バランスといったときにも、厚生労働省の白書等をみると、基本的には、常用雇用の正社員のワーク・ライフ・バランスがどうとれるか、企業がどう努力しているかということが中心に報告されていますけれども、広い目でみたワーク・ライフ・バランスに対する評価、働き方に対する評価であってほしいと思うというのが1点目です。
     2点目は、子育て支援サービスの2つ目の認定こども園のところですけれども、これは、どこが変わったのかだけではなくて、すごく期待されているわけですけれども、あまり増えてないとすると、何で増えないのか、そこを少し分析してほしいと思います。
     それから、育児休業制度の箱書きの部分1)の「女性の就業継続の増加には必ずしもつながっていない」という部分ですが、女性が就業継続を、潜在的には望んでいるのにもかかわらず、なんで現実には選択しないのかということに関連して考えてみると、例えば、一定の仕事は非常に忙し過ぎて先が見えないとか、キャリアの見通しがないとか、いったん離職してしまった後でもキャリアが形成できないとか、そういったことにつながっています。それは3)のワーク・ライフ・バランスがとれるような仕事があるのかどうかにかかわっていると思うんです。そうしますと、ワーク・ライフ・バランスの明朝体の部分の最初の指摘事項のところは、企業規模別だけではなくて、就業形態別にも検証すべきなのではないかと思います。ワーク・ライフ・バランス関連施策の効果を、企業規模別だけではなくて、就業形態別にも考えていく必要があると思います。
     若年者雇用対策ですが、フリーターに対する施策が行われているとしても、どこに行けばその施策に出会えるのかが分からず、実際にアクセスできていないような層がかなりいるのではないか。ですから、利用者の視点って、先ほど総論のところでおっしゃっていただきましたけれども、若者にどのぐらいアクセスが可能となっているのか、実際に施策が届いているのかという、そういうところもみていくことが必要なのではないか。それが届いていないとしたら、何で届かないのかということをみていく必要があるのではないかなと思います。
    【金本分科会長】  何かありますか。
    【吉開政策評価官】  先ほど説明の中で申し上げましたとおり、これは単に、目標を立てて、達成されました、されませんでしたというだけの評価ではなくて、経済財政諮問会議の議論に役立つようなものにしてくださいということを各府省に対してこれまでも言ってきておりますので、今の御意見を担当の省に伝えて、できる限り、今おっしゃったような視点も含めて、評価できるように議論をしていきたいと思います。
    【立花臨時委員】  今の吉開政策評価官のお話を踏まえて、一、二点、気がついた点を申し上げますと、1つは育児休業制度ですけれども、企業規模によって随分利用率も違っていますので、企業規模別の分析もしたほうがいいのかなという感じがするのと、それから、明朝体の3つの指摘事項のうち、真ん中の部分、「育児休業を利用できない者が大きく存在することが、女性の継続就業を増加させない原因として考えられないか」という部分ですけれども、一方で、やはり結婚とか妊娠を契機に退職を希望する女性も依然として多いわけで、こういった女性の就業率向上のために、育児休業以外に何が効果的な対策になり得るのかという、そういう視点も含めて評価していただくことが必要ではないかなと思います。つまり、逆に言うと、どのような働き方を、雇用の場を提供する企業としては用意すべきなのか、そういったことを考える材料にもなるのだろうという感じから申し上げるわけです。
     次の「子育て支援サービス」のところですが、これ、御案内のとおり、縦割り行政の問題が絡んで非常に難しい問題だと思いますが、1つは、昨年の12月に、内閣府の規制改革会議から、保育とか子育てについても問題意識とか具体的な施策ということで、答申といいましょうか、評価が出ていますので、その辺もこういった論点のときに、可能なものはできるだけ盛り込んでいただきたいなという感じがいたします。
     ワーク・ライフ・バランスに関連して言えば、私どもの立場から言うと、規制するよりも、むしろ、どうやってインセンティブをつけるかという見方が望ましいかなという感じがするのですが、例えば、政府調達の上で配慮をするとか、これを普及させていく上でまだまだ普及のための方策というのは工夫する必要があるのかなという感じがいたします。
