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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(10月9日開催)議事録


  1. 日時  平成20年10月9日(木)10時00分から11時00分

  2. 場所  法曹会館 富士の間(3階)

  3. 出席者
     (分科会所属委員)
     金本良嗣政策評価分科会長、森泉陽子委員、上田孝行臨時委員、牛尾陽子臨時委員、佐藤主光臨時委員、高木勇三臨時委員、高橋伸子臨時委員、田中常雅臨時委員、谷藤悦史臨時委員、永瀬伸子臨時委員、木村陽子専門委員

     (総務省行政評価局)
     渡会審議官、松林政策評価官、羽室政策評価審議室長、新井調査官

  4. 議題
    1. 各府省が実施した政策評価の点検結果について
    2. 政策評価結果の平成21年度予算要求等への反映状況について

  5. 資料(PDF)
     資料1   各府省が実施した政策評価の点検結果についてPDF
     資料2−1 政策評価結果の予算要求等への反映状況 平成21年度概算要求等関連PDF
     資料2−2 政策評価結果の平成21年度予算要求等への反映状況PDF

    【金本分科会長】  まだお見えになっていない先生もいらっしゃいますけれども、時間ですので始めさせていただきます。
     本日の議題は「各府省が実施した政策評価の点検結果について」及び「政策評価結果の平成21年度予算要求等への反映状況について」の2つです。最初に、各府省が実施した政策評価の点検結果について、新井調査官のほうから御説明をお願いいたします。
    【新井調査官】  新井でございます。御説明させていただきます。お手元の配付資料の資料1でございます。
     まず今回の御報告の趣旨ですが、平成19年に各府省が実施しました政策評価の内容点検の結果につきましては、これまで政策評価分科会にお諮りした上で、年度末、それから年度をまたぎまして6月16日に関係府省に通知し、公表を行ってまいりました。今まで合計50件の公表を行ってまいっております。
     その際にも申し上げましたが、引き続き事実関係の整理・把握が必要とした案件につきまして、その後妥当性を確認する必要ということについての事実関係の把握・整理が終了を見ましたので、今回、追加的に御報告をさせていただき、この後、関係府省に通知して公表するという運びで行うべく、それに先立ちまして御報告申し上げるものでございます。
     なお、平成20年の新たな政策評価の案件につきましては、目下、その評価書あるいは関連するデータなどを基にしまして情報収集を行って、内容点検を進めているところでありまして、これにつきましても、しかるべく分科会に御報告を行うことと予定しております。
     本日の案件は、2ページ目ですが、国営かんがい排水事業であります。これは国の直轄事業でありますけれども、農林水産省の関係であります。まず第1点目は、便益算定に用いられているデータ等の信頼性に疑義があるというものです。
     概要につきましては宮城県の北部の鳴瀬川につきまして、ダムを築造して不足水量を確保する、あるいは頭首工、用水路の新設・改修によりまして用水系統を再編する。それから関連事業によりまして圃場の整備等の基盤整備を実施していくということで、1991年から2008年までの工期が当初でございました。その後、工期、事業費の関係などもありまして、2年間、計画期間が延長されるという予定になっております。
     頭首工、用水路と申しましたけれども、頭首工というのは、川をせき止めます堰というもの、これは流れをせき止めるという機能を持ちますが、それに対して、取水口という機能、あるいは管理する管理塔などの設備を大規模にさらに付加するのがここでいう頭首工というものであります。堰を頭首工に改修してバージョンアップすることなどを目的としている事業であります。
     この事業ですが、宮城県の地域でありますけれども、関係自治体としては大崎市を始め7市町にまたがっております。受益面積としまして9,870ヘクタール、そして頭首工、貯水池、用水路を作るということでありまして、568億円という事業費になっております。これにつきましては、農林水産省の評価書を見ますと、事業進捗は90%程度まで進んできております。それから、関連事業の進捗状況あるいは社会経済情勢の変化といたしまして、この社会情勢あるいは農業情勢の変化などが分析されているところであります。
     また、当初の事業計画策定から重要な部分の変更の必要性の有無については、再評価時におきまして、当初の新規事業採択時に立てた計画から、どのような点が変更されたかという修正を行うことを基本的な考え方としてとっておりまして、ここではかんがい排水事業での受益面積の変化、あるいは主要工事計画の進捗状況、それから事業費といったものが挙げられております。先ほど、計画が2年間延長されたと申しましたが、事業費がその後の物価変動、事業量変更、工法変更で200億円ほど増えたということがありまして、これが1つの大きな要因になっていると承知しております。
     それからもう一つ、費用対効果分析の基礎となる要因の変化という項目がありまして、これにつきましては、本地区で主に見込まれる効果として、このかんがい排水事業でどのような効果を見込んでいるかということをまず掲げた上で、現計画の基礎となる関係市町村の農業振興計画がどのような趨勢になっているかということを整理しておりまして、当初の方針は、一部見直しはあるものの大きな変化は認められないという結論になっております。また、関係市町の地域ビジョンというものでも、同様の振興方策、政策の方向性も同様の位置づけとなっているという考えになっています。
