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政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会(9月10日開催)議事録

日時

平成22年9月10日(金)13時00分から17時15分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 第1特別会議室

出席者

(委員)
富田俊基独立行政法人評価分科会長、黒田玲子委員、宮本幸始、野口貴公美、浅羽隆史、黒田壽二、稲継裕昭、田渕雪子、岡本義朗、荒張健、鈴木豊、河村小百合の各臨時委員
(総務省)
宮島守男審議官、横山均評価監視官、平池栄一評価監視官、高橋巧調査官、平野誠調査官、萬谷優人調査官

議題

(1) 見直し当初案に関する府省ヒアリング(文部科学省)
(2) 報告事項

配布資料

会議経過

【富田分科会長】  それでは、時間になりましたので、ただ今から政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたします。
 審議に入ります前に、事務局に人事異動がありましたので、その紹介をお願いいたします。

【平池評価監視官】  それでは、私の方から紹介いたします。担当審議官でありました江澤が退官いたしまして、その後任に行政管理局から宮島審議官が就任いたしました。
 また、独法第1担当の調査官の細川が、同じ局内の法務・外務・文部科学省担当に異動いたしまして、その後任に高橋が就任いたしました。
 また、独法第2室の総括でありました萬谷総括が調査官に昇格しております。
 以上であります。

【富田分科会長】  はい。それでは、新任の皆様を代表いたしまして、新しい審議官より一言ごあいさつをいただきます。

【宮島審議官】  宮島でございます。皆様の御指導の下、一生懸命頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【富田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、審議に入ります。本日から6回にわたりまして、今年度の見直し対象となっております法人の見直し当初案に関する府省ヒアリングを行います。このヒアリングは、今後、当分科会として、主要な事務・事業の改廃に関する勧告の方向性の検討を行っていく上で、非常に重要な意味合いを持つものと考えておりますので、委員の皆様方の御協力を何とぞよろしくお願いいたします。
 本日は、文部科学省所管8法人の見直し当初案に関するヒアリングを行います。
 文部科学省尾ア審議官をはじめ御担当の皆様にお越しいただきました。
 それでは、国立特別支援教育総合研究所、教員研修センター、大学入試センター、国立青少年教育振興機構、国立女性教育会館、国立科学博物館、国立美術館及び国立文化財機構の8法人の見直し当初案の主要なポイントにつきまして、文部科学省から、恐れ入りますけれども、1法人5分程度で御説明をいただき、その後質疑応答を行いたいと思います。
 まず国立特別支援教育総合研究所について尾ア審議官から御説明をお願いいたします。

【尾ア審議官】  はい。お手元に様式に従い御提出をさせていただいております資料とあわせまして、資料の1−2−(1)という色刷りのパワーポイントの3枚組みの資料をお届けしておるかと思います。それに基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。タイトルが「独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の見直しについて」という横長の資料でございます。
 左上にございますとおり、まず障害のある子供の教育振興につきまして国の責務の枠組みを記してございます。2つ目の○にございますとおり、障害者基本法におきまして、まず国が障害者教育に関する調査研究を促進しなければならないとされております。これに基づきまして、1つ目の○ですけれども、障害者基本計画におきまして、私どものこの国立特別支援教育総合研究所が先導的な指導方法の開発ですとか、体制等に関する研究をやること、それから、その成果などの教育現場などへの情報提供を推進することと定められているところでございます。また、発達障害者支援法におきましても、人材確保、必要な調査研究が国の責務と明記をされております。さらに、4つ目の○ですけれども、障害者権利条約の――これまで批准に至っておりませんけれども――批准に向けまして、我が国の今後の障害者制度改革の方向性につきまして、障害者制度改革推進会議、さらに加えまして、私どもの中央教育審議会において現在審議が進められております。私どものこの研究所が、その方向性に沿った国の政策課題に寄与すること、あるいは教育現場での課題に対応していくことが必要だと考えているところでございます。
 引き続きまして、右上でございますけれども、特別支援教育を取り巻きます状況の変化、ここでは、その中でも端的に量的な変化を示してございます。平成13年と平成21年を見比べていただきますと、13年というのは、この研究所の第1期中期目標期間の開始年度でございますけれども、この8年の間に、例えば小・中学校の特別支援学級の数は7万7,000から13万5,000と2倍弱になっていると、それから、通級による指導の人数も、3万人から5万4,000人と1.8倍になっているということで、大きく量的にも増加をしてございます。また、数字にはあらわれませんけれども、特別支援教育の中身自体が非常に重複・多様化ということで対応が難しくなってきているという状況もございます。
 こういった背景のもとで、中央にございますとおり、我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターといたしまして、国・地方公共団体が相連携・協力して、この国の政策的課題ですとか、教育実現の課題に柔軟・迅速に対応するような業務運営を行っていくことが大事だとしまして、障害のある子供一人一人の教育ニーズに対応した教育の実現に貢献することが私どものミッションだと考えているところでございます。
 こういった背景で、事業といたしましては、その黄色の部分にございますとおり、教育現場、政策課題を踏まえた研究というものを核といたしまして、各都道府県の指導者を養成する研修等の事業を実施しているところでございます。
 2枚目をおめくりいただきます。時間の関係で、かいつまんで申し上げます。2枚目は、この4年間といいましょうか、この第2期中期目標期間の主な成果ということで、研究のところにありますように、ニーズ調査を踏まえた、教育現場のニーズに対応した研究を実施することとか、あるいは情報普及の枠にございますけれども、発達障害教育情報センターを設置いたしまして、発達障害教育の情報普及などに力を入れてまいりました。
 3枚目をごらんいただければと思います。この3枚目が、事務・事業の主な見直しの方向性でございますけれども、1つ目、2つ目にございますように、研究につきまして、学校現場の実態や課題を適切に把握するため、特別支援学校の校長会、あるいは特別支援学級を設置する学校長の協会など、教育関係団体との連携強化を行うこと、あるいは保護者団体、PTAなどと連携を図るということを目指してございます。
 また、中期特定研究制度といたしまして、特定の研究テーマを設定して中期的な、あるいは連続的な研究というものを進めるような制度を創設していきたいと考えているところでもございます。
 また、3つ目の枠でございますけれども、研修につきましては、ニーズの把握をちゃんとやること、それから、研修の対象、内容、方法の改善というものに引き続き取り組むことともに、特別支援教育研究員制度につきまして、研修のあり方、これ今2カ月研修と1年研修とあるんですが、派遣のしやすさの違いがあるせいかもしれません、1年研修のほうでなかなか枠に満たないという状況がございますので、その辺の見直しを柔軟にやっていきたいと考えているところでございます。
 それから、セミナー・刊行物の関係では、2つのセミナーの統合を検討いたしたいと思っておりますし、また、新たに保護者向けのセミナーの開設も検討していきたいと思っております。さらに、教育相談とか、国際交流に関する刊行物の見直し、Webの活用等にも取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 それから、国際交流の分野では、国際セミナーにつきまして、アジア・太平洋特別支援教育国際セミナーを廃止いたしまして、インクルーシブ教育システムに関する国際会議、仮称でございますけれども、この開設を検討していきたいと考えているところでございます。
 下の青いところでございますけれども、運営の効率化・自律化関係では、人件費改革に引き続き取り組みますとともに、引き続き自己収入の増に努めると。また、情報管理業務の関係では、その一部をアウトソーシングすることを検討していきます。
 また、一番下でございますけれども、都内の研究連絡の場でリエゾンオフィスを現在田町のほうに持ってございますけれども、これを他法人の事務所との集約・共用化などの見直しを検討しているところでございます。
 簡単ですが、以上で御説明といたします。

【富田分科会長】  はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました国立特別支援教育総合研究所の見直し当初案につきまして、御質問、御意見等ございましたら、どなたからでもお願いいたします。
 はい、黒田委員お願いします。

【黒田(壽)臨時委員】  それでは、私のほうから特総研に係るナショナルセンターとしての研究課題の精選のあり方について御質問をさせていただきます。特総研でやっておられる研究というのは、大学とか、都道府県でも同じようなことをやっておられますが、その中で特に特総研としてやるべきことをどのように切り分けてやっておられるのかと、まずそういうことをお聞きしたいと思います。
 それから、2点目は、そういう研究の中で、今ご説明にありましたように、中期特定研究制度を新しく創るということでありますけれども、この中期特定研究制度の創設に当たって、どのような背景事情があったのかについてお聞きをしたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【千原特別支援教育課長】  特別支援教育課長の千原と申します。私のほうから概括的に説明しまして、足りないところは企画官の横井から答えさせていただきます。
 1点目でございますけれども、やはり国として、この特総研の設置目的にもございますが、国として、国の政策課題というところにまず重点を置いてやる。それから、各都道府県ではなかなか対応ができない、非常にきわめて重度・重複化した障害に対する研究とか、どうしても一都道府県ではできないような、そういった現場のニーズに対応した研究というのにできるだけ重点化してやっていくというのが1点目だと思っております。
 それから、2点目の中期研究制度の創設ですけれども、特総研はこれまで一、二年の短期の研究を主としてやってまいりました。今度の第3期の中期目標期間において、やはり5年という中期目標を定めてやっていくわけですけれども、そのぐらいの少し足の長い研究をやる必要があるのではないかということが一つの背景にございます。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでございますか。どうぞ、宮本委員。

【宮本臨時委員】  研修の見直しの中で、例えば研究研修員の制度の見直しを図られることになっておりますが、現状では参加者が少ないようですがその原因をどのようにお考えなのか教えていただけますでしょうか。

【千原特別支援教育課長】  今の御指摘の件ですが、例えば21年度だったかと思いますが、定員10名で募集をかけたところ、結果として8名ということでB評価をいただいたところであります。その背景といたしましては、やはり1年間先生が現場を抜けるということになりますと、そのかわりの先生を配置しなければいけない、そうすると、なかなか、それぞれ地域で代替の先生が見つからないとか、そのための財源が足りないとか、そういうことが一つ大きな原因だと聞いております。

【宮本臨時委員】  そういう意味では、都道府県との連携ということで、コミュニケーションがうまくいくように何か具体的なよい方策というのはお考えなのでしょうか。

【千原特別支援教育課長】  さて、これはどうしたものかと、正直言って今考えております。なので、どのようにすべきか23年度考えていきたいと思っておりますが、例えばできるだけ早目にその御案内を出して、あらかじめ手配を十分にしていただいた上で、その派遣をしていただくとか、もう少し事前の準備とか、そういったことをやることによって数字が上がればいいのかなとも思ってございます。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでございましょうか。どうぞ、浅羽委員。

【浅羽臨時委員】  私からは、教育相談について教えていただきたいと思います。先ほど御説明いただきました第2期中期目標期間の主な成果の中の教育相談で、教育相談データベースの構築というものが成果として挙げられていました。実際いただきました資料でその中身等を拝見させていただきますと、かなり細かく、また、その考察、課題、いろいろと書かれていて、見る人が見れば参考になるものだろうなと、私自身はすごく興味深く見せていただいたのですが、データベースとして、そして成果として考えるには、60件の掲載ではまだまだ不十分なのかなと思います。これは素人考えではありますけれども、内容的にはかなり個別性の高いものなので、相当いっぱいないとデータベースとして活用する側からすると、見ていて参考になるレベルじゃなくて実際に困っている人がその相談として使うのであれば、まだまだちょっと足りないんじゃないかなという気がしています。まだ新しいシステムだとは思いますけれども、成果としてうたってもいらっしゃいますので、なぜそれぐらいにとどまっているのかという原因と、今後に向けてどうやってそれを増やしていくのかという方策、仕組みについて教えていただきたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【横井特別支援教育企画官】  特別支援教育課の企画官をしております横井と申します。今御指摘の件は、ごもっともなことでございまして、我々としましても、この第2期の中期目標期間中に、まずは立ち上げたということでございます。それで、すべての県に対して、これの構築の際には呼びかけをいたしましたが、やはり非常に具体的な内容を書くということで、個人情報の関係もあって、まだ十分御理解いただいていなくて、情報をお寄せいただいていないところもあるんですが、今ある程度情報が集まってきた段階で、すべての県に対して情報を提供するようになりましたので、これでデータベースの有用性というのを各県に御理解いただきながら、より個別の事例を集めさせていただけるように連携を引き続き呼びかけていきたいと、このように考えているところでございます。

【千原特別支援教育課長】  追加で恐縮でございます。お手元の資料の28ページをごらんいただければと思います。これは今、主な成果でも御紹介いたしましたが、委員御指摘のとおり、これはさらに改善をしなければいけない点だと思ってございまして、28ページの事業及び事業の見直しに係る具体的措置、それの一番目の○が、まさに御指摘の点でございます。今、横井が申しましたように、具体的に各都道府県にも特別支援教育センターというのがございますので、そこと連携して具体的な事例を挙げていただく、さらには、いろいろなニーズ等も収集して、このデータベースの充実を図るというのが本当に大事だと思ってございます。以上です。

【浅羽臨時委員】  追加でよろしいでしょうか。

【富田分科会長】  はい、どうぞ。

【浅羽臨時委員】  ちなみにこのデータベースなんですけれども、実際に入力したりするのは、独法でやるのかそれとも都道府県等のセンターでやるのか、どちらでやるようになっているんでしょうか。

【千原特別支援教育課長】  独法の方で、今のところはやらせていただいています。実は来年度の要求にもかかわるような話になってまいりますが、こういうWebサイトとか、ホームページの改編について、できればいわゆる専門家でなくても容易に入力できるようなシステムというのを今導入しつつございます。そうしますと、ある程度地方でも入れていただくんですが、ただ、一方でセキュリティーの問題がございますので、ちゃんと特総研のいわゆるWebページの責任者が、変に改ざんされないような形で、双方向で連絡をとりながらうまく改善できるような方向というのも今模索中でございます。

【浅羽臨時委員】  なぜこんな質問をさせていただいたのかというと、個別の事例を、しかもほかの人が見てためになるには、相当細かく、でも、一方で個人情報の問題もということで、結構手間がかかるんじゃないのかなと思いましたし、今も思っているんですね。それをどちらがやるかというのは、データベース構築の上ではすごく大切なことで、面倒くさいやと言われてしまわないようなやり方が最も望ましいでしょうし、一方でセキュリティー等も考えなければいけないでしょうから、そこら辺もできるだけいいやり方をしていただきたいなと思っております。
 あと、今件数で言ったんですけれど、機関数も増やしていくということで、現状は17機関と伺っており、58分の17機関しか参画していないということで、もしも、このデータベースが使えないからそんなところへやってもしようがないやみたいに思われては元も子もないと思います。スタートダッシュが結構大事なんじゃないか、あれは使えるという評判が立てば、あっという間に広がっていくんじゃないのかなと。最初はフリーライダーで覗くだけの人も、自分がうまくこれで使えたのなら自分のところももっと協力して、となるのではないのかなとも思っていますので、ぜひそこら辺のところうまい仕組みづくり、広げていく仕組みづくりをよろしくお願いいたします。最後はちょっと感想になりました。

【富田分科会長】  はい、どうぞ、野口委員。

【野口臨時委員】  私のほうからコンパクトな質問になるかと思うんですけれども、今日の御説明の最後に出てきたリエゾンオフィス東京事務所については、平成22年度内に共用化とかも含めて見直しをなさるというお話だったんですけれども、この見直しの中に、例えば抜本的にリエゾンオフィスがそもそも必要なのか、要らないんじゃないかという議論もあり得るかと思うんですが、その辺りの検討をされたのか、具体的に見直しというのがどういう方向になりそうなのかということをお伺いしたいと思います。

【千原特別支援教育課長】  委員御指摘の件ですが、今、田町のほうにリエゾンオフィスを構えさせていただいています。ここは45平米の大きさです。これは特別支援教育総合研究所の本部が久里浜にございまして、例えば都心から行くのに2時間ぐらいかかるところにございます。一方で、やはりこれ、今のお話にも出てまいりましたが、各都道府県の先生方とか、大学の先生方とかに集まっていただいて、いろいろ相談をしながら研究を進める場合もありまして、そういう利便性を考えると、やはり田町とか、都心に近いほうに会議室があったほうが総合的に非常にありがたいということもあって、平成17年から使わせていただいていました。ただ、今いわゆる行政事業レビューとか、そういうことを踏まえて、事務所は基本的には廃止するか見直しをしなさいという横串しの対応がございますので、今考えていますのは、23年度要求において200万円ほど減をして、ただ、やはり必要性はあるものですから、大きさを45平米から20平米に小さくして、それで、ほかの法人と共同で設置することを今、方向性としては考えてございます。ただ、いろいろ中でも検討いたしましたが、やはり都心にぜひそういう打ち合わせスペースを置かせていただければと考えてございます。

【野口臨時委員】  恒常的に事務所を構えておく必要があるという御判断ということですね。

【千原特別支援教育課長】  はい。

【富田分科会長】  ほかにいかがでございましょうか。はい、岡本委員どうぞ。

【岡本臨時委員】  おくれて来て申しわけございません。ちょっと気になるのが1点ございます。22ページの資料を見させていただきますと、例えば平成21年度に運営費交付金債務残高2億500万円、これが前年度に比べて大分伸びていますし、平成18年度からも大分伸びているんですね。他方で、予算措置は余り変わらない。運営交付金債務残高が残るということは、当初の予算見積もりが甘かったのか、あるいはやっておられない仕事があるのではないのかなと。どういう理由からこれほど、ある意味で急速に増えているんでしょうか。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【横井特別支援教育企画官】  今の御指摘というのは、運営費交付金の債務残高が溜まっているのはいかがなものかというお話でしょうか。

【岡本臨時委員】  そうです。おそらく想像するに、当初の予算見積もりが甘かったのではないのか、いわゆる効率化できたのではないかということです。ある意味では。他方で、やるべき仕事をやっておられないので、翌年度に回されているんじゃないか、などいろいろ考えられるんですけれども、このあたりはどういう理由なんでしょうか?

【横井特別支援教育企画官】  その点につきましては、利益余剰金、その上のところを御覧いただければと思いますけれども、第1期の中期目標期間中に自己退職都合者が想定外に多かったと、それで、第1期の最終年度にそういうものがあると、第2期の18年度に、翌年度予算化されるという構造になっておりますので、18年度につきましては、そういうものが多かったということでございます。それで、見積もりが甘かったという御指摘をいただくと、そこはお叱りをいただいているのかなと思いますが、一方で、毎年毎年経費節減をしてくださいという御指摘を受けて、独法の方ではできる限り効率化を図らせていただいているということもお含みいただければと思っております。

【岡本臨時委員】  いや、私の質問は平成18年度ではなくて、21年度になぜこれだけ増えているのかという質問なんです。

【横井特別支援教育企画官】  ですから、繰り返しになりますけれども、21年度、それから、その前年度につきましても、研究をいかに効率化するかという観点から経費節減には努めさせていただいておりますので、そのようなことだとお考えいただければと思いますか。

【岡本臨時委員】  そうでしょうか。いろんな研究所のようなところに聞くと、いろんな話を聞きますが、13億の予算に対して2億の運営交付金債務が残っていると、これは1割強の予算措置が使われずに残っているということですね。効率化が進んでいるんだったらいいんですけれども、やるべき仕事というのは果たしてやられているんでしょうか。1割のお金が残っているんですよ。

【千原特別支援教育課長】  委員の御指摘ですが、私どもが説明を受けているのは、もともと予算を措置するときに、自己都合退職手当を積んだんですが、結果としてその自己都合の退職者がなかったことによって、主にこれだけ残っていると聞いています。

【岡本臨時委員】  そんなに残るものですか。ちょっと納得できない部分が。大変恐縮なんですけれど、一般会計当初予算に対して1割強の運営費交付金債務が残っていた、その理由が退職者がいなかったからだと言われますが、それほど巨額なものなんですかね、退職金というのは。

【横井特別支援教育企画官】  そこは何分理工系の研究所と違って研究費自体の総額がそれほど大きくはないので、人件費が与える影響というのはほかの研究所と比べると大きいということは申し上げられると思いますが。

【富田分科会長】  なかなか納得できないので、また、これ、事務局を通じて御返答をきっちりといただけますでしょうか。

【岡本臨時委員】  よろしくお願いします。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、稲継委員どうぞ。

【稲継臨時委員】  初歩的で的外れな質問なのかもしれないんですけれども、そもそも貴独法の設置目的として、「特別支援教育に関する研究のうち、主として実際的な研究を総合的に行い」というのが最初の方にあります。先ほどの御説明の資料の1−2(1)の表を見させていただくと、過去8年ほどの間に特別支援学校に通う生徒・学生、それから、小・中学校の特別支援学級の対象生徒も飛躍的に増大しているわけですよね。各現場では非常に困っていて、昨日も大阪府と大阪市のそれぞれ首長同士が公開討論されて、特別支援学校が相当テーマにもなっていたところなんです。貴独法においては、実際的な研究を総合的に行うということですから、この増加の原因は一体何であって、それはどのように解決できるのかということをちゃんと研究して、その成果を出しておられるんでしょうか。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【千原特別支援教育課長】  そういったことも含めて、国としてのやはり課題だと思っています。実際に今、委員御指摘のように、全体で今例えば小・中学校義務教育の生徒さん1,100万人の中で、この特別支援教育を受けている方というのは2.34%、25、6万人だと思いますが、それがこのようにだんだん増えている。その原因というのは一体何かというのを国として解決しなければならない課題だと思っておりますので、それはそういう実際的な国の政策を決めるときの一つのインプットとしての研究として、特総研のほうで研究をしていただくということの……。

【稲継臨時委員】  課題だというのは国民みんなが分かっていることなんですが。

【千原特別支援教育課長】  ええ、何でだと。

【稲継臨時委員】  貴独法は、実際的な研究を総合的に行うというのが設置趣旨ですよね。この、課題だと国民全員が認識していることについて、何かの回答を出せるような研究はしておられるんでしょうか。

【横井特別支援教育企画官】  例えば具体例で申し上げますと、21年度に研究をしているものとしまして、知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校に在籍する児童生徒の増加の実態と教育的対応に関する研究ということで、今、委員御指摘のあったとおり、知的障害者のお子さんが増えていらっしゃるということで、その増加の分析というものを、ここの研究の中でやっていただいております。

【稲継臨時委員】  研究結果はどういうことだったんですか。なぜ増えているんですか。研究結果は出ていないんですか。研究したけれども、結果は出ていないということですか。

【横井特別支援教育企画官】  すみません、まだ継続中ということなので。

【稲継臨時委員】  まだ分からないと?

