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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(12月27日開催)議事録

日時

平成22年12月27日(月)10時00分から11時30分

場所

中央合同庁舎第2号館 総務省第1会議室

出席者

(政策評価分科会所属委員)
金本良嗣分科会長、藤井眞理子委員、森泉陽子委員、青山彰久臨時委員、加藤浩徳臨時委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、清水雄輔臨時委員、白石小百合臨時委員、高木勇三臨時委員、高橋伸子臨時委員、立花宏臨時委員、田中常雅臨時委員、田辺国昭臨時委員、谷藤悦史臨時委員、堤盛人臨時委員、吉野直行臨時委員、木村陽子専門委員

(独立行政法人評価分科会所属委員)
河野正男臨時委員

(総務省行政評価局)
内山総務大臣政務官、田中行政評価局長、新井官房審議官、宮島官房審議官、讃岐総務課長、佐伯政策評価官、松本評価監視官、平野評価監視官、城代調査官、柴沼総括評価監視調査官

議題

 政策評価制度を取り巻く諸状況等について

配布資料

会議経過


【金本分科会長】  それでは、時間になりましたので、ただいまから政策評価分科会を開会させていただきます。
 本日の政策評価分科会では政策評価を取り巻く諸状況について事務局から説明がございます。本日の分科会には内山政務官に御出席いただいておりますので、最初に内山政務官のほうから御挨拶をお願いします。よろしくお願いします。
【内山政務官】  皆さん、おはようございます。本日は御多用のところ御出席をいただきまして、誠に御礼を申し上げます。ありがとうございます。政策評価分科会におきましては、これまで金本分科会長を始め各委員の皆様の熱心な御審議を通じ大きな成果を上げているところでございます。厚く感謝を申し上げます。
 政策評価につきましては、去る11月18日に片山大臣も出席し開催された行政刷新会議の特別セッションの議論を踏まえ、他のレビュー機関との連携を図りながら政策評価の見直し、機能強化について検討を進めているところでございます。また、総務省が行う政策評価につきまして、本日報告があります法科大学院、児童虐待について作業を進めているなど、政策評価は重要な時期を迎えているところでございます。これらの状況の中で、本日は政策評価を取り巻く諸状況等についての御説明をいただくとともに、各委員の皆様のこれまでの御経験を踏まえ、今後の在り方、政策評価の現状と課題について忌憚のない御意見をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
 公務の御都合によりまして、内山政務官におかれましてはここで御退出をされるそうでございます。どうもありがとうございました。
 それでは、最初に児童虐待の防止等に関する意識等調査結果についてと、それから、続きまして、法科大学院の評価に関する研究会の状況について事務局のほうから御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
【平野評価監視官】  それでは、まず、私のほうから児童虐待の防止等に関する意識等調査結果につきまして御説明させていただきます。資料といたしましては、資料1−1のポイントの一枚紙と1−2の概要の2点をお配りさせていただいておりますが、時間も限られておりますので、資料1−1のポイントに沿って御説明させていただきたいと思います。
 資料1−1の1の「調査の概要」のところでございますが、現在「児童虐待の防止等に関する政策評価」を実施しております。その一環といたしまして、児童相談所の児童福祉司のかたがたなど児童虐待対応を行う現場の実務者が疲弊しているとされている中で、その負担感や意見などを把握するためにこの意識等調査を実施いたしました。この調査結果につきましては、別途管区行政評価局を動員して行いました各種施策や事業、あるいは、業務の実施状況に関する実地調査結果と併せまして政策評価結果全体の取りまとめに活用いたしますが、この意識等調査結果だけでも関係行政の見直し・改善に活用され得るものでもありますので、政策評価結果の取りまとめに先行いたしまして今月7日に公表したところでございます。公表に当たりましては、同じ日に公表のありました行政相談のあっせん2件と併せまして、片山大臣の御意向によりまして、この調査結果や行政相談のあっせんについては、内閣として掲げる弱者に寄り添う行政に資するものであり、閣僚のかたがたにも自分から紹介したいという大臣の御意向によりまして、7日の閣議後の閣僚懇談会におきまして大臣からこの意識等調査結果につきましても御発言いただいたところでございます。この調査は8月から9月にかけまして調査票を郵送し、調査対象者自身に回答を記入していただく方式で行いました。調査対象者としましては、児童相談所、市区町村、小・中学校、保育所及び児童福祉施設の担当者合計8,249人でございまして、6,749人から回答がありました。国がこのような形で現場実務者の意識等調査を行うのは初めてでありました。
 2の「主な調査結果」でございますが、一つ目といたしまして、児童虐待を発見し、通告する立場にある小・中学校と保育所の担当者に対しまして、通告した際やその後の児童相談所等の対応について尋ねたところ、小・中学校担当者の32%、保育所担当者の26%が対応不十分と回答しております。32%、26%という数字は少ないように見えますが、いずれも約4割がどちらとも言えない、または通告したことがないので分からないと答えておりまして、対応十分と回答しましたのは、(2)にありますとおり24%、31%となっておりまして、不十分、十分という回答は半分半分という形になっております。次に、虐待された児童を受け入れる児童養護施設などの児童福祉施設の担当者に対しまして虐待された児童や虐待した保護者に対する児童相談所の支援について尋ねたところ、66%が不十分と回答しております。次に、児童虐待のケース対応に当たる児童相談所の児童福祉司、あるいは、市区町村担当者に業務上の負担感を尋ねたところ、それぞれ94%、77%が負担が大きいと回答しております。最後になりますが、いわゆる親権の問題について尋ねたところ、児童福祉司の84%、市区町村担当者の59%、児童福祉施設担当者の83%が病気の治療や進学などの場面で保護者の同意を得ることが困難と感じたことがあると回答しております。
 簡単ではございますが、意識等調査結果についての説明は以上でございます。
【松本評価監視官】  続きまして、法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書の概要について、御説明させていただきます。
 お手元の資料2をお開きいただきたいと思います。本研究会の主宰者は内山総務大臣政務官でございます。この研究会は本年5月31日に発足いたしておりまして、当時は階政務官でしたけれども、その後内山政務官に引き継いでいただきました。座長はこの分科会のメンバーでもいらっしゃいます谷藤先生です。5月から研究会を開催いたしまして、総務省(行政評価局)が今年度実施を予定している政策評価の在り方、方法について御検討いただきまして、去る12月21日にその検討結果を取りまとめて公表したということでございます。
 1ページをお開きいただきたいと思います。研究会では法務省、文部科学省のほかに法科大学院の教官・学生、新司法試験の合格者・不合格であった方などからヒアリングをいたしますとともに、法科大学院や新司法試験の現状に関するデータなどを分析した上で、現行制度の現状と課題等について御議論いただきました。その結果、法曹養成制度につきましては、現在、例えば、次のような問題が生じており、これを国民の前に明らかにし、国民的な議論を喚起していく必要があるということで一致いたしました。この背景には、この問題が法曹関係者のみで議論されているのではないか、広く国民に関係する重要な課題であるにもかかわらず、それが国民の前にオープンになり、国民的な議論が行われているとは言い難いのではないか、そういう意味ではメッセージをきちんとお伝えすることが大事であるという御認識があったと承知しております。