     ということで、本事業の効果は引き続き期待できるというのが農林水産省の結論です。そして総便益、総事業費それぞれを整理してB/Cが1.08であるということになっています。それ以外にも環境との調和への配慮ですとか、事業コスト縮減の可能性といったところで最終的なまとめを行っている。これがこの事業の基本的なパターンになっております。
     先ほど御説明しました堰というものですけれども、舘前という地域に河口堰が設けられておりまして、これを改修・更新していくのが、本事業の1つでございます。
     今回これを例に挙げまして説明をしたいと思うのですが、鳴瀬川におきましては、効果の一つとして、廃用損失額という負の効果も算定しております。これは、もともと耐用年数が施設ごとに定まっているのですが、先ほどの取水堰ですと50年と定まっておりまして、その50年に満たない前に、新たな施設に改修を行う場合に、耐用年数が尽きていない間は残存価値があったものと考えて、その部分の損失をマイナスのコストとして計上するという考え方に立って取り組んできております。
     それにつきまして、今回整理をしたということであります。廃止する施設、全面的な改修を行う施設のうち耐用年数の尽きていない施設についての損失として、本事業全体で6億円という計上となっておりますが、先ほどの舘前堰について取り上げますと、農林水産省からデータを徴求いたしまして、当方で整理したものでありますけれども、設置年は、もともと事業開始前から設置されていたものでありまして、1960年です。耐用年数が50年ということで設定されておりましたので、50年間使うといいますと2010年までなのですけれども、実際に舘前堰をいつ取り壊して更新するのかという点につきましては、もともとこの事業が開始される時点では、すなわち1991年の時点ではまだ確定しておりませんでしたので、便宜、事業が完了する予定のときに合わせて行うという考え方に立っておりました。すなわち2010年に取り壊す、更新する、完成するということですので、結果としまして、ちょうど耐用年数いっぱい使うということで、再評価時点で廃用損失額はゼロということになっております。
     ただ、実際に更新施設というものの完成がその後、進捗する中で、もっと先にできているものはないのかどうか検証してみた結果、舘前堰につきましては5年間早まって更新がなされておりました。すなわち2005年になされておりました。したがいまして、5年間の使用可能年数の差が生じましたので、その分をデッドコストとして積みますと2億円余りの廃用損失額が生じることになります。
     実はこの地域には、こういった施設が四、五百ぐらいありまして、これは大きなほうの額だと思われますけれども、そういったものが見られるということは、廃用損失額の算定に当たりまして、こういった進捗状況の反映が不十分ではないのかという問題意識で資料左側の疑問点を持ったということであります。
     農林水産省とこの点について議論いたしました結果、再評価時における判断は、コストと時間を考えまして、迅速性という観点もあり、すべてについて精緻な把握・見直しを行うことはしていないということではありましたけれども、ただ今回の指摘を受けまして、この事業については検証を行ってみたということであります。そこで費用便益比は再評価時点で1.08となっておりましたが、ここから低下はいたします。ただ、1は切らないことは確認できましたので、本件はそのような整理が一定程度ついたのではないかと思っております。
     ただ、しかしながら、今後やはりこういった同様の状況が生じ得る事業というものは、可能性としてはあろうかと思います。費用便益比に与える影響は勘案する必要があると思いますけれども、すべからく微細なものまですべてを行うということでは必ずしもないとは思いますが、必要な確認を行っていくことは求められるのではないかというのが我々の見解であります。
     3ページ目を御覧いただきますと、同様の論点で、これは青森県の西側にあります岩木川の左岸地区ですけれども、そちらのほうでも同様の事例がありまして、廃用施設の中に、廻堰という地域に廻堰大溜池堤体という大溜池がありまして、実際は土で固まっておりますダムになりますけれども、取水口とダムをセットで築造するといった事業であります。
     これにつきましても同様に廃用損失額の計算を行ってみました。この堤体は1960年設置で、この大溜池は80年の耐用年数という設定になっております。 80年間使えるということでありますが、事業計画が2012年までになっておりますので、最後の段階で更新を行うとして、再評価時点で計算しておりましたので、28年差し引いて使うとしており、そうしますと28年間のデッドコストが生じますので、5,400万円の廃用損失額が生じるという計算でした。ただ、実際には更に10年早く改修がなされておりますので、10年上増しで7,400万円の廃用損失額になるのではないかとして、これもそのような事例が見られたわけです。
     我々はこのような問題認識で今後の課題ということで提示いたしておりますが、農林水産省の見解といたしまして、資料に整理しております。
     これは申し上げましたように、再評価時の効果算定で、事業計画策定時に比べて分析にかかるコスト、時間が限られるという中で、基礎要因となる事業計画からの変更が軽微という項目は精緻な把握・見直しを行わないという考えで、廃用損失額もそのようなことは行っていないとしております。