【横井特別支援教育企画官】  ええ、アウトプットはまだ出ていないんですが。

【富田分科会長】  はい、どうぞ黒田委員。

【黒田(玲)委員】  国際セミナーを見直したと書かれているんですが、アジア太平洋特別支援教育国際セミナーだとか、インクルーシブ教育だとか。これは、その背景とか、なぜ、どのように変えたかを御説明いただきたいんですが。

【横井特別支援教育企画官】  国際セミナーの見直しでございますけれども、アジア太平洋特別支援教育国際セミナー、これは30年間やってまいりました。それで、アジア太平洋という地域に着目して国際貢献の立場からやらせていただいておったんですが、その国際貢献も重要ではありますが、もう少し政策課題に対応するためにテーマ別にやるほうが、より資源の使い方としては効率的ではないかということで、来年度以降、先ほど審議官の方からも説明がありましたけれども、障害者権利条約の批准に向けてインクルーシブ教育システムをどのように日本として取り入れていくかというのが重要な課題になっておりますので、このような、それをテーマにした国際会議をやることは適当ではないかということになっております。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでございましょうか。
 それでは、今日は時間の都合もありますので、国立特別支援教育総合研究所につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。きょう、稲継委員の基本的な視点からする問題提起等、さまざまな意見がございました。これらについて再度事務局を通じてお答えをいただきたいということともに、きょう御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力いただき、ありがとうございました。説明者の陪席者の皆様方は御退席をいただきまして結構でございます。
 続きまして、教育研修センターつきまして、尾ア審議官から御説明をお願いいたします。

【尾ア審議官】  はい。引き続きまして、教員研修センターの御説明を申し上げます。お手元の横長のポンチ絵で、資料1−2−(2)の資料、これも同じく3枚組みでございますがこれをご覧いただければと思います。
 1枚目に、まず独立行政法人教員研修センターの役割について、簡単にまとめてございます。真ん中の薄い黄色のところにございますけれども、近年、いじめ・不登校・非行、そういった生徒指導上の課題が継続的に重要な課題となっていると。それから、外国人児童生徒への対応ですとか、キャリア教育など、学校の抱える課題が多様化していると。こういう状況の中で、この課題にこたえて学校の機能を十分に発揮していくことが重要だと。そのために、教育の直接の担い手である教員の資質向上がきわめて重要であるということを認識いたしまして、この研修を国と地方公共団体で、車の両輪と言いましょうか、そういった形で強化をしていく必要があるということで、本来教員の研修の実施責任者は自治体でございます、任命権者でございますけれども、この自治体が全教員に対する研修を行う、それをバックアップ支援をするという形で、国としては、その自治体が行います研修の核になる、要するに親ガメ、子ガメのようにですね、地域に戻っていって、学校に戻っていって、またそこで成果を広めてもらうような、その核となる人材、研修の指導者ですとか、地域の中核的指導者のための研修を行うのが国の役割と考えているところでございます。
 こういった中で、教員研修センターといたしまして、その下に書いてございますけれども、独立行政法人としてのメリット、すなわち弾力的で効率的な財務・組織運営、あるいは外部評価、そういった仕組みをビルトインされている独立行政法人が、この教員の資質向上の取り組みの中核を担うナショナルセンターとして、国の教育政策と一体となって研修を一元的・集中的に実施するというのが、教員研修センターの役割と考えているところでございます。
 具体的には、2枚目を御覧いただければと思いますが、以下、その中核的なナショナルセンターとしての役割を前提としながら、その役割をさらに明確化するために教員研修センターの役割を見直そうということで、まず1升目、2升目にございますけれども、事務・事業の見直しということで、研修の精選ということでございます。国として教育政策上真に実施すべき課題に精選・特化していくと。逆に、その喫緊の課題として低下した研修など指導者養成について国の役割を終えたものについては廃止をしていこうと、こういった取り組みを積極的に進めようと取り組んでいるところでございます。具体には、あと御質問いただければまた申し上げたいと思います。
 それから、3升目にございますとおり、研修のやり方、内容・方法につきましても、教員を取り巻く社会環境といいましょうか、そのことを踏まえて、あり方を柔軟に見直していこうという方向でございます。具体的にはそこに、学校経営研修のところに2行にわたって書いてございますけれども、現在の教員の年齢構成は50代が全教員の4割を占めるという形で高齢者に偏っております。大体教員生活37、8年ある中で50代10カ年ということであれば、単純平均でいけば3割弱の構成であれば均等ということになるんですが、実際は4割を占めていると。この4割がこの10年間に抜けて、今の40代の方が50代になっていくことになるわけですので、ある意味、次代を担うリーダー層の層が薄くなる、競争が緩くなると、そういった時代環境もあるわけでございます。そういう意味で、その次代を担う、次の世代を担うリーダー養成が急務になってきているということがございまして、その中堅教員の受講定員を増員すると、あるいは受講日数を強化するといった形での学校経営力向上のための重点化を図りたいというような方向性をにらんでいるところでございます。
 また、その下に喫緊課題研修と書いてございますけれども、これは、その時代の要請に緊急に応ずべき課題、それに応じた研修ということで、具体的に申し上げますと、そこに書いてございますような情報化関係の研修ですとか、あるいは職業意識の希薄化しているところでのキャリア教育ですとか、学力テストの結果等を踏まえた国語力、読解力の強化ですとか、あるいはいじめ問題への対応ですとか、学力面、生徒指導面、いろんな課題があるわけでございますけれども、そういった課題に対応した指導者養成研修について、内容も、これまた柔軟に時代環境を踏まえて見直していくと。例えばそこにございますように、新成長戦略ですとか、政府のいわゆるIT戦略本部の決定などで、学校教育の情報化について、中長期ビジョンが今位置づけられているところでございますけれども、それを踏まえて学校教育の情報化、また、それを支える指導者養成研修に力を入れていこうというような見直しを行おうとしているところでございます。
 また、以上申し上げたような見直しを行う過程で国としての役割を絞っても、実際には各自治体の方では、それに対するニーズがまだ高いというようなことがあります。そういった研修につきましては、国と自治体の役割分担という観点から、国が直接行う研修というやり方ではなくて、自治体から、その要望を受けて、委託として研修を行うというスタイルに変更していこうというようなことも考えているところでございます。
 それから、2枚目の一番下でございますけれども、研修プログラムやコンテンツの開発ということでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、研修の中核的な役割と言いましょうか、本来的な役割は実際任命権者にあるわけでございますけれども、研修のテーマによりまして、例えばe-ラーニング研修ですとか、そういったものを、先ほどのように国が中核人材を研修し県に戻ってもらってその成果を広めてもらおうという、その段階で、その自治体に戻ったときにうまく立派に十分に使えるような教材ですとか、コンテンツが十分でないと、また、その開発が各県単位ではなかなか行いにくいというような事情もございます。そういった内容、とりわけ情報分野なんかでそういうことが強いわけでございますけれども、そこにございますように、e-ラーニング研修のプログラム開発・提供といったような形で各自治体の研修のバックアップ支援を行っていこうというようなことも考えているところでございます。
 1枚おめくりをいただきまして、組織の見直しでございます。これも先ほどの特別支援教育総合研究所と似ておりますけれども、現在東京事務所を構えてございますけれども、これにつきましては、これを閉鎖しまして、面積を半分以下に縮減した上で他法人の所有施設に集約化をしたいと考えております。
 最後に、3番にございます運営の効率化、自律化の関係の見直しでございます。そこにございますとおり、これまでと同様に、こちらの職員が担当してまいりました宿泊施設・研修施設の受付・貸し出し業務の民間委託を新たに進めようということ、それから、従来単年度で発注していた業務を複数年一括発注方式に変更することによってコストダウンを図ろうというようなことも考えているところでございます。
 それから、次期中期目標期間におきましても、国家公務員に準じまして人件費改革ですとか自己収入の拡大を引き続き頑張っていきたいと考えているところでございます。
 説明は以上でございます。

【富田分科会長】  はい、ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました教員研修センターの見直し当初案につきまして、御質問、御意見などございましたら、どなたからでも御発言願います。
 はい、黒田委員どうぞ。

【黒田(壽)臨時委員】  私の方からは、教員研修についての国と地方の役割分担をどうお考えなのかということをお伺いしたと思います。国の研修機関というのは国としての全国共通の教育方針などを示すことが大事だと思うんですね。その一方で、教員というのは、各地方地方でその独自の教育をやることが適切であるということになると思うんです。その地方に合った教育のあり方というのがあると思うんですね。そういう中で、国の役割としての企画立案をするということが非常に重要だろうと思います。その立案された研修は各都道府県にお任せしてやっていただくことが可能なのかどうかということ。それから、今実際に資料でお示しいただいたように、全教員92万人に対して、喫緊の課題の研修の受講生は6,350人しかいない、それから中央研修では2,390人しかいないということでありますが、こういう数で各都道府県の指導者が養成されているとお考えなのか、その辺をお伺いしたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【山下教職員課長】  教職員課長でございます。ただいまの御質問でございますけれども、教員の研修ということについての国と地方の役割分担がそもそもどうあるべきかということでございますけれども、御説明した資料にもございますように、基本的には一般の教員に対する研修というものは地方の事務であるということでございまして、1枚目の一番下にございますように、例えば初任者研修、あるいは10年経験者研修といったようなものは教育公務員特例法という法律でその実施を義務づけるという形をとってございます。国のほうは、それについての一定程度の水準確保のためにプログラムの一つの例を示すとか、考え方を示すとかいうような形で運営をしてきているわけでございます。一方で、どうしても地方ではやり切れない部分というのがございます。それが1枚目の真ん中の箱に書いてある2つのタイプのものでございまして、一つは喫緊課題の指導者養成。ここで御質問の中に受講定員6,350人ということで本当にこれがきちんと効果が上がるのかという御質問がございました。ここはむしろイメージといたしましては、例えばこちらにございます、いじめ・不登校、あるいは非行、また、最近非常に話題になっております外国人児童生徒の教育、これが非常に課題になっているわけでございますけれども、こうしたところを具体的に専門家の知見も借りながら、どんなふうに進めたらいいのかということで、地方は悩んでいるということでございます。こういうことにつきましては、まず国の方でその指導者養成をする、つまり、地方が行う研修の講師を養成するということでございます。具体的には、例えば都道府県教育委員会の指導主事というのがおります。これは教育委員会の中で分担をして研修の企画・立案をするという方でございます。こういう方を対象にして、つくばでもって一括して、非常に高度な専門家の方の講師もお願いしながら研修を実施し、それらの方々がその成果を持ち帰って地元で研修の講師になるというようなことでございまして、これは言ってみれば教育政策上いつまでもやるわけではございません。国の役割が終わり、地方のほうで実施できる体制が整いましたら、地方の方でやっていただくんでございますけれども、教育政策上必要だということで実施しているものでございます。
 それから、もう一つのタイプは、その下の中核リーダー養成ということでございます。これはまさに校長、教頭、副校長、あるいはその予備軍であるところの中堅の教員の中でも幹部候補生と言ってよろしいかと思いますけれども、そうした方々を対象にするものでございまして、ここはどちらかというとむしろ学校経営ということに重点を置いて、管理職としての素養を養っていただくということでございますけれども、さらには、教育委員会の幹部、あるいは各地域の校長会の会長といった立場になられる方々を対象とした、管理職としての素養を養うということでございます。このようなものは、例えば総務省さんが所管されている自治大学校というものがございます。また、国土交通省さんが所管されている国土交通大学校というものがございます。これらは独法ではなく、施設等機関で直轄機関でございます。こういうところで地方公務員の研修を実施されておられます。同様のニーズがあって、学校教育についてもこのようなものを実施させていただいていると御理解いただければと思っているところでございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【富田分科会長】  黒田委員、よろしいですか。

【黒田(壽)臨時委員】  大体のイメージは分かるのですが、やはり国がやるべきもの、これは今後の教員養成のための指針というものを国がしっかりつくるということが大事だと思うんですね。それによって地方自治体の方に流していく、それが国の役割だと思います。もう一方、この研修をやるために膨大な宿泊施設を持っておられて、そこへ集めてということをやっておられるんですが、今の時代はホテルもたくさんありますし、研修会場もたくさんある、そういう中で、わざわざそういう1カ所に集めて缶詰でやる必要があるのかどうか。それは地域ごとに出向いて行って、その会場でやられるという方法も採れるのではないかと思います。また、フェース・ツー・フェースの必要のないところはe-ラーニングでやれる部分もあると思うんですけれども、そういうことについて今後どのようにお考えになっておられるのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

【山下教職員課長】  研究を実施するための施設についての御下問でございますけれど、御指摘のようにこの教員研修センターはつくばに宿泊型の研修を実施するための施設を保有しているわけでございます。ちなみに先ほど例示として挙げさせていただいた他府省の機関においても同様の施設を保有しておられます。これは、もともと教員研修センターが実施する事業、確かに、例えば会場を借りて全国何ブロックかに分けて実施するとか、あるいは東京や大阪のような大都市で実施するとかいった形がとれないのかと言われれば、それは物理的には不可能ではないと思います。しかしながら、それに伴って当然一定の予算が必要になってくるというようなことがございまして、結局のところ、従来から国が行う研修というものについて、つくばに施設を設けて一元的にずっと実施してきておりますので、今自己所有の宿泊型施設がございますので、当面どうなのかということで言えばここでやるのが一番効率的であるということでございまして、そこのところはそういうことでございます。
 もう一つ、事情を申し上げさせていただきますと、このつくばの施設でございますけれど、土地は全部が自己所有ではございません。これは都市再生機構から年次計画で購入をしてきているというものでございまして、これは全体の筑波研究学園都市の構想の中でやってきていることでございますけれども、残りまだ3分の1ぐらいございまして、都市再生機構との約束としては、今後できるだけ早く購入をしてもらいたいというお話がございますのでそういう形で自己所有を達成すべく進めているという状況がございます。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがですか。はい、どうぞ、宮本委員。

【宮本臨時委員】  研修の改廃と言いますか改善ということで事業の見直しを謳っておられますが、国として実施する喫緊の課題性が低下したものは廃止していくということについて、現にどのように行ってこられているのか、あるいは今後どういう判断基準で行われるのかという具体的なことを少し補足をお願いできますでしょうか。関連しますと、18年ですか、前回の勧告の方向性の中で、海外派遣研修については存続を含めて再評価をするとなっておりましたけれども、今どういう評価になっているのか併せてお願いをいたします。

【山下教職員課長】  はい。まず具体的に廃止する研修についての考え方ということでございますけれども、例えば平成22年度予算、今年度予算で既に廃止しているものがございまして、例えば英語教育コースの6カ月のコース、これを既に廃止しております。それから国際理解教育コースの3カ月、こういうものも廃止してございます。また、23年度概算要求におきましては、例えばでございますけれども廃止することとしておりますのは、これは環境教育指導者養成研修など一定の役割を終えたと考えられるものについて廃止を検討しているところでございます。目安としては、もちろん国が行う研修ということでございますので、それぞれの本省の担当課というのがございます、例えば環境教育ということであればそれの内容面の担当課がございますので、そちらのほうの政策判断ということが先ずございます。それから、研修としての、言ってみれば効果ということにつきましては、これは例えばその参加率であるとか成果活用率であるとかといったような数値をずっと取ってきておりますので、そうしたところを勘案し文部科学省の独立行政評価委員会のセンター部会のほうにも評価をしていただいた上で廃止を検討しているという状況でございます。

【富田分科会長】  はい。宮本委員、よろしいですか。

【宮本臨時委員】  大筋は分かったのですが、海外研修の件は・・・・。

【山下教職員課長】  失礼いたしました。海外でございますが海外……。

【安彦教職員課長補佐】  冒頭説明しました海外派遣の研修につきましてですが、英語教育6カ月コースというのも先ほど言った廃止を含めて検討するものの一部でございましてその研修のうち英語教育6カ月コースと国際理解教育の3カ月コースを廃止しまして、もう一つ英語教育の2カ月コースというものも残っておるんですが、こちらのほうは50人の定員から30人の定員に見直した上でここだけを残すという形で考えております。

【宮本臨時委員】  ご説明以外に海外派遣プログラムという研修がありますが、それにについて前回の勧告の方向性が出ていると思うのですが、その件についてはどう評価をされているんでしょうか。500名枠で海外派遣プログラムが組まれておりますけれども実際の参加実績を見ると各都道府県からの参加者に偏在性があるということがあろうかと思うのですけれども、その辺前回評価することになっていたと思いますのでフォローをお願いしたい。

【安彦教職員課長補佐】  こちらのほうは、テーマのほうも、そういった参加率等、ニーズ等も踏まえまして見直した上で、500人定員から大幅に200人程度の削減という形で見直しを今検討しているところでございます。

【富田分科会長】  他にいかがでしょうか。はい、岡本委員どうぞ。

【岡本臨時委員】  資料1−1の50ページにかかわる質問になります。これは運営の効率化及び自律化に係る見直し案の具体的措置という項目で一番右端の縦の列なんですけれども、業務のアウトソーシングということについてですが、事業仕分けの結果、自治体・民間へ移管という評価結果が出たものに対し、民間委託で対応されるということにされたのかと思うんですけれど、民間移管ということと、民間委託とは定義が多分違うだろうなということを前提に申し上げているんですが、どういう検討をされて、民間委託にしたほうが良くなったんでしょうか。これはコスト削減だけじゃない理由だと思いますが、その辺の御説明というか、資料かもしれませんけれどお願いしたい。それから、民間委託をすれば何か業務コストが下がるというようなイメージが読めるんですけれど、こういうアウトソーシングをすることによってどの程度コスト削減を図られようとしていらっしゃるのか、その見込みといいましょうかそれを教えていただきたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【山下教職員課長】  まず昨年の秋の事業仕分けにおける御指摘は、今、先生おっしゃったとおり自治体・民間へ移管ということでございましたけれども、この自治体・民間へ移管ということにつきましては教員研修センター全体についての御指摘が先ずあると認識しております。それにつきましては、教員研修センター全体のあり方をどうするかということについて、今実はこれは教員の資質や数の充実というのが現政権の非常に大きなテーマになっていて、総理指示でもございますし、また、民主党のマニフェストにもいわゆる教員養成の抜本的見直し、例の6年制化、修士化と呼ばれる問題がございますけれども、そうしたこととパッケージで現在中教審のほうで議論をしていただいております。6月3日に諮問いたしまして議論していただいているという状況でございまして、この中で国と地方の役割分担のあり方ということを含めまして御議論をいただいて方向性を出していきたいと先ず思っているところでございます。私ども文部科学省としては、冒頭申し上げましたように、国として実施すべき研修事業というのはやはり必要だと認識しておりますので全体を丸ごとすぐに自治体・民間へ移管ということについてはなかなか難しいと思っておりますけれども、そこは仕分けの御指摘を踏まえてそういう検討を先ずしていると。一方でやれることはやろうということでございまして、例えば国の役割が終わった研修事業は個別に評価をして、先ほど申し上げましたように、廃止し縮減したりすると。また、施設管理につきましても既に実は警備とか清掃とか一部民間委託をしているんでございますけれども、その部分をさらに拡大して維持管理全体を民間委託としたいということを考えておりまして、これによって来年度の見込みといたしましては、およそ1,100万円の経費縮減を図れると考えているところでございます。以上でございます。

