会議資料・開催案内等


第47回 政策評価・独立行政法人評価委員会議事録
(独立行政法人評価分科会との合同)


  1. 日時 平成20年1月31日(木)
                 15時00分から15時30分(独立行政法人評価分科会(1R))
    15時30分から15時35分(政策評価・独立行政法人評価委員会)
    15時45分から16時15分(独立行政法人評価分科会(2R))

  2. 場所 総務省第3特別会議室

  3. 出席者
    (委員)
    大橋洋治委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫()、新村保子()、森泉陽子の各委員
    縣公一郎()、阿曽沼元博、稲継裕昭、梅里良正、岡本義朗()、梶川融()、河村小百合、黒川行治、黒田壽二()、黒田玲子()、櫻井通晴()、鈴木豊、田渕雪子、玉井克哉()、松田美幸、山本清()、山谷清志の各臨時委員
    (※)を付した委員については、審議の一部に参画していない。
     
    (事務局)
    関行政評価局長、伊藤大臣官房審議官、新井大臣官房審議官、若生総務課長、清水評価監視官、吉田政策評価審議室長、岩田調査官、細川調査官

  4. 議題
     平成18年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)
     役員の退職金に係る業績勘案率(案)について

  5. 配付資料(PDF)
    資料1  平成18年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)(報道資料本文
    資料2  役員の退職金に係る業績勘案率(案)について内閣府文部科学省農林水産省経済産業省国土交通省

  6. 会議経過
    【独立行政法人評価分科会(1R)】
    ○ 富田分科会長
     ただ今から独立行政法人評価分科会を開会いたします。
     本日は、まず、「平成18年度年度評価意見(案)」につきまして、ご審議をいただきます。
     その後、引き続き、大橋委員長に司会を代わっていただきまして、政策評価・独立行政法人評価委員会として、「平成18年度年度評価意見(案)」につきまして、議決願えればと考えております。
     その後、独立行政法人評価会を再開いたしまして、「役員の退職金に係る業績勘案率(案)」につきましてご審議お願いいたします。
     それでは、まず、「平成18年度年度評価意見(案)」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

