会議資料・開催案内等

政策評価・独立行政法人評価委員会
政策評価分科会委員懇談会(11月25日開催)議事録


  1. 日時  平成20年11月25日(火)10時00分から11時50分

  2. 場所  虎ノ門パストラルホテル ペーシュ(新館6階)

  3. 出席者
            (分科会所属委員)
      金本政策評価分科会長、牛尾臨時委員、小峰臨時委員、佐藤臨時委員、高木臨時委員、田中臨時委員、谷藤臨時委員、八丁地臨時委員

      (総務省)
      関行政評価局長、新井審議官、渡会審議官、松林政策評価官、吉武評価監視官、北原参事官、羽室政策評価審議室長
     
  4. 議題
            1    バイオマスの利活用に関する政策評価(総合性確保評価)について
      2 世界最先端の「低公害車」社会の構築に関する政策評価(総合性確保評価)について

  5. 資料
            資料1   バイオマスの利活用に関する政策評価 説明資料
      資料2 世界最先端の「低公害車」社会の構築に関する政策評価 説明資料

  6. 会議経過
    【金本分科会長】  まだお見えでない方もいらっしゃいますが、時間がまいりましたのでただいまから政策評価分科会を開会させていただきます。
     本日の議題は2つ、「バイオマスの利活用に関する政策評価(総合性確保評価)について」と、「世界最先端の「低公害車」社会の構築に関する政策評価(総合性確保評価)について」の2点でございます。バイオマスは、平成20年12月から調査を開始する予定で、その調査計画について御審議をいただくということになっております。「低公害車」に関しましては、平成18年12月から評価を実施しておりまして、今回は取りまとめの状況について御審議をいただくということになっております。
     まず、バイオマスの利活用に関する政策評価について事務局のほうから御説明をお願いいたします。
    【吉武評価監視官】  バイオマスを担当します吉武でございます。よろしくお願いします。バイオマスの利活用に関する政策評価につきまして御説明申し上げます。
     資料1−1「平成20年度第3期 政策評価計画(案)」を御覧ください。まず、目的について御説明申し上げます。近年持続的に再生可能な資源としましてバイオマスが注目されているところでございます。このバイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものでございます。具体的には食品廃棄物、家畜排泄物などで構成される廃棄物系バイオマス、林地残材、農作物の食用部分以外のところなどで構成される未利用バイオマス、資源作物といったものがあります。世界各国におきましてこのバイオマスの利活用に向けたさまざまな取組が進められているところでございます。我が国におきましては第一に地球温暖化の防止、第二に循環型社会の形成、第三に競争力ある新たな戦略的産業の育成、第四に農林漁業、農山漁村の活性化に向けてバイオマスの利活用に関する具体的目標や基本的戦略を盛り込みました「バイオマス・ニッポン総合戦略」が平成14年12月に策定されております。その後、平成17年2月に京都議定書が発効し、実効性のある地球温暖化対策の実施が喫緊の課題となるなど、バイオマスの利活用をめぐる情勢が変化したことから、この総合戦略の見直しが行われ、平成18年3月に新たな「バイオマス・ニッポン総合戦略」が策定されたところでございます。現在、関係府省におきまして、新たな総合戦略に基づきバイオマスの利活用に関する各種の取組が進められているところでございます。
     しかしながら、バイオマスの利活用状況を見ますと、林地残材は98%が利用されておらず、食品廃棄物や農作物非食用部につきましても、70%以上が利用されていない状況でございます。また国内で発生する廃棄物全体の56%を占める廃棄物系バイオマスの循環利用率は16%にとどまっているなどの状況でございます。
     この政策評価はバイオマスの利活用に関する政策につきまして、総体としてどの程度効果を挙げているかなどの総合的な観点から評価を行い、関係行政の今後のあり方の検討に資するため実施するものでございます。以上が目的でございます。
     続きまして調査項目でございますが、バイオマスの利活用に関する政策の現況、バイオマスの利活用に関する政策の効果の発現状況といったことを調査いたします。
     調査対象機関としましては、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の6省でございます。これに関連して内閣府、都道府県、市町村ほか関係団体等につきましても調査を実施いたします。
     調査の実施時期でございますが、平成20年12月からの調査を予定しております。
     続きまして、資料1−2を御覧ください。「バイオマスの利活用に関する政策評価(総合性確保評価)」の調査概要でございます。
     まず、1の行政評価等プログラムでございますが、本件政策評価につきましては、この4月に取りまとめられました行政評価等プログラムにおいて20年度第3期の政策評価として実施されることが計画されていたものでございます。3の調査スケジュールでございますが、来月早々に関係機関に対しまして、政策評価を実施する旨の通知を行います。そして12月より本省におきまして各府省に対してヒアリング等の調査を行います。年が明けまして4月をめどに地方調査といたしまして、管区の行政評価局等におきまして、地方公共団体等の調査を行います。
     5の調査のポイント等でございますが、これにつきましては、資料1−4としましてチャート図を用意しております。その調査のポイントに入る前に、まずは政策の全体像を説明させていただきたいと存じます。
     資料1−3「バイオマスの利活用に関する政策の脈絡(案)」を御覧ください。
     政策の背景といたしましては、一番右側の上のほうに書いてございますCO2排出量の増加によります地球温暖化及びそれに伴う環境悪化、大量消費、大量廃棄への反省、農林水産業の低迷、原油価格の高騰などのことがございます。これを受けまして、エネルギーや製品としてバイオマスを総合的に最大限に利活用し、持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン総合戦略」におきまして位置づけているものでございますが、このような社会を実現するために、「バイオマス・ニッポン総合戦略」がまとめられた、そういう脈絡でございます。
     その戦略の中身としては、その左側に掲げておりますが、一つには具体的目標といたしまして、技術的観点、地域的観点、及び全国的観点からの数値目標がそれぞれ掲げられているところでございます。技術的観点からの目標として、エネルギー変換効率の向上等、地域観点からの目標としてバイオマスタウンを300程度構築すること、全国的観点からの目標として、廃棄物系バイオマスを80%以上利活用すること、未利用バイオマスを25%以上利活用することといったことを目標として掲げているところでございます。
     ここでバイオマスタウンという言葉が出てまいりますが、これはバイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれたバイオマスの総合的な利用のシステムを有する市町村のことを言っているところでございます。全国で現在、157の市町村がこのようなシステムつくりの構想、バイオマスタウン構想と称していますけれども、その構想を策定しておりまして、順次システムの構築に取り組んでいるところでございます。以上が数値目標でございます。
     また「バイオマス・ニッポン」の実現に向けた基本的戦略といたしまして、ここに5本掲げてございます。
     (1)にバイオマス利活用推進に向けた全般的事項に関する戦略、(2)としてバイオマスの生産、収集・輸送に関する戦略、(3)としてバイオマスの変換に関する戦略、(4)としてバイオマスの変換後の利用に関する戦略、(5)としてアジア等海外との連携に関する戦略でございます。
     そしてこの総合戦略を実現するための手段として、関係府省による各種施策・事業がございます。これにつきましては、「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づく具体的行動計画といたしまして、毎年度取りまとめられているところでございます。また、バイオマスの利活用に関係する法令等といたしまして、ここに主なものを掲げさせていただいてございます。バイオマスの利活用そのものにつきましては、いわゆる基本法のようなものはございませんが、これらの法律あるいは計画の中で、バイオマスにつきましても個別に定められているところでございます。これらの施策が総合的・計画的に実施されることによりまして、バイオマスの効率的・効果的な利用が進む、そういう脈絡でございます。
     その右のほうに、政策効果の発現と記載してございますが、バイオマスの効率的・効果的な利用により地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農林漁業、農山漁村の活性化に寄与するという脈絡でございます。なおその下に点線で囲っておりますけれども、外部要因としてございますが、地球温暖化の防止をはじめこれらの4点につきましては他の政策も作用するところでございます。バイオマスの利活用によってのみ実現されるものではなく、バイオマスの利活用はその実現のための1つの手段でございます。
     続きまして、調査のポイント、評価の視点につきまして、資料1−4「バイオマスの利活用に関する政策評価(総合性確保評価)」の評価チャート(案)を御覧ください。
     評価の視点を検討するに当たりましての一つの整理として、バイオマスの利活用に関する政策の体系を3層構造の形で整理しております。このそれぞれの階層ごとに、評価のための設問を検討しているところでございます。
     まず、一番上の第1階層には、「バイオマス・ニッポン総合戦略」の政策効果を発現する先であります地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農林漁業、農山漁村の活性化の4点を掲げております。これら4点に向けまして「バイオマス・ニッポン総合戦略」全体がどう寄与しているかということを矢印で表現しております。第2階層では、「バイオマス・ニッポン総合戦略」に掲げております5本の基本的戦略を掲げております。その下の第3階層につきましては、戦略を実現するための手段を記載しております。これらの3階層それぞれの段階ごとに評価をしていく、こういうことを考えております。
