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政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会(9月15日開催)議事録

日時

平成22年9月15日(水)10時30分から13時00分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 第1特別会議室

出席者

(委員)
富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、縣公一郎、梅里良正、黒川行治、玉井克哉、荒張健、稲継裕昭、岡本義朗、田渕雪子の各臨時委員
(総務省)
宮島守男審議官、横山均評価監視官、平池栄一評価監視官、高橋巧調査官、平野誠調査官、萬谷優人調査官

議題

(1) 見直し当初案に関する府省ヒアリング(文部科学省、厚生労働省、防衛省)
(2) 報告事項

配布資料

会議経過

【富田分科会長】  時間になりましたので、ただ今から政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたします。
 本日は、昨日に続きまして今年度の見直し対象となっております43法人のうち、文部科学省所管2法人、厚生労働省所管2法人及び防衛省所管1法人の見直し当初案についてのヒアリングを行います。
 まず、文部科学省所管2法人の見直し当初案につきましてヒアリングを行います。文部科学省、戸渡審議官をはじめ、御担当の皆様にお越しいただきました。それでは、物質・材料研究機構及び放射線医学総合研究所の2法人の見直し当初案の主要なポイントにつきまして、文部科学省から御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。
 まず、物質・材料研究機構につきまして戸渡審議官から御説明をお願いいたします。全体の時間の関係もございますので、御説明を5分程度でお願いいたします。

【戸渡審議官】  失礼いたします。担当の戸渡と申しますが、私からまず物質・材料研究機構の当初案の見直しの概要につきまして、資料1−2−(1)に基づきまして御説明をさせていただきます。まず、めくっていただきまして2ページ目でございますけれども、機構が置かれております状況といたしまして、ナノテクノロジー・材料分野の国際的動向に簡単に触れさせていただきたいと思います。ポイントは3点ございます。
 1つは、現在、我が国は学術面では物理や科学、産業面では素材産業が強いということを背景といたしまして、ナノテクノロジー・材料分野におきまして欧米と比肩して世界をリードしております。ただ、近年、欧米やアジアを中心に主要国がこの分野へ投資を強化しておりまして、国際競争はますます過熱している状況でございまして、比較優位を保つということは容易ではない状況になってきております。例えば最近ではオバマ政権のグリーンニューディール政策の柱といたしまして、全米に46のエネルギーフロンティア研究センターが設置されましたが、10年近くかけて選考されました課題の8割以上がナノテクノロジーでございまして、環境・エネルギー分野におけるナノテクノロジーの重要性に対する認識というものが高まってきているという状況にございます。
 3ページ目でございますが、そういった中で機構の使命ということでございますけれども、第1点目は世界最高水準の共通基盤技術と高品質の材料基礎データの創出、2点目が革新的材料機能の探索と技術シーズの創成、3点目が世界最高水準の技術創出を可能とする先駆的、国際的な研究組織・環境の構築というこの3つが挙げられるわけでございます。さらに、機構の事業につきましては、左下の図に示しておりますように科学的成果の創出から多様な分野への技術シーズの橋渡しというところまで着実に実績を上げてきているところでございますが、こうしたプロセスを長期的展望に立って実施しているという点に特徴がございます。
 このような機構の事業の見直しに関しまして、文部科学省の独法評価委員会等で行われました議論では、先端的共通基盤技術の強化、社会への成果還元のより一層の具体化、研究グループ間の連携強化といったことなどについて指摘がなされておりまして、それを踏まえまして事業の見直しというものを進めていくということで、社会的課題の解決により積極的に貢献できるように、また、プロジェクトを重点化、大ぐくり化するといったことを見直しの方向性としてございます。
 めくっていただきまして4ページ目以降は機構の事業の見直しの各論を説明してございます。まず、研究事業の見直しについてでございますけれども、大きく2つの事業から成り立っておりますが、1点目のナノテクノロジーを活用する新物質・新材料創成のための研究という点でございますが、ここにつきましては現行機関ではプロジェクトは4領域15プロジェクトに分かれておりましたけれども、これらを計測、シミュレーション、組織制御など共通的に必要となる技術及びナノスケール特有の現象・機能を探索する挑戦的な研究課題というものに重点化し、2領域9プロジェクトに再編をしてございますが、これは先ほどの御指摘等踏まえまして方法論の共有というものを軸として再編をしたということでございます。
 もう一つの事業でございます社会的ニーズにこたえる材料高度化のための研究開発でございますが、現行では2領域15プロジェクトに分かれておりましたけれども、新成長戦略、あるいは国際動向といったことを踏まえまして環境・エネルギー・資源分野の課題解決というものを目指す研究課題というものに重点化いたしまして、1領域10プロジェクトに再編をいたします。この再編は先ほどの独法評価委員会等での御指摘を踏まえた課題の共有というものを軸とした再編ということでございます。
 それから、5ページ目でございますが、3つ目の事業でございます成果の普及とその活用の促進及び物質・材料研究の中核的機関としての活動の見直しという点でございます。まず、社会への働きかけの強化という点につきましては、機構が有します技術シーズというものを広く社会において活用されるように経営陣が前面に立って積極的に実用化機関側に働きかけをしていく。また、機構の施設共用のサービスを強化するとともに、全国のナノテク研究設備の共同利用のハブとしての機能を充実していくということとしてございます。
 また、世界トップレベルの研究拠点を牽引力といたしまして、事務部門のバイリンガル化なども進めて、頭脳循環の中での存在感を発揮できる研究体制の整備を行っていくという方向でございます。
 それから、6ページ目でございますが、組織の見直しに係る当初案の点でございます。まず、既存の東京会議室につきましては、これを廃止いたしまして23年度から他法人との共用化を進めるということで調整を実施中でございます。その際、借料等の削減を行うということとしてございます。また、保有資産につきましては、23年度中に目黒地区での実施業務というものをつくば地区へ集約化いたしまして、移転後は速やかに目黒地区の保有資産を処分するという方向で作業を進めてございます。また、自己収入の増加を目指しまして、連携強化等による民間資金の更なる増加、知的財産の有効活用などを推進することとしております。
 また、管理運営の適正化という点では、コンプライアンスにつきましてトップマネジメントを強化するとともに、業務の効率化といたしましてITシステムの統合、更新、液体ヘリウムの再利用といったことなどにより経費削減に努めていくということとしてございます。また、随意契約等の見直しにつきましては、審査体制の強化、あるいは応札参加者の拡大といったことに着実に取組を進めていくということとしてございます。
 大変簡単ではございますが、組織見直し当初案の概要、以上でございます。

【富田分科会長】  はい。御説明ありがとうございました。
 それでは、ただ今御説明がございました物質・材料研究機構の見直し当初案につきまして御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。
 梅里委員、どうぞ。

【梅里臨時委員】  大変重要な研究開発をされているということはよく理解できるのですが、基本的には基礎的・基盤的研究をして、民間で投資をした場合にとても採算に合わないというようなものを支援していくという役割を担っているという認識でよろしゅうございますかね。そうしますと、公的な資本が投入されているということもありますと、まず1つは、これらによって一般企業に実質的に供与された技術の実績、どのようなものがあるのかという点と、それから、その場合に企業に提供される場合の技術移転のときに公正性が必要になると思うのですけれども、この辺の考え方ですね。たしかベンチャーの支援もされていると思うので、その辺にも共通するかと思うのですけれども、技術供与するときの供与を受ける企業側の代償といいますか、その辺についての考え方。それから、そういう意味では外国の企業等はその技術は利用できないというような歯止めがかかっているのかどうか、この辺について教えていただきたいと思います。

【富田分科会長】  お願いいたします。

【戸渡審議官】  それでは、まず第1点目のどのような技術移転等があったかという例でございますけれども、1つは次世代白色LEDのための発光材料ということで、蛍光体につきまして、これらはもう既に低消費電力LED照明、あるいは液晶テレビ、携帯電話などへの適用ということで企業が実用化をしてございまして、特許料収入の実施料も2億円弱ぐらいが入ってきているといったようなものがございますし、新世紀耐熱材料プロジェクトという中では、いわゆるジェットエンジンに使われる、高温に耐える耐熱材料の製造、販売というものにつながっていっているということ。あるいはナノバイオ技術による機能生体材料ということでは、いわゆる病気や怪我で失われました骨組織を速やかに再生する人工骨材料というものを開発いたしまして、こちらも既に試験販売等が開始、実用化されているといったようなものにつながっている例がございます。それで、実用化につきましては、いわゆる国内企業については共同研究をやって共同特許を取ったような場合につきましては、共同特許を取った相手方が専用の実施権をまず持つということになりますが、それ以外の場合につきましては広く国内企業全般に対して同じ条件で開放しているということでございます。
 それから、外国企業につきましては、これはまさに日本の国民の税金で開発したわけでございますので、国内企業優先という考えもございますが、外国企業の場合には日本国における納税の可能性であるとか、あるいは雇用創出の可能性といった、そういったことも考慮した上で外国企業に対して特許実施権を与えるかどうかといったようなことは具体的に判断をしているという、そういう基本的な考え方のもとで取り組んでいるというところでございます。

【坂本室長】  若干の補足でございますが、ベンチャー企業の御指摘がございました。機構のシーズを活用してベンチャー企業を立ち上げる場合の支援というのは、これは他の法人につきましても行われているものと同様の条件で、機構内のスペース、装置を安価に利用できるであるとか、あるいは実施許諾に関して契約一時金の免除だとか、若干の優遇措置は機構も行うことによって、ベンチャー企業の育成を支援していくという制度はございます。これは規定をつくりまして、それにのっとってやっているという状況でございます。

【梅里臨時委員】  わずかばかりの支援ではなくて、かなりいい条件のように思うのですけれども、この辺については、ここまで優遇する必要があるのかどうかということと、その選定はどうなっているのでしょうか。

【坂本室長】  例えば居室なり、スペースなり、あるいは装置の利用料の設定とか、これは他の法人、例えば産総研とか、そういったところと大体並びというか、レベルをそろえているというふうに聞いております。

【富田分科会長】  よろしいですか。

【梅里臨時委員】  はい。

【富田分科会長】  玉井委員、どうぞ。

【玉井臨時委員】  関連してですけれども、今のベンチャー支援そのものは大変結構なことだと思いますけれども、また、他の法人についても同様の問題があるのかもしれませんが、支援自体は大変結構なのですが、非常に花開いて大変立派な企業になったというときに、それで税収が上がるので国としては大変結構なことだという整理もあり得るのですけれども、機構としてスペースの貸与など、あるいは低廉な価格で使用させていたようなことがありましたら、例えばストックオプションをもらっておくとか、いろいろなやり方で大きく花開いたときに、今お金をもらうというのは多分、ベンチャーの場合難しいと思いますので、そういったことを少しお考えいただけるとよいのかなと思います。

【坂本室長】  御指摘、ありがとうございます。まず、支援は長期間続くものではなくて時限でございまして、ある程度成長してきたら自動的にその条件は解除されるということになっております。ストックオプション等、そのベンチャー企業の状況にもよるかと思いますが、どういった形で優遇された分の回収ということができるか、少し検討させていただきたいと思います。

【玉井臨時委員】  それから、審議官から御説明があった知財戦略ですけれども、これはぜひ外国での出願を中心にしていただければという気がします。2つ理由がありまして、1つは、こういう世界最先端の研究組織ですので、当然、研究成果は英語で出てくると思うのですが、法人によりましては英語の論文を1回日本語に訳して日本特許庁に出願して、またそれを英語に訳してアメリカ特許庁に持っていくという無駄なことをしていまして、それで非常にコストがかかるということと、もう一つは、我々国民から見ましても、企業の国籍はどうでもいいと思うのです。ただ、国内で実施をして国内で雇用が生まれるというような場合は、別にライセンス料を取らなくてもいいわけですね。税収が上がるわけですから、国としてはプラスになるので、アメリカとか、中国とか、ベトナムとか、そういうところで実施するときはがっぽりとライセンス料を取っていただいて、それで日本の競争力を増すようにしていただきたいというのが恐らく国民の望みだと思いますので、是非御配慮いただければと思います。

【戸渡審議官】  外国への特許出願という点につきましては、御指摘の点を踏まえて検討していきたいと思っておりますが、御案内のとおり、やはり外国出願しますといろいろ経費もかかるものですから、機構の中におきましても何を外国出願するべきか、そういったところはきちんと審査をした上で有効なものを外国出願していくという方向でやっておりますが、引き続き御指摘を踏まえて取り組みたいと思っております。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。縣委員、どうぞ。

【縣臨時委員】  研究の内容につきましては、ある程度、今議論していただきましたので、間接部門のことについて少し伺いたいと思います。4ページでそれぞれ研究領域の重点化というのを図られたということでございまして、それで研究の実が更に上がるということだろうと思いますけれども、これに伴いまして貴機構の全体の組織再生というのはどのように変化していくのか、その点について現時点で分かっておられる体制の変化、それによってどれだけ効率的になる運営がなされるかということについて御説明いただきたいと思います。
 それから後2つ伺っていきますが、現状では研究分野ごとの事務職員の方の配置というのがかなり多様でばらつきがある。そういうことはどういう理由からそういうばらつきが出てくるのか。あるところには常勤の方がいらっしゃらなくても運営されているところがありますが、他方、たくさんいらっしゃる箇所もある。何かその理由があるかもしれませんけれども、そういうこととも関連させてお話しいただきたいと思います。
 それから、細かくなりますけれども、目黒、今度、最終的には売却されるということですから、それに伴って具体的にどういう職員の方の効率化が図られるのかということについて御説明いただきたいと思います。

