会議資料・開催案内等


政策評価・独立行政法人評価委員会(第28回)議事録
(政策評価・独立行政法人評価委員会、独立行政法人評価分科会の合同)


1.日時 平成16年2月4日(水)10時00分から11時50分

2.場所 法曹会館 2階 高砂の間

3.出席者
 (委員)
       村松岐夫委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、伊藤元重、樫谷隆夫の各委員
縣 公一郎、浅羽隆史、阿曽沼元博、稲継裕昭、河村小百合、黒川行治、黒田玲子、
鈴木 豊、武田尚仁、田渕雪子、新村保子、松田美幸、丸島儀一、山本 清の各臨時委員
 (事務局)
  田村行政評価局長、関 官房審議官、橋口総務課長、讃岐評価監視官、秦 評価監視官、
安治川政策評価審議室長 ほか

4.議題
(1)  臨時委員の任命について(独立行政法人評価分科会関係)
(2)  独立行政法人評価の体制について(ワーキンググループ、研究会の体制について)
(3)  新設独立行政法人の概要等について

5.配付資料(PDF)
(1)  独立行政法人一覧
(2)  今後の独立行政法人評価関係業務の進め方について
(3)  厚生労働省所管新設独立行政法人の概要
(4)  厚生労働省所管の新設独立行政法人について
(5)  「平成15年度に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直しについて」(平成15年12月24日行政改革推進本部決定)等
(6)  「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について」(平成15年12月19日閣議決定)







[臨時委員の任命について]
○村松委員長
 これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第28回の会合を開会いたします。まず始めに委員の異動について御報告いたします。席上の名簿を御覧ください。まず、新たな臨時委員の御就任について御報告いたします。一言ずつごあいさついただければと思います。縣公一郎さん。
○縣臨時委員
 早稲田大学の縣です。よろしくお願いします。
○村松委員長
 浅羽隆史さん。
○浅羽臨時委員
 浅羽と申します。どうぞよろしくお願いします。
○村松委員長
 阿曽沼元博さん。
○阿曽沼臨時委員
 阿曽沼と申します。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
 河村小百合さん。
○河村臨時委員
 よろしくお願いいたします。
○村松委員長
 鈴木豊さん。
○鈴木臨時委員
 鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
 田渕雪子さん。
○田渕臨時委員
 よろしくお願いいたします。
○村松委員長
 本日御欠席ですけれども、玉井克哉さんが任命されております。
 それでは、引き続きまして、委員会令第5条に基づきまして、新任委員の分科会への所属につきまして指名させていただきます。縣臨時委員、浅羽臨時委員、阿曽沼臨時委員、河村臨時委員、鈴木臨時委員、田渕臨時委員、玉井臨時委員には、独立行政法人評価分科会に所属していただくことといたします。皆様におかれましては、各分野における実践的な御見識を基に幅広く御審議をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 次に、これまで独立行政法人評価分科会に所属いただいていた稲継専門委員、梶川専門委員、武田専門委員、丸島専門委員、山本専門委員が臨時委員に就任されましたので、御報告いたします。
 このうち、稲継臨時委員におかれましては、各行政機関が実施した政策評価のうち改めて評価が行われるべきもの等についての考え方の、ワーキンググループにおける整理作業に御参画いただくために、これまで政策評価分科会にも所属いただいていましたが、今回、独立行政法人評価分科会のみの所属とさせていただくことといたします。大変御苦労様でした。その他の皆様方につきましては、引き続き従来の所属でお願いしたいと存じます。
 また、この度、本委員会の事務局にも人事異動がありましたので、御紹介します。柚木審議官の後任として関審議官が着任されました。
○関官房審議官
 関でございます。消防庁の審議官をやっておりましたけれども、1月6日付にて着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
○村松委員長
 また、事務局の組織変更に伴いまして、讃岐評価監視官が独立行政法人第一担当評価監視官に、秦評価監視官が独立行政法人第二・特殊法人等担当評価監視官に着任されました。
○讃岐評価監視官
 讃岐です。どうぞよろしくお願いいたします。
○秦評価監視官
 分担して業務をいたします秦です。よろしくお願いいたします。

[独立行政法人評価の体制について]
○村松委員長
 それでは、早速ですが、本日の議題に入らせていただきたいと思います。「独立行政法人評価の体制について」御審議をお願いしたいと思います。まず、事務局より説明していただいたうえで、その後、御審議をお願いしたいと思います。それでは事務局から説明してください。
○讃岐評価監視官
 それでは、資料2「今後の独立行政法人評価関係業務の進め方について(討議メモ)」を御覧いただきたいと思います。今後の審議の進め方ということでございます。これまでに3年ほど活動してまいりました経験なども踏まえて簡単に御説明いたしますと、当初分科会全体で審議をしますと大変人数も多うございますし、また法人の数や種類も大変多いということになりますので、分担をして効率的に審議を進めようということで、最初の年からワーキンググループをつくって審議を進めてきたわけでございます。
 そのワーキンググループの作り方ということについても、最初の評価の際に、省庁別に分担をするのか、あるいは法人の機能類型別に分担をするのかという議論がございましたけれども、まず省庁別に分担して作業しようということで、この2年間進めてまいってきたところでございます。
 省庁別に分担する理由といたしましては、この評価委員会は各省の評価委員会が行った評価結果について、各省の評価委員会に対して意見を述べるということになりますので、府省ごとに見ていくのが適切ではないだろうかということでございました。
 しかし、やはり法人の機能類型というものも重要であろうという議論もございまして、今回特殊法人改革に伴って三十数法人が独立行政法人に入ってまいりますけれども、機能類型がますます多様化いたします。そうしますと、やはり類型別にも横断的に見ていかなければいけないだろうということで、今年からの評価の進め方について、改めて整理をしたものでございます。
 資料の「評価作業の体制等」でございますけれども、1、2ページにそれぞれ図と表がございます。1ページにあるのは府省別の表でございまして、2ページの中程少し上に「研究会のイメージ」とございますのが、機能類型別に研究会を設けるというもので、この2つを軸にして仕事を進めていこうと、これまでの議論の中から整理されてきたものでございます。
 それでは、もう一度1ページでございますが、今回初めて御説明するということで論点を整理する形で資料を作成させていただきました。まず、1つ目の○ですが、作業の基本といたしましては、これまでどおり府省別のワーキンググループを編成して評価作業を行う。この府省別のワーキンググループはこれまで1ワーキンググループに4人の先生に中心メンバーになっていただきましたので、今回も独立行政法人評価分科会の20人の先生方に5つに分かれていただくということが適当ではないだろうかと思っております。
 次に、1ワーキンググループ当たりこれまで20法人を担当していただいておりましたので、今回もやはり作業の分量などを考えますと20法人ということが1つの目安であろうということで、20法人ぐらいに分かれるように府省別の分担を考えました。これからの体制ということですけれども、14年度実績評価とこの夏以降作業を行うこととなる15年度実績評価を対比して書いてあります。
 そして、この作業ですけれども、各省委員会の評価書が出てくるタイミングで作業を本格化させるということで、これまでの経験から言いますと、本格化するのは、9月、10月ですけれども、7月ぐらいにはこのワーキンググループの編成をスタートさせて、準備作業など始めていくということが適当ではないだろうかと思っております。
 このように作業は府省別に行うといたしましても、やはり機能類型別にどのような視点で評価をしていくのか、これをあらかじめ評価が始まる前に整理をしておくことが重要ではないだろうかということで、次の2枚目の2つ目の○ですが、この「研究会イメージ」という所に5つの研究会を記載しています。このうちの一番下の「財務内容の改善等についての評価方法の在り方に関する研究会」では、財務諸表などを活用して評価を深めていけるのかというような議論を最初の年から始めてきたわけであります。更に4つの研究会を追加して類型別に視点を整理して評価を進めていくのが効果的、効率的ではないだろうかということでございます。
 これにつきましても追ってメール等でいずれに属していただくか御希望等を伺ったうえで、分科会委員は全員で22人でございますので、4人から5人の委員にメンバーになっていただく方向で、進めていったらどうだろうかと考えております。
 そして、今後のスケジュールでございますが、7月から各府省委員会の評価が始まるわけですけれども、それまでに当委員会としての考え方、見解をまとめて、こういう観点から、当委員会は各府省の評価結果をチェックするのだということをあらかじめ示しておくということが重要であります。そうしますと、6月末ぐらいにはそれぞれの研究会でなんらかの見解をまとめる必要があり、そのためにはもうあまり時間もないのですけれども、メンバーをこれからお募りしたうえで、月に1回ぐらいのペースでそれぞれの研究会を運営していくのが適当ではないだろうかと考えております。
 最初は、この委員会の委員以外の有識者などからのヒアリングなども含めて勉強会を開催し、そのあとで論点整理を行って、見解を6月末ぐらいにまとめていくということでどうだろうかと思っております。
 何らかの御示唆などございましたら、この場で御議論いただきたいと思います。以上です。
○村松委員長
 はい、どうもありがとうございました。それでは審議に入ります。どなたからでも今の御説明に対する疑問なり御意見なりをいただきたいと思います。
○武田臨時委員
 研究会のイメージでございますが、新たに4つ考えているということですが、それぞれの研究会の対象となる法人というのはもう具体的に想定されているのでしょうか。
○讃岐評価監視官
 事務局で整理をしてございます。それぞれの法人の中でも研究開発と研修と両方行っていたり、公共用物の設置と助成と両方行っていたりという法人もあるかと思いますので、当然ダブるものも入ってくると思います。おって、一覧表を整理したうえで進めていきたいと思います。
○山本臨時委員
 1点だけ気になりますのは、国立大学法人及び国立病院機構は1年後の話であり当面は関係ないと思いますが、この研究会の中でもし取り上げるとすると、それはまた来年以降の話として考えるということですか。
○讃岐評価監視官
 国立大学法人と国立病院については、評価は17年度からでございますので、具体的にはもう少し時間をおいて考えていきたいと思います。
○村松委員長
 時間をおいてではありますが、日程は決まっているわけですよね。数が多いですよね。
○讃岐評価監視官
 はい。病院などにつきましても、国立病院だけでなく労災病院が入ってくるということもございまして、いろいろ具体的に検討しなければいけないのかもしれません。それについてこの中で少しずつ触れながら、例えば病院について施設設置運営法人の中に含められるのかどうかといったこともタイミングをよく考えながら進めていきたいと思います。
 また、病院と大学ということになりますと相当数が増えて、今の独立行政法人は100ぐらいですけれども、病院と大学を個々に入れると今度は評価対象機関が344になります。このためには、更にまた体制も充実強化を考えていかなければいけないと思います。病院などについては、今年の秋口くらいから、今の法人評価がたけなわになっているときから、拡大した体制の中で考えていかなければいけないと思っています。
○村松委員長
 それではよろしいでしょうか。今御意見がございましたけれども、その辺りも踏まえて、今後の独立行政法人評価の体制についての整理ペーパーを後程事務局から送付させていただきます。
 それでは、本委員会の案件はここまでとしまして、続きまして、独立行政法人評価分科会の案件を審議していこうと思います。議事進行につきましては、独立行政法人評価分科会の富田分科会長にお願いしたいと思います。