     具体的には、評価の基本的な設問例として真ん中に掲げておりますように、第1階層では、1)「バイオマス・ニッポン総合戦略」に定める数値目標の達成度合いはどうか、各戦略、各施策・事業は、達成に寄与しているか、また、現行の数値目標は、目標として妥当なものか。2)といたしまして、「バイオマス・ニッポン総合戦略」は地球温暖化の防止、循環型社会の形成等に寄与しているか、またエネルギー政策全般における役割は明確になっているか、他の政策と整合しているかといったことを設問として考えておるところでございます。
     第2階層では、3)バイオマスをエネルギーやマテリアルに変換する技術の開発は進展しているか。4)バイオマスタウンの構築(バイオマスタウン構想の策定及び構想の実現)は進展しているか、といったようなことを設問として考えているところでございます。
     なお、ここで1つポイントとして考えておりますのは、6)のバイオマスの利活用によりCO2はどの程度削減されているか、利活用の方法によっては、逆にCO2を増加させることになってはいないかという設問を考えているところでございます。
     なお、この3月にまとめられました京都議定書の目標達成計画におきましては、バイオマスの熱利用を含めた新エネルギーの利用によりまして、全体として原油換算で1,910万キロリットル、CO2換算でございますと、4,730万トンのCO2の削減を見込んでいるところでございます。
     また、バイオマスタウン構想の推進により、全国で300のバイオマスタウンにより100万トンのCO2の削減を全体として見込んでいるところでございます。今回の政策評価におきましても、稼働しているバイオマス施設につきまして実地で調査を行い、1つのモデルのもとではございますが、CO2の収支を把握、分析することを考えているところでございます。以上が有効性の評価でございますが、効率性の評価につきましても、試みるとしております。我が国においても国内排出量取引の手法が始まるなど、CO2排出量につきまして、経済的な価値が評価される方向でございます。先ほど、有効性のところにおきまして、CO2の収支について御説明申し上げましたが、効率性の評価に当たり、削減されるCO2の経済的な価値を仮定いたしまして、これを効率性分析において織り込む形で分析できないかというようなことを考えております。
     続きまして、資料1−5を御覧ください。「バイオマスの利活用に関する政策評価(総合性確保評価)」に係る研究会メンバーとして6名の方のお名前と簡単なプロフィールを掲げておるところでございます。私ども、必ずしも個別具体的な部分につきまして専門的な知見を有しているものではございません。この6名の方々にいろいろとアドバイスをいただきながら現在準備しているところでございます。今後、政策評価の実施に当たりましても、調査手法、分析などこれらの方々に御相談しながら、また知見をいただきながら進めていくことを考えております。
     政策評価の計画の説明としては以上でございますが、今、御説明しました資料のほかに参考資料というものを用意してございます。これにつきましても若干御説明いたしたいと思います。まず1枚めくりまして目次を御覧ください。
     1のバイオマスとは? でございますが、1ページ以下にバイオマスの定義、バイオマスを使うメリット、2ページにバイオマスの活用事例をポンチ絵まじりで説明したものを用意しておるところでございます。2といたしまして、4ページに「バイオマス・ニッポン総合戦略」策定までの主な経緯をまとめているところでございます。3といたしまして、5ページ以下に「バイオマス・ニッポン総合戦略」の概要をまとめております。4といたしまして、「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づく具体的行動計画(平成20年度)をまとめております。5としまして、バイオマス関連予算の推移、6といたしましてバイオマス関連のデータをまとめております。最後に7といたしまして、バイオマスタウンのパンフレットから抜粋したポンチ絵とバイオマスタウン構想を公表しております全国157の市町村をつけております。そして最後に、簡単ではございますが用語解説をつけておるところでございます。
     以上です。ありがとうございました。
    【金本分科会長】  はい、どうもありがとうございました。
     それでは、御質問、御意見お願いをいたします。
    【牛尾臨時委員】  添付された資料のバイオマス関連予算の推移というところがあるのですけれども、これは非常に参考になる資料を出していただいて、これを拝見しますと、平成16年から20年までの間に、例えば平成16年の場合、総予算のうちのほぼ9割までいきませんけれども、大きな部分は国土交通省が占めていたのですが、それから平成20年度になりますと、総予算規模自体かなり縮小していますけれども、予算が各省庁間にばらける形できていますがどうしてでしょうか。
    【吉武評価監視官】  一番大きな要素といたしまして、これはけたがずれておりますが、これは内数とありますように、国土交通省の予算の枠組みといたしまして、大くくり予算を取っておりまして、かつ国土交通省のバイオマス取組の対象の部分につきましては、いわゆる下水道事業の内数でやっていまして、その下水汚泥とか廃棄物のバイオマス、それからメタンガス発酵とか、そういうことをやっているところでございますけれども、ここは、くくりが若干変わったというところでございまして、予算的にはそれほど大きな変動というところではございません。
    【牛尾臨時委員】  ないわけですね。
     それがまず1点と、第2点のやっぱりその予算の配分なのですが、結局これは各省庁間の調整会議みたいなものはあるのでしょうか。
    【吉武評価監視官】  はい、資料1−3の「バイオマスの利活用に関する政策の脈略(案)」というのを御覧いただければ幸いでございますが、説明漏れをいたしまして申しわけございません。左側の「バイオマス・ニッポン総合戦略」のところに、「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」とありますけれども、ここにおきまして先ほど申し上げました関係6省及び内閣府がメンバーとなって、こういった戦略推進会議を設けております。これの事務局は農林水産省がやっておりまして、ここで調整をしているというところでございます。
    【牛尾臨時委員】  そうですか、はい、どうもありがとうございました。
    【金本分科会長】  佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  今のに関連するのですが、バイオマス関連予算ですけれども、逆に農林水産省のほうが10倍近くになっていますよね。けたがまた変わっているのですが、やはりこれは非常にいいデータだと思うのです。どういうふうに予算が変わってきているか、ただやっぱり定義が変わることによって、多分さっきの国土交通省の予算が減ったのは、おそらく定義が変わって、大くくりだったのがもう少し選別していったら減りましたというだけであって、実際としては変化していないわけですね。農林水産省の場合もこれ、実態として何か大きな変化があったのか、あるいは何か予算の項目に変化があってなのか。もし評価されるのであれば、本当は同じ基準でやっぱり予算という評価をしたほうがいいので、できるだけこれは数字を合わせるように、定義を合わせるようにされたほうがいいのではないかと思います。1点は質問、1点はコメントです。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。まさしく佐藤委員御指摘のとおりでございまして、この中身を見ていかないと仕方ないというところがございます。ただ、予算書におきまして、最近大くくり傾向でございまして、今回の調査におきまして、まさしくこの内数の中を見ていくということで表していきたいと思っているところでございます。
     なお、質問のほうでございますけれども、農林水産省の予算が格別増えたり減ったりというのはあまり、また国土交通省と同じですけれども、若干微増といったところでございまして、これはヒアリングベースで聞いているところでございますけれども、中につきましても、まさしく内数で分からないところでございますので、今後詰めてまいりたいと思います。
    【金本分科会長】  八丁地委員、どうぞ。
    【八丁地臨時委員】  バイオマスのこのプロジェクトは大変時宜にかなったというか、立派なプロジェクトだと、構想はすごく立派な構想だと思っております。ただ、構想が大変立派なので、具体的な評価は大変難しい、難易度が高いのではないかなというのが正直な感じがしていまして、結局これは地球温暖化の防止ということの効果を求めるわけで、この資料1−4にあると思いますけれども、この中の、第1階層の2)のバイオマス利活用によるCO2削減量の推移とか、それから第2階層の6)のところの、CO2はどの程度削減されているか、その利活用の方法によっては逆にCO2を増加させることになってはいないかという、ここがやっぱり全体の調査の肝だと思うのですけれども、私の理解しているところでは、このバイオマスを使わなかったときのCO2の発生って幾らかということを現状ほとんど把握していないと思いますので、その現状の把握をどのように行うのか、それをバイオマス関連施設別に行うということが相当詰める必要があるのではないかなと思います。
     バイオマスを使った場合というのは割合出やすいと思うのですけれども、そのサンプルがきちんと出るように、先ほどモデル化という話がありましたけれども、これをきちっとされるのがいいと思います。
     この関係は、多分京都プロトコルの関係では、CDMの算定によく使われているケースが私はあると思っていますので、例えばそのCDMを現在認証している機関とかが幾つかあると思いますけれども、その辺の知見を得るとか、幾つか、このバイオマスというのもバイオマスじゃないケースにすると、例えば技術だとか、例えば何か森林だとかいろんな形でケースがたくさんあると思いますので、それをよく御覧になられて、使用前・使用後といいますか、ここで言っている寄与度というのですか、貢献度というのか、削減度というのか、というものが出ることをきちんとされるということが、難しいと思いますけれども、されることを期待しています。
    【金本分科会長】  ありがとうございます。小峰委員どうぞ。