【坂本室長】  まず、1点目の組織の再編でございますけれども、今、審議官のほうから領域数、プロジェクト数を集約していくという御説明がございましたが、これに伴って組織は実際に変化いたします。プロジェクトベースで組織が構成されておりますので、その再編に伴ってプロジェクトの責任者、その責任者のもとで活動する組織というものは、プロジェクトの再編によって変わっていくということで、先ほど大きく先端共通技術、あるいはナノスケール材料については、方法論の共有で組織が再編されていく。これはナノスケールの計測であるとか、あるいは分析技術を軸にして、そういった共有する技術なりに関連するプロジェクトに参加していた研究者が集まってくるということで組織が変わっていく。
 あるいは環境・エネルギー・資源材料領域でございますと、太陽電池の開発であるとか、蓄電池、二次電池の開発であるとか、燃料電池の開発だとかいろいろあるわけですけれども、その課題ごとに非常に基礎的な材料の組成、あるいはその現象を解明する研究者から、実際、その材料の性能を高めていく、そういう技術開発をやっている人までが1つのプロジェクトに集まってくる。そういう形で組織が再編されているということでございます。
 2点目の分野別の事務職員のばらつきにつきましては、今、手元にデータがないのですけれども、基本的には事務職員については外部資金の獲得であるとか、あるいはその契約の、要は予算の執行面の事務において、研究者をサポートするという意味で非常に重要な役割を担っていると認識しております。その実際の業務量に応じた配分をしていると考えておりますけれども、基本的には経費の節減というところも、この事務職員についても行っていきたいということで、非常勤化できるところは、できるだけ非常勤にシフトしていくというようなところは努力を引き続き進めているところでございます。
 最後の点でございますけれども、すみません、3点目。

【縣臨時委員】  目黒を。

【坂本室長】  すみません。目黒につきましては、こちらは目黒の管理で若干の人員がございましたので、つくばに集約することでその人員分の人件費の効率化は可能と考えております。その分は3,000万程度だと思いますけれども、人件費の削減を見込んでおります。

【縣臨時委員】  では、1点目、2点目についてお考えは分かりましたので、ある程度体制がはっきりされましたら、恐縮でございますけれども、明確に書面にてお示しいただけないでしょうか。

【戸渡審議官】  分かりました。後ほどまた提出させていただきます。

【富田分科会長】  はい。ほかにいかがでしょうか。黒川委員、どうぞ。

【黒川臨時委員】  ありがとうございました。御説明資料の2ページ目について、世界各国の状況をお示しいただきまして、ありがとうございました。こういうようなときには大体幾ら予算がついていて、それで我が国はまだ足りないとか、要するに危機感を持ってくれというのが大体常道なのですけれども、お金だけではなくて、研究というのは人です。こういう説明のときにどういうような、米国とか、ヨーロッパ、フランス、アジア、中国、韓国は、大学とか、あるいは企業とどういうような組織を組んでやっているのかという説明をしていただけると、では、我が国はどうなのだと。お金だけではよく分からない。ですから、これについてどうなのでしょうか。どのような、それぞれはそれぞれやっているのか。我が国、我々がお金だけ投入すればいいというものではないので、どういう組織にしたら一番いいのだろうかということをもし仮に海外のことをこういうふうに例で挙げるのであれば、何かいいことがあるのであればそこは学ばなければいけませんので、それについて御説明をお願いしたいと思います。
 それから、2番目は今言いました人なんですね。特に文科省ですから、これから次代を担う研究者育成という問題がありますので、お金だけ――何度も言いますけれども、お金だけ投入すればいいというものではありません。そこで、どういうふうにして若者たちを育て、それで研究員を確保していっているのだろうか。それについて文科省ですから、お考えだろうと思うのです。教えていただければと思っております。

【坂本室長】  まず1点目の組織的な構成というのは、これははっきり言いますと、我々も深く各国の状況に入り込んで分析がされているかというと、至らない部分もございますけれども、非常に基礎的な研究をいかに実用化、技術シーズに結びつけていくかというところはさまざまな工夫があると聞いております。まず、よく言う産学官のコンソーシアムをつくるということで、コンソーシアムというのはアンダーワンルーフ型の1拠点でやる場合もあれば、緩やかな連携という場合もある。こういった工夫もあれば、そのコンソーシアムをつくるにしても、さらに共用の設備、非常に高性能の計測設備であるとか、分析装置、あるいは加工装置という物の設備を軸として産学官の研究者が集まって、そこで課題を共有して、その基礎的なところから出てきた知見を製品化にダイレクトに結びつけていく。その試行錯誤をずっと繰り返すという組織をつくっているところは、そういった工夫もしているところもあるようでございます。
 いろいろなバリエーションがあるわけでございますが、この物質・材料研究機構は1つの物質・材料科学の拠点として今のような基礎科学から産業界の研究者にも参画していただいて、その課題を解決する。できるだけアンダーワンルーフ型で、分野はそんなにたくさんは広げられませんけれども、例えば環境・エネルギー分野で重要になっている太陽電池とか、蓄電池とか、そういったところの課題からでも、その基礎から出てきた、基礎研究から出てきた科学的知見というものを実際に一度製品に結びつけるような形で試してみて、だめであれば技術課題をフィードバックしていくような、そういった仕組みをつくれないかということを今、物質・材料研究機構では工夫をしつつございます。そういった形で海外のモデルというのは物質・材料研究機構の経営にもできるだけ反映させていただきたい、今後も努力は続けたいと思っております。
 あと、人材育成につきましては、物質・材料研究機構は国内、それから、海外の若手人材の育成にも非常に力を入れておりまして、例えばジュニア研究員制度ということで、博士課程の学生に対するリサーチアシスタント、ある程度生活的にも自立できるような待遇で研究に専念し、かつ学位論文を書いていただく、そういったところも充実しておりますし、さらにはICYSという仕組みをつくっておりまして、国際的に海外からの研究者が主体になるわけですけれども、そこで物材のテニュアのポストにつなげていって、ある意味、テニュアトラックの一仕組みとして、そういう海外の若手研究者を中心にした仕組みをつくるという形で人材育成を進めております。更には連携大学院という形で、国内の学生の育成ということにも努力しておりますので、幾つかのアプローチを使って人材育成にも積極的に貢献していきたい。物質・材料研究機構にもそれをお願いしているところでございます。

【富田分科会長】  黒川委員、よろしいですか。

【黒川臨時委員】  それでは、1分ぐらいいいですか。

【富田分科会長】  はい。どうぞ。

【黒川臨時委員】  では、1点目については少し組織の方、海外の方をお調べいただいて、もう少しいいアイディアとかがあったら学ぶというような姿勢でお願いしたいと思うのと、2番目は特に学生の確保について、今のはポストドクターとか、その辺のレベルのお話なのでしょうけれども、大学のときからこういう工学部、理系、どのぐらい予備軍というのでしょうか、興味を持って研究する人たち、各研究室の動向、こういうところに興味を持って大学の学生がどのぐらいいるのかとか、そういうところも文科省ですから気にしなくてはいけないと思うのです。
 それからその先に行くのは中高ですよね。そういうところからこういう科学技術みたいなものにどのぐらい興味を持っているのだろうか。特にナノテクというのは日本の得意な分野なのだから、こんなにすばらしいのだよということをどこまで小さい子供たちが知っているのだろうか。今のお話はポストドクターとか、最後のところの話なのですけれども、ぜひとも文科省ですから――何度も言いますけれども、もう少し下まで続けて、これからの10年、20年ということを考えて、何か少し頭の片隅でもいいですから、置いておいていただけないかなと思いました。

【戸渡審議官】  御指摘、ありがとうございます。まさに今、トップ、研究者に近いところから、今でもいろいろ小中高生を対象としたところ、そういったところから国民の理解を得ていく、あるいはアウトリーチ活動としてやっていくというところ、少しずつはやっておりますけれども、御指摘を踏まえて更にその点を強化していくような方向で考えてまいりたいと思っております。

【富田分科会長】  大体よろしゅうございますか。樫谷委員、どうぞ。

【樫谷分科会長代理】  黒川先生の今の質問とも関係するのですけれども、お金も非常に大事だと思うのです。各国がこのような相当の投資をしてくるということは、日本も負けずにやらなければいけない。ただ、国の方も当然限界がある。そうなると、1−2−(1)の最後に書いていただいていますように自己収入の拡大というのは極めて大事で、まだ民間からの資金というのは、委託というのはまだまだ極めて少ないのではないかと思いまして、ここは国内外のグローバル企業との連携強化によると書いてありますので、まさにそのとおりだと思うんですね。国内外、特に日本の会社は厳しいのかも分かりませんけれども、これについて具体的に、なかなか今厳しい、民間も厳しいわけですから、なかなかここに出す余裕はないと言われればそうなのですけれども、この更なる増加、これを促進すると書いてあるのですけれども、具体的にどういうことを考えて増やそうとしていらっしゃるのか、その辺をお聞きしたいと思います。

【戸渡審議官】  自己収入という点につきましては、努力はしているわけでございますが、急激に伸ばすというのはなかなか御指摘のとおり難しい点がございます。実績といたしましては、平成18年度の実績値で2億7,000万ほどでございましたけれども、21年度、5億円弱、4億9,800万というところまで増加してきております。内訳的には特許料の実収入というのが2億円弱、あと外部資金獲得による間接経費の収入というのが多いわけでございますが、特に企業からの研究助成金等を受ける、あるいは寄附金を受けるという点については、それぞれ数千万ずつぐらいの規模でございますので、そういったところにつきましてはトップが物材機構の特色、あるいは持っているポテンシャルというものを、よくトップマネジメントというか、御説明をして共同研究、あるいは寄附といったものをお願いしていくといったような取組、これを一層強化していきたいという方向で考えているところでございます。

【樫谷分科会長代理】  そういう努力をしていただきたいと思うのです。これは自己収入、民間資金の自己収入を稼ぐということはどういうことかというと、多分、これは世界のものすごい競争ですよね。激烈なる競争で、スピードも要求されると思うのです。基礎研究から早目に応用研究、それから製品化していかなければいけない。そうするとやっぱり民間にできるだけ参加してもらうという意味でも、やはり民間の資金を入れるということは民間も更に真剣になる話だと思いますので、単にお金を増やすということだけではなくて、早目に巻き込んでいくということをお考えになっていると思いますけれども、お金も絡めながら、連携というだけではなくてお金も絡めながら連携していただきたいと思いますので、ぜひ高い目標を持って民間資金の導入については進めていただけたら、結果は更にスピードアップするのではないかと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

【戸渡審議官】  御指摘、どうもありがとうございます。そういった方向で努めてまいりたいと思います。

【富田分科会長】  荒張委員、どうぞ。

【荒張臨時委員】  1つ教えていただきたいのですけれども、管理運営の適正化のところで、このマネジメント、特にトップマネジメントという言葉を非常に多用されているところなのですが、御案内のとおり独立行政法人の内部統制を強化していくという流れがあるとは思うのですが、実際に例えばこの法令遵守の例を1つ挙げたときに、このトップマネジメントというのは具体的にどういう管理運営をイメージして書かれておられるのでしょうか。まあ、まだ始まったばかりだと思うので、現状で行われていること、それから今後どういったレベルに持っていかれようとしているのか教えていただきたいのですけれども。

【坂本室長】  コンプライアンスにつきましては、物質・材料研究機構内のコンプライアンス体制として、これもまさに御指摘のとおり最近ですけれども、平成21年の初めに理事長を議長としますコンプライアンス推進会議、これは理事長直轄でコンプライアンスに関する重要事項、例えば法人全体の方針でありますとか、そういったものを決める。さらには具体的な事案を扱うコンプライアンス委員会というものを総務担当理事を中心として設置いたしました。こういった仕組みをつくりまして、コンプライアンス上問題のあるような事案について経営者が自らチェックをする。理事長自らがきちっとその状況を把握して、あるいはその対応状況についても把握をしていくという状況も今作りつつございます。
 さらには、職員の意識喚起につきましても定期的に注意喚起をするような広報、省内の広報もございますし、あと理事長からも直接メッセージを送るとか、そういった取組も今進みつつある。そういったことを含めてトップマネジメントの強化ということをここで表現させていただいております。

【荒張臨時委員】  というと、特に今その把握ということをおっしゃっていましたけれども、積極的にリスクマネジメントのような、こういう問題が起こりそうだとか、そういったレベルについてはまだお考えにはなっていないということなのですかね。今、実際に起こった事案について判断するという段階と理解しますが。

【坂本室長】  研究所ですので危険物の取扱いとかもありますけれども、安全管理につきましてリスク要因というものの分析というのは、今少しずつ進みつつあるという状況でございます。あと教育ですね。未然防止ということを教育も取り組みつつあるということでございます。

【荒張臨時委員】  はい。ありがとうございました。

【富田分科会長】  よろしいですか。では、岡本委員、どうぞ。これで最後の質問とします。

【岡本臨時委員】  私も同じところが気になっておりまして、コンプライアンスという言い方の前に「法令遵守等」と書いていらっしゃる。通常、コンプライアンスというのは今おっしゃったようにリスク管理でありますとか、法令遵守の意味合いなのですが、この「等」の中に、もちろんコンプライアンスという意味、法令遵守という意味においては強化していくのがいいということなのですけれども、この法人の与えられているミッションでありますとか、あるいはアウトカム、アウトプットをいかに効果的に発揮していくかというような、いわゆる経営的な要素という意味合いをちょっと強調させていただいたような管理運営にかかわる今後の方向性というのはあまり意識されていないでしょうか。あるいは意識されていらっしゃるのであれば、どういうことを具体的になさっていらっしゃるかということをお伺いさせていただきたい。

【戸渡審議官】  そこの部分につきましては、研究の部分のマネジメント、ガバナンスを高めていくという点につきましては、今、理事長の下に28のセンター、あるいはその研究領域というのが、センターがあって研究を進めているわけですけれども、それぞれの中間に領域のコーディネーターに相当するような方を置いて、より全体を理事長の方針の下でしっかり目標に向かって研究が進められるようにという、そういう体制を構築していくという方向で研究業務面についてもガバナンス強化を図っていこうという取組は今、これから取り組もうとしているところでございます。

【富田分科会長】  それでは、時間の都合もありますので、物質・材料研究機構については、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力を賜りましてありがとうございます。当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、主要な事務・事業の見直しに関する審議を今後更に深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じ、ワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【戸渡審議官】  どうもありがとうございました。