     これは基本方針でも、コストあるいは分析精度を考慮した手法を用いるということがあるので、基礎資料の整理、関係団体の意見聴取など多岐に及ぶ中で作業量を勘案して行っているということで、しかも今回の確認結果は、費用便益分析への影響は時間・労力に見合うだけの差が生じていないというのは確認できているので、現行の考え方を今後とっていきたいと考えておりますということですけれども、当方といたしましては、ここまで議論を重ねてきまして、やはりこの段階で我々としては今後の課題として示すことが必要と思いますので、このような形で分科会に御報告させていただいたということであります。
     続きまして、3ページになりますけれども、先ほどの岩木川左岸地区でありますけれども、そちらの関係でもう1点あります。これは作物生産効果につきまして取り上げております。
     作物生産効果は、用水の安定供給などによる作物生産量の増加を、計画単収、単価、純益率などを掛け合わせて出すものでありますけれども、本事業では、23億円が計上されております。
     これを我々が考えていくに当たりまして、実は評価書の中で営農計画と地域営農ビジョン、そのような記述があったものですから、そういったものと大きな変更はないと評価書上なっておりまして、では、変更はないとなっている以上はどのような検証をしたのかという確認が必要ですので、農林水産省の東北農政局が公表している資料を入手して検証しました。営農計画については、当初計画の時点での現況の作付面積、これは現地調査を行いまして、関係自治体あるいは関係業者とどのような作付に今なっていて、将来どのように作付けを行っていくのかという協議を行って2年ぐらいかけて策定しているものですが、小麦が倍ぐらいに増えることとなっていたり、にんじんなどの作物に多角化が図られているということになっているのですが、この中で実はにんにくが340ヘクタール増えるとされております。これについて、地域営農ビジョンと申しまして、関係市町でどのようなビジョンで今後営農を行っていくのかというものなのですが、そこではにんにくは、11ヘクタールが22年度の目標となっていました。そうしますと、先ほど340ヘクタールとされていたものと乖離が相当あると見られます。こういった点を端緒といたしまして議論いたしたわけです。
     このビジョンというのは、より広域なものを対象にしております。今回の岩木川左岸地区を含んだ、さらに広い市町村全体ですので、より広いにもかかわらず少なくなっているということで、営農動向の反映がどうなっているのかということで議論いたしました。
     これに対しまして農林水産省の対応としましては、再評価時において、作物別のこういった作付面積の内訳まで悉皆で現状を正確に把握するのは、当初計画も2年かかったこともありまして、なかなかコスト、時間を要すると。ある程度そういうことはあろうとは思うのですが、ただ、それでは、何もしなくていいのかという点については、関係市町等に対するヒアリングを行っている。それから受益面積全体、稲作からほかの作物にどう転換されたかという変動分はつかんでおりまして、これを今の作物別の作付面積に応じて按分して時点修正を行っておりますという回答がありました。
     そうしますと、ヒアリングなどの把握をどのように徹底していくのかが今後の課題としてはあるのではないか。あるいはこういった分析を、評価書では、結論として大きな変更はないと一言書いてあるのですが、そのプロセス、判断の過程といったところの透明性を確保しないと検証ができないという点はあるのではないかということで、我々としては問題意識を持っております。
     これにつきましても農林水産省としましては、4ページに見解としまして、再評価時の算定手法は、営農に著しい変化がない限りは引き続き現状どおりの評価手法で問題はないと考えていて、ただ、そういった透明性について疑義があるのであれば引き続き十分な議論が必要ではないかと言っております。
     我々としては、そういった見解は受けてはおりますけれども、実はこの分野は、我々の点検活動で初めて取り上げておりまして、まずどのようなデータが存在するのか、そしてその内訳はどうなっているのかの徴求から作業を行ってまいりました。ある程度の時間を要しましたけれども、一定の議論は行ってきたと考えておりまして、このあたりで一応区切りをつけませんと、さらに今後の同種の事業のチェックという点で事を進めていく意味でも、ここでまず、今の時点で分かったことを通知し公表していくことが必要と判断いたしまして、分科会にお諮りいたしました。
     なお、そういう意味で、この事業につきましては、ほかの効果も含めましてまだまだ解明しなければいけない点は多いと思っております。ほかの分野も含めまして、今後さらに整理を行っていきたいと思っており、本日の議論も参考にしていただきながら進めたいと思っておりますので、ぜひまたよろしくお願いしたいと思っております。私のほうからは以上でございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
     それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問や御意見がございましたらお願いいたします。
     皆様にお考えいただく間に私から2点ほど、一つは最初の廃用損失額という話ですが、昔どこかでこの関係の議論をしたような気がするのですけれども、これから事業をやるかどうか、あるいは中止するかどうかを決める話で、そうすると、もう既に取り返しのつかないことはつかないので、これからどれだけコストがかかるかといった話をするはずなのですが、廃用損失額というのは簿価上どれぐらい残っているかという話で、これからやってもやらなくても全く関係ないコストです。ですから、やり方自体がかなり変だというのがあって、これともう一つの何か違う項目と見合いで、私が言うような形でやると、不都合があるような感じがしたというのが1点です。
