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第62回政策評価・独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価分科会と合同開催)(平成25年12月16日)議事録

日時

平成25年12月16日(月)10時5分から11時25分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 第1特別会議室

出席者

(委員)
岡素之委員長、宮内忍独立行政法人評価分科会長(※)、梅里良正独立行政法人評価分科会長代理、石田晴美、森泉陽子の各委員、縣公一郎(※)、浅羽隆史、有信睦弘(※)、大西昭郎(※)、岡本義朗(※)、梶川融(※)、河井聡、河村小百合、齋藤真哉(※)、鈴木豊、瀬川浩司(※)、宮本幸始、山谷清志(※)の各臨時委員
(※)を付した委員は、議決の一部に参加していない。

(総務省)
新藤義孝総務大臣、上川陽子総務副大臣、松本文明総務大臣政務官、渡会修行政評価局長、濱西隆男官房審議官、岩田一彦官房審議官、吉開正治郎評価監視官、平野誠調査官、松田綱児政策評価審議室長

議題

  1. 政策評価・独立行政法人評価委員会
    (1) 中期目標期間終了時の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(案)について
    (2) 平成24年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)について
    (3) 報告事項
  2. 独立行政法人評価分科会
    (1) 役員の業績勘案率(案)について
    (2) 報告事項

配布資料

会議経過

【岡委員長】  ただいまから、第62回政策評価・独立行政法人評価委員会を開会いたします。皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、最初に政務から御挨拶をいただきます。まず、新藤大臣、お願いいたします。

【新藤大臣】  おはようございます。この度は、先生方には大変御苦労を頂きまして、また、御尽力を頂戴いたしましたことを、まず、冒頭に御礼申し上げたいと思います。
 この政策評価・独立行政法人評価委員会、平成13年の中央省庁改革以来の歴史ある委員会でありますし、この独法評価を通じまして、非常に重要な役割を担っていただいていると認識をしております。そして、今回は第62回ということでありますが、このような大規模な、多数の会合を開いていただき、そしてワーキング・グループにおいても精力的な御審議を頂戴したことを私も承知しております。皆様方に重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 そして、岡委員長には規制改革会議、そして総務省のICT成長戦略会議と、いろいろな分野でも御尽力を賜っております。ここにいらっしゃる方々には、それぞれ政府の中で様々な御活躍を頂いていると認識をしているわけであります。
 今日、取りまとめていただきます「勧告の方向性」につきましては、私が明日、閣僚懇談会において、関係する7省の主務大臣に要請をさせていただこうと思っております。
 また、あわせて、政府内でこの独法の在り方について抜本的な見直しが行われております。研究開発法人が最大の成果を得られるようにするにはどうしたら良いかといったことも含めまして、今、政府内におきまして、独法の在り方の検討が行われているわけであります。
 今回頂きます「勧告の方向性」も踏まえながら、私どもも適切な対処をしていきたいと考えております。
 今後とも独法の機能が発揮され、そして政策評価がしっかりと行われていくように、皆様方に引き続きの御協力を賜りますようお願いを申し上げ、また、多大なる御苦労に重ねて感謝申し上げまして、御挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。

【岡委員長】  大臣、ありがとうございました。続きまして、上川副大臣から御挨拶をいただきます。

【上川副大臣】  皆様、おはようございます。総務副大臣を10月に拝命をいたしました上川陽子と申します。私は、以前、平成17年の小泉政権の時に、総務大臣政務官を拝命しております。34回目のこの政策評価・独立行政法人評価委員会に参加をした者でございます。また、自由民主党の中でも、独立行政法人も含めまして、行政改革推進本部の中でずっと議論をさせていただいたということもありますので、今日この場に立たせていただくのも感慨深いものがございます。
 独立行政法人が本来の役割を果たしていくために、その法人の事務・事業のしっかりとした在り方を、中立公正な立場から不断に検証する仕組みが不可欠であると考えております。平成13年の独立行政法人制度導入以来、こうした役割を果たしてこられた本委員会の活動実績に対しまして、高い評価と同時に感謝を申し上げたいと思っております。
 今年度、14法人の事務・事業の見直しに関する「勧告の方向性」を取りまとめていただいたということでございまして、岡委員長をはじめとして委員の先生方におかれましては、多大なる御尽力を賜りましたことに対して、厚く御礼を申し上げます。
 こうした評価が、しっかりとまた、これからの独立行政法人の活動にいかされることができるよう、見守り続けていただきたいと思っておりますので、改めてこの間の御努力に対しまして心からの感謝と敬意を表させていただき、御挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。

【岡委員長】  ありがとうございました。続きまして、松本大臣政務官からの御挨拶をお願いいたします。

【松本大臣政務官】  おはようございます。政務官を拝命いたしました松本文明と申します。お見知りおきをいただきますように、どうぞよろしくお願いを申し上げます。独法、この制度には、いろいろな思いを持って国民の眼差しが向けられていると考えております。
 独法が正しく機能をするかどうか、この国の消長に大きく関わっていると考えております。その独法の仕事をきちっと評価していただく先生方でございますので、大変に期待をしているところでございます。どうぞ、よろしくお願いを申し上げます。以上で挨拶といたします。

【岡委員長】  ありがとうございました。新藤大臣と上川副大臣は公務によりここで御退出をされます。松本大臣政務官には最後まで居ていただけると伺っておりますので、よろしくお願いいたします。

【松本大臣政務官】  頑張ります。お願いいたします。

【岡委員長】  では、大臣、副大臣、ありがとうございました。

【新藤大臣】  すみません。では、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

【上川副大臣】  失礼します。


(大臣・副大臣退室)


【岡委員長】  それでは、本日は、これまで独立行政法人評価分科会で御議論いただいてきました「平成25年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」及び「平成24年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見」につきまして、御審議の上、整いましたら御議決いただきます。
 審議に先立ちまして、委員の方々におかれましては、御多忙の中、精力的に評価作業に取り組んでいただきました。皆様の献身的な作業に心から感謝申し上げます。
 それでは、初めに、事務局から一括して説明させます。お願いいたします。