 現状の問題点といたしまして、大きく分けて3点お示しいただきました。一つは、政府は法曹人口の拡大を目指すとしておるわけですけれども、法曹志願者、これが大幅に減少しております。それから、また、政府は司法試験合格者数年間3,000人という目標を立てておりますが、実績は平成22年が2,133人ということで、掲げた目標が未達成になっているということでございます。その下に幾つかの詳細のデータを紹介させていただいております。例えば、二つ目の法科大学院の入学志願者数を見てみますと、制度が発足した平成16年度は、複数の法科大学院を受験される方もおられますので延べ数でございますが、7万2,800人が法科大学院に入学を志願したわけですが、以降ずっと減少傾向にございまして、今年の4月の志願者数は約2万4,000人ということで、67%も減少している状況でございます。
 それから、二つ目は、法科大学院修了者の相当程度、例えば、7〜8割の方が新司法試験に合格するよう努めるという目標を政府として掲げておりますが、毎年の新司法試験の合格率は減少傾向にありまして、今年の新司法試験合格率は25.4%となっております。それから、新司法試験の受験資格は、法科大学院を修了した者が得られ、法科大学院修了後5年間で3回まで受験できるという制限が設けられているわけですが、法科大学院を修了してから5年間の累積の合格率を見ますと、18年に修了したかたがたは既に4年経過しており、あと1年しか受験することができませんが、そのかたがたの累積の合格率は49.1%となっております。あと1年でこれが7〜8割に到達する可能性というのは極めて低いと言わざるを得ず、目標達成度という面ではかなり厳しい状況になっております。
 三つ目でございますが、法学部系の方だけでなく、社会人の方や法学部以外の学部の出身者など、多様な人材を多数法曹界に受け入れていくこととし、法科大学院入学者の3割以上という目標を掲げているわけですが、平成22年度の法学部以外の学部出身者の割合は、法科大学院入学者の21%で、新司法試験合格者の19%という状況になっております。
 政府は一定の数値目標を掲げてこの間取り組んでまいったわけですけれども、なかなかその目標が達成されている状況にない、こういう現状、問題があるのではないかということをまずもって明らかにしていただいたということでございます。
 次のページでございますが、こういった現状を踏まえて総務省が行う政策評価の在り方、方法等について御提言をいただきました。総務省が政策評価を行うに当たっては、政策の所管府省とは異なる第三者的立場から、評価の専門機関として全国調査網等を活用し収集した実証データを基に、政策の総合性を確保するための評価を行うことが重要だという御提言をいただいております。その際、制度の「利用者の視点」からの評価が特に必要であり、例えば、法曹志願者及び法曹利用者の側から見た制度改革の効果についての評価や、新司法試験不合格者対策といった関係府省等の取組が不十分と見られる問題などについての評価が必要であるという御提言をいただいております。また、今後、法曹志願者や法曹利用者からも広く意見を聴取することが必要とされております。それから、最近の関係府省等における検討の動向に触れた上で、これらの検討を促すよう、速やかに調査に着手するとともに、早期に成果が出されることを強く期待するという御提言をいただきました。最近の動向といたしましては、法務省と文部科学省が設置したワーキングチームで、法曹養成制度の問題点や課題を検討するために「新たな検討体制(フォーラム)」といったものを構築するという提言が今年の7月になされておりますが、現在、実現するには至っておりません。それから、司法修習生に対する給費制を1年間延長する法案が可決されたところでございますが、その際、衆議院の法務委員会で、「法曹養成制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」という決議が出されております。こういった関係方面の検討を促すよう、速やかに調査に着手するとともに、調査の効率的な実施に努め、できるだけ早期にその成果が出されることを強く期待するという御提言をいただきました。
 それから、総務省が行う政策評価の参考とするため、研究会の報告書の内容や総務省の評価の在り方につきまして、広く国民の皆様から意見を募集しております。募集期間は1月31日まで約1か月としております。
 このような研究会の報告書を取りまとめていただきましたので、総務省といたしましては、来年年明けからこの研究会報告書を踏まえて速やかに調査に着手してまいりたいと考えておるところでございます。詳細な評価計画等がまとまった段階で本分科会でも御審議賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問とか、御意見ございましたら、お願いをいたします。では、吉野委員どうぞ。
【吉野委員】  慶應大学の吉野ですけれども、法科大学院に関して質問というか、これから考えておいていただきたいことを、大したものではないんですけれども、一つは、アメリカの弁護士さんの場合では海外で活躍される方の数がすごく多いと思うんです。それで、よく日本とアメリカの比較をして、日本は弁護士の方の数が少ないというわけですけれども、もう一つの解決法としては、日本の弁護士、司法試験を通った方で、もっと海外で活躍できる方を増やしていけば、この司法修習生なり法科大学院の規模を大きくできると思いますので、そういう意味では、もっと英語とか、そういう形で、海外で活躍できる弁護士の数を増やしていくということが一つではないかと思いました。
 それから、2番目は、アメリカとかは、そういう意味で、非常に海外での活躍の場が多くて、アメリカの法律をなるべく海外に同じように持っていって、そこで彼らが働ける場所をつくってきたわけですけれども、そうだとしますと、日本の最適な司法の関係者の数はどの程度が本当にいいのかというのを比べていただかないと、やっぱり過剰が出てくる可能性があるのではないかと思いました。感想です。
【金本分科会長】  そのほか何かございますか。
【田辺委員】  法曹養成のほうに関して若干コメントをしたいと思います。こちらの研究会報告書を拝読させていただきまして、実に様々な視点からいろんな意見が言われているということを感じて、問題意識が非常に高いところから出発しているなということは理解することができました。ただ、他方、こちらはやっぱり評価をどう行うかということに関するエバリュエーションデザインがうまくいっているか、いっていないかというところに関してははっきり言ってかなり弱いという感じがしたわけであります。具体的なクエスチョンとしては、例えば、今吉野委員のほうから御説明がありましたけれども、法曹のこの目標とする3,000人という数が多いか少ないかという、達成できていないから多過ぎるという方向になるのかもしれませんけれども、それを検証するときにどういうデータでもって検証し、かつどういうロジックでそれを見るのかというところのエバリュエーションデザインがまだ見えていないというところがあって、例えば、リーガルサービスに関する市場が潜在的にどのくらいあって、どういう形でこれが将来的に、10年後、20年後に展開するのかということをやるんだったら、おそらくこのリサーチデザインではその結論は出てこないのではないのかなという危惧をしているというところであります。つまり、データと、それから言いたい命題との連関が見えるような形のエバリュエーションデザインというのを上手に設定していかないと、意見の羅列になる可能性が高いのではないかというのが1点。
 それから、2点目はこのロースクールの評価にかかわるところであります。簡単に言うと、認証評価があり、それから、国立大学法人ですと、国立大学法人に関する評価があり、大学全体での評価がありと、いろんな形でこのロースクールに対する評価というものが行われており、そこにおいてかなりのデータが収集されているわけであります。それに加えて、さらにもう1回どういう形でこれを評価するのかという点、つまり、この法曹養成に関するフレーム自体を問うと。その中でどういうレギュレーションをして、どういう形で教育が進行しているのかということを見ることは可能だと思いますけれども、法曹養成の各大学の上下というのでしょうか、というところを見るということは若干屋上屋を重ねるというところがありますし、かつ教育の中身に関して総務省というところが手を突っ込むというところがかなり、大学の自治論を言う気はありませんけれども、難しい側面があるのではないかなと思っております。そういった点からも教育と、それから、その結果に関する調査というところというのが、かなり意を尽くして、かつその制約要因等考えてエバリュエーションデザインというのを設計いただければと思います。
 以上、2点ほどコメントを申し上げました。
【金本分科会長】  立花委員どうぞ。