【岡本臨時委員】  答えていただいていることと私のニュアンスと少し違うところがあるのですが、例えば個別に申し上げますと、この上下両方に出てくるかと思いますけれど、包括的民間委託方式というのは具体的にどういうことでしょうか。そもそも包括的民間委託方式と何を比べられてこちらの選択を採られたとか、複数年契約を採られることによってどれだけ単年度よりもコスト削減を図ろうとしていらっしゃるのか具体的に教えていただけませんか。多分そこでの検討結果が恐らくそれ以降の独法評価にもかかわってくると思いますのでそのあたりの見込みをお願いできませんでしょうか。

【山下教職員課長】  はい。大変失礼いたしました。また具体的な数字はお出ししたいと思いますけれど、私申し上げました数字1,100万円というのはまさに来年度の縮減見込み額で、今までばらばらに、例えば警備はここ清掃はここという形で委託をしてきたものを施設全体の維持管理という形で包括的に公募をして委託をするというような形をとることによってよりコスト削減を図っていこうということでございます。

【富田分科会長】  河村委員、手が挙がっていましたけれど、どうぞ。

【河村臨時委員】  先ほどお話がありましたつくばの研修施設のことでもう少しお尋ねできればと思います。先ほど言われていたのは都市再生機構、URさんから分割のような形で購入するという理解でよろしいのでしょうか。これと関係するかどうかわからないんですが、見直し当初案の39ページ、教員研修センターさんの1枚目の部分ですけれども、過去の国からの財政支出額の推移というところを見ると、施設整備等補助金というのが平成18年度から横並びで1億9,200万ということでずっと来ていて、23年度には減額になっているようですけれども、これはその件と関係があるんでしょうか。

【山下教職員課長】  はい、ございます。

【河村臨時委員】  やっぱり分割払いの費用ですか。

【山下教職員課長】  はい。その年の購入費そのものでございます。

【河村臨時委員】  何か、URさんから早くと言われているというお話を先ほど伺いましたけれども、これは一体いつまでお続けになる御予定ですか。

【安彦教職員課課長補佐】  URからは、25年度までに購入してくれということで言われておりますけれども、今のところ26年度までに何とか完了したいということで調整をしているところでございます。

【河村臨時委員】  ああ、そうですか。要するに、この研修施設を維持するかどうかというのも、先ほどからの議論でも論点ではないのかなと思うのですけれども、これは教員研修センターさんの方で完全に支払いを完了というか買い切られる形にならないのであるとすると、今度はURのほうの問題が出てくると、そういうことですね。わかりました。それで、ちなみにこの施設というのは、もともとは何か都市再生機構が持っていた住宅とかそういうものだったのでしょうか、どういう施設だったのでしょうか。

【安彦教職員課課長補佐】  土地そのものは、特に何か前に使っていた住宅があるとか、そういうわけではなくて。

【河村臨時委員】  上物ではなくて土地を分割で買われているということなんですか。

【安彦教職員課課長補佐】  ええ。土地はURが一括で再開発で購入し用意した物を分割で購入しているということでございます。

【河村臨時委員】  そうですか。はい、わかりました。

【富田分科会長】  浅羽委員どうぞ。

【浅羽臨時委員】  東京事務所について教えてください。現在の東京事務所は廃止して必要面積を半分以下にして別法人の物をまた借りるという御説明いただきましたけれども、賃借料はこれで合理化されると思うんですが、体制はどうなるんでしょうか。人員の配置です。現在10人の常勤の職員の方が配置されていていろいろと業務をされていると伺っていますが。

【山下教職員課長】  今虎ノ門に東京事務所を賃借しておりましてここに14名の職員を配置しております。それで、基本的には移転先であるところの、これは一ツ橋の学術総合センターというものがございますが、そこで、半分以下の床面積で非常に安い金額でお借りすることになるんでございますけれど、人員については変わりなしと。これは実は研修の中身のプログラムを企画立案するためにどうしても本省のいろんな担当課とのやりとりが必要になるということでそのために職員がここに常駐しているということでございまして、なかなかつくばから出てきてまたつくばにという行き来を考えますとやはり一定程度はここに職員を置いておく方がより効率的であるということで東京事務所を考えているものでございます。

【浅羽臨時委員】  面積を半分以下にするというのにそれで体制・人員とかやる内容は同じというのは一体どういうことなのか、少しよく分からないのですが。

【安彦教職員課長補佐】  学術総合センターの移転先でございますけれども、こちらは会議室が1階、2階にもございまして必要な打ち合わせ等のために今までスペースとして確保していたわけですが、必ずしも占有する必要はないだろうということでそういった共有のスペースみたいなものをうまく活用して面積の効率化を図ることで業務はやっていけるだろうということでございます。

【浅羽臨時委員】  研修プログラムの開発にそれだけの人数を常駐させる必要があるというのは、それは文科省さんとしてもそれぐらいは必要であるということでの御発言ということでよろしいんでしょうか。

【山下教職員課長】  それは、常にそれだけの人数が必要かというのはいろいろとまたその都度きちんと評価をしていかなきゃいけないだろうと思っておりますけれども、もともとこの独法は他の法人とちょっと異なる経緯で発足しておりまして、本省が実施していた事業と定員を切り出して独法にしております。本省のいろいろな担当課に分かれている事業があったのを平成13年に一元化をして独立行政法人で行ったほうが効率的であるという前提で切り出した経緯がございまして、やはり先ほど申し上げましたようにその時々の本省の教育政策と非常に密接に連絡をとりながらやる必要がございますので、やはり一定程度東京で一定の職員が常駐するのはやむを得ないのではないかと考えているところでございます。

【富田分科会長】  大体よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、時間の都合もありますので、本日のところは、教員研修センターにつきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 本日御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力賜りましてありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は、時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じ、ワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。
 説明者の皆様方には、御退席いただきまして結構でございます。ありがとうございました。


(説明者入れかえ)


【富田分科会長】  それでは、次に、大学入試センターにつきまして、小松審議官より御説明をお願いいたします。全体の時間の都合もございますので、恐れ入りますけれども、御説明は、5分程度でお願いいたします。

【小松審議官】  どうぞよろしくお願いいたします。
 お手元に所定の様式の紙のほかに、資料1−2−(3)という資料があるかと思います。時間の都合もございますので、簡潔にまとめさせていただきまして、これを基に御説明させていただきます。概要のところは基本的には省略させていただきますけれども、大学入試改革のことが社会的に大問題になったことから、昭和50年代の初めにさまざまな議論を経て大学入試センターが設置をされまして、当時は共通第一次学力試験から始まりましたが、その後大きな臨教審等の教育改革等を経まして大学入試センター試験に変わりまして、現在までそれを実施してきております。その中で昭和63年のところでございますが、偏差値のみによる進学という弊害を防ぐためにハートシステムという大がかりな進学先の情報案内のシステムの運用を開始し、それから平成13年には、それまでは国立学校でございましたが独法化いたしまして、平成15年には法科大学院制度が始まりますのに協力いたしまして適性試験というものを実施し、それから最近のトピックスとしてはリスニングテスト等が入試改革の関係で入っているというような中での業務でございます。
 業務でございますけれども、入試センター試験は参加大学が共同して行う試験でございますが、その業務のうち問題の作成・採点等一括して処理することが適当な業務を行うということ、それから調査研究、情報提供となっております。
 運営費交付金につきましては、グラフがそこの右下にございますけれども、漸次削減を図りまして平成23年にはゼロにしようという考え方で要求をいたしております。
 次のページでございますけれども、大きな事業でございます大学入試センター試験でございますが、下の方の丸で、規模については志願者数が55万人、大学志願者の現在約7割でもあり、それから参加大学数は国公立のすべての大学、私立の85%、短期大学の相当数ということで、受験会場、試験室、そこに数字が書いてございますけれども、こういった規模で行っております。全国展開が必要でかつ機密保持等が一つ大きな課題として行われているわけでございます。それから、各大学の参加状況の推移はその横にグラフで示しております。これは先ほど私が申し上げました数字をビジュアル化したものでございます。
 こういったことをもとにいたしまして、次のページでございますが、中期目標期間終了時に組織・業務全般の見直しということで案をつくっておりますけれども、これはもとより事業仕分け等もございましたので、それらを反映してということになりますけれども、まず事務・事業の見直しでございますが、大学入試センターの試験の実施。一つは、現在の状況に鑑み、あるいはその意義に鑑み毎年度着実に実施をするということは同じでございます。一方、業務の効率化は先ほど見ていただきましたように、国費の投入をできるだけ少なくしていくということで業務の効率化を図ってまいっておりますけれども、これまでも進めてまいっております効率化をさらに推進しまして、印刷経費の削減、試験会場の集約等により進めていこうということでございます。それから、随意契約の見直しにつきましても進めてきているところでございます。手元の数字で申し訳ございませんが、平成18年には112件の随意契約がありましてこれは全体の92%でございましたが、平成21年度現在では18件となっております。この18件は、公共料金とか、契約の相手方が単独しかいない、例えば郵便料金のようなもの、あと厳重に秘密保持を必要とするものがごく一部等でございますので相当程度進んだと思いますが引き続き進めていきたいと思っております。
 それから、もう一つは、入学者選抜に関する調査研究ということでございますが、これにつきましてはセンター試験の実施、あるいは大学入学者選抜の改善というところに調査研究の集中特化を図りたいということでございます。 それから、法科大学院の適性試験でございますけれども、こちらにつきましては、おおむね目的を達したものと考えますのでこの事業については終了、廃止をいたしたいと思っています。
 それから、もう一つの柱でございます進路選択に関する大学情報の提供でございます。先ほども申し上げましたハートシステム、ガイドブック等がございますけれども、これらにつきましてはいずれも廃止をいたしたいと思っております。ただ、ハートシステムについては現在おおむね90万件弱のアクセス等も毎年ございますのでその方法、時期等についてはスムーズに行くように相談をしながらやりたいと思っております。
 組織の見直しでございますけれども、まずこれらの事業の見直しによる組織体制の見直しということで法科大学院適性試験の終了に伴う合理化、再配置。それから、情報提供事業については基本的に廃止でございますので、要員の合理化、再配置を行うという形で見直したいと思っております。 さらに、センター試験に係る既存の会議体の体制ややり方につきまして、参加大学の意見、これがさらに適切に反映されるように見直しをしたいと思っております。
 それから、運営の効率化、自律化のための見直しということでございますが、保有資産の見直しということが挙げられておりますけれども、これにつきまして現在検討中でございまして現在地での施設・土地の必要性、その有効活用について検討いたしまして本年度中に結論を得るということにいたしたいと考えて作業をいたしております。 それから、先ほど申し上げました契約等のあり方の見直しでさらなる業務の効率化を図るようにしたいと思います。それから、センター試験参加大学に対して、意義や機能等をきちんと周知させていただくことによりまして、そういった中で適正な大学の負担のあり方についても引き続き検討していきたいと思っております。以上です。

【富田分科会長】  はい。それではただいま御説明いただきました大学入試センターの見直し当初案につきまして、御質問、御意見などございましたら、どなたからでもお願いいたします。はい、黒田委員。

【黒田(壽)臨時委員】  大学入試センターには研究者がたくさんおられ調査研究事業をやっておられますが、この研究内容の見直しをどのようにされているのかについてお聞きしたいと思います。21年度では15名の研究者で38の課題について研究を行っていらっしゃるわけでありますが、そもそも入試改善にそういう研究がどのように反映され、そういうことについて文科省として把握をされていらっしゃるのかどうか。大学入試センターというのは大変大きな成果を上げてきていらっしゃると思うのですけれども、大学入試の制度そのものの大改革をここでやられたわけでありますからその点では貢献されているわけですが、この研究の内容そのものが、一方で、入試センターでやらなくても大学自身でやれるとか共同でやればいいような別枠でやれるような研究まで中でやっておられるということが一つあると思います。そういうものをどのように今後見直されていくのかということ。それから、社会的な要請の高い課題、障害者支援等も含まれるわけでしょうけれども、入学者選抜研究機構というものを発足させていらっしゃるわけでありますが、これとセンター内部の職員が自ら行っている研究との違いですね、これについて、どこでどのような区別をしておられるのか、そういうことについてまずお聞きをしたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【小松審議官】  先ず調査研究のことでございますけれども、大学入試センター試験には教育改革そのものとも非常に関連をいたしまして、かつ大きな影響力があるものでもあります。あるいは使い方もアラカルト方式等でいろいろ扱い方がありますし、それから得点の公正性というようなこともありますので、そういう意味では従来それに必要な基礎的な調査研究も含めて行われてきたということは事実でございまして、現時点において見直しをする際にそれが全部入試センターでこの厳しいときにやらなければいけないかということについては見直す必要があると思っております。23年度以降にどうするかにつきましては調査研究は一応毎年見直しをいたしますので手続的に具体的にどういう項目になるかはまだ決まっておりませんけれども、例えばセンター試験の実施そのものにかかわるものとして必要なものは残さなければいけませんけれども、その中には例えばモニターをお願いしてその特質等を具体的に検討していただいてそれを分析して反映していくとか、それから、得点調整等のあり方についても不公正が生じないようなあり方、そういった形、それから先ほどお話ございましたように、障害のある方への対応、こういったようなものにつきましては今後とも必要だろうと考えておりますし、今までのものも実際の試験の実施においては使われてきたわけでございますけれども、このほかに先ほど申し上げました入学者選抜の改善そのものに直接関係するものといたしましてはその判定の方法とか新たな試験の開発というようなものがあるかと思いますけれども、具体的にいえば、そのあたりに特化をしていきたいと考えております。
 それから、入学者選抜研究機構との関係については、入試室長のほうから説明させます。

【西田大学入試室長】  今御指摘をいただきました入学者選抜研究機構というのは大学入試センターの研究開発部に今年度から設けられたものでございまして、先ほど御指摘ございましたとおり社会的な要請の高い課題に迅速に取り組むということになっております。それから、国内外の大学や研究機関等との人材との連携を深めながら研究に取り組む、それから、その研究成果について積極的に外部に発信をしていくということをねらいにしてその研究をしております。今の研究課題が、視覚障害者に対しての音声出題の可能性を探ったり、あるいは今大学全入時代の到来というようなことが指摘されておりますのでそういった時代に対応した新たな入試のあり方というのはどういうものがあるのかというようなことを主に研究しております。この研究機構における研究については約3年から5年ぐらいで時限を区切ってある程度の成果をその期間で出していけるようにということで対応できるようにしているところでございます。以上です。

【黒田(壽)臨時委員】  ありがとうございました。我々外部から見ていますと、研究者というのは自分の専門研究を持っておられるわけですね。その自分の研究のほうに走ってしまうということが多々あるわけですね。そうしますと入試センターで行うべき研究以外の研究もその中で行われるということが、この入試センターだけではありませんけれども、ほかの機関でもあるわけですね。だから、そういう点は、やっぱり入試センターに真に役立つ研究といいますか、そういうことに特化してということが私は大事だろうと思いますのでその辺考慮しながら今後の見直しをやっていただきたいと思います。

【小松審議官】  そういう方向で対応させていただきたいと思います。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、宮本委員どうぞ。

【宮本臨時委員】  見直し当初案で組織の見直しということを謳っておられる件でお尋ねします。法科大学院の適性試験の終了だとか情報提供事業の見直しでそれに伴って要員の合理化、再配置を行うと謳っておられるんですが、具体的な実施計画とか、いつごろまでにどのような形でというようなものを少しお示しいただければと思いますが、よろしくお願いします。

【小松審議官】  今、見直し計画の段階でございますので、見直しがかなり多岐にわたりますので、今現在で本日の時点で何人をどこへということを固めているわけではございません。それは今後ということになります。ただ、23年度以降順次進めていくことになろうかと思います。

【宮本臨時委員】  個別具体的な内容は別としても、センター全体として適正な見直しとしては将来の要員数が例えばどれぐらいが適正と見ているかとか、そういう計画が具体的にできているのかどうかということでございます。

【小松審議官】  それにつきましては、その人数をやりまして、具体的にどの課にどういう仕事をさせるかということとすべてセットになりますので、それはかなり見直しが必要ですので、そこまではまだできておりません、本日の時点で。申し訳ございません。

【富田分科会長】  はい。他にいかがでしょうか。はい、浅羽委員どうぞ。

【浅羽臨時委員】  先ほどの説明資料の中の3番の運営の効率化、自律化の見直しの部分についてお伺いします。保有資産の見直しということで、今年度中に現在駒場でやっているものをどうするのか結論を得ると御説明いただきました。先般事務局を通じて質問をさせていただいた中で、民間の機関に依頼して金銭的な観点で見てどこがどういう形でやるのが一番いいのかというようなことの調査結果が出ているというようなことは伺っていて、それを拝見させていただくと一応そこでの結論は現有のところでやるのが最も金銭的には安く済むのではないかというような報告が出ていたように思うんですが、それを踏まえて更に検討を加えると伺っているんですが、現時点で文科省としての検討状況はどのような方向になっているのかを教えていただけないでしょうか。

【小松審議官】  現時点では、まさに今のそういうような報告、あるいは大学入試センターの中の検討組織がありますので、それを見て対応したいと思っております。最初から文科省で決めて考えているわけではございません。

【浅羽臨時委員】  そのとき少し気になるのは、現在の研究棟の増築工事を今年3月に入札してやられているというようなことがあって、その上で現有がいいのではないかというような報告が出ているというようなことがありますと、何か結論が先にあったんではないかなというような、ちょっと勘ぐってしまいたくもなるんですが、それで現在どうなのかということをまた更に伺ってみたんですけれども。

【小松審議官】  これをコスト面から見るとどうかということについては民間の調査研究機関にお願いをしてやっているということでございまして、それ以外の要素も含めてまず見ていかなきゃいけないことと、それから、現有必要な施設の更改と、それから、仮に例えば一部を離すのか、あるいは全体を離すのか、あるいは現有でいくのか、あるいは現有にするにしても、どこかと共有するみたいなことがあり得るのか、そういったようなことをさまざまな形で検討して、いつ、どうするかについてはこれからのことに属します。一方で、今これだけの規模の試験を行っておりまして、秘密保持の中で、その必要な施設というものが狭過ぎて対応できないとか、そういったことについては、これはこれできちんと対応していかなきゃいけないと考えています。その時期の問題とか、どういう対応をするかということについては、確かに、新しい建てかえなどがあると、その分は無駄があってはいけないから、それが結論を妨げるのではないかという御意見があることはわかりますけれども、そのバランスの中で判断をしていかざるを得ないと思っております。結論ありきでやったわけではないことは御理解いただきたいと思います。

【浅羽臨時委員】  それでは、現状ではまだ何とも言えないと。

【小松審議官】  はい、本日の時点では何とも言えません。繰り返すようですが、22年度中には結論を出す方向で考えたいと思っております。現有の動態的な状況等を含めてどうするかということを判断したいと思っております。過大な部分があるとか、あるいは地理的にもっといい場所があるとかということであればそれはそれで対応しなければいけないと思います。一方、単なる事務棟ではなくて、実際に人が集まって作問しその秘密保持をしながらという特異な部分もありますので、これらのバランスでやはりしっかり見て検討しなければいけないと考えています。今どちらというのは、なかなか予断を与えにくいと私ども思っております。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、岡本委員どうぞ。

【岡本臨時委員】  今日頂いた資料の1−2−(3)の右下の運営費交付金の推移に関係する質問ですが、先ほどの御説明のように、23年度はゼロだということで、いわゆるお金といいますか、資金的には国との関係がなくても自律的に運営ができる組織であると理解してよろしいわけでございますね。