    ○ 清水評価監視官
     お手元にお配りしております資料1という、横長の概要をまとめた資料、それとその下にございます本体冊子になっています「案」と書いてあるものでご説明をさせていただきたいと思います。
     まず初めに、昨年末まで勧告の方向性についてのご審議をいただき、本年も年明け早々から、この年度評価につきまして各ワーキング・グループを開いていただき、また個別にもお時間をいただいてご議論させていただきました。精力的なご審議に厚く御礼を申し上げたいと思います。
     まず、資料1を1枚めくっていただきまして、1ページに概略をまとめたものがございます。今回の二次評価について、昨年の分科会でも若干ご説明申し上げておりましたとおり、7月にまとめていただきました当面の取組方針に基づきまして、全法人を横断的にチェックするということで、作業を進めてまいりました。その視点が上に書いております国民にわかりやすいものになっているかということ、あと閣議決定等々で評価が求められているもの、さらには財務・業務運営の改善という観点からの欠損金、剰余金等々について適切に評価が行われているかということでございます。それらをまとめると、横断事項として13事項ございました。
     この13の横断事項について各独立行政人の評価結果を精査した結果、何らか評価に不十分な点があるというところにつきまして個別に本体のほうで指摘をしているところでございます。それに加えまして、各府省ごとに評価の方針みたいなものがございまして、それについて多くのところに見られたのは、評定はしているけれども、その基準が必ずしも明らかではないし、その評定に至った理由があまり説明されてないといったような、評価基準の明確化ということについての共通的な指摘をしたということでございます。
     本体のほうを見ていただきまして、最初の内閣府の例で簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
     どこの府省についても同じような構成で作ってございます。まず、内閣府の2ページ目からですけれども、所管法人共通事項ということで評価基準の明確化についての指摘。その後、共通指摘事項といたしまして、目的積立金の計上に資するため、利益の発生要因を分析した上で目的積立金を申請しない場合、その理由を評価するというようなこと、資産の有効活用についても主要な固定資産についての減損会計の情報なども十分活用した資産の活用状況についての評価を行うべきというようなこと、官民競争入札、内部統制につきましても、今後進めていくようにと指摘しております。
     4ページ目に入りまして、さらにこれまでに委員会として二次評価で指摘していただいた事項について、行われていないものがある場合にはきちんとやってくれというようなことが指摘されており、これは各府省に共通的な指摘でございます。
     その後、個別項目について指摘をしていくということでございます。
     そのチェックに当たっては、基本的には、まずは実績なり、根拠となるデータ、これが業務実績報告書なりにきちんと書いてあるかと、その理由も含めて書いてあるかという点。もう一点、それに基づいて評価委員会として、まず評価が行われているかと、行われている場合には、その評価・評定の理由・根拠が説明をきちんとされているかという視点で見ております。
     例えば国立公文書館でいきますと、まず、総人件費改革の点につきまして、達成状況について評価結果として送られてきたものに言及がないので、きちんと評価をしてくださいということ。
     次に、給与水準が100以上となっており、国家公務員の水準を上回っているので、給与水準の適切性について厳格な評価をするというのが政府の方針として閣議決定で決まっておりますけれども、この水準の適切性という点についての評価結果がないと。したがって、厳格な評価をやりなさいと指摘しております。
     こういう指摘に加えて、5ページに移っていただきまして、沖縄科学技術研究基盤整備機構にいきますと、まず、剰余金ですけれども、この発生要因について明らかにされていないということが指摘事項の一つ。もう一つは、剰余金という単独のくくりより少し大きなくくりでA評定となっているということで、この利益剰余金についてどう評価したかということについて、評価結果から見てとれないので、まず、発生要因を明らかにさせること。その上で適切性の評価を行うこと、こういったような指摘になっております。
     さらに、各法人で特に指摘をするべき内容があるものについて、個別の指摘をしてございます。この沖縄科学技術研究基盤整備機構の2つ目のポツがそれに当たるものでございますけれども、昨年の評価委員会意見として、法人の業務内容、進ちょく状況といった基本的な状況をしっかりと業務実績報告書に書いた上で評価をしてくださいというような指摘をしておりますけれども、評価結果にも書いてあったりもするんですけれども、まだまだ十分そういうことが書かれていないと。
     一方で、評定がAということになっているわけですけれども、その説明があまり書かれておらず、どういった根拠でAになっているのかが読み取れないということで、今後の評価に当たって、必ず業務実績報告書に業務の進ちょく状況等を具体的に記載させるということ。その上で厳格な評価を行い、その評価の考え方、理由、根拠について明らかにするべきということを指摘しております。
     ほかの法人についても大体このようなパターンで指摘をしたということでございまして、全体としては約200項目ぐらいの指摘事項になってございます。
     あと、概要の4ページでございますけれども、各府省の二次評価とあわせて、国立大学法人、大学共同利用機関法人についても行っております。
     ここでは、まず、国立大学法人については特に附属病院について、病院経営の効率化に向けた取組状況については評価を行うべきであるというような指摘。また、大学共同利用機関法人について、運営の効率化の状況についての評価を行うべきというようなこと。
     本体の厚い冊子で行きますと112ページからでございますけれども、まず、大学の中期目標に、前文に掲げてあるような基本的な目標との関係での評価結果の説明が、法人ごとに若干濃淡があって、どう評価が行われているのかわかりにくいので、そういうことについて積極的な評価を引き続き行うとともに、評価の結果をわかりやすく説明してくださいといったような指摘を行ったところでございます。
     それから資料1の5ページ以下には、参考として、本日ご決定をいただきました後に、対外的に説明をする際にわかりやすい事例として、こういうのがたくさんあるということではないですけれども、まだこういう評価があって、委員会としてこういう指摘をしたという例示を幾つか挙げております。
     5ページの具体例は文部科学省の国立国語研究所でございますけれども、ここにつきまして、コーパスという日本語のデータベースを作る仕事をしているところでございますけれども、中期目標ではしっかりとデータベースを作って研究を行うということが書いてある中で、今年度全体設計をしたということで、そこまでの実績に対してS評定とされています。今後の道筋を築いたということですが、まだ成果・効果の検証というところまで達していない中で、S評価というのは説明が少し足りないのではないかということで、可能な限り定量的に明らかにさせた上で評価を行うべきというような指摘をしました。
     6ページですけれども、年金積立金管理運用独立行政法人ですが、ここは立ち上がって間もないところでございますけれども、この人事評価制度について、想定以上に適切に行っているということでA評定がついているわけですけれども、同じ時期の監事監査の報告書を見ますと、ここでは、下に書いておりますけれども、「18年度中に一部実施するように準備が進められたが、実施には至らなかった」と指摘されているということで、A評定とされたことについてその理由がきちんと示された適切な評価と言えるのかということで、目標との関係の達成度合いを明確にした上で適切な評価を行うべきであるというような指摘をしました。
     こういうものを幾つか入れているわけですけれども、こういったことで横断的に指摘をしたというようなことを、ご決定いただきますれば、ご説明をしていきたいというふうに考えているところでございます。
     概略のご説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

