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政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(12月18日開催)議事録

日時

平成25年12月18日(水)10時00分から11時30分まで

場所

中央合同庁舎第2号館10階 総務省共用10階会議室

出席者

(政策評価分科会所属委員)
谷藤悦史分科会長、森泉陽子委員、青山彰久臨時委員、小峰隆夫臨時委員、
佐藤主光臨時委員、白石小百合臨時委員、高橋伸子臨時委員、立花宏臨時委員、
田中常雅臨時委員、田中弥生臨時委員、堤盛人臨時委員、中泉拓也臨時委員

(総務省行政評価局)
渡会行政評価局長、濱西官房審議官、岩田官房審議官、清水政策評価官、
松田政策評価審議室長、津村調査官

議題

政策評価の標準化・重点化について

資料

会議経過

【谷藤分科会長】  それでは時間になりましたので、ただいまから政策評価分科会を開会したいと思います。
 本日は、政策評価の標準化・重点化について審議したいと思います。
 本日の案件は、6月21日に開催いたしました政策評価分科会において、ワーキング・グループを設置し検討することとしておりました、目標管理型の政策評価の標準化・重点化について報告及び審議するものでございます。
 まずは、これまでのワーキング・グループの中での検討の経緯を含めまして、清水政策評価官から説明をいただきたいと思います。
 それでは、清水政策評価官、説明をお願いいたします。

【清水政策評価官】  御説明させていただきます。政策評価の標準化・重点化による質の向上につきまして、ただいま谷藤分科会長から御紹介いただきましたように、去る6月の政策評価分科会において私どもから御説明をさせていただいた上で、政策評価分科会にワーキング・グループを設置いただいて御検討を進めてきていただいたところでございます。
 資料1「政策評価分科会ワーキング・グループの開催実績」にございますように、今年の8月以降にワーキング・グループを4回開催させていただきまして、多くの委員の先生方に御出席をいただきました。また、検討の状況につきましては、その都度、御欠席された委員の皆様にも逐次お知らせをし、また、各府省にも情報提供をしながら検討を進めてきたところでございます。
 第4回ワーキング・グループにおいて一定の考え方の整理をいただきました。これに基づきまして、各府省と意見交換を進めてきまして、本日最終的な案として御報告させていただき、御審議をいただく運びとなった次第でございます。
 それでは、資料2「政策評価の重点化・標準化(概要)」を御覧いただければと思います。内容の説明に入らせていただきます。
 まず、政策評価の標準化につきましては、各府省で主要な政策について網羅的に行われている目標管理型の政策評価につきまして、評価結果の表記がばらばらで、施策の進捗状況が分かりにくく、活用しにくいといった問題がこれまで指摘されてきました。また、先般の分科会でも御紹介をいたしましたが、経済財政諮問会議におきましても、実効性あるPDCAサイクルの確立に向け、政策評価の機能強化が論じられ、また、本年6月のいわゆる骨太の方針と言われる閣議決定でございますが、ここにおきましても政策評価が政策の効果と質を高めるための政策インフラだというふうに位置づけられていたというようなことでございます。
 こうした状況を踏まえまして、この資料1の表にありますように、各府省の主要な政策について行われている目標管理型の政策評価に関しまして、目標達成度合いについて政府全体で共通の表示区分を設定し、施策の進捗状況を横断的、かつ、分かりやすく把握することを可能にしようということで、資料2の左側にございますが、目標超過達成、目標達成、相当程度進展あり、進展が大きくない、目標に向かっていないという5つの区分を設定しようというものでございます。
 この5区分につきましては、一番上の目標超過達成というところが最も優秀な成績といったいわゆる順序尺度というものではございませんで、右側にそれぞれのカテゴリーごと、区分ごとに活用イメージをお示ししておりますが、評価の結果を受けて、政策の内容、あるいは目標そのものの見直しなどに反映していく際を念頭に置いた区分だというふうに、御理解をいただきたいと思っているものでございます。
 例えば、目標超過達成について言いますと、資料の右側にもありますが、担当職員が尽力して、極めて優秀な業績を上げたと。そのために人事評価の際に考慮するといったような場合もあります一方で、そもそも目標が低すぎたのではないか、あるいは、予算とか人的資源など、目標に比べて資源配分が多すぎたのではないかといったような場合もあり得ます。
 いずれにしても、ここの区分、カテゴリーのものにつきましては、次期に向けて目標、資源投入量の見直しなどを行っていただく必要があるというような区分でありまして、ほかの区分についても同様で、この区分であればこういうふうな次期に向けた見直しがあるというような考え方で、区分を設定しているというものでございます。
 なお、この区分、カテゴリー分けに当たって、ワーキング・グループの中でも、ここを分けるための客観的な判断基準が必要ではないかという意見がございまして、この点についての御議論をいただきました。ワーキング・グループにおきましては、様々な議論があったわけですが、政策の特性とか、指標の設定の状況が各府省で区々であると。また、複数の指標が設定されている場合に、それぞれ重みづけみたいなものが政策によっても異なるといったようなことから、幾つ以上とか、何割以上指標が達成していればこの段階、といったような整理をしていくというのはなかなか困難であろうということで、現在お示ししているような、今の取組を継続した場合に比較的短期間で達成できる、達成が近いと言えるか、達成が遠い、一定の期間が必要と考えられるかといったようなところに着目し、作っていくということが、その後の政策の見直し、目標の見直しということを考えても有効ではないかというような御意見で、整理をしてきたというものでございます。
 次に、裏をめくっていただければと思います。政策評価の重点化ということでございます。
 この点につきまして、これまで多くの施策については、毎年評価が行われて、目標達成状況のチェックということを中心に取り組まれてきたということでございます。一方で、主要な政策を評価していくに際しましては、具体の達成手段、事前分析表で明らかになるようになったわけでございますが、その達成手段が施策の目標達成に貢献しているかという点の検証、政策ツリーと申しますか、施策の達成手段全体が妥当なものかといったようなことに踏み込んで、評価が必要だという指摘がされてきているところでございます。また、先ほど申し上げました骨太の方針におきましても、政策評価を形式的なものとせず、効率的に行うため、メリハリのある取組を進めるというようなことが書かれているということでございます。
 こうした状況を踏まえまして、目標管理型の政策評価の取組の方向といたしまして、目標達成状況を毎年度評価していくというやり方から、内容の深掘りをしつつ、施策の節目を捉えて実施する、こういう方向に進めていこうということでございます。もちろん、政策の特性などを踏まえまして、毎年度評価をするということが必要であると各府省でご判断されれば、毎年度評価を行っていただくことも全然問題はないわけでございますが、全体の方向として、節目の年の重点的な深掘り評価、それ以外の年にはモニタリングをして進捗管理をしていく、こういう方向性を打ち出そうということでございます。
 この内容の深掘りにつきましては、この資料の下のほうにございますが、目標の達成状況に加えまして、事前に想定できなかった要因の分析、あるいは達成手段の有効性、効率性の検証、未達成となったものについてはその原因の分析、さらには、目標そのものが妥当であったのかといったことに重点を置いて、評価を行っていくということとしていきたいと考えているものでございます。
 以上、御説明申し上げました考え方につきましては、第4回ワーキング・グループで取りまとめていただいた内容に沿ったものと考えております。また、ワーキング・グループにおきましては、まず、こういうやり方というものを導入してみて、実践をして、その結果をフィードバックしながら評価の質を高めていく、こういう姿勢で臨んでいくことが重要ではないかというような御意見を多数いただいたところでございます。
 一方で、各府省においては、今回、政策評価の標準化・重点化をするということで、これまで、それぞれ所管する政策の特性を踏まえて工夫されてきた評価のやり方ですとか、内容、これを少しずつ修正していただく必要がそれぞれの府省にございます。
 こうしたことも踏まえまして、私どもといたしましては、ワーキング・グループで示していただきました、まずは導入、実践でフィードバックと、こうした考え方を踏まえて、各府省が実際に来年度、どのような評価をしていただけるのかということについて、必要なフォローアップを行うといったようなこと、その結果を分科会に御報告、御審議をしていただく、さらには各府省で情報を共有するというようなことで、今回の取組がその実を上げて、政府全体として評価の質の向上が図られるように取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 なお、各府省との意見交換の過程で、今回の標準化・重点化に関して寄せられた御意見、それを踏まえて、我々としてどう運用していくかということについてやりとりした考え方を一、二、御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず、5区分の区分、特に超過達成というところについて、測定指標がどうしても定性的なものとならざるを得ないものなどがあって、超過というところについての判断が困難だというような施策があるといったような御指摘がございました。この点、ワーキング・グループでも、同じような御指摘があったところでございますが、政策の特性とか、測定指標の設定の仕方によって、結果として、超過達成とするものがないというようなところはあるのではないかと私どもとしても考えているというようなことを、やりとりの中でお示しをしたということでございます。
 また、特に制度を管理するといったような仕事、私どもの仕事でもそうなのですが、施策全体を網羅する形で測定指標を設定することが、なかなか難しいといったような施策がどうしてもある。そうすると、指標の測定結果に基づいて段階を区分していくということに、心配があるといった御指摘もいただいております。この点につきましては、目標管理型の政策評価、実績評価とか、一部の総合評価でございますが、いずれにしてもあらかじめ、何を、いつまでに、どうするのかということを国民にお示しをしていただいて、その結果、どうだったかということを評価の中で明らかにしていただく。この基本ということは、認識していただかなければ仕方のないことでございます。
 その一方で、すぐに完全に100点の形というものが出来上がる、そうしなければいけないとあまり固く考えずに、これまでの評価を踏まえて、知見を踏まえた指標の設定の仕方、いろいろあるかと思いますので、そういった点を様々に工夫しながら一つ一つ進めていきたい、取り組んでいただきたい、こういったようなやりとりをしながら検討を進めてきたということでございます。
 この点につきましても、先ほど申し上げましたが、ある意味、分科会の委員の皆様におかれても、温かい目で見守って叱咤激励をいただければというふうに考えているところでございます。
 資料3「目標管理型の政策評価の実施に関するガイドライン(案)」をお配りしてありますが、ただいまのような考え方を踏まえて、本日の御審議を経まして、目標管理型の政策評価の実施に関するガイドラインという形で、各府省申し合わせを行うということで、これを来年度以降実施する評価から適用していきたいと考えているところでございます。
 御説明は以上でございます。短期間、集中的なワーキング・グループで御議論いただき、このような案に作っていただきましたことにつきまして、各委員の先生方に御多忙のところ御協力をいただきました。改めて感謝を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。よろしくお願いを申し上げます。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。それでは、今の清水政策評価官からの説明につきまして、御質問等々がございましたら、各委員から御発言をお願いいたします。
 一応、ワーキング・グループの開催、並びに資料3にありますガイドラインの基本的な考え方の御説明が資料2というようなことになっている。標準化については5つの段階によって表記するということでございまして、それから、もう一つは、重点化の方針というのがこのような考え方になっているのだという御説明をいただきました。
 それでは、田中委員、どうぞ。