【立花委員】  ちょっと私もよく分かっていない点がありますけども、この司法制度改革の利用者という視点が大事だということが書いてありましたけども、全く私も同感なんですけども、その利用者という面では、つまり、こういったかたがた、人材の受け入れ先の一つとして、公務員制度改革の絡みで、確かもう三、四年前になりましょうか、現在の上級、中級、I種、II種、III種というのでしょうか、そういう制度から、総合職なり専門職なり、あるいは、一般職とか、そういった試験制度に変えていくべきだということの中で、役所のほうでもこういった人材に対するニーズがあるということで期待されていたと思うんですけども、公務員制度改革のほうも政権交代に伴ってどういう状況になるのか私もよく分かりませんけども、その辺の役所側のニーズの変化といいましょうか、その辺がどうなっているのかという点が私はちょっと気になっております。
 以上です。
【金本分科会長】  松本監視官、どうぞ。
【松本評価監視官】  吉野先生、田辺先生の御指摘につきましては、これから評価の詳細を考えてまいりますので、よくそれを踏まえて進めていきたいと思っておりますので、今後の参考にさせていただきたいと思います。
 それから、立花先生から御指摘いただいた公務員制度改革との関連で申しますと、人事院は、I種、II種、III種試験のほかに専門的能力を有するかたがたを採用するための試験ということで、新司法試験合格者を対象とした選考試験というものを別途やっておられるようでございます。既にその制度も5年ほど経過しておりまして、毎年3,4人程度採用されているようです。その辺も評価の視点には入れていきたいと思っております。
【金本分科会長】  はい、そのほか何かございますか。よろしゅうございますか。
 では、次の議題もございますので、この二つについてはこれまでにさせていただきまして、次は政策評価を取り巻く諸状況等についてということで、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
【佐伯政策評価官】  それでは、御説明をさせていただきます。お手元の資料3−1を御覧いただきたいと思います。こちら、9月30日に開かれました行政刷新会議での配付資料の抜粋でございます。案と書いてありますけれども、これは会議で了承されたものです。中身的には行政事業レビューの来年以降の本格実施に向けて取り組むべき課題です。一つ目として、レビューシートに盛り込むべき事項について書いています。ア・イ・ウとございますけれども、成果目標や達成度、費用対効果等のデータについても記載されたシートとすべきとあります。行政事業レビュー自体は事業仕分けの各府省における内生化ということで各府省が取り組んでおるものですが、このシートについては行政刷新会議のほうで様式を示しましてやっております。この様式について、今年はこういった情報が入れられていなかったというところで、レビューをしていく中でそういう情報が必要という意見がいろいろあって、記載することが必要だろうということでございます。
 それから、政策評価との関係で申し上げますと、(2)に書いてありますけれども、レビューと、成果目標に照らした政策の達成度をチェックする手法としての政策評価との関係については、お互いの有機的な関連性まで踏み込んで役割分担を行う必要があると。(3)では、お互いの役割分担と連携の在り方、各府省の事務負担の軽減などについて来年のレビューまでに結論を得るべきということが書かれています。連携の中で負担がないようにというところはかなり問題意識が高いということでございます。
 以上が9月30日の動きですけれども、続きまして資料3−2のほうを御覧いただきたいと思います。これは11月26日の第14回行政刷新会議での配付資料でございます。その中で先ほど政務官から話のありました特別セッションの議論のポイントが報告されております。特に政策評価に関係する部分を見ますと、二つ目の白丸のところで、予算を使う側の各府省が自らのミッションを自覚し、SOFT(Speedy, Open, Fair, Transparent)を念頭に仕事をすることが大切という議論があったと。それから、四つ目の白丸ですけれども、既存のチェック機関の機能の整理・強化が必要。また、チェック機関同士の役割分担・連携が重要ということです。この資料の4ページのところ、蓮舫大臣から発言があり、二つ目の白丸のところですけれども、先ほど申し上げた議論のポイントについて紹介されています。
 特別セッションにつきまして、その概要と、行政刷新会議と政策評価との連携に関する主な発言について御報告いたします。事業仕分けの特別セッションでは蓮舫大臣から冒頭発言がございまして、国会、会計検査院、財務省主計局、総務省行政評価局など、既にある様々な組織がなぜ連携が図られていないのかという問題意識があって、これを議論したいということでございます。
 それから、片山大臣からは、既存のチェック機関の機能の回復、強化が必要であり、先ほどありましたミッションを自覚し、SOFTを念頭に仕事をすることが大事という発言もありました。
 また、事業仕分けに加わった議員、民間有識者の方は仕分けの意義と継続の必要性を強調され、バージョンアップに向けてコメントされており、現在の取組を見直した上で、役割分担・連携をしていくことが重要という御発言がございました。
 それから、個別の御発言を少し御紹介いたします。まず片山大臣の発言は、行政刷新会議の意義は大きかったということと、それぞれの予算を使う側がミッションというものをわきまえているのかどうか、ミッションを分かりやすくいうと、誰のために何の目的で予算を使うのかをつまびらかにすることということであり、このミッションを明らかにするということが非常に大事だと、それについて公開の場で説明責任を果たせるかどうかということが非常に大事であるということであります。それから、既存の評価とか、チェックとかを行う機関は今まで以上に機能を回復、強化しなくてはいけないという発言がありました。
 それから、職員一人一人がミッションを自覚すると、ずっと改革に馬力がかかりますという発言もありました。ミッションという言葉はいろいろな意味合いで使っておられるわけですけれども、片山大臣から以上のような御指摘がありました。
 それから、事業仕分けの評価者として活躍された川本裕子さんの発言でありますけれども、決算情報を次年度の予算に反映していくことが大事だということ、それから、政策を行うに当たっては科学的根拠を重んじることが必要だということであります。
 それから、梶川評価者の発言であります。梶川さんはこの政策評価・独法評価委員会の臨時委員でもありますけれども、ここでは時間軸の問題、それから定量的な数値の把握ということが大事だという御指摘をいただいております。
 それから、寺田総理補佐官から、行政刷新会議と総務省の行政評価局がいろいろな形で連動していくという形が大事だと、それが非常に大きな力を持っていくのではないかと、こういう御指摘がございました。
 行政評価局長からは、いろいろ具体案を持って連携強化を図っていきたいという発言がございました。
 それから、枝野議員からの指摘でありますけれども、事業は目的が重要なのは当たり前、大前提であって、その目的のためにこの事業が役に立っているかどうかというのが非常に大事なところだと、問題の本質なんだという指摘をされております。
 それから、加藤事務局長は、一番事業についての情報を持っているのは各府省の担当者だと、ですから、各府省の担当者が自分でチェックをするように、一人一人の公務員の行動の中に織り込む仕組みが大事だと、こういう御指摘をされています。
 個別の発言の御紹介は以上でございます。
 続きまして、資料3−3を御覧いただければと思います。こちらは平成23年度予算編成の基本方針でございまして、その中で今後の検討課題として予算・行政に関するPDCAサイクルの充実に関して記述が盛り込まれております。予算に関するPDCAのサイクルを充実し、施策の有効性、効率性について不断の検証を行っていくことが不可欠である。既存の政策評価制度と行政事業レビューの役割分担の明確化・連携強化、それから、政策達成目標明示制度等の取扱いを含め、関係府省含めて政府全体におけるPDCAサイクルの整理・強化について検討を行うことが、ここで改めて確認をされています。
 そういう中で政策評価をどうしていくかということですが、行政事業レビューとの役割分担の明確化・連携強化に加えて、この制度自体施行から10年たっております。今後どういう方向でこれを進めていくかというところで是非御意見を賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 説明は以上です。