    ○ 富田分科会長
     それでは、ただ今の事務局からの説明につきまして、ご意見、ご質問などございましたら、どなたからでもお願いいたします。

    ○ 櫻井臨時委員
     1年参加させていただいて感じたことを1つだけ申し上げます。
     いろいろいい点、悪い点、感じたこと、聞きたいことがあり、またその都度申し上げたんですが、私は一方では独立行政法人の監事として、今年が5年目なんですが、評価の意味について考えてみると、皆様それほどはお感じでないかもしれないんですが、各府省別の評価と、それからこちらの評価を行うことによって、評価の効果というのは随分大きいなと感じます。
     例えば債務保証をやる場合でも常に評価を考えて、社会的なミッションを考えてやる。あるいはいろいろな試験制度を考える場合でも、例えば契約をする場合にできるだけ公正にということを常に考えると。それから、いろいろなものを作成する場合でも無駄のないように、それをより一般に知らしめるようにという、すべての独立行政法人はどうであるかはわからないんですが、少なくともこの評価が相当大きな効果を持っている。
     ただし、だからと言ってすぐコストが下がるという問題ではないけれども、相当効果があるというように感じまして、それだけは一度申し上げたい。
     ただ、あまり厳しく評価をし過ぎると、かえって給与水準もどんどん下がっていくし、それからマイナスの効果もあるやに思われるので、その辺はある程度考えてやっていただければ非常にいいし、それからもう一つ、ぜひともこれを申し上げておきたいんですが、評価というのはただある年度だけやって、それでおしまいというのではなくて、それを継続するということが非常に重要であるというように思っています。

    ○ 富田分科会長
     特にこの年度評価に関する意見ではなかったということですけれども、一般的なご意見として、ありがとうございました。
     ほかにいかがでございましょうか。年度評価のほうで。

    ○ 鈴木臨時委員
     例えば先ほどの5ページのところで、利益剰余金の発生要因等についての「等」というのはどういう意味ですか。

    ○ 清水評価監視官
     利益剰余金の発生要因、それの妥当性というのでしょうか、額がもちろんあるんですけれども、なぜ発生したか。それが業務運営の工夫によって発生したのかとか、それで仕事として正しいと思っているのかどうかというような、法人として利益剰余金の発生というのをどう考えるのかというようなところが、この「等」というところです。個別に当然発生するものですとか、いろいろあるので、必ずということではないですけれども、評価に必要な情報を業務実績報告書などで、法人が自ら明らかにすべきだという趣旨でございます。

    ○ 富田分科会長
     どうでしょうか、樫谷委員。

    ○ 樫谷委員
     資料1の96ページを開けていただきますか。日本高速道路保有・債務返済機構がありまして、これは第4ワーキング・グループが担当している国土交通省所管の法人なんですが、この平成18年度に当期総利益が3,849億円も出ており、年度末で4,300億円もある。これだけ見ると、すごいもうけているから値下げをしろという議論に実はなってくる可能性があるので、やはりこの日本高速道路保有・債務返済機構の仕組みそのものは、耐用年数とその返済期間は45年で相当ギャップがあり、あるいは土地については非償却資産ですから、それは利益が計算上で出る。その利益の中で返済しなければいけないとか、いろいろな事情があって、これをしっかり説明しないと、そういう議論になってしまう可能性がある。
     したがって、45年で返済するとなると、計画されたものもあると思いますので、3,849億円でも少ないかもしれないし、逆に多過ぎるかもしれないというようなことの分析もしっかりしていただかないと、ただ単に絶対額でこれだけありますと言われたときに、この意味がよくわからなくて誤解を受ける、あるいはこれでも不十分であるというようなこともあってはいけないので、そういう発生原因と評価というのは、やはり必ずやらないといけないのではないかなと思います。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょう。

