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政策評価・独立行政法人評価委員会 (第5回) 議事録

(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会及び独立行政法人評価分科会の合同)


  1. 日時 平成13年5月25日(金) 14時00分から16時30分

  2. 場所 中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

  3. 出席者
    (委員会)
     委員    村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理・政策評価分科会長、
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子、
    永井多恵子
     臨時委員 宇賀克也、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、黒川行治、黒田玲子
     専門委員 翁百合、木村陽子、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志
    (総務省)
             塚本行政評価局長、熊谷官房審議官、鎌田行政評価局総務課長、
    新井政策評価官、高野評価監視官ほか

  4. 議題
     (1)各府省の政策評価の取組状況について
     (2)諸外国の独立行政法人類似制度について
     (3)その他


村松委員長
 時間がまいりましたので、これより第5回政策評価・独立行政法人評価委員会を開会したいと思います。
 議事に先立ちまして、竹中委員でございますけれども、先月の26日付で経済財政政策担当大臣に就任されまして、これに伴いまして当委員会の委員を辞職されることになったということで御報告申し上げます。
 それと、私は、前日の夜、学会の国際交流でへとへとになったものですから出席できなかったんですが、21日にこの委員会の勉強会が行われて、非常に密度の高い議論をなさって有効な勉強会であったということを詳細に伺っております。出席できなくて、私、大変に残念に思っております。また必要に応じてこの種の勉強会、ほかの名前で呼んでもいいと思うんですけれども、また事務局にやってもらいたいという感想を持った次第でございます。
 そこで、本日の議事に入るわけでございますけれども、本日は、各府省の政策評価の取組状況と、諸外国の独立行政法人類似制度について議題としているわけでございます。
 まず、「各府省の政策評価の取組状況について」の議題に入ります。本件につきましては、事務局から各府省の取り組みの概要説明と、これに対する皆様の御質問、御意見などを伺って、その後で財務省、農林水産省、防衛庁の3つの省庁からヒアリングを入れ替え方式で行うということを予定しております。
 それでは、最初に各府省の政策評価の取組状況の概要について、事務局から御説明いただきたいと思います。
新井政策評価官
 それでは資料1「各府省の政策評価の取組状況について」に基づきまして、概略を御説明させていただきたいと思います。1ページ目が各府省における実施要領、運営の方針等の策定状況ということでございます。枠囲いで標準的ガイドラインの抜粋をつけてございますが、これに基づきまして、まず(1)政策評価の基本的な手続、手順等を規定した実施要領を策定する。さらに(2) 実施要領を踏まえ、各年度の政策評価の計画的な実施に係る具体的な運営の方針を定めるということで、本年1月15日に標準的ガイドラインが決定され、それ以降、順次作業が進んできております。
 総括表で簡単に御説明させていただきたいと思いますが、まず実施要領、策定済み16府省、策定予定1省ということで、これは外務省でございますが、今決裁中でございまして、5月中には策定予定ということでございます。実施要領はどういう中身が書いてあるかと申しますと、各省によってバラツキはございますが、政策評価の目的、政策評価の方式とその対象、政策評価を実施する体制、あとは実施のスケジュール、評価の計画とその結果、またその公表、それから反映の取り扱い等々が実施要領の中で規定されているものでございます。さらにそれをブレークダウンしたものといたしまして、総括表の真ん中ですが、運営の方針があり、これは策定済みが10省ということで、ほぼ半数程度が策定を終えている段階です。実施の手順、具体的な目標、それから結果シート等が大体この中に盛り込まれております。
 次に、3ページを見ていただきたいと思います。今申し上げました評価の実施体制を一応概略ではございますが、組織図としてつけているものでございます。これは政策評価の担当組織というものが大体各府省の大臣官房に政令職で置かれていると御理解いただきたいと思いますし、大体体制も整備がなされたという形になっている次第でございます。
 次に、6ページをごらんいただきたいと思います。政策評価について、その対象と方式について整理したものでございます。標準的ガイドラインでは、標準的な3つの評価の方式を示しております。これは既に御説明申し上げたところでございますが、事業評価、大体事務事業を対象とした評価、事前に評価を行って途中・事後で検証していく。それから実績評価、これは主要な政策分野を対象に大体中長期的な目標を立てまして、それへの達成状況を毎年チェックしていくというような方式でございます。総合評価は特定のテーマをとらえまして、かつ総合的に評価を行っていくというような仕組みでございまして、大体各府省この3つに分けて実施をしていくこととなっている次第でございます。
 簡単に下の表で見ていただきますと、一番上にございます内閣府をごらんいただきますと、事業評価の対象が公共事業、研究開発、ODA、規制、国の補助事業等ということで、これはガイドラインに、既にこういった事業について逐次取り組んでいくというような整理になっているものがその対象として取り上げられております。以下同じように取り上げられておりまして、やはり新規に行う事務事業もかなり広く取り上げるということで整理がなされているところでございます。
 次に、実績評価でございますが、内閣府で見ていただきますと、内閣府本府の所掌する施策等ということで、以下についても見ていただきますと、それぞれの省の関係する政策分野を網羅的に実績評価という方式で行っていくこととなっております。評価の中では一番ここが中心となって、取り組まれていくと思っております。
 総合評価、これも内閣府のものを見ていただきますと、特定のテーマということで、各省についても特定のテーマについて実施していくということでございまして、省庁によっては既にテーマを決めて公表しているところもございます。
 各府省の中で、少し異質なのは、7ページ中ほどを見ていただきたいと思います。経済産業省はこういう3つの方式というような分け方ではなくて、1つの方式で経済産業省の政策全体を見ていこうという仕組みになっておりまして、読み上げますと、「予算・政策金融・税制などについて事前評価を実施。要求のタイミングや国会審議の終了等に公表を行うこととしている。施行過程においては、設定した指標を用いてその達成状況などを計測。事後評価においては、設定した指標の達成度を検証する通常の事後評価のほか、分野によって重点的かつ実証的に評価を行う重点評価も行う」ということです。
 基本的には、これらの方式は今回行政評価法の枠の中で当然とらえられるものということで、最初に書いています標準的ガイドラインでも、「その際、3つの標準的な評価方式の主要な要素を組み合わせた一貫した仕組みにより評価を行うなど、実態に即した取組が可能なものとする」ということで、各府省の対象となる政策によりまして、いろいろなやり方をそれぞれで考えてやっているということでございます。
 今後の取組ですけれども、スケジュール的には大体概算要求が8月31日ということで、政策評価そのものは予算に反映させていくということで、6月とか8月までに評価を行いまして、それをもとにして、企画立案をしていく。ですから評価の公表も大体6月から、場合によっては秋になるかもしれませんが、そうしたタイミングで基本的には動いていくということで御理解いただきたいと思います。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
村松委員長
 どうもありがとうございました。そういう状況でございます。御意見、御質問がございましたらどなたからでもお願いしたいと思います。
 私から、ちょっとお聞きしたいと思ったんですが、経済産業省が独自のやり方をしているわけですけれども、ごらんになっていてどうでしょうか。長所というのはどこに感じられますか。
新井政策評価官
 経済産業省がなぜこのようなことをやるということにしたかという趣旨は、私が承知している範囲内なんですが、要は経済産業省の政策というのは割と政策のタームが短い。経済関係を持っておりますので、一つの制度ができると、ずっと同じ制度を続けていくというものではなくて、かなり短い間に見直しをしていく。そういうふうに仕組みを動かしていく、そういう仕組みに対応するためには、やはり一貫して事前評価をやって、モニタリングして事後評価で次の政策につなげる、事業評価がまさに事前評価をやって、モニタリングして事後評価というような仕組みでございますので、そういう意味では施策にマッチしたやり方になっている。
 しかも、ここで書いてございますように、事後評価については分野によっては重点的かつ実証的に評価を行う重点評価も考えているということで、いわゆる総合評価にも該当するというようなものなのかなと。ほかのところで言いますと、事業評価というのは新規事業すべてについてやるという仕組みにしていませんが、経済産業省は、予算・政策金融・税制など自分たちが予算要求するものは基本的に事前評価をやるということで、ある意味では割と重たいやり方を考えているとも言えるのかなということでございまして、経済産業省としては自分たちの政策にマッチした評価を行っている。ですから、政策の前提のタームがかなり長い部署になりますと、こういう方式ですべてをやっていくというのは、政策評価のコストとの関係とか、全体のトータルとしての資源配分の関係では、少し重いやり方にならざるを得ないということで、そこのところは、これからこれの実績もいろいろ出てきた中で評価をしていく、そういう問題かなと理解しております。
村松委員長
 どうもありがとうございました。どなたかほかに御意見ございますでしょうか。
木村専門委員
 それでは、ごく簡単な質問ですけれども、内閣府と総務省の事業評価でまるで項目が一致しておりますけれども、これはどういうふうに判断すればよろしいですか。
新井政策評価官
 これは、標準的ガイドラインを策定したときに、どういうものが対象になっていくのかということで整理し、まずは現に動いている公共事業、研究開発、ODAは今やっているものを改善しながらやっていこうと。次に新しく今問題になっている規制ですとか、国の補助事業、こういったものにもどんどん事前評価を取り入れていこう。さらに他の分野についても、新規事業についてもやっていこうというようなことで整理をしておりましたので、まさにガイドラインで示した事業評価の枠組みを内閣府なり総務省は、そのまま取り入れているということで、同じような記載になっていると御理解いただければと思います。
村松委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、特にないようでしたら、現状についての御紹介というか、勉強したということだろうと思います。
 続きまして、財務省の取組状況についてヒアリングを行いたいと思います。本日は、財務省大臣官房文書課の片山政策評価室長に御出席いただいております。財務省による政策評価の取組状況につき、説明を15分ほどしていただいた上で質疑応答を行いたいと思います。
 片山室長、よろしくお願いいたします。
片山室長(財務省)
 御紹介にあずかりました財務省の政策評価室長でございますが、お手元に取組状況という資料を2種類用意しておりますので、それに沿ってできるだけお時間どおりに説明したいと思います。
 財務省は、政策評価制度を財務省の新しい行政のツールと位置づけまして、積極的に活用する方針でございまして、1月6日の新省庁への移行と同時に、納税者としての国民の視点に立ってという使命のもとに、所掌事務を漏れなくカバーする48の目標等を設定した実施計画をこの3月30日付で13年度スタートに間に合うように策定いたしたところでございます。
 財務省の特徴といたしましては、各府省の政策評価の結果を財政当局として適切に活用していくという方向がございまして、また、できるだけ財務省の段階でも客観性を持たせることを重視しておりまして、外部の有識者の方々の委員会にお諮りすることや、パブリックコメントなども積極的に活用しているところでございます。
 財務省の使命でございますが、ここに書いてございますように納税者としての国民の視点に立つという部分で、財務省がほかのスペンディングミニストリーと異なりまして、予算の査定や税金の徴収などの仕事を担い、納税者が支払った税金が有効に使われているかという視点に立つ官庁である点を皆様に御理解をいただけるように明確にしたところでございます。これをパブリックコメントにかけましたところ、回答者の96%強の方に御賛同いただいたところでございます。
 政策の目標につきましては、資料の1ページ目に横表「財務省の使命と政策の目標」というものがございます。この目標は全部で48あり、その中に総合目標というのが1から9までございますが、これが我が省の特徴でございまして、マクロ経済官庁でございますので、こういった全省を挙げ、かつ関係機関と連携して取り組むような財政経済運営の課題を外すことはできないということで、このような目標を挙げております。その右にあります政策目標の1、2、3、4、5、6というのは、設置法アプローチと申しますか、財務省の各局の仕事に対応するような形で分類してございまして、「健全な財政の確保」ですとか、「適正かつ公平な課税の実現」等の大括りによって、政策分野を整理しております。
 さらに組織運営の方針というのが右下にございますが、ここを強調しているのが財務省の特徴であるのかなと思うわけですが、組織運営の方針として、政策評価の積極的な活用ですとか、そういったことを1から5までの目標として掲げているところでございます。
 実施要領につきましては、先ほど各省比較における御説明がございましたけれども、実施要領の方も資料につけておりますが、目的といたしましては、財務省の取組状況の1ページ目にも同じものが載ってございますが、財務省の使命、政策等を国民に明らかにし、アカウンタビリティーを果たすこと、質が高い成果重視の行政を目指すこと、組織の活性化に役立てること、さらに財務省の特徴として、財政当局としての活用ということの4本を柱に挙げております。
 3月30日付で策定いたしました実施計画でございますが、これは全体で400 ページ超もございまして、今日の御説明は時間が短いということでお持ちできませんでしたが、御関心のある方にはいつでもお送りさせていただいた上、御説明させていただきたいと思います。
 目標に加えまして、指標等を設定しておりまして、資料の3ページ目及び4ページ目に具体的にどういうターゲットにどういう指標があるかということを簡単にまとめた表がございます。48の目標等のうち、13の主に実務的な国税、税関、国有財産・国庫管理等の分野については、具体的な数値目標、業績指標を設定しておりまして、その具体的な例が資料4ページ目でございます。通関の時間ですとか、利用者満足度ですとか、国有地売却ですとか、そういったところに数値目標を設定しております。残りの33につきましては、経済政策的なものが多いので、数値目標が設定できているものが非常に少ないんですけれども、代わりに参考モニタリング指標という概念を考案いたしまして、私どもこれらの政策を執行する上にどのようなものを見て、参考としてよりどころとして仕事をしているかということが国民にわかりやすいように、すべて掲載しているということでございます。