     若年者雇用の問題については、確かに、ここに書いてあることでしょうけれども、本当は我々親が、自分自身、反省なのですけれども、やはり親がどうやって子どもたちに、自分たちの働き方を見せていくのかということで、私自身、そういった点を避けてきたな、逃げてきたのではないかなという反省があるのですけれども、そういう意味から言うと、やはり初等教育の段階から、働くことの意味なりを子どもたちに考えさせるといいましょうか、そこのところが出発点としては非常に大事ではないかなと思います。それは当面の、こういったフリーター対策にはもちろん役立たないわけですけれども、根っこのところはそういったところにあるのではないかなという感じがいたします。
     以上です。
    【金本分科会長】  ありがとうございます。
     何か。
    【吉開政策評価官】  今、多数の御意見をいただきましたけれども、1つ、例示で申し上げれば、最初におっしゃった育児休業の話でございますけれども、まさに、今の育児休業制度がどうであるかという評価だけではなくて、そもそも、女性の継続就業を増やしていくためにはどうしたらいいのかという議論が、随分政策評価分科会とかワーキング・グループでございましたので、その議論を踏まえて、そもそも育児休業を利用できない者が大きく存在するという、非正規雇用の話ですけれども、こういったことも観点に入れて、女性の継続就業を増やしていくにはどうしたらいいのかという政策の改善につながるような評価をしてくださいというメッセージを出しているつもりでありますので、今の立花委員の御意見も含めて各府省に伝えていきたいと思います。
    【寺尾委員】  今、政府調達のお話が出たので、申し上げたいと思います。現在の日本社会、あるいは政府が、少子化対策なり子育て支援サービスなりを重要対象分野に一応選ばれているというのは事実だとは思います。問題は、どのぐらいちゃんとやる気があるのかということだと思います。アメリカの場合、もう少し前になりますけれども、雇用の場における人種差別、女性差別が問題になって、それに社会が取り組んだ結果、随分社会は大きく変わりました。もちろん一般の企業を対象にする一般的な法律も制定しましたけれども、政府調達を大いに使ったのです。つまり、政府は最大の消費者ですから、物を買うときに、そういうことをしないということを個別の私的契約で約束させるわけです。それだけではなくて、例えば、A会社を相手にすると、A会社に、A会社さん、あなたが物を買っている相手とも同じ契約をしなさいということまで約束させたのです。その結果、労働人口の3人に1人がそれによってカバーされることになって、非常に進んだのです。そしてそのコンプライアンスをチェックする仕組も作りました。本当にこれから、今の日本の社会にとって重要な課題だと思うなら、そういうことをできるはずなのですよね。
     そういう手法が可能性としては存在するわけですが、この枠組で評価していくと、今現在やっているやり方は評価できるかもしれないけれども、他に利用可能なこうした可能性、可能な方法、オルタナティブでこういうこともできますよというものとの比較は、評価の対象には入ってこない。例えば、政府調達でそういうことをやったらどうなるかということは、これに入ってこないわけですよね。そういうことでいいのか。つまり、これを最重要、最重要と言わなくてもいいですが、重要対象分野として選んでやっているのだということを言っているのですけれども、本当にどのぐらい重要と考えているのかというところで、本来だったら、今申し上げたようなこともオルタナティブとしてはあり得るわけですよね。でも、そういうものとは比べずに評価をしていいのか、評価したことになるのか気になります。総合的な評価としてこれをしているだけに、気になりましたので、質問といいますか、コメントさせていただきました。
    【吉開政策評価官】  まず、重要対象分野としまして、これまでやってきた施策について振り返って、どういう施策が効果があったのか、なかったのかということを見極めるのが先決であると思っていまして、次の改善見直しの方向性の中で、お二人から御指摘がありました政府調達という政策手段をとるということについて、次のフェーズになってくるのだと思いますので、そういったことも含めて評価できるのかどうか、関係の府省と議論していきたいと思います。