[新設独立行政法人の概要等について]
○富田分科会長
 それでは、引き続きまして、独立行政法人評価分科会の案件といたしまして、「新設独立行政法人の概要等について」、事務局から簡単に説明をいただいたうえで、本日は厚生労働省からも御説明をいただき、質疑応答をお願いしたいと思います。併せて、今後のスケジュール等についても事務局から報告があります。それでは、事務局から説明してください。
○讃岐評価監視官
 それでは何回も申し上げて恐縮ですけれども、府省別のワーキンググループは7月ぐらいから、横断的研究会はメンバーを募って日程調整を始めてすぐにでも開催しようと思っております。それから、この分科会での審議についてですけれども、本日は厚生労働省からヒアリングを行いますが、年度内の2月、3月にもう1回ずつぐらい開催して残りの府省からもヒアリングを行い、年度明けの4月の連休前にもう1回必要になるかと思っております。
 さらに、日程が固まっているものについて、横断的研究会のうち財務の研究会は既に走っているわけですけれども、2月12日と3月3日に開催することになってございます。これについては、またメール等で確定した日付、調整をしなければいけない日付を、できるだけ分かりやすく御連絡し、日程調整や確定した日程について御出欠を確認させていただきたいと思います。
 それから、ワーキンググループや研究会についてですが、主な担当として4、5人の先生方に入っていただくことになりますけれども、メンバー以外の先生方もオブザーバーとしての御参加は全く御自由ですので、お時間の都合のつく限り、御関心があればいつでも御参加いただくというふうに、これまでも運営してきたところございますし、これからもそうしていきたいと思います。
 それからもう1点、昨年からの引き続きの懸案事項ですけれども、中期目標期間終了時の勧告ということで、教員研修センターについて勧告の方向性をとりまとめたところでございますけれども、その方向性に沿って今年の3月までに中期目標、中期計画が策定されているかどうかを注視していかなければいけません。何らかの不十分な点、詰めるべき点がまだ詰まっていないような点があれば、最終的には当委員会として勧告を行うことになるわけですけれども、その検討状況を御審議いただくために、昨年来文部科学省を担当していただいたワーキンググループのメンバーの方に2月か3月に1回、お集まりいただいたうえで、何らかの勧告という意思表示を行うか否か、どういう勧告を行うのかということについての委員会の審議を年度末、あるいは4月早々に開催しなければならないと考えております。
 以上、またまとめて御相談したいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は厚生労働省の新設の独立行政法人等の概要についてのヒアリングですが、まず事務局から簡単に御説明したいと思います。
 第二担当の秦が厚生労働省を担当しておりますので、秦から御説明いたします。
○秦評価監視官
 昨年10月に設立されました新設の5法人について概要を説明いたします。
 資料3でございますが、まず、1つ目の勤労者退職金共済機構につきましては、中小企業のための国の退職金共済制度をこの機構が運営しています。事業主が機構と退職金共済契約を結んで、事業主が毎月掛金を納付し、退職者が出ればその従業員に対して機構が退職金を給付するということになっております。ここで、「その他の補助金」というのは、新規加入とか掛金を増額する場合に国の助成が出ているということで、その他の補助金が85億掲げられております。それから「役員数」5人、「法人の長の報酬月額の水準」については、のぞみの園を除く他の3法人と同じ府省の局長クラスの報酬ということになっております。
 それから2番目の高齢・障害者雇用支援機構でございますが、これは旧認可法人の日本障害者雇用促進協会、それから公益法人、財団法人でありました高年齢者雇用開発協会の高年齢者の雇用関係の助成事業を引き継いだ法人でございます。これにつきましては、主に高年齢者等の雇用促進のための助成金の給付とか、あるいは障害者のためのリハビリテーション施設の運営、例えばリハビリテーション関係ですと、本部に千葉の障害者職業総合センターがあります。それから広域センター、各都道府県に障害者職業センターがございます。当法人での「その他の補助金」というのは、助成費関係でありまして、高年齢者の継続雇用定着促進助成金とか、あるいは再就職支援の助成金とか、それから障害者関係では中途障害者作業施設設置関係の補助金、それから重度の中途障害者が職場に適応する際の助成金といったものがその他の補助金として出ております。
 3番目の福祉医療機構でございますが、これは旧社会福祉医療事業団が移行したものでございます。ここでの主な事業は、大きなものを占めるのは福祉貸付、社会福祉法人等によります社会福祉事業施設に対する貸付、それから医療貸付、医療関係施設の設置、整備、運営に関する資金の貸付でございます。なお、この福祉医療機構に関しましては、総務省行政評価局で政府金融機関等の政策評価を以前に実施しておりまして、その際の状況ではこの福祉医療機構による貸付は医療福祉分野における民間を含めた貸付の中での約2割強ぐらいのシェアを占めております。民間の貸付、福祉医療機構の貸付、両方合わせた中で、この福祉医療機構の貸付は約2割強を占めているという状況が続いているということでございます。
 4番目の国立重度知的障害者総合施設のぞみの園、これは旧心身障害者福祉協会という特殊法人から移行したものでございます。これは重度の知的障害者の保護と自立支援のための施設、のぞみの園を運営しています。定員が550名となっておりますが、この中期計画等では、この計画期間中に入所者数を3割、4割程度縮減する方針が出されております。重度知的障害者のモデル的な処遇等を行っている施設でございます。
 最後に、5番目の労働政策研究・研修機構ですが、これは旧特殊法人の日本労働研究機構と厚生労働省の直轄でありました労働研修所の2つを合わせて移行したものでございます。旧日本労働研究所は労働政策についての総合的な調査研究を行っております。目的意識を持って調査研究を行うという方針が出されております。それから労働研修所、今この機構内では労働大学校と組織替えをしておりますが、ここでは厚生労働省の職員、あるいは都道府県の職員で労働行政を担当する職員に対し、四十数種類の研修を行っている状況でございます。
 以上、簡単でございますが、説明とさせていただきます。
○富田分科会長
 それではただいまの事務局から説明につきまして、御質問とか御意見とかありましたらどうぞ。
 では特にないようですので、厚生労働省の担当者から御説明をいただきたいと思います。
 厚生労働省所管の新設独立行政法人の概要等についてですが、本日は厚生労働省の川尻政策評価官に御出席いただきましたので、厚生労働省所管の新設の独立行政法人の内容についての説明を20分ほどお願いしたうえで、御質問等があればお伺いしたいと思います。
 それでは、川尻政策評価官からよろしくお願いします。
○厚生労働省川尻政策評価官
 御紹介にあずかりました厚生労働省の政策評価官をしています川尻でございます。座らせていただいて御説明をさせていただきます。
お話がありましたように、非常に短時間ということでございますので、パンフレット、あるいは関係法人の中期目標・中期計画をお配りさせていただいておりますが、「厚生労働省所管の新設独立行政法人について」という十数枚のペーパーで簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、この資料の1ページをお開けいただきますと、厚生労働省所管の独立行政法人の一覧が書かれております。この分科会では、一度、私の前々任者が独立行政法人の評価の仕組み等々を御説明させていただきました。その時は国立の研究機関から独法化した3法人でありましたが、昨年の10月に7法人、共管が2つございますので、専管では5法人ということですが、それから現在正に中期目標等の審議をしている最中のものが4つございまして、下のほうに書いてある雇用・能力開発機構、そして国立病院機構という、職員5万人を抱えるような大規模なもの、あるいは医薬品医療機器総合機構という医薬品の承認申請をやるところ、それから労働者健康福祉機構、この4つが予定されております。
 それからまだ法案が出ておりませんので、この資料の中には書いておりませんが、来年7月には医薬基盤研究所という医薬品の振興を行う研究所を独立行政法人化すべく検討しております。また再来年の4月には年金積立金管理運用独立行政法人、これも仮称でございますが、年金資金の運用をやるような独立行政法人も設立準備中であり、厚生労働省関係の独立行政法人がかなり増えているということでございます。
 いずれにいたしましても、本日は、昨年10月に設立いたしまして、中期目標等が固まっております7法人中、当省専管の、この表でございますと、勤労者退職金共済機構から労働政策研究・研修機構までの5法人について御説明をさせていただきたいと思います。
 2ページでございますが、これは評価体制のところでして、前回の御説明では、3法人でございましたので、総会一本でやっておりましたが、このように関係法人が増えてまいりましたので、都合6部会に分けて各種の審議を、当省の独立行政法人評価委員会ではやっていただいているということでございます。それから正委員だけではなく、臨時委員もそれぞれの部会で、正委員と同数か、あるいは少し差が出るということもありますが、大体専管の所につきましては十数名の部会構成で詳細な審議をしている最中でございます。
 それでは3ページ目から本論でございます法人の関係を御説明いたします。1つ目の法人は、独立行政法人勤労者退職金共済機構というものでございまして、去年の10月に同名の特殊法人から移行したものでございます。
 まず概要を御説明いたしますと、設立目的は、中小企業退職金共済法の規定による中小企業向けの退職金共済制度の運営を行うということでございます。退職金の制度は2つに分けてございまして、一般の場合、これは期間雇用者を除く中小企業従業員の方々に対するものでございまして、事業主が毎月掛金を納入しますと、従業員が退職されるときに、退職金が給付されるということでございまして、大企業の場合には企業年金等々ありますけれども、こちらは中小企業向けの退職金の確保を図るということでございます。
 2番目は、ただ今申し上げましたように、一般の事業では期間雇用者は除いておりますけれども、業種によりましてはそれだけではあまりにも足りないというものがございます。建設業、清酒製造業、林業といったものは期間雇用者が多いものですから、期間雇用される従業員も対象とする特定業種の制度というものもございます。こちらは月払いではなく、日払いの保険の掛金を払っていただきまして運営しておりますが、いずれの制度につきましても、加入促進ということで、新規加入の一定期間におきまして、掛金に対する一定の補助を行うというような制度にしてございます。