 また、財政経済運営に係わる目標、指標につきましては、社会経済情勢の変化等により、政府全体の大方針が新たに設定変更されるということがあれば、同一年度内でも修正するということを実施要領の中に明記しております。例えば、財政構造改革に関する政府全体の方針等は、私どもが1月に使命を設定いたしました段階と、2月の当時の総理の施政方針演説の段階と、今般新しい内閣になりました段階で、これは着実に変更しておりますので、それに応じて変えていくということを考えております。実績評価を中心として取り組んでいるということは、他省庁と同じですが、政策官庁としては総合評価も非常に重要だと考えておりまして、13年度の実施計画では、「我が国の財政の現状と課題」「我が国のアジア通貨危機支援」、税関、国税のIT化が平成15年度に入ってまいりますので、「電子政府の実現」「セーフガード、アンチダンピング等の特殊関税制度」の4つを考えております。
 事業評価につきましては、財務省は直轄の事業は非常にわずかでございますが、引き続き政策評価の実施の中で、検討を行っていくということでございまして、独法化いたしました酒類総合研究所につきましては、研究開発について既に事業評価は実施しておるところでございます。
 スケジュールにつきましては、予算のシーリングに合わせてということをお考えの省もおありになるかと思いますが、私どもは年度ごとということを原則にしておりまして、今回の実施計画は14年3月までということで、その後内部的な手続を経まして、評価は6月末を目途として策定、公表いたしたいと考えております。
 公表方法につきましては、ホームページへの掲載もございますが、今回の実施計画は大部にわたるものですから冊子化いたしましたし、更なる広報も考えておりますので、そういったハードコピーのものと、インターネット上のものと両方併用してやっていくということになるかと考えております。
 実施体制でございますが、資料の方にもございますが、客観性を持たせるということが今回要求されているところではないかと考えております。その中で資料6をごらんいただきますと、政策評価の実施体制図という流れ図がございますが、まず政策所管課は、所管する政策について自らの評価の原案は作成いたしますが、1次審査はその手を離れまして、各局の総務課等に行わせる。さらに中央省庁等改革法上義務づけられた政策評価室という専担組織でございますが、これは各局の総務課等が審査した評価の案の2次審査を行います。さらに、省内に事務次官以下、全局長級で構成されます財務省政策評価委員会を設置いたしまして、総合的な観点から調整いたします。
 さらに省内のみの議論では客観性に欠けるということもございますので、さらに評価の質を高めていただくためにも、財務省の政策評価の在り方に関する懇談会を開催いたしまして、外部の方の御意見を聴取した上で、大臣、副大臣、政務官というレベルで政策決定をしていただくということにしております。懇談会の方は既に昨年10月に経団連財政制度委員長の西室泰三氏を座長として発足しておりまして、今般つくりました計画等は、全て懇談会の議論を経て決定したものでございます。実際に評価をしていくときの細かいマニュアルづくりは、まだ現段階では完成しておりませんが、評価において一番難しいのは、減点主義というか、無謬の原則というようなものをどう克服するかであり、各省共通の悩みと思われます。私どもも内部で半年議論いたしまして、その点を一番痛感いたしました。要するにマイナス評価を恐れるために、高い目標を設定しなくなる、あるいは目標を具体化しなくなるということで、恐らくどの組織でも出てくる問題です。そこで私どもは、必要性や、効率性といった重要な基準とは別に、基本的方針として、実績評価においては目標の達成度、成果だけではなくて、目標を達成するための事務運営のプロセスが適切であったか、有効かつ効率的であったか、それから成果云々だけでなくて、成果をきちっと分析、特に目標が達成できなかった場合に分析し、反省点を把握しているということを的確に行っているか。また、さらに当該政策自体の改善の提案、それから政策評価のPlan・Do・Seeのシステムを、その政策に当てはめていく上での改善点について有益かつ積極的な提言がなされているか等を評価するということをあえて実施要領の方に明記したところです。
 さらに、私どもも政策評価に関する質問をいろんな場で受けるわけでございますが、それは予算等への活用ということで、財政当局という特殊な立場で私どもがあるということもあると思いますし、政策評価の標準的ガイドライン及び現在審議中の政策評価法におきましても、財務省が財政当局となっております分野、予算ですとか、税ですとか、財政投融資等におきましては、予算編成などの過程において、各府省の政策評価の結果の適切な活用を図るように努めるということが要請されているところでございます。
 ですから、このことを財務省の政策評価の目的の一つにも挙げているわけでございますが、御理解いただきたいのは、予算の編成事務自体は今回の政策評価の対象となる政策ではございませんで、それは作業でございまして、予算編成自体は財源との関係がございますし、与党との調整プロセスなど非常に多様な要素を踏まえて、総合的な判断に基づいて決まってくるものでございまして、私どもも、諸外国における制度も大分調べさせていただきましたが、既に政策評価制度の導入を行っている外国においても、政策評価の結果が機械的に予算配分額に直結しているという制度はどこもとっていないということにも留意が必要と考えております。
 具体的に私どももトライアルに着手しておりまして、既に昨年(平成12年)夏の平成13年度予算の概算要求に際しまして、予算、税・財政投融資の担当部局が、各省庁に対して、施策の意図、目的、必要性、手段の適正性、達成効果、達成時期などに関する資料を添付するようにお願いしたところでございまして、7,000枚ぐらいの書類をいただきました。しかしながら、今回出していただいたものは、私どもが従来目にしていた、いわゆる要求書と余り変わらないものであったという事実がございます。ですから、この制度自体が走り出したばかりなので、各省庁の客観的なスキルが整うのにどのぐらいかかるかという現実を認識しなければなりません。大体要求する側の立場は、多々ますます弁ずになるのが当然でございまして、それに対して、私どもは納税者の視点ということでそれを調整させていただく役割でございますので、その両者が全く同じ基準でものを見るわけではないので、だから話し合いの意味もあるわけです。よって、政策評価で固めた結果を各省が持ってきて、それが機械的に導入されることが予算への活用だという、今はそのような誤解はほとんどないとは思いますが、そもそもそれは余り論理的にも意味のあることではないのではないかと考えております。ただ、私どもも予算の質の向上ということを言っておりまして、財政の質や構造を変えていくということについては今や政府としてコンセンサスがあると考えておりまして、私どもの「健全な財政の確保」という目標の中にも、重点化、質の向上、効率化ということを挙げています。そういったことを行っていく上では、やはり政策評価的なアプローチは非常に重要と考えておりまして、主計局内にも専担組織を設けて鋭意検討しておりますが、何分にも今回出てきたものが、各省、各部局により余りにも精粗まちまちでございましたので、今後の具体的な活用のためには、財政当局の方でも鋭意検討する必要があり、ぜひ今後その結果を見守っていただきたいと思っております。
 最後にせっかくの機会ですので、申し上げさせていただきたいのですが、今後法案が成立いたしますと、それに基づく基本的方針というものがつくられ、この会でも審議されると承知しておりますが、私どもも政府全体としての取り組みにぜひ積極的に協力したいと思っており、今までにも御意見をいろいろ申し上げておりますが、今まで私どもは総務省さんから伺っている限りでは、標準的ガイドラインのうち法案に規定されなかったものを主たる内容として基本方針とするということでございますが、各府省の政策評価へのインセンティブを維持していくということがこの制度の永続には非常に大事だと思っております。私どもの役所でも400 ページの評価計画をつくるために、最後は徹夜状態になりまして、全省的な残業時間を増やしているという御批判をいただきましたが、すべての役所で、そのようなことがあるということでございますので、行政改革の理念に基づきましても、これから定員は減る一方で増えることはないわけですから、過重なペーパーワークですとか、作業の重複というものは絶対に避けなければいけないということでございまして、府省によって所掌する政策の特性は非常に違うわけでございますので、その取組方の違いをよくお考えになった上で、取組のインセンティブを阻害しないような形で、そういったガイドライン的なものをお考えいただきたいと思いますし、前広に私どもも含めて他省庁の意見も聞いていただきたいと思っております。
 また、総務省さんの方で各府省に横断的な行政制度、システムに係る政策の統一的な評価ということをお考えでございますが、これについてもできるだけ具体的な基準を基本方針の方で明らかにしていくというお答えを総務省からいただいておりますが、財務省といたしましても、今具体的に挙げられている特別会計ですとか、補助金ですとか、政府関係金融機関といったところについては、財政法諸法、特別会計法諸法を所掌をする立場等から、総合的な観点で見るという仕事を既にしてきておりますし、そういったところも財務省の政策評価の対象になっておりますので、作業が無駄にならず評価の重複を避ける形でお願いしたいということを今まで申し入れてきておりますし、総務省さんからもそれについて御理解をいただいていると認識しておりますので、ぜひ委員会での検討におきましても、このような点を踏まえていただきたいと考えております。
 お時間が限られておりますので、非常に簡単な御説明でございますが、私の方からは以上でございます。ありがとうございました。
村松委員長
 どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、質問などがございましたら、どなたからでもお願いいたします。
樫谷委員
 最後にちょっと言われました特別会計と財政法ですか、それが政策評価の対象になっているということ。聞き間違いかもわかりませんが、具体的にどういうことなのか少しお話しいただきたいと思います。
片山室長(財務省)
 特別会計制度の活用状況ということでございますが、政策目標の「健全な財政の確保」の下に幾つかの小目標があるわけでございます。当然毎年度の予算の調整が適正に行われるということは、私どもの任務であり、目標でございまして、また所掌事務上も国の予算、決算及び会計に関する制度の企画及び立案並びに事務処理の全省的な統一に関する事務というのが財務省設置法4条で規定されておりますので、私どもはその所掌事務すべてを何らかの形でこの48の目標に分類しているという認識でございます。もちろん特別会計につきまして、毎年度のように改正が行われて、それが非常にメインターゲットになるという状況に今ではないわけですが、現実には会計制度やバランスシートについての動き等もございますし、これからそういったところについて、私どもも勉強しろと言われておりますし、実際そういうことをしておりますと、そういったことが具体的に目標を俎上に、さらに書き込まれてくることになりますので、そういった意味で具体的には1−4というところに含まれているというふうに考えているわけでございます。
 特別会計制度というのは、設置を認める以前で、事業収支が明確であるかですとか、区分経理の必要があるか、あるいは受益と負担の関係が明確であるかというところを審査いたしまして、それがだめであれば、特別会計の設置は認められないということになるわけでございます。ただ、既に存在しているものについて、ポイント、ポイントでもう少し注意したらいいんじゃないかということはあるでしょうし、財政的な視点と行政的なマネジメントの視点というのは違うと思いますので、そのようにうまく分類すれば作業の重複がないのではないかと考えておるところでございます。
村松委員長
 樫谷委員よろしゅうございますか。
 ほかにいかがでございましょうか。
竹内委員
 竹内と申します。よろしくお願いします。
 財務省のこれからの大きなテーマは財政、特に歳入の面をどういうふうに考えていくかということでございますが、現実に政治的な意味で歳入がすぐ急激に動かせるような状況ではないというふうに考えますと、どうしても出る方のマネジメントをかなり優先的にやっていかないとなかなか歳入の方が、つまり納税者が納得して税金を払うというインセンティブがどんどん低下してしまうということで言いますと、私の基本的な認識としては、使う方の歳出についての、各省からいろいろな予算案が上がってくると思うんですが、どの程度まで精査し、どの程度まで事後的に予算規模が妥当であったかということをフォローできるのかということについて常に基本的疑問を持っているわけです。予算が正しかったかどうかは事後的にしか評価できない。つまり予算年度が終わったときに、その予算が正しい評価で予算が計上されたのかどうかということは、決算が何らかの形で違った形で出てこないと評価がしにくい。決算がオーバーしたのか、あるいはへこんだのか、こういうふうなマージンが出てこないと結局予算どおりにお金を使いましたということは、効率指標とは言えないわけで、それに使ったかどうかの効率指標以外の指標、つまり予算の積みは正しかったかどうかということについて、各省あるいは各局、各事業、どの辺まで財務省としては追えるのか、その辺についてお伺いしたいんですけれども。
片山室長(財務省)
 先生のおっしゃることは、財政構造改革に係る根源的なテーマでございまして、また財政審議会等でも長らくこういったテーマを、視点を変えて議論しているわけでございますが、今般、政策評価制度が入ったということで、各省がアウトカム的な目標を掲げるようになれば、次の年は実績が出てくるわけです。それが明らかに予測したレベルに至っていないということになれば、プランか執行かどこかに、広い意味での実行性の問題があったということなので、そこでより強く、質の向上とか重点化、率直に言えば要らないものは要らないと言いやすいということにはなると思います。今までもそういうことを全くやっていないかというと、新規事業の要求には必ずそういった見通しを要求書につけていただいておりますし、また新規事業としても全くルーツがない新規事業というのは、私が承知している限り余りございませんで、衣替えのようなものが多いわけでございます。前のやり方ではどういう効果が上がっていて、何がだめだから今度は新しくここを変えてやるのか、あるいは何ゆえにそれを増額したいのかというところを予算の査定の過程で、秋にかけて喧々とやるわけでございますので、そういったポリシーの議論はしていたんですが、それが今回制度化されたということですから、さらにもっとわかりやすく言っていくことはできるわけでございます。今のように歳出圧力が強い中で、歳入がない状況では、財政当局は納税者しか味方はいないので、こういったツールを入れていただくのは非常にありがたいと思っております。