【金本分科会長】  ということでございますが、10年という区切りでもございますので、現状と今後の在り方につきまして御自由に御討議、御議論を、あるいは、御質問をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。はい、清水委員どうぞ。
【清水委員】  この会議にそうしょっちゅう出席しておりませんので、大変恐縮でございますが、今お話の中で11月18日の特別セッションの中でそれぞれ担当大臣、あるいは、総務大臣、いろんな方がまた発言をされております。一々もっともで、私どもが考えると、なるほどと、こういうことでございます。問題は、しかし、そうした意見がこれまでも何回も出ているのではないかと思います。その中で特に私がなるほどというふうに思いましたのは、田中局長もおっしゃっておりますし、片山大臣もおっしゃって、行政刷新会議があり、行政評価局があり、主計局があり、会計検査院があると、いろんなところで国の政策に対するチェック機能があるわけですが、これがそれぞればらばらにやっていると、それはしっかり連携を図れと、こういう指示でございまして、田中局長も具体的なこれをやっていこうと、こういうふうにおっしゃっておられるわけです。しかし、これがなかなか、まさにこの役所の縦割りからうまくいかない。行政評価局として連携強化のための具体案というものを今考えている中身ではどんなものでしょうか。それをちょっと教えていただければありがたいと思います。
【金本分科会長】  何かございますか。
【佐伯政策評価官】  まさにその具体案を今練っているところです。
【田中行政評価局長】  どうもありがとうございました。行政評価局長の田中でございます。
 ちょっと事務からの説明でしたので、資料の紹介をずっとさせていただきまして、実はそれぞれにやはり政治的な局面がいろいろありまして、なかなか一本道ではない環境の中で仕事をしてまいりまして、それで、今御指摘のとおり11月の第3弾目の仕分けで、特別セッションの格好で整理をしていただいたということだと思います。ですから、必要があれば、後ほどこの1年間の経緯をもうちょっとお話しさせていただいたほうがよりいいのかもしれませんが、今お尋ねの、直接何を考えているかということにつきましては、基本的にはこの予算編成に向けた一連の行政刷新会議の活動の中、例えば、独法の整理合理化の話、これらの中で相当連携してやってまいりましたので、むしろ一段落したところというのが現状でございます。これから先に向かって今具体的に持っておりますプログラムとしましては、行政刷新会議のもとに公共サービス改革分科会、政府調達を始めとした一連の政府の公共サービスに係る手続とか、そういうものについて議論されるセクションがありまして、ここに相当程度の貢献をせよと、行政評価局がこれまでやりました政策評価、あるいは、行政評価・監視の中の知見で幾つか役立つものがあるということがございますので、そちらのほうへの貢献をしろということで、この会議のたびに出席をして、いろいろな調査、これまでやった実績を紹介しております。
 それから、規制改革についても行政刷新会議のほうでチームが設けられました。これはまだちょっと表向きの会議では、年明けからの活動になりまして、メンバーが決まって1回顔合わせされた程度であるんですけれども、実はそこに当委員会の委員長でいらっしゃる岡住友商事会長が委員長として行かれます。ちょうどこちらでやっている仕事を向こうで生かさせていただくいい機会だと思いまして、大臣とも御相談をしまして、今年の9月から規制改革の一環であります検査検定・資格制度についての調査をやっておりまして、近々にこれは中間公表をしようと思っておりますが、これを向こうの会議で御議論いただくようにお持ちいただいております。具体的に言いますと、今の公共サービスの関係と、それから、規制改革の関係がございます。
 緊急に想定されますのはやはり独法でございまして、独法につきまして、先ほど申し上げましたとおり平成23年度予算編成に向けて相当程度いろいろ具体的なコミットをして協力をいたしましたが、今後行政刷新会議のほうで、独法のいわゆる、民主党のマニフェスト的な表現を使えば、抜本改革をおやりになるというイシューでございます。粗々の日程はお決めになっているようですけども、その手順、段取りはまだはっきりしませんが、これが動き出しますと、端的に言えば、こちらの委員会が我が国で一番専門知識をお持ちの専門家のかたがたでいらっしゃいますから、当委員会からの貢献、あるいは、当委員会で御議論いただいた結果を総務省として行政刷新会議のほうに反映していただく、こういう局面が来るのではないかということもあろうかと存じます。いずれにしましても、それも含めまして、片山大臣自身が非常に強いお気持ち、行政刷新会議ができましてから、相対的に言いますと、一番連携を強調されている大臣でございますので、大臣のお考えもよく承って、年明け以降いろいろな協力をしていきたい、そんな気持ちでおります。
 以上でございます。
【金本分科会長】  よろしゅうございますか。 はい、どうぞ。
【清水委員】  ありがとうございました。評価局が、やっぱりそれは総務省の一部局でありますから、全体の話に対してどういう役割を果たすかということはなかなか難しいと思いますし、それから、評価チェックをするための個別政策についてやるということはまた当然だと思うんですね。ただ、行政刷新会議と、あるいは、会計検査院等の役割分担というものについて、これは内閣自体がやるべきだというふうに思われるのか、あるいは、評価局として全体としての役割をそれぞれどうすべきだという提言をするお考えはないんでしょうか。
【金本分科会長】  はい、どうぞ。
【田中行政評価局長】  先ほど御指名いただいた折に触れましたが、若干先ほど資料でもって御紹介したこの一連の流れを御紹介しながら、ちょっとお時間をいただいてお話しさせていただいてもよろしゅうございますか。
 まず、今の議論とちょっと別の前提としまして、当評価局の政府全体におきます、いわば権限的な面、政府全体をどうやって見渡せるかということで、どういう立場にいるかということでお話をしていきます。それは当然総務省設置法で規定があるわけでございますけども、中央省庁等改革ででき上がったこの総務省という役所であるわけですが、立花先生もよく御案内のとおり、中央省庁等改革基本法の別表第二の備考に総務省は内閣及び内閣総理大臣を補佐するものとして設置するという規定がございまして、私どものミッションとしては、内閣全体を見渡す立場から仕事をするという役割をいただいていると思っております。また、総務省が何がしかの見解を持ちまして、各府省に勧告をする権限、政策評価あるいは行政評価・監視でいたしますけども、その権限に対して、ありていに言いますと、各府省が従わないということであるならば、内閣法第6条の規定によります内閣総理大臣の指揮監督権限、これの発動を促す権限を当省が持っている、そういう立場でございますから、内閣官房であるとか、内閣府であるとか、仕切りはございますけども、権限的には政府全体を見渡す、いわば制度官庁の立場からいろいろ物が言える立場であると心得ております。逆に言いますと、それを言っているように見えない、あるいは、遠慮しているように見えるというのは、あくまでも私ども評価局の仕事の中身の出来、不出来の話ではないか、自信を持って言えるかどうかの話ではないかなという気が、私自身はいたしております。
 以上、前置きが長くなりましたが、民主党政権になりまして、この政府部内のレビューを巡る議論、大きく申しますと三つ流れがございます。一つは国家戦略室という局を目がけた組織があるわけですが、懐かしいですが、国家戦略担当大臣でいらっしゃった菅直人大臣が就任直後にイギリスの、今やなくなったという話を聞いていますが、PSAをモデルといたしました政策達成目標明示制度を導入するということを宣言されて、事実上作業が始まりました。私どもの受け取り方からいけば、政府部内におきますPDCAサイクルのいわば頂点にそれを位置付けて実施するという発想ではなかったかというふうに心得まして、当然政策評価との関係であるとか、政策評価と整合的に、あるいは、我々の知見でもっていいものができないかということで、実は当時の菅大臣からの御発言があったときから、そういう要請もあって、ずっと協力をしてまいりました。ただ今もずっと議論されておりまして、この資料3−3の予算編成の基本方針の中にあります予算・行政に関するPDCAサイクルの充実の中に、政策達成目標明示制度の記載がございます。これをきちんとやろうということを改めて宣言がなされたものだということでございます。