    【小峰臨時委員】  2点申し上げたいのですが、1つは、さっきからバイオマス関連予算が出ていますけども、最初に発言したお二人は、大変いい資料だとおっしゃったのですが、私はこれがあまりいい資料ではないと思っています。というのは、この合計を見ても、ほとんど情報量がないですし、何とかの内数と言われるともう何が何だか分からないということですので、逆にこの合計を見た人が、バイオマス関係予算はこんなに増えたり減ったりしているのだという誤解を生む分、かえってミスリーディングではないかという気がします。是非これは内容を精査して、本当の意味でのバイオマス関連予算がどうなっているのかというのを明らかにしてほしいと思います。
     それからもう1つ、数値目標について当然評価の尺度として使われることになると思うのですけれども、私は、こういう数値目標を見るたびに感じるのは、これがどれぐらいそもそも政策的な裏付けがあって出てきたものなのかということです。例えば観光客を1,000万人にするとか、対外投資を2倍にするというのは、私から見ているとあれは一種の掛け声であって、そうできたらいいですねというような、旗を振るような感じだと思うのですけども、やっぱり政策評価というからには、評価の尺度となるようなものとしてふさわしい指標を最初に掲げる必要があると思います。このバイオマス80%以上利活用とか、こういったものはどの程度そういった評価の尺度として耐えられるものなのかということをちょっとお尋ねしたいと思います。
    【吉武評価監視官】  まず、1点目のほうにつきましては、御指摘ありがとうございます。
     2点目のほうでございますけれども、この数値目標といたしまして、廃棄物系バイオマス、未利用バイオマスにつきましては、このバイオマスの利活用に関する戦略が始まる前に循環型社会形成のほうでいろいろ議論がございまして、環境審議会等でいろいろ議論されている流れからも受けているものでございますので、あながち根拠のないものではないというふうにヒアリング段階では聞いておるところでございます。ただ、まさしく政策評価というからにはその尺度にふさわしい指標かどうかというところにつきまして、今後、本諸調査におきまして、いろいろ情報を集めて精査してまいりたいと思います。ありがとうございました。
    【金本分科会長】  田中委員、どうぞ。
    【田中臨時委員】  今の話の続きなのですが、廃棄物系バイオマス80%以上の利活用ということは、同じようにあいまいだなと思うのですけれど、参考資料の24ページに、平成19年利用率ということで幾つかの項目に分かれて出ているところがあるのですね。こういうことについて、それぞれを80%にしようという政策なのか、そうではなくて、全体をまとめて何か80%にしようということか、それが1つです。
     それから少なくともその各項目別にどんな施策を打っているのかというようなことが見えたほうが評価をしやすいのではないかなと思いますけれども。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。まず第1点目の全体なのか部分なのかというところでございますが、これは全体で8割ということを考えておられるところでございまして、したがいまして家畜排泄物やあるいは下水汚泥等、こういう大きなところを押さえていけば全体としてのパーセンテージは達成できるということでございます。
     あと、また2点目のほうでございますけれども、各家畜排泄物なら排泄物、下水汚泥なら下水汚泥といった項目別ごとにどういった政策を展開していくかにつきましては、今回の政策評価におきまして、いろいろと精査していかなければいけないというところと考えておりまして、突っ込んでやっていきたいと思っております。
    【金本分科会長】  谷藤委員、どうぞ。
    【谷藤臨時委員】  2点ほどお聞きしたい。まずはバイオマスタウンのことでございます。1つは、マクロ的にあるデータを使って定量的に見る手法があると思います。同時にバイオマスタウンの問題は、循環型社会であるとか、循環型コミュニティの形成に関わってくるのだろうと思います。そうなると、157の市から幾つかピックアップして、ミクロ的にかつ定性的に検証することが必要になってくると思うのですが。そういうことをやるのかどうか。
     もう1つ、この中で大変気になりますのは第5番目です。海外との連携に関する戦略と言われるものをどう評価していくか。ここを読ませていただきましたが、ちょっと分からなかった。21ページのところに「アジア等海外との連携に関する戦略・・・・・・具体的なプロジェクト云々」と、書いてございます。そうなると、現地に行って効果発現状況を全部チェックしていくのか。そういうことも戦略としては考えているのかどうか。教えていただきたい。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。まず、1点目のほうでございますけれども、ミクロにつきましては、現在157の市が構想を策定しているバイオマスタウンにつきまして、そのタイプ別ごとに分類いたしまして、それぞれ実地に見ていくということを考えているところでございます。
     続きまして2点目のアジア等海外との連携に関する戦略でございますが、これにつきましては、総合戦略におきましても、人材協力なり技術協力といったところが掲げられているところでありますけども、この中で実際に動き出しているものといたしましては、農林水産省の「発展途上国等におけるバイオマス利活用モデル事業の実施」以下ありますけれども、実際に動いているものといたしましては、今年度予算から3カ年計画で実施しておるものがございまして、東アジアにおけるバイオマスタウン構想支援事業というのがございます。実際に動き出しているのはこれでございまして、これにつきましては今年度、国内の人材を招へいして研修していくというようなことをされるところでございまして、その人材を招へいして研修をして育てた人材が、現地に行きまして中長期的なコーディネーター等として活躍される、その方と日本の間に技術交流あるいは人材研修、ノウハウの移転等をやっていくということでございますので、今回の政策評価の期間の中では、まだ目に見えた成果というのは見えにくいのかなという状況でございますので、現地のほうに出向いてという調査にはならないのかなと今のところ考えているところでございます。
    【金本分科会長】  よろしゅうございますか。そのほか何かございますでしょうか。八丁地委員、どうぞ。
    【八丁地臨時委員】  やっぱりCO2の削減量にこだわるようで恐縮なのですが、このバイオマスの生産、収集、輸送に関する戦略というのが(2)にありまして、詳細が後に述べられておりましてそのとおりだと思うのですけども、最近の例えばバイオエタノールとか、いろんな議論を見ていますと、利活用の前後というか、例えば集めるだとか、それをどこかに運ぶだとか、いろんな意味でそこでのCO2の発生が大きいとかいうことの議論がいろいろな形でありますので、これに関してもバイオマスの利活用の前後、よくライフサイクルアセスメントとか、ああいう手法を随分使われますけれども、ということで、これの原材料から実際にその活用、廃棄ということはないでしょうけれども、そういうことも全部含めて、トータルでそのCO2が幾ら減るかということの視点が必要だなと思います。
     それもそうやって広げると非常にディテールの話になりまして、専門的な知識、相当詳細な知識が要ると思いますけれども、ぜひそういう視点をもってやっていただいたほうが実際の評価の指標はクリアに出るのではないかなと思います。お願いします。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。
    【金本分科会長】  佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  短く2点ほどですけども、これはバイオマスに限ることではないと思うのですが、関係府省いろいろな事業がありまして、特に農村関係で、それは省庁によって例えば重複した事業とかというのは本当にないのでしょうか。一応建前としては連携をとって機動的に対応するということになっていますが、大体建前はそのとおりならないのが実態ですから、その辺りの重複関係というのがどうなっているのかということ。整合性という観点で評価があってもいいのかなというのが1つです。
     それから、これは質問なのですけれども、非常にうまく第1階層、第2階層、第3階層と分けていただいて、それぞれの階層は非常にクリアなのですが、最後にその政策効果に結びつくところ、多分政策効果のところのアウトカム評価になっているのだと思うのですが、何かそこにつながっていくロジックがはっきりしないなというのが、先ほどから出てきていますように、やっぱり第1階層のところで出てきた帰結がほんとに政策効果にどう寄与しているのかということについて、先ほど幾つかコメントが出たと思うのですが、その貢献度のはかり方がかなり重要なのではないかなと思います。
     それから、これも同じなのですけど、政策効果の中でやっぱりよく分からないのは、活性化という言葉とか、競争力という言葉が出てくることなのですね。もし素直に考えれば、例えば循環社会であるとか、地球温暖化の防止とかというのは、もちろんダイレクトに環境関係ですから分かるのですが、競争力とか活性化というならほかの政策でやってくださいというのが素直なところなので、このあたりをどういうふうにとらえていくのかなと思います。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。まず1点目につきましては、省庁連携重複につきましては、この政策評価におきまして精査してまいりたいと思います。
     2点目の御質問というか、御指摘でございますが、まさしく先生御指摘のとおりでございまして、これはあくまで評価する側として視点、設問として頭の整理としてはこうしていますけれども、実際政策結果評価取りまとめの段階におきましては、やはり先生御指摘のとおりでございますけども、なかなか難しい部分があるのかなと考えているところでございますが、まず調査して、最初入っていく、調べていく上では、こういう形で調べていくのかなというところで考えております。
     あと、3点目でございますけれども、まさしく御指摘のとおり戦略的産業の育成あるいは農林漁業、農山漁村の活性化というところはなかなか評価しづらいところでございます。現実問題、戦略的産業の育成といたしましては、「バイオマス・ニッポン総合政策」におきましては、革新的な技術や製品の開発、ノウハウの蓄積、先駆的なビジネスモデルの創出等によって、全く新しい環境調和型産業を生み出すと。それに伴う新たな雇用の創出を期待できるとしておりまして、これはかなり中長期的な目標でございます。これに照らしますと、当然のことながら評価、あるいは寄与する部分はあまりない。ただ他方、その前段階といたしまして、いわゆる技術開発的なもの、実証的部分、実証段階のものを含めまして、いろいろ取り組まれているところと聞き及んでいるところでございまして、そういったところを検証していこうというところでございます。