    ○ 山本臨時委員
     意見ではなくて感想になると思うんですけれども、この本文の3ページの上から3行目を読んでいて少し気になりましたのは、要するに今の議論に関連するんですが、「当期総利益を計上していながら目的積立金を申請していない法人について、利益の発生要因を分析し目的積立金を申請しない理由等を業務実績報告書等で明らかにさせた上で評価を行うべきである」というのは、このとおりだと思います。
     ただし、櫻井先生からご指摘があったように、目的積立金を計上することは独立行政法人が自ら効率的な運営を行うためのインセンティブになるというものと、個々の独立行政法人の事務の体制であるとか、あるいは煩雑さということと、それと新しい会計基準への対応と非常に微妙に密接な関係があるということだけ少し申し上げて、むしろそういう意味ではこれをはっきりさせていただいたほうがいいとは思いますが、なかなかこれは難しいなという感想だけ申し上げたいと思います。

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございます。
     ほかにいかがでございましょう。

    ○ 新村委員
     確か当初、各府省がそれぞれ所管法人の評価をするときに評価基準を各府省が独自にお決めになったと思うんですが、今回、毎年二次評価を総務省がおやりになるに当たって、そういう点はどういうふうに整理されているのかを少し教えていただけますでしょうか。各府省の評価基準に沿った評価がされているかということが二次評価の主たる評価基準であると、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。

    ○ 清水評価監視官
     今年の評価の中でも申し上げているんですけれども、基本的には各府省それぞれ政策のパターンなどが違いますので、それはもちろん尊重はしております。
     一方で、特に今年の評価では、ご説明したように、どんな基準とかやり方であっても、必要な情報が出てないということ、あと、理由がわからないと。評定の仕方というのも各府省それぞれあって、そこ自体もわかりやすさという観点からいかがかなという面もあるんですけれども、それにも増して、その基準に当てはめても、その説明がよくわからない。なぜ、例えばA評定になったのかがよくわからない。そういうところについて中心的に今回指摘をしているということでございます。
     評価委員会として全く同じ物差しでなければいけないという前提からスタートしているものではないということでございます。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。

    ○ 櫻井臨時委員
     各府省の行う評価というのは、どうしても身内なので、非常によくわかってはいるけれども、思い入れがあって甘くなる可能性がある。それをこちらのほうはもう少し客観的な目で見る、こういう役割があると思うんです。
     細かく本当にしっかりやっているのは、やはり府省別の評価だけれども、例えば監査にも内部で行う内部監査というのがあるし、またここに書いてあるように外部の監査もある。言ってみれば、各府省の行うのは、例えはあまりよくないのですが、内部の行う身内の監査であるのに対して、こちらは客観的に評価すると、こう考えています。

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。
     それでは、この件につきまして大体よろしゅうございますでしょうか。
     それでは、お諮りいたします。「平成18年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)」につきましては、独立行政法人分科会として本案のとおり決定するということでよろしいでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございます。
     それでは、会議の初めに申し上げましたとおり、政策評価・独立行政法人評価委員会において、ご議決をお願いいたします。大橋委員長、よろしくお願いいたします。

    【政策評価・独立行政法人評価委員会】

    ○ 大橋委員長
     それでは、引き続き、第47回政策評価・独立行政法人評価委員会を開会いたします。
     「平成18年度年度評価意見(案)」につきましては、ただいま独立行政法人評価分科会で説明・審議が行われましたが、櫻井臨時委員をはじめ数名の方からのご意見もございましたし、感想を含めてお話を承ったところでございます。したがいまして、説明・審議を省略いたしまして、委員会としての議決を諮りたいと思いますが、よろしゅうございますか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 大橋委員長
     それでは、お諮りいたします。
     「平成18年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)」につきましては、原案のとおり決定することについて、ご異議ございませんでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 大橋委員長
     それでは、ご異議ございませんようですので、そのように取り扱わせていただきます。
     それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会を終了いたします。
     本日は大変ご多忙中のところ、委員会にご出席を賜りまして、ありがとうございました。