 菅大臣のそういう御発言があった直後に民主党政権で、行政刷新会議でいわゆる事業仕分けをやるということになりました。その事業仕分けをやるということについて、行政刷新会議の事務局から行政刷新会議のメンバーの雰囲気を聞きましたところ、いわば従来の政府部内におきます政策に関する評価機能が十分に機能していなかったのではないかという問いかけ、従来の予算査定は一体何であったかという論点、それから、従前の政府部内におきます政策評価も、あるいは、会計検査院も含めたレビュー機関が役立っていないのではないか。したがって、自分たちでやってみよう、もちろん別途財源をどうこうするというお話もございましたが、そういう観点でもって行政刷新会議の事業仕分けが始まった。当然のことながら当局もその事業仕分けにあったということでございます。そこでは抜本的機能強化ということで評決をいただきましたが、前もおわびかたがたお話ししましたように、実際は役立っていないと。したがって、役立つように知恵を出す、知恵がないならやめてしまえと、私は事業仕分けの席に座ってそういう受けとめ方をしておりました。したがって、政策評価を強化するということを私どもは一つのミッションとしてやったわけです。
 一方、行政刷新会議のほうでは、事業仕分けをおやりになった後その事業仕分けを各府省の中に内在化させるという作業をやられまして、それは年明けから年度明けにかけて制度設計の行われた、いわゆる各府省におきます行政事業レビューという制度でございます。それをやり始めたということです。そうしますと、何が起こりますかというと、行政事業レビューというのは事業仕分けの各府省への内在化でありますから、各府省が自分のところの政策を見直す。政策評価のコンセプトとよく似ているんです。もともと民主党政権の中では、行政機関が自らの仕事を見直すという、ある種政策評価の一丁目一番地について根本的な懐疑心があるわけですが、その中にあってこの行政事業レビューが始まって、そこで各府省から、政策評価と重複しているというふうに言われたわけです。これを何とかしてほしいと。行政刷新会議のほうに話が行ったものですから、我々にはどこまで問題意識が生じているか分かりません。ただ、いろいろな議論を重ねた結果直近の機会に議論されたのがこの資料3−5、これが各府省での行政事業レビューの担当官のこの1年間の印象ということで御覧いただければと思います。
 重複しているので、これを何とか、まさに整理しなくてはいけないということでもって、この3月31日に、当時の国家戦略室担当の副大臣でいらっしゃいました古川副大臣が、冒頭申し上げましたように、自分のところでおやりの政策達成目標明示制度を頂点として政府部内のレビュー機能を整合的に、あるいは、各府省に重複した負担が及ばないようにうまい具合にコーディネートしてやろうと、その議論を開始したいという宣言をされました。それが3月の下旬。それ以降我々はその議論をやろうということでずっと協力をしてまいったわけですが、実際問題その行政事業レビューが始まってしまいますと、その実務的な制度設計がなかなか忙しくて議論になっていないということでございました。この間重複していろいろな議論がございました。国会では、ちょうど通常国会、予算が上がった後の質疑でございましたので、まさに先生がおっしゃったように、行政評価局の評価は行政事業レビュー、あるいは、事業仕分けとどう違うのだと国会で相当質問されました。それはもっともな御質問ですから、我々も答えなくてはいけないのですが、その一方で行政事業レビューというのは試行だとおっしゃっております。この質問にはなかなか答えるのが難しくて、一体何をもって特色とするかという論点、それから、答えをごまかすわけではないのですけれども、どうその政策評価と事業レビュー、事業仕分けと仕分けるか、あるいは、政府部内のレビュー機能とうまい具合に機能分担するか、連携を図るかという論点のときに、実はものすごくたくさんの論点があって、予算を要求してから査定があって、執行して決算が出るという、いわば予算のサイクルの中で、それぞれのレビュー機能がどこでどう役立つかということを整理すると、特色が相当あちらこちら違うのです。それから、見ている政策のレベルがどうかということもまた違います。手法も違います。ですから、どの論点に視点を置くか、それぞれの連携であるとか、あるいは、協力であるとか、分担であるとか、重複を排除するかという議論をするために何が問題かということをきちんと整理しないと、なかなか議論が始まらない。率直に申しますと、そういうことをきちんと議論できるまで、まだそれぞれの機能の仕事ぶりの整理が追いついていない。ただ、比較的従前から、おかげさまで法律に基づいた権限を持たせていただいて、政策評価を他の政府部内のレビュー機能との関係で相対的に評価してきた我々でございましたので、相当程度いろいろな整理ができます。できますが、それをもって我々としては、先ほど申し上げたように、今年の3月に国家戦略室が中心となって議論しようということになっていますので、それを待っている状態でございます。実務的にこれからはきちんとやりたいということで宣言をされたのが資料3−1の今年の9月30日の行政刷新会議での御議論であったと。やはりこの議論を踏まえてけじめをつける必要があるというのが事業仕分けの第3弾であったと。その流れで、改めて政策達成目標明示制度の頂点として予算・行政に関するPDCAサイクルを充実させようということで閣議決定がなされました。私どもなりに十分他の機能との違いであるとか、そういう論点については承知しているつもりでございますので、その閣議決定の議論が開始されれば、ここできちんと議論して効果的な仕事ができるようにと思っています。
 ただ、実務担当者の愚痴を含めてかもしれませんが、1年ちょっとこの仕事をやらせていただいた私自身の感想としては、評価のための評価というのがよく言われます。この仕事について、この財政事情の中で、あるいは、いろいろと優先されるべき政策課題の議論がある中で、引き続き評価のための評価という評価をずっといただくようであるならば、やはり根っこから出直しを考えなくてはいけないということを今感じています。
 ちょっと長くなりました。失礼しました。以上です。
【金本分科会長】  はい、どうぞ。
【清水委員】  一連の流れを非常に分かりやすく御説明いただきましてありがとうございました。それだけに今局の置かれている難しさというのがよく分かったわけでございますし、根本のところではやっぱり政治が、おっしゃったような国家戦略室か局か本部か、そこの問題が最大、大きいように感ずるわけです。とはいえ、やっぱり組織の中で今までしっかりと、地味ではありますけれども、やってこられたものは一つの財産でございますので、引き続き是非頑張っていただきたいと、こういうふうに思います。ありがとうございました。
【金本分科会長】  そのほか何かございますか。
【谷藤委員】  一つだけ確認しておきたいんですけれども、この政策達成目標明示制度はどこが主体となって実施するということになっているわけですか。ここら辺については書かれていなかったんです。
【佐伯政策評価官】  制度設計は国家戦略室のほうが中心になって行っています。
【田中行政評価局長】  国家戦略室はもちろんこの制度の企画をしているところでありまして、その中で一体この制度をどこがまさに運用、実施するのかということにつきましては、必ずしもまだ決まっていないということではないかと思います。まず、おそらくその目標自体は内閣府とか、あるいは、全政府レベル、例えば、閣議決定とか、そういうレベルでの提示ではないかというふうに推察はしています。それについて実施するのは、掲げられる政策達成目標が各府省の政策を超えて、またがってやられる、あるいは、束ねて目標を提示されるようなものも入っているように見受けられるんです。そうなりますと、基本的には各府省が見直すということで、それをどうやって全体コーディネートするか、あるいは、チェックするかということではないかと思っておりますけども、その目標の設定の整理自体がまだはっきりしませんで、正直言うと、我々もまさにどこがやることになるのか、少なくとも各府省ではやるが、それ以外どう絡むのか、ちょっと分からない状態ではないかと思います。
【谷藤委員】  そうしますと、行政レビュー自体にも重複感がありますし、また、ここのいわゆる政策目標達成明示制度そのものとも、この行政評価局の事業と言われているようなものとの重複感がかなり出てきているような感じがして、ここに実は質問がされておりますけども、まさに同じような作業と言われるようなものが2か所部内で行われるということを大変懸念しているんですけれども、そこら辺の方向性は何か出ていますか。