【吉開評価監視官】  それでは、御説明申し上げます。まず、勧告の方向性でございます。資料1−1、横長の資料をご覧ください。11月1日の分科会におきまして、各ワーキング・グループにおける議論の状況を御紹介申し上げたところでございます。
 その後、各省との間でも指摘内容に関する事実確認等を行いながら、各ワーキング・グループで更に詰めていただいたところでございます。本日は、前回の分科会以降に変更があった点を中心に御説明を申し上げたいと思います。
 それでは、4ページ目をお開きください。なお、前回の分科会までとは異なり、本資料の対象法人の並びは御審議いただいたワーキング・グループの順ではございませんで、主務省の建制順に並べております。まず、文部科学省の所管法人でございます。日本学生支援機構につきましては、前回から特に変更はございません。第1種及び第2種奨学金を併用して借りている者の延滞率が高いため、修学を行う上で真に必要な額となるよう、貸与上限額の引下げなどについて検討を行うことを求めるなどの指摘内容となっております。
 続きまして、海洋研究開発機構でございます。次のページでございますが、この法人につきましても、特に変更はございません。政府全体として研究活動の成果の最大化を図るという観点から、機構の役割を明確化し、研究内容の見直し及び重点化を求めるなどの指摘内容となっております。
 続きまして、国立高等専門学校機構でございます。この法人につきましては、3番目の論点でございますが、国立高等専門学校が51校、それから、非常勤職員を含めまして職員数が約1万人という比較的規模の大きな組織でございますが、それにもかかわらず常勤監事が置かれていない状態でございました。また、18校におきまして、約1億7,000万円の不適正な経理があったことを、会計検査院に指摘されております。
 このため、常勤の監事を置き、監事監査体制の強化を図るということは当然でございますけれども、本法人本部における内部監査体制についても、充実させるための指摘をしております。
 続きまして、大学評価・学位授与機構でございます。1番目の論点でございますが、認証評価事業につきましては、問題意識は前回の分科会の時点と変わりはございませんけれども、前回の分科会でいただきました御意見等を踏まえ、民間認証評価機関育成の観点から、「民間認証評価機関が国際通用性のある質の高い評価を行えるようにするための取組を実施」という文言を追加しました。更に、「本法人が実施する認証評価は、廃止に向けその実施数を段階的に削減」とございましたのを、「その数を段階的に削減し、将来的な廃止を含め、在り方を検討」と一部変更しております。
 続きまして、国立大学財務・経営センターでございます。この法人につきましては、2番目の論点でございますが、公的資金である財政融資資金を財源として、各国立大学法人が行う国立大学附属病院整備に係る施設費貸付事業を行っております。しかし、国が対象事業を選定する際の考え方及び指標が国立大学附属病院に求められる機能・役割を明確に確認できるものとなっていない状態でございます。このため、国立大学附属病院に求められる機能・役割を明確に確認できるものになるよう、貸付事業選定の考え方及び指標について国側で見直しを行うよう指摘をしております。
 続きまして、厚生労働省の所管法人でございます。まず、労働者健康福祉機構でございますが、1番目の論点でございますけれど、労災患者比率が4パーセント程度まで低下しております。この中で、地域医療への役割が相対的に増している状況を踏まえまして、地域へ果たすべき役割を明確にし、地域の実情に応じた医療を的確に提供するよう指摘をしております。
 2番目の論点でございますが、労災病院の経営改善につきましては、本部主導で病院ごとに繰越欠損金解消計画を策定し、改善を進めるとともに、経営改善に成功した国立病院機構の取組、例えば収益の確保対策ですとか、コスト削減対策でございますが、これらを参考とするよう求めております。
 続きまして、国立病院機構でございますが、特に変更はございません。この資料1−1には記述しておりませんけれども、「勧告の方向性」の本文では、本法人が進めてきた経営改善の経験ですとか、ノウハウを厚生労働省としてほかの病院の経営改善に役立てるべきであるということなどを指摘しております。
 続きまして、医薬品医療機器総合機構でございますが、1番目の論点としまして、すぐれた新医薬品、新医療機器をより早く国民に提供するため、ドラッグ・ラグ及びデバイス・ラグの早期解消につながる取組を着実に進め、審査を一層迅速化するよう指摘をしております。
 次に、4番目の論点でございます。体制を強化する方針が閣議決定されておりますけれども、現状の業務プロセスのどこが課題なのか明確でございませんので、次期中期目標期間中にこれを分析・検証し、必要な改善を図るよう指摘をしております。
 続きまして、年金・健康保険福祉施設整備機構でございます。この法人は、左側の欄に記載がございますように、地域医療機能推進機構に改組されることになっております。1番目の論点といたしましては、社会保険病院等57病院を直接運営し、地域で必要とされる医療の提供等を任務とすることとなっておりますので、各病院でしっかりとした医療供給体制を構築し、地域の実情に応じた医療を的確に提供するよう指摘をしております。
 2番目の論点でございますが、14の赤字病院がございまして、これにつきまして国立病院機構の取組を参考として病院ごとに経営改善計画を策定するよう求めております。
 4番目の論点でございますが、委託運営をしておりました病院で不適切な会計処理の問題が発生しましたことから、独法として適切なガバナンス、財務運営等を確立し、透明性の高い運営を行うよう指摘をしております。
 このほか、この病院関係の3法人が今回対象となっておりますけれども、この3法人共通で管理業務を本部等へ集約することについて検討するよう指摘をしております。
 続きまして、経済産業省所管の中小企業基盤整備機構でございます。特に変更はございませんが、1番目の論点といたしまして、助言・支援業務につきまして、支援ノウハウの地域支援機関への移転を進めるなどにより、地域支援機関の支援機能の向上強化を支援し、中小企業政策のうち中心的実施機関としてより難度が高く、より専門性の高い業務に重点化することなどを求める指摘内容となっております。
 続きまして、国土交通省所管法人でございます。まず、都市再生機構、通称、URでございますけれども、1番目の論点でございます。URとして最も大きな事業の柱でございますのは、賃貸住宅事業でございます。これに関して、「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」の内容の見直しにつきましては、更なる経営改善のため、賃貸住宅経営の環境、将来需要等を総合的に考慮した賃貸住宅ストックの再編、削減目標を設定し、その内容を見直すという指摘内容にいたしまして、更なる経営改善のためということを明確にしております。
 それから、URの技術研究所というのがございまして、これにつきましては現地視察も行って検討を進めた結果、独立行政法人建築研究所との統合を含めた連携強化を一層推進するなど、その在り方を抜本的に見直すことを求めております。
 続きまして、奄美群島振興開発基金でございます。1番目の論点でございますが、奄美群島振興開発特別措置法が平成25年度末に期限切れとなることに合わせて、この奄美基金の業務内容の見直しが行われるわけでございます。同基金と類似の業務を行っております日本政策金融公庫等との統合の可能性も含め、役割分担をどう検討するかという問題意識で検討してまいりました。しかしながら、この日本政策金融公庫は独法ではなく、特殊法人であるということもございまして、最終的には政策実施機能を更に向上させるため、日本政策金融公庫等との連携を図るなど効果的、効率的な業務の進め方について検討を行うものとするという指摘内容にしております。