 3番目の役職員数、4番目の予算規模はお手元の資料のとおりでございますので、省略させていただきたいと思います。
 それで、中期目標の概要でございますが、中期目標期間は20年3月までの4年半でございます。中期目標の主な柱として、まず業務運営の効率化でございます。次のページにまいりまして、1つ目の○は一般的なことといいますか、各法人共通かもしれませんが、事務の効率的な処理やあるいは外部委託を推進するということでございますが、数字的な目標といたしましては、一般管理費、あるいは運営費交付金を充当する退職金共済事業経費、それぞれの経費につきまして、14年度に比べまして、19年度は13%節減という目標を掲げているところでございます。
 それから3と書いてございますが、質の向上に関する目標につきましては、例えば業務処理の迅速化、参考資料としてお配りしております「中期目標・中期計画」の中に書いておりますが、例えば退職金の請求から支払いをするまでの処理期間は、現行は30日以内ということでやっておりましたけれども、25日以内にするとかというような形で具体的な目標を書きながらやっていく。それから、財務省所管の適格退職年金の制度がなくなるということがございまして、そういうところからこちらへの移行ということも考えられます。そういうこともあって、新規加入者数の数値目標というのをそれぞれ先ほどの一般、あるいは指定業種ごとに、一般の場合ですと中期目標期間を通じまして、159万5千人というような目標を定めて加入促進を実施するというようにしております。
 それから財務内容の改善に関するものといたしましては、健全な資産運用を行う、結局、掛金をできるだけきっちり運用しないと退職金を出せない、あるいは逆に言いますと、法人として赤字を抱えるというような形になります。過去に、運用利回りを高く設定したような関係で少し欠損金が出たりしております。これは、積立金の積立状況と実際に退職金を支払う将来の負担金というものの間にギャップが出てまいりましたけれども、その解消に向けてできるだけきちんとした資産運営をやっていくということで、第三者による財務評価も徹底したうえでやっていくということが財務内容の改善に関する事項でございます。
 2つ目の法人、5ページにまいります。次は、独立行政法人高齢・障害雇用支援機構でございます。これはこの名前のとおり、2つの法人が統合する形で設立したものでございまして、1つの法人は認可法人の日本障害者雇用促進協会、もう1つは民法法人、財団法人でございますけれども、高年齢者雇用開発協会、こういう2つの法人が統合する形で設立したものでございまして、いずれにしましても、高年齢者、あるいは障害者が職業の安定に向けてできるだけいろいろなリハビリをしていただきまして、そして実際に雇用につなげるというようなことを目指した法人でございます。
 業務概要ですが、2.業務概要というところを御覧いただきますと、いくつかの事業が書いてございまして、ここで高年齢者と書いておりますけれども、これは雇用支援の関係の特別な用語でございまして、通常高齢者といいますと65歳以上ですが、雇用の場合ですと一応45歳以上65歳未満ということで、そういう高年齢者の雇用機会の増大に関するさまざまな給付金の支給といった高年齢者関係のものが3つほどここに書いてありますように、1つの柱になっております。
 それから(4)のところでは、これは障害者の関係でございますけれども、障害者職業センターという形で、各県1カ所以上の職業リハビリをするセンターがありまして、そこを設置、運営しています。あるいは全国レベルで、例えば脊髄損傷の関係の職業支援を進めるというようなものがございまして、障害者職業能力開発校というようなものを含めています。それから(6)は障害者雇用納付金関係業務と書いてありますが、障害者については御承知だと思いますけれども、法定の雇用率を定めております。現在1.8%ということでございますが、その1.8%を満たさない事業主から納付金を徴収いたしまして、逆に法定雇用率を超えて障害者を雇用している企業には助成金を支給するというような業務もやっております。その他、障害者の技能に関する競技会なども行っているということでございます。
 役職員数、予算規模はお手元の資料のとおりですので省略いたします。
 中期目標等の概要につきましては、この法人も20年3月までの4年半というのが中期目標期間でございます。2の業務運営の効率化の目標につきましては、先程と同じような数字になりますけれども、退職手当に係る経費を除いた一般管理費につきましては、19年度におきまして14年度と比べて13%程度の額を節減するというような目標を、あるいは業務経費につきましては、こちらは毎年度1%以上の額を順次節減をしていくというような目標を掲げています。
 質の向上に関する事項につきましては、高年齢者の関係につきましては、退職時におきます高年齢者の継続雇用をできるだけ促進する、あるいは継続するという形でございまして、そこに書いてありますような数の事業所訪問の実施、あるいはそのあと実際に効果が上がったかというアンケート調査でも、できるだけ高い評価をいただけるように目標設定をしていきたいと思います。
 2つ目の○は職業リハビリテーション関係でございますが、こちらもどのような対象者に能率的に職業リハビリテーションをやるのか、あるいはその結果どの程度の効果が上がるかということで黒ポツでいくつか書いてあります。例えば受講された人の70%以上が次の段階、実際に就職するということは大変に難しかったとしても、職業紹介に移行するとか、職業訓練に移行するとか、職場実習に移行するというようなことを確保できるように、あるいは修了者の再就職率が40%以上になるようにというような数値目標を挙げてやっています。
 その他、職業能力開発校の運営業務ですが、そこに書いてあるような数値目標が出ています。また、先程申しました法定雇用率関係の納付金関係業務は、いろいろと経済関係が厳しいのですが、99%以上の収納率を確保するというような目標を立ててございます。
 3つ目、7ページの独立行政法人にまいります。こちらは独立行政法人福祉医療機構というものでございます。もともとの母体は特殊法人の社会福祉医療事業団というものでございまして、これは古い話になりますけれども、昭和60年に主として福祉施設への融資を作っておりました社会福祉事業振興団、それから病院向けの融資を行っておりました医療金融公庫、この2つのものが統合してできた特殊法人でございますが、その2つを母体としております。
 概要のところに設立目的がございますが、そこに事業内容を列記しております。高齢者の分野で福祉、あるいは保健医療の切れ目ない連携が要請されている中で、それに関するさまざまな事業をこの法人が展開いたしまして、福祉の増進、あるいは医療の向上を図っております。
 業務概要は非常に多岐にわたっていますが、2の(1)の福祉医療貸付事業というのがいわばもともとの事業でございますし、大きな事業でもございますが、例えば特別養護老人ホーム、あるいは障害者の更生施設などの建設に当たりまして、あるいは病院建設に当たりまして、それにいろいろな資金を融資するというようなことで、長期間の融資を行うというものが大きな柱になっております。
 その他、例えば(3)でございますと、どうしても貸付事業ということですと、入所型の施設中心になるわけでございますが、政府からの出資金の運用利益を活用いたしまして、在宅福祉等の振興を図る民間団体への助成金というようなものもやっております。
 それから(4)では、社会福祉施設の職員のための退職金手当共済事業という制度がございます。
 あるいは(5)の心身障害者の扶養保険事業といいますのは、障害者の保護者の方が亡くなられた場合に障害者本人に終身年金を支給するような制度でございまして、かなり昔は障害者の寿命が短いとかということで設定された時期があったようでございまして、かなり財政的にはきつい事業でございますが、そういうものを各都道府県でやっておりますが、それを全国規模で再保険するような形になっています。その他、下記に書いているような事業の展開をしております。
 7ページ下の役職員数、それから8ページの予算規模はこのとおりでございます。
 それから中期目標でございますが、こちらもまず期間につきましては20年3月までの4年半ということでございます。
 業務運営の効率化の目標につきましては、一般管理費、あるいは情報事業などの関係などの経費につきましては、19年度において14年度と比べて13%程度の額を節減するということにしております。
 それから福祉医療貸付事業、これは例えば特別養護老人ホームですとか、福祉部門については相当まだ需要がございますので、13%程度というのは難しいわけでございますが、一応19年度におきまして5%程度の削減を目指すというような目標を掲げております。
 3の業務の質の向上に関することでございますが、この辺は例えば、2つ目の○で貸付に関する業務の迅速化という部分がありまして、中期目標期間中に福祉貸付につきましては4カ月以内、あるいは医療貸付につきましては3カ月以内ということで、大体1カ月程度、平均的な処理時間を短縮するということを目標に掲げています。
 少し飛びまして、財務内容の改善でございますが、こちらにつきましてはリスク管理というものも大事であろうかと思います。もちろん、福祉、あるいは医療の関係でございますので、貸し渋りをするわけにはいきませんけれども、できるだけリスク管理債権の比率が高まることのないように、できるだけ徹底していくということで、2%を中期目標期間中に上回らないようにというようなことを書いております。
 10ページ、4つ目の法人、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園にまいります。これも母体は心身障害者福祉協会という特殊法人からスタートしております。
 概要ですが、群馬県の高崎市にのぞみの園というものがございまして、昭和46年1月に設立いたしました。全国から重度の知的障害者にのぞみの園へ入所していただいて、当初の考え方は終身そこで生活をしていただくというような目的を持った施設でございました。重度、IQでいいますと、測定不能、あるいは20以下という方が入居者の7割弱ぐらいを占めております。従って、言葉を通じたコミュニケーションというのはほとんどできない方が多いというのが現状でございます。そういう方々が昭和46年に500人ぐらい入所していらしたのですが、その500人の多くが設立当初に20歳ぐらいで入られ、そして三十数年ここで生活をされているような方がかなりのパーセンテージを占めているというところでございます。
 業務概要につきましては、この施設の設置・運営、調査、研究、情報提供、あるいは、民間というか、社会福祉法人立の施設ですともう少し軽度の方が多くて、作業所に1人で通っておられるような場合も多いのですが、そういう軽度の方も含めました関係の施設の従事者に対して養成・研修を行うというようなことをやっております。