    ○ 富田分科会長
     それでは、ここで10分程度休憩にいたしまして、会議の初めに説明いたしましたとおり、15時45分より独立行政法人評価分科会を再開することといたします。

    (「休憩」15時35分から45分)

    【独立行政法人評価分科会(2R)】

    ○ 富田分科会長
     それでは、皆様おそろいでありますので、独立行政法人評価分科会を再開いたします。
     内閣府及び文部科学省等の各独立行政法人評価委員会から通知されました「役員の退職金に係る業績勘案率(案)」について、審議を行います。
     まず、事務局から説明をお願いいたします。

    ○ 細川調査官
     それでは、「役員の退職金に係る業績勘案率(案)」について、ご説明申し上げます。資料は右肩に資料2−1と記載された束でございます。
     クリップを外していただきますと、資料2−1から2−6までおありかと思います。資料2−1は総括表でございまして、対象案件全体を取りまとめて並べたものでございます。資料2−2から2−6までは、今回対象案件があります5府省それぞれの勘案率の算定方法や、内容の概略をまとめたものでございまして、こちらも適宜ご参照いただきたいと思います。
     では、資料2−1をご覧いただきたいと思います。
      資料2−1は3枚にわたっておりますが、今回は5府省24法人、51人が対象でございます。資料でご覧のとおりでございますが、51人いずれも府省の評価委員会による業績勘案率は1.0となっております。このようにいずれも1.0ということではございますが、ご案内のとおり事務局といたしましては、この分科会にお諮りさせていただく段階までにおきまして、当分科会が平成16年7月に決定いたしました業績勘案率に関する方針を踏まえまして、厳しい目でチェックしております。
      勘案率の算定手続・手順につきましては、当分科会の方針に沿って、各府省の評価委員会が算定の考え方、算定方法を定めておりますが、それらに照らして適切であるかということはもとより、そのほか業績勘案率に反映すべきような重要な事項や問題などが見過ごされていないかといった点につきましても、必要に応じまして、各府省に対して事実関係の説明を求め、確認するなどいたしまして、勘案率の算定評価に不合理はないかチェックしております。
     その上で、各ワーキング・グループの先生方にご報告させていただいております。結論といたしましては、今回お諮りさせていただきます業績勘案率に対しまして、いずれも指摘すべき問題はないものと考えております。
      説明は以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、ご意見、ご質問などございましたら、どなたからでもご発言お願いいたします。

    ○ 河村臨時委員
     質問ですが、この2−1の一覧表を拝見すると、各役員の方々のご退職の時期が平成18年の方が結構いらっしゃるようにお見受けするのですが、今ここで審議にかかるまでに大分時間が経っているなという感じがするんですけれども、何かこうなっていることについての共通のご事情がおありになるんでしょうか。

    ○ 清水評価監視官
     1つには、3月31日におやめになった方の業績勘案率が4月1日にすぐ出てくるということではなくて、各府省の年度評価が大体8月に終わると。その期間の業績勘案率を算定する際に、その年度評価も反映される府省がほとんどですので、その意味でその結果が出てからこちらに書類が来るという例が多くございます。
     あと、個別に事実確認をするということで若干時間がかかったものというのもございます。

    ○ 富田分科会長
     そうすると、退職金はこの業績勘案率を我々が審議するまで払われてないということなんですか。

    ○ 清水評価監視官
     各府省によると聞いておりますけれども、おおむね仮払いというか、概算ということで払われていて、当委員会の決定で必要があれば精算をするというところが多いというふうに聞いてございます。

    ○ 富田分科会長
     ほかにいかがでございましょうか。

    ○ 新村委員
     私は何年か委員をやっておりまして、毎年ほとんどが全部1.0という結果を見せていただいております。昨年度に非常に異例で、業績勘案率が1から乖離した方がいらっしゃいました。これは明確な理由があったというふうに理解しております。
     こういうのを見ますと、私は個別の方たちが何をしたという、今回の1.0というのに異論があるわけではございませんが、何か業績勘案率の仕組み自体に、どこか評価ができてないという欠陥があるのではないかというふうに、これを毎年見て思っております。
     昨年閣議決定された独立行政法人整理合理化計画でも役職員の業績をきちんと評価しなさいというような文言があったと思うんですけれども、今の仕組みでこういう結果を、普通外部の人が見たら、これは評価してないなというふうに思うほうが普通であるような気がします。独立行政法人評価分科会の先生たちは評価した結果こうであるというふうな結論であるというふうに感じておられるのでしょうか。