 そういう意味では、これが入ることによって多少ワーク的にはきつい部分もございますが、はっきり効果の出ない政策は要らずに、効果のあるものに注力するということが言いやすくなるのは事実でございます。ただ、昨夏第1回目の調書をとってみましたところ、出てきたものの中で、それが言えるような具体的なターゲットが設定できているものが余りにも少ないものですから、それではいけないと考えております。先ほど御紹介した外部の専門家の懇談会でもいろんな御意見をいただいておりまして、各省庁はアウトプットで目標を出してくるんでしょうと、財務省はそれをもっとアウトカムで見たらどうですかと。やはり今、道路が非常に話題になっておりますが、道路の計画ではボリュームで計画をつくることにどうしてもなるわけです。もちろん、最近はいろいろな工夫がなされていて、混雑ポイントがどうなっているとか、時間の短縮ということも挙げられておりますが、基本的には金額とボリューム・長さになってくるんですが、私どもは必ずしもそれをそのまま是認する必要はなくて、別の「効果」の切り口で切っていってもいいわけでございますので、そういったことを考えてやっていきたいと思いますし、今後財政構造改革ということについて、経済財政諮問会議の基本方針とか、その後の内閣の方針で大きな方向が出るわけでございますが、コンセンサスとしては、先生がおっしゃったような中身を見直すということについては、恐らくだれも異論がないところで、その中身を見直す意味で、よりそれが合理的に国民に見えやすくなるように、これを使っていきたいという方針はあるところでございます。どこまで細かくできるかにつきましては、それはまさに行革の折から、私どものワークフォースと、予算要求官庁さん側のワークフォースを考えますと、現状を大きく変えるようなことができるかどうかというのはございますが、その限りではできるだけポイントを効果的に見るようにという努力はしております。ただ、そうして予算を付けた後でも常に使い残しの問題ですとか、点検での無駄の発見がありますから、そういったところを検査院や行政監察に補っていただいている部分は今までも多大にありまして、そういう政府全体の努力で行政コスト削減というのをやっているわけです。ただ、結果が、先生方からごらんになって御満足いただけるようなものかどうかについては私どもも常に反省しなければなりません。そのような状況が現状かなと思っております。
田辺臨時委員
 1点お伺いしたいのですけれども、実績評価の中で、例えば内閣の交代等による政府全体の方針の変更によって年度内でもローリングを行うということがうたわれております。財務省さんの場合には、政府との関係、政治との関係でパラメーターががちっと入ってこないと難しいところがあると思うんですけれども、例えば本年度に関しましては、30兆円という具体的な数字が出ておりますけれども、あれをどういう形で入れ込むのか。入れ込むとすればどの時期に、例えば財政諮問会議のあれが出たときなのか、それとも、年度末すれすれの12月の予算のときぐらいまで引き延ばしてしまうのか。そのスケジュール等に関して何か見通しがあるのでしたらお伺いしたいと思いますけれども。
片山室長(財務省)
 まさにこの4月、5月に大きな政府全体というか、国全体での方針の流れの転換がございまして、既に施政方針演説でも国債発行30兆円以下ということと、プライマリーバランスを中長期的に重視するということを総理がおっしゃっておりますし、財務大臣の発言・方針にも入れられておりますので、それはある意味では内閣において是認された方針になっております。ですから、これを何らかの形で入れ込むということは考えておりますが、状況がまだ今も動いておりまして、6月において経済財政諮問会議である一定以上の方針が出ると私どもも期待しておりますし、そのように総理もおっしゃっているということで、どの時点で切って入れるかがタイミングとして難しいんですが、シーリングも含めて夏頃までには整理するということになるのではないかと思っております。見通しにつきましては、確定的に、例えば3か月ごとに見直すというようなルールはあえて入れなかったのでございますが、結果的にこういう動きになって、それは入れなくてよかったのかなと思っておりますが、私どもの政策の宿命としてそうであり、その節目はどこかで整理するということで、今回は先生がおっしゃったようなことも一つの節目かなと思っておりますが、まだ決定はしておりません。決定いたしましたら、すぐネット上で公表するということになると思います。
村松委員長
 もう一人ぐらい時間があると思うんですが、丹羽さんどうぞ。
丹羽委員長代理
 実績評価と事業評価、あるいは政策反映の仕方についてちょっとお伺いしたいのですが、私は民間ですから、民間の場合、1つの事業あるいは政策を所管する部署は、あらかじめやっている人たちがこういう数値目標ということを全員が納得していく必要がありますね。その結果において、もし結果が出ないときはこういうリターンがあり、こういうマイナスがありますよということをまた納得させないと、勝手にこちらで決めて、暗闇の中で評価して結果だけ出すというわけにはまいらない。この政策所管部署が今おっしゃるように、数値目標についてはある程度はっきり出していけるということがありますが、数値目標化できないようなものについては、やはり結果が出たときにどういう形でリターンなりマイナスなりがあるのか。次の政策への結果反映というのをどの程度行うのかということも、やはりやっている政策所管部署がきちっと認識していく必要があるのではないか。そうしませんとやりっ放し、言いっ放し、政策の立てっ放しで一体何のためにこれをやっているんだということになるわけでありまして、膨大なる税金の無駄遣いをやっているに過ぎないことになるわけですから、その辺については、少なくとも政策所管部局は、数値目標にしろ、あるいは政策目標にしろ、きちっと認識をして、もしそれがだめな場合はこういうことになるんだということを、明確に言えないにしても、ある程度の道筋を皆さんが納得した上でこういう事業を進めないと、無駄な作業を全員でやっているということになりかねないのではないか。その辺についてはどういうふうにお考えですか。
片山室長(財務省)
 現在、私どもは総務省さんのおつくりになったガイドライン及び今回の法律の枠組みでこの制度を実行しようとしておりますので、今おっしゃったような観点から見ますと、評価結果について機械的にすぐリターンや信賞必罰があるというような仕組みにはなっていないわけです。また、評価結果が人事に直結するというシステムにもなってはいません。諸外国でも完全にリンクしているところはないという話も伺いますが、イギリスなどは個人の目標が既にあって、それの総体が組織の目標になっているということで、今般、人事院及び行政改革本部の公務員制度改革の方で信賞必罰ですとか、目標の設定ということを掲げられておりますので、中長期的にそちらの側からそういう方向に行くのであれば、それとこの政策目標とが相矛盾するものであってはならないわけですから、今おっしゃったことへのお答えというのは、非常にシンプルになると思うんですが、現時点では全くリンクしていないものと私どもは承知しております。懇談会におきましても、企業経営者の方にたくさんメンバーに入っていただいておりまして、その方々からやはり人事とリンクしないとこれは続かない制度になる、あるいは、せめてマネジメント上何らかのプロフィットがある形にしないともたないであろうというご意見もいただいたんですが、そこについての結論は出ておりません。
 ただ、私どもが計画を比較的早目に公表いたしましたところ、既にその内容についてちゃんとやっているのかという質問が国会等で出ておりまして、公表するということの意味が公務の場合は非常に大きいと実感しています。くだらない目標であったり、あるいは目標でいいことを言っているけれども、実態が伴っていないということになると、すぐにリアクションがまいりまして、結局そのセクションの人間の過重な負担になってくるわけでございます。まさにそれがこの制度のアカウンタビリティー重視の意味なのかなと思うんですが、そういう意味では、まさに私どもの姿を国民に映す鏡として、そのリアクションがよくなるように努力するということをインセンティブにしていくというツールしか今はないのでございます。それ以上のところまで行くのかどうかというのは、政府全体の大方針で決まるのかなと思っております。お答えになっているかどうかわからないのですけれども。
村松委員長
 時間を実は超過しているんですけれども、山谷委員がお手を挙げになっていたものですから、短くお願いします。
山谷専門委員
 では、簡単に1点だけ。仕事の重複をなくすということで、財政的なマネジメントと行政的な、あるいは行政管理的なマネジメントを分けるというお話をされたんですけれども、具体的なイメージがわかないので、もしそういうものがあるとすれば、具体的にどういうことをお考えなのかを教えていただきたいのですが。
片山室長(財務省)
 具体的には、各省庁さんの施策が財政上適当であるかということについては、その予算がつく時点で、私ども一義的には判断しているのでございます。ですから、そういう意味では事前の判断をそこでしておりまして、恐らく予算の作成ですとか、財投の編成自体が政策評価から外れているというのは、単に事務であるからというところもあると思うんですが、そういう意味もあるのかなと思います。具体的に私どもがその問題があるなと思いましたのは、特別会計と民間に対する補助金ということについて、総合的な観点から評価の対象とされたいというふうに総務省さんが挙げてこられたときでごさいます。その場合、財政上無駄があるか、あるいは財政制度上、こういったものが認められるかについて、最近は統合化を進めるとか、スクラップですとか毎年のように公表しているわけで、私どもも政策目標及び指標の中に入れているわけでございますが、それと同じアプローチを行政管理の方でなさっても、それは重複になるので、その別の部分として、例えば使われ方や交付の仕方について、納税者サイドから見て均等ではないとか、偏っているとか、マネジメントがおかしいというところがあるわけでございます。往々にしてそういった面が金の多寡以外で行政の評判を決めているところが多大にございまして、そのあたりは私どもも見るようにはしておりますが、見きれないわけです。そういった部分と、純粋に金の費用対効果から見て、無駄があるかないかという部分というのはやはり分かれるのではないかというふうに思っております。これはたしか山本先生から伺ったんだと思うんですが、ニュージーランドにおきましても、そういったチェックを財政当局と行政管理当局が各々別の観点からやっておられるということを当時教えていただきまして、そういうことが現実には可能なのかなと考えております。限られた人員で仕事をしていく上では、そういう工夫が必須であると思っております。
竹内委員
 1つだけ。お答えはどちらでもいいですけれども、民営化の話が出ていまして、やはり制度の代替案として、現在の予算制度以外にイギリスなどは民営化した方がいい場合のPSC(パブリック・セクター・コンパレータ)みたいな大蔵省がやっている。つまり、各省庁ではなくて、もっと大局的によりよいパフォーマンスは民営化した方がいい。つまり、制度、経営形態を変えた方がいいというようなことも含めてやっている例があるので、同じことをやる必要はないと思いますが、その辺の視野はぜひ今後入れていただきたいと思います。
片山室長(財務省)
 コスト分析というのを財投機関については始めたんですが、これはコストだけでベネフィットの方は見切れていないので、さらに努力するというつもりでございます。また政府全体で特殊法人を12月までにレビューするという動きになっておりますが、長年のことがございますので、簡単に結論が出るもの、出ないものがあると思いますが、そういった検討に私どもも積極的に協力しているところでございます。
村松委員長
 それでは、このぐらいにさせていただきたいと思います。片山室長どうもありがとうございました。
 続きまして、農林水産省大臣官房企画評価課の大内調査官に御出席いただいていますので、よろしくお願いいたします。農林水産省における政策評価の取組状況について御説明をお願いいたします。
大内調査官(農林水産省)
 農林水産省の官房企画評価課調査官をやっております大内と申します。よろしくお願いいたします。
 まず、資料につきまして若干厚くなっておりますけれども、資料3についております政策評価の概要、この中身につきましては、今、総務省の方、それから財務省の方で御説明されました中身を農林水産省としてどういうふうに整理しておるかということでございまして、若干の点についてまた後で御説明申し上げますけれども、とりあえず、脇に置いていただいて、次に見ていただきたいのは、食料、農業、農村の基本計画でございます。これは、平成11年に公布、施行されております食料・農業・農村基本法、これに基づきまして、平成12年3月24日閣議決定された食料・農業・農村基本計画です。これが今の農林水産省の農業関係分野における施策の体系と数値目標を書いております。これは定量的な目標を記載しておりまして、右側に書いてございますとおり、施策の基本方針、自給率の目標、それから総合的計画的に講ずべき施策ということにつながっております。
 1ページといいますか、その中を開いていただきますと、食料自給率の目標ということが書いてございまして、右側を見ていただきますと、例えば供給ベースで平成22年目標45%と書いてございます。それはそれぞれ品目別の食料自給率目標ということで、数字として落としたものがございます。これについては、すべて食料自給率でございますので、消費何トン、生産何トンという形で数字については個別に記載されております。今回実績評価について御説明申し上げようと思ってきておりますけれども、実績評価におきましての目標数値、先ごろいろいろございましたとおり、高くつける、低くつけるいろいろございますけれども、我が省といたしましては、この閣議決定に基づいた数値というものがございますので、これをそのまま目標に置くということを多くの分野において実施しております。
 資料を1枚飛ばしていただきまして、「未定稿」と書いてございます、平成12年度農林水産省政策評価結果公表時まで非公表と書いてございます評価結果書の一部をサンプルとして今回皆様の御説明に供させていただければと思っております。
 未定稿、1枚開いていただきますと政策評価結果書とございます。米の消費関係政策ということでございます。これは全部あわせますと79分野ございますうちの1つでございまして、米の消費についての目標と、それについての施策、それから平成12年度においてどれだけの効果があがったかということについてのデータを収集して,その有効性を評価したものでございます。目標数値の考え方は先ほど申し上げました基本計画の体系と数字に即しまして、そのままデータとして使っております。1年1人当たりの消費量、現状65.2キログラムの維持拡大、平成16年度。これにつきましては、23ページをお開きいただきますと、先ほど自給率のところで書いてございました数字、これの消費の数字が記載されております。これは閣議決定の参考データそのものでございます。この部分につきまして、数字をとって目標として掲げたわけでございます。その部分につきまして有効性の評価を行うということで、平成12年度において1人1年当たりの消費が行われたのかという数字をとるということでございます。
 このデータのとり方につきましては若干ございまして、実は国民総生産ベースの食料需給表というものを基本計画においてもデータに基づいておりますし、また我が方としても、供給熱量の関係などにつきましては、すべてそういうオーソライズされたデータで目標を立てておるわけでございますけれども、平成12年、わずか2か月前に終わった年度の統計などは本年度の末に出てまいりません。皆様御承知のとおりでございまして、現段階において来年度施策を立てるためにどのように評価を行うのかという点になりますと、そのデータは使えないということになってしまいました。それで使いましたのが、食糧庁が統計データとして踏襲しております米の消費動向等調査、これにつきましては、期限後1か月半で公表するということで速報版をとっております。これについては全国8,300 世帯のアンケート調査からデータとして算出するということをやっておりまして、これを過去10年程度比較したところ、食料需給表のデータとかなりの相関があるということが統計的に出ております。これは13−37にそのデータをつけておりますけれども、その消費動向についてデータの格差がございますが、この格差についてもデータの性格から見て有意な格差であるという考えから、その数字について換算して、それを食料需給表ベースに換算したところ64.9キログラムということでございます。趨勢値を0.2 キログラム押し上げというのが実績であると我々考えております。