 役職員数、予算規模は省略させていただきます。
 中期目標等の概要でございますが、こちらも期間は20年3月までの4年半でございます。業務運営の効率化につきましては、何度も同じ数字が出てきて恐縮ですが、一般管理費、あるいは運営費交付金を充当する事業の経費につきましては、19年度に14年度に比して13%以上減らすという目標を立てています。
 3番目が、この法人独自の質の向上に関する目標でございまして、そこに書いてございますように、重度知的障害者のモデル的な処遇を行うことにより、のぞみの園の入所者の地域への移行を積極的に推進し、入所者数を3割から4割程度に縮減するということになっております。先程申し上げましたように、入所者の大半が50代半ばで、30年間ほとんど地域とは離れて生活をされているということですので、正直に申し上げまして、掲げている目標は相当高い、理想に近い目標でございます。そういう高い理想を掲げて独立行政法人として生まれ変わってやっていきたいということで頑張っております。
 それから11ページにまいりまして、調査・研究、養成等は省略をいたします。1点だけ第三者評価と書いてございますけれども、どうしても入所型の施設、特に入所されてから何十年もこの施設で生活をされているということになりますと、なかなか問題が外には漏れにくい、外から見えにくいということがございまして、どうしても施設運営側が独りよがりになってしまう、あるいは、入所者が我慢してしまうというようなことも考えられますので、サービス内容を適切に提供する観点から、いろいろな有識者、保護者、あるいは地域の代表、これからの地域に出て行くということになりますと地域の理解がもっと必要になりますので、そういう第三者評価機関を設けるということも、定性的ではありますが目標でございます。
 それから4番目の財務内容の改善に関する事項につきましては、こういう全国にも例を見ない施設でございますので、運営費交付金に頼っているといえばそのとおりでございますが、総事業費に占める自己収入の比率を38%以上に、一般的な障害者の支援費関係の収入をできるだけ上げていくというようなことでやっていきたいと思います。
 それから、12ページにいきます。これが最後になりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構でございます。これも中ポツが中についてございますけれども、特殊法人の日本労働研究機構というものと、厚生労働省の中の施設でございました労働研修所の2つを統合して設立した法人でございます。
 設立目的といたしましては、我が国の労働政策の立案、あるいは効果的かつ効率的な推進に寄与するということでございます。中身としては2の業務概要の労働政策についての総合的な調査及び研究を行う、あるいは(2)で情報の収集・整理を行う、調査研究結果の普及、あるいは政策の提言を行うというのが日本労働研究機構の流れで、それから(5)が厚生労働省の各公共職業安定所ですとか、あるいは労働基準監督署ですとか、そういう仕事に従事する職員に対して充実した研修を行うというような形でやっているものでございます。
 役職員数、予算規模は省略いたします。
 中期目標等の概要でございますが、この法人だけはほかの4法人に比べまして1年短い19年3月までの3年半の期間で中期目標を設定しています。
 それから業務運営の効率化に関する事項ということでございますけれども、一般管理費等につきましては、18年度におきまして14年度と比較して25%相当の額を節減する。こちらのほうは短いのですが、ほかの法人に比べましても高い節減目標を掲げています。これはもともと法人が発足いたしますときに、政府系の研究機関というのは純学術的な研究に走りがちなこともございまして、あくまでこれからは政策研究をやるということで、純粋に学術的な研究はこの法人業務から廃止いたしまして、政策研究機能に特化するということで見直しを行いました関係上、非常に高い節減目標を掲げました。それから業務経費に関しましても毎年度1.3%の節減を図るというような目標でございます。
 それから質の向上、調査研究につきましては、なかなか数値的な目標というのが設定しづらいということがございますけれども、外部評価を受けた研究成果の発表ですとか、あるいは有識者アンケート等を通じまして、できるだけ数値的な目標を掲げるようにしています。
 13ページにまいりまして、情報の収集・整理ですとか、あるいは海外から招へい、海外派遣、調査研究結果の普及ということにつきましては、できるだけ情報発信を積極的にやろうということになりまして、ニュースレターという紙の情報を月に1回以上発行する、あるいはメールマガジンという電子的なものは週2回以上出すというような形で具体的な数値目標を挙げています。それが研究部門ということでありますが、具体的な研修につきましては、研修生のアンケートを行いまして、有意義だったという結果を85%以上から得るというような目標を掲げてやっていこうということでございます。
 以上、非常に法人数が多く、業務内容も多岐にわたっておりますので舌足らずだったかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。
○富田分科会長
 はい、ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、質問などがありましたらお願いします。
○稲継臨時委員
 ありがとうございました。業務運営の効率化に関する事項についてお尋ねしたいのですが、一般管理費等につきまして、大体13%の削減目標を掲げておられます。最後の労働政策研究・研修機構のみが25%ということですが、この一般管理費の中には人件費を含んでおられるのかどうかお教えいただきたいと思います。と申しますのは、参考資料で付けていただいております、分厚い5分冊の中の、例えば高齢・障害者雇用支援機構の中期目標・中期計画の25ページには、例えば人員に関する計画として常勤職員の人件費について13%の額を節減すると明確に書かれておられますけれども、例えば今25%とおっしゃいました労働政策研究・研修機構につきましてはその辺のところが明確に書かれてございませんので、御教示賜りたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 結論から申し上げますと、人件費も含んでおります。今回御説明した中で人件費の内で一定部門を除きましたのは、先程御説明したと思いますが、高齢・障害者雇用支援機構におきましては、今後かなり退職者が多く見込まれるものですから退職手当については除いていますが、それ以外の4法人については基本的に人件費をすべて含んだ形での目標設定をしております。
○富田分科会長
 よろしいでしょうか。ほかにどうぞ。
○山本臨時委員
 今の稲継委員の質問と関連することで、若干テクニカルな話で恐縮なのですが、運営費交付金の算定ルールの案というのがありまして、まさしくそこは人件費と一般管理費の絡みで、私は今ぱっと見た段階ですから詳しいことは申し上げられませんが、少なくとも、今お話があった労働政策研究・研修機構につきましてはその人件費と業務経費、一般管理費についての効率化のかかり方が、ほかの例えば勤労者退職金共済機構あるいは高齢・障害者雇用支援機構と違うのですね。この高齢・障害者雇用支援機構というのと勤労者退職金共済機構の算定ルールのほうを見ますと、基本的には、人件費を含めて効率化係数がかかってくる算式をお使いになっているわけですね。それに対して労働政策研究・研修機構のほうは人件費についてかかっている係数はαで、αは中期計画の見積もりに関しては1.00を使うということです。それに対して、業務経費と一般管理費についてはβということで、そこで効率化係数がかかってくるという考え方をおとりになって、微妙に違ってきているわけですね。
 今、私は稲継委員がおっしゃったような25%をやるということからすれば、むしろこういうルールでやる場合と、そうすると財源措置と実際の業務管理をかなり変えていくといいますか、若干難しい問題が横たわっているのではないかというのを少し危惧したものですから、人事管理も含めて、どういうふうな体制になっているかということについてお尋ねしたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 今、山本臨時委員から御指摘があったのは、労働政策研究・研修機構の運営費交付金のルールについてでした。それは御指摘のとおりでございます。ただ、先程申し上げました25%の節減というのは、人件費を含む一般管理費全体についてそういう削減目標を立てているということでございます。
○山本臨時委員
 それは承知しているのですが、その管理運営の方式を他と変えておられるのかということに、少し関心があったものですから。その具体的な取組みがもしあるとすれば、25%削減するというのはかなりのことですから、そんな生やさしいことではないわけですね。そこら辺がもしお分かりならば説明をお願いします。
○厚生労働省川尻政策評価官
 私の説明が不正確であればあとで補足をさせますが、先程申し上げましたようにこの法人は発足当初に純粋学術的な研究はできるだけ廃止するという形でやっています。そういう意味では研究者の方々のことですので、直ちに生首を全部切るというわけにはいかないかと思いますけれども、そういう政策に直結しない研究というものは順次廃止をしております。したがって、そういう意味では研究員の数も減らしていくというような形でございますので、業務量が相当減っているというような形になろうかと思います。
 そういうことを3年半かけてやっていき、そして25%削減するということでございます。そのほかの法人につきましては、業務量ががたんと減るとかいうようなことが少ないものですから、効率化の一般的なルールという形で13%という形で、削減率を述べさせていただいているところでございます。
○稲継臨時委員
 今の御説明でございますけれども、参考資料の労働政策研究・研修機構の冊子の11ページの所に人員の指標というのがございます。期末の常勤職員数134人というような指標を立てておられて、期初の常勤職員数140人という数字でございます。この中には今おっしゃった学術目的の研究員の数を含んでいるのか、含んでいないのか教えていただきたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 含んでいます。
○稲継臨時委員
 含んでおられて25%というのは、どういう計算をすれば25%になるのか、教えていただきたいと思います。
○厚生労働省担当官
 労働政策研究・研修機構を担当している者でございますけれども、補足的に御説明をさせていただきたいと思います。