    【寺尾委員】  例えば、今言ったような提言というのは、政治家がしない限りできないのでしょうか。各府省だけでやるのだったら、自分の省だけやりますという話でできることになるのか。まあ、そうであるとしても、政府全体として実行しないとインパクトが大きくないわけですよね。まさに政府横断的にする政策評価だからこそ、そういう話というのは、少なくとも選択肢、議論されるべきこととして出てくるようなルートをつくっておかなくてよろしいのでしょうかという、そういう質問です。
    【吉開政策評価官】  政策提言に近いといいますか、政策提言を政策評価分科会ないし政・独委員会のほうから行うべきだということでしょうか。
    【寺尾委員】  提言をすべきということまでは申してないのですけれども、各府省がそれぞれ、自分たちでする評価は、今日、前半でやったわけですけれども、こういうところで横断的に、1つの目的に関係するものを幾つも集めて評価をしますということですから、縦割りを超えたことをやりましょうと言っているわけですよね。そして、政府の経済財政諮問会議等々でも、重要分野として選んでこういうことをしていると言っているときに、例えば、政府調達のことをやるときに、政府が各府省全部協力してそれをやるという話は一体どこから出てき得るのかと考えていったときに、政治家さんが言わなかったらそもそも不可能なのかが知りたいのです。実際問題として、各府省がそれを言えませんよね。言えるのでしょうか、日本の行政の中で。厚生労働省が、全部、政府そうしましょうなんていう提言、多分できませんよね。そうすると、一体だれがそういうことは提言できるのか。そういうルートというのは、議論されるべき1つの、検討されてもしかるべき1つのツールではあるわけですね。実はそんなにお金、税金がかからないかもしれない。せっかく可能性のあるツール、それをだれも使ってみようと言えなくていいのかということなのです。
    【金本分科会長】  田辺委員あたりが整理したほうがいいかもしれませんが、全くできないかというと、そうではなくて、各府省も閣議を通せばいいので、これやりたいと言って、閣議でほかの省がオーケーと言えば通る話ではあるのですね。
    【寺尾委員】  でも、自分の省だけで、皆さんそうしましょうと言えないのではないですか。
    【金本分科会長】  いや、言えます。提案はできますけれども、閣議でほかの省がいいと言わないと通らない、それだけの話です。
    【関行政評価局長】  ある省が、自らの施策に非常に密接にかかわることについて、政府全体でこういうことを推し進められないかという提言をしまして、それを内閣官房長官なりが、ああ、それ進めようじゃないかということで、全府省を通じてやっていくことにしようと、そういうことはあり得ると思います。
    【金本分科会長】  政策評価についても、政策評価法上、この分科会ができることというのはあまりないのですが、評価局ができることというのはそれなりにあるのですけれども、今言われたようなことを実際にやって、いい方向にいくかというと、なかなか難しそうだなというところかと思います。
     今回のスキームは、評価法に乗っかって、とりあえずこれはやるということで、それで経済財政諮問会議の場に持ち出して、経済財政諮問会議がこれからどういう政策をとるべきかということを考えることができるようにする。そのための客観的な基盤というか、エビデンスをつくっていく。そんなことかなと思います。
     その種をいろいろ言っていくということは当然できるわけで、各府省の評価についても、ほかの代替案と比較できないかとか、そういうことを言うことはできるので、これから言っていただくような機会もあるかと思いますが、ただ、あまり多くを期待されても困るというところがあって、半年の間にできることをやるということになりますので、すぐにそういうことがインパクトある形で出てくるかというと、なかなか難しい。これは皆様方のこれからの努力にかかるという面があるのかなと思います。
     4月以降は、多分ワーキング・グループでやるということになると思いますけれども、ワーキング・グループ以外の政策評価分科会委員の方々も御出席いただくことができるということになっていますので、その際よろしくお願いいたしますということです。
    【田中臨時委員】  重要対象分野の評価というのは、いつもすごく難しいなと思うのですけれども、最終的には、数値目標がどうかという議論になってしまっているようなところがあるので、特に、例えば、ワーク・ライフ・バランスの話は新しく始まるわけですけれども、そこに設定された数値目標が、本当に全体の指標として正しいかどうかという評価を是非やっていただきたいと思います。