【金本分科会長】  はい、どうぞ。
【田中行政評価局長】  方向性ということでお尋ねがあるならば、まだ方向性を出すところまでの議論が成熟していないと思います。ただ、議論の前提としまして、まさにこの閣議決定の仕立て自体が、重複がないように整合的かつ体系的にやろうという主旨ですから、そういうことにならないようにするというのがミッションだと思います。
 それで、今我々が思っていますことは、先ほど申し上げたとおり、いろいろなレビュー機関相互の特徴の整備の仕方があるのですけども、少なくとも見る政策のレベルということでいけば、我々のある種試案なのですけれども、政策達成目標明示制度の政策達成目標がかなり省庁横断的、あるいは、省庁をまたがった、束ねた目標であるならば、それを頂点として、政策評価で議論されていただいていますように3段階の仕事のレベルがあるわけです。いわゆる狭義の政策、それから施策、事務事業とあるわけですから。その政策レベルのものについては、やはり政策達成目標明示制度との整合性を持たせて、それから、行政事業レビューはその施策目標未満の辺りで見ると。政策のレベルでいけば、まず、そういう仕分け、すみ分けができるのではないか。
 その次に、じゃあ、それぞれに誰が主体的にやっていくかというところでまた重複の話が出てくる可能性がありますので、これは別の要素を入れて物事を整理していくのではないかなというふうに今漠然とは思っております。
【金本分科会長】  よろしゅうございますか。
 はい、それでは、ほかに何かございますか。じゃあ、佐藤委員どうぞ。
【佐藤委員】  簡単に。連携になるのか、すみ分けになるのかいろいろと試行錯誤だと思うんですけれども、少なくともできることは、この委員会でも何度も出てきていることですけれども、情報共有だと思うんです。非常に学者的な意見になっちゃいますけども、データベースをちゃんと作ってくださいという、それは外部の人もアクセスできるし、それから、もちろん総務省さんもできるし、各省庁さんもできるし、行政刷新会議もできると。単に図表を並べるんじゃなくて、元データがないと、自分で加工しないと新しい評価の視点は出てきませんので、何もしなくてもいい、とりあえず今の段階でもできるなという、そういう連携というか、というものは多分あると思うので、まずそこから始めないと、そこから先何も進まないのかなという気はするんです。
【金本分科会長】  今の、じゃあ。
【佐伯政策評価官】  はい。政策評価の総合窓口というのがありまして、こちらの内容についてもこれから見直しをして、いろいろ情報の共有を確実に図れるようにしたいと思います。それから、元データについては、政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインを5月に作りましたので、このフォローアップをしながら、きちっと各府省に出してもらえるようにやっていきたいと思っております。
【金本分科会長】  はい、どうぞ。
【田中行政評価局長】  重ねてではございますけれども、今の元データの話は、まさに春に御議論いただきましたように、去年の事業仕分けで当局が事業仕分けにあって、政策評価について改善を図る、いわば基本的には政策評価に係るデータはすべて各府省オープンにしていただくというところが改革の一丁目一番地になっておりまして、そのためにも春に政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインを作り、そこでまさに各府省に求めていただく根拠ができたと思っておりますので、存分に御活用いただければと思っています。
【金本分科会長】  はい、じゃあ、立花委員どうぞ。
【立花委員】  よろしいですか。もう大体皆さん方御存知、そちらにおられます田中局長ほか皆さんよく御存知の話で、言わずもがなという感じがあるかもしれませんが、私は国民の不満が、何となくもやもやしているのは、議論がどこまで進んでどうなったのかというのが分かったようで分からなくて、いつももやもやしていて、頭の中が整理できないという感じが私はぬぐえないんです。やはり田中局長ほか皆さん行政のプロですから、専門家ですから、今日御説明いただいたような資料について、こういった資料ごとに御説明いただきましたこともきちっと、ある意味で言えば、政治家のかたがたも常時四六時中この行政評価、政策評価のことをやっているプロじゃないわけですから、きちっと議論を、事実を事実としてありのまま整理していただいて、今後の方向性についていかにあるべきかということは、国民が多分共有できて、議論できるようなそういった資料を、もう大体皆さん頭の中でお持ちなんだろうと思うんですが、ちょっと御準備いただいて、今佐藤先生がおっしゃいました、共有しながら、トランスペアレントな議論といいましょうか、そういった議論をやることが、国民のこういった政策に対するもやもやといいましょうか、何か決まったのか決まらないのか、どこまでいったのかどうなのかよく分からないという点を、もやもや感を払拭するためにも、非常にそれは政権にとっても大事なことではないかなという感じがいたします。ちょっと余計なことを申し上げたかもしれませんが。
【金本分科会長】  何かレスポンスはございますか。できる範囲内でということだとは思いますが。
 この委員会は10年たちまして、審議会の10年ルールで私も含めまして退任のかたがたが何人かおられますので、最初にというか、もう途中になりましたけども、そのかたがたからお願いをできればと思いますが、高木委員。
【高木委員】  はい。この件に関してですか。総括的にですか。
【金本分科会長】  どちらでも結構ですよ。
【高木委員】  分かりました。まず、この件の中で、先ほど谷藤委員がお取り上げになられた政策達成目標明示制度に関してちょっと意見だけ申し上げておこうと思いますけども、私、評価という観点からしたときにこの政策達成目標明示制度自体非常に意義の大きい制度だと思っておるんですけれども、しかしながら、この制度の実現のためにはかなり政治家が腹をくくらないとならないということは明らかというふうに言えると思うんですが、この制度を打ち上げて1年以上たってまだ具体的な形が全然見えてこないというのは、私は政治家の怠慢と言わざるを得ないんではないかなと。そういうふうに意見を申し上げておきたいと思います。
 10年間この政策評価・独立行政法人評価委員会の政策評価分科会のほうの委員を臨時委員として務めさせていただきましたけれども、政策ですとか、施策ですとか、あるいは、行政の現場に関しましていろいろ問題点を中心に知見を深めることができたというのが個人的な感想ということでありますけども、政策評価法に基づく政策評価に関しましては、先ほども局長自らおっしゃっていましたように、あまり進展を見せていないというのが現状というふうに言わざるを得ないのではないかと思うところであります。その要因というところでは、委員会としての責任というものも私は否めないのではないかなと思っておりますが、これまでの行政評価局の取組自体、やはりうまくそれを進展させるような取組が不足されていたと言わざるを得ないのではないかと思っております。この10年間の中というところで考えました場合には、平成17年でしたか、そのガイドラインの見直しというのは一つ大きな意義があったところかと思うんですけども、当初から指摘されておりました3E(Economy、Efficiency、Effectiveness)という観点からも目標の設定の仕方というところについては、これはある程度トライアル・アンド・エラーでやっていかざるを得ないということが最初から明らかであったわけですけども、その中で行政評価局が範を示すという話も当初あったかと思うんですけども、あまりその辺が進展していなかったというところが一つ指摘できるかと思います。
 それから、また、今の見直しという中で、昨年も私が申し上げたんですけれども、そもそも行政評価局の行政評価と会計検査院の3Eに関する評価というのは明らかに制度的意味でも重複を最初から見せていたということは指摘できると思っておりまして、省庁改革の中で会計検査院がこの部分について熱心に取り組んでいなかったという事実関係があって、そこのところで今のようないわば二重の制度がスタートしたというふうに言えるかと思うんですけども、そこのところについてはやはり制度的な重複があるという認識を前提に今後制度の実質的な意味での改善というのをお取り組みいただきたいと思います。