    【金本分科会長】  高木委員、どうぞ。
    【高木臨時委員】  今の佐藤委員と同じような感触を持っているのですけども、その前に、このような非常に意欲的な取組であって、八丁地委員が懸念されているように、果たしてどこまで進められるかという点はあると思うのですけれども、今後のこういったバイオ関係の政策の評価に関する礎となるようなものをつくっていただければというようなところを期待してと思うのですが、先ほどの佐藤委員の御意見と重なり合うようなところについてですけれども、私はこれを読んでも、誰がどういうふうに動いていくのかというのがよく見えないのですけども、これは結局自治体任せみたいな話と言えるのですか。こちらのほうでお示しいただいたいろんな施策については、確かにもっともなことが書かれてはいるのですけど、じゃ、これを読んで、具体的にどういうふうに動いていくのかというところが、どうもよく見えないのですが。予算だけ取って、あとは自治体に任せるというようなことであると、かなり大変だなと思うのです。
     その1つとして、これは具体的に、じゃ、農家に任せるのか、市町村に任せるのか、農協に任せるのかというところがあると思うのですけども、農家といった単位に目を向けたときに、インセンティブというものがないとうまくいかないだろうと思うのですけども、どうもその辺のところがよく分かりません。
     それから、先般の農水に関する実績評価のところでも明らかになっておりましたけども、農水のほうはとりあえず全体構想として持っているような農地利用政策と、農地利用の予定といったらよろしいのですかね、そちらのほうと、市町村が既に改めて今の減反政策の中でどのような農業を転換していこうかというところの考えと、相当程度食い違っている、異なっているという実態が一部においてあることが明らかになったと言えると思うのですけども。そういったところとの関連なども、よりよい政策効果を上げていくためにどうしていくのかというところなどもあるのかなと思いますので。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。誰がどう動いていくかというところにつきましては、個々の施策それぞれ違っておりまして、例えば先ほど申し上げました人材研修であれば、農林水産本省がやっていくところでございますし、また今、御指摘のように市町村あるいは農家ということがございましたけれども、それにつきましては、おそらくバイオマスタウンというところが該当してくるのかと思いますが、まさしく高木委員が御指摘のようにバイオマスタウンが157ありますけれども、実際これがどのように事業が行われているかということにつきましては、農林水産省のほうにおいても、あまり定かには把握しているところではございません。したがいまして、その実態につきまして、今回の政策評価におきまして把握していこうというところでございます。
    【金本分科会長】  よろしゅうございますか。何か落ち穂拾いをしているような雰囲気もありますが、そのほか何かございますでしょうか。
     いろいろ議論が出ましたけど、これから作業を進められるときに、1階層、2階層のほうからいって、それで上っ面をなでるだけで終わりというふうになりそうな予感がかなりしますので、そうならないように、一番下のところからどういう施策が打たれてその効果があるのかどうかを問うというところでやっていただければと思います。簡単ではなさそうでございますが、この手のものって、上っ面をなぞって80%目標が75%で終わりでしたねという話で終わりそうな感じですので、その辺は頑張っていただきたいと思います。
     付け加えますと、大体この手のものって予測なのか、施策目標なのかよく分からない面があって、放っておいて民間で技術開発すれば進んでいくという面があって、かなりの程度それをなぞっているというのがありますので、その辺、きちっとできれば非常にいいのですが、頑張っていただきたいと思います。
    【吉武評価監視官】  ありがとうございます。
    【金本分科会長】  そのほかございますでしょうか。
     それでは、次の世界最先端の「低公害車」社会の構築に関する政策評価のほうに移らせていただきます。まず、事務局のほうから御説明をお願いします。
    【北原参事官】  経済産業省等を担当しております北原でございます。世界最先端の「低公害車」社会の構築に関する政策評価の説明をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
     まず、資料2−1でございます。「世界最先端の「低公害車」社会の構築」ということで、これは政策群でございます。政策群は、平成16年度予算編成のときから、政策群というものをやっていこうと、政策目標の実現に向けて制度改革あるいは規制改革と予算措置を進めるということで、この左側の一番上の枠のところにありますけれども、民間の潜在力を最大限引き出すための制度改革あるいは規制改革の施策と予算を組み合わせると、こういうことで政策群、当時幾つか挙げられましたけれども、そのうちの1つがこの世界最先端の低公害車社会の構築ということで、これは現在の平成21年度予算要求でも引き続き入っているものでございます。
     この政策群について、どういう目標を立てていたかということでございますけれども、矢印の下の大きな枠の右方、当時既に低公害車開発普及アクションプランというのが、これは関係省庁の間で平成13年に策定されております。ここにございました大きな目標をほぼもってきているものでございます。その中身でございますけれども、低公害車の政策群と言っておりますが、低公害車と言ってもいろいろございますが、当時実用段階にある低公害車、ここでは単に低公害車と書いてございますけれども、それと燃料電池自動車ということで分けてございました。その実用段階にある低公害車、これは下の注にございますが、いわゆる4兄弟と言われます天然ガス自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、メタノール自動車というものと、それから低燃費と、低排出ガスの認定車、これを合わせて実用段階にある低公害車と言っておるのですけれども、これを22年度までのできるだけ早期に1,000万台普及という目標を立てております。
     それから燃料電池自動車につきましては、5万台普及ということでございますが、先に結果を言ってしまいますと、平成17年度の段階では早々に1,000万台のほうはクリアしております。が、それは、実用段階にある低公害車4兄弟と、それから低燃費・低排出ガス合わせて1,000万台ということでございますが、その中身を一つ一つ見ていきました。そうするといろいろあるということでございますが、後ほど御説明いたします。
     それから、燃料電池自動車のほうにつきましては、5万台という目標を掲げてございましたけれども、これは技術的な問題がまだまだあると伺っておりまして、数量的には全く遠いという状態でございます。
     それからその下にもう1つ、次世代自動車とございますが、これは右のほうを見ますと、低炭素社会づくり行動計画という閣議決定をこの夏にしてございます。ここで、次世代自動車という新たなカテゴリーを設けて、平成32年度までに、これは野心的な目標と言っておりますけれども、新車販売のうち、2台に1台の割合で導入するのだと、こういう目標を掲げてございます。
     では、それはどういう脈絡でやっていくのかというのが下の民間活力の誘発ということで二重枠囲いにしているところですが、1つは実用段階にある低公害車につきましては、低公害車導入のインセンティブを付与して、民間需要を誘発して生産量を上げる、それで価格が下がって需要が上がるという好循環というところを挙げております。
     それから燃料電池自動車につきましては、こういう循環とまではいっておりませんけれども、まず1つは安全面の問題で燃料電池自動車がございますので、必要な規制体制を整備する。それから一層の性能向上、低コスト化ということで共通技術開発を加速化する。それから政府調達等率先購入ということによって民間需要を誘発するのだと、こういうことを目指しています。これは、具体的な個々の施策でどうなっているかというのが下の矢印の中でございますけれども、右側と左側に分けてございますが、右側事務・事業等とございます。1つは規制等ということで、低公害車につきましては、例えばNOxPM法の関係、それからトップランナー基準、自動車排出ガス規制、それからそうした規制関係とそれから税の優遇というものが入っております。燃料電池自動車につきましてはまず保安基準、これが整備されないとならないということです。それから政府による率先導入と大規模実証実験、それから税の優遇ということです。それから下にいきますと、予算とございますが、低公害車につきましては、導入の補助、それから設備ですね。車だけではなくて、インフラの関係がございますので、その補助です。燃料電池自動車につきましては、地方公共団体が導入するに当たっての補助と、それから開発戦略の推進等々、こうした事務・事業等を組み合わせてやっていくということですが、その各省の役割ということで、左側にございます4省庁挙げてございます。総務省、経済産業省、国土交通省、環境省とございます。低公害車普及そのものということで、経済産業省、国土交通省、環境省それぞれございますが、プラス経済産業省のほうで技術開発あるいは実証実験、普及のための燃料電池の基準、標準の整備啓発というものがございます。
     それから安全面でいきますと、総務省、消防庁となりますが、安全基準の整備ということです。それから国土交通省のほうでは、保安基準等の基準の整備があります。それから、当然排ガス規制等々ございます。こうしたものを組み合わせて上にございます脈絡、それから政策目標に向けてやっていくということで進められてきているものでございます。
     これに対しまして、評価の視点としては、この関係省庁にわたる政策がどう効果を上げているかということですが、有効性、効率性等々ございますが、今回につきまして主な視点ということで、中ほどより少し下のところにございますが、低公害車、実用段階にある低公害車につきましては、その保有台数の推移と国の施策というのはどういう関係にあるのか、あるいはユーザーが導入されたその理由と国が打った施策というのはどういう関係があるのか、国の施策のうち、効果が乏しいものは何か。あるいはここで挙げました4兄弟じゃない低・低車と呼んでおりますけれども、低燃費、低排出ガス認定車につきましては、税がどれぐらいかという試算等を考えております。