(陪席者入替え)


【富田分科会長】  続きまして、放射線医学総合研究所について、引き続き戸渡審議官から御説明をお願いいたします。繰り返しになりますけれども、全体の時間の関係もありますので、御説明は5分程度でお願いいたします。

【戸渡審議官】  それでは、放医研の見直し当初案につきまして、私から概要を御説明させていただきたいと思います。資料2−2−(2)を御覧いただければと存じます。めくっていただきまして2ページ目でございます。事業見直しのポイントという点でございますが、まず、一番左上のボックスをごらんいただければと思いますが、国の基本政策の1つでございますがん対策推進基本計画というものでは、重粒子線治療というもの、重粒子線等の放射線治療というものが最重要課題の1つということで指定をされてございます。また、原子力安全委員会におけます第2期重点安全研究計画、あるいは中央防災会議の防災基本計画というものにおきまして、放医研については技術支援機関、あるいは国の三次被ばく医療機関というものにそれぞれ指定をされているわけでございます。
 これらの機能、施策というものは、いずれも責任ある体制で実施するということが必要でございまして、その役割を担っておりますのが放医研ということでございます。左下に示しておりますように、放医研では重粒子線治療や分子イメージング研究開発の推進、2点目の放射線影響防護分野の国内の拠点としての機能、3点目の緊急被ばく医療の中核機関としての行政支援という役割、機能を担っておりまして、こういった機能を十分に発揮していけるような方向で次期中期目標についても見直しを図っていくという方向で考えているところでございます。こういった機能の実施に向けまして、右の方に書いてございますが、次期中期目標では基礎研究から実用化研究まで、出口を意識した目標設定によりまして施策を推進していくということを基本といたしまして、文科省におきます、独法評価委員会におきます議論等も踏まえて事業の見直し、重点化というものを図っているところでございます。
 まず、放射線に関するライフサイエンス研究分野につきましては、重粒子線治療の適用対象となる腫瘍、その部位の拡大についての研究への重点化。あるいはがん治療との融合を目指した診断技術開発への重点化というもの、また、放射線安全・緊急被ばく医療研究分野につきましては、放射線治療診断のリスク・ベネフィットを評価する医療被ばく評価研究に新たに着手いたしますとともに、被ばく事故時に想定されます複合障害の診断と治療のための研究への重点化というものを進める方向でございます。そのほか公的機関としての機能強化として若手人材育成など、また、国際的プレゼンス強化という点では重粒子線がん治療の国際展開なども強化していくという方向でございます。
 次に、2ページ目を御覧いただきたいと思います。こちらは見直し後の事業の全体像という概念図でございます。左半分は放射線の医学的利用の推進、つまり、ベネフィットに関する研究でございまして、右半分のほうが放射線の規制、つまり、リスク評価や緊急被ばく医療に関する研究と位置付けられる部分でございます。真ん中にございます新規課題となる医療被ばく評価研究につきましては、現在、世界規模で患者の医療被ばくというものが増加しているということが問題となっております。この点につきまして我が国ではその調査が遅れているということが指摘されているところでございまして、放医研では今まで蓄積をいたしましたデータ、あるいは他の医療機関にあるデータというものを用いて定量的に検討を始めていくということといたしたいと考えております。
 また、放射線利用によりまして国民が受けるベネフィットと放射線被ばくによるリスクの研究というものが密接に連携いたしますこと、また、オールジャパンを見据えた基盤技術研究、あるいは人材育成といったものを通じまして研究成果を社会に還元するということで国民の健康と安全・安心への確保への貢献というものをより強化する見直し内容となっていると考えてございます。
 次に3ページ目を御覧いただきたいと思います。こちらは組織や運営の効率化・自律化に向けた見直しの点でございます。ここでは厳しい行財政環境の中で研究の活力を維持し、成果を上げるということを基本方針といたしまして、第2期の中期目標期間中に行いました組織体制合理化、経費の効率化、一般管理費の削減、アクションプランの実施というそれぞれの内容を踏まえまして、更に効率化と自律化を進めていきたいと考えております。
 なお、1点、監事、あるいは評価委員会からは経常費用における一般管理費の割合につきまして、他機関に比べると低い状況にまで達しているのではないかということで、過度の一般管理費の削減というものによって職員の質やモチベーションの低下というものにつながらないよう留意、注意しつつ進める必要があるといった御指摘もいただいているところでございまして、こういった点も踏まえながら取り組んでまいりたいと思ってございます。
 第3期ではこういった指摘に留意しながら、より一層の契約の適正化、また予算の適切な執行管理、管理運営業務の効率化と集中化、国外の専門家によります評価、助言の実施というものを行ってまいります。また、これは当然ではございますが、定常的にPDCAサイクルを回すとともに、システムが形骸化しているということを防ぐよう随時の見直しに取り組んでまいりたいと思ってございます。
 4ページ以下の資料は事業の見直し案等を整理した資料でございますので、また適宜御参照をいただければと思います。概要の説明は以上でございます。

【富田分科会長】  御説明、ありがとうございました。
 それでは、放射線医学総合研究所の見直し当初案に関しまして御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。
 どうぞ、梅里委員。

【梅里臨時委員】  この重粒子線の治療についてなのですけれども、大変重要な治療技術であることは疑う余地がないと思うのですが、できるだけ早くこの技術を均てん化していくといいますか、一般で利用できる形にしていくということが重要だと思いますが、これについてどのような展開をしていくのか、我が国全体でのニーズに対してどのくらいの施設が必要だと、適用が広がるとまた変わるとは思うのですが、現時点でどのくらいの施設が必要だと考えておられるのかというのが物理的なアクセスという面での検討と、それからもう一つ、経済的なアクセスという面で、今年の6月に先進医療に入ったと資料に書かれていたのですけれども、保険適用に向けてのどのようなお考えをお持ちなのかということについて伺いたいと思います。

【渡辺戦略官】  大変貴重な御指摘ありがとうございます。まず、この重粒子線の治療装置そのもの、放医研が16年前につくりまして、2番目の施設が兵庫県にできて、3番目の施設が今年の6月から先進医療に関しまして群馬大学でございます。それで、全国、その後、今、佐賀県に建設が間もなく開始されるというのがございますけれども、残念ながら現時点においては全国に一体何箇所のこの重粒子線の装置を設置するのか、それらに対して国としてどういう形でこれらをサポートしていくのかということについては、現時点ではまだ明確な方針等は作成できておりません。
 これは当省のみならず厚生労働省等、関係府省と今後調整が必要になってくると思いますけれども、現時点ではそこまで行っておりませんが、ただ、現在、年間約65万人、新たにがんの患者さんが罹患しております中で、おおむね具体的に放射線治療が適用される方々、実際、適用されても、今、日本国内で放射線の治療を選ぶ方というのは海外に比べても少ないのですけれども、そういった方々も含めて、恐らく潜在的には数万人程度はいるのではないかとは試算がございます。ただ、これについてはより精細な試算をすべく、放医研において調査を今現在行っているところでございます。
 したがいまして、仮にそうした数万人規模の方々すべてに適用しようとすると、恐らく今、放医研が現在、昨年度700人ですので、全く数が足りないのですが、ただ、1施設当たりまだ100億円以上の経費がかかりますので、そうした経費、後段に質問がございました経済的な面ということでありますけれども、当然、初期の建設コスト、それから、実際の治療にかかるコスト、ランニングコストも含めて、いかにして低減できるかということにつきましても来年度以降、特に建設コストを劇的に削減できるような、研究開発に着手できるような調査研究を行っていきたいと考えております。
 経済的な面で均てん化を目指しては保険収載についても厚生労働省の中医協でも議論があるところではありますけれども、我々としても何とかそういった保険収載に向けての施設を少しでも多くできるような方向で調整していきたいと考えております。

【富田分科会長】  縣委員、どうぞ。

【縣臨時委員】  今のことですが、1ページ目に重粒子線がん治療の国際展開の加速と書いてありまして、国際的プレゼンスを強化しなければいけないと認識されておられるとすれば、今、まず国内の見通しが立っていないとおっしゃられますと、国際的にもどういうふうに考えるのかということについてはなおさらお考えではないのかと続けて伺わなければいけません。国内で3カ所、4カ所できてきますと、これは必ずしも国内だけに効用がとどまるものではない。昨今ではメディカルツーリズムという概念があって、そういう医療機器を中心として海外からも人が入ってくるということが言われています。特にこの最先端の医療技術というのは、国内でもちろん保険制度に入ってくるということもありますけれども、国外のニーズというのはそれを超えて流入してくる可能性は十分ある。そこまでお考えいただいて国内の状況、それから、国際的な広がりということを早急にお考えいただくことは可能でしょうか。

【戸渡審議官】  よろしいでしょうか。

【富田分科会長】  はい。どうぞ。

【戸渡審議官】  放医研におきましては、先ほどのすべての患者、要望される患者さんに対してどれだけ施設展開をしていくかといったようなところは、放医研単独でできる部分ではなくて、放医研の開発した装置、技術というものを使って実際の治療現場というものについては厚生労働省さんとか、関係のところと協力しながら進めていく必要があります。
 放医研といたしましては国際展開というところについても、放医研が開発して実績5,000以上の症例とデータを持つ放医研のシステムということが国際的な標準になっていくようにということで、現在の装置についても展開していく上ではやはりそれのメンテナンス、あるいはそれを使っての治療技術というものをできる人が外国にもいることがスタンダードとして広がっていくという点で、いろいろ要望のある外国の方の医療関係者の研修であるとか、そういう放医研が開発しました方式というものが国際スタンダード、デファクトスタンダードになっていくような形での支援というものを放医研として展開しつつ、国際展開に当たっては、他の関係機関とも協力をとりながら、そういう人材育成の部分もセットで展開をしていくような、そういう取組を関係機関と協力しながら放医研として貢献をしていくという方向で取り組んでいきたいということで考えているところでございます。

【縣臨時委員】  主務大臣の下での研究機関としての独立行政法人の在り方ということを前提に話されておられて、それはよく分かります。ただ、これだけ重要なことで国際的に広がりがあるということをみんなが認識しているわけですから、是非貴研究所でも他機関との協力について積極的にイニシアティブをとっていただきたいと思います。

【戸渡審議官】  御指摘ありがとうございます。それとすみません、もう1点、やはりこれを広げていくには今の施設と装置というのはかなり、放医研にあるものを群馬大学は3分の1程度の大きさと経費も安くしたわけでございますが、更なる小型化と照射技術の開発によって日帰り治療というものが可能になるような、患者さん1人当たりの治療時間の短縮というものを同時並行で研究開発を進めていくことによって、より広がりをつくって多くの患者さんを救える方向に向かっているということで、放医研といたしましては、そういう小型化、あるいは治療技術の開発というものも同時並行で進めながら、その成果を早く実際の医療現場に展開をしていくという方向を目指して取り組んでいきたいというのが次期の計画の全体的な考え方でございます。

【渡辺戦略官】  1点補足させていただきます。特に海外、あるいは海外のみならず国内の普及も含めてそうですけれども、海外の機関もかなりこの技術に関心を持っておりまして、ただ、この技術は単に装置をメーカーが輸出すれば動くというものではなくて、これは、勝手に装置だけ造って、勝手に向こうで治療して、ただやっぱりうまくできなくて、逆に患者さんが亡くなるということがあってはならないので、そこはむしろ、我々放医研で開発した治療のプロトコルも含めて、人材育成とセットでやっていきたいと考えています。
 そういった意味で、今既に海外の10を超える機関と協力、MOUを結んでおりまして、特に人材の育成の部分で貢献していく。それは当然、とりもなおさず放医研のプロトコルをスタンダードとして展開できるという側面と、それと実際にメーカーが海外に装置を建設等、輸出していく場合でもセットで取り組んでいけるように、そういったことについても来年度以降、予算の中でも、今、政務三役の御支援も得ながら取り組んでいきたいと考えております。そうしたことで恐らくコストダウンにもつながると考えております。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。玉井委員、どうぞ。

【玉井臨時委員】  今の縣委員、梅里委員の御質問とも関係するのですけれども、この世界に優れた技術を、日本発のものをあまねく普及していくというのは、これもとても大事なことですし、日本国としてやらなければいけないことですけれども、同時に随分お金もかかっていることですから、回収も考えなければいけない。2点ありまして、1つは先ほどの医療ツーリズムのようなやり方で回収できないかということで、極論すれば世界中の金持ち100人ぐらいに1人1億円ぐらい持ってきてもらえば100億円の原資は出るというような考え方でやろうとすると、これは放医研さん単独ではなかなか、特に厚生労働省絡みのいろいろな制度的な問題もあるでしょうから、そこは本省の方で面倒見ていただかないといけないのではないかということがございます。
 それからもう一つは、海外に技術を移転していくというときに、すぐ特許権で押さえてということになると思うのですけれども、これもこういう先ほどの物材機構などと違って非常に応用がはっきりしたものについては、いわば餅は餅屋でありまして、しかも、その機械を作れるメーカーというのは日本国内でも数社に限られると思いますので、そこはもう思い切ってそちらに任せてしまって、そういう会社がライセンス料で取って日本に税金を払ってくれればいい。放医研に寄附してくれればいいというようにして、独法として知財を自分で取って管理するというと、すぐ何か特許の件数何件とかいう無意味な指標になってしまいますので、そこはもう思い切って民間にゆだねるというか、そういったことでもいいのではないかなという気がしておりまして、是非うまい方向に働くように本省としても御配慮いただければと思います。

【戸渡審議官】  今御指摘いただいた方向を含めて考えていきたいと思います。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。玉井委員、よろしいですか。

【玉井臨時委員】  はい。ありがとうございます。

【富田分科会長】  田渕委員、どうぞ。

【田渕臨時委員】  すみません、経費の効率化のところで随契の推進ということで、平成18年81.3%、20年9.1%、21年4.4%ということで取組が進められているということなのですが、これは件数ベースですか、金額ベースですか。