 続きまして、環境省所管法人、環境再生保全機構でございます。この法人につきましても、特に分科会の時点からの変更はございません。1番目の論点でございますが、本法人で行う業務の必要性等について、国民の理解をより一層深めるために環境省の政策目標や業務を取り巻く現状を中期目標に記載の上、本法人の必要性と役割を明確化することなどを求める指摘内容となっております。
 最後に、法務省所管の日本司法支援センター、通称、法テラスでございますが、これにつきましては、3番目の論点に関連いたしまして若干申し上げます。前回の分科会におきまして、いわゆる司法過疎地域だけでなく、東京等の大都市にも事務所を設け、常勤弁護士を配置している一方、これらの地域において、民間弁護士等の法律相談件数が減少しているという指摘をいただいたところでございます。
 事務局におきまして、常勤弁護士と民間弁護士との役割の違いについて法務省に確認をいたしました。そうしましたところ、常勤弁護士は接見の対象となる被疑者の勾留施設が遠隔地にあるなどの収益性が低い事件、それから被援助者が認知症である等の困難性が高い事件、これらの事件を受任する傾向が顕著であると。したがって、おのずと民間弁護士等との役割分担はできているという説明を受けたところでございます。
 「勧告の方向性」におきましては、分科会での議論も踏まえまして、常勤弁護士を配置する場合は、その必要性について十分な説明責任を果たすよう指摘しております。また、一般の契約弁護士は個別事件ごとに報酬金等の支払いが必要でございますが、常勤弁護士は給与制でございます。こういった財政的な側面も重要でございまして、常勤弁護士の配置の必要性を説明する場合は、常勤弁護士が受任した事件数や活動費用等について把握、分析し、財政的効果を明らかにするよう指摘をしております。
 「勧告の方向性」については、説明は以上でございます。
 引き続きまして、年度評価意見でございます。資料2−1の横長の資料をご覧いただければと思います。年度評価につきましては、前回の分科会におきまして、共通指摘事項の事項名、個別意見の候補として考えている事例の件数を御報告したところでございます。
 その後、ワーキング・グループにおける議論等を通じまして、共通意見案、個別意見案等に対する御意見を賜ったところでございます。今回、いただいた御意見等を踏まえ、意見案を取りまとめたところでございます。
 それから、資料2−1の2ページをご覧いただければと思います。ここから4ページにかけまして、共通意見の概要を記載しておりますので、主なものを4点ほど御説明したいと思います。
 最初に、アの(1)、「内部統制の充実・強化」のうち、「リスクの把握及び対応」でございます。これは、リスクの把握等の取組につきまして、全ての府省評価委員会において評価が行われておりますが、更に法人のリスク把握の取組について評価するとともに、リスク把握の結果や優先的に対応すべきリスク等への対応状況を含めて評価を行うことが望ましいという旨を指摘しております。
 続きまして、アの(2)、「原子力施設等の安全管理」についてでございます。原子力施設等を有する法人につきましては、規制当局の評価結果や、当該評価結果を踏まえた法人の取組、法人の自主的な安全管理の取組状況を十分に明らかにし、一層厳格な評価を行うことが望ましい旨を指摘しております。
 続きまして、少し飛びまして4ページでございますが、カの「保有資産の見直し」でございます。これにつきましては、「独立行政法人の職員宿舎の見直しに関する実施計画」等におきまして、宿舎の廃止等の見直しが求められておりますが、それらの実施状況を明らかにしていない事例が見られました。したがいまして、見直しの実施状況を明らかにし、見直し内容の妥当性等について評価を行うよう指摘をしております。
 続きまして、キの「運営費交付金債務の評価」 についてです。平成23年度以前に交付された運営費交付金の24年度末時点における未執行額についての評価がほとんど行われていませんので、運営費交付金債務残高のうち、評価対象年度だけではなく過去の年度に交付された分についても、未執行となっている理由及び資金の保有の必要性について評価を行うよう指摘をしております。共通意見は以上でございます。
 次に、個別意見についてでございます。5ページに記載をしております14事項について指摘を行っております。指摘の内容について大きく分類すると二つになります。1番としまして、過去に指摘を行った事項。これは過去の勧告の方向性ですとか、2次評価意見で指摘を行ったものでございます。これの取組状況に係る評価が不十分なもの。それから2番目といたしまして、評価結果において評定や評価の理由、根拠等についての説明が不明確であったり、不十分であったりするものに分類をされます。
 それらの具体例として、各府省評価委員会の評価結果と政独委の個別意見の対比という形で7事例ほど掲載をしております。そのうち、3事例について概要を御説明申し上げたいと思います。6ページをお開きいただきますと、国際協力機構、通称、JICAについての意見を掲載しております。これにつきましては、平成23年度の「勧告の方向性」で国内定員を在外定員にシフトすることにより、在外機能を強化すべきであるという点を指摘しておりますけれども、評価書の中では、国内定員の在外定員へのシフトは行われていないにもかかわらず、何ら評価が行われていないということが見られました。定員のシフトと実施状況等について言及した上で評価をするよう指摘を申し上げているところでございます。
 それから、少し飛びまして10ページでございます。10ページで医薬基盤研究所について書かれてございます。これにつきましては、繰越欠損金の解消計画を策定している旨を記載しておりますが、実績としては平成24年度、単年度の貸付金の回収実績等しか記載しておりませんで、解消計画の進捗状況が明らかになっておりません。したがいまして、繰越欠損金残高や売上納付金額の経年推移を明らかにした上で評価を行うよう指摘をしております。
 続きまして、11ページの農水省所管の種苗管理センターでございます。品種保護Gメンというのがございます。この海外派遣は相手国からの要請を受けて行うことになっておりますけれども、平成24年度は派遣要請がございませんでした。にもかかわらず、A評価、A評定とされておりますので、実績を踏まえた適切な評価を行うよう指摘をしているところでございます。
 13ページは、国立大学法人及び大学共同利用機関法人についてのものでございます。ノートパソコンの紛失など、個人情報の不適切な取扱い等がございました16法人に対して指摘がなされておりますが、これ以外の法人につきましても、同様の事案が発生していることが確認できましたので、各法人の正確な実態把握や厳格な評価を実施するよう指摘をしているところでございます。
 なお、14ページ以降でございますが、参考事例でございます。今後の評価において参考となると思われる一次評価結果の概要等を掲載しています。
 続きまして、委員長談話につきましても、御説明を申し上げたいと思います。資料3ということで、1枚紙の資料が資料の束の中に入っていると思いますので、ご覧いただきたいと思います。この委員長談話につきましては、毎年、「勧告の方向性」の取りまとめに当たりまして、委員長の談話を発表して、国民に対するメッセージを発信するというものでございます。今回も、これまでと同様に発表することとしたいと思います。では、朗読を申し上げます。