     それから燃料電池自動車につきましては、個々の民間需要が高まっているか、こうした視点で見ていこうということでございます。その把握結果が右側の四角い枠囲いの中にございます。これは資料2−2をかいつまんで書いているものでございますが、実用段階にある低公害車ということで中身を申しますと、いわゆる4兄弟、CNG自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、メタノール自動車と、低燃費、低排出ガスでございますが、これは平成16年度予算編成で政策群に入れられた目標ですけれども、平成17年度には早々に1,000万台をクリアしております。しかしながらこの内訳を見ますと、低燃費・低排出の低・低自動車だけで1,000万台を超えておりまして、これで97.7%、これに対していわゆる4兄弟、CNG自動車等は2.3%ということとなっております。
     さらに分解して見ていきます。CNG自動車等と呼んでおりますが、これは先ほどから私、4兄弟と申し上げておりますが、CNG自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、メタノール自動車の保有台数は大分増えました。5.4倍ということでその意味では大変増えておるのですけれども、これはハイブリッドの乗用車が増えたことによります。増えて平成19年度で45万台でございますが、このCNG自動車の割合というのは、低公害車と言っておりますものの保有台数全体の3%以下という状況でございまして、このCNG自動車等の台数は政策群では1,000万台と言っているもの、この目標達成に対する寄与の度合いは低いであろうと思われます。
     さらに分解して見ていきますと、CNG自動車ですが、まずこの車は既存車に比べてとかく価格が高うございます。それから出荷台数です。平成14年度以降毎年減少しておりまして、そうしますと、先ほど政策群のところで御説明しました生産量が増えて、価格が下がって需要が増えるという好循環と言っておりますが、これは発現しているとは言えないのではないか。それから普通のガソリンスタンドでは駄目で、天然ガス供給施設がないといかんのですが、このインフラ整備というところで見ていますと、これは全国展開がされていない。そうするとこの状況ではCNG自動車の普及には限界があるのではないか。これがCNG自動車でございます。
     それから電気自動車でございますが、これは平成17年度以降乗用車、貨物車、乗合車、バスですけれども、出荷実績はございません。そうしますと、本政策群で目指しております民間活力の誘発、生産量増、価格が下がって需要が増えるという好循環は発現していない。それからハイブリッド自動車でございます。これは、平成13年度から保有台数及び出荷台数が大きく増えております。これは非常に先生方よく御存じのところでございます。この背景といたしまして、ガソリンあるいは軽油価格の上昇に伴う燃費の関心の高まりがあるというようなことが1つ考えられます。それからハイブリッド自動車の価格は低下していないというのがございます。ハイブリッド自動車は、当初製造原価が高くて、売れば赤字だという状態だったというお話もございましたけれども、その後技術面でのいろいろな進歩等があって、原価が下がって赤字ではないというような話も聞いておりますけれども、販売価格というところで見ていると、価格は低下していないという状況があって、これは車種によっていろいろなのですけれども、数十万円ないし百万円なり百数十万円という価格差がものによってはございます。そうすると、本政策群が目指しております生産量が増えて価格が下がって需要が増えるという好循環が発現しているとまではなかなか言えないのではないかなと考えております。
     これがCNG自動車等の状況でございます。
     それから1,000万台の大半を超えました低・低自動車、低燃費、低排出ガスの自動車の状況でございますが、これは国の施策として自動車の排出ガス規制あるいは燃費基準の強化とございます。これに対しまして、自動車メーカーのほうでも積極的な取組がなされて先行して対応したものを出されて、平成16年以降で見ますと、生産された自動車の型式で見ると、実はもう過半は低・低自動車である、これが保有台数の増加に効果があったのかなと考えておりますが、そうしたメーカーの御努力、それから国のほうでの規制の強化、それに先取りしたメーカーの御努力というところがあったのであろうと。
     一方、国のほうでやっております施策としてはほかにもございまして、税軽減措置というのがございますけれども、これが保有台数の増加への効果があったのかというとなかなか厳しいところがあったのではないかと。
     以上、CNG自動車等と低・低自動車合わせまして、実用段階にある低公害車が全体で1,000万台と言っているものでございますが、1,000万台の目標はもう平成17年に早々クリアしておりますが、その大半はこの低・低自動車ということでございます。
     それから、下に燃料電池自動車でございます。これは5万台という目標を掲げておりましたが、燃料電池自動車は車両価格が極めて高額でありまして、なかなか現時点で需要はどうなのか。経済産業省の調査によれば、近年価格は1台1億円以下ということもあるようでございます。ものによりますけれども、燃料電池自動車の登録台数は極めて少なくて、2010年までに5万台突破という点で見ますと、国の施策の効果は発現していないということなのであろうかと考えております。ただし、念のため申し添えますと、だから燃料電池自動車の技術開発が今後できないとかそういうことを言っているわけではなくて、メーカー各社とも燃料電池自動車の開発にしのぎを削っているという話も聞き及んでおりますけれども、ここではこれまでとってきた施策と現時点までの発現状況というのはどうかということで考えてみますと、なかなか厳しいものがあろうということでございます。
     これが全体の、ざっと御説明させていただきましたけれども、次に資料2−2ですが、これが今、申し上げました政策効果の把握結果を、もう少し詳しく書いたものでございます。
     1ページ目を御覧いただきますと、低公害車と書いてございますが、これは先ほど申し上げました実用段階にある低公害車ということで、1)から5)まで書いております。ここでの我々、分析では、1)から4)までCNG自動車等、施策を実施している省庁のほうではそう呼んでおりますけれども、それから5番の低・低自動車というもので分けて見ております。
     先ほど申し上げましたように、1,000万台の目標というのはクリアしているのですけれども、2ページのほうに資料を、グラフを掲げてございますが、平成17年度のところで既にこの1,000万台の保有台数はクリアしております。ただしその内訳、これはちょっと内訳を見ていただきたいのですけれども、ほとんどが低・低車、低燃費、低排出ガスの認定車でございまして、4兄弟、CNG自動車等はこの差の分だけという状況でございます。さらに3ページを御覧いただきますと、3ページの下にCNG自動車等の保有台数ということで挙げさせていただいておりますが、これも大きく伸びております。ただし、その大半はハイブリッド自動車で、この2つの黒と灰色の差分がそれ以外のところということになっております。
     4ページ、CNG自動車でございますけれども、これは天然ガスを燃料として走る自動車でございますが、これはこのような形で保有台数の推移でございますけれども、中身を見ますと、貨物車と貨物車以外ということで分けて記載させていただいております。
     5ページ、施策の効果についてですけれども、先ほど申し上げましたように、政策群が目指しております「生産量増→価格低下→需要増」という好循環というのは発現しているとはなかなか言いがたいのではないか。6ページの下にCNG自動車の出荷台数のグラフを掲げてございますが、見てのとおり台数は減少しております。さらに燃料インフラがございますけれども、なかなか天然ガスの供給施設の整備が進んでいないという状況でございます。
     それから電気自動車でございますが、8ページを御覧いただきますと、これは保有台数、真ん中に表という形で掲げさせていただいておりますが、一番下の計、それから対前年度増減とございますが、見てのとおりでございます。補助していますけれども、補助の実績についても平成18年度以降というのはないという状況になっております。
     それからハイブリッド自動車でございます。これは先生方もよく町で見かけられているのではないかと思うのですけれども、これは大分増えておりまして、平成13年度は7万4,000台余りでございますが、これが5倍近い数になっておりまして、10ページの下のところにグラフがございますけれども、ハイブリッド自動車保有台数、このように大きく伸びております。が、これは、うち乗用車を灰色であらわしておりますけれども、ほとんど乗用車という状況でございます。
     施策の効果如何ということでございますけれども、これは補助がございまして、平成18年度保有台数と、それからその前の補助台数の累計と比べていると、この施策補助というのが使われているという状況ではございます。出荷台数を見ますと、これはハイブリッドの乗用車についてでございますけれども、12ページの真ん中ぐらいに出荷台数とございますが、平成16年から大分増えております。これが、1枚おめくりいただきまして14ページにガソリン・軽油価格の推移の表を載せてございます。これは全国でございまして、首都近郊の価格とは若干違うと思いますけれども、全国平均でガソリン・軽油価格の推移でございますけれども、平成16年のあたりから急に伸びております。ちなみに、右のほうにいくと上がったり下がったりしているのは、御存じの税でありますとか原油価格が高騰・下落等々でございますが、平成16年から大きく上がっているのですけれども、そうしますと、その背景としては、この上昇、それからユーザーの燃費への関心というのがあるのであろうと。それから価格についても、車種によりけりですけれども、数十万円、百万円、もともとの車が高いものについてはさらに百何十万円という価格で差があるところでございますが、そういう状況であります。
     それからユーザーにアンケートをとりまして、どうして買われたのですかということでございますが、これは12ページの下のほうにいろいろございますが、燃費がいいとか、性能がいい、環境性能が優れているというのがございますが、国の施策としてございますものは6位、9位というところで入っております。
     そうしますと、なかなか、技術的なところは少しずつ進みつつあるということであろうとは聞いておりますけれども、本政策群で目指しております生産量増、価格低下、需要増という好循環が発現しているとまでは言いづらいのではないかと考えておるところでございます。生産原価のほうは大分下がってきたということで赤字から脱出しているという話も伺ってはおりますけれども、マーケットでの価格というのは下がっていないという状況になっております。