     特に、先ほどお話が出たとおり、労使間の問題で解決するような目標がかなり出てきているわけですが、中小企業であるとか個人企業だとかというようなところまで、どういうふうに考えるのかということもあるでしょうし、それから、目標達成できないのが、企業努力が足りないからというだけの理由でできないのかといった根本的な問題も浮き彫りにさせるべきだと思います。
     それから、よく目標値で、待機児童が何人とかいうお話が出てきますけれども、それは非常に分かりやすい1つの手法だと思いますが、子どもを預けたいという人たちのニーズというのは、必ずしも働いている人だけではないし、短時間預けたいという人もあるでしょうし、裾野が広いと思うのです。実際に目標として出てしまうと、それ以外のことについては全く意見が及ばなくなってしまっているということについては、何とか客観評価ができないかなと思います。特に、今、継続的に自動車の排ガス規制とか省エネという話が出てきて、そのときに私は意見を言ったと思うのですけれども、ディーゼル車が入ってないんですよね。今出ているガソリン車についてどうという話はわかります。だけれども、そういった全体の省エネ対策としてそういったことが抜けているというのは、やはりどこかでみる必要があるのかなとは感じました。
    【金本分科会長】  その点に関しては、一応、1枚目のところで、ある意味で蛇足なのですが、ロジック・モデルの明示や評価の観点別に客観的なデータによる分析を入れておいて、あと、各府省から出てきたときに、そういったものを要求できるようにという格好にしてあります。それがどのぐらいできるかというのは、これからという感じかと思います。
    【吉野臨時委員】  1ページ目のところ、一番下の(4)のところに、先ほど、佐藤委員と金本分科会長からのフォローアップがありました。分析手法ですね。もし可能であれば、どういう分析手法に基づいて、それぞれの案件に関して政策を評価しているのか。それも「望ましい事項」の中に入れておいていただくといいのではないかと思います。
    【金本分科会長】  これは、各府省の中身、多分、かなり細かいことまで出てきますので、今さっきの公共事業の形と大分違うので、それはわざわざ入れなくても大丈夫かなという気はしていますが、事務局でも検討いただいてという感じでお願いしたいと思います。
    【八丁地臨時委員】  印象だけで恐縮ですけれども、政策評価分科会とワーキング・グループに各1回ぐらいしか出てなくて恐縮なのですが、感じとしては、(4)の「利用者の視点」というのは、必要に応じてというぐらいの取扱いだったかなという感じがしまして、何となく、もうちょっと皆さん、何度も何度もおっしゃっていたのではないかなという感じがいたしました。
     それから、多分、(2)に当たると思うのですけれども、11月の答申の中には、PDCAサイクルをちゃんと検証してという話があって、多分、(2)が言っていることを包括的にそういうふうに言っているのではないかと思うのですが、分かりやすく表現されるものであれば、そういうふうにワーキング・グループなり政策評価分科会に出てきたことをそのまま使ったほうが分かりやすいのではないかなという印象を持ちました。
    【吉開政策評価官】  文章につきましては、また分科会長と御相談し、修正して、各府省に示していきたいと思います。
    【田辺臨時委員】  フレーム自体の問題ですけれども、先ほど御説明いただいたスケジュールですと、各府省から9月に評価書が提出され、10月以降、経済財政諮問会議への報告案を考えるというスケジュールですけれども、ただ、その後の各委員からいただいた意見というのは、例えば、この少子化に関するものですと、1)、2)、3)の部分を合わせる形で、おそらく経済財政諮問会議に出していかないといけないし、こちらの発注の仕方としても、おそらく各府省に対して個別に投げていますので、この出てくる評価書というのは各府省単位になっているので、それをどうやってまとめるのかという作業は、かなり前からやっておかないと危ないのではないかと私なんかは思っています。