 これにつきましては、食料・農業・農村基本計画におきましての目標や趨勢値というものを考えておりまして、ページとして見ていただくと一番わかりやすいのは13−36ページでございます。36ページを見ていただきますと、過去からの米の消費ベースの減少の折れ線グラフになっております。これについて9年、10年、このあたりが基本計画をつくった当時のものとなりますけれども、基本計画においての趨勢値というものを計算の根拠として明示しております。これは平成22年に62キログラムになると考えておりまして、これを基本計画においては66キログラムまで持ち上げる。これは食料自給率を45%にするためには66キログラムまで上げないといけない。この差異が政策の目標であるということが明示されておると考えておりまして、それを5年手前に65.02 、それをまた平成12年、1年ベースに置き換えますと、趨勢値を0.3 キログラム持ち上げて、これは数字が書いてございませんが、65.02 キログラムにするということが、このデータとして出てくる我が方の政策目標でございます。先ほど申し上げました65.9キログラムというのは、64.7が趨勢でございます。64.9で0.2キログラムの趨勢より上向きになっている。目標は65.02 ということになりますと、その達成状況は、その趨勢との乖離を比較いたしますと63%ということにございまして、達成ランクはBということで記憶しております。
 先ほど丹羽先生の方からお話がございました信賞必罰をどうやるんだというようなことでございますけれども、我が省といたしましては、これはBということでございますので、施策についてはすべて見直すということではございませんけれども、中については大幅な見直しを行っていただくということを既に要求し、施策への要求という点におきましては、これを反映していただかなければ受け取らないという仕組みになっております。単に63%Bということではなく、論点がございまして、そのためにデータとして、この後ろにいろいろと論点整理をしております。
 例えば、米の価格はここ数年非常に下がってきております。同じ価格だったら昔の方がいいのか、それとも、単に価格が下がったために米の消費というのが幾つか下げどまっている状態に見えるのかというような点、または、なぜ米の消費が下げどまったのか、昨日幾つかの新聞で、またはNHKなどの放送で米の消費量は初めてプラスになったというようなアナウンスが出ましたけれども、実はこのデータをもとに、これの直近のデータが出まして、初めて水面の上に出たということになるわけでございますけれども、その根拠といいますのは、加工用の米飯、それから冷凍のパッケージの米飯、それから外食産業向けの米飯、この供給が対前年の2割から3割増えている。特に昨年末から昨年度末まで第3四半期、第4四半期にそれが回復した。非常に伸びているという状況から、ここに載っております趨勢を0.2 キログラム押し上げるうちのかなりの部分というのが、その部分に貢献されているということを解析した上で、それで米の消費関係政策について効果があったかどうかということをまとめたものが一番最初に載っております総括組織意見書というところで書いてございます。「達成状況は必ずしも十分とは言えない。短期的な下げどまり徴候が見られるものの、相対的には引き続き減退傾向にある」ということで、施策の効果自体は御飯食の健康性ですとか学校給食、そういうことについての啓蒙普及でございますけれども、実際に下げどまった要因というのは、外食産業または加工米飯ということでございまして、実は施策の方向とアウトカムとして出てきた結果等の間にはミスマッチがあるだろうということを指摘申し上げております。
 改善の方向としては、1.個々の事業計画を検討する上でより有効性の高いメニューに移管するということ、2.それから食の簡便化ということも含めまして、加工食品との連携が急務ではないかということ、3.より効果的ではないかというようなことで、施策のミスマッチについてある程度御指摘を申し上げ、それについての改善の方向を評価書としてまとめる。こういう評価書に従って、Bでございますので施策の組み直しを行っていただくということで, 組み直しが行えないものについては、予算を減額するという方針で現在予算編成作業にこれを反映するということを行っております。
 実はこれは1分野でございまして、これが79ございます。分量とすると1,300ページぐらいございまして、評価委員会として私どもでやっていただいております時間からいくと、非常に長い時間を1回大体4時間やっていただいておりますけれども、先ほどちょっとございました勉強会、そういうものも含めますと6回開催をしていただいております。それから各局ごとの専門部会という形でシートについても勉強していただいておりますけれども、それは各局あわせて延べ6回開催されております。それぞれ4時間ぐらいずつやっていただいております。総計でみますと、これの部分で各委員の方には結構な時間を費やしていただいて、いろいろな御指摘をいただき、私どもとして折り合えるものについては、または、そうだ、これはそうだよなと思えるようなものについては修文をいたしました。また、そういう形でないものについては、うまく同意できていませんねというようなことを、実は後ろのページでございます。13−40でございますけれども、いただいた意見について整理をして、これをあわせて公表することを行うということで、現在、委員の方とその書きぶり、それから公表の仕方について最終的な調整を行っておるという段階でございます。実は、これは3か月かかってやっておるうちに、新しいデータが出てしまいまして、昨日公表されたのは第4四半期まで入ったものでございます。ですから、データの上昇が激しくなっております。これを今また更新し始めると1か月近くデータの更新といろんな検証にかかってしまいますので、もうこれはやめようか、このまま公表しようかというようなことも少し考えておりますけれども、この点については第三者委員会の方と協議をしながらやらなきゃいけないところだと思っております。
 今のような形で、それぞれ79分野すべてについて、私どもの方で自己評価として行い、それをまた第三者委員会の皆様に検討していただき、それをまたフィードバックしながらまとめるという形をとりました。実施要領の上では各局それぞれが透明性を保って、局の行った評価、官房の行った評価、それぞれのデータを提出すべしであるというようなことがガイドラインにも書いてございますけれども、このようなことをすると、国民はどちらのデータの解釈を信じるのか、かえって混乱を起こすのではないかという第三者委員会からもかなりの指摘がございましたので、できる得る限り、見解が一致するものについては、その見解が一致するような書き方をする。一致しないものについては、一致しないということを括弧書きで書くということで対応しようということをやっておりますが、そういうことをやりますと、ほとんど政策評価をやっております関係局の政策評価担当官は納得して我々なり、第三者委員会の指摘を踏まえた修文を入れていただけるというような形で、実際にやってみると、各原局、または担当レベルからいくと、結構身を慎んで評価に当たる。またはいろいろな施策の立案に当たるということの効果が非常にあったのではないかと思っております。これは自画自賛かもしれませんけれども。
 時間もございませんけれども、最後の段階として申し上げたいことを、折角の機会ですから言わせていただければ幸いでございます。
 まず、データの取り扱いでございます。政策評価法上データの取り扱いについては、全く捨象されておりまして、これは私どもとしては大変不本意な法律であるということをあえて言わざるを得ない。評価を進めることについて積極的な考え方を整理されておるものではないと思っております。現実問題、このデータを見ていただいてもわかるとおり、国会報告に耐えるデータとなりますと、法定統計、指定統計の中で考えるのか、また法律上提出の義務のある団体の方なり、事業者なり、または農業者である場合もありますけれども、提出義務があり、その中身について、責任を持ったアンケートなり、データを出していただけるということが保証されるのであれば、我が方も胸を張ってこれは何%の達成率ですと言えるわけでございますけれども、現実にこれはアンケート調査もございまして、結果について何ら保証されるわけではございません。また実際の報告、その統計が出てくるのは速報版が本年の暮れ、確定版は来年、また翌年に修正もあり得べしというものでございます。各省の白書、また我が省の白書を見ましても、国会報告の白書につきましては、ほとんどの場合がきちんと根拠のあるデータに基づいて行っておるにもかかわらず、政策評価法が全くそういう点について配慮がないということについては非常に不本意であるなと思っております。また、実際に法律で決まった上では、どういう基本方針をお書きになるのか、従来のように余り私どもの意見について意見交換をさせていただく場がないということがあるのかもしれませんけれども、実態として見た場合に、根拠のあるデータ、信憑性のあるデータということが非常に重要になると思っております。
 また、第2点は法で用いられている概念でございまして、若干困っておりますのは、政策の決定でございますとか、事前・事後、これについてはガイドラインに沿った要領を既に平成12年から公共事業も含めて実施しておりますけれども、政策評価におきましては、政策の決定というのは事業計画の決定ではなく、補助金の交付決定であるという御回答をいただいておりますし、事前・事後というのは、施策の実施、施策の実施後ということではなくて、施策の決定前、例えば補助金であれば交付決定を行う前か交付決定を行う後か、そういうことを法律上整理されたと伺っております。これらについてはガイドラインと異なっておりますので、現行の評価制度、特に公共事業の関係はすべて見直す必要があるということについて、先ほどのデータの取り扱い等を含めまして困ったなという点がございます。
 以上2点、大まかな私どもの考え方、困ったところ、それと現在農林水産省として行っております評価のサンプルでございます。大変恐縮でございます。これはまだ審議中でございますので、公表の取り扱いにつきましては、委員の皆様、御配慮いただければ幸いであると思っております。
 以上でございます。
村松委員長
 どうもありがとうございました。今の書類の取り扱いについては当然伺いました。
 どなたからでも御意見、御質問ございましたらお願いします。
富田分科会長
 79項目について、そういう分野があるというお話で、その一例を挙げていただいたんですけれども、農林水産省全体の総合目標は何であって、総合目標に照らして、どういう体系になっていって79になっているかというふうなものを知りたいというのが1つと。それから事例で挙げていただきました米の消費量の話なんですけれども、基本的な評価で重要なのは、カロリー自給率だとすれば、それが閣議で決まったとすれば、やはり米だけではなしに、ほかのものも含めた食料自給率というより、カロリー自給率みたいものを全体として評価するようなことはやっておられないのでしょうか。その2点です。
大内調査官(農林水産省)
 お答え申し上げます。79項目についての考え方、先ほど整理して説明したつもりだったんですけれども、御理解いただけなかったようで恐縮でございます。
 基本法に基づきます基本計画、これに基づいて課題が示されております。この課題に従って整理しております。林野・水産につきましては、基本法が1年遅れておりまして、現在国会質疑をいただいている最中でございますので、国会質疑をいただいてから正式に組み直しますということで御説明申し上げざるを得ないのですけれども、実は基本法をつくる前に総合評価的にこれまでの行政というのを見直して、例えば、新しい林政改革大綱でございますとか、水産については、新しい水産政策ということでまとめております。その中の項目ごとに整理をしております。
 それから2点目でございますが、カロリー自給率についての評価は行わないのかということでございまして、これについては、実はこの中の参考資料につけておったのですけれども、御説明申し上げませんでしたが、13−19に自給率レポートということで、それぞれの消費別の自給率、自給率の動向、それについての評価というものを冊子としてまとめて、それぞれ自給率が公表された段階で公表しております。先ほど申し上げましたとおり、自給率につきましては各年度の自給率が翌年度の年末にならないと出てまいりませんので、実績評価とは相入れない。スケジュール的に相入れないということで、今回は自給率自体の目標をとっておりません。
 以上でございます。
富田分科会長
 ちょっと、聞き方が悪かったんですけれども、79が並列であるとはとても思えないんです。恐らくそれぞれ大きな目標のもとにあったりして、ひょっとすれば79相互の項目の中に、ある意味では衝突する目標があるかもしれないとか、そういう観点を知りたいわけです。つまり、農水省の行う行政についてどういうストラクチャーになっているかというもの、そういう点でして、基本計画との関係とかそういうことではないんです。それともう一つ、カロリー自給率についても強化はしないのかどうか。お米だとか、それぞれについてやっていたらものすごく項目が増えてしまうわけです。つまり、ここにある大麦、小麦とか、それぞれあるわけです。なぜカロリー自給率だけをその指標になさらないのかということです。
大内調査官(農林水産省)
 まず79の中で重複する部分があるのかについての質問につきましては、例えば農地面積については、すべての施策について絡んでまいります。それから人の施策については、これもすべての施策について絡んでまいります。そういう意味でいけば、縦割りの分野、横割の分野がございます。ですから、例えば米の生産について上がってくる政策手段が、同様に農地流動化の施策の中に入ってきておる部分がございます。ですから、1点申し上げ忘れて恐縮でございます。政策手段ということで見た場合、例えば土地改良事業、農業基盤整備事業というものが、農林水産省の中でいろいろと言われて指摘されております行政手段としての分野がございます。これについては全部あわせますと分野として二十幾つの分野に絡んでおります。それぞれ二十幾つの分野について、C以下のマイナス評価のものも含めまして、ABCそれぞれについて上がってきております。その部分について、達成度を見る実績評価として、それぞれの政策手段を見る見方と、先ほどおっしゃった横割、縦割という政策分野の切り口の中で実績評価を見る分野ということで、どちらのことについて今御指摘になったのかはっきりしていないので恐縮でございますけれども、まず分野としての縦割、横割ということであれば、政策手段、政策へのコメント、そういうことの中で縦割と横割についてそれぞれ整理をし、指摘については、それぞれの部分で行うような形にしておりまして、例えば米の部分について言えば、消費動向について食生活全体の指針と米の消費の指針と2つの指針が関係しておりますので、それぞれ米の部分については、食生活の全体の進める中で、余り単品、単品の施策の振興を図ってもしようがないという点の問題点もございますし、そういう重複する部分というのがございます。ですから、79分野の中で幾つあっても仕方ないのかもしれませんけれども、重複する分野がございますので、これはまた来年見直ししなければいけない分野がございます。
 それから自給率について、目標と実績評価を行わない理由は何かと、先ほど説明したことの繰り返しになりますけれども、私どもの農林水産省の政策評価は、翌年度の施策に反映するということを前提として進めておる政策評価でございまして、単に数年先の政策に反映するということではございません。ですから、あくまでも平成12年の施策については、13年6月までに評価を実施して、それを反映に移す、8月の概算要求または組織要求、またはいろいろな法制度の消費決定までに何らかの対応をする。それが前提でございますので、それにとれないデータでは評価ができないということでございます。おっしゃっていることについては重要なことでございますので、それについては総合評価という言葉を使っておりませんけれども、関係する分野全体の評価として自給率レポートという形でまとめております。言葉として農林水産省総合評価ということについて、特段今の段階でどれが総合評価ですよということをレッテル張りはしておりませんけれども、今のところ、ここにいらっしゃいます皆様の著作などを読ませていただいた限りでは、総合評価としてやって定義されている分野というのは、実は行政として見た場合には、先ほどの財務省の室長の御説明にもありましたとおり、新しい政策を上げるときには、それまでの施策の総括と効果、それから意図として、新しい状況に合っていたのか、合っていないのかについてはある程度総括をしております。そういう過程の中で総合評価ということと何ら変わりのないことをやっておるという分野がございます。ですから、そういう過程の中でもまた反映されていこうということを考えております。自給率につきましては、5年ごとに見直しを最終的に行いまして、基本計画本体についての見直しを行うということは、農業基本法に書いてございますので、その中で最終的には決着がつく話になります。