 なお、やはり私はいろいろ問題点として政治の問題が非常に大きく感じざるを得ないと思っておりまして、政局ですとか、選挙に熱心な政治家は多くいらっしゃるというふうに言えるようでありますけれども、政策、特にそれに対して責任をとるという政治家があまり多くいないんではないかというところが一つ我が国の根本的な問題と言えるのではないかなと思っておりまして、そこのところも是非改善に今後お取り組みいただけるような方向でお考えいただければと思うことを最後の言葉とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【金本分科会長】  後からまとめて、もし事務局のほうからあれば、お願いしたいと思いますが、次、田辺委員、お願いいたします。
【田辺委員】  10年間ほど務めさせていただきまして、2点ほど感想を申し上げたいと思います。1点目は、この評価という作業はおそらく行政改革の中から出てきた動きだと思っております。企画を非常に偏重する行政文化があり、その中で見直しをどういう形で組み込んでいくのか、それで、その次の新しい行政の姿にどう生かしていくのかという機能のところから評価というものが出てきたんだろうと思います。その意味では、この評価というのは行政改革を日常的に行うための仕掛けとして期待されていたのではないだろうかと思っております。他方、行政改革をお祭りとしてやるときは盛り上がるんですけれども、日常として行うためにはやはりかなりの知恵がそこには必要とされているんだろうと思います。評価局長等から御説明いただいたような制度を巡る様々な考察とある種のバランスというのは、これをどういう形で制度としてつくり上げていくかということにかかわる一連の課題なんだろうと思っております。そのときに、おそらく状況はころころ変わりますから、それにどういう形で対応するのかという運用の組みかえというのは絶えずやっていかないといけない。当然行政をやっている側からすると変えたくないというある種の慣性が働きますので、それをどういう形で揺さぶっていくのかというところなんだろうと思います。その際に、二つありまして、一つは、やはり一定の圧力を絶えずかけておかないと絶対にやらないものでありますから、そこをどういう形で確保するのかということ。他方、現場の側からすると、あっちからこれをやれ、そっちからこれをやれと言われてきますので、その負担感をどういう形で取り払って、効率的に見直しをする制度をつくり上げていくのかということに関しては知恵を働かせていただきたいというのが第1番目のコメントでございます。
 それから、2番目は、この評価の中で一つうたわれておりましたのは、やはり証拠に基づいた、もしくはデータに基づいた政策の作成、政策の判断というものをやっていこうという文化をつくり上げていくということなんだろうと思います。分析に基づいて評価し、事前評価の場合ですと、さらにそれに基づいて政策を組み立てていくというところなんだろうと思います。行政評価局の中では監察の経験が非常に多いので、きちっとしたデータをとるという文化は非常にはぐくまれていると思いますけれども、それをどういう形で分析し、情報として組み立てていくのか、その分析能力をさらに高いものにして、よりよい情報を算出し、よりよい見直しにつなげていただければと思います。
 以上2点です。
【金本分科会長】  はい、どうもありがとうございました。
 次、吉野委員、お願いいたします。
【吉野委員】  吉野ですけれども、私も10年間勉強させていただきまして、三つほど申し上げたいと思うんですが、一つは、政策評価の中でやはり定量的な手法を使った分析の結果というのがほとんど各府省でなされていないと思います。そういう意味では、他省との評価の違いを出すのであれば、元データをこちら側がお持ちになると同時に、それを使って分析した結果を是非出していただければと思います。そのためには、多分今大学院生で博士をとってなかなか就職できないのがたくさんいますから、そういう人たちを少し短期間雇って、そういうのをアウトソーシングで使うとか、いろんなやり方があると思うんですけども、少なくともせっかくデータを集めても、大体ここで出てくるのは二次元なんです。それ以上の多次元がなくて、そうすると見せかけの相関というのがすごくあるわけです。それでこういう評価ですと言っているんですけど、我々から見ると、せっかくのデータであればもう少し使っていただけるんじゃないか、それが一つです。ですから、他省との評価の違いを出していただきたいと思います。
 2番目は、今日の事例でもございましたが、司法試験の合格者の数を何千人にしようと、その目標自身がもし良くなかったときに本当にそれをやっていっていいんでしょうかと。で、当時立てたときと今でひょっとしたら違っているかもしれないんですけども、金科玉条のごとくこれを達成しないといけないということが本当にいいのかどうかということです。
 それから、3番目は、政策で予想されなかったほかへの波及効果というのを誰が見るだろうか。現在の政策の評価というのは予想されたとおりのところがうまくいっているかどうかだと思うんですけど、例としては昔ゆとり教育があったわけですけども、これをやったおかげで、例えば、中国とか、韓国に日本人が今ものすごく負けていまして、海外の留学生の数も減っていると。これが非常に大きな効果になっているわけで、そうすると、将来的には国際機関で働く日本人も少なくなるでしょうから、ますます日本の国力が弱くなると。だから、そういうゆとり教育のときは国内だけで見ていて、そのほかの波及効果というのは全く見なかったわけですが、そういうサイドエフェクトに対してやっぱり政策評価というのは必要ではないかと。そういうところをこの政策評価の皆様方に考えていただいて、日本にとって本当にどうなんだろうかというのを是非考えていただきたいと思います。
 以上です。
【金本分科会長】  次、木村委員にお願いいたします。
【木村委員】  もう早いもので10年がたちまして、大変お世話になりましたことを感謝いたします。
 私も3点ほど申し上げたいと思います。この政策評価の効果としましては、やはり各省の方に聞きますと、意識がかなり変わりましたということをおっしゃいますので、その点は成果だと思います。
 2番目ですけれども、この評価委員会は大学の先生方が多いこともあり、学問的にはかなりレベルの高いものをますますその手法においても極めていっていただきたいんですが、私は今組織を運営しているほうに回りましたけれども、実際にはどの程度時間をかけずに簡単に使えるのかということが重要になってきますし、組織の人たちにどうやってモチベーションを与えることができるのかというのが重要になってきますので、深めるとともに、使うときには非常に簡便な方法というのを開発していただきたいということが第2点目です。
 第3番目ですけれども、評価のための評価と言われるのであれば、やはり原因は考えなければならないのではないでしょうか。どういうことなのか、理解が不足しているから、そういったいわれもないことを言われるのか、あるいは、思い当たるところがあれば、見直していかなければならないと思います。
 以上です。
【金本分科会長】  どうもありがとうございました。
 もうちょっとだけ時間がございますので、そのほかのかたがた何かございましたら。堤委員どうぞ。
【堤委員】  資料3−2についてというか、これだけじゃないんですけども、この一番下のところの無駄という文字です。今日の配付資料の中にこの無駄というのが非常にたくさん出てまいります。事業仕分け等の議論を聞いていて気になるのは、ある種性悪説を前提にして、無駄があるんだ、悪いやつがいるんだということで、そこばかりをやっていて、これがやっぱり役人の方や職員のモチベーションを下げている面もあろうかと思うんです。例えば、その予算の執行途中に創意工夫で予算が削減できたという場合には、これは無駄ではないんじゃないかと私は個人的には思うんです。そこまで考えていなかった、ということまで言えば無駄なんでしょうけども。そういった、ある種性悪説に対しての性善説的なところをちゃんと評価するということがやっぱり大事で、資料3−2の一番下に書いてある無駄の削減を評価するようなところは、無駄ではなくて、プラス、そういった性善説的な創意工夫での予算削減ということも評価することまで含めて、人事評価の制度が必要じゃないかということを一つ感じます。
 それから、もう1点だけ申し上げると、時間軸が、ちょっと今日のお話を聞いていて、やっぱりちゃんとまだ整理されていないのかな、と。要するに、予算が決まってから執行していく過程で、これは皆さん御承知のとおり単年度主義で、結局年度の後半にいろんな事業がスタートして、ばたばたやるという、人的資源、あるいは、予算の効率的な活用という意味で問題をずっと抱えたまま、そこの部分についてはこういった事業仕分け等でほとんど見ることなくて。