     要するに、1か月で個別の評価書が出てきて、それを読んでサマリーをつけるだけだと、各府省が何をやって、次の見直しに向けての穴の部分とかが見えてこないので、もう少し前段階で、経済財政諮問会議への報告案みたいなところを、少し各府省とも議論する形で考えていく場というのを設けない限りにおいては、あまりこれはうまく機能しないのではないのかなと思っております。
     かつ、各府省が出してくる評価書の中にも、自分のところはこうやっているけれども、ほかのところは知らないという書き方ばかりが全部並ぶというのは危ないので、そこをもう少し、各府省が出してくる評価書で工夫するのか、それとも報告案の中で工夫するのかというところは、まだ私、イメージがついていませんけれども、その検討の時間というのはもう少しとっていただかないと、非常に経済財政諮問会議に対して失礼なものを出すという言い方は、ちょっと引き気味の表現でありますけれども、そこの工夫というのを、もう少し時間をとって入れられるように組み入れていただければと思います。
    【永瀬臨時委員】  その点に関連してなのですけれども、例えば、少子化の分野ですと、文部科学省と厚生労働省がかかわっているところでしたら、両方が一緒の場で評価して、報告を出すほうが、どこが漏れているとか、お互いにも事情を理解し合い納得しやすいと思います。個別にそれぞれが自分の省の施策の範囲だけ評価をやって、この会議でそれをつなぎ合わせるのではなくて、その前段階で一緒に評価することによって、いい効果が生まれるということがあるのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
     あと、ちょっと違う点で、もう1点あるのですけれども、言ってもよろしいですか。
     今、これを見ていて、(3)のウの「政策の効率性」というところで、政策効果と費用と書いてあるのですけれども、子育て支援とか女性の就業継続というのは、これは効果をどう測定するかは非常に難しいと思うのです。もしも、親が出産を回避していたとして、その子どもが、子育てを容易にする施策によって1人産まれることができた場合、その効果はどう評価するのか。その子どもの生涯の生産性や消費までをみて評価するのか。また、女性が就業継続した場合のその効果というのを、1年でみるのか、一生でみるのか。効果というものの測定は非常に難しいのではないかなと思います。付随的にかかる、例えば、保育の費用等を積算するほうは簡単かもしれませんけれども、効果の測定は難しいのではないかなと思いました。
    【吉開政策評価官】  今の最後の効果の測定につきましては、私もにわかにお答えができないのですが、先生の御意見を伺って考えていきたいと思います。スケジュールにつきましては、4月以降、ワーキング・グループにおけるヒアリングの実施を考えておりますけれども、これの状況も見つつ、取りまとめの方向、今おっしゃった文部科学省と厚生労働省の評価書、どういうふうに一体のものとして報告していくかとか、そういったことも含めて、もうちょっと前倒しで、ワーキング・グループを中心に議論をしていただくということかなと思います。
    【金本分科会長】  この辺、早く出すということになると、いいかげんなものになってしまうという、なかなか微妙なところがありますので、今の段階でばしっと言うのは難しいのかなという気がいたしますが、それもヒアリングの途中で、これではあまりにひどいのではないかといった指摘をしていくのかなという感じかなと思います。
     あと、効果のところは、そういう話は各府省がガンガンやられますので、放っておいて大丈夫というか、逆に、それをどうやってそうしないように、本来、計測できる効果も計測しないというところをやらせない、そういうことをさせないようにするというところのほうが問題かなという感じがします。どういうふうに効果を測るかというのは難しいところはあるのですが、それについて、いろいろな格好で知恵を出す必要があるのかなという気がします。
     それぐらいにして、細かいことですが、(3)のウの「政策の効率性」のところで、「(例えば社会費用)」とありますが、「社会費用」という言葉はあまり使わない言葉で、使うとすれば「社会的費用」と「的」を入れるのですが、ただ、「例えば」といって入れるようなものではない。「例えば」として入れるなら、もうちょっと具体的なものを入れるかなという。これについてもまた、今、ここで議論してもしようがないので、また後ほど考えていただきたいと思います。