【小松審議官】  大学入試センター試験の実施についてはそのようにしたいと考えております。

【岡本臨時委員】  そこで質問なのですけれど、そうすると、お金の部分ではなくて、国が関与しなきゃいけない何らかの理由がほかにあるということだと思うんですが、その理由と例えばここは大学に入る人たちに対してサービスを適用すると割り切って考えると、国立大学法人、民間、いろいろあるかもしれませんけれど、そこの大学で運営してもらえばいいじゃないですか、という感じでもあるのかなと思えるんですね。例えばほかにも法科大学院では公益法人みたいなのがありますので、そちらの方で自主・自律的にやってもらえればいいじゃないか、そこに何か問題があれば、その段階で国が関与すればいいじゃないかとも思えるわけです。したがって、なぜ独立行政法人としてこのセンターを運営しなければならないかという理由がお金の面からでは説明できないと思いますので、その辺の御説明をお願いします。そう考えてまいりますと、これは所管じゃないところを含めて多くの場合がこのように言えるので、もっと自律的に文科省さんの所管の中でできるのではないかと思えてしようがない部分があるので、その辺は文科省さんの全体の中で、大学入試センターがこれほど交付金なくてもいけるのだったら、ほかのところも使用料とか何とか料をもう少し適正に取ってくればいいのではないかと思えてきます。その辺もう少し全体として考えていただければいいのではないかなと。後半の質問は、所管じゃないことがあると思いますので、とにかく、ここのセンターはなぜ国として関与しなきゃいけないかという御説明をお願いいたします。

【小松審議官】  まず大学入試センター試験でございますけれども、これは本日お時間がないのであれですけれど、日本の大学改革、特に大学入試改革の国公私を通じた一番要の部分として、非常にたくさんの御意見がございます。ある意味ではイデオロギー的にもいろんな御意見があるところで、これをめぐって一番最初は国立大学、それから国立大学協会、そして公立大学協会、それから私立大学につきましては最初は団体としてではなく後に加わってこられましたけれども、それから全国高等学校長会等々がこれを制度としてどうするかということをずっと議論しながらつくられてきたものでございます。それらの御意見を取り入れながら、実際には大学制度の運営の仕方と根本的に結びついてやっておりますので、そういう意味ではむしろ行政の中枢的なものだと思っております。大学政策そのものの要に当たる部分の事業だと思っています。ただ、これはもともと、それを行政の機構の一部局というよりは性格的には国立学校ですから内部機関でしたけれども、あえて国会の立法意思に係らしめて独立にしておりましたのは、そのお金の面ということではなくて、政策中枢にありますけれども、学問とか教育とかそういうものと直接かかわるものでありますので、一定の距離を置いたほうがいいということで、独立行政法人にしております。まず基本的にそういうことでございます。
 それから、その背景には、高等学校の学習指導要領というものを着実に、具体的に実施をしてもらって、つまり受験指導とかでどんどんゆがんでいくというのを、良問の作成等によって、そこのところを担保していくことがかなり重要な目的の一つになっておりますので、そういった点でも、学習指導要領の実施運営と密接な形でこれを運営していかなければいけないということになります。
 さらに申し上げますと、これが現在のお金で成り立っておりますのはそういった公的な性質にかんがみまして、ある意味ではさまざまな無償の協力をしていただいております。これは具体的に幾らという決定はできないのですけれども、算出をいたしますと、先ほど資料の中でお見せをいたしました、会場の数とか監督者の数とかを数字でお示しいたしましたけれども、これらにつきましても、相当程度大学等で負担してもらいほかの機関にも負担してもらっております。試験問題の輸送などは、私どもが警察庁へ依頼を出しまして国の事業として警備いただいておりますが、こういったところの警備料等もゼロになっております。これら全体の公共的な事業の固まりとして行った場合に運営費交付金としてこれを補填しないでも何とかできるような形にしたいと思っているわけです。これらを今のような形でできるかについては、そういうものの依頼は受けるのにも限度があるというようなことは今までいろいろな検討の中で聞いておりまして、私どもとしては、国の関与なしではとてもできないと思っております。その点については、事業仕分けでも全く異論は出ませんでした。事業のお金の面を工夫しながらこのセンターでやるようにというのが仕分けの結果でございましたし、それについて非常に強い反対論とかは全くありませんでした。この点については私どもとしては、行政の政策の中枢に当たる部分として学習指導要領、大学教育、それから、今の各方面との協力の取りつけというようなものを含めて運営に関与していく必要があると考えております。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでしょうか。はい、田渕委員どうぞ。

【田渕臨時委員】  随意契約の見直しで先ほど112件から18件に大幅に進んだというお話だったのですけれども、資料1−1の62ページを見ますと金額的には35億円から23億円、予算の全体に占める割合でも68%から40%。18件で23億円というのは、多分1件が非常に大きな額になる。件数では大幅減でも金額的には進んでいるとはいえないのではないかと思いますが、文科省さんとしては、その18件を随意契約としているということにはそれなりの理由があるのだろうと思います。この18件に関して、随意契約の理由を後でお示しいただければと思います。

【小松審議官】  はい。時間がありませんので、後程出させていただきます。

【田渕臨時委員】  はい、それで結構です。

【小松審議官】  ただ、今申し上げますと、とにかくひたすら随意契約に向けて進めるということでやってまいりましたので、例えば電気料金等も、私どもふだんの感覚で言うと、まあ東京電力さんしかないのかなぐらいに思っていましたけれど、そういうのもできるというようなことで、総務省とか、いろいろ教えていただいて、とにかく細かいものも全部そちらへ移したということでございます。そして、ここで大きなものを占めるのは、例えば印刷とか、先ほど申し上げましたように、秘密保持にかなり強い仕掛けが必要であるというような大口のものがございます。それは印刷とか輸送のようなものでございますので、それを後ほど補足させていただきます。

【富田分科会長】  はい。よろしいですか。それでは、今日は時間の都合で……。

【野口臨時委員】  一つだけ、ごめんなさい。

【富田分科会長】  一つだけ。じゃ、野口委員どうぞ。

【野口臨時委員】  今日は時間がないという中なので、文書でのお答えでも構わないんですけれども、シンプルな疑問として感じるのは、入試問題の作成については既存の大学の教員に、外にアウトソーシングしているにもかかわらず、研究については、中に専任の研究員の方を置かれて、その研究成果を得られていると。研究が重要だということは私もよくわかるんですけれども、それは、外にいる大学の教員に例えば発注してその成果をいただくという形ではいけないんでしょうか。

【小松審議官】  物によって、基礎研究に当たるようなものについては、そういうこともあり得ると思いますし、それから、時代が変化していることを考えますと、そもそも発注しなくても、そういった研究を促してというか、その中でそれを使わせていただけば済むようなものもあるのではないかと思います。それは御指摘のとおりだと思いますので、その点はまさに精査したいと思います。中でやらなければならない研究の典型例を申し上げますと、作問というのは、それぞれどの程度の作問で学力が図れるかというような観点からいろいろ行われますけれども、それをどのように配置して、どのような得点率、分布率が得られるかとか、そのようなものについてはむしろ横断的なものが必要でございまして、各科目の細かいところ、例えば日本史の近代はどうするとかいうような話とはまた別でございますので、その部分は入試センターでやらないと、それでもなお得点調整の必要が生じたり、わずかでございますし、生じない年も多いんですが、膨大な科目について生じることについてはぎりぎりやっていくという部分が必要でございます。おっしゃっておられるのは多分、そういうところに特化するのはいいけれども、それ以外のことについては、もう時代的に見て、変化に対応すべきではないかという御指摘と受けとめますが、それはおっしゃられるとおりだと思っています。

【野口臨時委員】  見直しの方向にあるということで理解してよろしいでしょうか。

【小松審議官】  はい。そのように精選をしてやらせていただく方向にしたいと思っております。

【野口臨時委員】  はい、ありがとうございます。

【富田分科会長】  はい。それでは、大学入試センターにつきましては、今日のところはここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 本日御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力をいただき、ありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は、時間の関係で十分な質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合には、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じてワーキング・グループでヒアリングをお願いすることがございますので、その際には御説明方、何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、御説明いただきました皆様方には御退席いただきまして結構でございます。


(説明者入れかえ)


【富田分科会長】  それでは、次に、国立青少年教育振興機構について藤原審議官から御説明をお願いいたします。全体の時間の関係もございますので、御説明は5分でお願いいたします。

【藤原審議官】  文部科学省のスポーツ・青少年局の担当審議官の藤原でございます。私のほうから、独立行政法人国立青少年教育振興機構について御説明を申し上げます。お手元の資料の1−2−(4)をお開きください。
 まずそこの第1ページでございますが、この機構につきましては、我が国唯一の青少年教育のナショナルセンターということで、青少年教育の指導者の養成、あるいは先導的モデルの開発・普及、あるいは青少年活動への助成金の交付など、ここに掲げてあるような業務を行っているということでございます。沿革や利用状況は、ここに掲げてあるとおりでございます。
 1枚飛びまして3ページをお開きください。ここでは、見直しの当初案について記載をしております。まず組織の見直しという欄の上の方のところでございますが、昨年11月に行われました事業仕分けの対象ということで、そこでは、この法人につきましては、その設置する国立青少年交流の家、それから青少年自然の家、これらにつきまして、自治体あるいは民間への移管という評価結果が出されているところでございます。
 文部科学省におきましては、この事業仕分けの結果を受けまして、引き続き青少年教育振興機構については、ナショナルセンターとしての役割は果たしながら、青少年交流の家、自然の家につきましては、諸条件が整ったところから順次、自治体などへの移管の準備に着手するという方針を立てた次第でございます。
 まず青少年教育のナショナルセンターについてでございますが、そのセンターとしての真に必要な役割、これは一体どういうものなのかということにつきまして、これまで有識者ヒアリングなどを行っておりますが、さらに今後指導者の養成とか、あるいはそのプログラム開発といったナショナルセンターとしての役割について、具体的な機能などを検討していく必要があるということで、現在検討しているところでございます。
 次に、移管先ということでございますが、この点につきましては、事業の継続性などの観点から、まず地方公共団体への移管ができないかということを現在模索しているところでございまして、まずはその施設の所在する都道府県、あるいは市町村に対して、引受の可能性、意向の有無について、現在照会をしているというところでございます。これまでのところ、自治体関係への意向調査をしておりますが、現時点では移管の受け入れを具体的にやりますという積極的な御意見はまだいただいていないという段階でございます。ただ、まだすべての自治体からの回答は出てきておりませんので、さらに今督促をしているところでございます。こういった状況でございますので、さらに自治体以外の民間団体、あるいは施設管理のノウハウを持っている体験活動関係のNPO、こういったところも視野に入れながら、今後さらに並行して施設の移管が可能かどうかについて作業を行っていくことが必要になると認識しているという状況でございます。
 当面こんな状況を踏まえまして、まずは有識者を集めて具体的に検討会を設け、作業を本格化していきたいと考えておりますし、また、その検討会における検討と並行しつつ、自治体との移管の関係の調整、あるいは民間での引き受けの可能性、こういったことも模索しつつ、さらに、来年23年度では、民間団体が、具体的にどういった運営形態であれば実際引き受けられるかといったような試行的な事業もやりたいと考えておりまして、それに係る必要な予算につきましては、現在概算要求をしているという段階でございます。以上が、組織の見直しでございます。
 続きまして、事務・事業の見直しでございます。まず企画事業でございますが、青少年教育のナシナルセンターという観点から、公立施設などにおけるニーズ、あるいは各施設の立地条件とか、あるいは自然環境などを踏まえながら、今後さらに真に担うべき事業を精選・重点化していくことを考えております。また、事業の実施に当たりましては、対象者、あるいは内容、方法などの改善を引き続いて行うとともに、各分野の専門家など、関係機関、団体との連携強化をしながら、事業内容の充実をさらに図っていきたいと考えております。
 それから、その下の調査研究事業でございますが、これも、国の青少年教育の振興のための政策立案に必要な調査研究に特化していきたいと考えております。
 さらに、3番目、連絡協力促進事業でございますが、今年から体験活動の重要性を普及啓発して社会全体で体験活動の推進をしていくという機運を高めるきっかけとするために、いわゆる「体験の風をおこそう運動」というものに、関係団体が一丸となって新たに取り組んでいるというところでございますが、今後とも公立施設等関係団体とのネットワークを構築して、青少年教育に関する情報の積極的な収集・提供など、関係団体との連携を図った全国的な活動に取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、その下の各施設の安全管理体制の推進でございますが、体験活動の推進に当たりましては、安全管理体制の確保が大前提となっておりますので、施設設備、あるいはプログラムの内容について点検・確認をした上で、安全・安心な施設運営に取り組むとともに、安全に関する情報の共有、あるいは全国への発信に努めたいと考えております。
 それから、右下の運営の効率化及び自律化の見直しにつきましては、随意契約等の見直し、あるいは自己収入の拡大、それから保有資産の処分、特に不用資産の処分など、あるいは人員の適正な配置、こういった観点で必要な見直しを行っているということで、今後ともその充実をしていきたいと考えておる次第でございます。
 説明は以上でございます。

【富田分科会長】  はい。それでは、ただ今御説明いただきました国立青少年教育振興機構の見直し当初案につきまして、御質問、御意見等ございましたら、お願いいたします。黒田委員どうぞ。

【黒田(壽)臨時委員】  私の方からは民間移管の現状がどうなっているかをお聞きしたいと思いますが、まずその前に、この青少年自然の家・交流の家というのは、日本の青少年の健全な育成のためにつくられて、大変な成果を上げてきたと思うんですね。ところが、時代とともにこういう施設が不要になりつつあるということだろうと思うんです。したがって、こういう施設の民間移管、あるいは自治体のほうへの移管という話が出てきているんだろうと思いますが、過去の成果は成果として、今後どのようにするのか。27施設ですね、これを移管する場合にどういう条件をつけて移管を促進しようとしているのか。先ほどの説明だと、まだ引受手がないということでありますが、そうであるならば、どんな移管のための処置を具体的にとるのかを、あわせて御説明いただきたいと思います。

【藤原審議官】  まず青少年の家の関係につきまして、今、黒田先生のほうから、従来かなり成果を上げてきたが、時代の変化によってその位置づけが変わってきたのではないかということでございます。確かに時代の変化によって役割が変化しておりますが、例えば学習指導要領でも体験活動の位置づけがなされておるなど、戦後当初の青少年活動、特に青年団とか、そういった青年活動などの役割が落ちてきているのは事実でございますが、逆に、自然体験をはじめとする少年、特に義務教育段階での体験活動の意味づけというのはかなり高くなってきているということで、そういった意味での時代の変化に伴った適切な役割の見直しということは考えていきたいと思っております。
 それから、民間、あるいは地方自治体への移管についてのお尋ねでございますが、まず私どもとしては、同じパブリックセクターである地方公共団体に対して移管の可能性を打診するということで、引き続いてパブリックセクターによる体験活動推進を、国が仮にできない部分が出てくるんであれば、自治体にお願いしたいということで、現在その作業を先にしております。その地方公共団体との関係で、どうしても引受手がないような状況であれば、次に、民間への移管を考えていきたいと考えていますが、民間への移管について検討するとなれば、さまざまな相手方によって、いろいろな条件というのは当然今御指摘のとおり異なってくるので、その点につきましては、今後必要な検討を加えていきたいと考えております。

【富田分科会長】  はい。いかがですか。

【黒田(壽)臨時委員】  もし具体的にそのスケジュール等、工程表ですね、そういうものが作れるようであれば、また御提出いただきたいと思いますが、よろしくお願いします。

【藤原審議官】  工程表は追って提出したいと思いますが、まず地方公共団体について優先して検討しておりますので、それはできれば今年度中には実際に検討した上で、ある一定方向の結論を出して、さらに、先ほど御説明申し上げました、概算要求に含まれている民間への委託の試行事業みたいなものがありますから、民間との関係は、その事業を走らせつつ具体的に検討していくと、そういった中身で考えておりますので、その中身を具体的にペーパーにしてお出ししたいと思います。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、浅羽委員どうぞ。

【浅羽臨時委員】  今、移管の話をされておりましたが、移管前でも事業は続いて、あるいは移管できない部分もあるのかもしれないですが、その前まででも当然粛々と事業をされていることでしょうから、その点についてお聞かせ願いたいんですが、現在、宿泊料としては、目的利用の場合は無料で、目的外でも1泊当たり250円ということで徴収されていると説明をいただいております。ただ、ほかの公立の同様の施設ですと、まあ、場所によって全然違うんでしょうけれども、ざっくり言うと1,000円前後、1,000円ちょっとぐらいのところが多いのかなという印象を私は持ちました。もちろん、中には目的利用で、しかも少年の場合は無料とか、少年でも1,000円ぐらい取るところとか、いろいろありますけれども、基本的にすごく青少年自然の家・交流の家は安いなという印象を持っております。また、宿泊以外でも、さまざまな施設を利用すると、宿泊じゃない人も利用できますけれども、それらも原則無料だったりしておりますけれども、もう少しこれを取ってもいいのではないのかなと思っているのですが、そうしたところについてどのようなお考えか伺わせていただけないでしょうか。

【藤原審議官】  今御指摘のとおり、国立の施設と公立の施設での利用料金の差というのがございますので、その点については、今後必要な見直しを図っていきたいと思っております。ただし、今でさえいろいろ経済情勢などを踏まえまして、家庭の教育費負担の問題というのが大きな問題として取り上げられている中で、どの程度の料金設定が適切かどうか、そういった問題は慎重に検討していかなければいけない課題であると認識しております。いずれにしても、自己収入を上げるということは、独立行政法人として求められている大きな課題ですので、今後真剣に検討していきたいと考えております。

【浅羽臨時委員】  特に目的外利用のケースでは、もう少し取ってもいいのではないのかなというような印象を私は持っておりますので。

【藤原審議官】  現在でも、国立施設について、青少年団体の本来利用であれば利用料金を取らないことに対して、目的外利用については必要な料金を取ることにしていますので、その値段の設定の高さそのものについてもいろいろ御意見あると思いますので、それについても再検討していきたいと思っています。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでしょうか。はい、野口委員どうぞ。

【野口臨時委員】  1つ、代々木の、渋谷のオリセンの、公益法人との関係について確認をさせていただきたいんですけれども、今現在は日本ユースホステル協会と契約を結び40室をユースホステルに貸しているという関係があります。これを平成24年3月をめどに、ユースホステルが別のところを探して、この関係を解消するというような議論があると伺ったんですけれども、これは、確実にその関係はなくなる、1社とだけこういう関係があるというところに公正性を疑われるおそれもあるかなと思うんですけれども、このあたりの議論がどうなっているかお伺いできますでしょうか。

【藤原審議官】  今お尋ねの東京代々木ユースホステルの関係でございますが、私どもが日本ユースホステル協会から伺っている報告によれば、引き続き現在のような形での実施をお考えになっているということでございまして、ただし、その運営に係る経費については、収支均衡をちゃんとさせるという前提のもとで適正な対応を図っていきたいと伺っております。少なくとも24年3月まではそういう形で聞いておりますので、それ以降についてはまだ今後の課題と承っています。

【野口臨時委員】  あ、なるほど、どうするかも含めて、まだニュートラルな状態ということなんでしょうか。

【藤原審議官】  まだそこは今後の課題であると聞いております。

【野口臨時委員】  どうしてユースホステルとだけこういう形の関係があるのかというところが問題になりそうな気がしますので、そのあたりも含めて御検討いただければと思います。

【富田分科会長】  はい。どうぞ宮本委員。

【宮本臨時委員】  事業の見直しのことでお伺いします。企画事業については、国でなければ、ということでやっておられ、その企画事業で得られた成果を公立の施設でも利用していただくという趣旨で実施しているということだと思いますが、事前に事務局を通して御質問をさせていただいているんですけれども、実際に公立の施設等で活用されているケース数がまだあまり芳しくないような回答をいただいております。これはもっと使っていただく努力、あるいは周知が足りないのか、あるいは必ずしも各地域でニーズがないものを開発しているということなのか、今精選・重点化を図っていくと当初案で書いていただいているんですけれども、その辺を少し御説明いただきたいと思います。