     それから13ページ、貨物車でございますけれども、これも国の補助実績を見ますと、施策、国の補助がハイブリッド貨物自動車に活用されているところでございますが、これも先ほど申しましたガソリン・軽油価格の上昇というのがございます。そうすると、そこのところがあるのではないかと。それと、この貨物車については、貨物車全体に占める割合というのが非常に少ない。そういう状況でございまして、なかなか本政策群で目指すと言っております生産量を増やして価格を下げて需要増という好循環というのはなかなか厳しいのかなと、そのように考えております。
     それからメタノール自動車、15ページでございますけれども、これも保有台数が大幅に減少しておりまして、そもそも平成12年度以降出荷実績がないというのもありまして、施策効果というのはないのではないか。以上が4兄弟、CNG自動車等のほうの状況でございます。
     それから低燃費・低排出ガス認定車、低・低車でございます。これにつきましては、保有台数、冒頭申しましたように大分増えております。平成19年度で1,600万台を超えておりまして、大分増えておりまして、それから自動車保有台数全体に占めます低・低自動車の割合というのを見ますと、毎年増えておりまして、5%ポイントぐらい増えていまして、平成19年度では3分の1はこれであるというところでございます。
     それで、その国の施策でございますけれども、17ページ、18ページでございますけれども、排出ガス規制、それから燃費基準強化というのが国の施策としてとられてきておりました、これに対しまして自動車メーカーが取り組まれて、型式については、18ページの下に1−20という表がございますけれども、これは、型式でありますが、平成20年1月現在で7割は低・低車という状況でございます。つまり売られているものの型式でいうと7割がこの低・低車のカテゴリーに当たるというものになっております。
     一方、乗用車のユーザーに対します私どものアンケートでございますけれども、次の19ページの下のほうでございますけれども、購入理由としては価格とかスタイルだとか、色とか、そういうものがございまして、税軽減というのも下のほうにあるわけですけれども、そういうことから考えていきますと、これまで国の施策としてやってまいりました自動車排出ガス規制、あるいは燃費基準の強化といったところによりまして、保有台数の増加というところに、これにメーカーの先取り、積極的な取組等ございまして効果があったのではないかと見ておるのですけれども、一方で税の軽減措置というのが保有台数の増加の効果というのはどうなのかというところだと考えております。これが低・低自動車についてでございます。
     それから20ページに新長期規制の状況について掲げてございます。それから、今まで申し上げました低・低車、それからその前のCNG自動車等全体の状況ということでございますけれども、これが23ページ、24ページにまとめということで載せてございますが、24ページの上のほうのiii3、目標に対するCNG自動車等の寄与というところでございますと、1,000万台というところから言うとそれはクリア、内訳を見ますと、低・低自動車が1,200万台近いということで大部分でありまして、CNG自動車等は2.3%でございます。
     そうしますと、やっぱりCNG自動車等というのが果たしている、占める割合というのは極めて低い。この政策群ないしその前のアクションプランでもそうですが、平成22年度までに低公害車をできるだけ早期に1,000万台以上普及という政策目標への寄与という点から見ますと、CNG自動車、低・低自動車の普及状況を見ますと、CNG自動車等について寄与の程度というのは低い。そうするとCNG自動車等に係る施策は有効であったと見るのはなかなか難しいところです。
     なお、当初の調査によりますと、この10年間にCNG自動車等の導入のために投じた補助金の総額は586億円に及ぶところであります。
     以上がCNG自動車等と低・低車でございます。次に、燃料電池自動車でございます。これは燃料電池を使ってということでございますが、なかなか技術的なところがあるところでございます。5万台という目標を掲げておりますが、把握結果、25ページの真ん中のあたりにありますが、平成19年度末現在で42台と、目標の5万台に対し0.1%に満たないというところでございます。これについてですが、下に施策の効果とございますが、規制上の問題がございます、安全上の問題もございまして、規制等の整備というのがございますが、これはなされてきているところでございます。しかしながら、経済産業省の資料などによりますと、コストとか耐久性、あるいは航続距離等々、あるいは水素貯蔵技術等に課題があるとされておりまして、国の施策効果の発現という点でこの5万台というところから見るとなかなか現時点で国の施策が効果を発現しているというのはなかなか言えない。
     価格のほうも、リース料が右のほうの表にございます。これは地方公共団体の保有するものですけれども、一番安くても年額500万円以上と、それから走行距離が短いとかいろいろございます。それから燃料インフラ、水素ステーションの整備などがございまして、そうしますと、平成22年度までまだありますけれども、5万台普及という目標達成というのは厳しいのではないかと考えております。以上が燃料電池自動車についての部分でございます。
     それと30ページに次世代自動車ということを掲げてございます。これは今まで申し上げてきました1,000万台、5万台の話とは別に、この夏に「低炭素社会づくり行動計画」というものが閣議決定で定められまして、ここでは新車販売のうち50台に1台の割合で次世代自動車について、2台に1台の割合で導入するという野心的な目標の実現を目指すと言っております。ここでの次世代自動車というのは、新たなカテゴリー変えをしておりますが、ハイブリッド自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル車、CNG自動車等、こうしたもので掲げているところでございます。
     それから後ろのほうには、国からの補助の状況等を載せてございます。それから最後34ページのところに低・低自動車に対する税軽減額については、これは今、試算の作業をしているところでございます。
     これが政策効果の把握結果ということで、かいつまんで御説明いたしましたが、低公害車社会構築と、政策評価の方向性ということで現時点の状況について御説明させていただきました。ありがとうございました。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございました。それでは御質問・御意見お願いをいたします。佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  この低公害車社会の構築というのは、環境問題というよりも極めて産業政策にかかわる問題で、特に、これは多分やられているのかもしれませんけれども、メーカーの意向次第だと思うのです。とにかくどれくらい売れるかですね。特に日本はこれから高齢化していきますので、多分自動車台数は減っていきますよね。そうなると国内の販売には限界があるわけで、だったら海外で売れるものでなければいけないということになりますよね。これがまず1点で、どれくらいじゃ輸出能力があるのかということが問われてくる。ハイブリッドが成功している理由はそこですよね。やっぱりアメリカで売れたわけですから。やっぱりそこが問われるのかなという気はします。それが1点と、もう1つこれは技術的な部分で、最終的にどの技術に集約させていくのか、天然ガスも含めて、というのは、最初ビデオデッキもそうです、DVDもそうですが、最初はいろんなテクノロジーが出てくるわけですよね。いろんな主要なメーカーがお互いに競い合いますから。ただ、やっぱり社会に普及していくプロセスの中では、どれかに規格化していかないといけない、特に燃料インフラのことを考えれば、あちこちで水素、電気、エタノール、天然ガスをつくってなんてできるわけがないので、やっぱりどれかの技術に結果的に集約していきますよね。今の段階でそれを国が主導権をもってやるべきなのか、あるいはしばらくの間は自由競争に任せておくべきなのか、その辺が普及率にかかわってくるような気がするのですけれど。その辺りはどうでしょうか。
    【北原参事官】  ありがとうございます。まずこれですけれども、世界最先端の低公害車社会の構築というタイトルでございまして、分けて読んでいいのか知りませんけれども、車社会の構築と書いてあるわけでございますけれども。やはりこれは関係省庁、環境省のみならず、当然経済産業省、国土交通省の各省庁連携してやっているはずのものでございまして、そういう中で今回の政策で掲げているところ、それから実際どうなったかというところを見ていきますと、メーカーの御努力という話も非常に大きいところになるのだろうと思います。
     国内・国外という話がございました。ここでやっておりますのは国外の話だけでございますけれども、当然国内でつくったものが海外でどれだけ出せるかという話はあるとは思います。メーカーのほうの意思決定なり考えていくということであると、海外でどうなるかということになろうかと思います。それで、先生よく御存じのとおり、アメリカないしヨーロッパでのこうした規制に関しては、それぞれ若干タイミング等わずかなものがございますけれども、それぞれ極めて大幅に排出規制等やっておりますので、そうしたところでどれだけ対応できるかという話があろうかと思います。それで、その技術というところが御質疑ございましたけれども、やはり例えばここに出てきました燃料電池自動車、この平成13年の段階では実用段階にあるとは分類されなかったものでございますけれども、これは解決すべきいろいろな技術的な問題等々取り組んでいらっしゃるのだろうと思います。それからハイブリッド車につきましても、いろいろ台数伸びてきておりますが、メーカーのほうで使われている技術の進展というものがあろうと思います。ではどのお話、どれになるかということですけれども、先ほどのビデオというのは、VHS・βのお話だろうと思いますけれども、先ほど御説明しました資料2−2の30ページの次世代自動車政策目標で新しい「低炭素社会づくり行動計画」というところで、この夏の段階でなお目指しているものとしてここに書いているのが、ハイブリッド自動車、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル自動車等ということで、少なくともここで名指ししているものは引き続きやっていこうということであろうとは思っております。メタノールは名前がなぜか落ちておりますけれども、ここにあるものはやっていこうということであろうかと思います。