【渡辺戦略官】  これは件数ベースです。

【田渕臨時委員】  予算ベース、金額ベースではどのぐらいになりますか。もし今出ないようであれば。

【渡辺戦略官】  追って提出させていただきます。

【田渕臨時委員】  そうですね。どのくらいの金額になっているのか。金額が大きいと、1件当たりの随契の金額が多いと進んでいるとはあまり言い切れないものになりますので。

【渡辺戦略官】  分かりました。

【田渕臨時委員】  その辺り、よろしくお願いします。

【渡辺戦略官】  はい。ちなみに、御参考までに申し上げますと、今現在残っている4.4%の随契のそのものの内訳でございますけれども、これらは特定業者のみが可能な役務、保守、それから、水道と、電気は今、競争入札にしているのですけれども、どうしてもガスとか電話とか、あと初年度入札によって継続的なリースというのが、これが大体半分ぐらいになります。

【田渕臨時委員】  25件、今、随契になっているものに関して、その随契理由も合わせて御提示ください。

【渡辺戦略官】  はい。分かりました。

【富田分科会長】  どうぞ。

【戸渡審議官】  これも補足的で恐縮でございますけれども、契約、随契等の改善につきましては、所内に契約監視委員会というものを設置いたしまして、その随意契約の内容につきましてもその妥当性、あるいはその仕様書とかの妥当性とか、そういったものを含めて一者応札の件も含めて点検をして、改善すべき点等を指摘いただいてやっているということでございますが、随契につきましては、いずれもその監視委員会等におきましては適切なものということでの評価はいただいております。御指摘いただきましたデータにつきましては、また後ほど提出させていただきます。

【田渕臨時委員】  契約監視委員会等での内容も明らかにされた方がよいと思います。

【渡辺戦略官】  分かりました。資料を提出いたします。

【富田分科会長】  大体よろしいでしょうか。それでは、時間の都合もありますので、放射線医学総合研究所につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力賜りまして大変ありがとうございます。当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、主要な事務・事業の見直しに関する議論を更に深めてまいりたいと思いますので、御協力、引き続きよろしくお願いいたします。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は事務局を通じまして照会させていただいたり、また、必要に応じワーキング・グループでヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【戸渡審議官】  ありがとうございました。

【渡辺戦略官】  ありがとうございました。


(文部科学省 退席)


【富田分科会長】  それでは、厚生労働省所管2法人の見直し当初案につきましてヒアリングを行います。厚生労働省、矢島審議官をはじめ、御担当の皆様にお越しいただきました。
 それでは、国立健康・栄養研究所及び労働安全衛生総合研究所の2法人の見直し当初案の主要なポイントにつきまして御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。まず、国立健康・栄養研究所について、矢島審議官から御説明をお願いいたします。御説明、全体の時間の関係もありますので5分程度でお願いいたします。

【矢島審議官】  お手元のこの資料に基づきまして説明をさせていただきます。国立健康・栄養研究所、組織・業務全般の見直しの当初案でございます。概算要求を踏まえまして財務省に予算要求、いろいろさせていただいておりますけれども、概算要求を踏まえまして厚生労働省としての当初の考え方、これからいろいろと詰まってくるわけですけれども、それを踏まえまして厚生労働省として当初案としてまとめたものでございます。
 まず、1点目でございますが、事務・事業の見直しのポイントでございます。制度自体の見直しということで、これは御指摘をいただいていますが、栄養情報担当者、NR制度、これまでは国立健康・栄養研究所が担当しておりましたけれども、長妻厚生労働大臣の指導の下、省内事業仕分け、政治主導という形で省内で事業仕分けが行われました。その結果を踏まえまして、厚生労働省の中でも事業仕分けを行いまして、このNR制度に当該研究所が関与しないということを前提に第三者機関へ事業を移管するという方向で作業が進んでおります。ただし、その中では科学的な水準の維持ですとか、中立公正な制度運営を確保するようにという留意点、それから、既に資格を有している方がいらっしゃいますので、支障を来さないように配慮することが必要であるということが指摘をされております。
 2番目でございます。内容を見直し、推進する事項といたしまして、まず調査研究でございますけれども、これまでは国の厚生労働省の施策ということで、国民健康・栄養調査、食事摂取基準、運動基準、「健康日本21」、これを踏まえた研究という形でございましたけれども、これからはやはり個別の予防を効率的にやっていくということで組織の見直しを行いまして、生活習慣の予防対策、特に国だけではなくて地方自治体も取り組んでおりますので、各地方自治体の施策の提言に資するよう研究を進めていく。国民にも分かりやすい情報の提供、自治体、そういうところが施策を進める場合に科学的根拠に基づきできるような施策の提言、情報の提供、そういうものを行っていきたいと思っています。
 具体的な中身ですけれども、例えば生活習慣病と言っても多くございますので、最近はやはり糖尿病、学会の方も診断基準が新しく見直しがされております。特に糖尿病といっても、その年齢によって違います。最近は子供の糖尿病ですとか、やはり高齢者が増えてきました。広く生活習慣病というのではなくて絞っていくこと、個人の生活、ライフスタイルに合わせた形で持っていくということが大事ではないかと考えています。
 それから、健康増進法に基づきます業務につきましては、これは法定業務でございます収去食品の試験、これにつきましては消費者庁の関係がございますので、そこのところとの連携をしていかなければいけないのですけれども、その中でやはり国民健康・栄養調査を効率的に実施していきたい。先ほど示しましたけれども、科学的根拠に基づく施策というものを進めていきたいと思っています。
 それから、最近はアジアの諸国、特に先ほど糖尿病の話をさせていただきましたけれども、お米を食べる民族、欧米の肉食の人種と違いまして米を主食とするところでは、やはり同じ糖尿病でも違うのではないだろうかということが出ていますので、特にアジア諸国とのネットワークが重要だと考えています。現在、WHOの研究協力センターの指定に向けて準備を進めさせていただいております。特にアジアには栄養に関するWHO研究協力センターがございませんので、やはり日本の持っているノウハウをアジアの諸国に対しても情報提供できるような、そういうシステムを作っていければと思っています。
 知的財産につきましても、その部門を設置いたしまして産学連携ができるように推進をしていきたいと考えております。
 次のページ、裏、2枚目をお願いいたします。研究組織の見直し、統合案のポイントでございますが、独立行政法人整理合理化計画、これは19年の閣議決定でございますけれども、それでは医薬基盤研究所との統合に向けやるようにということでございますが、昨年12月の閣議決定でこれが凍結をされております。その後、研究開発法人のあり方の検討会、これは文部科学省、内閣府でございますが、独立行政法人・公益法人等の抜本改革に向けた当面の進め方というような動向も踏まえまして、他の研究開発型の独立行政法人との統合を行うという形で、具体的には労働安全衛生総合研究所も踏まえまして、基盤研と労働安全衛生総合研究所の3つ合わせましてそういうような形での統合を今検討しているところでございます。これも厚生労働省の中での大臣の指示を踏まえまして、2つだけではなく、そこまで広げて検討をするようにという指示で、今、その検討を進めさせていただいております。
 組織の見直し当初案のポイントでございますが、来年度に向けましてはまず管理部門1名を削減しております。23年度以降、他の研究開発型の独立行政法人との統合、これは先ほど申しましたけれども、医薬基盤研究所、それから労働安全衛生総合研究所との統合をできますと、更に役員2名、事務職員3名を削減できます。その結果、年間約5,300万円の削減効果が期待できると考えております。随意契約の見直し等の取引の関係でございますが、入札におきまして競争性を確保する。経費削減、自己収入の拡大につきましては、公募研究の確保ですとか、競争的資金の獲得を目指します。また、研究施設、プールですとか、運動フロアを持っていますので、それらの研究施設も有効活用していきたいと思っています。
 管理運営の適正化に関しましては、先ほどの統合がうまくいきますと、役員2名、事務職員4名を削減することにより一層の削減効果が期待できると考えています。ラスパイレス指数の関係でございますが、年齢勘案では100を超えておりますが、今後、中途採用などをやることによって抑制をしていくということを考えております。
 以上でございます。

【富田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、国立健康・栄養研究所の見直し当初案につきまして、御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。
 梅里委員、どうぞ。

【梅里臨時委員】  御説明どうもありがとうございました。説明の中で国民にも分かりやすい情報提供、これは非常に重要だと思うのです。この情報提供によって国民の生活習慣にも影響を与え、自己管理が進むという、その具体的なアクションとか、結果に結びつくような情報提供をしていくことが大変重要だと思うのですけれども、そういう意味では、これから具体的にどういうような形で、そういうアクションをとらせるための情報提供をしていくようにお考えなのか。お考えがあれば教えていただければと思います。

【矢島審議官】  平成20年度から実施されましたメタボ検診、皆さん方、検診で腹囲を測るようになったと思いますが、実はこの科学的な根拠はこの国立健康・栄養研究所のところで実施していますし、具体的には腹囲の測り方の標準化ですとか、いろいろな検診の仕方の標準化、それから、実際に検診を受けた後の説明の仕方、実際にその検診データを、それぞれの方々が検診を受けた後、検診データを見るわけですが、それをどういうふうに分かりやすく説明、医師・保健師、管理栄養士さんたちが説明するときにどういうふうに説明をしたら分かりやすくなるかというようなことも踏まえまして検討させていただきますし、やはり先ほど御説明をさせていただきましたように、生活習慣病といいましても糖尿病対策、特に食事の問題というのはかなり個人、個人によって違いますので、それぞれ個人、個人に合わせたような分かりやすい具体的な説明ができるような、そういうものを是非この中でそろえていきたいとも思っております。

【富田分科会長】  よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。縣委員、どうぞ。

【縣臨時委員】  組織統合につきまして、今日具体的に名前を出していただきました。それで、以前の案では医薬基盤研究所との統合ということだけでしたけれども、更にもう一つ加えている。そうしますと、まずシナジー効果として、今御説明では人員の数字がございましたけれども、研究内容はどういうふうにお考えでしょうか。この3つの分野というのは、専門外から見ますとちょっと違うなという気もするところがあるのですが、それをどのように研究上シナジー効果としてお出しになる方針でございましょうか。

【矢島審議官】  まず最初の医薬基盤研究所との統合につきましては、要するに医薬品、口から入る医薬品が医薬基盤研究所が得意とするところでして、国立健康・栄養研究所はどちらかというと食事なのですけれども、皆さん方、薬を飲みながら食事もするわけでありまして、そういうところの効果というものの総合的な研究というのも今までなかなかできていなかったのですが、まず医薬基盤研究所と国立健康・栄養研究所がやることによって、その分野の研究というものはかなり進んできますし、より生活に結びついたような形になっていくと期待しております。ですから、まずそことのシナジー効果があるのですが、プラスアルファ、労働安全衛生総合研究所になりますと、例えば職場ですとか、そういうところにおける健康づくりもかなり、例えば職場における食事の問題もありますけれども、あと休養という問題があります。
 特に国立健康・栄養研究所は栄養だけではなくて運動ですとか休養、そういうものの健康づくりの全般的なものをやっていますので、やはり疲労だとか、そういうことも含めまして職場での働きやストレスが結構あるところですから、そういうところではストレスがあることによって鬱だとか、そういうところの問題が出てくると思います。鬱までになりますとやはり専門外になりますけれども、睡眠だとかストレスをなくすためのいろいろなところというのは、職場の労働安全衛生の問題もかかわってきますので、そこの中での健康づくりの効果とか、そういうものも期待できるのではないかと思っていますが、これは正直言いましてまだ指示が出たばかりでありまして、まだ具体的な検討はやっておりませんので、これから具体的に、今御説明をさせていただきましたようなことも踏まえ、それから、安全というのをやはり、人間の日ごろの健康があってミスをしなくなるとか、いろいろな危険な作業環境の中でもどのようにしたらミスをなくす、事故をなくすのかということも出てくるかと思いますので、そこのところも踏まえてこれから効果が期待できると考えております。

【縣臨時委員】  研究の統合の方向性ということについて、今仰せになってよく分かりました。今後、まだ今検討中というお話でございますから、通常はそれを更にプロジェクト化するということになるだろうと思いますので、少し話が進められて、どのようにプロジェクトも再編されるのかということが決められましたら、是非書面にてお教えいただきたいと思います。

【矢島審議官】  はい。

【縣臨時委員】  それから、先ほどお話になった組織上の統合なのですが、具体的に数字を挙げていただいてすばらしいと思うのですけれども、他方、人員としてはこれぐらいの数であるのかという印象もあるのです。3つの研究所が、役員の方はそういうことだと思いますけれども、事務職員の方については3つの研究所が統合された場合は、ほかの場合にはもう少し一歩、二歩進んだ数字が出ていたような気もいたしますので、この点について、もう少し更に御検討いただけないかなと思いますが、いかがでしょうか。

【矢島審議官】  このところにつきましてはまだちょっと3つの統合の話が出たのが最近なものですから、まだ具体的にお示しできるレベルではございませんけれども、御指摘の点も踏まえまして中で検討させていただければと思います。

【富田分科会長】  ほかによろしいでしょうか。玉井委員、どうぞ。

【玉井臨時委員】  産学連携に力を入れられるということで、知的財産に係る部門を設置してというところがあるのですが、これは非常に大雑把な言い方で、かつあくまで一般論で恐縮ですが、独立行政法人、あるいは国立大学法人も同じなのですが、産学連携を進めて知的財産権に係る部門を設置すると、大体人件費倒れといいますか、到底人件費を回収できないということが多くて、かえってコストがかさむということがありますし、しかも、特許権を取ったりするものですから、かえって民間の業務を阻害するということもありまして、これは国民の目から見ると何をやっているのか分からないという例も間々ありますので、もしそういう方向にお進めならば、そうならないようによくよく注意してやっていただければと思います。もし危惧があるのであれば、むしろやらない方がいいかもしれないという気がいたしますので、是非よくお考えいただければと思います。