【勝山青少年課長】  私のほうからお答えさせていただきたいと思いますが、例えば国立でやっているものにつきましては、最近非常に子供たちの割合が増えていると言われているLDとかAD/HDという軽度発達障害のお子さんですね、このお子さんを対象とし、なおかつ健常児と一緒に宿泊体験をして活動していくプログラムが非常に効果があるということで、まだこれは端緒についたばかりでございますが、かなり広がりを見せてきているという部分がございます。また、国立ならではの事業といたしまして、例えばニート引きこもりという若者の問題がございます。そこで、そういうニート引きこもりの子供を1カ月間青年の家に集団で宿泊体験をしていただくことによりまして、その後学校や社会に復帰したという事業を継続して行ってございますので、こういったことをもっと発信していく必要があると考えてございます。

【宮本臨時委員】  そういう意味では、まだ各地域で知られていないという認識でおられますか。

【勝山青少年課長】  はい。せっかくいいことをやっているのですが、なかなか私どものPR力が不足していると考えてございまして、これをもっと広めるような施策を展開しようということで、現在準備をしているところでございます。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、稲継委員、そして岡本委員と。

【稲継臨時委員】  先ほどの自治体、それから民間への移管について、ちょっと追加でお尋ねしたいんですけれども、現在機構のほうで常勤の役員が6名、常勤の職員が540名おられますけれども、自治体移管、それから民間移管が完了した場合には、これがどれだけの数になるかという予測は立てておられるのでしょうか。

【藤原審議官】  今御指摘の役員数と職員数については、代々木のオリンピック記念青少年センターの分も含めての数でございますので、現在私どもが想定しているのは、そこを除いた全国27施設についての在り方を検討しておりまして、1施設ごと10数名の定員がありますが、それを仮に自治体に移管した場合どうするかとか、そういう問題が出てくると思いますが、それぞれの施設ごとには、まず役員というのはおりませんので、一部施設を地方公共団体に移管した場合でも、残りで、まだそれなりの数の施設が残った場合であれば、本部施設としての機能というのは当然代々木で残らなければならないと考えていますので、それらも総合的に勘案して検討していかなければいけない課題であると認識しております。

【稲継臨時委員】  事業仕分けの中では、国の事業として廃止すべきと出ていたわけですけれども、自治体・民間への移管というのはこれ進めていかなければならないというのが既成路線ですよね。そうした場合に、多分470人ぐらいが抜けていくことになると思うのですけれども、最終的に従業員数はどれぐらいになって、役員数はどれぐらいになるという見通しは今全然立てておられないということですか。

【藤原審議官】  正直申し上げて、その見通しをまだ立てられるような状況には至っていないと。具体的に地方移管を引き受けてくれる自治体がまだ出てきていないという状況ですので、見込みを立てようにも、ちょっと立てられないというのが現状です。

【稲継臨時委員】  引き受けてくれるところがどこもなかったら、自分たちでずっと持っておこうとこういう御意見ですか。

【藤原審議官】  自治体に関しては、引受手がなければ、それは相手のある話だから仕方ないんですけれども、その場合、民間との関係が当然次のステップとして議論される話になります。その民間への委託については、先ほど申し上げたような試行的な事業というのも来年度開始するということなので、そういったプロセスを経ながら民間への移行も考えていくということでございます。

【稲継臨時委員】  先ほど工程表を提出いただけるということですので、もしそこに数が書き込めるようだったら、書き込んでいただけたらなと思います。

【藤原審議官】  お尋ねの趣旨は、目標数とか、そういうことでございますか。

【稲継臨時委員】  そうですね。改革工程表というのは、当然これだけ民間なり自治体に行くであろうというふうに工程表をつくられるわけですから、そこに数も当然入ってくると思うんですよね。いかがでしょうか。

【藤原審議官】  目標数ということであれば、当然私ども事務方で勝手にできないんで、三役とも相談した上で、数字が示せるんであれば対応したいと考えています。

【富田分科会長】  はい、岡本委員、そして鈴木委員で、ここはいったん終了にしましょう。

【岡本臨時委員】  私は2つ御質問があります。1つは、御機構だけではないんですけれども、前の法人にも御質問いたしましたが、104億円程度の予算措置に対して2億円の運営費交付金債務残高が21年度にあると。比率的にはあまり大きくないと思うんですけれど、やはり億円を越える運営費交付金債務残があるのはどうしてなのかなということで、この原因を教えていただきたいというのが1点です。
 それから、もう1点は、先ほどの稲継委員のお話にも関係するんですが、正直申し上げまして、国立青少年自然の家、あるいは交流の家というのが、果たして地方自治体ないしは民間事業者において、それぞれ魅力的に感じて引受手があるのだろうか、正直民間の立場から言うと、不思議に思うんですね。確かに政務三役の御指示ということではあるんだろうと思いますけれども、所管されている皆さんの事業に対する気持ちからして、果たしてどこがやるのが本当にいいのかというのは検討されていらっしゃるのでしょうか。というのは、この事業をやるのであれば、どういう主体が本当にやるべきかということなんですね。先ほど別の委員の質問の中で、代々木については、ユースホステル協会がやっていらっしゃると。私の目から見ると、国がやるのか、そういう公益的なところがやるのか、どこがやるのかというのがいまいち議論がされていないままに今までなされてきたのではないのかなと。いい機会ですから、こういう事業が必要であればどこの主体がやるべきなのかというのは、ぜひ文部科学省として提示をしていただけないか。これは後で結構ですので、文書として何か説得力あるようなものを出していただきたいと思うんですね。民間事業者の立場からすると、おそらくこれを受けてやるというのは、直観的には非常に厳しい。まあ、そういう事業者がいるかもしれませんけれど。だとするならば、試行的事業とおっしゃっていることをやられるのは、どのような関係で民間事業所に魅力的なものを提示されていらっしゃるかというのは、ちょっと私、済みません、直接今までワーキングを担当していなかったものですから、御提示いただいて、果たして民間がやるのが魅力的な感じかどうかというのは、我々も実感として感じたいと思いますので、資料を出していただきたいと思います。1点目の交付金のほうだけお願いします。

【富田分科会長】  はい、どうぞ。

【勝山青少年課長】  この2億円は、ゆめ基金事業の繰越金でございまして、これをまたさらに翌年度使うことになりますので、この年度で見れば2億円余っているように見えるものです。

【岡本臨時委員】  分かりました。

【富田分科会長】  はい。それでは、鈴木委員。

【鈴木臨時委員】  今の、岡本委員の質問とも関係するので、簡単に、後でもいいのですけれども。私も同じように、地方自治体は、今現在自分たちがやっているものを逆に民間に出さなければならないとか、いろいろそういうものがあるなかで、こういうものを地方自治体のほうから積極的に受け入れるというような状況はちょっと考えにくいんですね。まあ、民間もそうですけれども。そうなってくるときに、どのような移管の類型というんでしょうかね、条件ですけれども、その条件も含めて、どのような形のことをお考えになって移管しようとしているのか。相手次第で今検討しようと、そういうことなのでしょうか。幾つかこちらでも類型といいますか、条件や、要件等、そういうことを考えながらおやりになっているのでしょうか。

【富田分科会長】  はい、どうぞ。

【藤原審議官】  具体的に民間あるいは自治体への移管、特に自治体はなかなか難しいとされた場合、民間との関係が問題になるんですが、私ども事業仕分けで、民間あるいは自治体への移管という御指摘、結果を、評価を受けていますので、今その方向での検討を進めております。ただし、正直申し上げて、今御指摘がございましたとおり、民間が国の施設を丸ごと引き受けていただけるかどうかについては、私個人としての思いはかなり懐疑的な部分がございます。23年度に、現在概算要求している、その試行的な取り組みにつきまして、今後当然財務省で予算をつけてもらえないとできないんですけれども、仮にそれが事業を展開できることになったときには、例えば、まず最初のステップとして、いわゆる管理的な経費については国費で効率化を図りながら補償しつつ、事業面のソフトの部分について、従来国というか、この独法だけでやってきたものを、さらに民間の体験活動を中心としたNPOとか、さまざまな、それを支える企業などにも参加してもらった施設ごとの地域でのコンソーシアム的なものを形成して、今の政権の「新しい公共」というような観点で、何かその工夫ができないかといったことを考えていきたい、まだ全く私の個人的な思いなんで、漠たるもので大変恐縮なんですが、そういうような工夫をしていきたいと考えております。

【富田分科会長】  はい。議論は尽きないですけれども、国立青少年教育振興機構につきましては、本日は、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、大変ありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、主要な事務・事業の見直しに関する審議を今後も深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は、時間の関係で十分な御質問ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じ、ワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。
 御説明いただきました皆様には、御退席いただきまして結構でございます。ありがとうございました。


(説明者入れかえ)


【富田分科会長】  次に、国立女性会館につきまして、作花総括官から御説明をお願いいたします。恐縮でありますけれども、全体の時間の関係もありますので、御説明5分でお願い申し上げます。

【作花総括官】  文部科学省の生涯学習政策局の総括官をしております作花と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料1−2−(5)を基本として説明をさせていただきます。女性教育・男女共同参画をめぐる情勢の変化についてということで、次期中期目標を策定するに当たって、大きな、基本的な3つの視点というものを整理しております。(1)として、女性の活躍による社会経済の活性化という視点、それから、(2)として、さまざまな困難な状況に置かれている女性への支援、どういう女性かと言いますと、この中黒にございますが、出産・育児などによる就業中断、女性への暴力、高齢の単身女性、外国人女性、こういったさまざまな困難な状況に置かれている方々への対応というものについて、当会館としてもいろいろな研修事業をしていかなければならないということでございます。(3)が、「新しい公共」の担い手の育成という視点でございます。
 では、2ページをお開きいただきたいと思います。2ページ、国内拠点としての機能の充実ということでございます。1点目は、地方公共団体、女性関連施設、女性団体などの基幹的指導者に対して、高度なマネジメント能力、人権侵害問題に対応できる能力、こういったより専門性の高い研修を実施し、男女共同参画、女性教育にかかわる人材育成の機能を強化してまいりたいと考えております。
 2点目として、女性がこれまで担ってきた社会活動を「新しい公共」という観点から再評価するとともに、その活動が経済的に自立可能となるよう人材育成のプログラムを開発し、研修を通じて普及していきたいと考えております。
 3点目として、研修に参加した方々が各地域に戻って実践したことを報告し合うフォローアップのための機会を設定し、循環型の人材育成の仕組みを構築したいと考えております。
 4点目として、多様な学習ニーズに対応する生涯学習社会を実現するため、女性が直面する問題や、その問題解決に資する情報をみずから選択活用するためのウェブ上の学習教材を開発し提供してまいりたいとこのように考えております。
 次に、3ページでございますけれども、国際拠点としての機能の充実でございます。アジア太平洋地域の男女共同参画、あるいは女性教育のハブとしての機能を強化し、開発途上国の担当者の方々に対する研修機会とこういったものを充実していきたいと考えております。さらに、そういう研修参加者のつながりというものをアフターケアし、ネットワークを作成していきたいと考えております。
 それから、この国際の観点では、2点目として、これまで行ってきた人身取引に関する調査研究の成果を踏まえ、国内に在住する外国人女性に焦点を当てて、暴力、あるいは子供の教育、生活上への困難への支援に資するような調査研究を実施してまいりたいと考えております。
 4ページをお開きいただきたいと思います。大学との連携強化・支援でございます。職業キャリアとか、あるいは社会的な活動というものを積極的に評価する、そういったキャリア教育というものを、これまでも大学と連携して実施してきたわけでございますが、今後この大学との連携というものを更に強化していきたいと考えています。また、大学の管理的な立場にある方々への研修も実施していきたいと考えています。
 4ページの右下のグラフでございますけれども、これは国立大学における男女共同参画の推進担当組織の設置率の経緯でございます。2001年では12%程度でございましたが、2009年には76,7%にまで急に上がっています。やはり大学の教育研究及び社会貢献という3つの大きな使命を果たす上でも、この男女共同参画という視点から充実をさせていく必要があると考えております。
 それから、5ページでございますが、運営の効率化・自律化の見直しでございます。1として、保有財産の見直しでございますが、現在会館の敷地は埼玉県から借り受けておりますけれども、その借り受けている敷地の面積を見直して敷地の一部を返却することで土地借料を削減してまいりたいと考えております。
 2点目として、管理運営の適正化でございます。プールとか、あるいは運動場を廃止する。テニスコートを大幅に縮減するなど、運動施設の見直しによる施設維持管理費の縮減をしてまいりたいと考えております。
 3点目、自己収入の拡大でございますが、来年3月利用分より利用料金を改定したいと考えております。それから、次期中期目標期間中に宿泊室利用率55%の達成を目指してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

【富田分科会長】  はい、ありがとうございました。
 それでは、ただ今御説明いただきました国立女性教育会館の見直し当初案につきまして、御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。はい、黒田委員どうぞ。

【黒田(壽)臨時委員】  先般、現地を訪問させていただいてありがとうございました。余りにも膨大な敷地で驚きました。そして、もう一つ感じたのは、なぜこんな不便なところにあるんだろうという感じでした。まあ、それはともあれ、事業の実施方法についてちょっと御質問をさせていただきたいと思うんですが、女性教育ということでナショナルセンターとしての機能を充実させるということであるわけですが、今までこう見ていますと、女性教育会館をいかに維持するかというふうな面が相当見受けられるんですね。だから、利用者が少ないけれども、何とか維持をしたい、これは行政の一つのシンボル的なことでありますから理解できるんですが、それはともあれ、国の機関としてのナショナルセンターとしての機能をどうするか。ですから、もう少しソフト的な開発ですね、そういうものが今後必要になってくると思います。それともう一つは、文部科学省が所管していますこの女性教育会館と、それから男女共同参画センター、これは内閣府が所管しているわけですね。もう一つ、女性会館というのが各都道府県にあるわけですが、これは厚生労働省の所管になっています。こういうものとの連携というものが余りとれていないのではないかなという感じを受けるわけですね。ですから、地域地域の指導者を養成するということでありながら、募集して参加する人、その参加するのも全部自己負担で参加してくるという、個人負担で参加するという、そういうようなことをやっていたら、やっぱり地域の指導者の要請という国の役割としては、十分に果たせないのではないかという感じを受けますので、その辺の今後のあり方ですね、その辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、その辺をまずお聞きしておきたいと思います。

【高口男女共同参画課長】  生涯学習政策局の男女共同参画学習課長でございます。ただいまの御質問について、まず一つは、この女性教育会館の事業におきまして、ソフト開発等を重視すべきであって、施設維持に重点を置くべきでないという御指摘であったわけでございますが、これまでも女性教育会館につきましては、各地の女性教育に関する基幹的指導者に対する研修事業、また、女性教育や男女共同参画に関する調査研究事業、また、交流情報提供事業、そういった事業をやってきておりまして、ソフト面でも充実した活動事業をやってきております。今回、次の中期目標計画の策定に向けまして、特に、女性がこれまで担ってきた社会活動を新しい公共という観点から再評価して、そういった女性の活動が経済的に自立可能になるような、そういった人材育成のプログラムをして、それを調査研究しまして、研修事業に生かしていく、そういうことも検討実施していく予定にしております。また、男女共同参画、女性教育に関します基礎的な統計に関する調査研究、これもこれまでやってきておりますけれども、それを特に統計データの収集整理を行っている唯一の機関として、その機能をさらに強化していきたいと考えております。あと、女性が、自ら求める情報を選択し、活用するために、自ら学習できる、問題解決できる、そういった学習ツールを開発して提供する、そういったことも、ソフト事業として今後充実させていきたいと考えているところでございます。
 2つ目でございますが、各地の男女共同参画センターと連携がとれていないのではないかという御指摘でございますが、むしろ国立女性教育会館は、そこは連携を密に図ってきているところでございまして、女性教育に関する基幹的指導者に対する研修、これは各地域の男女共同参画センターの管理的立場にある管理職の方が研修員として研修に参加をしていただいておりますし、この間、黒田委員にも視察いただきました「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」というのを年1回、約1,000人規模で関係の女性団体の方々も来ておりまして、そういうところにも地域の男女共同参画センターの関係の方々も多数参加していただきまして、交流を図っていただいているという状況でございます。

【富田分科会長】  ほかにいかがですか。はい、野口委員どうぞ。

【野口臨時委員】  御説明ありがとうございました。今日説明いただいた資料の1−2−(5)の5ページの保有資産を大幅に見直されるという部分について、1つ御質問をさせていただきたいんですけれど、その次のすぐ下にある2、プールとか運動場を廃止してテニスコートを大幅縮減するというのをあわせ読むと、どうしてここが削減予定の赤線に入っていないのかなというのがシンプルな疑問です。この保有資産の見直しで今、その図の中で削減予定とされている領域が、どういうエビデンスによってこの部分を削減するというふうに決められたのか、そのあたりの議論の経緯をお伺いできればと。

【高口男女共同参画課長】  ただ今の御質問で、削減予定ということで赤の斜線がございます。今埼玉県の方からこの土地を借りておりますが、あまり使われていなかったり、また、必ずしも研修事業に必要ないという部分につきまして、この敷地を埼玉県に一部返還いたしまして、土地借料を削減していくということを今検討しておりまして、埼玉県と協議をしているところでございます。若干正確でないところもございますけれども、埼玉県に返還をお願いしている場所のイメージとして、この赤い斜線をつけているところでございます。プールにつきましては、この斜線に入っておりませんけれども、これは施設自体を休止して、管理運営費を削減するということですので、返還協議をする部分には入っておりませんし、特にプールの隣りに排水処理施設がありまして、これにつきましては、返還することができないということで、そこの部分は埼玉県との交渉の範囲に入っていないということでございます。テニスコートにつきましては、これは全体で5面あるわけですけれども、その中の一部はこの赤い斜線の中に入っており、その部分については今返還をするべく交渉しているところでございます。

【野口臨時委員】  今のお話を伺っていると、埼玉県との交渉がまずあって、それに応じて範囲が決まって、狭まったり広まったりするというふうに聞こえなくもないんですけれど、お伺いしたかったのは、この会館の本来使命とのかかわりで持っていらっしゃる保有施設、保有資産がいかに有機的に活用されているのかについてきちんとエビデンスデータをとられているのかどうかということと、それに基づいて今のその見直しが行われているのかどうかというところをお伺いしたかったんですけれども。

【高口男女共同参画課長】  今の御指摘でございますが、削減予定に入っているところにつきましては、特に大きな部分といたしましては、ここに少し書いておりますが草原運動場というところがかなりの面積を占めており、この利用率につきましては、かなり低い状況になっているということがございます。草原運動場につきましては、21年度24.1%の利用率ということでございますので、利用率があまり高くないということで、返還したいというふうに考えております。テニスコートは71.9%ということで、かなり高い利用率にはなっておりますけれども、運動施設につきましては、必要最小限度の保有にして効率的な管理運営をいたしたいと考えておりますので、一部分だけ返還をするということにしているところでございます。

【富田分科会長】  野口委員、よろしいですか。

【野口臨時委員】  もし補充で出していただけるような、例えば利用率と会館の目的とのかかわりで、つまり、目的外利用の方も多数いらっしゃると伺っているので、それが本当に有機的に相関しているのかとか、そのあたりのデータをきちんととられているのかどうかというあたりも、もし補足していただけるようなデータがあれば出していただけたらと思います。ありがとうございます。

【高口男女共同参画課長】  国立女性教育会館につきましては、女性教育の目的で、宿泊施設を利用して宿泊したり、研修施設を利用するという方が来ていますけれども、また、一般利用の方も利用しているという状況です。各体育施設等につきましては、目的利用と一般利用の人の割合はどうなのかというのは、統計データとしてはとっておりませんので、大変恐縮ですが、それにつきましては、お出しできない状況です。

【富田分科会長】  ほかにいかがですか。はい、宮本委員どうぞ。

【宮本臨時委員】  繰り返しになりますが、最初に黒田委員が御質問をされたことに回答はあったんですが、男女共同参画のようなことでいきますと、現地の女性教育会館は非常に頑張っておられる印象がありましたけれども、文部科学省さんとして、内閣府やあるいは厚労省等ともっと連携をとっていただいたらどうかというのが強い要望で提示されたと思うんですが、それに対して、今現にとっておられますでは少しあれなんで、もう少し、せっかくあるものがうまく生きるという意味で、中央での連携というのはどういうふうにあるべきかというあたりについてどうお考えかをお示しいただけたらと思うのですが。

【高口男女共同参画課長】  他省庁との連携について、一つの連携の例といたしましては、女性に対する暴力に関する相談員研修というのが、これは内閣府の事業でありますが、その事業につきまして、女性教育会館が委託を受け、研修事業を実施しているということはございます。内閣府でやっております事業を受けているということと、先ほど申しました女性の基幹的指導者に対する研修などにおきまして、内閣府や厚労省の担当の方に来ていただいて、政府全体の男女共同参画推進の政策につきまして講義をしていただくなどの連携を図っているところでございます。