    ○ 富田分科会長
     大変重要なご指摘のような気がいたしますけれども、委員の皆様、いかがでしょうか。

    ○ 櫻井臨時委員
     今のご意見は、納得するけれどもというご意見でしたが、私は納得できない。こういうものを了解した委員になっていることを恥ずかしく思います。
     とりわけ理事長の役割というのは相当大きくて、その理事長によって、すべて組織体はトップによって変わってくるんですが、相当の違いが生じているはずで、それを全て1.0で来ているのを承認するというのは、非常に私は、納得はしてないと申し上げたいと思います。
     それから、以前監事のことについて申し上げたことがありました。そのときは監事に責任を負わせるといっても、規定もはっきりしないという説明がありました。規定がはっきりしなければ、規定をしっかり作ればいいわけで、それからまた、そのときは説明なかったんですが、監事も1年ぐらいで、長くて2年ぐらいでどんどん変わる。であるならば、なかなか現実にはその責任を負わせにくいというところもあろうかと思うんです。
     であれば、企業が最近の商法の改正により、監査役が従来の年数を4年にしたように、例えば監事は4年ということにして、それによってその間に生じた不祥事あるいは会計上の誤り、これはすべて直すと、責任を問うというようにする。また、そうすると会計上の責任を持たされても、監事になるのは何らかの事情で、一丁上がりとは言いませんが、何らかの事情でその府省から送られた人は監事になるという。決して会計の専門家ではないからということもあるかもしれないんですが、それは私は例えば民間で最近そうであるように、監査役の中に一人は会計の専門家、一人は法律の専門家が入る等々社外役員が入ると同じように、何らかの専門家を入れるという工夫がなされるべきだと、こう思います。
     昨年の2月の分科会で申し上げたんですが、あれからこの監事のあり方についていろいろな角度から、研究というほどではないんですが、それらに関心を持って会計検査院に行ったり、幾つか自分なりに考えてみたんですが、これはやはり異常であると、こういうように思います。
     ただ、だからといって、今日、これをもう全部変えてくれということは言いません。しかし、次回はもう少ししっかり考えるべきだと思います。私が全く外部の者で見たら、何して いるんだろうと思います。

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございます。ほかに委員の皆さんからご意見ございませんでしょうか。

    ○ 松田臨時委員
     質問ですけれども、文部科学省の資料の別紙1のところには、基礎業績勘案率の数字が1.0を超えている方が2人いらっしゃるんですけれども、最終的に調整という項目を経て、業績勘案率によると全部1.0になっていて、その何か調整項目をどう判断するかというところの説明がどこにあるのか教えていただければありがたいです。

    ○ 清水評価監視官
     これは文部科学省の算定のやり方の件でございますので、事務局から補足させていただければと思います。
     文部科学省は個人業績勘案率と機関実績勘案率で基礎業績勘案率というのを算定した上で、私どもの方針でも示していただいております役員報酬が増減したかという点と、目的積立金があったかという点を考慮して、最終的に文部科学省独立行政法人評価委員会としての業績勘案率を決定するという方法をお決めになっておられて、そのルールで算定をされたというふうに聞いております。その意味で、おそらく個々には目的積立金がその期になかったとか、役員報酬を増加させなかったということで、1.0が妥当だというふうにご判断をされているということだろうと思います。
     先ほどの櫻井先生のご指摘の件ですけれども、先般、去年12月、政府としての独立行政法人整理合理化計画が閣議決定をされております。その中で監事監査のあり方ということについて、かなり踏み込んだ決定がなされております。例えば在任期間の延長を検討するとか、決算関連業務を考慮した任命を行うといったことが書かれておりまして、今のここについての具体化ということが政府として検討が進んでいるという状況でございます。