【矢島審議官】  はい。御指摘の知的財産に関しましては、多分、ほかの独立行政法人も同じようなことも承っていますし、専属で置くのかとかいうことも踏まえていろいろな議論があると聞いています。少なくともいろいろなところでの共同研究だとか、そういうこともありますので、御指摘のように人を配置したけれども、そんなに数がたくさん出てくるとか、無駄がないようにとかということの御指摘は必ず出ると思っていますので、少なくともこの部分は強化をする必要があるとは思っていますので、御指摘の点も踏まえまして無駄がないような方向を検討したいと思っております。

【富田分科会長】  よろしいでしょうか。それでは、国立健康・栄養研究所につきましては、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力を賜りましてありがとうございました。当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を更に深めてまいりたいと思いますので、御協力のほど引き続きよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は、後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じワーキング・グループで再度ヒアリングを行うことも考えておりますので、その際には是非とも御対応方、よろしくお願い申し上げます。御説明いただきました方には御退席いただきまして結構でございますけれども、引き続き労働安全衛生総合研究所についてヒアリング、御説明をお願いしたいと思います。

【矢島審議官】  どうもありがとうございました。


(説明者入替え)


【富田分科会長】  それでは、労働安全衛生総合研究所について、平野部長から御説明をお願いいたします。御説明、5分程度でお願いいたします。

【平野部長】  厚生労働省の安全衛生部長の平野でございます。よろしくお願いいたします。
 労働安全衛生総合研究所の事業の見直し当初案につきまして御説明をさせていただきます。資料2−2−(2)を御覧いただきたいと思います。1ページに研究所の概要を示してございますけれども、昭和18年4月1日に旧産業安全研究所と旧産業医学総合研究所が統合されまして設立されたものでございます。特徴といたしまして、下の4のところに書いてございますけれども、労働安全衛生分野を総合的にカバーする我が国唯一の研究機関でございまして、労働安全衛生関係法令の制定など基礎となる科学的知見等を収集する行政ミッション型の研究機関として活動をしてございます。
 次に2番目、次のページに参りまして事業の見直し当初案につきまして御説明をいたします。まず、1点目といたしまして、研究業務のさらなる効率化の推進ということでございます。そういう観点で、まず外部研究資金の獲得額を更に向上させようということで、目標を設定して取り組む。現在、平成21年でその割合が大体20%程度なのですけれども、23年度につきましてその割合を3分の1以上にするというような目標を設定して外部研究資金の獲得を更に向上させようと考えてございます。そのために役員自らによる資金の獲得ですとか、外部資金の応募に研究員1人2件以上、そういうふうな目標を立てるとか、あるいは役員、職員の個人業績評価への反映、そういうことを通じて外部資金の獲得を更に進めていこうという点がございます。
 2点目は、他の研究機関との共同研究の実施、連携の強化に取り組むということでございまして、プロジェクト研究の内容評価・外部評価において、共同研究の実施可能性の検討、あるいは進捗状況の把握・フォローアップを重点的に実施して、研究機関との共同研究を更に進めていこうという点でございます。
 3点目は組織体制の面でございますけれども、他の独立行政法人との統合等による効率化を図ろうと。厚生労働省所管で研究開発を実施している他の独立行政法人、具体的に申し上げますと、国立健康・栄養研究所、それと医薬基盤研究所との統合について現在検討中でございます。それととともに現在、委託事業で実施しております化学物質の有害性調査のための試験事業について、これをこの研究所に移管するということにつきましてもあわせて検討中でございます。
 4点目は管理部門の職員の削減という点でございまして、平成21年度は21人であった管理部門につきまして、22年度は17名まで削減してございますけれども、更に効率化・合理化を進めまして平成23年度は14人まで削減という形で管理部門の合理化を進めていこうとしてございます。
 次、めくっていただきまして2点目といたしまして、労働現場における安全と衛生の一層の向上に資する研究の推進、業務、研究のより充実という点でございます。行政ミッション型の研究所といたしまして、労働安全衛生関係法令等の基礎となる科学的知見を得ることをはじめとして、労働現場における安全と衛生の一層の向上に研究を実施していく。これについてはずっとそういう観点で活動を実施してきたわけですけれども、さらに研究成果及びその社会的意義や貢献度について、更に積極的にPRをしていこうと。また、そのことが1点目の外部研究資金の獲得にもつながると考えてございます。
 さらに今後とも現場における労働災害・職業性疾病の発生状況、労働者の健康に係る状況等の情報収集に努める。そういうことの上で一層的確な研究ニーズの把握を行っていこうと。また、研究課題の選定方法ですとか評価方法につきましても、特にこの評価方法につきましては、昨年のこの場でもアウトカム指標を導入するべきだという御意見をいただいておりますが、そういうことも実施いたしまして、評価方法等についても充実を図っていきたいと考えております。
 次に3点目の他の研究機関で実施している重複研究課題等の排除につきまして、外部評価委員会を開催いたしまして他の研究機関における研究体制の整備や研究実績の集積の確認も含めて事前評価等実施しておりまして、重複研究課題の排除、あるいは研究内容の精査、これについて引き続いて一層適正に審査、評価を行っていく所存でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【富田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただ今御説明いただきました労働安全衛生総合研究所の見直し当初案につきまして、御質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。
 梅里委員、どうぞ。

【梅里臨時委員】  どうもありがとうございました。3ページ目のところで研究ニーズの把握、一層的確な研究ニーズの把握と研究課題の選定方法というお話があったのですけれども、まさに労働災害ですから質的、量的に災害の被害の大きいものを明確にとらえて、これを研究テーマとしてどのように対応するかというようなことを考えていく必要があると思うのです。そのような意味で、どのような形でそのニーズといいますか、今お話ししたような被害の大きさというものを把握されているのかということですね。この辺りについて、例えば労災病院とか、そういったところには具体的に被害を受けた後の患者さんが来られるということもあると思いますし、いろいろな企業での職場で具体的にどういうことが起こっているのかというような実態把握をするというのもあると思います。その他にも方法があると思うのですけれども、この辺りについての現状とお考えをお聞かせいただければと思います。

【平野部長】  まず、いろいろな災害の発生状況とか、その量的な面、あるいは質的な面につきまして、まず行政機関の方、労働基準監督署の方に災害が起きた場合には、事業所が報告をすることになっておりますので、そういうことを通じてまず基本的に災害の件数ですとか、あるいはどの程度の大きさの災害であるとか、そういうことは把握しております。それを通じて、じゃあ、どういう点が問題なのか。業種で言えば、どういう業種が問題なのかとか、現在の災害発生から見てその業種の中でどういうことが問題になっているのか、そういうことを把握しつつ、1つには研究テーマなりを選定していくということがあろうかと思います。
 それともう一つは、それは事故が起きた後、行政の方に報告があったという情報でございますけれども、それ以外にやはり企業の中で、事業の中でどういうことが問題になっているか。その現場で本当に仕事をされている方、あるいは企業の方からそういう情報を得るということは非常に重要でございまして、そのために現在でも研究所の方では、そういう業界団体の方と協議会なりを設けていて、その業界でどういうことが問題になっているか、あるいはどういう研究をしてほしい、望まれているかとか、そういう情報も得つつ、研究テーマを選定しているという状況でございます。
 前者の方に申し上げますと、これは一応、役所の行政システムとしてでき上がっているものですけれども、今後やはり業界なり、あるいは場合によれば労働組合とか、そういうところから情報を、更にそのパイプを太くして得るようにしていく。そういう取組が今後重要だろうと思っております。

【梅里臨時委員】  ありがとうございます。よろしいですか。

【富田分科会長】  どうぞ。

【梅里臨時委員】  今の研究課題の選定についての研究所の中で検討する手順とか、そういったようものが決められていて、今のような手順で、その研究テーマを決めて、それを担当といいますか、各部署に振り分けていくというような手順で研究が行われているのでしょうか。

【平野部長】  ケース・バイ・ケースになってくると思うのですけれども、例えば非常に緊急的な、行政的に非常に重要なものですと行政の方から、是非これをやってくれというようなものもございますでしょうし、あるいは今、委員がおっしゃったようにいろいろな情報を集めてきて、所内で検討して、じゃあ、これをやっていこうとか、そういうシステムでやっていくテーマも当然あるということでございます。

【梅里臨時委員】  研究者の専門がありますので、多分、できる研究をどうしても課題として挙げる傾向にあるのだろうと思うのです。そういった意味で必要な研究というものを統括しコントロールするといいますか、計画的に遂行するような機能が研究所の中にどこかあるかどうかということ。

【平野部長】  はい。研究調整部という部がございまして、基本的にはそこでそういう委員が言われるような調整なりを行うということでございます。

【梅里臨時委員】  はい。ありがとうございます。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。どうぞ、縣委員。

【縣臨時委員】  組織の再編について具体的な法人の名前を挙げていただきましたが、まず、3つを統合した後の研究推進の方針といいますか、研究としてどのようなシナジー効果があるというふうに今お考えでしょうか。

【平野部長】  現在、統合について検討している途中でございまして、具体的にシナジー効果まで詰めて出てきているわけではないのですけれども、ただ、やはり今、名前を挙げました国立健康・栄養研究所などは一般国民、国民の健康増進ということを研究されているわけで、そういう意味で私どもの労働安全衛生総合研究所の方でも労働者の健康の確保という観点でいろいろな研究を実施しておりますので、そこのところはまさに今まで持っているノウハウとかいうものも活用しながら、シナジー効果が上がってくるのではないかとは考えておりますけれども、では、もう少し具体的にというところまでは現在詰まっておりません。

【縣臨時委員】  それは時間的にもこれから必要だろうと思いますから、現時点ではそうでいらっしゃると思いますけれども、是非担当者で十分検討していただいて、理念的にまずどのようにシナジーするのか、それから、その後、具体的にプロジェクトとしてどのように統合していくのかということについて、全体像を決めていただきまして、是非御提出いただきたいと思います。具体的に化学物質の有害性調査ということを移管するということですけれども、これはどういう意味があってこれを考えていらっしゃるのでしょうか。

【平野部長】  この化学物質の有害性の調査、試験事業と申しますのは、ネズミに対して長期間化学物質を暴露させまして、それによって発がん性があるかどうか、そういうことを研究していく事業でございます。この事業は現在、中央労働災害防止協会の日本バイオアッセイ研究センターというところに毎年、国から委託をして実施しているのですけれども、この試験施設自体は国の所有物なのです。昭和57年からこういう形で実施しているのですけれども、様々な経緯がございまして中央労働災害防止協会への委託事業として、現在、先ほど申し上げましたような形で実施されているわけですけれども、本来、国が実施すべき事業でございまして、長期間の事業、2年間ぐらいネズミに、マウスやラットに暴露するということで毎年の委託の形でやっているのですけれども、少し委託にはなじまないというふうにも考えられますので、今回、安衛研に移管することによって効果的・効率的に試験研究が進められるのではないかと考えております。

【縣臨時委員】  今、移管されることの背景については分かりましたけれども、それがどうして必然性があるのかということについては。

【平野部長】  これは労働安全衛生法に基づいて、そういう化学物質の発がん、職場、職域で使われるような化学物質の発がん性については、国がその有害性を調査するよう努めなければならないという法律上の義務がございまして、それを現在、委託事業という形で実施しているわけですけれども、そういう意味で、本来、委託事業も国の事業なのですけれども、それを独法の方でやっていこうと。それの方が長期間かかる。毎年、毎年委託するような形ではなくて長期間できますので、非常に効率的・効果的であろう、本来の形ではないかと考えております。

【縣臨時委員】  つまり、従来の方式では何か問題があったという御認識ですか。制度としては変更がないわけですから、従来も委託で行われていたと伺っています。それであっても本来の仕事の仕方ではあるとは思います。ですから、それを変更されるということは何らか現状として問題があると認識されていて、それを解消するためにはより直接的に実施しなければいけないという認識になられているのだろうと思うのですが、その点についてもう少し御説明はいただけませんか。

【平野部長】  現状で具体的にこの試験研究がおかしな形になったとかいうふうな問題点は発生しておりませんけれども、やはり本来の、委託事業は今御説明したように基本的に毎年、毎年委託契約を結んでやっていく。ところが、試験研究自体は2年間なり、もう少し長期タームでやらなければならない。そういうふうになってきますと、やはり本来の姿とは少し違うのかなと。それは問題意識として持っておりまして、今回、統合にあわせてこれについても移管する方がより試験の実施に関しても効果的であろう、あるいは安定的に実施していけるであろう、そういうふうに考えております。

【梅里臨時委員】  今の関連でいいですか。

【富田分科会長】  はい。

【梅里臨時委員】  ということは、現在、その化学物質の分析に関する設備的、人的な体制が研究所の中に既にお持ちで、このために新たな増強、人員の増とか、施設設備的な投資は必要がないという、そういう意味で効率的だというお考えなのでしょうか。

【平野部長】  まず、設備的には現在のバイオアッセイ研究センターという設備、国の施設でございますので、新たに研究所の方に設備を設けるとか、そういう必要はないと考えております。

【梅里臨時委員】  その今のバイオアッセイですか、そこをそのまま使うということでしょうか。

【平野部長】  基本的にはそうです。はい。

【梅里臨時委員】  人的な面ではどうなのでしょうか。

【平野部長】  人的な面で申し上げますと、現在、そこに働いている方、委託事業の中で給与等の人件費を見ているわけですけれども、それが移ってくる。

【梅里臨時委員】  そのまま包含してしまうということでしょうかね。

【平野部長】  そういうことでございます。

【梅里臨時委員】  委託を受けている業務を含めて、そのまま包含をする。

【平野部長】  はい。

【梅里臨時委員】  そのバイオアッセイのほうは試験的な業務をほかにもやっていると思うのですけれども、それも含めてということなのでしょうか。

【平野部長】  基本的にはその発がん性試験のみでございます。

【梅里臨時委員】  その他の医薬品の安全性の試験とか、そういったものはやられていないのでしょうか。

【平野部長】  医薬品が労働の場で暴露されるような場合は対象となる可能性はございますけれども、医薬品としての安全性とか、そこはこのバイオアッセイ研究センターでは実験はしてございません。