 先程から説明をしておりますけれども、一般管理費等の削減の中には人件費も含むということでございます。ただ、研究機関ということで、研究者に質のよい研究をやっていただくということで、まさに人が重要でございまして、その結果がまさにこの法人の求められているものということでございます。ですから一般管理費等の削減というのは、もちろん人件費の減少と純粋学術的なものはやめてということも含めてということもございますけれども、ただ、研究の開催の時に会議の使用場所でありますとか、いろいろな管理上の運営上の工夫をして、なるべく効率的に研究活動を行うということで、この25%、かなり大きな目標でございますけれども、落としていこうということを考えているところでございます。
○厚生労働省川尻政策評価官
 私が再度補足するのも変ですが、数字につきましては、14年度というこの法人のスタートの時ではなくて、前身の段階での数字をベースにいたしまして、そして25%という形で書いております。従って、稲継委員から御指摘がありました期初の常勤職員数というところで、既にある程度削減されているということであろうかと思います。細かい数字は私の手元にないのですが、そういうことと併せて御理解いただければと思います。
○松田臨時委員
 今の御説明を伺うといろいろ分かることが出てくるように、おそらくこれからこういう内容を国民の方にお伝えしていくうえで、まずベースラインの数字があって、それからこういう目標があって、それに対して、特殊要因のあるところはこういう特殊要因がありますと、それからこの目標は非常に環境から見ると自然減で達成できるものとか、あるいは先程のように非常にハードルの高いものとか、御説明を伺わないと分からない状況というのは、別にこの独立行政法人に限らず、すべての独立行政法人に多分共通しているところだと思います。その辺りはおそらく今後の研究会のテーマとしても非常に大事で、改善できるポイントをたくさん今日は教えていただいたかなという感じがしております。
 もう1点、一般管理費等の削減について、一番最初に3年前に独立行政法人化されたところは当初ほとんど5年間で一律5%という数値目標を出していたのが、今回は昨年政府からの指摘もあって、かなり努力はされていると思うのですけれども、やはり国民の目から見るとどうして全部一律なのか、1つだけ違うところがありますが、独立行政法人が主体的にそれぞれの法人の状況を改善していこうということを前提としているのに、同じ省の中ですべて一律というところにやはり疑問が出てくるのではないかと思いますので、その辺りの根拠をもう少し明らかにしていただくとありがたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 正直に言いまして、この13%という数字が並んだことに対しては、私も坂口大臣にいろいろ御説明をして相当おしかりも受けたのですけれども、1つには、ほかの省がどうかということは言いませんけれども、今日御説明したような法人につきましては、業務量が今後直ちに減っていくというよりは、場合によっては増やしていかなければならないというようなものもございまして、したがって基本は1割以上、これが13%になりましたのは、3年半だったら1割で、4つの法人は4年半という中期目標期間ですので、割り戻しというか、倍率を掛けますと13%という数字なのですが、この13%というのはきつきつの数字でございますが、厚生労働省として1割という最低ラインを下回るということはできないということで、13%というものをぎりぎり掲げたということでございます。
 1つの法人は業務内容の見直しがございますので、その業務量の推移に従って、もっと厳しいハードルを付けたということしか申し上げられないのですが。
○黒川臨時委員
 それでは2つ質問をさせていただきます。まず1つは勤労者退職金共済機構でございますけれども、その別紙の詳しい中期目標・中期計画10ページをお開きいただきまして、そこに「就労日数に応じた掛金の納付確保等のための改善策の実施」ということになっているのですが、これはお読みいただくと、日雇いの方を念頭に置くのですが、なぜそうなのかと思うのですが、そういうようなものだと思うのですが、この問題については数年前に多分総務省から特殊法人の時にも、ここが問題であるということを指摘されていたと思います。この数年間に、厚生労働省としてはどのようなことで、少しは改善が進んでいたのかどうかということを1つお聞きしたいと思います。
 もう1点は福祉医療機構の貸付事業に関して、今日お伺いした範囲ですとかなり貸倒れリスクというようなものを気にされて、これからやっていくというようにお聞きしたのですが、そうであるならば、民間の銀行が医療機関に融資するのとどこが違っているのか、どこに特徴があるのか、そこをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 順序は逆になりますけれども、貸付の関係だけ、まず私の方から簡単に御説明させていただきます。貸付事業につきましては、福祉部門と医療部門と両方ございまして、そして医療につきましては御指摘のように民間から借り入れられる場合があるということも御指摘のとおりでございます。ただ、福祉の方につきましては、例えば福祉について施設整備を行います場合に、大体補助基準額の4分の3までは国ないし都道府県が出すわけでございますが、残りの4分の1やあるいは施設面積が広いですとか、立派にいたしますとその部分が自己負担という形になります。それで自己負担というのをどうやって埋めていくかということでございますが、これは例えば理事長ですとか、地域からの寄付金ですとか、あるいは共同募金を通じた寄付ですとか、そういう形で埋めていくというようなことでありまして、そういう意味では事業をやっていけば自動的に減価償却費が埋まっていくという仕組みになっていないわけでございます。
 そういう意味で、医療についてはいろいろと御議論があって業務内容の見直しをしておりますが、福祉については、おそらく銀行は将来的にちゃんと寄付が集まるのかということで、貸付しにくいところがあり、あるいはだからこそ、政策的にある程度低利長期でやっていかなければいけないというような形で、できるだけすみ分けをしつつやっているということでございます。それでもどうしても社会福祉法人でも不幸にして倒産というか、資金繰りが回らないという所が出てまいりますので、現在の貸倒リスクが1.数パーセントだと思いますけれども、それを今後ともできるだけ上げないように、抑制しながらやっていくという形で先程の2%という数値を設定しております。
○厚生労働省担当官
 勤労者退職金共済機構の先ほどの御質問についてお答え申し上げます。先ほど、委員御指摘のとおり、総務省から勧告等がございまして、私どももその後改善方策をとりまとめて、改善に向けて鋭意努力しているということでございます。取組内容につきましては、中期計画本体の10ページを御覧いただければと存じますが、こちらのほうに種々の取組が書かれてございます。取組自体は勧告等を踏まえてやっていくということでございまして、これは引き続きやっていく必要があると考えております。ある時点で終わりになるというものではございませんので、指摘されたものについて継続してやっていくということでございます。
 それと、当然ながらそれが実際に効果が現れているかどうかということが問題になると思いますが、就労者の方々を一人一人つかまえて今実態はどうかということを検証するのはなかなか難しかったということがある反面、そこはなにがしか調べなければいけないということがございまして、そこについてはまだちょっと私どもも頭を悩ましているということでございます。そこら辺の状況を9ページの実態調査の実施という形で中期計画の方に盛り込みまして、実態を調査しなければいけないという認識のもとに、これからその取組、調査を進めていくということについて、努力してまいりたいと考えている状況でございます。
○黒川臨時委員
 そうすると、この2、3年においてはそれほど効果があったかどうかは分からないし、この2、3年に何か迅速に取り組んだということではなかったということですか。
○厚生労働省担当官
 定性的な取組としては、10ページに載せたようなことは実際にやっております。こちらはこれまでも進めておりますし、今後とも進めていくということで、勧告の点を踏まえれば、こういったことをすれば効果がありますよということで指摘された事項でございますので、これをやっていくことでおそらくは効果が出ているのではないかと思います。ただ、それを定量的にこんな形でということで、本来であればお示しすべきかと思うのですが、そこがなかなか難しく、そこをどうやってフィードバックするかということは当然考えなければいけない事項ですので、ここについても課題として認識して取り組んでまいりたいということでございます。
○黒川臨時委員
 3番の新たな掛金納付方式の検討ということで、おそらく現場の方々については今のやり方ではある程度限界があるのだろうというような心証もあって、こういうのが出てきているのだろうと思うのです。ぜひともこの3番のことについて前向きになるべく真剣に取り組んでいただきたいと思います。
○樫谷委員
 同じく勤労者退職金共済機構についてお聞きしたいのですが、まずここで資金の運用をするわけですよね。それで運用するときに、まず運用の金額は大体総額はどのくらいになるのかということと、その運用の利回りといいましょうか、その目標についてお聞きしたいと思います。
それからあと、運用の方法、その中では、各勘定がそれぞれあるのですが、まとめて運用するのか、各勘定別に個別管理をするのかということについても教えていただきたいと思います。
 それから退職金の支払いとの関係で、将来の財源不足というようなことは、共済だから考えられないのかも分かりませんが、制度として不足というものは生じてこないのかどうなのかについてもお聞きしたいと思います。
 それから、ここに繰越欠損解消に向けてと書いてあるのですが、繰越欠損の解消というのはどういうことで、ここには収益改善とか、経費節減等と書いてあるのですけれども、具体的に収益改善とか経費削減でこの繰越欠損を解消できるのかどうか、もし繰越欠損の金額が分かれば教えていただいて、あとは収益改善と経費削減でどの程度解消できるのか、その辺を教えていただきたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 資料を調べますので少しお時間をいただきたいのですが。
○富田分科会長
 その間にほかの御質問をどうぞ。
○武田臨時委員
 福祉医療機構についてお伺いしたいのですが、資料の5ページのところに4として、退職手当共済事業というのが挙げられているのですが、対象として社会福祉施設等に従事する職員の方について退職手当共済制度を確立するということなのですが、こういう方々だけ切り出して退職や共済制度を作らなければいけない背景といいますか、そういったところが分かれば教えていただきたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 すみません、私も完全に理解しているわけではないのですが、社会福祉施設の運営主体というのは通常は社会福祉法人でございますが、今はそういうことではないのですが、大体1施設1法人という形で運営されていることが多うございました。