     もう一つは、農林水産省が出している情報は評価書にあるものだけなのかということです。そのほかにも効果があるようですが、よく分からないものがたくさんあります。今、廃用損失額は数字としてはかなり少ないという話ですが、そのほかのものについて、何かよく分からない。評価書だと何も分からないという状況です。これはどういうことをどうやっているかという説明はしていただかなければならなくて、場合によっては分科会に農林水産省を呼んで御説明いただくことを考えたほうがいいのかなという気がいたします。
     その辺の情報公開ルールみたいなのは必要じゃないかなと思います。こうやって計算しているものは、何か掛ける単価とかいうような形で、単価が幾らになっているとか、数量の推計の仕方はどうなっているかというのは、かなり細かく国民に示す必要があると思います。
     上田先生、どうぞ。
    【上田臨時委員】  実は農林水産省のいろいろな、かんがいだけではなくて、漁港整備とか、こういった費用便益分析のマニュアルを全部入手しまして、丸1日かけて精査したときに、何でこういう項目を立てているのかよく分からないものが非常にたくさんあって、各項目の名前を見ただけではどういう理論的背景で、どういう前提条件でこういう算定をしているか、ほとんど読み取れないですね。おそらく私が想像するに、各項目を計算するときに整合的に前提を置いていなくて、とにかくプラスの便益が大きく出る方向に全部計算式を作っているなという印象が正直言ってあります。
     そうすると、今日議論になった廃用損失額も、金本先生がおっしゃったように、昔作って、何十億、何百億円かけて建設したもの、これはもう使っているので、これからのことには関係ないと。
     そうすると、これから更新するかどうかは、今古い施設を残して耐用年数まで使った間に、どれだけの便益なり、ここで言えば農産物の販売の収益が出るかと。それが終わった後、新しいものを作らないで、このエリアでかんがいをしないというときはウイズアウトで、それに対してウイズで新しいものを早目に作って、まだ使えるものを早目に更新すると、そこで今古いものを使い続けたときの便益とか収益が機会費用という形になるのだろうと思います。
     そうすると、資産活用の評価で言えば収益還元法を使うという形で、過去の簿価を使うということは逆の方向の会計の使い方と基本的に同じ考え方になる。そういった前提条件が、ウイズのときに何を考えて、ウイズアウトは何だと。そういったほかの公共事業評価でやっているような基本的な情報というか、基本的な前提が、マニュアルを読んでもほとんど読み取れないし、多分それを、どこでだれが作ったのかもよく分かっていない。そこが非常に問題で、先ほど金本先生が言われたデータや、いろいろな計算式を出せという以前に、そもそも根本的にどういう前提条件、考え方でやっているのか。
     例えば農産物などは、大規模であれば価格が変動するでしょうし、だけどこれを見ていると、価格の変化とかはどういう設定をしているのかもよく分からないし、農業の技術が、そもそもかんがいによって作付面積が増えるという部分と、それから既存の作付の部分で営農費用という言い方ですかね、下がるとか、農薬が要らないとか、水を持ってくるための費用が下がるとか、その辺のところの技術的な想定もどうなっているのか、マニュアルを私が昔読んだ範囲では全く読み取れなかった。
     その辺の根本的なところからまず開示してもらわないと、おそらく議論にもならないという状況になってしまっていると思います。ちょっと厳しい言い方ですが、全部出してほしいと思います。私はいろいろなところでやっているので、どういう前提条件で、どういう意識で作りましたかという本当の根本のところを見ないと、場当たり的にいろいろな項目が出ているなという印象なので、ぜひ何かの形でそういう機会を、厳しいかもしれませんが、お願いできればと思います。以上です。
    【新井調査官】 分科会長から、他の効果について御発言がありましたが、廃用損失、作物生産効果のほかに、営農経費節減効果、維持管理費節減効果、更新効果、安全性効果、公共施設保全効果、文化財発見効果、地籍確定効果というものが今回の事業のすべての効果ですが、これらの効果に関するデータにつきましては、我々は、今回初めていろいろな分野を取り上げる中で、作物生産効果と廃用損失額を取り上げたのですが、その算定根拠というのは、おっしゃるように聞かないと出てまいりませんので、断片的には出てはまいったのですけれども、全体像というのは、これから我々もまた明らかにしていかなければならないと思っております。
     また、この更新効果が、廃用損失額の見合いを見ているのではないかと思われますが、これについては農林水産省でも議論があったようでありまして、新規事業採択時に廃用損失額という考え方でやったものは、再評価時点ではやはりそれで検証していくものですから、我々もその前提で今回は取り上げておりますけれども、これからの新規事業分は、平成19年3月にマニュアルの改訂がございまして、見合いの分の更新効果分も含めてシャッフルしまして、廃用損失といった考え方を見直して、新規事業採択時からはやっていくという考え方をとっているようです。ただ、その変更の考え方とか、どういう基準なのかというところは、引き続き我々としてもフォローしていかなければいけないと思います。そういった問題意識で、これからも見ていきたいと思っております。