 「平成25年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」及び「平成24年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見」の取りまとめにあたって(案)

平成25年12月16日
政策評価・独立行政法人評価委員会
委員長 岡素之


  1.  本日、当委員会は平成25年度末に中期目標期間が終了する13の独立行政法人及び、日本司法支援センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性を各主務大臣に対し指摘するとともに、平成24年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見を、各府省の独立行政法人評価委員会等に通知しました。
  2.  当委員会は独立行政法人評価制度における中正・中立・公正・客観性を担保する第三者機関として、対象14法人の主要な事務・事業についての徹底的な見直しを行うとともに、平成24年度における業務の実績に関する評価結果等に対する政府横断的な評価を行いました。
  3.  その結果、今回の勧告の方向性では、管理業務の本部等への集約など事務・事業の見直し、また密接に関連する業務を行っている他法人との業務の一体的実施などについても指摘をしております。その他、各法人に共通する事項としては、的確な評価を実施するための具体的かつ定量的な目標設定、内部統制の充実・強化、運営費交付金額の厳格な算定等についても指摘しております。当委員会としては、これらの指摘が最大限に尊重され、適切な見直しが行われることによって、各法人の一層の適正、効果的かつ効率的な運営に大きく寄与するものと確信しております。
  4.  さらに、2次評価意見については、各府省横断的な評価を行うことにより、内部統制の充実・強化に向けた取組の促進、業務の実施に伴う成果・効果の明確化、利便性向上に向けた取組等に関する指摘等を行っています。当委員会としては、各府省の評価委員会において今般の意見を踏まえ、一層の評価の質の向上に向けた取組が行われることを期待します。
  5.  もとより、独立行政法人の適正、効果的かつ効率的な運営には主務大臣並びに主務省の評価委員会及び担当部局の努力とともに、独立行政法人自らの主体的な取組が不可欠です。すなわち、積極的なマネジメント改革に取り組むとともに、現場の職員一人一人が自発的に意識改革を行い、業務の改善を積み上げることにより職員が達成感を覚え、トップダウンの改革とボトムアップの改善とが相まって、法人のパフォーマンスが更に向上されることを期待します。
  6.  最後に、独立行政法人がその使命を的確に遂行していくためには、国民の皆様の監視と御理解とが不可欠であります。当委員会としても、厳しい財政事情も踏まえつつ、独立行政法人がその使命を的確に遂行し、国民に対して一層効率的で質の高い行政サービスが提供されるよう、今後とも積極的な活動を行ってまいる所存でありますので、引き続き御理解を賜りますようお願い申し上げます。
     また、独立行政法人制度が導入されて以降、10余年にも及ぶ当委員会における評価活動実績が、現在、検討が進められている独立行政法人の制度・組織両面にわたる改革に生かされるよう期待しております。

以上でございます。

【岡委員長】  ありがとうございました。ただいまの事務局から説明のありました内容につきまして、宮内分科会長からも御発言をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

【宮内分科会長】  「勧告の方向性」及び「24年度業務実績評価意見」の取りまとめに当たり、独立行政法人評価分科会の各委員におかれては、御多忙の中、分科会やワーキング・グループの場において、本日まで延べ120時間近くにわたって精力的に御審議いただきました。
 「勧告の方向性」においては、本年度の見直し対象14法人について、分科会やワーキング・グループの場で熱心に御議論いただくとともに、主務省へのヒアリングや法人の視察なども積極的に実施していただき、実情に触れて御議論を深めていただきました。ここで全てを御紹介することはできませんが、例えば、病院を保有する3法人に対する名古屋の視察では、3法人の病院運営の違いを実感していただいたことが、その後の3法人についての議論の方向性を決定づける重要な契機となったと伺っております。また、奄美基金についても、奄美群島への日帰り視察により、現地での業務の実施状況について、直接把握していただいたことが、深い議論につながったものではないかと思います。これらを通じて、内容の充実した「勧告の方向性」(案)を取りまとめることができたと感じております。
「業務実績評価意見」においては、事務局から説明のあったとおり、具体的取組に記載した重点事項を中心に、ワーキング・グループで御議論いただき、意見案を取りまとめました。この具体的取組の中で、重点事項に係る具体的な評価の視点を記載し、チェックするべき項目を明らかにしたことで、特に共通指摘事項においては、質・量ともに充実したものになったのではないかと思っております。
 皆様のこれまでの精力的かつ熱心な御議論に感謝いたしますとともに、ただいまの事務局の説明をもとに御審議をお願いいたします。