 そういう意味では、職員数がせいぜい数十名程度というようなところが運営主体になっているということで、財政基盤が弱いというようなことと、それから、だいぶ改善はしてまいりましたけれども、社会福祉施設の職員の処遇というのは必ずしも高くないというようなことから、国と都道府県が3分の1ずつ補助し、3分の1だけ経営者が負担をするという形でこの共済事業を発足させたということで現在に至っているというわけでございます。ただ、その後、例えばゴールドプランですとか、介護保険制度ですとか、福祉施設だけではなくて、保健の関係の施設ですとか、あるいは医療関係の施設との整合性うんぬんということがございます。そういう意味で今後こういうものをどういう方を対象にどういう形で運営をしていくかということは、今後の検討課題であるわけでございますけれども、この法人といたしましては、その制度の在り方はともかくといたしまして、きっちりとした退職金が出せるように運営をしていくというのが、法人としての使命になっているということでございます。
○富田分科会長
 資産運用の方は。これはあとにしますか。
○厚生労働省担当官
 遅くなりまして申し訳ありません。まず、資産の総額につきましてでございますが、資産のほうは大体全体で4兆円程度ございます。あとは運営の方法につきましてまず申し上げますと、先ほど評価官から御説明いたしましたとおり、事業のほうはいくつか、一般の中小企業退職金共済と、あとは業種ごとの退職金共済に分けて事業を行っているということでございまして、勘定のほうもそれぞれ別に行っております。これは共済集団が異なっているということで、分けているということでございます。それに伴いまして利回りのほうもそれぞれ異なっておりまして、支給の利回りとしましては、現在一般の中小企業退職金共済が1.0%、建設業退職金共済が2.7%で、あと清酒製造業退職金共済が2.3%、林業退職金共済が0.7%ということで、それぞれ別々になっております。
 財源が不足するケースがあるかという御質問でございましたが、現在では一般の中小企業退職金と林業の退職金の方に欠損が生じております。こちらはまず収入のほうを申しますと、資産運用の環境が非常に厳しくなっておりまして、それに伴って収入が低下していったということが1つあります。それに対しまして利回りのほうが引下げのタイムラグがございまして、やや遅れたということもありまして、こちらが約束した利回りに対して資産運用が負けていったという、そういう逆ザヤが発生いたしまして、それに伴って一部で欠損が発生しているということでございます。
 将来の見通しということでございますが、将来の見通しというのは、実際にはなかなか、特に営業収入の面で予測するのは困難でございますので、全体として予測するということは難しいのでございますが、現時点で私どもが想定しておりますのは、近年特に一般の中小企業退職金ですとか林業退職金についてはお支払いを約束する利回りを、政令で設定することになっているのですが、こちらの機構ではなくて国のほうが定めるということになっているのですが、そちらのほうを引き下げまして、なんとか収支のバランスが取れるようにということで、制度改定を昨年しております。そちらのほうは当分の間、単年度で見て赤字が発生しない、黒字が発生してなんとか欠損をリカバリーできるように、ということで設定しております。その前提として、当面なかなか経済成長しないであろうという厳しいシナリオを前提にして、お支払いの利回りも低く設定いたしまして、厳しい状況でもなんとか黒字が出るように条件を設定いたしまして、もしそのまま運用環境の改善が見込まれれば、更にリカバリーができるように制度設計をしております。もちろん収入のほう、運用収入だけではございませんで、支出のほうも抑えるということも必要だと思いまして、そちらのほうはもう一般管理費等も財政縮減ということでなんとか機能するようにということで中期目標、中期計画のほうにも折り込んでおります。概要はこのような感じでございます。
○樫谷委員
 よく分からなかったところがたくさんあるのですが、今御説明いただいた一般が1%とかというのは、これは実績のことを言うのですか。目標のことを言っていらっしゃるのですか。
○厚生労働省担当官
 目標でございます。
○樫谷委員
 これでやると、今の引下げをしたらトントンでやっていけると、こういう趣旨ですね。
○厚生労働省担当官
 具体的には、今年ですとか昨年ですとか、実際の資産運用利回りは1.5、1.6ぐらいの利回りをしております。ですからその分は利ザヤとして財政の改善に寄与するということございます。
○樫谷委員
 今現在は目標を上回っているのだということですか。
○厚生労働省担当官
 そうでございます。目標を上回って欠損を埋める方向で進んでいるということでございます。
○樫谷委員
 具体的にそれをどういう形で運用しているのですか。例えば国債を買っているとか、株を買うとか、運用といってもいろいろありますよね。どのような運用をされているのでしょうか。
○厚生労働省担当官
 まず、機構自身で運用する部分とあとは委託して運用する部分がございまして、すぐに数字が出ないのですが、かなりの比率が自家運用でその自家運用の部分は国債等の安全資産で運用しております。残りの委託の部分につきましては、金銭信託ですとか、そういったもので運用いたしますので、その中には当然株式等も入ってまいります。
○富田分科会長
 これは皆様の貴重な退職金であり運用については安全ということが第一だと思います。
 では、阿曽沼委員、どうぞ。
○阿曽沼臨時委員
 2つお聞きしたいのですが、福祉医療機構、基本的に医療機関は直接金融の道が絶たれているので、間接金融でも融通せざるを得ないということで、この福祉医療機構の役割というのは今後もますます重要性が増すと思うのです。
 私の認識が間違いないとすれば、実際の運用では銀行の借入れができない所には基本的にはこの福祉医療機構が入っていったとしてもうまくいかないと思うのです。ですからそういう意味からすれば、この貸倒比率1.3%というのは非常に安全な所にお金を貸した。今後、どんどん資金需要が伸びたときに銀行の補完機能としての役割を今後も続けられていくのか、もしくはもっと主体的に、銀行以上にもう少し医療のプロとして、いわゆる審査をして貸し付けるのか。この辺の今後の方向性について少しお考えがあればお聞きしたいということです。
 それから、通常、今銀行でもそうなのですが、貸付はするのだけれども例えばP/L、いわゆる経営内容、医療法人そのものが非常に不透明だというのですが、経営内容の審査のチェックというのはほとんど今行われていないような現状ですから、その辺についてこの福祉医療機構というのはどういう風な方向性をもって運営されていくのかお聞きしたい。
 あとは全然異質なものでございますが、確か、知的障害者を地域に戻すというふうに書いていますが、3割から4割という目標は事実上不可能だと私は認識しているのですが、むしろいわゆる地域に返すよりは現実問題としては、知的障害者の老健施設、介護老健にどんどん入所者が移行しなければいけない現実を踏まえて、この仕組みをどう変えていくかという方が現実的にはすごく重要なポイントになるのではないかを思います。その辺についてどうかということと、地域へ移行というのは、ノーマライゼーションとして地域社会にとけ込ませるのか。もしくは最近、都の小学校の廃校になったあとに、いわゆる公設民営とか民間委託で知的障害者の色々なところをつくろうとしていますよね。そういう施設に戻していくのか。その辺の具体的な3割4割のためのアクションプランは策定されているか、勝算を持っている目標があるのかどうか、そういうことを具体的に伺いたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 まず、第1点目の福祉医療機構の貸付関係、これは先生、医療に限っての御質問ということでございますか。医療は先程申し上げ方が不正確であったかもしれませんけれども、医療機関は相当市中銀行からでもお金を貸してくれるところも多うございます。ただ、病院といいましてもいろいろな部門がございます。精神病院もあれば、いろいろな部門がございまして、あるいは厚生労働省の施策といたしましては、医療費の節減のために、例えば病院を建て替える場合には一定の病床数を減らしていただくというような形で政策的に誘導していく部門もございます。
 そういう意味できめ細かく貸付利率でありますとか、あるいは融資比率、所有資金の何割を貸付けるかというようなことは相当細かに調整をしながらやっていくというようなことでございます。確かに昔は医療法人というのは経営が若干散漫というか、ずさんでもなんとかやっていけるというようなことがあったかもしれませんが、医療法人の環境も厳しくなってきておりますので、そういう意味で先程申し上げました貸倒比率、リスク債権の比率というのを全く上げないというのも難しいだろうと思います。いずれにしましても赤字が出るとこれは法人の経営に響くわけでございますので、そこはしっかりとやっていこうということでございます。
 全体で言いましては、銀行の補完といいますか、銀行は別にちゃんと経営してくれるところに貸せばいいということでございますが、福祉医療機構のほうは政策的に誘導する部門があるという意味で、若干のすみ分けもあるということでございます。
 それからのぞみの園の関係でございますが、この場所で既に難しいと言っていいかどうか分かりませんが、入所者500名は先程のような状況でございますので、3、4割の方に実際に一般民家があるようなところで生活をしていただくということは直ちには難しかろうと思います。
 ただ、こののぞみの園というのは、昔で言うコロニーでございまして、障害者が終身生活できるように、いわば一般社会から隔絶した山の中で、できるだけたくさんの職員の手で面倒を見るというような形でスタートしているわけでございますが、やはり障害者の中でも、いろいろな力を持っている方がおり、従って、例えば同じのぞみの園の施設内であっても何人かで共同して生活していただくというような形で、古い職員宿舎を利用しながら、生活をするというような体験事業もやっております。それからもう少し出まして町中に入りまして、理事長の宿舎が昔あったのですが、そこを新たに整備をいたしまして、実際に近くに買い物に行けるような形で生活体験の場も設置するとか、まず最初はかなり能力の高い人にモデル的に出ていってもらうということでございます。いずれにしましても、ある程度重度の方についても全く職員が1から10まで面倒を見るとかいうことではなくて、できるだけ自分でできるところはやってもらうという形で、生活の一部分だけでも職員があまり手を出さないような形でやっていくとか、個別、一人一人の処遇計画をつくってやっていくという形でございます。