     いずれにせよ、今の分科会長から農林水産省から説明を求めたいとの御発言もありましたので、すべてのデータを出すのはなかなか難しいかもしれませんが、農林水産省にも伝えて、必要な対応を検討してまいりたいと思っております。
    【金本分科会長】  いろいろ課題はたくさんあると思います。
     あと、非常に根本的なところで、再評価で何をどういうふうにやるかというところが、ほかの役所ではかなり整理されているところもあるのですが、彼らはまだ全く整理されていないといった感じがあります。
    【新井調査官】  国土交通省の例などでは、改めて再評価時にもう一度再計算してB/Cをそれぞれ出すというやり方なのですけれども、農林水産省の場合は、そこを再計算し直すのではなくて、その時点でどういう変化があったかを見ております。
    【金本分科会長】  2つあって、昔作るときに、計算したときにおかしなことをやっていないかという過去の追及という話と、それから過去に何かやったとしても、これはもう仕方がないので、今どうするかという今の意思決定の問題があって、それをごっちゃにしているのですね。
     お医者さんが手術を失敗して、その後別の手術をしなきゃいけないというときに、失敗したのは悪いから次の手術で救わないかというと、そんなことはないだろうという話で、非常に物の話としては初歩的なのですが、こういうことが理解されていない状況だと思います。
    【森泉委員】  例えば再評価ということですが、先ほどの説明で、工期が延びたということについては、どこかのコストに反映されているのでしょうか。そのように計算しなくてよろしいのですか。
    【新井調査官】  それにつきましては、評価書のほうで、計画変更に至った理由の1つが事業費の変化ということになっておりまして、その点は、その分がよりかかるというところは、一応反映されてはいるようです。
    【森泉委員】  事業費だけではないと思うのですが、いろいろな意味での資源配分に関するコストもあると思うのですが。例えば、2年遅れたことに関してのベネフィットのほうはあまり関係ないものなのですか。
    【金本分科会長】  私のほうから話すべきでもないのですが、農林水産省はそういう計算はちゃんとやっていると言っていると。
     でも中身は分からない。それで総務省のほうでいろいろ調べると、ちょっと変なのがあるねという指摘をしていて、農林水産省のほうは、そういうのはあるけれども、我々は一応考慮はしているのだけれども、そんなに変えるほどでもないのでどうかという話をしているのですね。
    【森泉委員】  軽微であるということですか。
    【新井調査官】  まさに先ほどの見解にもあるように、まず再評価時は迅速優先ということがあるのですが、ただ、もちろん迅速も大事ではありますが、正確性というのも、どちらかというと、さらに大事と我々は思っておりますものですから、こういった指摘をして、さらにそのほかの効果も、またデータも整理しないといけないと思いますが、そういった目で問題点を指摘していく中で、そういった簡易なやり方ありきというのはいかがなものかというのは、さらにこれからも取り上げていかなければならないという問題意識は持っておりまして、その点はまだこれからの議論です。
    【森泉委員】  では、農林水産省は延期コストを適切に入れていると理解してよろしいですか。
    【金本分科会長】  そう彼らは言っていると。ただ、そのことを、どういう考えで、どうやったからいいのだということの説明は全くされていないという話ですね。ですから、そういうことをやるのは別に構わないけれども、どういう根拠で、どうやっていて、これでオーケーだというのを説明してもらわないと困るかなというのはありますけれども。
    【新井調査官】  先ほど上田先生のほうからもありましたように、すべてを出すというのはなかなか難しいかもしれませんが、ただ、もちろんそういった根拠があってやっていますから、最低限、外部検証が可能なところまでは出さないと、今のは本当に結論というところに近いものですから、それで関連するデータが、第三者委員会では、ホームページを見てください、出ていますとなってしまうと、リンクが貼られていませんので、それは本当によくよく見ている人以外には検証ができないということだと思いますので、我々はそういう意味で検証可能性が透明性を高めると指摘したのは、そういう気持ちも込めております。
    【金本分科会長】  永瀬委員、どうぞ。
    【永瀬臨時委員】  事業をするときに、どういう設備をどこまで作るのがいいかというのは過去に決定したものであって、そのときはいろいろ選択肢があったのでしょうけれども、決定して計画を実行したと。その後に、かなり事業が進んだところで、今それがどうなのかというのを評価していると理解してよろしいわけですよね。
    【金本分科会長】  いや、これはこれから継続して事業をやるかどうか、中止するべきかどうかという評価です。
    【永瀬臨時委員】  やめるかどうかという評価なのですか。
    【新井調査官】  再評価のほうです。
    【永瀬臨時委員】  でも、途中まで作ったのを途中でやめることはできるのですか。
    【新井調査官】  やめたり、さらに縮小するとか、いろいろあるわけでございます。
    【永瀬臨時委員】  縮小することができる。その評価ということですか。当初予算と比べますとかなり費用が増えています。200億円ぐらい増えていすますね。まずは、どうしてこんなに増えたのかということをもう少し見ることが必要ではないかなと思いました。