【岡委員長】  ありがとうございました。それでは、本件につきまして、御意見、御質問などがございましたら、よろしくお願いしたいと思います。いかがでございましょうか。よろしいですか。
 それでは、まず、「平成25年度に中期目標期間が終了する独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」につきましては、政策評価・独立行政法人評価委員会として、本案のとおり決定することでよろしいでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)


【岡委員長】  ありがとうございます。本件につきましては、委員長名で各主務大臣宛てに通知することといたします。なお、公表、事後の事務的な処理につきまして、は宮内分科会長と御相談の上、対応させていただくことで御異議ございませんでしょうか。


(「異議なし」の声あり)


【岡委員長】  ありがとうございます。それでは、そのように取り扱わせていただきます。続きまして、「平成24年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見」につきましては、政策評価・独立行政法人評価委員会として、本案のとおり決定するということでよろしいでございましょうか。


(「異議なし」の声あり)


【岡委員長】  ありがとうございます。本件につきましては、委員長名で関係独立行政法人評価委員会等の委員長宛てに通知することといたします。なお、公表、事後の事務的な処理につきましては宮内分科会長と御相談の上、対応させていただくことで御異議ございませんでしょうか。


(「異議なし」の声あり)


【岡委員長】  ありがとうございます。それでは、そのように取り扱わせていただきます。また、私の委員長談話につきましても、御異議がございませんので、案のとおり進めさせていただくということで、よろしいでございますか。


(「異議なし」の声あり)


【岡委員長】  ありがとうございます。それでは、事務局から報告がありますので、お願いいたします。

【吉開評価監視官】  2点御報告を申し上げます。まず、今後の予定でございますけれども、ただいま御決定いただきました「勧告の方向性」は本日付で各主務大臣宛てに通知をいたします。各府省ではこれを踏まえて、平成26年度予算の政府案決定までに見直し内容を決定することとなります。
 また、当該見直し内容を踏まえて、各府省では本年度中に次期中期目標を作成し、法人に指示するとともに、法人では次期中期計画を作成することとなっております。政独委といたしましては、各府省における見直しの具体化に向けた取組が勧告の方向性の指摘に沿っているかどうかについて、フォローアップすることとしております。必要がある場合には、中期目標期間の終了時に独立行政法人通則法第35条の規定に基づく勧告を行うことになっております。
 続きまして、平成24年度の独立行政法人評価年報でございます。お手元に、資料4といたしまして、横長の資料がございます。これは、平成24年度版の独立行政法人評価年報の概要版でございます。また、本体の冊子につきましては、席上の左手に冊子といたしまして、備え付けているところでございます。
 この評価年報は、毎年度独法に関する情報、例えば、法人の数や財務・会計状況といった基本的なデータ、それから評価の情報といたしまして、各府省の独立行政法人評価に関する取組の状況等を取りまとめて公表しているものでございます。
 本日、総務省のホームページ上において、公表を行います。
 以上、御報告申し上げます。

【岡委員長】  ありがとうございました。最後に、本年度中に、本委員会の委員に就任されて10年目を迎える鈴木臨時委員、山谷臨時委員、梶川臨時委員、浅羽臨時委員、縣臨時委員、玉井臨時委員及び河村臨時委員の計7名の皆様につきましては、今回が最後の委員会になると伺っております。
 この後、引き続き分科会が開催されますが、委員会の最後ということで、御退任される皆様から一言ずつ御挨拶を賜ればと存じます。それでは、鈴木委員から順番にお願いしたいと思います。

【鈴木臨時委員】  鈴木でございます。10年もやったのかなと、そういう感じでございます。私は会計と監査を専門としておりますけれども、特に公的部門の公会計と公監査、特に公監査のうちの業績公監査、行政成果の監査について近年は研究をいたしております。
 諸外国でも、公監査と政策評価との関連について、大体、1990年代、1980年代でしょうか、いろいろな議論がありました。先進的な公監査においては、公監査の中の一つ重要な領域ということで政策評価が位置付けられているという結論になったのではないかなと思っております。もちろん、政策評価学という学問も存在しますけれども、公監査部門の立場から申しますとということです。
 先ほど、委員長談話の中に、国民の監視という言葉がございましたが、公監査というのはその重要な一端だと思っております。そういう観点、視点で、こちらでいろいろな検討をさせていただきました。10年間、同僚の委員の皆様方、そしてまた事務局の献身的な御協力によりまして、一定の成果まで行ったかどうか分かりませんけれども、仕事をさせていただきました。どうもありがとうございました。

【岡委員長】  ありがとうございました。続きまして、山谷臨時委員、お願いいたします。

【山谷臨時委員】  山谷でございます。平成13年1月26日、当時、第1回の議事次第を持ってきたのですが、その時から参加しておりました。途中2年間、隣の外務省で政策評価をやり、独立行政法人評価の立ち上げをやり、それから、ODA評価をやっていました。
 相手側から見た総務省がどう見えるかというのを、よく存じ上げています。かなり、微妙なものがございます。ですから足掛け13年ぐらいやっているのですが、こうなるのかなという今現在の印象でございます。当時は、もう少し政策評価と接近した形で独立行政法人の評価が考えられていくのかなと予測をしていましたが、どうも細かくやり始めると、政策評価からどんどん遠ざかっていくのかなという印象を持っております。
 私自身は政策評価を専門としておりますので、これからも勉強を続けていくつもりでございます。一度、独立行政法人評価の卒業論文のようなものを書こうかなと思っております。その時には、そちらにいらっしゃる、特に政独委の第1回の会議には渡会局長もいらっしゃって、農林水産省や環境省を担当されていたようですが、いろいろな事務の方々のアドバイスなども、いただこうかなと思っています。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