     自由競争、国の施策というところがございますが、この政策群として国がかんでいくということでございますので、政策群として掲げたこの国の政策を掲げていくということでございますので、国として環境サイドの規制の話もございますし、そういったところからやるところがあるのですが、じゃ、今回の政策群として掲げたものの達成状況というところから見たときに、1つ1つの、国がここで掲げていたような政策というのは、じゃ、一体1,000万台という一番大きな、あるいは5万台というところから見たときにどうなのかというところについて分解して見ていっているというものでございます。
     それを踏まえてさらに国はどこまでやるかというのはもう1個先の議論があろうかと思います。
    【金本分科会長】  小峰委員どうぞ。
    【小峰臨時委員】  全体としては評価としてこんなものかなという感じがするのですが、1つ、今後のこれの扱いをどうされるのかというスケジュールですね。それを教えていただきたいというのと、それからもう1つは、この政策評価としてこの問題を考えたときに、私が強く感じたのは、これはやはり民間の取引に期待するわけですから、基本的に重要なのはインセンティブであって、そのときに重要なのはやっぱり価格ですね。それは、御説明の中でも値段が高いので、高いのでということが何回も出てきています。政策目標というとすぐ、2台に1台とか、1,000万台とかそういう量が出てくるのですが、その量を達成するためには、価格をどれぐらいにしなければいけないかというのが当然あるはずだと思います。例えば、環境にどれぐらいプレミアムを消費者が払うつもりがあるか。今燃料電池車が普及しないのはプレミアムがものすごく高過ぎるということです。本来は次世代自動車にしても、2台に1台は次世代にしますというのであれば、このプレミアムをどれぐらい下げるかという中間目標があって、それで初めて2台に1台は次世代自動車ということになると思うのです。ですから、政策目標のあり方としては、台数を掲げるのも最終目標としては必要かもしれませんが、中間目標としてやはり相対価格というか、価格をどういうふうにもっていくのかということが必要だと思います。
     量が増えれば値段が下がってまた量が増えるという循環があるはずなのだけれども、それが十分構築されなかったという御説明が何回も出てきましたけれども、でもそのわりにはデータには価格はどうなっているのかというものはあまりないと思いました。幾つかはあるのですけれども、その価格をどう考えるかというのが一つのポイントではないかというのが私の感想でした。
    【北原参事官】  御指摘ありがとうございます。それでまず今後の扱いというところからでございますけれども、今回、方向性ということで御説明させていただきますが、この後さらに必要な検証等を行っていって、ここで言っているところはどれぐらいのクリアな形で言えるのかというところも考えつつ、さらに進めていきたいと思っております。もうしばらく時間がかかろうかと考えております。
     それから、民間取引というところでございますけれども、今回、1,000万台ないし5万台という大きな目標を掲げてやってきておるのですけれども、やはり中の価格の話というのは、さすがにここでは出ていなかった。政策、当時掲げられた政策群の中でもいろいろな数字も出てきておるのですが、一番上のところにこういう形で台数が出てきているというのは、これとあと若干しかなかったと記憶しておりますので、これはちょっとややそういう点は特徴があるものなのであろうかと考えておりますが。さらにその価格の話でございますけれども、やはり台数というと完全な規制のもとに置かれているということではなくて、マーケットがある話でございますので、当然そのマーケットに、先生は相対価格とおっしゃいましたけれども、そういうところがあろうかと考えております。ただ、そこをじゃあ、国として掲げられるかというところの議論はまたあろうかと思っております。
     正に燃料電池自動車につきましては将来ということで引き続き各社ともいろいろしのぎを削っていらっしゃるでしょうし、国としてもいろいろ見ているところだと思いますが、現時点ではなかなか技術的なところが厳しいと。どこかの段階でうまくいけばできるという見通しで5万台というのを立てたのだろうと考えておりますけれども、やはり価格というところは疑問かと。
     資料2−3、資料編でございます。この15ページに若干のケースを設けてございます。下の小型車でございますが、プリウスに対してアリオンとか、シビックハイブリッドはシビック、こうした形で一部は出ておりますが、ハイブリッドなんかは、こうした形で価格差がありつつも大分進んできているのであろうかと考えております。
     一方、今、お話がございました燃料電池自動車でございますと、資料2−2の把握結果の本文のほうでございますけれども、それの26ページを御覧いただきますと、これは本体価格そのものではございませんけれども、資料2−2の26ページ、燃料自動車のところの図表2−2、中から下のほうにABCDEと、これは実際のものを表しておりますけれども、リース料でこれだけというのがあります。なかなか厳しいところであろうかなとは考えております。こうしたものもございますけれども、なかなかとらえていくのが難しいところでございますが、今回の政策群という中にあっては、ここで掲げておりますように、インセンティブから始まって、民間需要、それから生産費が上がって価格低下というものを掲げているものですから、ここと対照させてという、この循環というところへ示すことにさせていただいているところでございます。
    【金本分科会長】  多分ちょっと回答がずれているのではないかと思うのですが、政策評価の分析として価格をきちっと分析してほしいという御意見だと思います。それで後ろの資料にあるからという話ではなくて、ちゃんとその面を分析しなければいけないといったところかと思います。ハイブリッド自動車に関しては、値段がまだ高いからどうこうという議論ですが、施策としては補助が最初あって、それで普及をしてメーカーが要らないと言ってやめたと、それでも売れているというところですので、政策としての効果はあったと見るのが普通かなと思います。これで政策効果がないという議論というのは、ちょっとないのかなという気がします。
    【北原参事官】  分科会長からもお話がございましたけれども、さらに価格につきましては、どこまで分析できるかという、できる限りのことをやっていきたいと考えております。
     それからハイブリッド車のところにつきましても、これまでの補助効果というところでさらに検討していきたいと考えております。今まで価格でいいますと大分その数も出ておりますし、製造原価というところでも大分下がってきておるというふうに聞いておりますけれども、そうしたところも踏まえて、先生のお話を踏まえてさらに分析していきたいと考えております。
    【金本分科会長】  谷藤委員、どうぞ。
    【谷藤臨時委員】  小峰委員とも関わりますが、最終的にどのようにまとめられていくのかなあということを考えます。24ページのように、CNG自動車等にかかわる政策が有効であったとは認められないと書いたときに、そういう結果がもたらされた原因は何なのかということを最終的に書かなければいけない。それは、小峰委員がおっしゃったように、価格の問題であったのかもしれないし、インフラ整備の問題であったのかもしれないし、補助金政策等々と言われるものの有効性が発現しなかったという問題であったかもしれない。そのような方向で、原因を突き止めて、最終的にはまとめていくのですか。
     それから、ここには事業者とユーザーのアンケート調査があったのですが、メーカーはこういう政策に対してどんな考えを持っていたかについては、一応分析なり把握をしていったのでしょうか。メーカー側と国側とのある種のミスマッチといいますか、そんなことも考えることはできないのでしょうか。その2点をお伺いしたい。
    【北原参事官】  まず、1点目でございますけれども、今、本日こういう形で方向性ということで書かせていただきましたけれども、どこまで言えるのかというところにつきまして、金本分科会長のお話も踏まえてさらに考えていきたいと思いますが、じゃ、さらにその中でどうかというのは、ここで私ども分解して見てきておるところですけれども、その中で、ここのところがというところまで果たして書けるのかどうかというのは、さらに詰めていかないと何とも言えないと考えております。
     それから、今回の調査に当たりましては、ユーザーサイドだけじゃなくて、ディーラーとかあるいは製造業者とか、あるいはユーザーと言っても事業者でのユーザーとか、あるいは関係団体等々もいろいろ聞かせていただいておるのですけれども、その中で例えば税の軽減の話とか、いろいろディーラーなどに聞くと、あれは売りにはなるというようなお話もあります。が、実際買う利用者のユーザーのほうではあまり気にしていないとか、そうした意識の若干の違いというのはやっぱりあろうかと考えております。
    【金本分科会長】  その辺ちょっと気になるのですが、アンケートで価格が一番上に出ていて、価格の中に税軽減の効果も入っているはずなので、税軽減だけ取り出して下のほうにあるから税軽減は効果がないというのはちょっと変かなあと思います。ちょっとその辺もアンケート調査の解釈でかなり問題にされるかもしれませんので検討してください。
    【北原参事官】  その点も考えてまいります。
    【金本分科会長】  高木委員、どうぞ。
    【高木臨時委員】  政策群という言葉も大分陳腐化というか忘れ去りつつあるような感じがするのですけど。政策群ということですので、政策群としての評価を期待したいと思うのですけれども、1の低公害車のほうのところを読んでいますと、各府省のほうがどのような政策なのかというところが必ずしもよく分からないのです。補助金という記述が中に入っていますけれども、結局それだけなのですかね。よく分からないのですけど、最後の4のほうに一応その他というところで補助金実績というところが書かれているのですけれども、いずれにしましても、燃料電池のところなどでは、各府省別の施策の内容というのが書かれておりますが、それとはちょっと様式を異にするものが必要なのかもしれないのですけれども、この低公害車のところに関しての各府省の政策の概要みたいなものをまとめておいていただくのがよろしいのではないかなと思うというのが1点です。