【田中(弥)臨時委員】  御説明ありがとうございました。基本的に事務局から御提示いただいた案に私も同意いたします。
 その上でのコメントなのですが、標準化におかれまして、目標超過達成ですか、ここは多分、ある種、事務局のこだわりの部分でもあると思うのですね。各府省が抵抗されたという話もあったと思うのですが。
 私もこれは本当に検証するという意味では、ここの部分はある種、無駄を削減していくという意味でも重要なポイントだとは思いますが、府省が抵抗を示されているということは、下手をすると形骸化をしてしまう可能性がありますので、ここは例えばですが、総務省のほうで指標など定量的なデータを基にして、この目標超過達成の部分については、第三者の目で指摘をするような仕組みを入れていったほうがいいのではないかと思いました。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。田中委員からそういうような提案が出されたということでございますが、それにつきまして、清水政策評価官、何かございますか。

【清水政策評価官】  ありがとうございます。
 抵抗というとちょっとあれですが、確かにこの部分について、なかなか判定が難しいという懸念というのは聞いております。そのことも踏まえて制度を運用していくということでございます。
 その意味で、フォローアップをしっかりしていくといったこともそうですし、今、御指摘いただいた点検といったようなこともどのように活用できるか検討して、しっかり回っていくようにしていきたいというふうに考えております。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員からございませんでしょうか。それでは高橋委員、どうぞ。

【高橋臨時委員】  ワーキング・グループの皆様の御尽力に感謝いたします。1度しか出席しておらず細かいことは分からないので、ちょっと教えていただきたいと存じます。
 今回、政策、施策、何をいつまでにどうするということをきちんと国民にも分かるようにして、それがどう進んでいるかというモニタリングをし、どうだったかという評価をしていくと。そういう手順だというふうに理解しておりますが、この政策はもとより、事前分析表であるとか評価書であるとか、各府省がどの程度早い段階でモニタリングの結果等をどのように国民に分かるようにしていただくのかについて教えていただきたいと思います。
 私としては、やはり、ウェブ上で公開していただくことが必要だと思っています。
 もう1点ですが、モニタリングの結果、その結果が悪い場合には評価を前倒しして実施するというふうに資料2の表のほうに書いてあるのですが、ガイドラインを拝見しますと、当該年度において総括的な評価を行うというふうに書いてあるわけですよね。ですから、この辺のちょっと時間的な関係ですね。どの辺りでやるのか。予算の執行との関係もあると思いますので、教えてください。