【岡委員長】  卒業論文ができたら一度、私どもにも拝見させていただきたいと思います。続きまして、梶川臨時委員、お願いいたします。

【梶川臨時委員】  ただいま御紹介いただいた梶川でございます。臨時委員は10年ということなのでございますが、実は独法発足前の会計基準の作り込みから関わらせていただき、その後、この委員会で専門委員を3年させていただいたものですから、実は発足以来、13年間にわたってこの場に出させていただいているということです。
 今、委員の在任の表を見ておりましたところ、私一人が13年間、お役にも立たないのにこの席に参加させていただいていたのだなあと、感慨深い思いになっていたところでございます。本当に、何ら専門的な行政評価等の知見もないまま、ずっとこのような席に参加させていただいていたわけでございます。
 この独法の評価というのは、初代の富田分科会長がよくおっしゃられていたのですけれども、こういう事業体がマーケットで律されるわけでもなく、議会そのものに律されるわけでもない。独立行政法人というのは、非常に難しい存在なのだと。この話を13年間、評価というものに関わらせていただいて、本当に最後に、切に感じるところでございました。
 本当に、この独立行政法人の評価というのは難しい部分があるなと。同時に、この制度の全く根幹をなす、基本になるものだなということを、つくづく感じた次第でございます。その途上、3回にわたって、独立行政法人の改革というこの席にもまた出させていただきました。常に、どうしたらより良く独立行政法人が国民の皆様に理解していただけるかということを、考え続けてきたところでございます。
 そういった独立行政法人が国民から理解され、かつ政策実施機関として最大のパフォーマンスを挙げる大前提として、ここで行われている公平・厳正な評価というものが、独法が国民の皆様に対する説明責任を果たすことへの我々のできる支援というような形で思った次第でございます。
 本当に、ここに書かれている本来の趣旨がそのまま発揮されれば、きっと今後も独立行政法人への政策的に非常に効果のある存在として、国民に愛されるというのも何でございますけれども。ここのところですごく感じるのは、独立行政法人で働かれる方のモチベーションが、非常に大切なのだなと。そこが維持される形で、私どもは、評価というのは必ずしも厳しいばかりではなく、正しい評価、まさに良いことは良いという評価も含めて、させていただくことが大切だったのだろうなという思いがございます。
 これから、少し外野で、独立行政法人が更に発展していくことを見ていければと思っております。こういう席で、各界のいろいろな知見のある先生と議論をさせていただけたこと、また、事務局にはいろいろ迷惑をおかけしたのだとは思うのでございますけれど、お詫びと感謝を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。長い間、どうもありがとうございました。

【岡委員長】  本当に長い間、ありがとうございました。では、引き続きまして、浅羽臨時委員、お願いいたします。

【浅羽臨時委員】  浅羽でございます。10年間、どうもありがとうございました。
 図らずも、今、梶川委員から富田元分科会長の話が出ました。ちょうど私は、富田先生と同じ専門の研究分野の人間で、私的財は市場メカニズムで、純粋公共財は政治のプロセスでと。そういう勉強をしてきた人間にとって、独法評価で自分がどんな貢献ができるか、効果的、効率的な運営をと書いてありますけれども、そこに自分自身はどんな貢献ができるのかというようなことをすごく不安に思いながら、最初、委員会の席に着いたことを覚えております。
 そこから10年間、どれだけ貢献ができたかといいますと、自分自身としては甚だ心もとないものがございます。ただ、非常に小さな例として、紹介というほどではないのですけれども、皆さん御存じのとおり、最初に退職金の業績勘案率の話が各府省から出てきたときに、その時の業績勘案率が1.5で張り付いておりました。1.5というのは、皆さん御承知のとおり、内閣官房長官に報告しないでいい上限のマックスのところで張り付いて出て来ました。
 それに対して、これはいくら何でもというということで、1.0が標準というようなことになって、今に至っているのは皆様、御存じのとおりだと思います。ただ、先日、特殊法人等の退職金の業績勘案率の表を見ていましたら、昨年度のもので、ミニマムが1.2で、標準が1.5で、上が1.6。法人の長だと、大体みんな1.5でここ何年か退職金がついているなどというのを見ますと、ここの委員会でやっていることも、そうおかしくはないのかなと思ったりした次第でございます。
 本当に10年間、どれだけ貢献できたのかどうか、先ほど申した通り心もとないのですけれども、自分なりには一生懸命やってきたつもりです。今後もまたいろいろと仕事を一緒にさせていただくこともあろうかと思います。どうぞ、今後とも、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。

【岡委員長】  ありがとうございました。続きまして、縣臨時委員、お願いいたします。

【縣臨時委員】  10年間にわたりまして、忌憚ない議論をさせていただきました委員の先生方、臨時委員の先生方、そして詳細にわたり分析をされまして評価の基礎を築いてくださいました総務省の事務局の方々に対しまして、厚く御礼申し上げます。
 個人的には、府省側の評価委員会の委員も、もう10年務めさせていただき、先日そちらも卒業いたしました。こちらでも10年間、政独委ということで、評価をさせていただきました。この二つの違った視点から、ほぼ同じ時期に独法の評価をできたということは、私自身の専門が行政学でございますので、大変勉強させていただきましたし、私自身は非常に充実した議論をさせていただき、充実した時間を過ごさせていただきました。そのように感じております。
 記憶が正しければ、7人同時に任を解かれるということは、これまでなかったと思います。ですので、来年度以降、独法評価は、新しい知見、見識を求めて、更に発展するだろうと期待しております。各独立行政法人の実践、そして独立行政法人評価の貢献が、今後の日本社会の更なる発展と国際社会の安定にますます寄与することを祈念いたしまして、厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