    ○ 松田臨時委員
     それはどんなに基礎業績勘案率が1.0以上になっても、結局差がつかないという基準だというふうに考えていいんでしょうか。

    ○ 富田分科会長
     これは、結果としてはそういうものに文部科学省のほうは作って出されてきたわけですが、当方としては、やはりそれぞれについて再検討をした上でこの業績勘案率を案として、結果としては一番右端に出ているのと同じものですけれども、そうしたということなんです。
     確かにおっしゃるように、例えば宇宙航空研究開発機構の監事の方ですと、機関実績勘案率は0.9で個人業績勘案率は1.2でということで、結果1.0だということなんですけれども、そういう作り方を文部科学省の評価委員会ではやっておられるということです。それに対して個別にそれぞれ、この第3ワーキング・グループでもご検討なさったということであります。

    ○ 黒田(壽)臨時委員
     これは別紙のところにありますように、私も少し問題だなと思ったのは、個人業績勘案率が1.3という非常に高いところ、それから機関実績勘案率も1.3という非常に高いところがあるんですけれども、文部科学省としては全部1.0にしている。これを見ていきますと、目的積立金があるかないかということが大きなウェイトを占めているような気がします。
     その辺のことを勘案して1.0にしているのではないかというふうに思います。文部科学省のほうがもうこれでいいということであれば、せっかくこれだけの評価をして、1.0に抑えるという考え方で、この目的積立金は、やはりある程度積んでおかないと、退職金が増えた場合に補えないということになりますので、そういうことの関係上そういう手続を踏まれていると。
     下のほうにありますように、機関実績勘案率のウェイトが0.75で、個人業績勘案率が0.25ということでウェイトをかけていますので、個人業績勘案率が大きくてもさほど全体としては影響が出てこないということになっています。
     また、文部科学省のこの評価の仕方というのは、ほかの府省と比べて非常に細かい評価をされております。この評価基準がいい、悪いはまた別の問題ですけれども、相当細かく精査をしているということで、その上で1.0ですべておさめているということであれば、それでもやむを得ないかなという感じで私は受け止めています。

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございます。ほかにいかがでございましょうか。

    ○ 伊藤審議官
     先ほどの櫻井先生のお話は、初めて着任されて、おいでいただいたときも、やはりこの委員会で同じように議論があって、私がご説明をしたところですが、少し一部説明不足でしたけれども、独法の監事の法令上の権限が明確でないということで、監事が監事等連絡会等の会合を持って、自分たちが法人ごとに扱われ方が違うのでは困るということで、公認会計士が会計基準を作られるのと同じように、監事業務の基準というのを自分たちの内部資料としてお作りになったのですが、閣議決定された独立行政法人整理合理化計画の中で、やはり商法や何かに比べると、他の法令に比べて非常に不十分だということが認識をされて、今、監事権限について検討されているところです。
     それから、在任期間のところも、先ほど清水が言いましたように、その方向でということなので、変わっていくのではないかということだろうと思います。
     それから、業績勘案率はトップである理事長次第で大分変わっていくのはおっしゃるとおりだと思うんですが、この制度が始まったときに、まずはどんなによくやってもよほどのことがないと1.0が基本で、悪いと下げるというのが基本的な考え方で来ていますから、そういう調整をしているわけですが、甘くて、明らかに世間的に見てもおかしいのではないかというものが1.0で来た例があって、先生方に議論していただいて何回か、0.9に戻していただいていますし、今回も全部かけているわけではありません。問題があるものについては、追ってまたかけさせていただく予定にしております。
     それから、先ほど言いましたけれども、そういう枠組みの中で昨年は初めて1.1と、1.0が基本的な方針であってもよくやった人は認めてあげようという例を作ったということで、外から見れば新村先生のように問題点として見えるかもしれませんけれども、内部では各ワーキング・グループを中心に先生方からご指導いただきながら厳格に評価した結果を委員会として審議していただいているというふうにご理解をいただければと思います。