【宮本臨時委員】  ぜひ大所高所の連携をお願いできればというような印象でございます。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。大体よろしゅうございますか。
 はい。それでは、今日は時間の都合もありますので、国立女性教育会館につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 本日御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力を賜り、ありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は、時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられると思います。その場合、後日事務局を通じて照会したり、また、必要に応じ、ワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。
 御説明いただきました皆様方には御退席いただきまして結構でございます。ありがとうございました。

(説明者入れかえ)


【富田分科会長】  続きまして、国立科学博物館について伊藤審議官より御説明をお願いいたします。時間の関係もございますので、5分程度で御説明をよろしくお願いいたします。

【伊藤審議官】  文科省の伊藤でございます。国立科学博物館の概要につきまして御説明したいと思います。お手元の資料で、パワーポイントの資料をお配りしておるかと思いますが、そちらのほうで概要を御説明させていただきたいと思います。
 国立科学博物館でございます。科博と略称させていただくこともあろうかと思いますが、これは明治10年に設立されました自然史、科学技術史に関します中核的研究機関であると同時に、我が国の科学系の博物館のナショナルセンターとしての位置づけを持っているところでございます。
 業務でございますけれども、真ん中に3つの四角がございますように、主な活動といたしまして、調査研究活動、標本資料の収集・保管、それから、これらを活用した展示・学習支援、この3つの事業を一体として展開しているというのが特徴でございます。
 1枚おめくりいただきまして、2枚目に、第2期の中期目標期間におきます実績を、定量的な面だけでございますけれども、簡単にまとめてございます。右上に登録標本資料数の推移ということで、21年度末におきましては、全部で394万点の標本資料を保有しているところでございまして、これにつきましては、中期目標において定めた所蔵目標を大きく上回る形で収集をしているところでございます。
 それから、左下に入館者数の推移とございます。2色に分けてございますが、下の青色の部分が常設展への入場者、赤いところが特別展への入場者でございますが、御覧いただくとおり、順調に伸びてございまして、第2期の中期目標期間におきます5年間で600万人というのを4年間で既に達成している状況にございます。ホームページのアクセス数も着実に増加しているところでございます。
 1枚おめくりいただきまして、第3期に向けた事業の見直しの概要でございます。先ほど申し上げましたように、科博におきましては、主に3つの事業を展開してございます。まず1点目の調査研究事業につきましては、現在新宿にございます各研究部、それから、日本橋にございます産業技術資料情報センター、これを筑波地区に集約する予定になってございます。既に施設は建設中でございまして、23年度予算が順調に付けばでございますが、移転の予定でございます。それに伴いまして、分野を越えた横断的な研究に一層取り組んでまいりたいたというふうに考えてございます。それから、研究部のほうにおきましては、地球規模生物多様性情報機構でございますとか、国際深海掘削計画、こういった国際プロジェクトにも参画してございまして、こういった国際的な共同研究にも力を入れてまいりたいというふうに考えてございます。
 2つ目に飛びまして、標本資料の収集・保管でございますけれども、先ほど申し上げたように、3百数十万点に上る標本資料の収集・保管を効率的、効果的に進めるために、これまでに標本資料統合データベースというのをこの3月にインターネットでも公開しているところでございます。それらを基に、今後科博として充実すべき分類群とか、地域といったものについて、戦略的にコレクションを進めてまいりたいというふうに思ってございます。2つ目に、YS−11とございますが、これは事業仕分けにおいて指摘された内容でございますけれども、現在羽田において保管されているYS−11につきましては、単に保管するだけではなくて、広くできるだけ多くの方に見ていただくべきだという御指摘をいただいてございまして、今後定期的に公開の機会を設けると。この週末、空の日ということで羽田でイベントもございますけれども、そういった機会を活用して公開してまいりたいと思います。引き続きまた恒久的な保存・公開のあり方については、検討してまいりたいというふうに思ってございます。そのほか、自然史、科学技術史に関するナショナルセンターといたしまして、国内の博物館と連携いたしまして、どこにどういう標本があるというような所在データベースの運用でございますとか、あるいは一部の地方の博物館などでは、経営難等から保管が困難になった資料等もございます。そういった場合のセーフティネットとしての役割も考えていきたいというふうに考えてございます。
 それから、展示・学習支援でございますけれど、これにつきましては、国立の博物館としてふさわしいものということで、科博の場合、多くの専門家を抱えてございまして、そういった高度な専門性を生かした独自性のある事業でございますとか、他の博物館の見本となるような先導的・モデル的な事業に取り組んでいくべきというふうに考えてございます。
 おめくりいただきまして、組織の見直しにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、研究部の置かれております新宿分館、それから、日本橋の産業技術史資料情報センターの筑波移転、これは23年度に完了しますれば、新宿分館の跡地につきましては、処分する予定でございますし、産業技術史資料情報センター、こちらは賃貸でございますので、その契約を終了する見込みでございます。それから、筑波に研究機能が一元化されますので、事務部門についても効率化を図ってまいりたい。それから、運営の効率化及び自律化のところでございますが、科博におきましては、茨城の霞ヶ浦地区に土地を持ってございます。当初収蔵施設を建てることを念頭に置いていたわけでございますが、ここについては当面用途が考えられないということで、国庫返納へ向けて現在関係機関と協議を進めているところでございます。
 それから、事業仕分けにおきまして指摘された中に、上野の科博本館のミュージアムショップの用地の賃貸につきまして、入館者サービス向上の観点から、競争性のある契約に移行すべく現在準備を進めてございまして、23年度から新しい契約に切りかえたいと思ってございます。そのほかの入場料収入の確保でございますとか、外部資金の確保、それから、研究活動については、21年度から評価委員会を設けてございますけれども、そういった外部の有識者による評価活動を進めてまいりたい。一番最後にございますように、施設管理の運営業務につきましては、今年度から民間競争入札による新たな契約に移行したところでございますが、そういった状況等も検証しつつ、さらなる合理化を進めてまいりたいというふうに思ってございます。
 雑駁ですが、以上でございます。

【富田分科会長】  はい、ありがとうございました。
 それでは、ただ今御説明いただきました国立科学博物館の見直し当初案につきまして、御質問などございましたら、どなたからでも御発言願います。はい、黒田委員お願いします。

【黒田(壽)臨時委員】  国立科学博物館というのは展示が主体であるような感じを受けていたんですが、見せていただいてそのバックヤードのすごさというのを感じました。だから、そこにおのずと研究も必要だろうと思うんですけれども、ただ、研究の中に経常研究とプロジェクト研究という2つの区分があるようでございまして、経常研究というのは、そこにおる研究者の方の個人的な研究だというお話を聞いたのです。したがって、こういう目的を持った独法の組織の中に個人的研究が入っていいのだろうかという感じを一つ受けております。
 それから、もう一つは、外部評価制度をつくりましたということでありますけれども、この外部評価制度の中に、この経常研究の分野が含まれるのかどうか、そこも外部評価をするのか、プロジェクト研究だけを評価しているのか、その辺のことをどういうふうに理解したらいいのかをまずお伺いしたいと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【伊藤審議官】  ありがとうございます。まず経常研究でございますけれども、科学博物館におきましては、現在64名の研究者の方がいらっしゃいます。内部的には、経常研究とかプロジェクト研究という呼び名をしてございますけれども、いわゆる大学とかにおける経常研究とはちょっと性格が違うところがございます。大学ですと、基本的には研究者一人一人の自由な発想に基づく研究、そのためのお金が経常研究費という形で整理される場が多うございますけれども、科博の場合は、そういった大学等における学術研究とは異なりまして、やはり館として、動物、植物、地学、人類と、その各分類群がたくさんあるわけでございますけれども、それらを網羅的・体系的に研究し、また、その標本を収集していくということがミッションでございますので、極端な話、自分の専門とは少し違うけれども、その担当する分野について研究し、また、標本を集めていくと、それが経常研究というふうに理解してございます。そういう意味で、少し外から見て誤解を与えるんじゃないかというような話もございますので、先ほど先生の御指摘になりました評価委員会のほうにおいては、そのプロジェクト研究第3期で何をしていくかということについても、いろいろと御審議・評価いただくわけでございますけれども、そういった中で、プロジェクト研究と経常研究の関係についても改めて整理させていただきたいというふうに思ってございます。

【黒田(壽)臨時委員】  そうしますと、外部評価は、経常研究にも該当するということですか。

【伊藤審議官】  主としてプロジェクト研究についての計画の妥当性とか、中間事業評価をしていただきますけれども、その前提といたしまして、科博の研究部におけるミッションは何なのか、それと、両者の関係は何なのかについてもしっかり議論していただこうというふうに思ってございます。

【黒田(壽)臨時委員】  この経常研究というのが、ややもすると個人研究のほうへ走っていく可能性がありますので、私は、少し心配をしております。自分の研究のために科博を使っていろんな資料を集めるという、そういうことが起きますので、やはり計画的に物事を進めていただくという意味では、きちんとガバナンスの強化をやっていただきたいというふうに思います。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。はい、野口委員どうぞ。

【野口臨時委員】  御説明をありがとうございました。私の方からは、国立自然教育園のあり方について少しお伺いさせていただきたいと思うんですけれども、資料などを拝読していて、さまざまな経緯があって、今のように科博が保有して管理をするという形態になったというのは理解をしているつもりなのですが、改めて今の状況を見てみますと、例えば自然教育園というのは史跡指定とか天然記念物指定がかかっていて、標本をとれないとかっていう制約がありますし、また、大きさもそれほど大きいところではないので、入場者数にも一定の制限がかかるといったような諸制約はあるとは思うのですけれど、そういう中で、科博の問題というよりは、文部科学省さんのお考えを伺うということになるのかもしれませんが、国立自然教育園なるものを科学博物館がこれからもずっと保有し続けることについてどういうふうに見直しをするおつもりがあるのかないのかというあたりと、それから、もう一つは、保有するとして、管理のあり方というのもまた別途あり得るかと思うのですが、科博がこれからも自然教育園を管理し続ける意義というのがどのあたり、これは科博の問題だと思いますが、あるのかというあたりをお伺いできればと思います。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【伊藤審議官】  自然教育園、これはちょっと経緯だけ申し上げますと、戦後、昭和24年当時ですけれども、当時白金御料地と呼ばれていたこの自然教育園をどこが所有するのか、管理するのかというところが政府の中で議論がありまして、文部科学省のほうでその後管理を託されたという経緯がございます。その後、科博が管理を担当しているわけでございますけれども、今科博における自然教育園の位置づけといたしましては、2つございます。一つは、研究フィールドということでございまして、具体的には都市の中における貴重な残された緑地でございますので、そういった都市の中で、そういった緑地における生態系がどう経年的に変化していくのかについて定点観測でございますとか、最近ですと、ヒートアイランド現象の中で、そういう生態系に与える影響とかというのをいろいろと研究していくというのがございます。先生御指摘のように、天然記念物及び史跡に指定されておりますので、あるエリアにおいては、標本の採取とかについて制約があるのは御指摘のとおりでございます。
 それから、もう一つ大きな役割というのは、やはり多くの人々に、都市に残されたそういう自然、あるいは自然保護についての体験的に学ぶ場所というふうに今位置付けてございます。科博は、先ほど申し上げているように、研究だけではございませんで、そういう展示とか学習、いわゆる社会教育の場としての役割も持っておりますので、自然教育園については、今申し上げたような観点から、研究の対象でもあり、また、社会教育施設としての性格も有していることから、科博のほうで引き続き管理していっていただくのがふさわしいのかなというふうには思ってございます。
 なお、管理につきましては、いろいろと契約の問題でございますとか、あるいは一部財団法人がそこに入っているようなこともございまして、その辺は御指摘の点を踏まえながら改善を図ってまいりたいというふうに思ってございます。

【野口臨時委員】  はい、分かりました。ありがとうございます。

【富田分科会長】  はい、浅羽委員どうぞ。

【浅羽臨時委員】  本日の説明資料の一番最後の運営の効率化のところですが、現在、上野の本館の管理運営業務について民間競争入札をしていると伺っております。施設管理と運営業務ですね。それ以外については、そこの状況を見て検討するというお話でしたが、特に大きな問題がなければどんどん広げていけばいいんじゃないのかなと思っているんですけれども、何か問題はあるでしょうかということが1点と、あと、そもそも科博のやられていることで、上野とそれ以外のものとでは施設の目的とか、そのようなものが結構違うのではないのかなと思うので、それを踏まえて検討するというものの、そもそもですね、踏まえられるのかな、とも思っているんですがいかがでしょうか。

【富田分科会長】  はい、お願いします。

【伊藤審議官】  上野地区の施設管理とか運営業務につきましては、御指摘のとおり、いわゆる公共サービスの改革に関する法律に基づきまして、この4月から、入札の結果、新しい業者にその維持管理をお願いしているところでございます。3年間の契約を結んでございます。今、先生御指摘のとおり、上野のいわゆる博物館と、例えば新宿、あるいは今後移転する筑波では、もちろん外の方に来ていただくという共通面はある程度ありますけれども、やはりその展示施設としての性格と、研究を主とするような施設では、その維持管理とかの内容とか、あるいは量とかも多分違うんだろうなというふうに思ってございます。まずは、上野地区での今回の契約に基づく状況を見ながら、水平展開について考えていきたいというふうに思ってございます。

【浅羽臨時委員】  特に本当に問題はないですよね。上野に関しましてはですけれど。

【伊藤審議官】  この4月からでございますので……。

【浅羽臨時委員】  まだ分からないということでしょうか。

【伊藤審議官】  特に問題は生じていないというふうに。

【浅羽臨時委員】  そう私も伺っているんですが、一応ですね。もっとどんどん積極的に広げていってもいいのでは、もっと早く展開していってもいいのではないのかなというふうに思っているんですけれどね。まあ、でも、御懸念の点はいろいろとあるでしょうから、そうした点を潰していくのは大事なことだと当然思いますので、それによって研究活動等を阻害しては元も子もないので、あるいは何か抜本的に何か大問題が発生するとかいうことであれば、それはもう本末転倒ですけれども、そうした懸念が余りないということであれば、何も、例えば3年間待つ必要もないと思いますし、どんどん積極的に進めていくべきではないかと考えております。

【伊藤審議官】  その辺り、来館者へのサービスの低下を招かないようにとか、いろいろとアンケートとかも利用して、そういう満足度の調査とかもフォローしながら、検証させていただきたいと思ってございます。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ岡本委員。

【岡本臨時委員】  また同じ質問で恐縮なんですけれど、資料1−1の98ページ、文科省さんのほうからいただいた数字の部分です。交付金と交付金債務残高の件なんですが、平成20年度の交付金は31億2,500万と書いております。その年の交付金債務残高は10億4,300万、3分の1が残っているんですね。翌年になりますと、31億2,000万に対し7億8,200万、若干は減っていますけれども、結構高額が年度末に残っていると。通常なぜ残るかというと、仕事を次の年に送るということを前提に残していらっしゃるのか、効率的にやったのか、どちらかだと思うんですけれど、これでは3分の2の予算で平成20年度なんかはやられたというふうに見えてしまうんですが、この辺の合理的な説明をぜひいただきたいと思います。

【富田分科会長】  お願いします。

【伊藤審議官】  館の確か改修工事などが、進捗が当初見込みに比べておくれたとか、いくつかの理由があったかと思います。少々お待ちくださいませ。

【岡本臨時委員】  いろいろ理由があると思いますが、当初予定した予算額の3分の2で仕事をされているという事実ですね。おそらくこれは交付金債務残高、中期目標期間で繰り越せませんから、平成22年度は全部使い切られると思うのですけれど、22年度まともにやれば非常に忙しくなるはずなのですね。そういう業務形態って、果たして適切な運営管理ができているのかという別の疑問もわいてくるのです。例えば平成20年度、21年度の評価委員会の評価結果がどういうものであったかということが非常に、その辺からどういう評価がなされているかというのも非常に問題になるんではないかなと、私は思うんです。あるいは当初の予算見積もりが非常に甘かった。いかがでしょう。確かに億という金額もあるし、3分の1という巨額が残っているというのは、これは文部科学省がどのように把握されているか。むしろ逆に、主務大臣として適切な説明を求められるべきなんではないでしょうか。

【伊藤審議官】  すみません、少々補足させていただきます。特に20年度末において残高が10億を超えている理由といいましょうか、背景でございますが、まずそこを御説明させていただきたいと思います。一つは、年度をまたがる企画展に係る経費をはじまして、20年度中に事業を完了することができなかった展示環境の整備でございますとか、それから、大型の展示物の改修、収蔵物環境整備などの経費について債務残高が生じてしまったということでございます。例えば受注生産のために納品に時間がかかったような大型の設備でございますとか、あるいは最新の研究成果を反映させるためにシアター360というコンテンツとかの整備が進んでいたわけでございますが、そういったものが少しおくれたと。あるいは海外協力者との日程調整がつかなかった等々の理由によって繰り越しが生じてしまったことでございます。したがって、当初予定していた、翌年度においてそういった少しずつリカバーをしながら、引き続きまだ21年度においては7億の債務残が生じているところでございますけれども、最終年度でございますので、無駄に使い残しを残さないように使うということではなくて、遅れている計画についてきちんと中期目標計画に示された事業ができるように指導してまいりたいというふうに思ってございます。

【岡本臨時委員】  すみません。

【富田分科会長】  はい、どうぞ。

【岡本臨時委員】  審議官の御説明は、審議官自身がそれで納得されていらっしゃるんですか、今の御説明で。私はデータ持っていないので何とも言えないんですけれど、通常3分の1が残っているということは、今のような御説明で合理的に納得されていらっしゃるのかどうなんでしょう、私は納得ができないんですけれども、そういうものなのか、要するにどんどん後に支払っていけばいい、実際の仕事はもう終わっているということなのですね、おっしゃっていることは。

【伊藤審議官】  研究などとは違いまして、やっぱり外部との契約発注業務に係る面が多うございますので、なかなか……。

【岡本臨時委員】  最終的に終わらないと払わないという契約形態になっているので、仕事は終わっているけれども、まだ払っていなかったんだと、例えば平成20年度で。

【伊藤審議官】  年度をまたがってそういう発注などが、納品がおくれたというふうに理解してございます。最終的には中期目標期間の中できちんと終わらせるように頑張っていただくことが基本かなと思ってございますが。

【岡本臨時委員】  いや、私自身は納得できないのですけれど、説明は分かりました。

【富田分科会長】    はい。それでは、時間の都合もありますので、国立科学博物館につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 本日御説明をいただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力を賜りまして、ありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じ、ワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。
 説明者の皆様方には御退席をいただきまして結構でございます。ありがとうございました。
 それでは、ここで15分程度休憩をとりまして、16時15分より再開いたします。
 なお、私は別件のため、ここで退席させていただきますが、再開後の司会は黒田委員にお願いしてございますので、よろしくお願いいたします。


( 休  憩 )