【岡委員長】  ありがとうございました。それでは、河村臨時委員、お願いいたします。

【河村臨時委員】  10年間、本当にお世話になりまして、ありがとうございました。私がこの委員会に入れていただいた10年前、政独委の活動が始まってから数年たったサイクルの時だったのではないかと思いますが、先ほど、新藤大臣などからもお話がありましたけれども、平成13年度の中央省庁等改革の時、財政再建に対する熱意があった時代ではないかなと思います。政策評価の一環ということで、この制度が入ってきて、その政策評価の実際、実務というか、実践を経てどう変わっていくかというのを、ちょうど見ることができた10年だったのかなと思います。
 ここに入れていただいた時の最初のころの案件で、非常に印象的なものがありました。担当していた府省の研究所の案件なのですけれども、今から思うと、「あれ、それだけか」という感じがするのですが、非公務員化の話だったのですね。それだけなのです。それだけなのですけど、大変激しい議論がここで、主務省の方とあったのを記憶しております。
 こうおっしゃられてはいないのですけれども、ただ、私にはそう受け取れたのですけれども、当時の意識としては政策評価が入ったということは、各府省は各分野の政策も当然、プロフェッショナルでいらっしゃるわけですね。そこに他人が口を出す、初めてのことだったのではないかと思うのですけど。あなたたちに何が分かる、というか。自分たちが完全に、専門家の先生の意見を聞きながらやっていると。そういう感じで、一体何が分かるんだ、という感じの非常に激しい議論があって、「はあ、これはちょっとすごいところに来ちゃったな」と思ったのですけれども、そんなことがございました。
 ところが、その後、いろいろな評価を積み重ねていくにつれ、それこそ当時の富田分科会長をはじめとするいろいろな先生方のお考えもあって、現場主義で行こうという考え方があったのだと思うのですね。それで、ここで霞が関で主務省の方と議論するだけではなくて、あちこち実際にいろいろ法人の現場に行かせていただいたり、お仕事していらっしゃる方とお話しさせていただく機会がありました。私も少し、行かせていただいたのですけれど。そこら辺から、私自身は、相手方の府省のスタンスがすごく変わられたなと思いました。
 それは、私が担当していた府省だけではなく、ほかもそうだったのではないか。同じように感じられたということを、既に御退任された先生からも伺ったことがあります。われわれがきちんと現場にお邪魔して、お話をお伺いしようとすると、相手方も御自分たちのなさっているお仕事を、すごく説明しようとしてくださるというか。良い意味での意思疎通ができるようになったというか、こちらも言いたいことを言わせていただくのですけれども、あちらはあちらで、れっきとした言い分というか、現場というか現状は一番御存知なわけで、そこで議論ができていくようになった、そんな感じでこの10年間、実務というか実践を経て変わってくる中に、ちょうどいさせていただくことができたのかなと思っております。
 本当に、私自身としては、こういう立場でありながら、政府の中で府省ごとの政策の議論がどう進められていくのか、ということを垣間見させていただくこともでき、大変貴重な経験をさせていただいて、ありがたかったと思っております。甚だ微力で、どれほどお役に立てたのか心もとないのですけれども、様々な先生方の鋭い、いろいろな御指摘を聞いて、はあ、と思いながら聞いていることが何度もありました。
 それから、あと、かたくなな相手と対処するときにどうやって言っていくのかということなど、他の委員の方々のお話ぶりなどから、いろいろな勉強をさせていただいたと思っております。あわせて、事務局の皆様方には本当にお世話になりまして、感謝いたしております。長い間お世話になりまして、ありがとうございました。

【岡委員長】  あと、玉井臨時委員の御挨拶をいただく予定でしたが、まだお見えでございませんので、お見えになってから御挨拶をお願いすることにしたいと思います。御退任される皆様には、お忙しい中にも関わらず、これまで本当に長きにわたり、独立行政法人評価における検討・審議の中核として、多大なる御尽力をいただきましたことに対しまして、委員を代表し、心より感謝申し上げる次第であります。改めまして、本当にありがとうございました。
 また、宮内分科会長をはじめ分科会の委員・臨時委員各位には、精力的な御審議を経て今般の「勧告の方向性」等を取りまとめていただいたことに、改めて感謝申し上げます。今、御退任予定の臨時委員の皆様方にいただいたお話しの中にもありましたけれども、我々のこの委員会の役割をより高いレベルで達成、実現していくために、どういうことをしたらいいのかということについては、今後とも継続的に考えなければいけないと思います。何人かのお話の中にヒントがあったように感じました。是非、今日御挨拶をいただいた皆様方の御経験からの御意見を反映していかしていきたいと、かように思っております。
 それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会を閉会することといたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席を賜りましてありがとうございました。
この後、10分程度の休憩を挟みまして、11時10分から引き続き独立行政法人評価分科会を開催することとなっております。以降の分科会につきましては、宮内分科会長に司会をお渡しいたします。なお、分科会につきましては、非公開となっておりますので、傍聴者の方におかれましては、御退室をお願いいたします。以上であります。ありがとうございました。


(休憩)


【宮内分科会長】  それでは、ここから政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたします。臨時委員の方々には、もう御挨拶済みでお役御免と思われないで、こちらのほう、まだ最後までお勤めいただきますことをよろしくお願いします。早速、退職役員の業績勘案率についての審議を行います。まず、事務局から説明をお願いいたします。