【清水政策評価官】  よろしいですか。

【谷藤分科会長】  はい。それでは、2点あったと思います。

【清水政策評価官】  モニタリングにつきましては、毎年評価をすると大体8月ぐらいに評価の結果が出ますということですので、基本的には、その前のタイミングぐらいということを念頭に置いていると。各省によって、その指標が出る時期ということもありますので、一律に何月ということはなかなか申し上げにくいのですが、毎年やっていただいている評価のタイミングには、少なくともある程度はなるのではないかと想定はしてございます。
 また、モニタリングの結果を事前分析表に書いていただこうということを想定してございます。このことによりまして、事前分析表というのは毎年作っていただくということで、施策の目標と途中の実績、さらには目標達成のための達成手段というものが一覧できるということになってございます。これにつきましては、今年から取り組んでおりますとおり、行政事業レビューとの連携ということもやってございまして、この一つ一つの達成事業について、また、春から夏にかけて行政事業レビューというのが行われると。それと連動して、施策、事務事業、一連の状況の把握と見直しが可能になるというふうに設計をしてきているつもりでございまして、その状況も踏まえて対応していくということになります。
 事前分析表に書いていただくということになりますので、公表の時期というのは、行政事業レビューが行われるタイミングぐらいには事前分析表も出していただくと。その時点で出ていない指標の実績値などは、分かり次第、追記をしていただくといったようなことで進めていきたいというふうに考えているものでございます。
 もう一つのモニタリングから評価に移行する時期ですが、まさに今、申し上げましたように、モニタリングをまずしていただいて、数字が悪いと。これはもうこの時点で評価しないと施策の見直しも反映させていかなければいけないということになったら、その時点で、その年度で評価に移行していただくと。モニタリングに連続して、そのモニタリング作業がそのまま評価作業に移行していただくということを想定しているものでございます。

【高橋臨時委員】  御説明ありがとうございました。
 大筋は分かったのですが、事前分析表は、各省がそれぞれ自分で公開しているのか、行政評価局のほうで一律でネット上で公開しているのか、それについての御説明もお願いします。

【清水政策評価官】  ありがとうございます。
 事前分析表につきましては、各府省でそれぞれホームページなどで公表していただいています。その上で、総務省に政策評価ポータルサイトというところを作っておりまして、各府省の施策が全部載っていて、そこに事前分析表、評価書、さらに一つ一つの達成事業に係る行政事業レビューシート、さらには概算要求にどう反映したかという政策評価調書というものを、一覧で全ての政策について公表しているということでございます。
 これにつきまして、使っていただいた方には一定の御評価をいただいておるのですが、まだまだ知名度が足りないこともありまして、私どもとしても広く周知する努力をしていきたいと思っているところでございます。

【谷藤分科会長】  田中委員、ありますか。

【田中(弥)臨時委員】  はい。何度もすみません。
 高橋先生の今の御質問に追従する形になるのですが、行政事業レビューがあるので、政策評価の方を簡素化しましたという話です。つまり政策評価の機能の一部を行政事業レビューをもって代わるところがあるということが前提になっていると思うのです。しかし、ここは必ずしも政策の下位概念としての事業と政策との間のひも付けがうまくいっていないものが結構ありますので、単純にそれをもって代えると考えずに、やはり政策と事業との体系性を総点検する必要があるのではないかなと思います。

【谷藤分科会長】  そこは大変重要なところだと思いますが。そこら辺、清水政策評価官。

【清水政策評価官】  御指摘のとおりかと思います。
 まず、今年始めたものについては、これからちょっとどのような状況だったかということについて、一通り、私どももフォローアップをしていきたいと思っておりますが、まさに今、御指摘のあったようなところを深掘りの評価の際にやっていただく重点項目ということで、達成手段の有効性・効率性の検証ということを一つ上げているところでございまして、これについても、どのような評価が実際に行われたのかということについては、フォローアップをしながら、また御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

【谷藤分科会長】  そのほかの委員から何か御質問はございませんでしょうか。立花委員、どうぞ。

【立花臨時委員】  質問ではなくて、今後の活用の問題で。

【谷藤分科会長】  でも構いません。

【立花臨時委員】  ちょっと先に言ってもよろしいでしょうか。

【谷藤分科会長】  はい。

【立花臨時委員】  私は基本的にはこの、谷藤分科会長の下でいろいろ御苦労してまとめていただいたもので、異論はありませんし、現場での色々な積み重ねの経験の中から、またいろいろ改善を図っていけばいいのだろうと思って、ひとまずこれでスタートするのはもちろん結構なのですが。
 問題は、先ほど清水政策評価官も言っておられましたが、これをどう活用していくかという、そっちのほうに私、関心があるものですから、場合によっては繰り返しになるかもしれませんが、先ほど事務局から御説明があったように、安倍総理もこれは政策の、いうならばソフト面のインフラだという位置づけをされていますし、もう一つは、与党のほうでも、たしか自民党の行革本部のほうでも、私、日付は忘れましたが、4月か5月か6月かその前後に、公務員制度改革なんかのそういったテーマと並んで、私がかねてから申し上げてきた、与党としてこういった政策評価といいましょうか、あるいは行政監察の評価、こういったものを、非常に貴重なデータを我々は活用してこなかったということを与党として随分謙虚に指摘されて、ぜひこれから活用していきたいという、望月本部長の下でそういった方針を出されたわけで、その反省にはおそらく、民主党の事業仕分け、取組に対するいろいろな反省点もあったのだろうと思うのですね。
 いずれにしても、それは非常に私は結構なことだろうと思いますので、願わくば、今回は一つの政策評価の標準化・重点化というテーマですが、与野党の全国会議員の必須科目としてこういった事業評価の結果なり、あるいは政策事業レビューとか、こういったものをどう活用するのか。あるいは活用する前にこのデータをどう見たらいいのか、そのデータの見方も含めて分かりやすく、全国会議員なり自民党の先生方なりに、あるいは総務省の政務三役、各与野党の国対のほうとも相談されて、国会議員の方々に必須科目として身につけていただく。また、こういったことを身につけることが、彼ら国会議員の国民に対する説明責任を果たすことにもつながるし、また、政策のレベルを上げていくことにもつながる。ばらまきではなくてですね。そういった面で、非常に貴重なものだけに、問題はどう活用してもらうか。特に与野党の全国会議員に対する理解、あるいは活用の仕方、そういった手ほどき、そういった点に知恵を絞っていただいて、定着させていただければ非常に結構じゃないかなと思っています。
 こういった話は何回も申し上げていますので、繰り返しになるかもしれませんが、以上です。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。PRの問題と理解の、いわば浸透の問題というふうなことになりますし、どのようにして活用するかというような活用方法に対するさまざまな、いわばPRも講じていかなければいけないだろうと思いますが、これについて、清水政策評価官から何かございますか。