    【佐藤臨時委員】  すみません。これ、ちょっと質問ですが、各府省のヒアリングは、府省ごとに聴くのか、それとも、テーマごとに、今日は子育てだから、それにかかわる府省の方に話を聴くのか。もしそうだとすれば、ある意味、そこで意見交換がある程度できますよね。だから、ヒアリングの仕方の工夫もあるのではないかという気がするんですが。
    【吉開政策評価官】  ヒアリングの仕方についても、ワーキング・グループの先生方を中心として御相談していきたいと思います。今の時点で、テーマごととか、各府省別に聴くとか決めているわけでありませんので、またそこも御相談していきたいと思います。
    【金本分科会長】  そのほか、ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
     それでは、最後、3番目の議題が残っておりますが、今日、議論していただいた大枠についてというのは、各府省に示す必要がございまして、文章については、もう少し検討させていただいて示していくということと、もう一つは、今あった議論も含めて事務局を通じて各府省にお伝えする、そんなことでやらせていただきたいと思います。またいずれ、ワーキング・グループのヒアリング等でフォローしていただくということになろうかと思います。
     議題3の「平成20年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について」、若生総務課長から御説明をお願いいたします。
    【若生総務課長】  お手元の資料3でございますけれども、本日お諮りしたいと思っておりますのは、今後3年間、行政評価局が取り組む統一性・総合性確保評価のテーマでございます。
     1ページめくっていただきまして、若干、仕組み的なことを説明しておきたいと思います。我が局が行う政策の統一性・総合性確保のための評価ですが、政策評価は、各府省がそれぞれの政策について自ら評価をするということが基本であるわけですけれども、複数府省にまたがる政策、あるいは、統一的な視点で府省横断的にみる必要がある政策、そういった各府省が単独で行えないものについて、総務省として、テーマを決めて全体として評価していくというものでありまして、評価法上は、3年間の計画を定めて行うということになってございます。また、基本方針の中で、政・独委員会の調査審議を踏まえてテーマを設定していくということになっております。
     この政策評価のテーマの計画ですけれども、全体として、行政評価等プログラムという我が局の全体の業務の中期的な方針の中に取り込んで、その一部として構成するという形で策定をしておりますので、全体のスケジュールは、行政評価等プログラムの策定と同時並行的な段取りで進めていくということでございます。
     1ページの3のところにありますように、今後の予定ですけれども、本日の分科会での審議を踏まえまして、2月中旬から、パブリックコメントに付したいと思っております。これは、今年から初めての試みでありますけれども、政策評価の取り組むテーマと、それ以外の行政評価・監視のテーマも含めて、こういうテーマで実施したいということについてパブコメに付して、その意見も踏まえて最終的に決めていきたいということでございます。
     次回の3月17日の分科会で、パブコメの結果も含めて御報告をして、テーマを決めたいということで、最終的には3月末に策定、公表という段取りでございます。
     めくっていただきまして、2ページ目ですけれども、これは全体としての行政評価等プログラムの中で、行政評価局の取り組むべき役割、課題等について、整理しております。我が局の仕事全体は、通常、4本柱と言っておりまして、政策評価以外に、行政評価・監視ということで、各府省の業務の実施状況の、いわゆる業務監査的な仕事がございます。それから、独法の評価、行政相談ですが、4の行政相談のところで、行政相談の機能を活用してということですけれども、年金記録問題の対応ということで、今、我が局が仕事をしております。年金記録確認第三者委員会という、年金の記録がなくて、証拠書類等もない場合の救済ということで、第三者委員会で申立てを受けまして、審議をして、それをあっせんするという形で、証拠がなくて、これまで救済されなかった人たちの救済を図っていくという仕組みでございますが、昨年の6月からこの委員会が立ち上がりまして、その事務局機能を行政評価局が担っているということであります。