会議資料・開催案内等

−速報のため事後修正の可能性あり−


政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(7月22日開催)議事要旨


  1.  日時  平成20年7月22日(火)16時00分から17時55分

  2.  場所  虎の門パストラル ミントの間

  3.  出席者
       (分科会所属委員)
    金本良嗣政策評価分科会長、藤井眞理子委員、森泉陽子委員、上田孝行臨時委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、高木勇三臨時委員、高橋伸子臨時委員、田中常雅臨時委員、田辺国昭臨時委員、谷藤悦史臨時委員、永瀬伸子臨時委員、八丁地隆臨時委員、吉野直行臨時委員
    (総務省行政評価局)
    関行政評価局長、渡会審議官、新井総務課長、松林政策評価官、羽室政策評価審議室長、新井調査官

  4.  議題
       政策評価の重要対象分野について

  5.  資料(PDF)
       資料1   経済財政改革の基本方針2008(抄)(平成20年6月27日閣議決定)
      資料2 今後のスケジュール案(政策評価の重要対象分野)
      資料3 20年度重要対象分野のワーキング・グループ候補案
      資料4 19年度重要対象分野の評価の進捗状況について
      資料5 政策評価の重要対象分野等の選定について(平成19年11月12日政策評価・独立行政法人評価委員会答申)
      資料6 重要対象分野に関する評価の大枠について(平成20年2月19日)

  6.  会議経過
    (1)  「20年度重要対象分野のWG候補案」について、総務省行政評価局松林政策評価官から説明。その後審議が行われ、分科会長において、各委員から本日出された意見及び欠席委員も含め各委員から今後追加的に出される意見を踏まえて集約し、重要対象分野の候補と各府省ヒアリングテーマを整理することとされた。質疑等の概要は以下のとおり。
     

    ○ 9つのテーマはどれも重要だと思う。

    ○ エネルギー政策は、環境問題と一体のものとして考えるべきであり、新エネ・省エネも含めて対象としてはどうか。サミットでも環境とエネルギーの調和が謳われておりタイミングもよい。

    ○ エネルギーの危機管理政策については、これまで正面きって議論されたことはないのではないか。米国では議論が進んでいる。

    ○ リサイクルについては、最近は資源不足のためゴミからレアメタル等を回収する取組が注目されており取り上げるとよい。

    ○ ODAについては、TICAD(アフリカ開発会議)の方針などをみると、今後は、日本が各国の援助をオーガナイズしていく方向に重点化している。オーガナイザーとしての機能・効果にも着目し日本の海外援助の性格の変化を評価してはどうか。ODAの援助額は減っていても、まとめる力はあるはず。

    ○ ODAは国別、プロジェクト別に多数あるので、限定して評価した方が効果的なのではないか。

    ○ 地方再生については、これまでの成功例・失敗例を整理すべき。

    ○ 医師確保については、地方病院では勉強が十分にできないという若い医師の不安が背景にあることから、地方と都市の教育・情報の格差を解消する方策についてみるべき。

    ○ 防災については、地震、風水害、火山など災害の種類別でリスクも異なる。対策ごとにチェックするべき。

    ○ 学力向上は、先生の質が重要。教員の質を高める方策について、給与体系も含めてみるべき。

    ○ 金融・資本市場の競争力強化については、東京市場の情報力が重要な鍵。

    ○ エネルギー問題については太陽光や風力発電などの代替エネルギーの開発が重要。

    ○ 水産業の新規参入については、収益が伸びていないという構造的な問題があるのではないか。

    ○ ODAについては、PFIPPPで民間資金が入っているのかも重要。技術支援などもみるべき。

    ○ 防災については、地震保険も評価するべき。加入率が20%と低いが、耐震化を促すためにも有効な施策。被災地支援との役割分担についてもみるべき。

    ○ 学力の向上に関連して、今後同じことを繰り返さないためにもゆとり教育の検証は不可欠。

    ○ エネルギーに関しては、ビジネスモデルを作れるかが課題。

    ○ ODAについては、教育・人材育成についても焦点をあててはどうか。

    ○ ODAについては、国別・地域別の雇用創出、教育の拡充、経済成長などマクロ的な効果を検証するべき。そのためのロジック・モデルが必要。

    ○ 地方再生については道路政策との関係をみるべき。市街地への集約化を進める一方で、道路整備が郊外への拡散を進めていないか。

    ○ コンパクトシティが唯一の目標ではないはず。コンパクト化してコストに見合う地方都市活性化の効果があるかを分析するべき。

    ○ 水産業は国民の関心も高く、長期的に重要なテーマであり候補にふさわしい。原油高に対して政府補償を求めていることなどは、構造的な問題の一端を示しているのではないか。

    ○ ODAは日本の財政が黒字だから増やす、赤字だから減らすという話ではない。減額ありきのコスト削減には疑問を感じる。

    ○ 地方再生と学力向上は時間軸をどこに置いて評価するかが重要。まちづくり三法の改正前に遡ってみるのか。ゆとり教育まで遡ってみるのか。

    ○ 地震、風水害、火山等をまとめて評価するのか。インフラ整備、ネットワークの構築、リスク情報の提供などすべて含むのか。視点を絞るべきなのではないか。

    ○ リサイクルについては、リユースやリデュースも含むのか。視点を定めるべき。

    ○ 地方再生は住民の力がどう活かされているかも重要。

    ○ 医師確保は、養成システムや勤務医の長時間労働の問題もある。

    ○ 学力向上については、それを家庭でやるのか塾でやるのかが地域によって違うことや、父の役割なども重要。30代の父親が労働力としてもっとも長い労働時間を強いられている状況もあり学力向上との関連をみるべき。放課後も家庭以外で過ごす児童が増えている。学力の問題を点数だけでとらえるのは、問題を矮小化するのではないか。