     それから、これは平成13年のところでのアクションプランがあって、その後政策群という考え方が諮問会議に出てきて、それで平成16年に政策群という形でラッピングされたという理解なのですけれども、その時点において改めて政策の方向性についての見直しというのが行われる必要はなかったのかというところを、政策群というものそのこと自体についての評価ということも私は考えたほうがよろしいのではないかと思いますので、今のことを申し上げるのですけれども、ちなみに低公害車だけをとってみれば、平成16年度中のところで、おそらく数年後には1,000万台到達するというのは明らかであるというようにも判断できたと言えるのではないかと。もしそうであるとすると、目標を1,000万台というふうにすべてひっくるめてという形のままで目標を置いたままにすることが適当であったのかどうか、また反対に燃料電池自動車に関しては、平成13年の時点で5万台というのも、非常に野心的な目標であったと言えると思うのですけれども、平成16年の時点においては、これは絶望的な数字であるということが判断できたと言えるかと思うのですけれども、そういうふうな両方の見直しというのが政策群化する際にあってもよろしかったのではないかなと私など思いますので、そのようなことなども今回のこの政策群の評価において取り上げていただくというのはいかがかなというふうに提案する次第です。以上です。
    【北原参事官】  ありがとうございます。先生からお話がございましたように、ちょっと本文のところで分かりづらい面もあったかと思います。補助とか税控除だけじゃなくて、まず規制というところでやっていくところがございます。それから技術面での基盤整備というところもございますので、先生の御指摘も踏まえて、もう少しそうした形が分かるような形でと考えております。
     それから2点目のお話でございますけれども、ここの政策群というところだけで申しますと、御指摘のとおり、これは平成16年度予算編成過程で載せたのは平成15年の秋でございますけれども、当然その時点でのそこそこの見通しというのはあったのかもしれません。それがおっしゃるように当然達成できただろう、あるいは絶望的だろうというところまで果たして言えるかどうかというところも、ちょっとさらに考えていきたいと思っております。
    【金本分科会長】  今、高木委員のお話もあったのですが、どうも今さっきバイオマスのときに議論が出ましたけど、上っ面だけなぞっているだけという感じがあって、施策の効果を把握していない。施策自体もちゃんとリストアップされて明示されていないといった感じがあります。例えばCNG自動車の補助金の額が後ろのほうの資料を見れば、1台60万円とか出てきますが、それはもっと先のほうに出てくるはずで、それがどうかという議論をしなきゃいけないはずだと思います。ハイブリッド自動車がうまくいっていないという議論をしていますが、どちらかというと政策群の効果から見るとCNG自動車の補助というのはもう何十年も続いているのだと思いますが、いまだに効果が出ていないといったところで、そういった視点で何が問題かということの整理もちょっともう少しきちっと見直していただきたいという感じがあります。
     あと、これは、特定の技術、電気自動車は普及していないから駄目だという議論は、ある意味でトータルに見るとおかしな議論で、今、マーケットで何が残るかというのは、技術革新に依存して民間努力に依存するわけですから、それを決め打ちするというのがいい政策かというとそうではないというところで政策を打たれているわけですよね。それを前提として政策評価も考えていく必要があるといったところで、その辺、見せ方というか書き方とかということも含めて、御検討いただくほうがいいのかなという気はいたします。田中委員、どうぞ。
    【田中臨時委員】  私も1,000万台とかっていう目標を達成したかしないかというのはちょっと大ざっぱ過ぎるかなと思うのです。低公害車の部分と新しいカテゴリーの自動車4兄弟と言っているのは、やっぱり同じ評価ではないと思うのです。市場で評価をすれば今言ったような結果になるのだろうと思うのですが、それを取り上げていくにはどうしたらいいのかという検証が要るのかなと。今のなかなか効果が表れていないというのであれば、どうしたら効果が表れるのかということも検討すべきではないかと思います。
     それから低公害車のほとんどが乗用車だというふうに思うので、貨物車と乗用車がどう違うのかという検証はできていると思いますけれど、それは浮き彫りにすべきだと思います。特に今後地球温暖化対策がいろんな施策が打たれるときに、やはり貨物車に対してはそういう効果が出てくるのだろうと思うのです。それは同じそのカテゴリーではなくてカウントしてしまうのではないかというふうに思います。業務用の車に対してどういうものに効果が出てくるのかというのは、やはりここでも検討すべきだと思うし、そういった効果がほかで出てくるのであれば、それはそういう検証をすべきだろうと思います。以上です。
    【金本分科会長】  牛尾委員、どうぞ。
    【牛尾臨時委員】  御説明を聞いていて非常に違和感を覚えていたのですけれども、評価の対象政策が世界最先端のという、枕がきちんと付いているのですね。世界最先端の社会の構築のはずなのに、世界との比較が全然入ってきていないというのはどういうことなのでしょうか。高木委員のほうから政策の見直しというのもありましたけれども、結局だからこの政策評価においても、世界最先端の低公害車社会の構築ができたのかできないのかという結論が入ってないので、そこの部分をもうちょっと補強していただきたいと思います。
    【北原参事官】  ありがとうございます。田中委員に御指摘いただきました、正に私どももここの政策目標1,000万台という傘の下でやっておりますけれども、果たして一個一個見ていくとどうなのかというところに関して言っているわけですけれども、先生お話がございましたようなところも、さらにどう書けていけるかということを検討していきたいと思います。
     低公害車、乗用車と貨物車ございますが、これも分けてとってございますけれども、そこも先生おっしゃるように浮き彫りになるような形と考えております。
     それから、牛尾先生の御指摘がございました、ちょっとそこもどれだけのところを書けるかというところを検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
    【金本分科会長】  佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  やはり海外との比較がすごく重要になるので、先ほどから私がこだわるのは、やっぱりメーカーは輸出しなきゃ意味がないわけです。輸出、つまり海外市場でどういう技術が今、普及していて、というのは例えば海外では電気自動車やハイブリッド車のほうです。海外はハイブリッド車とかディーゼル車のほうに力を入れているのに、日本は燃料電池車を輸出したってステーションがないわけです。だから売れっこないわけです。だってインフラがないのですから。だから、そこは海外のマーケットがどうなっているのかということをみんながやっぱり、さっきインセンティブが大事だと、まず買う人より僕はつくる人のほうのインセンティブが大事だと思うのです。だからやっぱりメーカーがどれくらい技術革新を頑張るかです。だからやっぱりそこがどのくらいスタンダライズされている場合、あるいはされそうなのかということについては見ておく必要があるのかなというふうに思うのです。
    【北原参事官】  ありがとうございます。海外の話もございました。先生お話ございました特にヨーロッパなんかだとディーゼルのほうで力を入れてきたというような話もございましたけれども、そうした中で、国内メーカーなりがどういう形で見ているのかということも含めて、どれだけできるかというところを改めて考えてみたいと思います。
    【金本分科会長】  八丁地委員、どうぞ。
    【八丁地臨時委員】  もうほとんど出尽くしているのですが、先ほど佐藤委員の技術の動向、産業政策というところが政策意図としては多分あると思うのですけども、政策群としては、技術の評価というのはないのでしょうけども、各省の役割等で例えば技術開発の支援だとか、技術開発の目標だとかいう面での評価及び低公害車なり自動車産業ってやはり非常に裾野が広い産業でありますし、そういう面で例えばそういう裾野が、支えればこういうものができるかとか、産業政策上のいろんな目標というのも多分あると思うのですけれども、それは当然評価の対象に入っていると理解してよろしいのでしょうか。
    【北原参事官】  こちらの政策群という中で、やはり技術面が非常に低公害車を普及していくところでは大きいところで、それに対して直接的なものというと、じゃないものも多々あるわけですけれども、こちらにありますようないろいろな実証実験、あるいはそのための技術開発、共通基盤というところがございますので、そうしたところもこの対象となる政策群として入っておりますので、全体としてどういう発現にしているかという形での把握の仕方ということで考えていきたいと思っております。
    【金本分科会長】  あとちょっと気になったのは、低・低自動車のところの分析が、かなり普通に言われていることよりはるかにおざなりという感じがあって、トップランナー規制が効果があった、ないという議論がかなりいろいろあるのだけども、その関係のことがほとんど出ていないというのは問題かなと思います。グリーン税制がどうこうという話もちょっと出ていますけれども、これについても何か突っ込みがないなという感じがあります。
    【北原参事官】  分科会長のお話も踏まえてそこまで、どこまで書き込めるかということでさらに検討を進めていきたいと考えております。
    【金本分科会長】  そのほか何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。
     では、今回の御議論を踏まえて鋭意これから作業をお願いいたします。
     それでは、次は事務局のほうから次回以降の日程についてお願いいたします。
    【松林政策評価官】  次回政策評価・独立行政法人評価委員会は、明日ここ虎ノ門パストラル1階で予定をしております。委員会自体は14時5分からということになっておりますけれども、重要対象分野の政策評価の関係につきましては、15時から15時30分を予定しております。15時から総務大臣の諮問という形で予定をしております。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  それでは以上をもちまして今日の分科会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。


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