これは、中央以外に各都道府県単位、全国で50の地方委員会が立ち上がっておりまして、私どもの出先機関であります管区の行政評価局、行政評価事務所がそれぞれの委員会の事務局機能を担っているということで、正直申し上げまして、この関係の業務が今の局の全体の業務の中でかなり大きなウエートを占めているということでございます。昨年の7月以降、受付をしまして、これまでに4万件強の申立てが来て、2,000件強の処理をしているわけですけれども、おおむね1年間ぐらいで、今年度受け付けたものについては処理をすると。大体1年を目途に受付から処理までをしていきたいということで、今後作業を進めていくということでございます。
     そういうことで、実は、管区の行政評価局、行政評価事務所が、政策評価のテーマを実際に調査する場合に、そこをどのようにして調査するかということで、評価・監視も同じですけれども、それぞれ現場での政策の効果を実地に検証してまとめていくという作業でございますので、そういう調査に動員できる資源が、20年度において非常に制約があるということで、若干、その状況を御説明したということでございます。
     めくっていただきまして、3ページ、実際の評価のテーマでございますけれども、政策評価につきましては、環境問題への対応、あるいは国民の安全・安心の確保、こういった重要課題に対応するということで、3本の政策評価を今後3年間でやっていきたいということで掲げてございます。
     1つは、バイオマスの利活用で、これは20年度に着手をしたいということでございます。バイオマス・ニッポン総合戦略が政府全体として立てられておりまして、平成18年に改定がなされて、平成22年度を目途に数値目標が立てられているということで、その中間に当たる20年度に、22年度の目標達成に向けた状況を検証していきたいということでございます。
     21、22年度にかけてということで、児童虐待の防止等、科学技術駆動型の地域経済発展、この2本を予定しているということでございます。
     3年間でこの3本ということで、先ほど申し上げました調査動員、資源の制約ということもありまして、かなり厳選して3本にさせていただいております。実は、この3本とも、今年度のプログラムの中で既に掲げたテーマでありまして、それをスライドして、1本は来年度実施することを決めるということと、残り2本を2年間でということで整理をさせていただいております。
     その下の*にありますように、現在、19年度から引き続きということで、「世界最先端の『低公害車』社会の構築」、「DV」、「外国人観光」の3本を実施している状況でございます。
     それから、下のほうに「参考」ということで、行政評価・監視のテーマを掲げてございます。これは、各行政機関の業務実施状況の評価・監視ということで、政策評価と違って、評価局として独自に対象を選定して、業務監査的にみていくということでありますけれども、これも、通常、1年度十数本テーマを掲げますが、今回は新しく実施するテーマとしては4本ということで、かなり限定して提示しております。「食品表示の適正化」、「貸切バスの安全確保」、「社会資本の維持管理及び更新」。これは、いずれも生活者、消費者の立場からの国民の安全・安心の確保ということでのテーマでございます。
     19年度から引き続きということでありますけれども、行政運営の適正化ということで、「契約の適正化」、「コンプライアンス」の関係の調査をやっております。
     それから、その他ですけれども、「雇用保険に係る事業」ということで、1本実施したいということであります。
     以上がテーマの関係でございます。
     個別のテーマごとに、背景等について整理した資料を後ろに掲げておりますけれども、実は、昨年、一度御紹介させていただいたものを、今の時点で若干更新したものになってございます。政策評価のテーマについては、いずれにしても、実際に調査をする段階で、詳細な制度設計等について、この政策評価分科会にお諮りした上で実施をしていくということになっておりますので、その時点でまた改めて詳しく御説明したいと考えてございます。
     以上です。
    【金本分科会長】   それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。