【清水政策評価官】  御指摘いただきありがとうございます。そのとおりかと存じます。
 今回、今までに比べると、評価結果について横断的に把握が可能になってくるということでもございますので、しっかり受けとめさせていただいて、幹部とも相談した上で、どのような手が打てるか、しっかり検討していきたいと思っております。

【谷藤分科会長】  白石委員、どうぞ。

【白石臨時委員】  それでは、活用イメージのところで関連して御質問なのですが、今回の指標は横断的に評価ができるという大きな特徴と、それからもう一つ、活用イメージのところが非常に興味深くて、単純に目標を達成したからいいでしょうということではなくて、例えば、目標達成の活用イメージのところの3番目のポツですが、達成したが現場の実感が伴わないため、目標設定を抜本的に見直しというような、こういう活用の仕方ですね。単に、目標を達成したからオーケーということではなくて、そこから先に、どうやって政策の実態に生かしていくかという視点が入っているのが非常に興味深いと思うのですが。
 こうした3番目のポツのようなことというのは、実際に公表されるようなものなのでしょうか。それをちょっとお伺いしたいと思います。

【清水政策評価官】  まず、資料3の別紙2というのが評価書の様式でございます。ここにありますとおりに、まず、測定指標の測定した生の数字があり、それを評価結果の一番上で、共通5区分にまずしていただき、どうしてその区分に入ったのかということを書いていただく。その上で施策そのものの問題点とか、影響とか、こういうものの分析をしていただいて、最終的に次期目標にどう反映していくかと、こういうことを書いていただくのだということで、評価結果というのはこの総体だというふうに認識をしておりまして、その意味で、ここの深掘り評価をしていただいたときに、先ほど四つ視点を示しましたが、こういった、事前に想定できなかったような分析など、この辺りのところをしっかり分析をしていただいて、書いていただくということにしているところでございます。
 以上です。
 すみません。つけ加えさせていただきますと、資料3の4ページを見ていただくと、ここの一番最後のところには、施策の実施に当たって、効果のあった取組、工夫など、以後の政策の企画・立案・実施に活用することといったこともポイントとして入れておりまして、ワーキング・グループでも御議論があったわけですが、現場の感覚といったものを評価に取り入れていくという方向性で取りまとめているものでございます。

【谷藤分科会長】  白石委員、よろしいでしょうか。

【白石臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  佐藤委員、どうぞ。

【佐藤臨時委員】  私はこのワーキング・グループに参加していないので、これ自体というよりは今後のこの活用の仕方についてなんですが、ちょっとこだわるようですが、日本の予算制度は事業単位でつくられているので、使ったお金は幾らですかというのは、その事業を足せば施策単位の予算が出てくるのですが。
 ただ、例えばこの次期目標への反映の方向というところなんかで、例えば、施策においてもっと重点的に予算を確保するべきだ、あるいは超過達成は予算、お金を使いすぎたので、もっとダウンサイジングするべきだという、そういう方向感は出せたとしても、それを具体的に、予算要求にどういうふうにしてそれが反映されていくのかというのは、うまく連結は、よっぽど気をつけないとできないと思うのです。
 上のほうの施策分析にも、達成手段が当該目標に有効かつ効率的にというのは、これは事業の話だと思うのですが、こういう事業はうまく機能して、こっちの事業はあまりよくなかったという、そういう評価にも関わってくると思うのですが、ここでそういう施策単位で評価ができたとして、その結果、じゃあ、もう少し予算はつけなきゃいけないので、もっとダウンサイジングできるという結果が出たとして、それがじゃあ、次の予算要求のところで、担当部局がちゃんとやれば良いのですが、事業単位で予算が出ていくときに、果たしてそれがちゃんと反映できるように連結が担保されるかどうか。これは政策評価というよりは、予算制度の問題なのですが、この辺、何かどういうイメージを持たれているのですか。

【清水政策評価官】  御指摘のとおりかと思います。予算自体は今、事業単位に主に査定がされていくということでございます。
 その意味でも、一つ一つの達成手段というのが、今まで、事業としてどうだったかということについては着目されてきているわけですが、これが本来目指している施策の目標との関係で有効かという分析をきちんとしていただくということで、多すぎる予算は削っていただくし、もう少し足せば施策全体の効果をぐんと押し上げるようなものというところは、おのずとそういうのがあぶり出されてくれば、そこに重点的に予算を入れていくというような御判断をしていただくということになっていくはずでありまして、その意味で、今回、ワーキング・グループの中でも御指摘をいただいてきた、政策ツリーを意識した個々の達成手段が施策にきちんと有効に効いているか、という分析というのが重要になってくると考えております。

【谷藤分科会長】  佐藤委員、ございますか。

【佐藤臨時委員】  確認ですが、それはそれで結構だと思います。こういう政策評価のこういうシートというのは、財務省でも活用というか、こういう情報が使われていくという理解でよろしいのですか。

【清水政策評価官】  はい。そう信じていますというか、法律でもそういう政府全体の予算などにも活用するということが書かれていますし、実際、財務省におかれましても、政策評価の活用状況として、年末に取りまとめていただくというようなこともしていただいていますので、また、これが中身がしっかりしてくればくるほど、活用もきちんとしていただけるのではないかと、期待しているところでございます。