 以上です。
山本専門委員
 時間もありますから、1点だけお伺いしたいのですが、ABCというランクで90%であるとか50%未満という、これは根拠なり何かがあるのでございましょうか。1点お教えいただきたいんですが。
大内調査官(農林水産省)
 90%以上であれば、ほぼ初期の効果が出ているんではないか。従来役所言葉で「概ね」というような言葉だとか、「概ね順調」というのは約2割というところをとっておりましたので、それよりも厳しくないといけないだろうという程度でございまして、90%でございます。それから50%ということになりますと、これは基本計画が達成できない可能性が非常に高い。5年後基本計画を見直すわけでございますけれども、その基本計画の達成に大きな支障が生じるであろうということから、50%以下については、これは抜本見直し、または施策の廃止、新しい施策の立案ということに組みかえなければならないということで90と50をとっておりますが、それぞれ数値的な積み上げた、または統計上何らかの分野の蓄積があって決めたわけではございません。
竹内委員
 今日取り上げていただいた食糧庁の施策に関して、私の第一印象を申し上げます。45億円かけて結果的に米の消費量が増えた。しかし最後のページを見ると、コンビニとか安売り牛丼が増えたというようなことも含めて消費量が増えたというのは、別に政策の効果ではなくて、民間のセクターが頑張ったということを、いかにも食糧庁が政策的によくなったインパクトの一つとしてとらえているというのは非常に大きな間違いで、私は45億円の政策をしていること自体がほとんど意味がないんじゃないかというぐらいに思うんです。つまり、この政策の効果というものを、本来民間がいろんな工夫をしてお米を食べるかどうかというのを民間の部分としてやっていくことであって、政策としてどういうパッケージにするとか、そういうことまでも、補助金を出してまで政策としてやるということ自体に対して私としては非常に違和感がございました。これは1つのちょっと違った視点ですけど。
 それからもう一つ、一番私たちが食料、農業、農村について日ごろ非常に疑問に思っている問題というのは、この問題ではなくて、1つは、公共事業の分野、農林水産関係の公共事業が、例えば建設省の公共事業とダブっていないかどうかとか、今の減反政策というものが本当の日本の農村の生産性の向上に役立っているかどうか、あるいは農業関係の方が結局仕事がないので、一部生活保障的なものに回っているのではないかとか、その結果公共事業に依存する方が増えているのではないかとか、もっと大枠の政策の根本的なところに対してどういう問題意識を持って政策評価をやろうとしたのかという、政策評価の大前提というか、どこまで問題意識に入れるかということの御説明が頭のところになかったので、いきなり個別の評価に入ったものですから、ちょっとそこの問題について、私は答えを要求しているというのではなくて、何で個別から入ったのかということについてが1つと、政策評価をするのだったら、大きなところからきちっとやっていただきたいというふうに思うんです。お答えは短くて結構なんです。
大内調査官(農林水産省)
 皆様の中で政策評価を行ったことがある人はいないのじゃないかという点で、具体的説明の方がわかりやすいということでさせていただいた。おっしゃった公共事業の問題でございますとか減反、それから農業関係補助金の適切な使用がどうなっているのか。これは大変重要な問題だと我々も思っておりまして、公共事業については、政策評価の本当に今この場でこういう形でしゃべらせていただくということよりも、事業評価としてもっと別の場で説明させていただいた方がいいのかもしれません。
 ただ私どもとしては、公共事業についても産業基盤投資の一つとして適切な費用効果分析を行うべきであるし、その費用効果分析について、要するに農家が投資するものとして適切なのか、または国が投資するものとして適切なのかという点はきちんとやっていかなければいけないということ。それから、国のニーズとして、農業の生産向上に役立っているか、それが国にとっても重要なことなのかというようないろんな論点については整理をしておる。そういうことで来年度の公共事業政策については今検討は別途行っております。
 ただ私どもとして申し上げますと、政策評価の過程においても、この公共事業が本当に効果があったかについてはいろいろな分野に関係してまいります。消費をたまたま取り上げたので全然触れていないんですけれども、生産についてはかなりの分野についてそれが出てきております。私どもとしては、例えば麦の生産ですとか、そういうものについて言えば、こういう意味での農業基盤整備は余り重要ではなくてということ、そこまではっきりは書いていませんけれども、そういう意で文章を構築するようにということをまたやっておったり、これから農業基盤はかくあるべしと、大筋の分野とマクロの分野、それからミクロとしてやっていく分野、いろいろございますけれども、ミクロの分野については各分野で、マクロの分野についてはそれぞれの事業評価、またそういうものの中でやっていこうと思っておるわけでございます。減反などについては生活補償とは全く違うものとして来年本格的な実績評価の対象といたしますけれども、重要な問題だと思っております。
 最終的にそれを説明しなかったのはおかしいという点は、先ほど新井さんも、また財務省もきちんとした説明をされておりまして、私ども別につけ加えることはないんです。ですから、他省庁との違いは何ぞやと言ったら、単に世界で初めてなんです。ニュージーランド、アメリカ、英国はすべて実績評価を、実際に実績のABCランクとは言いませんけれども、評価を出したものはいないわけで、かなり試行錯誤でやっておりますので、そういう点で御紹介を申し上げたという趣旨でございます。
村松委員長
 3人手を挙げておられますけれども、非常に短く3人の方の御発言をいただいて、簡単にお答えいただける範囲内でよろしくお願いします。
梶川専門委員
 先ほど政策評価のABCというランクづけもございまして、これは基本的には政策手段の評価だと思うのでございます。例えば、Cランクである場合には、その手段としては見直さざるを得ない、廃止すると。このケースでは、その手段の目的としては政策目標というのが、先ほど79項目おありになったと思うんですが、手段が効果がないといって、その目標をなくすわけではないと思うんですけれども、目標自身に上位の目標と、それのさらに下位目標というのがあると思うのでございますが、極端に言えば手段がだめである。下位の目標としてももうやめてしまおうというケースと、それから、その目標はあくまでも基本計画から見て、非常に重要な上位目標であるから、手段を変更して、その目標はあくまでも守っていくんだという、この2つのケースがあるのではないかと思うのですが、手段を改廃して新しい手段をとられるケースと、その目標自身についてやや見直さざるを得ないというケースとその辺の評価を、先ほど来のお話の中で、政策目標を79の並列の中の優先順位とか、体系づけの問題との絡みなのでございますけれども、ちょっとお聞かせ願えればと思います。
村松委員長
 お答えいただく前に、黒川委員と田辺委員からも御質問、御意見がございましたら、先に簡単にお伺いしてから、農水省の方から御発言いただくと。
黒川臨時委員
 黒川でございます。
 今日の未定稿の中の13−7ページに、私は具体的な手段の、さらに具体的なところでお聞きしたかったんですけれども、この79の中の一つの施策の中の手段の具体例が載っていて、どんなパンフレットをつくったかとか載っていると思うんですけれども、それぞれのところにどのぐらいお金がかかって、あるいは、それぞれのイベントの内容がどの程度効果があったのか、あるいはパンフレットのできぐあいがよかったのか悪かったのかとか、そういうような細かいところから実を言うと積み上げて、次回の政策の変更とか改良に本当は向かうんだろうと思うんですけれども、そこのところは農水省の中でどの辺でどの程度の評価があって、今回の大内さんがやられているところは、どの程度のところまでそれをフォローするのかとか、その辺のところをちょっと教えていただきたいと思います。
田辺臨時委員
 御説明の方は実績評価についてお伺いいたしました。恐らく農水省の最大の特徴というのは基本法とリンクして、実績評価の項目を立て、それをかなり体系的に野心的に行っているというのが私の感想で、おそらくそこはみなさん許容されていないかもしれませんけど。ただ、今日お伺いしていないところの事業評価について若干お伺いしたいんです。1つは公共事業のところですけれども、例えば公共事業のところをスキャンしたときに、農道かなんかのところで1.0 幾つというようなB/Cの値が出てくるわけです。そうなると、道路局なんかでは1.5 というようなところで足切りしておりますけれども、こういう足切りの基準というのは存在するのか否か。それが存在する、もしくはしないとするならば、これを例えば道路というようなことで、国土交通省と共通化するというような方向は考えていらっしゃるのかというのが1点目。
 2点目はもう少し拡大したところですけれども、規制にかかわる問題であります。特に食品表示とか、昔の食品流通局でやっていたところは幾つかの規制事業というのが入っていると思いますけれども、あれに関する規制インパクトアナライズに関しては、例えば新規でこういう規制を入れたいといったときに、このぐらいかかるけれども、こういう効果が出ますよというようなことをできればやっていただきたいなという気は個人的には持っているんですけれども、そちらの方向はどういうふうにお考えなのかというのが2点目です。
村松委員長
 よろしゅうございますか。お答えをお願いします。
大内調査官(農林水産省)
 簡単に申し上げます。手段と目標との関係について、それぞれの手段、それぞれの目標、評価は一応行っております。それから目標についての改定となりますと、これは基本計画の改定そのものだと。基本計画を今回お持ちしていないので、見ていただいていないのですけれども、施策についてすべて書き込んである形になっております。ですから、手段が悪ければ目標を直す。または目標が本当に正しいかどうかということになりますと、基本的計画の改定でございますので、これは5年に1回行う。そのために基本法には、政策評価を行って政策の効果を踏まえて改定を行えという趣旨のことが書いてございますので、その中で対応する。先ほどの自給率と全く同じでございます。
 それから、黒川先生の方からございました各事業ごとの、またはイベントごとの効果から詰めるべきと。おっしゃるとおりでございまして、今回、第三者委員会の御意見からも、まず最初にそういうものを出せと言われたんですが、出せなかったので、先ほどおっしゃった13−7ページの資料を出したわけなんです。13−7ページの資料を出しても、これじゃ効果じゃないじゃないかと言われて、実は13−2ページに書き込んでおりますけれども、事業成果の把握については十分ではないということを書き込まなければいけなかったので、我が省といたしましては、これだけ三十何ページも出していながら、こんなことを書かなきゃいけないのかなという気がするんですけれども、やらないといけないということはございました。来年以降サブ目標を増やそうと思っておりますが、既にこれで千数百ページなんです。それがまだ増えるとなりますと、これは事務的にパンクするという点が悩ましいところでございます。ただ、食糧庁はやってやるぞということを言い切っておりますので、食糧庁自身は自分たちのデゾンデテールについて、こういうことについてきっちりやっていかなければならない。先ほど竹内委員の話ではございませんけれども、そういう点について自覚しております。
 それから、田辺委員の方からございました事業評価について足切りはないのかということでございますが、しております。頭切りという、これは隠れ用語でございますけれども、実は農業基盤整備については過去頭切りをやってきた歴史がございまして、頭切りをやっておるのが今年も幾つかございまして、そういう点については私どもの方で、または第三者委員会の方で気づいたものは注意し、考えさせるというようなことをやっておりました。1.0 幾つが多いというのは、そういう過去の頭切りをやってきた歴史。頭切りをなぜしたかというと、余り事業効率が高いのであれば、それだったら借入金でやるという事業メニューが幾つかございまして、効果が高ければ補助率が下がるし、あとは借入金の利率が上がる。それから、最終的には国の補助よりも融資でやってくださいということ。ですから、費用効果分析を下げるというのが、これまでの比較的あった行動パターンだったと思います。
 ですから、先ほどおっしゃったB/Cを共通化するつもりがあるのかという点についてはおっしゃるとおりでございまして、そういう点については、またはB/Cについて、単に経済利益ではなくて、どこまで一般経済的な利益を見るのかということがございますし、または、水田の多面的機能などのいろんな機能をどの程度反映させるのかという点については現在研究を行っておりまして、できる得る限り、今おっしゃったような方向については、昨年与党がうたいました公共事業の見直しの方向についても、そういう点が触れられておりますので、その方向で検討はしております。
村松委員長
 どうもありがとうございました。このあたりでセッションは終わらせていただきたいと思います。
 大内調査官におかれましては、本日は御多忙のところ大変ありがとうございました。
大内調査官(農林水産省)
 どうもありがとうございました。
村松委員長
 次に、防衛庁長官官房政策評価監査課の筒井課長に御出席いただきましたので、防衛庁による政策評価の取組状況について説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
筒井課長(防衛庁)
 防衛庁の筒井でございます。今日はよろしくお願いいたします。
 お手元にお配りしている紙に沿って御説明させていただきたいと思います。防衛庁における政策評価についてということでございまして、大きく2つの項目立てになっております。1つは、防衛庁における取組状況ということで、今までの間に大体どのようなことをやってきているかということでございます。もう一つは、防衛庁における政策評価の実施に関しての留意点ということで、防衛行政はほかのものと比べて若干特殊な面もございますので、その辺のことを踏まえながら、どういうふうな形で防衛庁における政策評価を実施していくのかということでございます。そういうような趣旨からの項目立てでございます。
 まず最初の防衛庁における取組状況でございますけれども、まず政策評価に関する標準的ガイドラインに基づきまして、防衛庁における政策評価の実施要領を本年の2月に策定いたしております。かいつまんで概要を御説明いたしますと、政策評価の方式としましては、大きく事業評価と総合評価ということで分けて実施することとしております。事業評価につきましては新規に予算要求を行う事業、予算要求継続中の事業または予算要求が終了した事業を対象とした評価でございますが、事前・中間段階での事業評価というのと、事業が終わった後での事後の事業評価、こういうふうに大きく分けて実施することとしております。また、総合評価につきましては制度、計画、政策方針等々を対象とした評価でございます。このように大きくこの2項目に分けて整理していくということでございます。
 あと、全般的な計画といたしましては、中期的な計画をつくり、計画的に評価を行っていきたいということで、中期政策評価実施計画をつくるということにしております。これは5年間を対象にいたしまして、毎年見直すこととしております。それを踏まえまして、当然のことながら各年の評価対象とする事業等を決めていくことに使うということでございます。