【梅里臨時委員】  ああ、そうですか。そうすると、バイオアッセイの研究センターの方でやられている業務は基本的に化学物質の分析であると。その部分すべてを包含するというお考えということ。

【平野部長】  そうでございます。はい。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。黒川委員、どうぞ。

【黒川臨時委員】  ありがとうございました。国立健康・栄養研究所と医薬基盤研究所との統合については、以前からもお聞きしておりましたので、ある程度納得というか、なるほどと思っていたのですけれども、労働安全衛生総合研究所とまだ話を進めているという段階でしょうけれども、それについてはあまり検討しておりませんでしたので、直感は、びっくりというのが直感です。第2感は――まあ、第2感というのでしょうか、先ほどからお話を伺っていると、そういうこともあるかもしれないという、発想の転換というのが必要だろうと思う。私自身の方が発想を転換しなければならないかなという、何か乗り越えなければならないところがある。
 そこで御質問なのですが、先ほどからシナジー効果については各委員がお聞きしているのですけれども、私が危惧するのはデメリット、先ほどから話を伺っている何か乗り越えなければならないという違和感、これがあるものですから、これまでの労働安全衛生総合研究所というのは、やはり職場における、私、古いイメージかもしれませんけれども、やはり職場において、例えば医療問題とかそういう問題だけではなくて、物理的な問題もいろいろあって、私はそっちの方を結構感じていたのです。職場における災害というのは。ですから、それが国立健康・栄養研究所とか、医薬基盤研究所というようなところと統合されてデメリットはないのか。メリットだけ考えるのではなくて、デメリットはないのかということもやはり考えなければいけない。その辺りについて今検討中ということですけれども、デメリットはないのかということについてお話し合いはないのでしょうか。

【平野部長】  現在、統合に向けて検討しているわけですけれども、デメリットと申しますと、所帯がどうしても大きくなってしまうということで、その1つの機関としてうまく機能するのかということは考えられようかと思っておりますが、現在、その統合に係る検討の中で具体的にこういうことが委員がおっしゃるようなデメリットにあるのではないかということは現時点ではあまり挙がっていないと理解しております。ただ、私どもの省内の評価委員会の方でも、統合に関してやはり労働安全衛生総合研究所が今現在担っている機能、果たしてきた役割、それが落ちないように、埋没しないように十分配意すべきだという意見をいただいておりますので、そういうことは十分配意していかなければならないと考えております。

【黒川臨時委員】  もう少しいいですか。

【富田分科会長】  はい。どうぞ。

【黒川臨時委員】  確かに間接部門については、もしかすると少し集約されていいかもしれませんけれども、組織自体の目標が分散化されるということが心配でありまして、今、独法を超えていろいろな経済社会の組織を考えた場合も、皆さんもう耳タコでしょうけれども、選択と集中というようなことも1つの考え方としてあって、今までのように合併、合併で大きくなればいいというだけではない。そこで、恐らくこの3つがもし仮に一緒になったとしても、ただただ組織の目標としてずらっと、これもやります、これもやります、こういうこともありますというふうに目標が幾つか羅列されるというか、そのそれぞれで今まで持っていた目標がただ羅列されている。それから、場所もそれぞれ一緒になるわけではないのではないかと思うのですけれども、場所もそれぞれに研究所がある、存在しているというような組織になるのではないかというふうに今のところ私は想像するんです。
 そのときに、それでそれぞれに担当の理事がいてですよ。ですから、ある意味で、その中が、事業部が3つぐらいあるような、まあ、2つかもしれませんけれども、そのような状況になっているのではないかと思うのですけれども、そのときに組織としてこういう方向に、ここに集中して、ここを解決するのだということが薄まってしまわないかということを心配するのですけれども、それぞれがそれぞれとして独立して、それぞれの目標を今までの研究所が追求していくのだと、そういうようなイメージを持っていればいいでしょうか。要するにあまり、重なる部分がどのぐらいあるかというところが見えない。そういうところなのですけれども。

【平野部長】  現在、何度も繰り返しになりますけれども、これから十分検討していかなければならないわけですけれども、ある部分はやはり今まで全然、出自が違う研究所ですので、黒川委員が言われるようにそこの独自性と言えば独自性になってくるのでしょうか、別の部分、ある部分はどうしても残るのだろうと思いますけれども、じゃあ、3つで必ず1つのものになり得るかどうか、そういう方向にできるだけ持っていかなければならないのですけれども、それは難しい面はあろうかと考えております。その中で最初にお話にもありましたように、その中でどうシナジー効果を出していくかということを今後いろいろと考えていかなければならない。そういうことによって統合するメリットを何とか出せるようにしていきたいと考えております。

【黒川臨時委員】  そうですか。では、もう1分だけ。組織というものは人が大事でありまして、それで、企業の合併も途中で断念したというのは皆さん、そういう例もある。その断念するときに最後まで、やはりそれぞれの、今、出自とおっしゃった。私、大好きな言葉ですけれども、そういう出自からする文化というのでしょうか、組織には必ずそういうものがあって、そこが合わないので最終段階で断念したという、最近でも有名な会社があります。そこでこの2つ、あるいは3つが、本当に融合できるような文化的――その組織の文化というのでしょうか、そこに働く人々の価値観とか、考え方とか、そういうようなものも親和性があるのかないのか。それがないとなかなか組織を一緒にして、その組織一体となったときの強みというのがなかなか発揮できないような気もするのですけれども、その親和性というようなものをお考えになった上で、この3つを一緒にしようなどという発想が出てきたのでしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。

【平野部長】  やはり私どもの労働安全衛生総合研究所にしましても、これは労働の場になるわけですけれども、例えば栄養研にしましても、基盤研にしましても大きいくくりとすれば、国民、あるいは社会の安全・安心を進めていくための基盤的な研究をしているわけでございます。労働安全衛生総合研究所はその中の労働という部分に特化しているわけですけれども、そういう国民、あるいは社会の安全のために研究をするという部分に関しては、十分お互いに合意を持ってというのですか、融和しながら1つの組織になってもいけるのではないかなというふうには考えております。

【黒川臨時委員】  私のお聞きしたのとちょっと違うお答えだったと思うのですけれども、その中の人々の文化みたいなものは考慮されているのかどうかという。
 中の人の意見というか、組織というものが成功するかどうかというのは、やはり中に働く人々がどのぐらいそれによって自分たち自身もそうだ、いいことになるのだというような、あるいはそれぞれの組織において、この人、知っているとか、いろいろな面があると思うんですね。そういうことも考慮された上で、この統合という話を持ち出されたのでしょうか。

【平野部長】  当然、各研究所の方には意見も聞き、その上で統合ということで現在検討しているわけでございます。ただ、今後もその融和に向けて更に努力が必要な部分が当然あろうかと思いますけれども、それは今後の努力というのですか、取組で何とか乗り越えていこうということであろうかと思います。

【富田分科会長】  黒川委員より組織の統合の問題については、いろいろ多面的な検討が必要だということの御指摘であり、私、懸念というか、ほかの独法と違って、今、平野部長から御説明いただいております労働安全衛生総合研究所については、特定財源として労働保険料が特別会計から運営費交付金としておりているわけでして、これがもし組織の統合によってほかのものにも、例えば先ほどは国立健康・栄養研究所は休養ということも研究するので、そのシナジーになるのだという話があったのだけれども、そういうところまでどんどん特定財源としての財源が使われていくのかどうかとか、様々国民から見れば関心のあるところがあるわけでして、そこらも含めて是非とも透明な形での御検討ということをお願いしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。稲継委員、どうぞ。

【稲継臨時委員】  今の点に関連してなのですが、場所ですけれども、御研究所の方は東京の清瀬と川崎からちょっと引っ張ってくるということで、医薬基盤研究所ですか、これは大阪の茨木のサイトにあったと思います。それから、国立健康・栄養研究所は新宿の早稲田大学のそばにあって、非常にばらばらになっているのです。シナジー効果だとか何だとか考える場合に、この3つのロケーションというのは今後どういうふうに考えていかれる予定なのでしょうか。

【平野部長】  今、委員が言われるように分かれていまして、例えば本部をどこにするのかということに関しましても管理部門のシナジー効果を出すという観点も含めて、どういう形がいいのかということを現在検討しているところでございます。

【富田分科会長】  ほかにいかがでしょうか。樫谷委員、どうぞ。

【樫谷分科会長代理】  資料2−1の19ページの予算のところでございます。ここで少しこれに関連して質問したいのですけれども、21ページに3分の1以上を外部研究資金の割合にしたいのだと、こういうことなのですが、この予算の表で見ると、予算というか、21年度で見ると、今どれぐらいになっていたかというのは、どこを見れば分かるのかというのがまず1つ。
 それからもう一つは、19ページのその表のところの運営費交付金、債務残高、この数字が最初というか、18年度は1億からずっと6億1,300万、21年度、今年の3月末だと思いますが、あります。これは着実に積み上がっているという表現はおかしいですけれども、この6億1,000――つまり、1年の分の2割以上、1年度分のコストの2割以上が運営費交付金残高として積み上がってきているというこの原因ですね。例えばその下のほうにS評価が2項目、A評価が17項目、B評価が5項目。B評価というのは、ほとんど達成しているけれども、若干遅れているかも分からんというのが多分Bだと思うのですが、その影響でその6億1,300万がたまってきたのか、この6億1,300万についての内容について、今すぐ出れば今すぐ、なければ後で結構ですので教えていただきたいと思います。

【井上調査官】  研究費の件でございますけれども、この中の運営費交付金なりの中には人件費なり、研究費なりすべて入っておりますので、この表には出てきてございません。

【樫谷分科会長代理】  ああ、そうですか。

【井上調査官】  額としまして、実績としまして約8億ぐらいが研究費ということでございます。現在のところ、外部研究資金としまして2億ぐらいございます。

【樫谷分科会長代理】  現在というのは21年度ということですね。

【井上調査官】  はい。21年度です。失礼しました。

【樫谷分科会長代理】  22年度はそれをもう少し増やしたいと。

【井上調査官】  はい。そういうことでございます。あと、運営費交付金、債務残高でございますけれども、これにつきましては運営費交付金の中で研究所のほうが使い切らなかったものにつきましてどんどんここに落とし込んでいっている。5年間、中期目標期間が終わった段階で国庫に納入して返してしまうというものでございます。

【樫谷分科会長代理】  それはよく分かっているのですが、使い切れなかったというのは非常に効率的にやったので使わなくて済んだのか、事業をやらなかったためにやらなかったのか、それとも遅れているためにたまってしまったのかというような質問なんですけれども。

【井上調査官】  かなり経費の節減とかそういったもの、あるいはいろいろな改修工事など、かなり節減をかけてやっておりまして、そういったもので使い切らなかったといいますか、予算が余っていたというものでございます。

【樫谷分科会長代理】  それでは、一度細かな分析したやつを後で結構でございますので出していただければと思います。

【井上調査官】  分かりました。

【富田分科会長】  大体よろしいでしょうか。田渕委員、どうぞ。

【田渕臨時委員】  先ほどの黒川委員からのコメントに共通するところがあるかと思うのですけれども、伺ったときに労働安全総合研究所と、あと残りの2つとの統合に関して若干違和感があるというのが正直なところです。御説明の概要の中の1ページ、業務概要(1)のところの労働者の健康の保持、増進及び職業性の疾病に関するものに関しては統合した方がメリットがあるだろうとは思うのですけれども、その前の、事業側における災害の予防ですとか、(2)の労働災害の調査、こういったものが統合したときにどういう形で統合後の組織の中でしっかり実施されるのか。
 先ほど、統合すると最終的には社会の安全・安心を目指しているのでその辺のところは大丈夫だというお話があったかと思うのですけれども、それを言ってしまうと全部、ほとんどの法人がそこを目指しているのではないかと思うんですね。その中で、ある程度集約化した中で、ミッションを明確化した上でそれぞれの独法が成り立っているという部分もあろうかと思います。この検討については、やはり労働者といった視点、その中での疾病とか、健康とか、そういった観点ではない部分、そういったものについて、どういう形で今後統合を検討されている中で実施していらっしゃるのか。その辺りのお考え等も含めて、今後、ワーキングで検討されていく中で、御提示いただければと思います。

【富田分科会長】  それでは、よろしいでしょうか。労働安全衛生総合研究所については、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力賜りありがとうございました。当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえ、今後、主要な事務・事業の見直しに関する審議を更に深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は後日、事務局を通じて照会したり、必要に応じワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願い申し上げます。厚生労働省の皆様方には、大変ありがとうございました。

【平野部長】  どうもありがとうございました。


(厚生労働省 退席)


【富田分科会長】  続きまして、防衛省所管1法人の見直し当初案につきましてヒアリングを行います。防衛省、廣田次長をはじめ、御担当の皆様にお越しいただきました。
 それでは、駐留軍等労働者労務管理機構の見直し当初案につきまして、その主要なポイントについて御説明をいただき、その後、質疑応答を行いたいと思います。時間の関係もございますので、御説明、5分程度でお願いいたします。