     費用便益分析ですが、便益のほうは、将来のことなので、見込みというか、予想単価を少し変えるだけでかなり便益は変えられそうに思います。先ほど問題ではと御指摘があった便益はかなり細かい点に思えます。作付がどう変わるかは、やっぱり事業開始から何年も経つと、どうしても需要動向によって変わりますでしょうから、その辺について、なぜ作付予定が変わったのかを追及するよりは、(この事業をやめることも可能だというのだとまた少し話が違うとしても)、まずは、どうしてそれほど予算と違って資金がかかったのか、その辺についてまずは説明責任があるのではないかと私は思いました。
    【金本分科会長】  こういう再評価の場合、国土交通省の場合は2つあって、継続するか中止するかというのと、それから過去のものがオーケーだったのかという側面で、残りのコストだけ、残りの便益だけの評価と、それから全部通した評価と2つやって出すことになっています。農林水産省の場合はごっちゃになっていて1つしか出ない、そういう話です。
    【永瀬臨時委員】  かんがいを途中でやめても大丈夫ですか。つまり、あるところまで作って、やめて、これまでの投資が無駄になりませんか。
    【金本分科会長】  そのことのコストを入れて判断するわけで、途中でやめることのコストが高ければ継続するという話になります。
    【永瀬臨時委員】  途中まで作った設備投資の中止・縮小をどういうコスト計算でやるかはすごく重要です。私が思うに、便益のほうは、将来予測に基づくため、ちょっとばかり予測をかえれば、つまり鉛筆を丸めれば高くなるように思えます。ですから、いったん事業を決定した上は、まずはコストをしっかりと見て、本当にこれが同じ効果を上げるのに最低のコストでやっているのかどうか、コスト管理をすることが重要かと。例えば、だらだらと期間が長くなりコストが上がっていないのかなど、そのチェックが重要と思ったということです。
    【金本分科会長】  重要な点ですが、それをだれがどういうことにやるかということで、農林水産省のほうで全部についてそれをやるということにはなっていないと。
     すいません、田中先生、どうぞ。
    【田中臨時委員】  2点ほどあるのですが、1点は廃用損失額というのは私も最初見たときに違和感があったのですけれども、通常の民間事業だと、今までの事業について、ものを取り壊すのであれば、その瞬間でまず償却、経費で落として、新しい事業は取り壊し費は入るけれどもその事業として見るということなのですが、通常の事業とすれば両方で検証はしているのですよね。取り壊す今までの事業はどうなったのかと、これからの事業はどうかと両方は検証しているので、やはり何らかの形で両方検証ができるような評価は必要で、その1つのあり方として廃用損失額を持ってきているのかなとは感じるのですが。
     もう一つ、効果額の中に、今までの現状施設機能の維持の効果が出ているのであれば、今までの現状施設に対しての投資額もやはり入れないとおかしいのではないかなということで、そういう意味から言うと、廃用損失額という考え方もあるのかなとは考えます。
     それからもう一つ、かんがい排水事業の目的として、大型機械の導入による省力化と複合経営の促進という2本柱が挙がっていますけれども、大型機械の導入による省力化というのはすごくイメージはつながるのですが、複合経営の促進というものが、すべてかんがい排水事業の効果と直結しているのかどうかが少し疑問だなと。効果のほうにも今の作物生産効果というところにそういったものが出てくるわけですから、それが必ずしもかんがい排水事業と直結しているかどうかというのは、むしろ営農計画によっているのではないかなという疑問があるなと。この2点を感じます。
    【金本分科会長】  重要な論点だと思います。 高木委員、どうぞ。
    【高木臨時委員】  今後の議論のためにということで御検討の対象に加えておいていただきたいと思うのですけれども、半世紀ぐらいの期間を前提に計算することが現実的かどうかという問題が大きくあると思います。
     先ほど座長、あるいは上田先生が御指摘のように、便益のところの計算そのもの自体が極めて疑わしいところがあるわけですけれども、便益の内容のところの作付云々とか、経費云々とかを考えた場合に、50年近くの期間を対象として計算することが、果たして測定にどの程度意味があるのかということを大きく感じますので、期間を含めた計算の仕方そのものについても、今後、検討の対象にしていただいたほうがよろしいのではないかなと思います。
    【金本分科会長】  佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  今のことと関連するのですけれども、2点ですが、まず、作物生産効果についてですが、今御指摘がありましたように、これは計画額と現状の差をとって時間を伸ばしていくわけですよね。ということは、ある意味では、線形的に生産量が増えることを前提に作っていると思うのですが、必ず頭打ちになります。土地の面積って決まっていますから、どこかで頭打ちになるわけですから、一定の増加率を前提に、しかもこれを長期間計算するというのは、そもそもあり得ないのではないかと思います。何年後にものすごい量の米を作っていることになってしまいますので。それが1点です。
     あと、経済学者はこういうことを常に言うのですが、計画作付面積は、別にかんがい用水を作ることによって増えるものとは限らないですよね。土地改良だって、ほかのいろいろな事業があって作付面積が増えるだろうという見込みであるならば、これはダブルカウントしていることになると思います。いろいろな事業があって、その総合としての計画作付面積ですから、それをあらゆるところで、例えば土地改良にも同じ便益を使って、いろいろなところに同じ便益を使うのは、どう考えても変な話じゃないかというのが2点目です。