 3番目に政策評価の実施手続についてですけれども、まず、評価対象とされた事業等につきまして、政策を所掌している本庁内部部局及び防衛施設庁の各課が政策を担当しておりますので、この各課が政策評価書を作成することとしております。これはいわゆる1次評価というものでございます。それに対しまして、長官官房政策評価監査課、これは私どもの課でございますけれども、それと施設庁の同じような性格の組織であります総務部の行政評価官が1次評価に対して意見を付すということで、2次評価を行うこととしております。それを経まして政策評価委員会、これは委員長は審議官が、委員といたしまして各局の筆頭課長がメンバーになっておりますが、政策評価書についてこの委員会の承認を得て、その後防衛庁長官の承認を得るということで手続を考えております。
 もうちょっと具体的に御説明しますと、中期計画につきましては、5年間のものについて、スケジュール的なことも含めまして4月の中旬ぐらいまでに作成します。各年度の評価対象項目の決定については、先ほどの事業評価につきましては、概算要求と関連いたしますので、一固まりで考えておりまして、制度等に関する総合評価についてはまた別の一固まりで考えております。スケジュールが若干違いますけれども、予算関連のものにつきましては、5月中に対象項目を決定することとしておりまして、大ざっぱに申しますと、年度の前半において事業評価を行って、年度の後半において制度等に対する総合評価を行うといったスケジュールでございます。対象が決まりましたら、先ほど申し上げたとおり、政策所管課におきまして1次評価を作成する。これは予算関連で言えば6月15日まで。それに対して政策評価担当課が2次評価、それが6月30日まで。その後先ほど申し上げました政策評価委員会における審議を経まして、庁内の防衛庁長官まで承認を得て、その後公表することとしております。事業評価につきましては概算要求を行い次第公表いたしますし、総合評価につきましては、先ほどの日程でと言いますと、9月までに評価対象を決めて、1次評価は12月中ぐらいにやって、2次評価は1月中ぐらいにやって、翌年度の初めに対外的にホームページ等で公表する。そして国民の皆様方からの御意見をいただきまして、そういうものをまた踏まえつつ、フィードバックして政策の企画立案に反映していく仕組みというふうに考えております。
 また、政策評価の業務への反映、公表等ということでございますが、結果の反映につきましては、政策の企画立案に反映させることということで、政策評価担当課は反映状況の確認を行う。評価結果の公表につきましては、ホームページ等を利用して、国民の皆さんに容易に知っていただけるようにする。外部からの意見、要望等の受け付けにつきましては、政策評価担当課が担当いたしまして受け付けの窓口となり、寄せられた意見をもとに評価手法や評価基準の高度化を常に図るとともに、翌年度の中期計画と実質的な業務に反映していく。こういうようなことを骨子といたしました政策評価の実施要領というのを、今年の2月に作成したところでございます。
 その次に組織の問題ですけれども、防衛庁における評価体制といたしまして、政策評価と行政考査を担当しておりました長官官房の文書課の政策評価室と、会計監査等を担当しておりました長官官房の監査課を一緒にいたしまして、今年の4月から政策評価監査課という課が新しくつくられております。そういうことで組織の方の体制もより整備をした形で4月以降対応してきております。
 それで、先ほど申し上げました5年間についての評価対象につきましての中期政策評価実施計画でございますが、趣旨といたしましては、5年間にわたりまして、個別の分野ごとに重点的な評価の対象を整理しておいて計画的に実施しようというものでございます。
 評価の分野の区分を申し上げますと、防衛政策の企画立案及び防衛力の整備、次が自衛隊の効果的な運用ということでございます。3番目が自衛隊の人材確保、育成及び維持ということで人事や教育等の施策です。4番目が防衛の装備品の適正な維持管理ということで、例えば調達だとか研究開発だとかそういう分野でございます。その次が自衛隊及び在日米軍施設の取得等ということで、具体的には施設の取得、建設及び管理に関する事務、防衛施設周辺の生活環境整備、在日米軍の駐留に関する事務というようなことでございます。
 13年度につきましては、例えば防衛のところであれば、防衛政策、防衛力整備、次の運用のところであれば運用、衛生。次に人事、教育につきましては、任用、福利厚生、教育。装備の面でありますと調達、研究開発、防衛施設に関しましては環境保全だとか、防衛施設周辺の生活環境整備とか、駐留軍と労働者の労務管理、あとその他の分野で広報とか、会計の監査だとか、そういうようなことで対象分野を計画的に実施するということで整理している計画を4月に作成したところでございます。
 現在は何をやっているかと申しますと、14年度概算要求に関する事業評価の対象項目の決定についての作業をやっておりまして、ここでは事前の事業評価、中間段階の事業評価の対象となる項目を決めようとしているところでございます。
 次に防衛庁における政策評価の実施についての留意点ということですが、この辺は防衛庁の方でも検討中の話ですけれども、我々が政策評価の実施に当たり若干留意している点ということでございます。防衛庁における政策評価の対象についてですが、防衛庁の政策の最終的な目的は、一番上の欄にあります我が国の平和と独立、国の安全ということが目的だということになるわけでございます。それをもうちょっとブレークダウンし、政策としてやや具体的にいたしますと、日米安全保障体制の堅持だとか、文民統制、非核三原則、節度ある防衛力の自主的な整備、こういうところが大きな柱となるというふうなことでございます。そういう目的を達成するための行政分野につきましては、先ほどの中期計画と基本的に同じですが、防衛政策の企画立案及び防衛力の整備、自衛隊の効果的な運用、運用と言いますとちょっと特殊な言葉かと思いますけれども、自衛隊そのものを使うということでございまして、例えば使うためには各種の運用の計画が必要でございます。もっとわかりやすく言えば、例えば作戦だとか戦術だとか、そういう部分が運用のための重要な要素となります。よく言うC3I(指揮、統制、通信、情報)というものもこの分野に大きくかかわってくるところでございます。あと、自衛隊を担う人材の確保、育成及び維持ということで、これは人材の確保ということで自衛隊員を採用して、適切な教育を施して任務につけるということが装備と相まって防衛力を形成する基盤ですので、そういうことがまた一つの大きな柱になっているわけであります。
 防衛装備の適正な維持管理ということで、ここにつきましては、防衛の装備品を調達する。なるべく低コストでよりいいものを調達するということとか、防衛庁で研究を行って、必要な装備品というものを開発するというようなことがございます。自衛隊は基地がないと防衛力自体も発揮できない。特に航空機なんかは顕著ですけれども、そういう意味におきまして、自衛隊また在日米軍と一緒に掲げてございますけれども、米軍関係につきましても、基地施設の取得云々の問題、あと防衛庁の基地の周辺の皆さんに対する生活環境整備とかそういう対策の問題、あと在日米軍の駐留に関するいろいろな支援的なこと等もやっております。
 こういうようなことで、防衛行政の目的である我が国の平和と独立、国の安全ということを達成するためには、大きくこういうふうな構成で政策ができ上がっておりまして、そのためにいろいろな制度や事業だとかが講じられているということでございます。
 こういうことで、基本的には防衛庁における政策評価というのは、一番上に書いてありますというところの大目的である国の安全ということを目的といたしまして、その観点に照らして、より具体的に評価していくということが本来必要だと思われますけれども、防衛は経済分野の活動と性格的に若干違うところもございますので、そこら辺が必ずしも同じようにいくかどうかというところはかなり難しいところもあるかというふうに認識しております。こういう防衛に関する効果みたいなことは、それなりの活動場面があったりすると、いろいろそれがデータとして積み重なってきてということが一番効果の検証だということなんだと思いますけれども、防衛とか安全保障の分野では基本的には抑止が一番の目的でございますから、防衛力を運用することがなければ、そこの具体的な評価の検証というのはできないということもございます。そういう意味で、評価を具体的なデータ分析みたいな積み上げというものも、難しいという面があります。そういう意味におきましては、この目的につきまして、定量的に必ずしもきちっと明確な形でやっていくというのはかなり困難な面があるかというふうには認識しておりますけれども、政策評価の趣旨自体は、できるだけ効果を明確な形で分析するということにあるということも理解しておりますので、そこは定量的な要素というものを個別施策に関してできる限り取り上げるような形で、評価というものをこれから行うようにしていかなければいけないと考えております。
 私ども今まで事前にこのような取組をやったことはほとんどございませんので、いわば、これから試行錯誤しながら始めるという状況でございますが、そういうところで努力していきたいというふうに考えているところであります。以上であります。
村松委員長
 はい、どうもありがとうございました。
永井委員
 防衛政策に対する評価は、非常に国民的に関心が高いと思います。2点お伺いしたいのでございますけれども、私も確たるものがあるわけではございませんので、「節度ある防衛力」というのは、どのような評価基準を使って判断されるのかということが1つです。それからよく聞きますのは、これは別に証拠があるわけではない場合もあるわけですが、いろいろな防衛の装備というのを海外から購入するということがあるわけですけれども、その市場価格というものをどういうふうに把握しておられるのか。このあたりは適正な維持管理に関係するところだろうと思いますけれども、よく使えないものを高く購入しているというような報道もございますけれども、このあたり2点、政策評価とちょっとリンクした形でお答えいただければというふうに存じます。
筒井課長(防衛庁)
 「節度ある防衛力」の評価の基準ということですけれども、防衛庁の政策評価につきましては、基本的には、先ほど申し上げましたように、我が国の平和安全の確保のために、政策がちゃんと貢献しているというか、役に立っているかというところが基本的な評価の基準だと思います。節度ある防衛力の自主的な整備というのは、閣議決定された防衛計画の大綱の中で用いられている表現でございますが、基本的には今申し上げた基準に照らして節度ある防衛力が整備されているかということを評価することになります。それをより具体的に定量的にだとかそういう議論はまた別途あろうかと思いますけれども、基本的には、国の安全のいかに役に立つかということが基本的な基準ということになろうかと思います。
 2番目の海外の装備品についての市場価格、これは私も必ずしも細かく知っているわけではありませんけれども、海外でつくっているメーカーは日本のみならず、ほかの国にも売ったりしています。例えば、アメリカから買う場合であれば、アメリカの国内、米軍にも売っているし、ほかのヨーロッパにも売ったりしている。そういう装備品があれば、そういうものと具体的に比較するということが、今おっしゃったような意味において、評価できるのではなかろうかというふうに思います。
永井委員
 今お伺いしたのは、どのような基準でといいますか、「節度ある」という部分のところです。それから市場価格という場合には、国家生産している場合には、価格は機密ではなくて、ある程度わかるわけですか。
筒井課長(防衛庁)
 それはわかります。
永井委員
 あちらにどのぐらいで売ったかとか。
筒井課長(防衛庁)
 はい。すべてが秘密ということではもちろんないと思います。「節度ある」のところは、これは今までの防衛政策について常についている言葉でございまして、そこは今言いましたような文脈でとらえていただければと、私どもはそういうふうに考えております。節度というのは、国際情勢や経済財政事情等に配意して、効率的で適切な防衛力を整備していくことであって、それは別な言い方をすれば節度あるということであろうと思います。
村松委員長
 ほかにいかがでございましょうか。
梶川専門委員
 この防衛の基準、程度というものは、国内的な国民の安全等を考えますと、他の政策との関連というものは非常にあると思うのでございます。例えば、食料の自給であるとかエネルギーの確保であるとか、この辺、防衛庁さんとしましては、現在、他の省庁の政策目標との関連にかかわる政策評価のようなものというのは、多少お考えでいらっしゃるんでしょうか。
筒井課長(防衛庁)
 今のところ、今申し上げたような枠内にとどまっておりまして、そこまでは考えてはいないというのが実態でございます。でも、おっしゃるとおり、エネルギーだとか、食料だとか、外交だとか、総合的な安全保障といいますか、そういう文脈で議論された方が適切という部分も多分あると思いますので、そこはもうちょっと将来の問題になろうと思います。
山本専門委員
 防衛庁の政策評価というのは難しい、難しいとおっしゃるんですけれども、ある意味で非常に簡単なところもあって、要するに防衛庁予算というのは、4割ぐらいが人件費なわけです。それは個々人の人事考課をやれということではなくて、ここにお書きになっているように人材の確保、育成維持なんていうのは、これは定量的評価になじむものですから、これはぜひとも実績評価かなんかで毎年数量管理をやっていただきたいと思います。具体的な指標は何かというのは、また個別にお答えしたいと思います。
丹羽委員長代理
 防衛問題は定量的に費用と効果を出すというのは非常に難しいというふうに思うんですが、できるところは、今、山本委員がおっしゃったように、アウトソーシングできるような部分もあるわけです。例えば、イギリスなんかでも刑務所は民営化してやるところもありますし、オーストラリアの軍隊なんかも、レーダーとか一部のところを除いて民営化して、あるいは空港の管理とか、どこかの施設の管理とか食堂とか制服とかも全部民営化してやっていくということによって、相当経費の削減とか費用と効果というものを計算することができるわけでありまして、その辺についても今、山本委員がおっしゃったのとよく似ていますけれども、やはり定量化できるところを定量化していただくと評価に耐え得ると思うんです。
 ただ、防衛そのものについての費用と効果というのは、これは定量化できないと思いますし、鉄砲1丁とか、戦車1台が高いか安いかと言っても我々は全くわかりませんから、そういうことではなくて全体の定量化できる、特に管理とか運営とかそういう費用については、アウトソーシングするとか民営化するとかということは十分可能だと思いますので、その辺の定量化はぜひお願いしたい。
筒井課長(防衛庁)
 まだ検討中の話でございまして、具体的には申し上げられませんけれども、おっしゃる趣旨はよく理解できますので、できる部分については定量化するということで評価していきたいと思っています。
村松委員長
 そのほかの御意見はいかがでございましょうか。
 それでは、お忙しい中をどうもありがとうございました。
 今後も各府省の政策評価の取組状況の把握などのためには、必要に応じまして府省の方々からのヒアリングを実施していきたいというふうに考えております。
 それでは、時間随分回っておりますけれども、ちょっとだけ予定よりも時間をいただくということで、5分間休憩をとりたいと思います。私の時計で4時10分ですので、4時15分から再開ということにさせていただきたいと思います。
(休憩)
村松委員長
 休憩の5分が経ちましたので再開したいと思います。
 続きまして、諸外国の独立行政法人類似制度につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。
高野評価監視官
 それでは、諸外国の独立行政法人類似制度について簡潔に御説明申し上げたいと思います。
 関係資料は資料5となります。1ページめくっていただきますと、日本を含む4か国ほどについて広義にとらえた政府組織の模式図を整理しております。国際比較するときには避けて通れないことですが、前提となっている各種の制度等が大きく異なっていることがあり、それによって当該比較の焦点である特定の制度についてもその位置づけ、意味合い、運用等が変わってくるということがあります。一見似たような制度である場合であっても、制度の前提が違っている場合があります。そうした違いは、例えば、当該組織が府省の中であるのか外であるのか、また法人格を与えられているのかいないのか、といった違いに表れてくることがあると考えます。