【廣田地方協力局次長】  防衛省でございます。資料3−2で御説明させていただきたいと思います。まず、1ページ目を開けていただきたいと思います。中期目標の達成状況でございます。これは特に人員と経費でございます。まず、職員数でございますけれども、こちらの下側の左の黄色いグラフでございますが、平成17年度末定員396人を基準に今中期目標期間末までに20%の削減という目標をいただいておりました。こちらの方は新規採用抑制、あるいは防衛省等との出向の出入りの調整、こういったようなことで努力いたしまして、毎年4%ずつ削減し、平成22年度、22年4月1日現在で316人ということで目標の80人削減を達成しております。
 それから、次に経費の方でございますけれども、人件費、物件費につきましては、平成17年度末を基準として中期目標期間の最終年度までに15%の縮減目標といたしているところでございます。雑駁に言いまして17年度末が45億円でございますけれども、既に21年度の決算のベースで35億円程度ということで目標を上回る22.6%の削減を達成しているところでございます。人件費については5.0%、物件費については7.8%の各年度ごとの抑制を実施して、このような数字を得たところでございます。
 以上が人員、経費についての目標達成状況でございます。
 次のページ以降は個別の見直しに係る具体的措置に移るところでございます。順番に申し上げますと、まず事務及び事業の見直しに係る具体的措置といたしまして、アウトソーシングの見直しというものが項目として挙がっております。現在、機構で行っております応募者及び駐留軍労働者からの各種提出書類の受付、あるいは駐留軍等労働者の労務管理等事務に関する基礎情報の出入力。それから、各種書類の仕分け、ファイリング等についてアウトソーシングを行ってはおりますけれども、従来のような機械的、定型的アウトソーシングについては、次期中期目標期間以降、新たな方法でアウトソーシングを、例えば民営化とか、更なる方向でアウトソーシングができるのではないかという点について見直しを行っていきたいと考えております。
 それから、本部事務所の集約化ということで、現在、大田区蒲田の事務所と横浜市の事務所が2カ所、あくまで主体となりますのは大田区蒲田の事務所でございますけれども、2カ所存在しておりまして、その付近を1カ所に集約すべしという目標が与えられております。これは東京都内の1カ所に集約すべく9月末を目途に移転先物件を調査いたしまして、率直に申し上げまして、もう幾つか既に候補はピックアップしているところでございますけれども、今年度中、23年3月末までに東京都内のあるところの1カ所に集約すべく努力していく――努力していくというか、実現させる所存でございます。
 それから、駐留軍等労働者のほう賞に関する業務につきましての見直しというか、在日米軍と協議すべしということで、これも議題に挙がっておりますけれども、優秀ほう賞の廃止、あるいはその他危険な業務に、駐留軍労働者の中でも消防業務とか警備業務というような危険な業務に任じている者もおりますので、優秀ほう賞を廃止するとともに、そういった危険な業務に任じて万が一殉職した人に対する賞じゅつ金というような形の創設といったような方向を含めまして、在日米軍等と協議してまいりたいと考えております。
 それから、特別援護金の支給対象者の拡大、これはアスベストの被害によって肺に障害を生じまして死亡した駐留軍労働者が現在、過去にもいるわけでございますけれども、そういった方々を救済するために平成23年度から5,000万円の概算要求をいたしまして、我々の計算では1人当たり1,800万円程度で3人分ということでございますけれども、概算要求をして、アスベストによる疾病を起こされた方への対策を考えているところでございます。
 それから、2.に参りまして組織の見直しに係る具体的な措置でございまして、組織の見直しについての検討ということでございます。こちらにつきましては既にこの中期の期間中に例えば沖縄県の支部でございますと、嘉手納に一本化する等の組織の見直しは十分とは申せませんけれども、我々としてはできる限りのことをやったつもりでございますけれども、今後の見直しにつきましては、ここに書きましたように人件費の1%の効率化を平成23年度概算要求に反映させまして、更なる見直しを進めていきたいと考えております。それから、大田区蒲田と横浜事務所の集約は先ほど御説明したとおりでございます。
 それから、事務事業実施主体の見直しということでございます。これは機構が行っている労務管理業務というものは引き続き私どもとしては機構がやっていくべきであると考えております。在日米軍に対する国民各位の意見というのもかなり分かれているところもございますし、また、守秘義務といいますか、駐留軍等労働者管理機構で働いている者は米軍の運用とか組織、編成、そういったようなものに触れる機会も多いところがございまして、守秘義務が求められているところでございます。
 それからまた、緊張度が高まったときに仮に争議行為などということが起こりますと、これは日米防衛体制に重大な欠陥が生ずる危険性もございますので、現在のようなやり方で機構が引き続き行う必要があると考えております。しかしながら、アウトソーシングの見直しにつきましては、先ほど申し上げましたように新たな更なるアウトソーシングができないかどうか、業務の一部を民間にゆだねるということもあり得るということで積極的な検討を行っていきたいと考えております。
 重複排除・事業主体の一元化ということにつきましては、この機構は極めてユニークな独特の存在でございまして、他の独立行政法人と一体化するということは考えにくいのではないかと思っております。それから、非公務員化につきましては、今、先ほど来御説明いたしましたように、政治的中立性というか、在日米軍に対するいろいろな意見がある中で、在日米軍に対する肯定的な考え方を持っている方を機構の職員として採用する。さらには守秘義務は今申し上げましたとおりでございますし、争議行為とか労働運動の観点からもやはり公務員型の独立行政法人という現在のスタイルが最適ではないかと考えておりますけれども、さらなる検討は行っていきたいと考えております。
 最後のページでございますけれども、運営の効率化及び自律化の見直しに係る具体的な措置としてどのようなことをやったかということでございますが、保有資産の見直しということで、先ほど申し上げましたように那覇支部とコザ支部を統合して沖縄県の嘉手納町に一本化したわけでございますが、不要となった土地及び建物を国庫に返納することとしております。全部で1億3,000万円相当というものでございます。それから、随意契約の見直し及び取引関係の見直しということについて、当機構は関係法人との取引関係はございません。それから、随意契約等につきましては駐留軍等労働者労務管理機構契約監視委員会による審議、点検及び見直しを行い、契約の適正化を図っていく所存でございます。
 自己収入の拡大ということにつきましては、当機構の事務は自己収入を得るような事務ではございません。財源のすべてを運営費交付金によって賄っているところでございますけれども、冒頭申し上げましたように20%以上の削減をこの5年間に実施してきたところでございますけれども、更にできることはどんどんやって業務運営の効率化及び経費の抑制に努めてまいりたいと考えております。
 それから、4番として管理運営の適正化ということで、適正な人事配置になるように努力するとともに、アウトソーシング等の活用によってコストの縮減を図っていきたいと考えております。それから、事業の審査、評価の見直しとして新たな業務マニュアル、これはマニュアルをつくり、さらに「等」というところは、検査項目のチェックシートの整備などを順次推進しているところでございます。それから、内部統制(コンプライアンス)委員会の委員につきまして、顧問弁護士をその委員としているところでございますけれども、より第三者性を確保するために、こういったスタイルでいいのかどうか、これは更なる検討をしていきたいと思っております。
 それから、6番目、最後でございますが、業務のアウトソーシング(官民競争入札等の導入)ということでございます。こちらについては機構が管理し運営する機構情報システムに関する機器等の運用管理業務について民間競争入札を行い、落札者により事業を実施していくものでございます。現在、機構で行っております先ほど申しました提出書類の受け付け、あるいは基礎情報の出入力、書類の仕分けといったものについては、先ほど申しましたように新たな方法でアウトソーシングができないかどうか、積極的に検討していきたいと考えております。
 簡単でございますが、以上でございます。

【富田分科会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただ今御説明いただきました駐留軍等労働者労務管理機構の見直し当初案につきまして、御質問などございましたらどなたからでも御発言ください。
 梅里委員、どうぞ。

【梅里臨時委員】  御説明、ありがとうございました。先日、横須賀の支部を視察させていただきまして、かなり詳細な業務内容について伺ったのですけれども、基本的には防衛省の方で最終的な意思決定、確認、判断、意思決定を行うということで、米軍に派遣をする、働かれる方の採用、それから、給与計算等の労務管理をある意味ではここの独法で委託を受けているというような形になっているのかなと。その業務形態としてですね。
 というような形かと思ったのですが、その基本的な論点というのは、そういう業務を独法としてやっていく必要があるのかどうかということと、あるのであればそれが効率的に行われているのかという2つかなと思いますが、その前者について、今、守秘義務等々の理由から独法で行う必要があるというお考えを示されたのですけれども、前回のヒアリング等でも米軍の方からそういう要請があるというような形で、書面で出ているのだという話で、それも見せていただいたわけですけれども、その中で、具体的に独法で行う必要があるとか、公的な性格を有する機関が行う必要があるとかというふうに読み取れるような部分があまり見受けられないといいますか、機能的にそういうものを果たしてくれればいい。
 それから、守秘義務の件は確かに書かれていた、守秘義務は民間でも十分に結ぶことはできると思うので、それが公的性格のものでなければならないというようなことを米軍が要求しているという御説明だったのですけれども、その部分については十分にまだ認識をできていない状況にあります。そういったことも含めまして、防衛省から直接民間にこの労務管理の業務を委託すれば済む話ではないかと受けているところがあるのですけれども、もう一度どうしても独法でやらなければいけないという理由について、明確に御説明いただければというように思いますが。

【廣田地方協力局次長】  守秘義務とか、そういうことを申し上げましたけれども、それに加えまして、まず駐留軍従業員、駐留軍労働者とは、これは別に公務員ではなくて、例えば艦船の修理であるとか、航空機の修理であるとか、独特の能力を持った方たちでございます。しかし、この人たちを管理する、例えば不祥事を起して解雇するときにどういう――あるいは不祥事を起こさなくても予算の都合で整理解雇をしなければならんとかいうようなときには、その序列をどうするかとか、あるいは服務、懲戒の問題が起こったときに、そのときに米軍との調整をどうするか。こういったときには、いわば公権力の行使のような仕事も行うわけでございます。それから、先ほど申しましたような政治的中立性の要求、守秘義務、それから、もし仮にこの機構が民間労働者であって、争議行為などをやられましたときのマイナスということを考えれば、これは現在のような国の一種の委託を受けた独立行政、公務員型独立行政法人という方法で行うべきであると考えているのですけれども。

【富田分科会長】  どうぞ。

【梅里臨時委員】  横須賀支部の視察の際に米軍も見せていただいたのですが、そこの中で独法からの派遣ではない民間の方たちもかなり働いておられるのですけれども、その方たちについて同じことが言えるのではないでしょうか。

【廣田地方協力局次長】  米軍が直接雇用している……。

【梅里臨時委員】  米軍の直接雇用ではなくて、民間企業から例えば船舶修理、三菱重工とか、川崎とか、そういったものの職員がそのままそこの米軍の中でそういう業務に当たっているという実態があるのですけれども、それについては今のようなことが適用はされないのでしょうか。

【廣田地方協力局次長】  三菱重工とか、そういう会社の方が来ているのは事実でございますけれども、そういう方はあくまで艦船の修理なら艦船の修理に特化した仕事をしているところでございまして、公権力の行使的なことをするわけではないし、また、米軍の編成とか運用とかいう細部にまで立ち入るというか、それを知悉する立場にあるわけではございませんので、その特殊技能を有しているということもあわせて、別にそこのところは三菱重工なら三菱重工の方で差し支えないと思いますけれども、この法人はあくまで管理業務を行っておりまして、何かトラブルが起こったときの調整、そもそも採用から退職に至るまで、管理業務を行っておりますので、その付近のところでやはり公務員型である必要があると考えているのですけれども。

【梅里臨時委員】  よろしいですか。

【富田分科会長】  はい。

【梅里臨時委員】  そうすると、独法から派遣されている職員はかなり機密に触れるような業務を行っているというような理解だということでございますか。

【廣田地方協力局次長】  機密に触れるわけではないですけれども、米軍の運用とか編成とか、あるいは装備の状態とか、そういったようなものをかなり承知できるような、しばしば米軍基地に入りますし、そういった立場にあることも……。

【梅里臨時委員】  米軍基地に入っているのは同じだと思うのですけれども。

【廣田地方協力局次長】  ええ、もちろん同じですけれども。

【梅里臨時委員】  業務上そういう機密を知り得るような業務に携わっている。

【廣田地方協力局次長】  いや、機密を知り得る業務というよりは、米軍基地に入って米軍のいわば職員の雇用状態であるとか、艦船の修理にしてもこういうところが必要であるとかというようなことを、いろいろ知識を総合しますと、それは米軍の状態というのをかなりの程度に掌握するという可能性もあるということでございます。

【富田分科会長】  では、先に玉井委員、どうぞ。

【玉井臨時委員】  恐れ入ります。全く納得できないのですけれども、私どもこの機構の業務自体が不必要であって、すべて民間委託でいいのではないかという印象を持っております。今の御説明は、公務員でなければならないという説明をするのに公権力の行使云々と言っておられますけれども、その内容は整理解雇とか指名解雇とか、そういう判断をするのが公権力の行使だとおっしゃるわけですけれども、その対象は民間人なわけでして、民間人であるのにその解雇の意思決定が公権力の行使というのは全く納得できませんし、それから、先ほど梅里委員からも御指摘がありましたように、やっている業務は三菱重工とかの人が船の修理をするというのとほとんど変わらない業務があるわけで、その人たちを解雇するのも、じゃあ、公権力の行使なのか。そうすると三菱重工も国家公務員を雇わないといけないのかということになりかねないわけでして、この御説明は全く納得できません。それから、そういう説明をされて公務員でなければいけないというようなことを維持されると、ほかのすべての説明についても疑問符がつくぐらいに納得のいかない説明だと正直言って思います。

【廣田地方協力局次長】  公権力の行使という言葉がよかったかどうか分からないですけれども……。

【玉井臨時委員】  大変不適切だと思います。

【廣田地方協力局次長】  この際、実態として申し上げますと、例えば駐留軍従業員が何か懲戒とか服務に相当するようなことが起こったと。

【玉井臨時委員】  その人は民間人ですよね。

【廣田地方協力局次長】  公務員ではありません。

【玉井臨時委員】  はい。三菱重工の職員と同じですよね。

【廣田地方協力局次長】  だから、そういうところの、具体的にどのくらいの懲戒に当たるのか、そういったようなことをその駐留軍労働者本人からも聞く場合もございますし。

【玉井臨時委員】  それは三菱重工の人事部がやっていることと同じですよね。

【廣田地方協力局次長】  まあ、ただ場所というか……。

【玉井臨時委員】  場所は米軍基地内で働いている人ですね。

【廣田地方協力局次長】  米軍基地内でございますし、その仕事の内容も……。

【玉井臨時委員】  仕事の内容に質的な違いがあるという御説明はいただいていないのですが。

【廣田地方協力局次長】  まあ、艦船の修理とか、そういう点に関しては同じでございます。

【玉井臨時委員】  では、三菱重工の人事部がやっていることは国家公務員でないとできないことですか。

【廣田地方協力局次長】  三菱重工の人事部とはまた、その公権力の行使という言葉が不適当であったということであれば、それは申し訳なかったと思いますけれども。

【玉井臨時委員】  言葉が不適切なだけではなくて、内容的な御説明が全くないと思いますが。

【廣田地方協力局次長】  まあ、公権力の行使というものが1つと――いや、それはその言葉が不適切であったのは事実でございますけれども、そのほかに政治的中立性の確保というためには、国家公務員による政治的行為の制限を課し、その違反者に関しては刑事罰を課すというような、そういうような……。