【谷藤分科会長】  その他の委員からございますか。高橋委員、どうぞ。

【高橋臨時委員】  活用ということでいくと、この政策評価と行政事業レビュー、これがうまく連動しはじめる。別紙1のところにちゃんと行政事業レビューの事業番号が書かれると、活用する上で非常に良いなと感じています。
 ただですね、全体への感想というか、今後への要望、期待ということになるのですが、政策評価のミッションの中に効率的な行政ということがあり、ビジョンの中に予算の縮減・効率化というのが入っているのですが、予算の縮減・効率化のところまで、この二つでは見ることができないというふうに感じています。
 といいますのは、私、契約監視会の委員をしているわけなのですが、予算が下りてくると、それを各部局で公共調達をかけるわけなのですが、その内容を見ていったときに、事務事業として、こういう調達をかけて良いのだろうかというのがしばしば出てくるわけですよね。そこで無駄遣いされているものは誰もチェックしていなくて、我々、契約監視会も、それが随意契約なのか、一般競争契約にかけていても一社入札の状況なのかという、そういうところから見ていきながら、「そもそもこの事業って何のためにやっているのだろう」といった疑問が出てきて、インターネットで検索をかけて、今までは行政事業レビューでどうだったかということを調べ、それは元々の施策、政策は何なのかというふうなことを調べるような地道な作業をやってきました。契約監視と連動して、この政策評価のミッションとかビジョン、予算を本当に使うべきところに使い、補助金のような、ばらまきのようなことをしていないということがきちんと確証が持てるような連携を、今後考えていただけたらと感じております。

【谷藤分科会長】  大変重要な指摘で、政策評価の標準化・重点化はそこのところを実は狙いとしていたので。
 これにつきまして、清水政策評価官から何かございますか。

【清水政策評価官】  大変重要な御指摘かと思います。
 一応、今年から始めた行政事業レビューとの連携ということと、今回の政策評価の標準化・重点化ということで、この政策評価の事前分析表というのが全体のフェースシートというのでしょうか、出発基地といいますか、そういうことにまずなることは間違いないと思っています。まず、これがうまく機能していけば、今、御指摘いただいたような一つ一つの事業というのが、いろいろなお立場で契約の御議論をされる際、全体の予算の御議論をされる際、さらに、政策の改善を図っていく、拡充を図っていく、いろいろなことを検討する際に、常に施策の目標、本来、この事業をやって、何を目指しているかということが明らかになるようにする土台というか、バックボーンはこれで一応、設計ができたということにはなるかと思いますので、あとは、次はというか、まさに、内容が、先ほど田中弥生委員からも御指摘がありましたが、いかにきちんと連結ができて、それについて具体的な重点化深掘り評価の際にどのように分析をしていただけるかということで、知見がどんどんたまっていくというふうに考えておりまして、そこのところをまずは温かく見守っていただきつつ、分析して、御報告もしますので、改善点について御指摘もいただくということで進めていければというふうには思っているところでございます。
 枠ができただけでもう終わりというつもりは全然ありませんので、これをどうしていくかということについては、常に考えていきたいと思っておりますので、その点についてのご指導も引き続きお願いしたいと思います。

【谷藤分科会長】  それでは、その他の委員から御意見はございますでしょうか。中泉委員、どうぞ。

【中泉臨時委員】  活用のところで補足ですが、やはり政策にどう反映させるかというのが政策評価の一番の課題だと思いますので、究極的には予算に反映するということが目標になるかと思うのですが、ここでできることとして、例えば、重点化して分析したものが、次の事前分析表にちゃんと反映できているかどうかと、次期の指標設定が改善できているかどうかというのをチェックするというのは、行政評価局としてできるまず重要な第一歩だと思うのです。
 そういう意味で、事前分析表のチェックというのも非常に重要になってくると思いますので、それをどういうふうにされていくのかというのを確認していただければと思います。

【谷藤分科会長】  清水政策評価官、どうぞ。

【清水政策評価官】  事前分析表そのものをチェックするというところがどこまで、チェックというものの意味にもよりますが、なかなか難しい面はあるのですが。
 少なくとも、状況がどうなっているかということの取りまとめを行い、何かおかしいということであれば説明をしていただくといったようなことで、その状況の御報告をしていくということになろうかと思います。
 今、御指摘もありましたが、そもそも評価自体で数字の読み方みたいなところがおかしいとか、そもそもどういう指標で良いのかといったようなことについては、ワーキング・グループでも随分御議論がありましたので、そこについても我々として、点検の機能もありますから、そういうものをどのように活用していくのかといったようなことについて少し勉強していきたいし、できることはフォローアップの段階からやっていきたいと思います。

【谷藤分科会長】  田中委員、どうぞ。

【田中(常)臨時委員】  ここまでまとめていただきまして、御苦労様です。
 幾つかの意味があると思うのです。今後の政策にどう生かすかという重要なことについては、今後の問題としてたくさんあると思うのですが、今までの課題であった評価結果がばらばらであり、標準化をどうするかということについて、ある意味での通信簿ができたのかなと思います。何年か前に私、ここに参加したときに、一つ一つの議論もそうなのですが、全体でどういうふうに見るのかなと、通信簿がいるじゃないかというような発言をした覚えがあるのですが、少なくとも、そういった横並びの指標をつくっていただいたということは評価ができると思います。
 今後についてもたくさん課題があると思いますが、急いで前に進んで有効に活用していただけるようにお願いしたいと思います。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。御意見として伺っておきたいと思います。
 高橋委員、ございますか。

【高橋臨時委員】  先ほどの発言に関連しての要望でございますが、別紙2のところの政策評価書、これは施策の予算額とか執行額等も非常に分かりやすく表示されているというふうには思うのですが、欄外のところが、施政方針演説等の内閣の重点政策を書くようになっています。ここを書くからにはインターネット上でリンクを張って、さらに細かいものが読めるようにするなど、ウェブ上での工夫をいろいろしていただきたいと思います。また、備考としては、むしろ、私はこの補正予算のところが非常に気になりまして、補正について何らかのコメントを書くというふうな必要はないでしょうか。公共調達を見ていると、やはり補正のものにおかしな点がたくさん出ているので、ここに監視の目を光らせるということが必要だと思います。
 それと、別紙の1で先ほど申し上げました事業番号をきちんと書いていくというのは必要なのですが、予算額のところで、この表には書けないかもしれませんが、ウェブ上であれば、例えば公共調達の調達番号、それを書いていただくことで、調達のページに入っていって、いつどういうふうな公募なり、競争入札なりが行われ、どこがいくらで落札したのか、そういう情報に結びついていくと、予算の適正な執行がされているのかチェックできると思います。
 紙にあまり細かく書いていくと、またみんなが読まなくなってしまうので、使いやすいポータルサイトを目指していただきたいです。ここを見ていくと色々なことが分かっておもしろいねと、色々な人が関心を持ってくださるような政策評価のウェブサイトにしていただきたいと思います。

【清水政策評価官】  今、すぐにですね、どのようにこっちの調達の関係が公表されているのかというのを承知していないので、おそらく各省でそれぞれ、ホームページで公表されているのだろうと思いますが、その点につきましては勉強させていただきます。
 あと、補正予算の話は、なかなかこの政策評価書は、書き始めると毎年あるものがあったり、これ、場合によっては5年に一遍とかになったりもしますので、一つ一つ理由を書くというのは、検討していますが、実は難しいのではないかというか、同じような、中途で何かの必要があったとか、多分、そういった説明になるのではないかという気もしますので、勉強してみたいと思います。