 本日の説明においては、資料の制約等もあり、英国のエージェンシー、ネクストステップスエージェンシーを中心にお話をさせていただきます。その英国のエージェンシーは、1ページの図にありますとおり、実は府省内部の組織です。他方、オランダにZBOと言われる自立行政機関がありますが、これは法人格の有無は別としまして、府省の外部の機関であると位置付けられています。また、ニュージーランドにも、クラウンエンティティと言われる独立機関があって政府の政策の執行を担っていますが、これは法人格を持っていてかつ政府の外部の組織であるという観念がなされているようです。
 こうした前提となる制度の違いについて、人事及び会計について簡単にみてみたいと思います。人事関係は組織運営上最も重要な要素の一つであると思いますが、資料にありますとおり、英国の場合、例えば給与の決定方法として、一般の国家公務員の職員についても各省庁ごとに労使交渉により決定をするという仕組みが採られております。争議権についても、警察、軍人等を除いて基本的に付与されているというのが英国の公務員です。このように、同じ「公務員」といっても、我が国の公務員制度とは、前提となる仕組み自体が大分異なるところがあります。
 また、会計制度についてみても、英国では、現在、これはエージェンシーに限らず、政府全体につきまして「資源会計」と呼ばれる発生主義会計を導入しようというプロセスの途上にあります。このように会計の仕組み自体もエージェンシーだけに限らず、政府全体の会計の仕組みが必ずしも日本と同じでないという状況があります。
 さて、次に、英国のエージェンシーを中心にポイントを整理した総括表を整理しております。英国の欄のところを見ていただきますと、1988年に車両検査局がエージェンシー化されて以降、2000年4月現在では、北アイルランドを除く英国全土において112 のエージェンシーに計37万人ほどが働いています。冒頭に申しましたとおり、英国のエージェンシーは府省内の組織ですので、そこで働いている職員もすべて公務員ということになります。また、どういった業務範囲がエージェンシーになっているのかということについては、公権力の行使を伴うもの、例えば、刑務所局、社会保障の給付局、そういったものを含めて実施機能全般が対象になるという整理がされていると承知をしております。
 また、事業や業務運営に係る各種の計画とか枠組みの問題については、英国の場合は、日本の独立行政法人のように通則法といった共通の法制はありません。日本の場合の通則法的なものの機能の一部を担っている面もあるものとして、枠組協定書、フレームワークドキュメントという文書があります。その枠組協定書の下で、業務計画であるコーポレートプラン、そしてその年次版である年次計画のビジネスプラン、こういったものが各エージェンシーの基本的な枠組み、業務計画の指針等を決めております。
 この点に関して1点だけ補足いたしますと、コーポーレートプランは枠組み協定書の期間と必ずしも連動しておりません。ただし、3年などの期間を計画期間としまして、ローリング方式で毎年内容が見直されると聞いております。
 一番最後の欄は国の予算等との関係についてですが、英国のエージェンシーの場合、議会による議決を得る議定費を経由してそこからお金が流れてくるタイプのものと、トレーディングファンドと呼ばれております自律的な事業会計として運営されており、いわば財務会計的に一人立ちをしているものと大きく2種類に分かれると聞いております。トレーディングファンドの地位を有しているものは、北アイルランドを除きまして計13機関ほどあると聞いております。
 次に英国のエージェンシーの一覧です。北アイルランドの分は表から除いております。主だったものとして、例えば、内務省のHer Majesty's Prison Service刑務所局、職員数4万人(1993年設立)ですとか、大蔵省関係でCustoms and Excise税関等、職員数2万人(1991年設立)や、Inland Revenue内国歳入庁、職員数6万人を超えているようなものがあります。さらに、社会保障省では、Benefits Agency給付庁として約7万人近い職員を有するもの、そういったものがあります。これらが90年代の前半に相次いでエージェンシーとして設立されております。
 資料の6ページには、国防省関係のエージェンシーが並んでおります。数え上げますと42機関あります。北アイルランドを除きまして、112 機関のうち37.5%を占めております。職員数としては、先ほどの1つのエージェンシーで数万人というものはありませんけれども、足し上げますと計9万人ほどの職員が国防省のエージェンシーで働いております。以上のような関係のデータを以降グラフ等に整理をしております。結論として、英国の場合、政府で働く職員の4分の3以上、約80%近くがエージェンシーで働いているという事態になっております。
 エージェンシー及び独立行政法人の機関ごとの職員数規模の比較をしてみますと、500 人未満のような規模については、英国、日本ともほぼ同じような分布で大きな差はありませんが、500 人以上の中規模のもの、あるいは1万人以上の大規模なものについて大きく両国の状況が変わってきます。すなわち、先ほど御覧いただいたとおり、英国で言えば大蔵省、社会保障省、国防省といったところにおいてエージェンシーの数、あるいはそこで働く職員数のトータルといったところで大きくグラフが伸びております。
 資料では次に、英国エージェンシーにおける各種の基本的な資料の公表の状況について整理をしました。資料の出典としては、英国内閣府Cabinet Officeが出しておりますエージェンシー全体についての最新の年次報告書に拠っております。それによれば、結果的に、各エージェンシーの毎年の年次報告書は、公表状況が不明なものを除いてほぼ100 %公表されております。しかし、コーポーレートプランあるいはビジネスプランにつきましては、不明なものを除いて計算しますと約6割前後の公表率にとどまっています。これらの文書について非公表とすることの理由が書いてあったものを見ますと、理由の書いてあった28機関のうち27までが、「商業上微妙な情報」、コマーシャリー・センシティブなインフォメーションを含んでいるのでパブリッシュしていないという理由を挙げています。これは、素直に解釈いたしますれば、英国のエージェンシーは、官外のセクターからも受注を受けるなど競争的環境において活動を展開しているがゆえに、まさにコマーシャリー・センシティブなインフォメーションを業務計画等に記述しており、したがって公表が困難なのであるとも解せますし、あるいは、業務計画等には事後に年次報告書において達成状況等の公表対象となる主要な目標以外にも副次的な様々な目標等が細かく書き込まれていますので、そうした内容まではなかなか公表したくないという事情があるものかとも考えられます。いずれにしましても、資料では、以上のような状況を具体的にエージェンシー別に整理をしております。資料中の備考のところで、「商業上微妙な情報を含むため非公表」と書いてあるエージェンシーが、いわば競争的環境で活動しているエージェンシーであるかと一応推定することが可能なものではないかと思われます。
 資料では次に、エージェンシーの運営上基本的な枠組みとなる枠組協定書について、車両検査局を代表例として概要の整理をしております。これを見ますと、枠組協定書の内容としては、エージェンシーの目的、目標及び業務が定められており、また、大臣やエージェンシーの長等について、それぞれの任務と責任等が書き込まれています。さらに、計画と統制の仕組みとか、職員に関する規定、枠組協定書についての公表や見直し等について書かれています。これを日本の仕組みと比較してみますと、独立行政法人通則法でありますとか、各法人の業務方法書、あるいは中期目標といったことで定められている内容に相当する部分があるのかなと考えられると思います。
 次に、これも英国内閣府のレポートに基づきまして、エージェンシーにおける目標設定状況とその実施結果について整理しております。この点について、内閣府自身が報告書の総編において、余りに多い目標は業績を不明瞭にするので、主要な目標としては5から8程度がいいのではないか、と言っております。実際には、この99年版の報告書では平均数は約10となっております。
 内閣府ではさらに、定量的目標を推進することが非常に重要であるとしています。英国の場合、おおむね8割程度が定量的目標になっているということでございます。また、目標設定の優先事項としては、資料中に枠囲みで書いてありますとおり、「よりよい業績を生むこと」、「サービスの質を改善すること」、「正しい測定ができること」、「その他金額に見合った価値」―金額に見合った内容を提供しているということが重要であるという趣旨―といった項目が挙げられています。
 さて、このような目標がどの程度達成されているのかという達成状況については、定量的目標、定性的目標ともに約4分の3以上が目標を達成しているという整理になっております。ただし、目標設定の水準そのものにつきましては、いろんな見方が可能であるようでして、必ずしも野心的な目標の設定になっているのかどうかは議論の余地があろうかと思います。
 16ページ以降、いくつかのエージェンシーについて、過去4年分の主要な目標とその達成状況について、これも内閣府レポートから抜粋しております。機関としては、日本の独立行政法人との対比も念頭におきまして、試験研究機関2機関のほか、公文書館のような文教研修施設、車両検査局のような検査検定機関を拾いましたほか、日本の独法では対応する機関は出てきませんけれども刑務所局も参考まで拾っております。以上の機関について、内閣府のレポートに出てきておりました主要な目標の設定状況とその結果について原文と翻訳を並べております。
 御覧いただきますと、例えば試験研究機関においては、運営費用の回収率、業務完了率など客観的、外形的な指標を設定している例がみられます。また、公文書館については、様々なコストの単位を設定して、それで測っているという例がみられます。公文書館の場合には、各種の指標について途中で中止と書いてあるのが目立ちますけれども、主要な指標であっても毎年見直しを行い、あるものは中止をしまたあるものは別な目標に置きかえていくというプロセスがとられていることも見て取っていただけると思います。車両検査局については、同様に定量的、定性的な目標が様々設定されている中で、顧客満足度等についても設定がされています。刑務所局につきましては、これもいろんな指標が書いてあります。中には「1人房に3人で収容されている受刑者の数を減らす」などというものもありまして、なかなか塀の中のつらい状況が察せられるような面もあります。
 話は変りまして、資料24ページに、評価見直しという観点での資料を整理しております。英国のエージェンシーの場合、5年に1回程度組織の在り方を含めて見直しをするという仕組みが導入されております。その見直しのためのプロセスは大きく2つに分かれます。まず、第1段階の見直しとしては、組織の在り方そのものの見直しをします。次に、第2段階としては、その第1段階の見直しの結果、基本的に組織形態を維持するとしたものについて業務改善のための見直しを行います。また、こうした第1段階及び第2段階のプロセス全体を通じて、職員又はその労働組合ないし労働組合一般、それから顧客その他の利害関係者から広くコンサルティングを行うといったことが定められています。また、主務省のみならず内閣府、大蔵省という中央省庁がこの見直しのプロセスで関与してきます。他方、評価の主体としましては、主務省が責任を負うこととされており、第三者機関、第三者の委員会をつくるといったようなことは必ずしも前提にされておりません。この評価の主体については、資料の26ページにも別の形で整理をしております。
 さて、今申し上げたような組織形態の在り方について見直しが行われた結果ということになると考えられますけれども、88年のエージェンシー制度導入以降のエージェンシー組織の見直しの状況を整理した資料をつけております。資料によりますと、具体的には93年の末ぐらいから最近に至るまで、各種のエージェンシーにつきまして売却、統合、民営化、移行といった組織の見直しが様々なされてきています。なお、これらの用語は細かく分かれておりますが、実態としてはかなり似ている可能性があるかと思われます。なお、いわゆる民営化などのほか、2000年の4月に2機関例がありますが、省内独立組織であるエージェンシーから府省そのもの本体の方に吸収されるという見直しが行われた例もあります。
 御説明の言わば締め括りとしてて、入手できた範囲の各種の文献等に基づきまして、エージェンシー化の効果、あるいはエージェンシーの制度及び運営について幾つかの課題を整理しております。効果の方としては、目標設定及び業務実績の明確化、その公表等によって行政サービスの質の向上と効率化等が図られてきているという指摘があります。データもそこに多少書いてあるとおりですが、そういったことが言えると思います。また、エージェンシー化だけではありませんが、その他の様々な英国政府の改革施策に基づきまして、結果として公務員数等にあらわれる行政のスリム化というのが図られてきたことも一面の事実だろうと思います。他方で、エージェンシーと本省の大臣との行政責任の切り分け方、それぞれの責任の所在が不明確になっている面があるのではないかという指摘があることも確かなようです。また、これは不断の課題ということになろうかと思いますけれども、目標を設定してやっていくというやり方自体はいいとしても、具体的にどのような目標を設定するのかということについては、様々改善すべき点があり得るということが挙げられようかと思います。
 それに関係いたしまして、フランス人の研究者が書いたものによりますと、一つの提言としまして、目標設定方法に関して各エージェンシーの職員に対する訓練を実施徹底してはどうか、あるいは十分な情報交換システムの確立ということが必要ではないかといった提言もなされているようです。
 それ以降は、参考資料ですので、説明は省略させていただきます。
 私からの御説明は以上です。
村松委員長
 どうもありがとうございました。イギリスのエージェンシー等の対比において、日本の独立行政法人を理解しようとする試みだと思います。どなたからでも御意見なり、御質問なりございましたらお願いいたします。
武田専門委員
 イギリスのエージェンシーと比較して説明いただいたのですけれども、当委員会といいますか、総務省の評価委員会の役どころはどのようになっているのかという点について、分かりましたらお教え願いたいと思うんですけれども。
高野評価監視官
 資料の26ページに書いてあるとおりです。英国エージェンシーの評価見直しというプロセスの中では、第三者機関という仕組みを直接義務付けてはおりません。英国の場合、各エージェンシーの主管省が直接責任を負う形で、主管省そのものが評価の主体となっております。ただし、主管省が見直し作業を進める際に、外部の方の意見を聞くやり方はやっておられるようですが、その点については必ずしもデータとして把握できておりません。
竹内委員
 質問ですけれども、幾つか民営化に移行したものが入っているということが言われていたんですが、その前提として、例えば16ページなどを見ますと、目標の中に運営費用の回収率という数字が上がっていて、この運営費用の回収はどのように行われるのか。例えば顧客の方からとっているのか、あるいは主務官庁というのか、属している官庁から入ってくるものも回収したというカウントになっているのか、この辺の考え方はどうでしょうか。
高野評価監視官
 そこは両方だと思います。16ページの例で言いますと、2のところに書いてありますように、中央研究所の顧客といいますのは、農水産食糧省そのもの及び他の顧客でありまして、この表からだけでは収入の比率とかは出てきておりませんけれども、両者から収入があるということです。そういうエージェンシーは少なくないようです。
竹内委員
 法人格は持っていないと考えてよろしいでしょうか。
高野評価監視官
 法人格は有しておりません。英国のエージェンシーの場合、それが自律的なトレーディングファンド形式のものであっても、あくまで省庁内組織であって、法人格は持っていないと承知をしております。