     それと、文化財発見効果という効果が分からないです。いや、あるのは分かります。もちろん文化財があるというのは大事なのですが、どうやったらこれが金額評価できるのかということが、そもそも分からないですよね。だから、金額評価ができない便益があると言ったほうが素直ですよね。これもまた、かんがい用水があるから別にできるわけでもないし、それから効果が、さっきから出ている便益なのかコストなのかよく分からない。
    【金本分科会長】  細かい情報がないので、ここで議論しても仕方がないのですが、ちゃんとそういうのを説明していただくようにしておいたほうがいいと思います。
     ほかに何かございますでしょうか。木村委員どうぞ。
    【木村専門委員】  もうほとんど出てしまいましたが、この事業を継続して完成した場合と今の現状のままで、効果でどこが一番大きく、どの程度違うのかというのがよく分からない点が1つと、あとの1つは、もう既に出ていますように、効果にどの程度のものを入れ込むのかというところで、はっきりしたものが見えにくいというところと、その2つです。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
     時間がほとんどなくなっておりますので、特にということがなければ次にいきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
     次は、政策評価結果の予算要求等への反映状況について、松林政策評価官のほうから御説明お願いいたします。
    【松林政策評価官】  それでは、お手元の資料2−1報道資料という横紙でございますが、こちらで御説明いたします。
     最初に全体像ということで3ページをおあけいただきたいと思います。今回評価の対象になりましたのが、本年夏までに実施された政策の評価について21年度予算要求にいかに反映したかというところでございます。この反映状況につきましては、平成17年の政策評価に関する基本方針という閣議決定に基づきまして、毎年度、総務省で取りまとめを行っているものでございます。
     評価総件数が964件ございまして、うち予算要求に反映したものが886件、パーセントに直しますと91.9%となっております。なお、この差でございますけれども、これは規制の事前評価など、予算要求を伴わないものについてはここに入っていないということでありまして、この差が政策評価が活用されていないということではございません。それから、機構・定員要求までいくのはなかなかないのですが、これも評価を活用し反映した結果、181件のものに反映されているということになっております。現在、概算要求が行われまして、年末の政府予算案の決定に向けた査定においてもこういったものが活用されているということでございます。
     次に今年の特徴でございますが、1ページお戻りいただきまして、報道資料ということで簡単に記者にも分かるようにあらわしております。評価対象政策の改善、見直しを行っているもののうち評価対象政策の重点化、これは予算の効率化ということでございますが、それに結びつけているのが約7割に上っているということでございます。
     なお、ここに入らないものとしましては、予算をさらに増額したとか、あと下に出てまいります廃止、休止等を行っているものになります。その対象政策の全部または一部の廃止、休止または中止を行っているものについては21件に上っております。詳しい数字につきましては8ページを御覧いただければと思います。
     それから2つ目の特徴といたしましては、昨年10月より規制の事前評価を導入しておりますので、こちらのほうも反映いたしているということ。
     それから、こういった反映状況を総務省で取りまとめていることの意味でございますけれども、制度発足当初は、各省から概算要求に間に合わせて、こういった評価書をなかなかまとめてこなかったという状況がありまして、せっかく評価をしたのに、それが予算に結びつかないような状況を改善するために、当省で取りまとめをして公表していくことをやってまいりましたが、ほぼ100%近く、評価書が概算要求に間に合ってまいりましたので、一定のこういった取りまとめの役割は果たし終えたかなと思っておりまして、今回より、全件を電話帳みたいに公表するのではなくて、好事例を特にピックアップいたしまして、当省で推奨事例として選定したものを公表していこうという試みをしております。これによって各省が競い合って好事例を出してきますので、そこで各省の評価の質の向上も図っていこうと思っております。
     その好事例でございますけれども、4ページをおあけいただきたいと思います。特に好事例と思うものを出してほしいと各省に言って出してもらいました。その中で、特に上のほうに書いてあります廃止とか、予算要求をしない、減額要求、予算の効率化に結びつけたもの、それから次のページは、そういったものだけではなくて事業の一層の推進に役立ったもの、それから評価してみた結果、また新たな課題が出てきたので、それに新たに対応を図っているものといった典型的な事例を、しかも非常に論理的に分かりやすいものをピックアップいたしまして、一覧性を持たせて公表している。
     こういったものに載らなくても、各省が出してきたもので一定の水準を保っていると思われるものにつきましては、6ページ以下に項目を紹介しております。これにつきましては、ホームページで詳しく流れを見ることができるようにしております。
     こういったものを総務省としても積極的に宣伝していこうと思っておりまして、今編集中でございますけれども、冊子にしまして、広報資料としてまた積極的に使っていこうと思っております。できましたら先生方にもお配りしたいと思っております。以上でございます。