【玉井臨時委員】  その具体的な内容は何ですか。全く御説明がないですけれども。民間人である三菱重工その他の職員と全く質的に異なる政治的中立性がどこにあるんですか。どこに必要なんですか。

【小波課長】  申し訳ございません。少し補足させていただきます。これは若干例示的なものとして受けとめていただきたいのですけれども、例えば今、米軍再編の計画等が在日米軍の中では起こっております。米軍再編の計画と申しますのは御案内のように米軍のいろいろな必要性から米軍基地内のいわゆる部隊等がそれぞれかなり再編成されていく。そういたしますと、運用部隊が移動していくということは当然のことながら、それに付随して例えば基地で労働しております、私どもが管理しております基地従業員の所属するそれぞれの者も移動していく可能性がある。
 当然、そのためには今後、例えばA基地からB基地に100人規模でその部隊が動くとともに従業員の移動をしていかなければいけないということがあるといたしますと、それらについて事前にこの当機構の職員は、それらの内容について知悉をいたしまして、A基地における――まあ、極端なことを言えば解雇もしくは人員整理の計画、それから、B基地における新規採用の計画等を水面下で立てていかなければいけない。これ自体は、いわゆる米軍再編の計画等のオープンベースになる以前の段階である程度政府部内の一員として実質的に動いていかなければいけないというところが1つございます。ですから、それそのものが機密かどうかという問題はあるのですけれども、いわゆる秘匿すべき必要性のある甚秘ということなのかもしれませんけれども、見ようによれば、そういう部隊運用の今後の必要性等が明らかになるようなところにタッチせざるを得ない部分があるという点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
 それから、同じような形で、例えば米軍基地の警備等に関して申し上げますと、警備員の実質的な採用等も担当いたしますので、実質的な警備の体制を知悉する立場にある。例えば3交替制で何人で何人シフトをとっているということを知らなければ採用事務自体ができないというところもございまして、私もなかなか説明に、申し訳ございません、落ちているところがあって詳らかな説明ができなかった部分はあるのですけれども、等々のところがありまして、私どもとしてはやはり引き続き米軍基地のかなり運用上、機微に触れるところにタッチせざるを得ない職員であると考えておりまして、これら、いわゆる公務員的なところが必要なのではないかということを前提に今少し検討しているところでございます。

【富田分科会長】  縣委員、どうぞ。

【縣臨時委員】  この機構の改革についてオプションが幾つかありまして、今のずっと話の流れは、この法人を今、独立行政法人として残して、その場合に構成員を公務員として置くのかどうかというふうにだんだん話が流れていますが、もう一つ別の考え方がもちろんありまして、梅里委員がさっきおっしゃいましたけれども、法人を廃止して、法人を介せず御省が直接この業務を担当して、そして民間の方を今の法人がやっているのと同じように任用したらどうかということを申し上げているわけです。これについては、今の問題は、もし御省に戻れば全く存在しない問題になります。

【廣田地方協力局次長】  はい。

【縣臨時委員】  ですから、その点について、きょうのお話も法人が存続することを前提におっしゃっておられますけれども、先ほど梅里先生が最初におっしゃったように、訪問させていただきまして法人が介在することが決して効率的だと思えない。むしろ、全体像を縮小して御省に戻されて、本省が直接、今、あっせんされている業務、勤労の管理をされてはどうかということも申し上げているわけです。これについてはどうお考えになりますか。

【廣田地方協力局次長】  確かにかつては防衛施設庁というものがございまして、ここが自らやるとともに、その個々の業務は機関委任事務として各都道府県にお願いしていたという時代もございます。今、委員のおっしゃったようなやり方というのも概念的にはあると思いますけれども、それから、今、流々御質問いただきました守秘義務等の問題も、そこはクリアできると思います。しかし、その一方で国の行政機関の定員につきましては、国の行政機関の定員の純減についてというような定員削減が行われております。
 平成23年度以降も引き続き国の定員の削減が行われる中で、この仕事を国自らが直接執行するということになった場合には相当数の定員増というのを考えねばならんところでございまして、そちらとの比較考量ということを考えますと、私どもといたしましては現在のように根本的なところは国が定め、国に代わって駐留軍労働者の雇い入れとか、人事の実施の手続、給与も含めまして、こういうようなことを独立行政法人が行うという現在のスタイルというのは、1つの良好な形態ではないかなと私どもは考えているところでございます。

【縣臨時委員】  もちろん国の定員との関係は我々も了解しております。ですから、いろいろ制度的な条件というのはあると思いますけれども、まず一方でそれを御検討いただきたいということをもう一度繰り返します。

【廣田地方協力局次長】  はい。

【縣臨時委員】  他方、今、次長がおっしゃるとおり、この法人は間接業務だけをやっているという、本当に特別な法人です。ほかには恐らくこういう独立行政法人はないと思います。つまり、直接のパフォーマンスは何もない。管理することだけが業務である。そうしますと、そうした形で公務員として存在されている機構がアウトソーシングするというのは、これは本末転倒でありまして、間接部門だけが御省から出ているわけですから、これをまたアウトソーシングするというのは、存在そのものを否定しているに近くなる。そうではなくて、もし法人を残されるのであれば、法人がもっと合理化されなければ独立行政法人の意義が達成されません。ほかの法人は存在してほかのパフォーマンスを持っているわけです。その点についていろいろアウトソーシングするというのは分かりますけれども、この法人は管理だけが任務なわけです。それをまたアウトソーシングするということであれば、なぜ独立行政法人として置いているのかということになります。

【廣田地方協力局次長】  いや、ちょっと話が分からないのは、今おっしゃいましたように、確かに他省庁の法人のように自ら主体的に何らかの事業的なものを行っている法人ではありませんが、その業務というのはかなり煩雑で、また手間暇かかるものもございますので、そういうような部分をアウトソーシングして人員削減に努める。人員削減と経費に努める。それはおかしいのでしょうか。

【縣臨時委員】  いや、ただ、この前、もちろん短時間でしかございませんでしたけれども、拝見した限りでは、特に管理業務として中枢な内容で非常に特殊であるというふうに受けた印象はありません。むしろ、御省が直接行使されている権限が特殊なのであって、管理内容として他の民間組織と比べて特殊な内容があったという印象は、この4人が一緒に行きましたけれども、そのときは得ませんでした。

【廣田地方協力局次長】  いやいや、その仕事の……。

【縣臨時委員】  ですから、それ自身が本当に任務でいらっしゃるのだから、それをまたアウトソーシングするということは、任務、業務がそこを通過しているだけになるじゃないですか。

【廣田地方協力局次長】  いや、作業的な部分をアウトソーシングする。単純な計算であるとか、そんなような業務をアウトソーシングしていく。受付とかですね。そうすることによって、確かに中間的な法人ではございますけれども、そこの人員とか経費の削減に努力する。今までそういうふうにしてきたわけですが。

【縣臨時委員】  ですから、それは法人そのものが縮小されて合理化すべきではないですか。そうしないと、その業務はこの法人を通過するだけではないですか。まず防衛省から委託をされていて、それをまたアウトソーシングする。管理しかここにないわけですよ、業務が。そうすると、ここは何のために存在しているのか。その業務が通過するにすぎない。だから、もし合理化するのだったら法人そのものを合理化するということが正論ではないですか。

【富田分科会長】  これ、アウトソーシングするというのを極めて直感的に言えば、公務員というか、ここの独法が行うよりも民間にアウトソースした方が人件費が安いから、民間の方が人件費が安いから効率的にできるという、そういうふうに理解してよろしいですか。何を言っているかというと、要は公務員がやるに値しないから、もっと人件費の安い民間にアウトソースした方がいいということですね、言っておられることは。

【縣臨時委員】  だから、矛盾がある。

【梅里臨時委員】  先日、御説明をいただいた業務を見ていくと、今の説明でアウトソーシングできない仕事がないんですよ。つまり、労働者の採用、給与計算とか、そういったような業務、今の御説明だと全部アウトソーシングできるんですよ。だから、その煩雑な業務の一部をアウトソーシングすることによって効率を図るという論理になると、すべてアウトソーシングをしていくことになるので、独法でやる業務が残らない。

【玉井臨時委員】  ありていに申し上げれば、この法人がやっている業務というのは貴省で雇用しておられる民間人である駐留軍労働者の管理をするということですから、貴省のほうで民間の派遣事業者と契約をされて、そこから派遣を受けるというのとどう違うのだろうかというのが私どもの疑問で、あまり違いはないのではないか。その中で、いや、是非ともこれは公務員でなければならない業務があると言うのであれば、それはこの法人の今抱えている職員の数の10分の1なのか、5分の1なのか分かりませんが、その程度の数であれば貴省の方で引き取って、本物の国家公務員にされたらどうか。それ以外はすべて民間化されてもいいのではないかというような印象を持っているわけです。

【縣臨時委員】  もちろん、安全保障にかかわることで非常に重要なお仕事であることは分かっております。ですから、それを実現していただくことは非常に重要だと思いますが、管理のやり方としては、我々が受けている印象はこういう形で、今、最初に御説明いただいたイメージとは相当違う。違った形でも運用できるのではないかと我々は感じているということです。ですから、是非御検討いただきたい。

【富田分科会長】  今日の議論の中の話なのですけれども、米軍との調整が、これはもうこの独法の職員、つまり、公務員でないとできないというのは直感的に理解できるのですけれども、それがどれぐらいあるのか。だから、業務をアウトソース、これまでもやってこられて効率化を進められたということは分かるのですけれども、どういう分野だったらアウトソースできて、これは絶対にできないのだというふうな事業の見直し、そういう観点からする。それが求められているのではないかというふうに。

【廣田地方協力局次長】  分かりました。そういった観点からの検討というのはやってみる必要があると思っております。ただ1つ御理解いただきたいのは、受付とか、採用とか、募集とか、そういったものは確かにそれだけを見れば単純業務でございますけれども、先ほど彼が言いましたように、そこのところには例えば警備職の職員が必要であるとか、艦船修理とか言ってもいろいろな職種もございますし、そういうようなところ、米軍と調整してどういう専門家が欲しいのであるかとか、どういうものをニーズとして持っているのかと。
 あるいは労働者としての、いわゆる労働問題、服務とか懲戒の問題が起こったときに一体どういうものがなされたのか、どういうことがなされてどんなような懲戒をする必要があるのかとかいうようなことにつきましては、特に支部の職員が、まあ、横須賀もそうですけれども、沖縄などの場合ですと米軍と緊密な連絡をとって、そこでよく情報を収集してそれなりの判断を加えて防衛省と協議するといったようなことになりますので、単純に何か中間的な業務を「ほい来た、ほい」で投げているというものではないということをひとつぜひ御理解いただきたいと思います。

【富田分科会長】  だから、企業でも労務管理の本体を外部に委託してやるということはないのですよ。本社の中枢の業務として労務管理というのはあるわけなのです。ただ、どこまでが中枢で、どこからが任せるかというのはやっぱりいろいろと効率化の判断だと思うのです。

【廣田地方協力局次長】  だから、これはどこの会社だったか分かりませんが、労務を含めて人事について、例えば給与計算であるとか、その人事異動の書類の作成とか、そういったような単純業務をアウトソーシングしているというところはあるかもしれませんけれども、人事なら人事で、だれだれ氏はどこで適材適所だからどこに回すとか、だれかが問題を起したら、どんなような問題であったのかといったような部分につきましては、それなりの判断を持った者が必要でございまして、何から何まで国がやるというわけに――まあ、かつては機関委任事務を含めて国がやっていたのですけれども、何から何まで国がやるというわけにはいきませんので、そこはある程度の人員、米軍と調整して情報を吸い上げる人員というのが必要であるということは是非御理解いただきたいと思います。

【富田分科会長】  だから、それがどの程度かということについてまだ随分見解の差がありますので、そこらの事務・事業の見直しということを、そういう観点を中心に置いて検討していただきたいということでございます。

【廣田地方協力局次長】  はい。

【富田分科会長】  大体よろしゅうございますでしょうか。それでは、駐留軍等労働者労務管理機構については、ここでいったん議論を打ち切らせていただきます。本日、御説明いただきました皆様におかれましては、御多用の中、御協力賜りましてありがとうございました。当分科会といたしましては、本日の議論なども踏まえつつ、今後主要な事務・事業の見直しに関する審議を深めてまいりたいと思いますので、引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 また、本日は時間の関係で十分な御質問等ができなかった委員がおられるかもしれません。その場合は後日、事務局を通じて照会したり、また、必要に応じワーキング・グループで再度ヒアリングをお願いすることがありますので、その際には御対応方、何とぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

【廣田地方協力局次長】  どうもありがとうございました。


(防衛省 退席)


【富田分科会長】  それでは、以上で本日予定の見直し当初案に関する府省からのヒアリングを終了いたします。
 最後に事務局より報告、連絡事項がございますので、説明をお願いいたします。

【横山評価監視官】  それでは、明日の独法分科会の予定であります。13時15分から16時半までであります。場所は法曹会館の2階の高砂の間になります。法曹会館は法務省の隣の皇居側にあります。
 それで、明日の予定でありますが、経済産業省、環境省、財務省の万博機構に関してヒアリングを行う予定であります。明日もどうかよろしくお願いします。

【富田分科会長】  ありがとうございました。
 私、明日、大学の方でありますので、樫谷代理にお願い申し上げます。
 それでは、以上をもちまして政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人分科会を終了いたします。本日は御多用の中、御出席を賜りましてありがとうございます。


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