【谷藤分科会長】  田中委員、どうぞ。

【田中(弥)臨時委員】  補正予算の問題は、本当はここでどこまで議論するのかという疑問はあるのですが、非常に重要だと思います。やはり財政は当初予算が議論されますが、実は補正でものすごく膨らむのです。したがって、財政規律の議論をする場合、補正予算の規律を議論しなければなりません。そもそも補正でつくった計画というのは、往々にして非常に荒っぽいものが目立ちますので、ここにいつかメスを入れなければいけないですし、「いつか」と言われたら「今でしょう」と私は思うのですが。これは、政策評価の領域の問題ではないかもしれませんが、こういう議論があったということを、ちゃんと議事録で公開する必要があるかと思います。

【谷藤分科会長】  森泉委員、どうぞ。

【森泉委員】  お取りまとめいただきまして、どうもありがとうございました。
 基本的なことなのですが、5区分のA、B、C、D、Eみたいな評価が出てきたときに、今回のこの評価の利用は、一つの目標に対して複数の省庁にまたがるようなケースではそ非常に有効であるとは思います。
 ただ、そのときに、この目標のメジャーというのは各省庁が主体的に決めるわけですね。そうしますと、どうしても下から二番目、一番下というのが出ないように指標を決めていくのではないかという気がするのです。ですから、一つの目標に向かって、複数の省庁にまたがるようなときは、特に、最後の評価はほとんど出てこないでしょうというお話でもありました.、本当は、場合によっては出てきているはずなのですが、いまだに、細々と続いているようなことが,依然としてあるということは、なるべくそうならないような、つまり,最低の評価にならないように鉛筆をなめるような作業をなさるような気がします.目標の指標についても、やはり、何らかの管理があってしかるべきではないかという気がいたしました。

【谷藤分科会長】  清水政策評価官、どうぞ。

【清水政策評価官】  またがっている政策みたいなものとか、大きな方針みたいなものがあるものというのは、ほぼ間違いなく、その目標を実現するためにそれぞれの所管省でどこまでやらなければいけないかというのが認識をされて、それが指標にあらわれているはずだと思います。
 その意味で、それぞれの省によって、指標のつくり具合が違ったり、場合によっては、もかしたら、この5区分、初めて全政府的に導入しますので、同じような進捗状況で、例えば、相当程度になったり、進展が大きくなったりといったようなことが起こり得ますので、そこはまさに全体をフォローアップしてみて、各省でこの程度のときはこうだったとか、さらに説明が必要だといったようなことについて、情報の共有をしていくということだろうと思います。
 あと、目標に向かっていないというのは、あまりないのではないかという御質問に関連して、今、実際にワーキング・グループの中でも分析を、去年出た評価書を全部洗って見ました。そうすると、100弱ぐらい、何十種類という表現ぶりがありましたが、なかなか一番下に相当すると思われるものというのは、本当に若干ということではございました。
 そういう意味で申し上げたわけですが、その点についてもお手盛りみたいなことというのは起こらないと信じてはいるわけですが、それでも評価の客観性ということで、評価制度の品質管理をするというのが私どもの責任でもございますので、そのような疑念は招かないように、必要なときには点検活動みたいなこともやって、国民の皆様に信頼していただけるように取り組んでいくというのは必ず行っていきたいと思います。

【谷藤分科会長】  青山委員、どうぞ。

【青山臨時委員】  森泉先生が言われたそのテーマ、私もとても大切だと思ってずっと聞いていたのですが。
 確かに大切な一歩を踏み出していると思うのです。事業ごとの評価がこれで、実際、フィージビリティからみて直すところがたくさん出てくるかもしれませんが、踏み出す。
 これはいいと思うのですが、実際には例えば、私、この話を聞いていつも思い出すのは、福島の原発災害からの復興なんていう大きなテーマを考えたときに、多分、国民レベルというか被災者のレベルは、各省の縦割りが大変苦しいわけですよね。復興庁はできていますが、復興庁の限界が大きくあるわけです。基本的な法律は持っていないということ。そうなると、森泉委員のおっしゃるように、こういうものがこう積み上がるのですが、それぞれの省で目標を立てて、それを自分たちの論理で点検しても、結局、受けている側からすれば、何なのかという話になるわけですよね。
 例えば、文部科学省の原賠審で賠償の指針をつくって、農地はこういうふうにするとか何とかいうと、しかし、現実に農地の復興はどういうふうにしようと思って、農林水産省はしているのか、それは全然知らない。大体多くの場合は、それは私たちの省の管轄ではないので、また別のところにというふうに必ずなっていく、そういうことの繰り返しですよね。それがどの事業にもあって、だが、こういう震災復興のようなときになると、一気にその問題が噴出しているのだと思います。
 だから、これから次の課題として、府省をまたがるときの政策の評価の手段に次のステップを。だんだん研究をされるなり何なり、指標の作り方、あるいはこの施策の目標、もっと大きな目標の中の施策になるわけですよね。またがるときのその辺の施策の作り、目標の作り方といいますか、そういう方式をうまく考えられないかなと思います。
 例えば、一つだけ細かくいえば、地域コミュニティの復活をするために、何かコミュニティの集会所を造ります。それで幾つかできたという話になるかもしれませんが、その集会所を造るなんていうのは、壊されたコミュニティを復活させるためのほんの僅かな一つですよね。大きなところまでいかなくても、どのぐらい壊されたコミュニティは達成、復活できるように努力したのかということが分からなければ、最終的にはみんなが、みんなっていうのもちょっとアバウトですが、タックス・ペイヤーは「うん」と言わないのではないかなと思います。
 だから、次のステップで、それらの方向のことも一つの課題に考えていただけないかと思います。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。清水政策評価官、これにつきましては。

【清水政策評価官】  一つには、総務省にある総合性、統一性評価機能というものをどう発揮していくかというような方向が一つということだと思いますし、ここはなかなか難しい問題ではありますが、この経済財政諮問会議に対して、6月にも御説明しましたが、新藤大臣から、評価基準の標準化、質の向上と、これは短期的に取り組んでいくということで、中長期的な課題として、府省の枠を超えた政策体系の構築とか、それに基づく評価といったようなことを提起して、政府全体での取組、検討が必要だというふうにしているわけですが、御指摘も踏まえて勉強していきたいと思っております。