 そういう意味では4年半後に3、4割の入所者がのぞみの園から地域生活へ移行というのは、私は直感的に難しいと思いますけれども、3、4割の人について地域生活への移行の取組みが進んでいるという形で評価していただくしかないのかというような感じを持っております。
○阿曽沼臨時委員
 それはよく分かるのですけれども、現実的にはやはり高齢化がどんどん進んで、ほとんどの知的障害者の施設というのは本当に70歳、80歳、そういう方たちというのは、基本的には引取り手がいらっしゃらない方が多いですよね。そうすると一般の健常者と同じような高齢化対策ということがあるので、そういう意味ではこういったのぞみの園が、全国の知的障害者施設のモデルとなるような現実的な施策があったほうが、むしろ価値が上がっていくのではないかという気がちょっといたしました。
 もともと通過組織という設立のトラウマにとらわれて、3割、4割というような非現実的な目標を立てるよりは、目標の設定の仕方をもう少し考えたほうが分かりやすいという感じを持ちました。
○富田分科会長
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木臨時委員
 考え方をお聞きしたいと思うのですけれども、高齢・障害者雇用支援機構、それから福祉医療機構、あるいはこの重度障害者ののぞみの園の中期目標で、効率化に関する事項ということで、一般管理費あるいは業務経費の削減を目的とするということでございますけれども、これは業務の、先程のお話といろいろと関係するかもしれませんけれども、まずは業務の縮小を、あるいは結果的には軽減をお考えになっているのでしょうか。
○厚生労働省川尻政策評価官
 今、御質問があった3法人について、業務の縮小を前提に13%節減するということではなくて、やはり特に総務部門的な経費ということで1人の人でより多くの仕事をしていただく、あるいは各種経費を削減するというような形で、業務量は基本的に減らさずに経費を削減するという考え方でございます。
○鈴木臨時委員
 ただ、この一般管理費や業務経費の削減率等を見てみますと、この業務の有用性といいますか、政策とかそういうものが単に13%とか1%とか、3割とか4割というような目標だけですと、何か縮小していくような感じもいたしますので、効率性と業務政策の有効性というのでしょうか、あるいは効果というのでしょうか、それらは個別的な問題ということになるかもしれませんけれども、そのような観点についてはどういうふうにお考えになっているのか、考え方をお聞きしたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 例えば、3割、4割入所者が減るという話もありましたけれど、3、4割入所者が減ったところで、その先のお世話をいろいろしていかなければいけない。もちろん地域生活に完全に移行すれば人の手は掛からないようになるかもしれませんが、むしろ施設内で集団的に処遇するほうが手が掛からないというようなこともございまして、必ずしも業務量はそこに書いてある数字に従って減らないという実情を御理解いただきたいと思います。
 それからあと同じ人数でより迅速に給付をするとかいうようなところもございまして、人は若干は減らしながら、あるいは外部委託とかいうような形で人件費のコストを下げながら質は高めていくと、それぞれの法人に対してぎりぎりの目標を設定しているということでございまして、何年か後の見直しを私も心配しているということでございます。
○富田分科会長
 どうぞ、黒田委員。
○黒田臨時委員
 私ものぞみの園について阿曽沼委員と同じような質問を持っていたのですが、減らすということで、新しい人はもう絶対に取らないという方針なのですか。こののぞみの園の素敵なパンフレットを見ていると、そういう状況には全く読めません。知的障害者にとっては素晴らしい、なんとなくユートピア的に書かれているけれど、現状とは全然違って、全くもう新しい人を取らなくて、逆に高齢になってしまった人を地域に押しつけるような話にちょっと聞こえたのですが。それで本当にいいのかな、達成することのできないような中期計画は書かれないほうがむしろいいのではないかと思いますが。このパンフレットを見たイメージと全く違いますので、その辺のこともちょっと教えていただきたいと思います。
○厚生労働省川尻政策評価官
 新しい人を全く取らないということではなくて、当初500人ぐらいでスタートして、地域に帰られた方もいらっしゃいますし、不幸にして死亡退所された方もあろうかと思いますけれども、全国から重度者を受け入れるということはある程度やっていかなければいけないと思いますが、今後の障害者行政の在り方からすれば、障害者の方が学校を卒業されたあと、こういう形で今までの生活から全く離れて群馬県に全国から集まってくるというのではなくて、できるだけ学校に通われていた地域でいろいろな作業所ですとか、あるいはグループホームですとか、そういうものがつくられて、あまり生活環境が変わらない形で生活をしていただく。そういう意味で障害者プランの実行もやっているということでございます。
 コロニーというのはいわば一時期の偉大な実験であったのですが、必ずしも成功していないということもございまして、そういう意味で、できるだけ地域で生活していただける環境を若いうちからつくっていくというのが今後の方向であろうかと思っております。
 もう1つだけ付け加えますと、やはりかなり隔絶した施設ですので、地域生活に戻っていただく場合にも高崎市はじめ、いろいろな関係者の方々にどういう人たちが入っていて、どういう処遇をして、どういうことを考えているのかということを理解していただく、そういう意味で入所者を募集するというよりは、できるだけ多くの人にこののぞみの園を理解していただくためのパンフレットという形でつくっております。ちょっと、それが先生御指摘のように、逆効果というか、ミスリーディグな面があるとすれば、法人のほうでも今後考えるとは思いますけれども。
○富田分科会長
 河村委員、どうぞ。
○河村臨時委員
 福祉医療機構の年金担保貸付事業のところで御質問させていただきます。先ほどお配りいただいた資料4の8ページ、一番下のパラグラフ4の上の○の一番最後のパラグラフ、「年金担保貸付事業については信用保証制度等を活用することにより貸倒リスクの抑制に努めること」というふうになっておりますが、これは年金受給権を担保にした融資というふうに前のページに書いてございますが、それにもかかわらず信用保証制度というのは、各地の信用保証協会がやっている信用保証ということでございましょうか。それを使ってリスクの抑制をするということなのでございましょうか。この辺をもう少し御説明をお願いできればと思います。
○富田分科会長
 準備があるようでしたら、先に田渕委員、どうぞ。
○田渕臨時委員
 先ほどからそれぞれ委員の方何人かから御指摘があったかと思うのですけれども、先ほどのぞみの園のお話のところで、全国のモデルとしてやっていく等々のことを打ち出されたほうがいいのではないかというようなコメントがあったかと思います。そこの部分で共通するのですけれども、何か今日いただいた資料を拝見させていただくと、個々の事業のほうに先に目が行ってしまって、法人として何を目指しているのかというところが見えないというのがあります。そこの部分を出されれば、それぞれ今コメントがあったようなものにも対応できるような形で、評価なり現状分析なりができるのではないかと思います。
 トップマネジメントというものが非常に重要になってくると思うのです。ですからそれぞれの法人のミッションは何か、ビジョンを明確に打ち出して、それに基づいて事業を実施しているのだと、その事業が適切かどうかを判断するためのツールとして個々の事業のチェックをするのだという意識を持っていただくと、これはほかの各法人にも言えることだと思うのですけれども、もう少し分かりやすい、誰が見ても納得できるような形での資料なり、御説明ができるのではないかというふうに思います。これはほかの各法人でも同じだと思います。コメントとして述べさせていただきました。
○厚生労働省川尻政策評価官
 今の関係は今後、心して対応させていただくようにいたします。
 先程、年金担保融資の関係の御質問がありました。御質問にありましたように、年金受給権を担保として小口の資金を貸し付けるということでございますが、借りられた方が急にお亡くなりになるとか、場合によって行方不明になるとか、そういうような形で必ずしも回収できないことが実際に生じております。そういう場合に信用保証制度を活用するというようなことで対応していくという中身でございます。もし、数値的なことが必要であれば、資料を後ろの者が持っているかどうか分かりませんが、説明はさせます。
○河村臨時委員
 そうであるならば、独立行政法人でなさる融資の事業としてリスクの抑制という時に、また別の中小企業の信用保証のほうにリスクの負担を持っていくということであれば、これはおそらく自前でなさるリスク管理にはならないのではないかということで、これはコメントでございますが、独立行政法人として取り組まれる業務としてこうしたものは、正直なところいかがなものかという気がいたします。
○厚生労働省川尻政策評価官
 確かにこの事業はほかの法人がやっていたものをこの福祉医療機構が引き継いだということでございまして、こういうものは廃止したらどうかという議論もあったのですけれども、高度の政治的な判断の結果、別法人に移して継続する形になったと承知しています。先生がおっしゃった自前のリスク管理なりに取り組むべきではないかというのは、私自身はそのとおりだと思いますので、今御指摘を踏まえて今後いろいろと検討を、法人のほうでも、あるいは担当局のほうでもさせていただこうと思います。
○富田分科会長
 大体よろしゅうございますか。本日、御説明いただきました特殊法人等改革に伴い特殊法人等から移行した独立行政法人については、単なる看板の掛替えとなっていないかどうか、国民から厳しい目が注がれています。独立行政法人制度の下での定期的な評価等を通じ、これまで特殊法人等として抱えていた問題点等が克服されることが期待されています。また、法人における真に効果的・効率的な運営の確立に向けまして、厳格かつ的確な評価が実現されますよう、評価の手法、評価基準等のレベルアップを引き続き図っていただくようお願いしたいと思います。
 今日は、具体的にそれぞれの中期計画そのものについては詳しく議論ができなかったのですが、委員からの指摘を踏まえていただきまして、具体的な計画のもとにまず独立行政法人の一次的な評価をきちんと出していただきたいというふうに思います。
 今日は川尻政策評価官におかれては、御多忙の中をありがとうございました。
 それでは議事進行を再び村松委員長にお戻ししたいと思います。