 そういう意味では、時間軸とか、あるいは、性悪説に対する性善説的なところというのがまだこれから議論するところがあるんじゃないかなという感じがいたします。
 以上です。
【金本分科会長】  そのほかございますか。よろしいですか。田中委員。
【田中委員】  田中です。今いろいろなところの中でこの委員会の役割というのを見直す時期だというふうには思うんですが、特に私は商工会議所で税制だとか、子ども、子育てのことについてお話を伺ったり、会議に出たりすると、やはり選択肢の中で何を優先すべきかということに対してヒントがないんです。ですから、すごく政治家の方は苦労しているんだろうと。みんな欲しい、全部やりたい、その中で何を優先して何を削るのかというようなことを議論しているんですが、あまり政策的な根拠のない決め方をされているなというのをすごく感じます。今いろいろな行政のことについての評価をやられているのは、ここもそうですし、行政については新しくそういうシステムができてくると思うんですが、政治家が見たときに戦略なり全体の政策に対して、最終的には国家予算に対してどういうふうに考えていったらいいのかなというところの相談相手になるような根拠なり相談相手がいないなというのをつくづく感じていますので、戦略室とここの総務省のお立場がこれからやっぱりそういうところを埋めていけるのに役に立っていければいいなと、そういう中でこの政策評価についても位置付けを考えていただけたらいいなというふうに個人的には感じています。
【金本分科会長】  佐藤委員、どうぞ。
【佐藤委員】  自分たち大学は今評価で忙しいので、やっぱりそうなると、評価というのは評価される人のためにもならないと駄目なんだろうなというのが、これは正直に実感でありまして、例えば、評価のためにいろんな事務作業が増える、それは負担になるわけで、なかなか続かないということになりますと、評価することが自分たちの将来の仕事に役に立つということであれば、もちろん自分たちでさえ進んでやろうという意欲ぐらいは出てくるということになる。ただ、残念なことに今評価というのは何か外向けのための評価であって、自分たちが仕事を見直すための評価になっていないような気がするんです。よくある話ですけれども、どうやって自分たちで今やっていることを正当化しようか、そこに苦心するわけで、どうしてもそれが自分たちの仕事をよりよくするためにはどうしたらいいんだろうということになかなかつながっていない。政策評価でよくあるのは、外部評価か内部評価かという議論があって、外向けの評価なんですか、内向けの評価なんですか、そのあたりが何か混在しがちだなと思いまして、さっき堤委員が無駄の話をされて、「あっ、そうか」と思ったんですが、国民にとって分かりやすいので、無駄という言葉は多分外向けで使う言葉だと思うんです。内向けに言えば、僕は優先順位の問題、極端なことを言えば、無駄な仕事はないわけで、何かあるわけでして、ただ、コストに見合っていないとか、同じ資源を投下するならほかのほうがより効果が高いというだけなので、そういう点において優先順位付けをきちっとするということもやっぱり内部ではすごく大事になってきて、そして、その中でその仕事を切るときに優先順位が低いから切るという、何かそういう理論付けにもなるわけですから、何かそのあたりもう少しインシュレートといいますか、ふだん自分たちがやっている業務の中にどうやってその政策評価を組み込んでいくかということ、そこをやらないとなかなか続かないだろうなと思ったんです。
【金本分科会長】  そろそろ時間もなくなってきましたが。
【加藤委員】  よろしいでしょうか。
【金本分科会長】  加藤委員。
【加藤委員】  時間がないようなので手短に話します。先ほどから皆様の話をお伺いしていると、政策目標は政治家がつくるもので、官僚はそれを与えられて実行するという図式が強すぎるように感じられました。必ずしもそうでなければならない、というわけではないかもしれません。評価の途上で出てきた新たな問題や、さらなる目標を自ら発見して、政治家にフィードバックすることも、政策目標に関わる作業の中でやるべきことの一つなのではないでしょうか。そういう意味では、いろいろ政治的な事情もあるとは思うのですが、政治家と官僚とがもっと協力をしながら、望ましい政策目標を考えるべく評価作業を行っていくべきであろうと思います。
 以上です。
【金本分科会長】  はい。もう時間もなくなってきましたので、よろしゅうございますか。
 このメンバーで委員会をやるのはこれで最後ということでもございますので、行政評価局長のほうから一言お願いをできればと思います。
【田中行政評価局長】  どうもありがとうございました。先ほど来いただいています御意見につきましても、いろいろな論点で御議論いただいておりましたので、本当はその点の御議論もさせていただければと思いますけども、ちょっとお時間の関係もございますので、御挨拶で代えさせていただきたいと思います。
 先生方におかれましては、年末のお忙しい中御出席を賜りまして、誠にありがとうございました。今期の政策評価分科会におきましては、地震対策・医師確保という重要政策の評価についての御意見を求めさせていただきました。また、政策評価の機能強化方策につきましても御議論いただきまして、先ほどもちょっと触れました政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインの策定であるとか、あるいは、租税特別措置等に関する政策評価、御案内のとおりすべての各府省の評価がアウトだという点検結果を公表いたしまして、仕上がりは御覧のとおりでございますので、後ほど別途役立ったかどうか、受け止めていただければと思います。導入の成果を得ることができました。しかし、高木先生ではございませんけれども、この1年間私は実感としては、本来ならば前に進めるべき政策評価という仕事をただひたすら守っているという、しのいでいるという印象でございました。一つは、いろいろ御議論いただいていますように、他と重複をしているという御議論と、もっと深刻なのは、やはり先ほど触れましたが、行政機関が自分のところの業務を見直していい結果が出るわけがないという、これはかなり強い論調で政治のほうから指摘をされます。しかし、それだけでは進まないということで、ようやくちょっと議論が始まったのではないかというのが私の実感でございまして、本日は他の機能との連携ということで御議論、あるいは、御意見も頂戴いたしました。今閣議決定、御覧いただきますように、連携をしてやっていこうということでございますし、まさにこれが我々のミッションだということで心得て、今日も御議論いただいたと思っております。
 いずれにしましても、10年間お世話になりました先生を始め、政策評価の推進に関しまして多々御尽力を賜りましたことを改めまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。来年早々委員の改選が予定されておるわけでございますけども、冗談ではなくて、いわば政策評価の危機でございます。願わくは今後とも先生方にはより一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、事務局も一生懸命やらせていただきますので、よろしくお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
【金本分科会長】  最後に私のほうから挨拶しろということでございますので、お話をさせていただきたいと思います。
 10年間やらせていただきまして、やっと解放していただいてということで、肩の荷がおりたということもございますが、なかなか心残りなことも多いといったことでございます。この間事務局のかたがた、それから、委員のかたがたに御協力をいただきましたし、いろんな貢献をしていただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。これから政策評価をどうしていくべきかというのは非常に難しい課題だというふうに思っております。今後残る委員のかたがたの御健闘を祈りたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ということで、本日の分科会、これで終了させていただきます。御多忙の中御出席いただきまして、大変ありがとうございました。

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