【平野調査官】  役員退職金に係る業績勘案率につきまして御説明させていただきます。業績勘案率資料5−1をご覧いただきたいと思います。一番下の資料です。今回、御審議いただく退職役員は総務省、環境省、文部科学省、国土交通省、内閣府、厚生労働省の6府省、27法人、48名でございます。
 最初に、意見ありの退職役員でございますけれども、まず、航空大学校の理事長と監事がございます。航空大学校の理事長、監事の在任期間中、平成21年から23年にかけて、3年連続で航空機事故が発生し、特に平成23年の事故は訓練機が墜落して、教官2名、訓練生1名の計3人が死亡しております。
 国土交通省評価委員会では、連続して事故が発生したことや、3名の死亡者が出ていることから、法人業績で減算し、0.9として通知してきております。しかしながら、平成23年7月の墜落死亡事故につきましては、運輸安全委員会の事故報告書が出ておらず、事故原因の如何によっては、理事長等の業績勘案率に影響を与えることも考えられることから、第4ワーキングでは事故調査結果を踏まえた上で、改めて審議すべしとの意見案となっております。
 次に、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の理事から副理事長を経て退職された役員でございますけども、国土交通省評価委員会では、退職役員の業績勘案率の審議を8月に行い、1.0として通知してきております。その後、9月に機構が発注する北陸新幹線の融雪設備工事をめぐる談合疑惑で公正取引委員会が機構の東京支社に立ち入り検査に入っております。
 第4ワーキング・グループでは、退職役員が新幹線担当であり、公正取引委員会の調査結果によっては、役員の業績勘案率にも影響を与えることも考えられることから、公正取引委員会の調査結果を踏まえて、改めて審議すべしとの意見案となっております。
 以上が、意見ありの案件でございます。
 次に、意見なしのうち、1.0以外のものについて御説明します。まず、情報通信研究機構の研究担当理事の方でございます。これは、個人業績においての減算でございますけども、研究業務本体に係る委託業務において、不適切な経理処理があったとして、会計検査院から指摘がございました。これが研究本体に係る問題であることから、総務省評価委員会では厳格に評価を行い、0.9としております。これについては、意見なしということになっております。
 それから、教員研修センターの理事長でございます。これは、在任期間中に会計課職員による収賄事件が発生しております。この担当理事は今年1月の本分科会において勘案率0.9で意見なしとなっております。この収賄事件の発生要因といたしましては、内部統制の機能不全、相互牽制がなかったとか、不祥事事件が起こり得る組織体制などが第三者委員会などで指摘されており、今回の理事長につきましても担当理事と同様、文部科学省の評価委員会でも0.9としております。これについても、意見なしということになっています。
 続きまして、宇宙航空研究開発機構の理事長でございます。この理事長が就任する前までは、御記憶にあるかと思いますけども、H2ロケット等の打ち上げが連続して失敗した時期がございました。理事長就任後、危機管理体制を立て直し、その後、H2ロケットは19回連続して打ち上げ成功するなど、高い成果を挙げております。それから、3機関の統合などでもこの理事長はかなりの役割を果たしたところでございます。このようなことから、文部科学省評価委員会は1.1としておりますけれども、審議した第3ワーキング・グループは意見なしとなっております。
 それから、海技教育機構の理事長でございます。在任期間中の平成25年1月に清水海上技術短期大学校で教員による体罰事案が発生しております。その後、調査した結果、他の海上技術学校4校においても、体罰事案が発覚しております。機構では従前からこういう海技学校関係の体罰の防止については重要事項として取り組んでいたところでございますけれども、今回の問題はそういう取組の中での内部統制の不徹底として国土交通省評価委員会は0.9としております。これについても、第4ワーキング・グループのほうでは意見なしとなっております。
 あと、1.0で通知されたものについては、各ワーキングで御審議していただいた結果、加算、減算要因はなく、意見はないとなっております。
 若干、ワーキング・グループで議論のあったものを簡単に御紹介します。平和祈念事業特別基金の理事長ございますけれども、在任中、事務処理等のミスがありましたが、最終的には目標を達成しているということで、1.0で意見なしとなっております。日本芸術文化振興機構の理事でございますけども、在任期間中、歌舞伎役者の方が練習中に事故に遭われたということです。これについても、法人の管理上の責任はなく、単なる本人のミスということで、通知された1.0については意見なしとなっております。
 それから、6ページの国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の理事長の方でございますけれど、在任期間中、入所者の方が紙おむつを誤って食べたという事故がございましたけども、理事としての責任については管理上の危機管理体制などをとっておられており、減算するような管理上の問題はなかったということで1.0で意見なしとなっております。
 事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【宮内分科会長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明について、御意見、御質問などがございましたら、どなたからでも御発言いただきます。よろしくお願いします。ございませんか。
 それでは、総務省、環境省、文部科学省、国土交通省、内閣府及び厚生労働省の独立行政法人評価委員会から通知された役員の退職金に係る業績勘案率(案)について、お諮りいたします。本件についての分科会の回答につきましては、案のとおりとさせていただくことで、御異議ございませんか。


(「異議なし」の声あり)


【宮内分科会長】  それでは、そのようにさせていただきます。事後の処理につきましては、私に御一任いただくことにさせていただきます。
 先ほど、委員会で臨時委員退任の御挨拶をしていただいたわけですが、玉井委員が本来、来られるところであったけれども、急用が発生したため、来られないことになったということで、御挨拶をいただいておりますので、私のほうから代読させていただきます。
 「この10年間、誠にお世話になりました。何らの貢献もできなかったことが悔やまれますものの、日々の行政の営みを少し変わった視角から垣間見ることができましたことは、当方にとりまして得難い経験となりました。また、事務方の方々の対応能力と緻密な処理を見るにつけ、意を強くすることも何度もございました。今後も、委員の先生方と事務局の方々の御努力が、日本の行政の適正な運営に結実しますよう祈念いたしております。取り急ぎ。」
 玉井先生からの御挨拶でございました。
 最後に、事務局から報告がございます。お願いいたします。

【吉開評価監視官】  今後の予定でございますけれども、先ほど委員会のほうでも申し上げましたとおり、今後は各府省の見直しに向けた取組が、勧告の方向性の指摘に沿っているかどうかということについて、フォローアップをしていくことになります。
 例年ですと、2月の初旬から各ワーキング・グループで各府省の見直し状況について御議論いただきまして、更に2月末ごろから3月初めにかけまして分科会を開催して御議論いただいております。具体的な日程につきましては、別途調整の上、御連絡申し上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。

【宮内分科会長】  ありがとうございました。それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会、独立行政法人評価分科会を終了いたします。本日は御多忙の中、御出席を賜りまして、ありがとうございました。どうもありがとうございます。

以上

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