【黒田(壽)臨時委員】  それでは、時間になりましたので、ただいまから再開をしたいと思います。富田分科会長が所用のため退席されましたので、私、第3ワーキングの主査をやっています黒田でございますが、司会をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、国立美術館についての御説明を文化庁吉田次長からお願いをしたいと思いますが、時間の関係で、全体の説明を5分でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【吉田文化庁次長】  文化庁次長の吉田でございます。
 それでは、早速説明を始めさせていただきます。資料1−2−(7)というところに概要が記載された資料を付けさせていただいております。文化芸術を取り巻く諸情勢の変化と国立美術館というタイトルでございます。左側のほうに芸術文化振興政策ということで、これは平成13年に制定されました文化芸術振興法の美術館関係の記述、それから、その振興法に基づきます基本方針ということで、第2次のものがありますけれども、その中の美術館関係の記述を抜粋させていただいております。
 その箱の下にございますけれども、美術作品は国及び国民の宝でございます。その充実に努めるとともに、展覧会の質の向上・観賞機会の充実を図ることが基本的な美術館の任務であろうと思っております。
 右側のほうに、背景という欄がございます。これは次期中期目標の見直しをするに当たりまして、検討すべき要素として掲げたものでございます。一つは、この4月に行政刷新会議の事業仕分けがございました。その関連で、この国立美術館関係につきましては、美術品収集事業の拡充をすべしと、そういう評価結果をいただいております。そのためには、適切な制度のあり方の検討、ここの部分は事業仕分けの中でもございましたけれども、独法制度の中における目的積立金のあり方ですとか、あるいは長期借入金などもより活用できるような仕組みですとか、そういったことを含めた法人に関する制度のあり方といったものが必要ではないかという御議論でございました。
 なお、これはもう文化庁のほうの仕事になりますけれども、私どもとしては、この9月からそのような国立美術館や博物館に適した新しい法人類型のあり方について検討会をスタートさせると、そういう予定でございます。
 その下は、これも今後の美術館行政を考える上で重要な提言でございますけれども、文化審議会の文化政策部会が6月に審議経過報告といったものを提言していただいております。これは来年には第3次の文化芸術基本方針という形で閣議決定をしていただくものにつながるものでございますけれども、この中にも国立の文化施設の運営の見直しということで、国立美術館関係でもナショナルセンターとしての機能充実、あるいは美術作品の充実等の記述でございます。
 少し下のほうに矢印でございますけれども、第三期の中期目標計画期間に向けましては、大きな柱としますと、一つは収蔵品の充実、それから、収蔵庫などの保存施設の充実、さらに、地方の美術館等との連携ということで、所蔵作品の貸与等の充実といったものが大きな柱になっているのかなというふうに考えております。
 2ページ目をお開きいただきたいと思います。左側のほうに第二期の中期目標期間、平成18〜22年度までの取り組みを整理しております。国民に対して提供するサービスの向上というところでは、まず入館者数の指標をそこに掲げております。平成18年度の入館者数が335万人でございました。これは美術館のほうで立てておりました目標が220万人でございましたので、そこを大幅に上回る形になりました。平成21年度の入館者数が456万人ということでございますので、こういった入館者数を増加させていくということについては、相当の努力が払われてきたというふうに思っております。また、海外の美術館と連携した質の高い展覧会の実施ということでは、ルーブル美術館展でございますとか、大回顧展モネというようなことで、これも多数の入館者を得られたということでございます。また、国立美術館に5つの館がございますけれども、全館が連携をした企画展ということで、これは国立新美術館でちょうど今行われておりますけれども、「陰影礼讃」展といったものについても、新しい取り組みとして行われております。
 また、その下に、これは収集のほうにつきましての実績でございます。これは予算的に非常に厳しいものですから、増加というわけにはいきませんけれども、そこにありますような点数を、この18年度から21年度にかけて新たに収蔵しております。
 また、公私立の美術館等への協力ということで、所蔵作品等の貸与の関係では、その下にありますようなことで貸与の実績がございます。
 また、巡回展ということで、これは国立の美術館と地方の美術館とが共同で行いますものでございますけれども、巡回展につきましても、18〜21年度の間に7館、また、キュレーター研修についても実績が16人というふうな形になっております。
 運営の効率化というところでは、東京国立近代美術館の一部業務につきまして、民間競争入札を導入しております。
 今後の見直しのポイントでございますけれども、一つは、美術振興の中心的拠点として多彩な活動を展開するということでございますが、他の文化芸術分野との連携ですとか、あるいはこれまでどうしても欧米中心の作品でございましたけれども、アジア、中国、韓国等においても現代作家の方々の動きがございますので、そういったものをテーマにしたような展覧会について力を入れていきたいと思っております。常設展と企画展とのバランスですとか、巡回展の充実、これは前期からの引き続きでございます。それから、ナショナルコレクションの形成というところでは、先ほど申し上げました法人制度の見直しとも大きくかかわるわけでございますけれども、民間寄附や自己収入の拡大に努め、また、一方でコスト削減を図って、これを美術品購入というところにつなげてまいりたいと思います。また、あわせて収蔵庫についても、何らかの方策を立てていきたいと思います。それから、ナショナルセンターというところでは、研修ですとか、巡回展、そういったものについて取り組みをしてまいります。
 運営の効率化というところでは、自己収入の拡大、それから、管理運営の効率化というところが大きなテーマでございます。特にミュージアムショップですとか、レストランの関係につきましては、快適な観覧環境の確保といったものに留意しながら企画競争の導入も含めて、よい方向で検討を進めていきたいと思っております。
 また、民間委託の関係につきましても、美術館活動の活性化を損なわない形での一層の推進を図ってまいると、こういう予定でございます。
 ちょっと長くなりまして、申しわけございません。

【黒田(壽)臨時委員】  ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました国立美術館の見直し当初案につきまして、御質問などありましたら、どなたからでも結構でございますので、御発言願います。それでは、浅羽委員お願いします。

【浅羽臨時委員】  御説明ありがとうございます。御説明いただいた中で、国の宝というところはまさにそうだと思うんですが、同時に、ナショナルセンターとしての役割ということを強調されていましたので、そちらの点について質問させていただきたいと思います。キュレーター研修につきまして、18年度〜21年度受け入れ実績16人ということで、大まかに言えば年4人、受け入れ館数で考えますと、大体年に1つの館に1人ずつぐらい、大ざっぱに言えばそれぐらいのイメージかなというふうに思っているんですけれども、ナショナルセンターとしてということですと、これは、受け入れの問題ありますので、単純に100人も200人も受け入れるのはどだい無理だというのはわかりますけれども、もう少し多くてもいいのではないのかなと感じています。
 まず事実の確認ですけれども、16人という人数は、これは絞って16人なのか、それとも手を挙げて、確か都道府県等を通じて応募ということだったと思いますが、絞って16人なのか、それとも応募そのものがそんなにまだないというようなことなのか、どちらなのでしょうか。

【高比良独立行政法人支援室長】  これは美術館だけではなくて、文化財機構もそうなのですが、そもそも地方公共団体、それから民間のところも含めて、やはり相当な人件費削減が行われております。そこで、学芸員の人たちを、例えば2日とか3日のこちらが開催する講演会とか何かに出席するだけでも、なかなか館を離れられない。例えば1カ月とか、半年とか、1年とかになりますと、とてもじゃないけれども出し切れない。手が挙がらないと言ったほうがよいと思います。
 それから、もう一つは、旅費の関係もございまして、長期になれば、それは行くときと帰るときでいいんでしょうけれども、出張に関しても、非常に旅費が厳しくなっているなど地方館、民間等で学芸員そのものがなかなかその職場を離れられないというのが実態というのは聞いてございます。

【浅羽臨時委員】  おっしゃられることはまさにそうだろうなと思います。ただ、同時に、ナショナルセンターとして公立や私立の美術館にいろいろと国ならではのノウハウとか、いろいろなものを学芸員の方に、学芸員にたしか限定されていたと思いますけれども、学芸員の方にどんどん広げていって、国としての文化政策を広げていくということで考えますと、もうちょっとやり方を考えなきゃいけないんじゃないのかなというふうに思っております。貴省の社会教育調査の数値を見せていただくと、博物館法の適用になるものだけで独法所有の物を除いて443美術館があって、その適用外の類似美術館、美術博物館というんでしょうか正式には、それだけであと649あって、合わせれば1,000を超えて。3年に一遍でしたかこの調査は、その間だけで2けたの数が増加していると。そのバランスと、この合計の人数とを合わせて見ますと、なかなか本来の目的ですね、キュレーター研修の目的が、現状のままではなかなか広がらずに、かなり余裕のあるところだけがそういうことができていると。先ほどのお答えからしても、あるいは私もそうだと思っているんですが、特に公立の美術館などですと、もう人手がないどころか、学芸員を置くのも大変、1人置くのも大変なんていう話を伺っていますので、常駐させるのは。そうした中で、こうした政策を広くやっていくというのは、よほど何かうまい仕掛けがないと。仕掛けよりもお金なのかもしれないですけれどね。

【吉田文化庁次長】  まさに御指摘のとおりでありまして、実は先ほど紹介しました文化審議会の文化政策部会の提言の中にも、今おっしゃられましたように、やはりナショナルセンターとして、もっと公私立の学芸部門に対する支援を強化すべきだという提言をいただいています。これをどう具体化するかというのは、先ほど申し上げたような難しい点もあるんですけれども、ただ、国立美術館でも、平成18年に、それまでのキュレーター実務研修と当時は言っていましたけれども、これについて実務経験5年以上、それから、研修期間2カ月とかっていうところは撤廃をいたしまして、比較的相手側の出てこれるような期間などに即した形で、柔軟に研修ができるようにしているんですけれども、それでも、先ほど申し上げたようなことで限界がございます。我々としては、やっぱり地方の美術館も、人手的にも非常に厳しい状況の中で、どうしたら学芸員の質を向上できるかといったときに、例えば巡回展などを一緒にやるということになりますと、これは一種のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの世界でございますけれども、一緒に仕事をしながら、その中で学芸員として必要な資質をもう少し身につけていただくとか、あるいは共同研究だとか、そういった機会をとらえて、これも一種の仕事で、オン・ザ・ジョブ・トレーニングの世界になりますけれども、そういった工夫を当面はしていくということなんですけれども、さらにその点は心の中に強くとらえていきたいと思っています。

【浅羽臨時委員】  お金の話ばかりで申しわけないのですが、巡回展もかなりお金がかかりますよね。先方よりも、独法のほうがかなりかかりますよね。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい、そうです。独法にかかります。

【浅羽臨時委員】  梱包のところですごく輸送費にお金がかかると伺っているのですが、すごくかかる。

【高比良独立行政法人支援室長】  巡回展から巡回展は持ちませんが、最初と最後は独法負担です。

【浅羽臨時委員】  そうですよね。すごくかかりますよね。

【高比良独立行政法人支援室長】  独法側が持つということになっております。

【浅羽臨時委員】  だから単純にそう増やすのは簡単ではない状況ですよね。

【高比良独立行政法人支援室長】  逆に、ネットとか、電話とかでの地方館からの問い合わせが、結構今は来ます。それに対して、ナショナルセンターとしてのノウハウ、それから学芸員としての知識をできる限り、助言という方法で対応しているというのが今の現実かもしれません。ただ、おっしゃるように、できるだけ多くの研修生の受け入れについては、今後いろんなことを検討していかないといけないとは思っております。現状としては、そういうことだということでございます。御理解をお願いします。

【黒田(壽)臨時委員】  ほかにございますでしょうか。はい、野口委員。

【野口臨時委員】  御説明ありがとうございます。資料の2ページ目に、下のところに出てきているお話なのですけれども、左側に平成21年の4月から、東京国立近代美術館で民間競争入札を導入したと。今後も、右側に行くと、一層推進を検討するというところなのですけれど、平成21年から1年半ぐらいたっていますが、東京国立近代美術館での民間競争入札の状況、結果など、そのあたりをどのように把握されているのか。それから、右側に移って、今後一層の推進を検討とされていますが、それは具体的にはどういうスケジュールで、どのように考えられているのか、お伺いできればと思います。

【丸井独立行政法人支援室室長補佐】  まず検討の状況なんですけれども、まだ今ようやく1年経過したばかりでございまして、1年目の状況をいろいろ調査している段階でございます。そもそも導入したところは、業務の範囲としましては、施設設備の維持管理や清掃業務で、あと廃棄物の処理、それから、環境衛生の管理業務とかでして、あと一番大きなところが会場管理業務、これを統括管理業務一体として市場化テストを導入したわけでございまして、21年度から3年間、これを導入したわけなのですけれども、次は24年度に向けまして、さらにこの範囲をどこまで拡大できるかというところで今検討しているところでございます。

【野口臨時委員】  今のところで報告されるような、大きな問題は発生していない。

【高比良独立行政法人支援室長】  そうですね、はい。

【野口臨時委員】  そうすると、右側の美術館活動の活性化を損なわない形というのは、具体的にどういうことを想定されているんでしょうか。

【高比良独立行政法人支援室長】  指定管理者制度の問題等々も、御存じかもしれませんが、いわゆるナショナルセンターとして、本来業務である学芸、展示、研究、そういうコアとなる部分については、きちんと独自に職員を配置して、運営をしていかないといけないだろうと思っています。そういうことで、その美術館活動すべてを民間競争入札ということではなくて、可能な範囲で民間競争入札は入れていきますと、ただし、一番コアになる部分については、きちんと美術館が、国立として運営していきますと、そういう意味でございます。

【野口臨時委員】  なるほど、分かりました。ということは、既に東京で導入されている館の管理等、そういうあたりについては、全国の他の館についても導入を検討されるということですか。

【高比良独立行政法人支援室長】  そこは、21年度から入れておりますので、そこのところを十分中身を精査した上で、今後可能性を探っていくということでございます。

【野口臨時委員】  はい、ありがとうございました。

【黒田(壽)臨時委員】  はい。ほかにございますでしょうか。

【宮本臨時委員】  よろしいでしょうか。

【黒田(壽)臨時委員】  はい、どうぞ。

【宮本臨時委員】  2点ばかりお尋ねしたいのですけれども、一つは、記載がされていますが、収蔵庫の充実問題ということで、これは多分非常に頭が痛い共通の課題だと思うんですが、この後御説明があると思います国立博物館も含めて、国としてというか、文化庁さん、あるいは文科省さんとして、何か全体に推進計画がおありなのか、あるいは各独法にお任せになるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
 あと、もう一つは、これだけの国の宝という、国民の宝というのは、ある意味でこれ、観光資産でもあろうかということで、日本の観光立国政策の中で、どういうふうに何か具体的なアクションをとろうとされているかどうかというところをお尋ねしたいと思います。

【吉田文化庁次長】  収蔵庫の関係は、国立美術館のほうは、満杯でございます。あらかじめしつらえられました棚とか何とかは、もうほぼ埋まっております。したがって、通路ですとか、そういうところにまた棚を置いて、その上に収蔵をするというようなことまでやっております。したがって、国立美術館のほうは、収蔵庫をどうするかというのはもう本当に大きな課題でありまして、我々も財政状況が許せば、当然収蔵庫をつくっていきたいと。これは考えてはいますけれども、何分予算的な制約が非常に厳しいものですから、今のところまだ具体化をするというふうには至っておりません。
 なお、次のテーマでございますけれども、国立博物館のほうでございますけれども、国立博物館のほうは、今の状況ですと、まだ国立美術館と比べると少し余裕があるというふうなことでございます。特に九州国立博物館はまだ新しくつくられたというようなこともございまして、今、一生懸命収蔵作品をふやしている最中でございますけれども、国立美術館と比べるとまだいい、まだしもという感じでございます。
 それから、観光立国との関係でございますけれども、やはり日本にお越しになった外国の方が日本文化に触れるといったときに、博物館というのは非常に重要な文化発信の拠点だというふうに私ども思っておりまして、観光立国のさまざまな方針の中でも、博物館、あるいは美術館を含めてもいいのかもしれませんけれども、そういったところで、外国人観光客に対する対処について、例えばいろんな表記・表示についても、まだ十分でない部分がございますから、表示ですとか、あるいはパンフレットですとか、それから、イヤホンガイドですとか、そういった面については、ますます整備を図っていかなければいけないと、そういうふうに思っています。

【高比良独立行政法人支援室長】  追加ですけれども、観光に関してですけれども、今国立の美術館として、日本における工芸というのは、非常に世界にも誇れる技術と、わざ、美術品という物を持っているということがありまして、これはまだ正式に決まったわけではございませんが、新たに羽田の国際線が10月からオープンになります。そこのところの一角を少々お借りして、そこに我が国の誇れる、国立の美術館が持っている工芸品を少し展示しながら、国立美術館のPRをそこで行い、外国人、特に羽田ですので、アジアを中心とした方々に、その入り口のところで理解をしていただいて、国立の美術館なり、それから公立の我が国の美術館等を見てもらうというような工夫を今模索しております。そういうことで、いろいろな検討を美術館としてもやっているということでございます。

【宮本臨時委員】  どうもありがとうございました。

【黒田壽二委員】  ほかにございませんか。はい、岡本委員どうぞ。

【岡本臨時委員】  また同じ質問になるんですけれど、資料の1−1の113ページで、文化庁さんから出していただいている資料についてです。お金の話です。平成21年度の運営費交付金が57億7,300万ということ、それに対して、その当初の運営費交付金債務残高が5億7,200万、約1割だと思いますけれど、当初予定されていた予算額について1割、ある意味で使い残しているという状況があります。これはどうしてなのかという理由と、この使い残しの金額が中期目標の期間中ずっと増えてきているんですね。当初3,300万ぐらいで、あまり問題になる金額でないというふうに私個人は思いますが、それに比べて予算措置は減っているにもかかわらず、交付金債務残高はふえていると。これはどうしてこういうことになっているかという御説明をお願いしたいというふうに思います。
 それともう1点、これは簡単な質問です。平成19年に1月に国立新美術館という物が、ある意味で新設されて、統合されたと思うのですけれども、平成19年度の予算というのは、ただ、交付金で見ると、18年度よりも少なくなっていますね。ということは、国立新美術館は余りそれほど予算的に負担になるようなものではなかったということなのでしょうか。特に第1点目は、業務管理をどのようになされていらっしゃるかなということにかかわってくると思うんですね。仮に予定された仕事をその年にやらないで交付金債務が残ったということであれば、翌年それをやるということでしょうから、翌年に仕事を、まあ、悪く言えば先送りされてしまうと。ということは、翌年だんだんしんどくなってくるわけですね。最終年度に全部固めてやるということについて、おそらく最終年度に業務にしわ寄せがくるように思います。そういうことになっていると、日々の業務管理というのが、この美術館においてどうなさっていらっしゃるか、むしろそこに問題があるのかなと思ったりもしますので、もし説明があれでしたら、資料でも結構でございますので、御提出をお願いしたいというふうに思います。

【黒田(壽)臨時委員】  いかがですか。

【高比良独立行政法人支援室長】  今日は手持ちの資料がございませんので、資料で出させていただきますが、説明を少しさせていただきたいと思います。

【大木長官官房政策課長】  資料で出させていただきますが、大まかなことだけ申し上げますと、これは主として美術作品の購入にかかわる経費でございまして、日ごろの一般的なランニングというよりも、そういう美術家作品を買うという形で措置している経費についてでございます。したがいまして、うまいものが出てこないとか、そういう事情があったときに、交付金債務として繰り越していくという性格を持っている。

【岡本臨時委員】  その最終年度はどうなりますか。中期目標の最終年度は返されるんですか、国にやはり。

【大木長官官房政策課長】  その物が出るということですね。

【岡本臨時委員】  最終年度に物がうまく出るっていうことは、それはわかりませんよね。

【大木長官官房政策課長】  それはそうだと思います。いずれにしても、資料をお出ししたいと思います。

【岡本臨時委員】  分かりました。よろしくお願いします。

【黒田壽二委員】  それでは、資料の提出をお願いいたします。

【岡本臨時委員】  あと、国立新美術館というのは、これは予算的に余り負担にならないという理解でよろしいんですか。

【高比良独立行政法人支援室長】  国立新美術館は、もちろん光熱水料というのはかかりますが、組織としては、収蔵品を持たない施設になっておりますので、組織自体はそんなに多くございません。土地の買い上げとか、それから、借地の話のものはございますし、施設整備はありますけれども、そこのところは調べてはみます。

【岡本臨時委員】  交付金が入るということはあまりないという理解でいいんですね?