    ○ 富田分科会長
     はい。よろしゅうございますか。

    ○ 櫻井臨時委員
     監事のあり方については、検討して、随分進んでいるという話は聞いております。ありがとうございます。
     同様に、理事の場合は非常に見ていると変わるので、これはやむを得ないと思うんですが理事長についてはもう少しはっきり、できれば府省別ではなくて、統合的な評価基準をしっかり決めて、企業だって目標管理としてしっかりとやって、ますますそれを評価するということが多くなってくるわけですから。しかも昔はその評価基準というものははっきりしなかったのに対して、最近ではKPIとして、相当明確に計量的に評価できるようになってきていますから、それをお考えいただくことはできないでしょうか。今期はもうやむを得ないと思いますが、もう少し評価のあり方について、認められるような相当客観的なもので評価できるようなものを考えて、できないことはないと思います。ぜひともそうやっていただいたほうが、国のためになるだろうと、このように思います。
     できれば、今年はぜひともそういう方向でご検討いただければと思います。

    ○ 富田分科会長
     いずれにしてもこの評価、特に業績をどう評価するかというのは非常に難しい問題でして、企業においても管理職になれば極めて評価に多くの時間を注ぐことによって、組織のインセンティブを高めつつ業績を上げると。ですけれども、企業であればそれが市場によって評価されるわけでありますけれども、なかなかこの独立行政法人については評価自体が、最初から難しいといってあきらめてしまうわけにはいきませんので、市場も評価しない、基本的には政治から与えられた使命を効率的に果たしていくということについての側面から、この期間の業績を評価するということで、そういう観点でやっているわけでして、そういう中においても改善の余地が当然あるわけでしょうから、可能な限りできるようにしていくことが重要だろうというふうに思います。

    ○ 櫻井臨時委員
     かつては難しいということで終わったと思うんですが、今は中期計画をしっかり、理事長の責任において立てていますから、中期計画をどの程度達成できたかという、これはもう完全に評価できる指標があります。ですから、それをどの程度達成できたか。もちろん中期計画の甘さ、あるいは厳格さによって違うけれども、それをどの程度達成できたかということで相当変わってくると思います。だから、最初から難しいというのは。

    ○ 富田分科会長
     いや、難しいからといってあきらめるわけではないんです。つまり、市場が評価せずに人が人を評価するという形のものの限界も、我々はやはり踏まえつつ、評価を行う場合には謙虚に、できるだけ客観的に行っていくということの意味においては、私はあまり櫻井委員と意見は違うとは思わないですけれども、やはりある程度当初から限界があるということも踏まえつつ、できるだけやはり行政サービスがより効率的に行われるようなことを考えながら、評価ということを行っていく必要があるんだろうなというふうに考えております。

    ○ 櫻井臨時委員
     人が人を評価するのではなくて、私が申し上げたのは、自らが設定した中期計画に対してどの程度達成できたかということは評価できますから、これがなければもう人が人を評価するという主観的な評価になってしまうのですが、中期計画に対する達成度を踏まえて評価をするという方向に持っていくほうがよろしいんのではないかということです。

    ○ 富田分科会長
     いろいろな考え方があろうと思いますけれども、これはなかなか決着が付く問題ではないんですけれども、やはり評価の重要性ということを櫻井委員も私も言っているということだと思います。
     それでは、元に戻りまして、この内閣府及び文部科学省等の各独立行政法人評価委員会から通知されました「役員の退職金に係る業績勘案率(案)」について、お諮りいたします。本件に係る委員会の回答につきましては、案のとおりとさせていただくことで、ご異議ございませんでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

    ○ 富田分科会長
     それでは、そのようにさせていただきます。
     なお、事後の事務的な処理につきましては、私、分科会長にご一任いただくということにさせていただきます。
     最後に、事務局から今後の日程につきましてご説明願います。

    ○ 清水評価監視官
     ご説明申し上げます。
     次回、独立行政法人評価分科会でございますけれども、先般、昨年、一昨年に勧告の方向性を出していただきまして、本年度末に中期目標期間が終了する、すなわち来年度から新しい中期目標期間になる独立行政法人の新しい中期目標につきまして、勧告の方向性の趣旨に沿っているかということの確認作業を、事務的にこれからいたしました上で、分科会にご報告をさせていただきたいと思っております。今のところ日程は2月26日火曜日の14時からということで、予定をさせていただきたいと思っております。
     以上でございます。

    ○ 富田分科会長
     ありがとうございました。
     今日は本年最初の分科会でありますけれども、いろいろと議論できたように思いますが、以上をもちまして、独立行政法人評価分科会を終了いたします。
     本日はご多忙の中、ご出席を賜りましてありがとうございました。








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