樫谷委員
 竹内委員のおっしゃったところで市場価格の問題です。政府と中でやり取りするときに、マーケットとの関係です。競争との関係、特に民営化する以上、そうなっていると思うんですが、その辺はどういうふうに整理されているのか。わかればお答えいただきたいと思うんです。
高野評価監視官
 エージェンシーのこのレポートの中では整理しておりませんし、十分な勉強はできておりませんが、英国政府のイニシアチブの一つの中で、マーケットテスティングというのがあると承知をしております。政府がやっております業務について、政府自らの部門がサービスを実施するのがいいのか、そのほかの主体からサービスを調達するのがいいのか、あるいは政府、官民のパートナーシップ等によるやり方があり得るのか、様々な選択肢を考えた上で最善のものを選ぼうという取組を、エージェンシー化の問題とは別にやっていると聞いております。恐らくそちらの方の観点で市場ベースで競争が行われているというのがきれいな見方だろうと思います。
木村専門委員
 私の質問は1つだけなんですけれども、エージェンシー化するときに規制の緩和がなされていると思いますが、どういった規制の緩和がなされているか、もしお分かりであれば教えていただきたいと思います。
高野評価監視官
 申し訳ありません。その点については具体的に調べておりません。ただし、一覧表を御覧いただければお分かりいただけますように、エージェンシーは規制機関だけに限られず、サービス実施機関も相当数入っておりますから、必ずしも規制緩和と連動しているものだけではないと思います。
木村専門委員
 もう少し補足いたしますと、例えば、私、大阪の方におりましたときに、今の造幣局が独立行政法人化したときの可能性とかの研究会に入っておりましたが、そのときに、現行法のもとでは、国家的な行事のもとでなければ記念貨幣はつくれないというような法律があって、ここに出ましたようなイギリスの造幣局がどのような仕事をしているか、ほかの国がどのような仕事をしているかというのを調べましたときには、そういった縛りがないということで活動している。エージェンシー化ということを考えますときには、そういった今ある縛りがどの程度規制緩和されてなくなるのかというような視点もあればということで教えていただきたいと思ったんです。
山本専門委員
 結局こういうことなんです。本来の業務に支障がなければ、民間と同等の競争条件で内部補助なしに競争して勝った場合については民間業務についても参入ができる。したがって、それによって民営化になっているのがかなりあるわけです。研究所でも国からの契約以外に民間からもとる、あるいは外国の政府、あるいは外国の企業とも契約して自己収入を増やすことによって独立して民営化する、こういうパターンになるわけです。ですから、そこら辺が日本の独立行政法人とある意味においては一番違う点で、それがいいかどうかはまた別の議論になります。
黒田臨時委員
 今のにちょっと関係するかと思うんですが、例えば化学研究所とか、国立工学研究所、国立物理学研究所といかにも民営化したら採算がとれそうもないようなものが民営化に入っているわけなんですが、まず民営化したら評価の対象から全く外れてしまうことになるのか。それからターゲットが民営化したことによって、全く変わってしまってくるんだろうと思うんですが、それでうまくいっているのか。それから独立採算が本当にできるものなのか、ということです。その辺をちょっと教えていただきたいと思います。
高野評価監視官
 申し訳ありませんが、その点についてのお答えが十分できません。といいますのは、27ページの表、いずれにしても内局化されたものは府省に吸収されてしまったわけですが、それ以外のものにつきまして、これがエージェンシーでなくなった政府の外に行ってしまったということで、内閣府のこのレポート等からは、それ以上の記述が得られません。したがって、お答えする材料がないわけです。
村松委員長
 どなたかこの件で御発言する方ありますか。
山本専門委員
 民営化しても基本的に政府との契約関係による受注というのは相変わらず継続して続いているわけです。当然そういった国家的な研究業務もやっているわけですから、その場合のコストとして、樫谷委員からも御指摘いただいたように、その中に資本的な資本調達コストのようなものを入れるとか、あるいは時価的ベースでコストを計算することによって、民間業者との対等の競争条件を確保する。それによって契約額等も決まっているということです。最大違っているのは何かというと、今度労働党政権が勝つと思いますが、その中でデラ(DERA)というのがあるんですけれども、国防省の調査研究的なことと技術開発をやっているエージェンシーがあるんですけれども、一番何が変わっているかというのは、カスタマーサティスファクションを考えて、顧客満足度を非常に重視しているということです。中央化学研究所あたりも、私は本当はおかしいと思っているんですが、一番主たる業績目標というのがCS(顧客満足度)になっているわけです。顧客満足度になっていて、本来であれば、黒田委員が御指摘のような、もう少し高邁な国際的な競争力を確保するとか、そういうものが出てこないといけないのですが、それは副次的な要素として一流のジャーナルに掲載するとか、あるいはフェローになるとか、そういったことは副次的な要素になっている。それをもって問題だという人もいますし、いろいろな問題もある。同時にそうは言ってもいろいろ賞をたくさんもらえるようになって改善したとかと言っている人もいますし、全体の評価は確定していません。
村松委員長
 どうもありがとうございます。
竹内委員
 簡単な質問です。先ほどの質問とも関係があるんですけれども、民営化という場合に、私法的な組織に変わったという解釈でよろしいかどうか。もしそうであれば一時的に株主がいるという状態になるわけですから、半分国が持っているなり何なり、民営化したときには、株主はどうしたのかというところを、わからなければあれですけれども、わかれば教えていただきたいと思います。
高野評価監視官
 27ページの表のとおりでして、このうちの幾つかはどうも株式会社形態であるらしいというところまでは推定できるのですが、株主の構成その他につきましてまでは調べが付きませんでしたので、直接お答えができません。申し訳ありません。
新村臨時委員
 質問ですけれども、イギリスの制度が分からないのですけれども、公務員であるということはどういう意味なのかを教えていただけますでしょうか。要するに独立行政法人が人事権、採用権すべてを持っていて、しかし法人格がないから雇用契約は国としているんでしょうか。それから賃金はどこから支払われるから公務員というのかというところを教えていただけたらと思います。
高野評価監視官
 英国の公務員制度についてきちんとした勉強をしたわけではありませんので、間違っていてもいけないのですが、エージェンシーの場合、職員の給与の出所というのは、エージェンシーの財源の中から払われているというのは間違いないようです。公務員というのは英国においてどういう意味があるのかという説明は非常に難しいのですが、イギリスの場合にシビルサービスという言葉に対して込められている意味合いというのは、私の経験の範囲でも、ある意味では日本の公務員というものより重たく響く面も一方ではあるように思います。それ以上に制度の面で、例えば雇用契約の面等についての技術的な御説明は私の手に負えない部分がありますので控えさせていただきます。
翁専門委員
 組織形態の見直しのところですけれども、一番最初に組織形態の見直しを評価する主体というのはどこなのでしょうか。それが1つ目で、もう一つはマーケットテストというのは組織形態の見直しの選択肢として位置づけられていますけれども、マーケットテスト自体というのは、競争による規律付けであるように思えるのですが、どうしてこれが組織形態の見直しの中の一つの選択肢になっているんでしょうか。
高野評価監視官
 評価の主体の方は26ページの先ほどのところでございまして、英国の場合、基本的には第1段階、第2段階を通じまして主管省が評価の責任を持つことになります。その際に動員する資源としてはいろいろあろうかと思いますが。
翁専門委員
 エージェンシー自体がそれにかかわるのでしょうか。
高野評価監視官
 意見を言う場は確かにあるものと思われます。24ページのフローチャートで見ていただく限り、スタッフから意見を聞くプロセスというのは明示されております。長から意見を聞くというのが余りに当然なので書いていないのかどうかは推測の域に属します。それからマーケットテスティングの関係は、誤解を与えたとしますと私の説明が悪かったのですが、エージェンシー化の組織形態の見直しの一つの選択肢としてマーケットテスティングがあるといえば間違いだろうと思います。マーケットテスティングという手法で公的部門の見直しや改革を進めているという英国の現実があり、それと関係して第1段階の組織形態の見直しもあるのではないだろうかということを申し上げたかったわけです。
山谷専門委員
 10年ほど前にネクストステップスを読んでいたときに、エージェンシーの業績指標みたいなものがいろいろあって、いい例としては車両検査局のコストを10%削減とか、あるいは検査にかかる時間をどのぐらい短縮できるかという例が出ていて、悪い例としては気象庁の気象台が挙げらていた。天気予報の的中率ということで出ているんですけれども、「晴れ後曇り、ところによって雨」と、これが非常に増えた、と。私が知りたいのは、こういうへんてこな指標、あるいは数値目標なんかを入れた場合に、イギリスでは、これを改善したらいいという意見を言う機関というのがあるのかどうか、あるとすればどういうところがやっているのかどうかというのを知りたいのですけれども。
高野評価監視官
 ただ今の御質問の一部のお答えは、実は既に資料に付してあります。先ほどは参考資料として説明を省略させていただきましたが、資料29ページの英国政府に対する照会結果のうち、質問1に対する英国政府の内閣府担当者からの回答を御覧いただきたいと思います。エージェンシーの目標設定はどのように行われるのか、低めの目標等が設定されているのではないかとこちらから聞きましたところ、エージェンシーのモニタリング、―これは広い意味のプロセスを指していると思いますが、―そのモニタリングのプロセスに主管省のみならず、大蔵省及び内閣府が組み込まれている一つの理由は、きちんと適切な目標を設定することにあるのであるという説明を英国内閣府の担当者は返してきております。それが彼らの一つの説明なのではないかと思われます。
竹内委員
 結局、エージェンシーと普通の省内組織とどこが違うかという問題なんです。つまり、そうなるとやっている仕事はパブリックサービスである。しかし、なぜ日本のように省内の普通のガバメントの仕事ではなくて、エージェンシーと呼ぶのかという本質的な区別は何なのかというところが知りたいわけです。想像するに、単なる政策の目的に沿ってやっているのがアドミニストレーションで、エージェンシーというのが、いわゆるサービスを提供するというところに趣があって、なおかつ、それに対するモニタリングシステムをそれぞれ持っている。つまり分散型のモニタリングシステムを持っているというような解釈でいいのかなと。イギリスにならってフランスでも土木研究所というのが移行した例があるんです。その場合でも、土木研究所の研究評価というものを、その研究所の内部でステアリングコミッティーみたいなものがあって、組織の中で非常に細かく人事から評価から独自に評価する。外部の人も入れて年がら年じゅう評価をやっているというようなことを聞いたんですけれども、比較的閉じたサークルできちっと動いているというイメージがあって、それが本質なのか、その区分けというか、エージェンシーというのはどこが違うんだという、そこはいかがでしょうか。
高野評価監視官
 資料4ページのA3判の総括表の中で「ねらい」という項目を整理しております。もともと英国でエージェンシーが導入されたきっかけとなりましたイブス報告と言われるレポートがあります。そこの中で言われていた一つの話としては、行政執行機能を政策助言機能から切り離して独立的な組織でやっていくんだいうことがありました。そのためのフレーム、仕組みの問題として、フレームワークドキュメントというものに基づいて、省庁内の組織ではあるけれども、主管大臣と専任されたエージェンシーの長との間でいわば疑似契約のようなものを結び、それぞれの目標とか、仕組みとかを決めて、その中で業務執行をし、またその業務執行状況についてモニタリングを受けつつ次の段階を進めていくというやり方を導入した。そういうやり方を適用された存在がネクストステップスエージェンシーあるいはイグゼクティブエージェンシーということになるのだろうと思います。ですから、先ほど竹内委員が言われましたサービスというものを、行政執行機能、実施機能一般ということだと考えますと、おっしゃられたとおりなのではないかなと思います。
丹羽委員長代理
 15ページの目標の設定をできるだけ簡潔にして定量化をすべきではないかとか、あるいは実際の達成状況や定性目標は8割ぐらい目標以上の成果という評価が出てしまう。定量ですと55%ぐらいしか出ないというのは、我々の委員会でも同じような傾向が出る可能性があると思うんです。そういうことからいうと、やはりこの委員会としてもできるだけ目標は不明瞭にならないように絞って、定量化できる部分にかなり凝縮していく必要があるのではないか。定量化のウエートを高めていく必要があるのではないかということ。
 それからもう一つは、それにそぐわないものもあると思いますので、全部これがいいということではありませんけれども、私は大変勉強になったのではないかという感じを受けているんですけれども、それについては、やはり日本の各省庁に対しても、こういうような定量化をできるだけ進めるような形の項目を増やして、それに絞って評価を、できるだけそれにフォーカスして評価をしていくようなことにしないと、定性面は非常に難しいのではないかというような気がしますが、皆さんの御意見をぜひお伺いしたい。
高野評価監視官
 事実関係だけ補足させていただきます。資料15ページについて書き方が分かりにくくなっておりました。定量的目標の達成度合いにつきましては、55%が目標を超えて成果を上げており、19%が目標どおりですので、目標以上の成果を達成したものが74%となります。したがって、定性的目標では79%、定量的目標では74%が一応目標達成ということになります。読みづらい書き方して申し訳ありませんでした。
村松委員長
 日本の独立行政法人の評価というのは、一応各省庁の評価委員会があって実施するわけで、そのときには会計のことと、何といっても中期目標が設定され、それに対応する中期計画というのがあって、そこが多分核になるのでしょうけれども、恐らく今日もこれを伺いながら思ったんですが、15ページあたりには、さらにこの委員会として評価をするときのサジェスチョンが、今、丹羽分科会長がおっしゃられたようにあるなという感じは私もしておりました。
 いろいろあると思いますけれども、時間が大分経ちまして予定よりも随分過ぎて、司会の不手際で大変申しわけございません。しかし、たくさんの意見を委員方から伺いたいのと、ヒアリングに応じて来てくださった方からたくさん吸収したいという欲の深いことをどうしても考えますのでこういうことなるわけでございまして、お許しいただきたいというふうに思います。
 このあたりで今日の委員を終わらせていただきまして、次回以降について事務局からお願いしたいと思います。
鎌田総務課長
 次回は第6回ですが、6月22日の金曜日、午後2時からこの場所で開催したいと思います。議題につきましては、各省ヒアリングの続きがございまして、各府省における政策評価の先行的な取組状況、公共事業あるいは研究開発の取組状況についてとヒアリングを行いまして、独法につきましては、中期目標、中期計画等の現状について御議論いただきたいと思っております。
村松委員長
 ありがとうございました。それでは以上をもちまして政策評価・独立行政法人評価委員会の第5回会合を終わります。どうもありがとうございました。
(了)

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