[次回日程について]
○村松委員長
 それでは最後に次回の日程について事務局から説明してください。
○橋口総務課長
 次回の日程でございます。委員会でございますけれども、必要に応じて開催するということで別途御連絡をさせていただきたいと思います。それから、独立行政法人評価分科会でございますが、本日ヒアリングをいただきましたけれども、引き続き他の法人について、2月下旬を目途にヒアリングを予定させていただきたいと思っております。
 それから政策評価分科会につきましては、2月24日火曜日でございますが、1時半から4時までということで、場所は総務省の第1特別会議室、8階の会議室を予定しております。平成16年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマのとりまとめ等に関して御審議をいただきたいと思っております。詳細についてはまた御連絡させていただきたいと思います。
 以上でございます。

○村松委員長
 それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の第28回の会合を終わります。本日はありがとうございました。

〔了〕


 また、本委員会終了後、松田臨時委員から厚生労働省所管独立行政法人の概要等に関する追加の質問があり、その内容と厚生労働省からの回答資料を委員に報告したので、本議事録に追記する。

(松田臨時委員追加質問)
 新設独立行政法人の中期目標、中期計画については、特殊法人等改革推進本部参与会議から種々の指摘を受け、各府省はその指摘を踏まえて目標等を策定したものと聞いているが、今回説明の独立行政法人については、これらの指摘に対して具体的にどのような対応措置をとったのか教えてほしい。

(厚生労働省回答資料)(PDF)




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