    【田辺臨時委員】  局の人も非常に忙しい。そうするとどう振り分けるかという問題なので、あまり口を挟むようなことではないと思いますけれども、ただ、政策評価に関わる報告書が1本も出てこない年度が出てくるというのは、何となくまずいと思います。今掲げていただいた20年度、21年度、22年度に関わる3本、それから、19年度から実施しており、20年度も引き続き実施するもので、具体的に報告書が出てくる年度はいつ頃になりそうなのかということを教えていただければと思います。特に、21年度に1本も出せなくなるのはまずいのではという気がしております。
    【吉田政策評価審議室長】  お答えさせていただきます。
     今走っておりますものにつきまして、まず、ここに掲載していないテーマで、今年度末あるいは、20年度の出力の可能性があるものとして、「自然再生」というテーマがございます。これは、資料3の3ページのところには出ておりません。それ以外に20年度中に出力が見込まれるものは、*が書いてあるところの「低公害車」と「配偶者暴力」、「観光」。このうち「観光」につきまして、20年度から21年度にかけての出力になる可能性がございます。
     また、「バイオマス」が21ないし22年度になります。あと、「児童虐待」と「科学技術駆動型」につきましては、21ないしは22年度に着手する予定ですので、例えば、21年度の一番早い時期に着手をすれば、22年度中には出力が可能になる。後ろのほうの着手になれば、場合によっては23年度にずれ込んでの出力ということで、最低限年間1本の出力ということは何とかなるのではないかと考えているところでございます。
    【永瀬臨時委員】  内容のことですけれども、「児童虐待の防止」については、これからもまれるということですが、この中に、若年者の経済不安という要因があまり入っていませんので、そこも少し考えていただければなと思います。既に平成8年に『離婚家庭の子ども』という調査が人口動態調査で出されておりますけれども、子どものいる家庭で離婚が起こっているのは子どもが2歳未満が4割でありまして、夫の経済不安というのが非常に大きいことがわかる。児童虐待が起きているということと、男性の雇用の不安定化と女性の就業継続困難という両方セットだと思いますけれども、そういう経済問題もあるということは、少しこの中に踏まえていただきたいと思います。
    【若生総務課長】  その辺につきましては、詳細設計で再度お諮りするまでの間にもう少し詰めまして、また改めてお諮りしたいと思います。
    【立花臨時委員】  私は、内容ではなくて、資料3に関連して、若生総務課長から、例の社会保険庁の、納税者を全く無視したといいましょうか、あのようなやり方に対して、しっかりと政治の判断で、社会保険庁、厚生労働省ではなくて、やはり総務省を使ったというのは、関局長以下行政評価局、これはお世辞を言うわけではありませんけれども、やはり非常に大事なことだと思います。フランスなどでも、時の大統領、あるいは内閣、省庁再編を非常に弾力的にやっています。大臣のもとに、今まで関係なかったところをくっつけて、担当大臣を置いて。そういうことで、ある意味では省庁再編の特区みたいな形で、今回の、菅前大臣のもとで、こういった意思決定されて、非常に苦労が多い、まさにそちらにかなり人手をとられてというのは本当に大変だろうという気がしますけれども、ぜひ頑張っていただいて、むしろそれを武器に、皆さん方、そういった力をアピールしていただきたいということで、お礼といいましょうか、感謝といいましょうか、注文ではありませんけれども、そういったことです。
    【金本分科会長】  そのほか、何かございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
     それでは、ちょうど時間でございますので、この辺にさせていただきますが、最後に事務局から連絡事項はありますか。
    【吉開政策評価官】  本日はどうもありがとうございました。
     次回の政策評価分科会でございますけれども、3月17日の月曜日、13時半からを予定しております。場所は、総務省の9階、第3特別会議室でございます。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  それでは、本日の政策評価分科会を終了いたします。どうも大変ありがとうございました。


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