    ○ 金融については金融リテラシーの向上が重要。ポートフォリオの選択ができる教育が必要。

    ○ 防災の耐震化については、耐震診断からさらに踏み込んだ施策が重要。

    ○ 地方再生はコンパクトシティだけでなく公共投資の効率化という視点も必要なのではないか。

    ○ リサイクルは再製品化が不十分なのではないか。

    ○ リサイクルについては、市民の取組などいろいろなコストを含めて評価すべき。

    ○ 新エネ、省エネは将来的に重要な課題。

    ○ 地方再生と防災、学力向上はいろいろ性格の異なる政策が含まれており、それらの間でのコンセンサスがうまくとれているか評価することが重要。

    ○ 学力向上については、点数だけでなく、別の視点も含めて考えてみることが必要なのではないか。

    ○ 20年度に提示したものは来年度に評価結果が出てくることから、来年度における利用価値がポイント。また、どの程度の有効な情報が得られるかも考えるべき。

    ○ 医師確保対策については、医師のミスマッチの原因を検証すべき。

    ○ 防災は、リスク管理の視点はこれまであまり取り上げられていないのではないか。

    ○ リサイクルは範囲が広すぎ、視点を絞る必要がある。


    (2)  「19年度重要対象分野の評価の進捗状況について」総務省行政評価局松林政策評価官から説明後、審議が行われた。その結果、重要対象分野の政策評価については、今後もワーキング・グループでフォローしていくこととし、関係府省に対して事務局を通じて委員の意見を述べることとされた。質疑等の概要は以下のとおり。
     

    ○ 若年者雇用対策について、性別、学歴、年齢、地域別に、どれだけの人に援助が届き、何が実施され、どれだけの効果があったのかを明らかにしてほしい。「基本方針2008」の新雇用戦略では若者の雇用対策が大きな柱とされているが、各種施策の効果に関するデータが大雑把すぎるのではないか。また、フリーターに対する追跡調査を実施して、正社員になった数だけではなく、どれだけのスキルが身についてその後のステップアップ等に結びついているかを評価すべき。

    ○ 各分野について、1)いろいろな事業がある中で、うまくいっているものとそうでないものを選別する、2)今後も続けていく施策については、何がボトルネックだったのかをはっきりさせる、3)何が課題で今後何を目指していくのかをはっきりさせることが必要。

    ○ 諮問会議に報告する際に、各府省バラバラの評価が並んでいるだけということにならないよう、とりまとめ方に知恵を出してほしい。

    ○ 若年者雇用対策について、職場体験や日本版デュアルシステムを就業率の向上という観点で評価しているが、これらについては、企業の負担となっている面がある。社員の確保につながるなど企業側のメリットがあればその効果をデータとして示してほしい。メリットがなくても社会貢献のために企業の協力が必要ということであれば、そう説明すべきなのではないか。

    ○ 若年者雇用対策については、フリーターにならない予防策と、フリーターになってしまった人に対する対策、年長フリーターの対策などに分けて整理してはどうか。施策ごとの整理だと誰をターゲットにしているのか分かりにくい。

    ○ 若年者雇用対策については、子どもの学校選択とフリーター化の関係を明らかにする観点を含め、専門高校と普通高校の双方を対象にした調査が必要ではないか。

    ○ 当分科会の役割は、各府省に横串しを刺すことではないか。若年者雇用や子育て支援サービスについては、各府省バラバラに評価しているので、何らかの共通のメジャーが必要ではないか。また、入口に当たる学校での施策と出口に当たる就業についての施策を一貫して評価する必要はないか。

    ○ 政策の見直しや改善の効果の把握には時間がかかると思うが、重要対象分野の評価は、継続的に見ていくことに意味がある。一回限りではなく、定期的に長いスパンでチェックする必要があるのではないか。

    ○ 重要対象分野の評価は、昨年度末に示した「評価の大枠」に沿ったものが出てくると理解しているが、現状では必ずしもそうなっていない。

    ○ 各府省に対しては、諮問会議の場での報告の機会を積極的にとらえてほしい。

    ○ 19年度の重要対象分野の評価は、定量的な評価手法が確立していないものが多く、数値目標とその達成度の評価にならざるを得ない部分があるが、目標の設定自体やロジックがおかしいという議論はあるかもしれない。一方、20年度の候補政策については、例えば、地方都市や防災についてはある程度評価手法が確立しているので、定量的な評価が可能かもしれない。

    ○ 「評価の大枠」にある「利用者側の視点」の中に企業は含まれるのかどうかをはっきりさせるべき。重要な政策の評価については、利用者やステークスホルダーに対して、提案することがあってもよいのではいないか。

    ○ 諸外国では、プログラムを受けた人と受けていない人のデータをとって分析しているが、労働経済の分野など、日本では基本的な統計調査さえ不十分となっている。

    ○ 何が障害だったのか、制度の枠内で対応できることなのか、それとも法改正が必要なことなのかなど、うまくいっていないことも示してほしい。政策評価は褒めるためにするものではないので、次につながるような評価をしてほしい。

    ○ 全体的な印象として、達成度評価に止まっていて費用対効果の評価になっていないと感じる。総務省は各府省のロジック・モデルにまで踏み込んで諮問会議に報告すべきではないか。


    (3)  次回日程等について、事務局から報告が行われた。

    以上
    (文責:総務省行政評価局政策評価官室)


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