【谷藤分科会長】  青山委員、よろしいでしょうか。

【青山臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  堤委員、どうぞ。

【堤臨時委員】  ワーキングのメンバーでありながらちょっと都合がつかなくて、1回も出席しておりません。この場を借りてお詫びを申し上げます。申しわけありませんでした。
 先ほどからある活用のところで、一つお願いです。こういうものが出ると、どうしても、特に報道等がそうだと思うのですが、資料1の政策評価の標準化において、目標達成度の方に目がいってしまいます。これはやはり達成度の話とこの活用の話がセットで、むしろ、将来的なことを考えると、活用の方が重要かもしれない。そのことが絶えずうまく認識されるように工夫をいただきたいというのが、一つお願いです。
 それで、この目標超過達成のところで、さっき予算の話とかいろいろあったのですが、例えば予算とかですと、ある意味でさぼってしまえば、下のほうに行くといったところもあるので、そういう変なことが起こらないようなインセンティブを、やはりきっちり考えていくのが、この次として大事なところだと思います。
 それから、目標が甘すぎたとか、資源投入量が大きすぎたというふうに書いてあるところなのですが。要は、時間の見積もりの問題とも言えますが、効果が発現する前の時間の見積もりがちょっと正確性を欠いたとか、あるいは必要である投入量の見込みの推計が十分でなかったというようなことだと思うので、少し書きぶりとしても若干そういうふうに変えたほうがいい部分がある気がしました。
 それから、最後にもう一つお願いです。既にいろいろな研修等をやられているかと思います。先ほどお話があった、特に目標超過達成みたいなものとか定性的なものというのは、やはり現場で非常にまだ御苦労されているというように伺って、そういうものをぜひ、悩み相談的なものとか、例えば、研修会の中で色々な事例を報告いただいて、つまり必ずしもグッド・プラクティスだけではなくて、「いや、実はこういう悩みがある」というようなことを御報告いただくと、多分、「いや、自分の省でも同じようなことがある」といったことで情報共有がされるかと思います。ぜひそういったことをこの場を借りてお願いしたいと思います。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。

【清水政策評価官】  御指摘、ごもっともだと思います。最後のところは何らかやっていきたいし、私どもの、まさに、私が今、直接担当していますこの政策評価制度、こちらも定性的で効果が図りにくい施策の代表みたいなものではありまして。これは各府省とも話をしていますが、しかるべきタイミングで私どもをモデルにした、どんな評価書になるかというのを作ってみて、御議論する、御参考にしていただくというようなことを考えておりますので、また、作る際にご相談させていただきたいと思っています。
 また、先に言っていただきましたが、目標超過達成というのは色々なことがあります。典型例を本当に部分で書いていまして、特にここは、今までの達成手段のうち、うまくいっていなかったものの一つがブレークスルーしたら、全体としてものすごく良い結果が出たといったことだってあるでしょうし、御指摘のようなこともあるでしょうから、全部書き尽くすことが困難なので、とりあえず例示をしているということでございますが、いずれにしても、先ほど評価書の様式も見ていただきましたが、評価結果というのは、まさに達成度合いの測定の結果と、深掘り分析と、じゃあ次どうするかと、これのセットだということでありまして、この点については特に各方面で、先ほど立花先生からも御示唆をいただきましたが、色々使っていただく際に留意して説明をしていきたいと思っております。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。そのほかの委員から御発言ございますでしょうか。田中委員、どうぞ。

【田中(弥)臨時委員】  標準化に関してですが、多分、鳥取大学の小野先生がいらっしゃったらおっしゃるだろうなと思うことを、イメージしながら申し上げるのですが。
 これ、一応5区分なのですが、念を押されて順序尺度じゃないとおっしゃったのですが、絶対にA、B、C、Dとか、まとめるときに1、2、3、4、5とか、結果的に順序尺度で説明してしまうと思うのです。
 この表現だとそうならざるを得なくなっていくと思うのですが、やはりそこの根拠になるところが、今は定性的指標が多いと思いますが、できるだけ基になっている政策評価のほうの定量化の努力というのを、より一層努めなければいけないと思いますし、実際にアウトカム指標で記入されているものというのは、まだ半分もいっていませんかね。

【清水政策評価官】  いや、半分ちょっとかと。

【田中(弥)臨時委員】  8割ぐらいいっていましたか。

【清水政策評価官】  6割ぐらいだったか、この前分析をしたと思います。

【田中(弥)臨時委員】  綿密にカウントされている資料を見たことがあるのですが、指標の設定とそれに基づいている測定がもう少し進んでいれば、ここのところの表現もやりやすくなっていくと思うので、この定量化の努力というのはより一層進めていくべきだと思います。6割は超えているのですね。

【谷藤分科会長】  アウトカム評価はどれぐらいの水準になっていますか。

【清水政策評価官】  アウトカム指標を一つでも使って評価している施策が、大体6割ぐらいでしたか。

【田中(弥)臨時委員】  小野委員が全部カウントされていたと思いますが。

【清水政策評価官】  アウトカム指標が一つ以上入って評価がされているものが、大体6割ぐらいです。元々のアウトカム目標をアウトカム指標で測定しているというのが6割ぐらいという結果でした。我々があらあらに分析した結果ですが。
 定量化も、始めたときに比べるとある程度進んでいるとは言えますが、御指摘のとおりでございまして、どうしてもやってはいけない分野というのもあるのかもしれませんが、できるところをしっかりやっていくという努力は、今後も進めていく必要があると思います。
 また、本当に順序尺度をどうするのかというのは、大分頭も使ってみたというか、考えてもみたのですが、あえてここでA、B、Cとか、1、2、3とかそういう形にしなかったのは、それを何とか、これが順序を直接表しているものじゃないということを表現したいということでございまして、ここは事あるごとに誤解のないように説明を続けていきたいと思います。

【谷藤分科会長】  そのほかに委員から御発言ありますでしょうか。中泉委員、どうぞ。

【中泉臨時委員】  今の田中委員の発言、非常に重要だと思います。
 もう一つは、指標をある意味で曖昧にすればするほど最終的な評価が良くなるという傾向も考えられます。やはり、その事前の評価、アウトカム指標をちゃんと作るということの、そっちの方向で評価を改善していただくという方向に、ぜひ行政評価局のほうとしても持っていっていただきたいと思います。それはぜひよろしくお願いいたします。