【高比良独立行政法人支援室長】  そこは調べてみますけれど、組織自体はそんなに大きくはございません。

【岡本臨時委員】  はい、分かりました。

【黒田(壽)臨時委員】  よろしいでしょうか。はい、どうぞ、鈴木委員。

【鈴木臨時委員】  資料の1−1のほうの114ページでしょうか、まあ、こういう美術館のようなところでミッションを達成したかということについて、量的、質的な評価は非常に難しいと思うんですけれども、まず量的なほうの達成度ということで、先ほど相当な努力をなされたということで、この114ページの下に、目標は222万だったけれど335万だったと。最初は300万。通常から言いますと、これは相当努力をしたっていうことかもしれませんけれど、目標値のほうが少な過ぎるのではないかと。通常民間であれば、2割、3割、これ、3割から4割ですかね、かなり目標値と違いますのでね。目標値の精度が低いと、達成度の信頼性も出てきますので、これは今後毎年度の達成ということを、一つはやはり量的な形で示さなければならないと思いますので、この計画の立て方をもう少し考えたほうがいいんじゃないかということと、その質的なほうのミッションを達成したという成果ですね、それは例えばどういうふうな、これは例でいいのですけれども、説明をするとしたら、どういう説明になるんでしょうか。

【高比良独立行政法人支援室長】  まず1つ目の目標値でございますけれども、ここは文科省の評価のほうでも、そういう御指摘はあります。ただ、これはきちんとした計算式で出るようなものでもなくて、やはり企画展、それから平常展も含めて、そのときの動向というのもなかなか把握しにくいというのが現状でございます。ただ、それをどこまでの範囲で数値目標を定めるかというのは、もちろん工夫が必要だとは思っております。ただ、なかなかそこのところの明確な数値目標を定めるための計算式というのはなかなか見出せないというのが今現状でございまして、過去の実績とか、研究者の今までの経験則、それから、新聞社等との調整の中で目標値を定めるということが現状ではございますので、工夫というのは必要かもしれません。
 それから、質というのは、なかなか誰が、どういうふうに判断するのかというのも難しいと思うのですけれども、やはり展覧環境も含め、それから、どちらかというと収集品、新たに収集した美術作品というようなものの評価とか、展覧会自体の質の評価やだれが評価したほうがいいかというのは、非常に難しくて、明確な答えは、私は持ち合わせてはおりませんけれども、確かにおっしゃるようなことは検討の一つかもしれません。

【鈴木臨時委員】  前半の方については、私も正確にわかりませんけれども、もちろん、そういうことだと思いますが、それが財務の予算とか、計画だとかというところにやっぱり影響するのではないかなと。そうなると、やはり計画をきちんと立てませんと、財務にもやっぱり相当な影響があると思います。
 それから、後半のほうは、例えばその美術展等で満足度調査とか、そういうのを当然おやりになっているわけですよね。それだけではわからないと思いますけれどね。

【黒田(壽)臨時委員】  よろしいでしょうか。
 それでは、時間の都合もありますので、国立美術館につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。
 続いて、国立文化財機構について文化庁吉田次長から御説明をお願いいたします。

【吉田文化庁次長】  資料1−2−(8)をご覧いただきたいと存じます。先ほどの国立美術館と少し似たような立て方になっておりますけれども、最初のほうに文化芸術振興法、それから、基本方針の関係の抜粋を入れております。3つ目の黒丸のところでございますけれども、ここは文化財を中心とした活動ということになりますので、まずその文化財を確実に後世に継承していくといったこと。それから、先ほど御指摘もありましたけれども、観光振興ですとか、あるいは地域振興ですとか、そういったものにも大きくかかわってまいりますので、そういったことについても貢献をする。それから、何よりも地域のアイデンティティーの問題にもなってまいります。そのようなことがございまして、国立文化財機構では、博物館などにつきまして、公開、活用というところに力を入れていくということでございます。組織は、その下にあるようなことでございます。
 1ページ目の一番下のところに、先ほど少し申し上げましたような文化財の継承ですとか、あるいは国内外への発信、調査研究、国際貢献といったようなものを掲げてございます。
 次のページをお開きいただきたいと存じます。ここで、中期目標期間におけるこれまでの取り組みを少し整理しております。まず左の方からご覧いただきますと、総入場者数のところを見ていただきますと、17年度は312万人を、21年度は約503万人というような形でございます。また、魅力のある質の高い平常展・特別展を開催するということで、国宝阿修羅展の場合には、東京で93万人、九州でも71万人の入場者を得たところでございます。また、奈良では正倉院展で30万人というような形になっております。また、ホームページも充実いたしまして、そこで発信強化を図っております。京都の国立博物館は今現在平常展示館の建てかえ工事を行っております。平成19年から24年までの6年計画でございますけれども、今ちょうど4年目というような形でございます。
 それから、2つ目のところは、文化財の調査研究の関係でございます。高松塚やキトラ古墳壁画など、緊急性の高い文化財保存事業を実施しております。また、研究者の研究成果として、例えば年輪年代学研究では特許を取得するというようなこともございました。また、公衆への観覧のための方策についても、環境デザインというような観点からの研究も進めております。
 3つ目としましては、国際協力ということでございますけれども、これもアジアを中心に、さまざまな協力活動を行っております。人材育成の面、あるいは国際会議などの面、それから、実際の遺跡での調査等々を行っておりまして、これまで長年の実績がございますカンボジアからは、政府のサハ・メトレ勲章という、相当上位の勲章をいただくというような成果も上げております。
 それから、一番右側でございますけれども、運営の効率化というところですが、平成19年度から、従来の国立博物館と文化財研究所が統合されまして、現在の国立文化財機構ということになりましたけれども、その際、役員数を削減しております。また、文化財研究所と博物館を一体的に運用とするということで、黒田記念館の展示・公開業務ですとか、あるいは保存科学などを中心といたしました共同研究の実施など、一体的な業務運営に努めているところでございます。また、自己収入を増加させるということで、そこに掲げていますような努力を行っているところでございます。こちらにつきましても、東京国立博物館におきましては、民間競争入札を行っているというところでございます。
 それから、下の方をごらんいただきますと、見直しの視点ということでございますけれども、まずは収蔵品の整備と文化財の次代への継承ということでございまして、この関連では、先ほど国立美術館のほうで申し上げましたような制度的な課題というものも、関連をしているわけでございます。それから、収蔵庫の関係についても、まだ国立美術館と比べると少し余裕があるんだという話をいたしましたけれども、さはさりとて、近い将来的にやはり収蔵庫の問題が出てくるのは明らかでございます。それから、ここのところは展示というふうな形になってまいりますけれども、常設展示の充実を図るという従来の路線をさらに拡充・充実していきたいと思っています。さらに、国際貢献ということでは、これも従来の事業を継続するとともに、その2つ目のポツにございますけれども、カテゴリー2センターといったものを、この文化財機構に設けるという予定でございます。このカテゴリー2センターというのは、ユネスコに関係をするものでございます。カテゴリー1というのが、これはユネスコが直轄する研究所やセンターのことでございまして、カテゴリー2は、ユネスコの組織ではないけれども、ユネスコの賛助する研究所、あるいはセンターという位置づけでございます。このカテゴリー2センターの運営経費は、その設置する国が持つわけでございますけれども、ユネスコの名称ですとか、ロゴですとか、ユネスコ活動との関連について幅広く活動することができます。今回設立を予定しておりますものは、無形文化遺産条約との関係でございまして、アジア太平洋地域の無形文化遺産の保護に関する調査研究の場として、国立文化財機構がカテゴリー2センターを設置するということでございます。これは日・中・韓共同で行うものでございます。中国が人材育成、韓国が情報ネットワーク、そして我々が調査研究というような形で役割分担をして進めようとしているものでございます。それから、その次の丸は、情報発信機能の強化ということでございまして、ここはさらに充実を図っていくということでございます。
 右側の方、組織の見直しでございますが、これは先ほど申し上げましたカテゴリー2センターの設置というのがございます。ユネスコと日本政府との協定の中では、23年中に設置するという形になっております。また、組織の関連では、専門スタッフでございますけれども、今の現状としましては、学芸員がさまざまな業務を一手にやっているという状況がございますけれども、エデュケーターですとか、コンサベータですとか、そういったある程度専門的な事柄を担当するような専門職を順次配置をしていきたいと考えております。
 運営の効率化の関係では、これは国立美術館と共通でございますけれども、自己収入の拡大でございますし、また、管理運営の効率化ということについては、これもミュージアムショップですとか、レストランの関係につきまして、企画競争の導入を含めてさらに検討を続けてまいりたいと思います。また、民間競争入札についても、この包括化というのはさまざまな業務を一本化して、例えば警備ですとか、そういったものだけではなくて、観覧者の対応ということで、展覧会の中での対応業務がございますけれども、現在別々に委託しておりますが、これは包括的に委託するような、そういったことを進められないかということでございます。
 以上でございます。

【黒田(壽)臨時委員】  ありがとうございました。
 それでは、どなたからでも、今の国立文化財機構について御質問がありましたらお願いします。はい、どうぞ、浅羽委員。

【浅羽臨時委員】  御説明ありがとうございます。私からは、まず統合効果について追加の説明をいただきたいと思います。先ほど役員の削減等があるということを資料等で示していただいております。また、シナジー効果みたいなものがいろいろと働いているということもお示しいただきましたが、まず法人統合をした場合に真っ先に思い浮かべるのは、一般管理部門の合理化が図れるのではないかということが期待されるところでありますけれども、事前にいただきました資料ですと、常勤の職員の方が、全体でですが、3名の増というふうになっておりました。もちろん、それは中身がどの部門で、あるいはいろいろな理由があるでしょうから、3名増もいろんな理由があるのでしょうけれども、統合によって少なくとも一般管理部門についてどれぐらいの合理化が図られたのかということについて説明をいただければと思います。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい。その3名増は、17年に九州国立博物館が開館になり、18年から本格稼働となっております。その関係で、その九州国立博物館の新設に伴い増えたものと、それから機構として合理化をしたものとの差かもしれません。それから、具体的にお示しした中で、まずは統合に伴って、理事長、理事を6名から4名に削減し、監事を4名から2名に削減したことで、全体で4,373万円程度の削減が起こっております。それから、統合に伴って機構全体の人事給与統合システムを20年度に導入いたしました。それは初期投資、それから保守を5年間の契約で今やっていますけれども、導入前から考えますと、2,600万円程度の削減の見込みになります。それから、統合して5年間で、これは財務省からそういう指示が来ておりますけれども、一般管理費の10%でございます1億6,300万程度を削減するということになっておりまして、やはりきちんと統合の一般管理部門の削減はできているものと、我々は思っております。

【浅羽臨時委員】  金額面はよく分かりました。人員配置的にはどうなのでしょうか。

【高比良独立行政法人支援室長】  いわゆる本来業務の研究部門、学芸部門は、やはり削減することがなかなか難しいです。中には退職後補充をしていないという部分も若干ありますが、基本的には研究部門、学芸部門の本来業務のところについてはできるだけ削減をしない。そのかわり、例えば守衛さんとか、事務部門については削減をしていっております。それから、辞めた後に補充をしないとか、高齢者が辞めた後に若手の方を入れるとか、そういうことで、自然減もありますけれども、一般管理部門は確実に人数も減ってございます。

【浅羽臨時委員】  今の不補充のことについて追加で教えていただきたいのですが、以前質問させていただいていただきました資料では今年度の当初で技能労務職員の方が19名常勤でいらっしゃるとなっています。もうこれは質問というよりは確認なんですが、国家公務員同様に、文化財機構さんでも技能労務職員の方はもう退職者不補充でやっているということでよろしいでしょうか。そういう認識で、もう補充しないという方針でやっているということで。

【高比良独立行政法人支援室長】  確かに国家公務員は、守衛さんとか、自動車運転手さんは、基本的に不補充ということだと思います。しかし、博物館においては、やはり守衛さんですね、特にセキュリティーの問題がございますし外注だけで24時間きちんと対応できるかという問題もあり、やはり臨機応変に、入館者のサービスも含めて、どうしても必要な部分が残っておりまして、完全に不補充ではないということでございます。やはり博物館を運営するためにはどうしても必要な部分については、補充をするということで考えております。

【浅羽臨時委員】  具体的には守衛さんということですか。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい、守衛さんだけです。

【浅羽臨時委員】  守衛さんだけ。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい。

【浅羽臨時委員】  それは退職者不補充ではやはり無理だという御判断でということですか。

【高比良独立行政法人支援室長】  そうです、はい。

【浅羽臨時委員】  どうも私は国家公務員のイメージがあっても、国家公務員のほうでもずっと不補充でやってきていて、例えばこの2号館の合同庁舎も、守衛さんがどんどんどんどん入れかわっていて、民間の事業者さんに発注されていると。あるいは今度たしか合同で発注する、警察庁部分も含めて合同で発注するとかいう話を伺っているんですが、やはりそれとはもう根本的に何か違うことがあるということでしょうか。

【高比良独立行政法人支援室長】  皇室関係の方も相当来られますし、やはり警備については、外注しているところの人たちの教育も含めて館としてきちんと対応もしないといけませんので、そういう人たちを確保した上で、その外注の方々の指導に当たらないといけないと思っています。帝室博物館の歴史も持っておりますし、特に東京国立博物館、それから、京都国立博物館等々、奈良博もそうですけれども、皇室関係の方々も相当頻繁に観覧にも来られますので、やはり国立文化財機構として、重要な部分については必要であるというふうに認識をしております。

【黒田壽二委員】  よろしいですか。

【浅羽臨時委員】  はい。

【黒田壽二委員】  それでは、ほかに。はい、野口委員どうぞ。

【野口臨時委員】  先ほどの質問と同じところなんですけれど、民間競争入札業務の包括化を含め検討をされているというお答えになるのかもしれませんが、具体的なスケジュールとして、東京国立博物館と東京文化財研究所2件の民間競争入札がもう実施されて、その現状を今把握中なのかもしれませんが、今までのところの成果とか、効果をどう見られているのか。それから、今後の見通しはどうなのか。あと、素人的な意見かもしれませんが、博物館と違って文化財研究所のほうは博物館とまた違う特質を持っているかなと思うのですけれど、素人的に言うと、こちらのほうは割と比較的民間競争入札に任せられる部分が多いのかなというような印象を持っているのですけれど、この東京の事例を奈良にどうやって展開していく御予定なのかなと、この辺りをお伺いできればと思います。

【高比良独立行政法人支援室長】  まず市場化テストで、東京国立博物館と東京文化財研究所というのがあって、まずそこをやってみようということです。それは、先ほどの国立美術館よりもちょっとおくれて今やっておりまして、一つは21年の10月から、もう一つは22年の4月から入っております。ですから、まだ始まったばかりでございまして、今まさしくやってみているというところでございまして、もう少し時間がたたないと、その効果なり、その検証なりというのは難しいと思っております。それを検証した結果、有効に機能するのであれば、ほかの館にもということは、視野には入っております。それから、包括というのは、施設の運営管理という部分と、観覧者サービスというところで分かれていますので、今後はそれを包括的に考えられないかという意味の包括です。奈良文化財研究所は、もう既に民間委託を行っておりまして、奈良文化財研究所に民間競争入札を導入するかどうかは別問題でございます。

【野口臨時委員】  どうもありがとうございました。

【黒田壽二委員】  はい。ほかにございませんか。はい、岡本委員。

【岡本臨時委員】  よろしいですか。大きく言えば2つ、細かくは3つで、一つは、先ほどの美術館と同じように、交付金債務と交付金の関係を後でよろしくお願いしますということです。それから、もう1点は、大きな話で恐縮なんですけれど、どちらかというと文化庁、あるいは文科省の方から期待されてそうなったわけではないんだよと言われそうなのですけれど、こういう博物館業務と調査研究業務を統合されて大体3年ぐらいたったと思うのですけれども、実際にメリットというのをお感じになっていらっしゃるのか。これに関連しまして、今、鈴木文科副大臣のところでやっていらっしゃる研究所の見直しがありますね。その対応というのはどうなるのかということをお願いします。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい、わかりました。まず運営費交付金債務についてお答えしたいと思います。これにつきましての債務残高は、先ほども課長からありましたけれども、国立文化財機構のほうでも、列品の購入費が主でございます。相手があることであり、なかなかその年度できちんと買えない部分があるため残高が残っていると。それから、退職手当の部分が多くございます。それは退職手当を支給すれば無くなっていくということでございます。それから、文化財の修理の関係もありまして、それも、要するにその年度で残高が残っています。これもペーパーとしては出させていただきます。ただし、計画的に行っておりまして、22年度が最終年度でございますので、計画的に執行していくということで考えております。

【岡本臨時委員】  その点、おっしゃることは分かるような気がしますが、22年度には計画的にできると言われても、21年度までにできなくて、急にできるわけではないわけですよね。ですから、何を言いたいかというと、確かにこういう特殊と言ったら特殊な物品を購入するというのは、相手方もあるので、計画どおりにいかないという説明は分かるんですけれども、今までどういうふうな経緯というか、過去も買われてきているわけですよね、計画どおりにいった、いかないというのはあったんだろうと思うんです。もっと前にさかのぼると、単年度予算のときもあったわけですよね。そういうときから今までどうなってきた、逆に言うと、それをうまくコントロールしてといいますか、コントロールという言葉は悪いですね、管理していくというのは、こういうマネジメントの要素が今非常に要求されていますから、そういうことをやっていくことも、機構にとって必要じゃないかなという気がしますが、そのあたりの御質問をお願いしたいのと、それから、22年度のところはやはりこれは返されるのですよね。使わなかったら。

【高比良独立行政法人支援室長】  使わなければですね。

【岡本臨時委員】  国庫へ返されるのですね。

【高比良独立行政法人支援室長】  使わなければ。

【岡本臨時委員】  わかりました。

【高比良独立行政法人支援室長】  次に統合のメリットでございます。たくさんありますが、一番分かりやすいのは、統合後、東京文化財研究所に保存修復科学センターというのを新たに設けました。そこにおきましては、文化財の保存修復ということを科学的・総合的に、そこのセンターでやるわけですが、国立博物館や奈良文化財研究所の研究員が、そこに併任する形にしまして、一体となって保存修復科学というものについて、連携をして研究を行うこととしたのが一つ目玉だと思います。あとは、それぞれの研究所が持っている研究成果、例えば東文研が開発した高精細のデジタル画像とか、近赤外線による蛍光反応みたいな先進的な手法を奈良国立博物館と共同で調査研究に活用している。また東文研で開発をしたIPMという総合的有害生物管理、こういうものを九博で実践するというような場としても、非常に統合効果があらわれていると思います。

【岡本臨時委員】  すみません、それは分かる。今おっしゃったようなメリットは分かりました。それはやっぱり、法人格が別の場合は連携ではできないんですね。

【高比良独立行政法人支援室長】  連携ではできない?

【岡本臨時委員】  そういうことはできないということですね。統合で今のメリットがあったので、連携だったらできにくかったと。

【高比良独立行政法人支援室長】  はい。やはりそこは、もともとがそれぞれ単独館でございました。それぞれの館が単独でやっておりましたので、連携をするとしても、強力な連携というのはなかなか難しいというのがあります。

【岡本臨時委員】  なるほど。そうすると、やっぱり独立行政法人として一体にやることによって、文化庁、文科省としても、そのよさを分かっているという御説明だと理解してよろしいわけですね。わかりました。

【吉田文化庁次長】  やはり独法として統合されたことによって、単独でそれぞれやっていたときよりも、よりシナジー効果を高めようという方向に行くことは確かだと思います。

【岡本臨時委員】  ただ、本質的に難しければ、いかに努力してもならない点はあると思いますので、そういうことを確認したかったんですけれど。それで、気になるのは、今後どうされるんですか、文科省の副大臣がやっていらっしゃる方は。

【吉田文化庁次長】  その点は、申し上げますと、研究開発法人の検討が、先ほどお話ありましたように、鈴木副大臣のもとで行われております。ただ、最初の方に、国立美術館のところで申し上げましたけれども、私どもの方でも、文化施設、これは博物館、美術館、それから、それに関連する施設の関係の特別の類型を考えてみようということで、これから検討を始めますけれども、その中で、いわゆるこういった研究所的なものをどちらに位置づけるかということも、一つの論点にはなってこようかとは思います。今の段階では、研究開発法人の方に行くのか、それとも、新しい文化関係の法人類型の方に行くのかというのは結論が出ておりませんけれども、やはりこれまで統合して、せっかくそのシナジー効果も今高まってきているというようなこともありますので、今の段階では、こういった国立文化施設の一環としてとらえていくのがいいのかなというふうに思っています。ただ、今後の検討次第でございます。

【岡本臨時委員】  ありがとうございました。

【黒田(壽)臨時委員】  よろしいですか。

【岡本臨時委員】  はい。

【黒田(壽)臨時委員】  ほかにございませんか。大体よろしいですか。
 それでは、時間も参りましたので、ここで国立文化財機構についての御議論をいったん打ち切らせていただきます。
 本日御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力を賜りまして、ありがとうございました。
 当分科会といたしましては、本日の議論などを踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じてワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。
 文化庁の皆様方は御退席をいただいて結構です。どうもありがとうございました。
 以上で、本日予定の見直し当初案に関する府省からのヒアリングを終了いたします。
 最後に、事務局から報告事項がありますので、御説明をお願いいたします。

【横山評価監視官】  はい。お手元に、独立行政法人評価分科会における府省ヒアリングの日程をお配りさせていただいています。次回の日程でありますが、13日、月曜日、同じ庁舎でありますが、中央合同庁舎2号館の10階の第1会議室で開催させていただきます。財務省と国土交通省からヒアリングをする予定になっております。どうかよろしくお願いします。

【黒田(壽)臨時委員】  ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会を終了いたします。
 本日は、御多用の中、御出席を賜りまして、ありがとうございました。


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