    【金本分科会長】  ということですが、何か御質問、御意見はございますでしょうか。どうぞ。
    【高木臨時委員】  この予算要求への反映というのは、ずっと取り上げられていて、政策評価そのもの自体を盛り上げるという意味ではいいやり方だとは思うんですが、大分年数もたちましてというところですので、客観的にこの部分についても考えていく時期に入っているのかなと思うんですが、今ここで取り上げられている事例、特に好事例と言っているものについては、各府省のほうからこういった好事例がありますよということで出てきた事例ではないかと思うんですが、それについての御検証はされているんでしょうか。
     といいますのも、私、ぱっと見まして、金融庁のEDINETの話が出ていたのでふっと思ったんですけれども、私の知っている限りにおいては、必ずしも政策評価のところからEDINETの話が出てきたんじゃないなと思ったりしていまして、たしか金融庁は、政策評価の使い方、自分たちの事務事業の積極的な見直しをするために意識的に政策評価を使っている部分があるので、そういった意味じゃ対象となる事例と言えるのかもしれないんですが、好事例と言えるような事例かなというところもありますので、ちょっと一言ということで。
    【松林政策評価官】  ありがとうございます。基本的に自己評価が原則になっておりますので、各省の官房の政策評価の旗を振っているところが、全省的にこれが好事例だと思いますというものを集めて、そういったことを通じて競わせていくことが1つのポイントかなと思っています。
     御指摘の金融庁の案件については、確かにそのとおりかなとも思いますが、評価の一環としてこういった問題点の検証をやったということでございますので、その辺は本当にそうかいなという議論は、正直、しておりません。
    【金本分科会長】  好事例はどういう理由で好事例なのかという理由とか、好事例を出すための基準とかいうのがないと、漫然とやっても意味がないかなと思いますが。
    【松林政策評価官】  ちょっと補足させていただきます。今回、総務省において好事例の基準として載せた基準でございますけれども、評価結果と予算要求等への反映状況との論理的な対応関係が明確であるということ、それから最大限定量的な指標を設定しているということと、その達成状況を明らかにしているという点、それから内容に具体性がある。政策評価なんかはそうなんですけれども、ほんとうに総花的にならざるを得ないような政策もございますので、そういったものは好事例であってもなかなか分かりにくいということで、今回は載せていないものがございます。あとは、やはり政策評価の活用方法として予算の効率化にきちんとつながっているようなものを優先して載せております。その辺、基準として明らかにしていきたいと思っております。
    【金本分科会長】  牛尾委員、どうぞ。
    【牛尾臨時委員】  今回好事例を出していただいたのは、非常にいいなと思うんですけれども、あとそれに加えて、金本先生からもありましたけれども、行政評価局としてのコメントをつけていただくと行政評価局のイニシアチブというものが出てくるので、それをつけていただきたいなという希望があります。
     あともう一点ですけれども、報道資料ということで、一番最後に平成21年度予算要求等への反映状況の一覧が出ているんですけれども、これは21年だけじゃなくて、推移的なものもつけていただいたほうが分かりやすいんじゃないかなと思います。
    【松林政策評価官】  ありがとうございました。評価局のコメントのほうは、また来年以降検討したいと思っております。
     あと反映状況の一覧でございますけれども、これはなかなか比較が難しいのは、政策の単位自体が大きくなったり小さくなったりしておりまして、ベースの数字自体が大きく変わったりしておりますので、その辺単純に今年20件だった、来年10件になった、だから少なくなったという評価がなかなかできにくいところであります。分かりやすい工夫はしてみたいと思っております。
    【金本分科会長】  そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。
     それでは、本日の分科会についてはこれまでにさせていただきます。次回以降の日程について事務局のほうからお願いいたします。
    【松林政策評価官】  それでは、今後のスケジュール案について御説明させていただきます。19年度の重要対象分野と20年度の重要対象分野は、これから議論が本格的になりまして選定等を行っていただくことになりますが、15日のワーキンググループでは、両対象分野につきましての御審議をお願いしたいと思っております。この審議を踏まえまして、30日に分科会を予定しております。ここで出していただきました御議論を踏まえて、11月7日の政策評価分科会におきまして答申案を決めていただければと思っております。分科会の議論を踏まえまして26日、また解散の状況等で変わってくるかもしれませんけれども、一応仮置きさせていただいております。これは政独委のほうでございます。ここで答申を最終的に決めまして、波穏やかでありましたら、11月の終わりごろ経済財政諮問会議ということに予定しております。以上でございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。それでは、これをもちまして本日の分科会を終了させていただきます。

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