【谷藤分科会長】  ありがとうございます。小峰委員、御意見ございますでしょうか。

【小峰臨時委員】  今の順序尺度じゃないというのは、確かにそういうことなのでしょうが、多分そうは受け取らないのではないかと思うのです。素直に考えても、達成目標があるわけだから、達成目標を達成したのか、全く及ばなかったのかというのは、やはり順序的な部分が相当あるのではないかという気もします。そこは、だから、順序ではないという説明をすればするほど、じゃあ何で目標を作ったのですかということになるので、私自身もどっちを強調するのかというのが、ややよく分からないというのが一つです。
 それから、この政策評価のところが、外の目からものすごく期待されている分野なのですね。経済財政諮問会議でも繰り返しPDCAサイクルということで言われていますし、規制緩和の面でも、規制の事前評価という点で大変重要な役割を持っていると言われているのですが、おそらく外の目から見た評価に比べると、まだまだやってほしいという評価になるのではないかと思うのです。
 外から見ると、この政策評価というのは実際に、例えば、歳出がどれぐらい効率化しましたとか、規制の事前評価によって、実際にどの規制が事前にチェックされていたのかとか、そういうことになると、結構、これだけ減りましたとか、この規制が無くなりましたっていうのが無いのですよね、多分。そこがなかなか難しいのではないかという印象を受けました。

【森泉委員】  私がこの資料2の目標超過達成を見たら、自動的にA、B、C、D、Eというように、思ってしまいます。順序指数ではないというのは、すなわち、目標ということとアウトカムが1対1に対応していないということを意味するというわけです。
 例えば、一番初めに例として思い浮かんだのが妥当かどうかよく分からなかったのですが、今、英語の力を高めるという施策があって、そのために義務教育の中で英語の授業をたくさん入れると。それから、外国人のネイティブの教員を増やすと。そうすると、英語の時間を増やしたのは目標達成、それから、ネイティブの教員を増やしたというのも目標達成。しかし、少しも英語力は、例えば、TOEICなりTOEFLなりをやったが高まらなかった。こういう話で、これはそれぞれ努力しているので、定性的な部分があり、直接この目標がアウトカムに1対1に対応していないということが前提で、よって順序ではないということ。単純に言えばそういうことなのでしょうか。

【清水政策評価官】  これはですね、結局のところ、政策ごとにそれぞれ目標の設定も区々でやりますし、指標の状況も区々であるという中で、これは別に成績表ではないという意味で、順序尺度では必ずしもないということを申し上げていると。特に先ほど申し上げましたように、目標超過達成というところについては、ものすごく頑張って、より良かったという面もあるし、目標が実は甘かったという反省材料として使うべき場合もあると。この場合というのは、目標の達成の水準としては非常に良い結果が一見出ていますが、それだから、それが優秀だとか一番良い人だと捉えるというのは必ずしも本意ではないということで、御説明をしているものでございます。
 結局、自ら立てた目標がどういう状況になるかということをきちんと把握をしていただいて、この段階にあるものはこの活用イメージにあるような、最低限というか、一定の検討の方向性とか材料があるはずで、そこをきちんとそれぞれの施策について横断的に把握ができるようにしていくということで、施策の改善を図っていきたいと、こういう趣旨でございます。
 あと、小峰委員の外部からの指摘、非常に重要な御指摘だと思いますし、常に私どもも考えていかなければいけないことだと思います。
 御指摘のとおりに、経済財政諮問会議では、PDCAサイクルの議論というのが累次にわたり行われております。これ、本件につきましても、おそらく来年のしかるべきタイミングでは、経済財政諮問会議に対してこのような取組をやりますということの御報告をするということになり、また、それにいろいろ御議論があるのだろうと想像しております。
 先ほど、いろいろな先生方に言っていただいておりますように、第一歩ということで、そのとおりでございまして、これで終わりではありませんので、しっかり各方面で活用していただけるような努力というのは、今後ともしっかり続けていくということで進めていきたいと思います。

【谷藤分科会長】  よろしいでしょうか。そのほかに御意見ございますか。田中委員。

【田中(弥)臨時委員】  では最後ですが。これは、政策評価・独立行政法人評価委員会の名前でも出ていくわけですよね。

【清水政策評価官】  今日審議した資料ということで、私どもから出した資料ということで、公表させていただきます。

【田中(弥)臨時委員】  ワーキング・グループのときにも申し上げたと思うのですが、やはり今の議論に象徴されること、夏の間にも随分行いました。それぞれの府省の持っている政策が比較できない中で標準化をしようという、非常に無理があったということがありますから、そういう限界条件の中でこれ、行っていること。それからもう一つは、今おっしゃったように、道半ばであるということをきっちりと添えた上で、これを各府省に配っていただけたらと思います。

【谷藤分科会長】  御要望としてでよろしいでしょうか。

【田中(弥)臨時委員】  はい。

【谷藤分科会長】  そのほかに御意見、ございますでしょうか。大体よろしいでしょうか。
 それでは、いわゆるガイドラインそのものといわゆる政策評価の標準化、政策評価書の様式そのものについては、大きな修正意見というのは無かったと考えてよろしいでしょうか。
 一応、この目標管理型の政策評価の実施に関するガイドライン案と、いわゆる事前分析表並びに政策評価書の案でもって、最終的にこの政策評価分科会としては了解したと受けとめたいと思います。
 それでは、その本ガイドライン案につきまして、政策評価分科会として了解がいただけたと判断したいと思います。
 まずは、平成26年度からこの取組を導入するべく現在の案で進めていくというような結論に到達したと判断させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。
 とりわけ、今日出されました資料2の目標超過達成の活用イメージというのは、非常に重要であるような感じがいたします。1番ベーシックなところはガイドラインに記載されておりますが、活用の具体的なイメージといわれるようなものは、この図の案のほうがはるかに分かりやすく、各府省への説明はこういったものをもって説明いただきたいと思います。

【濱西官房審議官】  よろしいでしょうか。

【谷藤分科会長】  はい。

【濱西官房審議官】  すみません。お忙しい中、1分だけお時間を。
 今日、おまとめいただきまして、本当にどうもありがとうございました。数か月間にわたる作業に御参加いただいた委員も、この中に多数おります。本当に感謝申し上げたいと思います。
 それから、今後の運びですが、資料3にございますように、各府省を集めて連絡会議で了承した上で、これは事務作業レベルなのですが、政府としても重要な話でありますので、政務のほうでもトップダウンで進めていく必要があるということで、閣議の場で総務大臣のほうから発言を、こういうことをやりますよということを発言させていただいて、政務レベルでも周知を図っていただきます。そういうことで進めさせていただきたいと思っておりますので、御了解いただければと思います。
 以上でございます。すみません。

【谷藤分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日の政策評価・独立行政法人評価委員会の政策評価分科会を終了いたしたいと思います。
 本日は御多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございました。

以上

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