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平成23年度第2回過疎問題懇談会 議事概要

日時

平成24年3月16日(金)13:00〜15:00

場所

総務省7階 省議室

出席者

(構 成 員)宮口廸 座長、青山彰久 構成員、安藤周治 構成員、飯盛義徳 構成員、
        岩ア憲郎 構成員、佐藤宣子 構成員、本田節 構成員、横道清孝 構成員
(総 務 省)門山地域力創造審議官、牧地域自立応援課長、秋本地域通信振興課長、
        山口過疎対策室長
(農林水産省)小林中山間地域振興課長
(国土交通省)山本地方振興課長

議事概要


1.過疎対策におけるソフト事業等の動向について
2.集落調査の結果について
3.今後の過疎対策等

 
(1)説明事項等
 上記議事概要の1〜3について、事務局から配付資料に基づき説明を行い、質疑応答、意見交換を行った。

(2)主な意見等
過疎対策におけるソフト事業等の動向について
・私の町では、財政的な将来見通しも立てなければならないため、総額では枠を設けているが、現場ではソフト面でやらなければいけないことがどんどん多くなってきており、過疎債ソフト分は非常に重宝している。
・過疎債ソフトについて、都道府県間でこれだけ差が出ているのは、都道府県団体の担当者や担当部局についても関係があるのではないか。
・市町村合併後、市町村へ権限委譲が進んでいく中で、都道府県がかなり存在理由を見失っている傾向があるのではないか。小さな自治をきちんと支えるということもこれからの新しい広域自治体の仕事。
・地域政策で格差が出るのは、直視すべきだと思うが、財政上の問題からやりたいことがやれないということがないように、中央政府として条件や環境は、きちんと整えていくべきではないか。
・過疎債を活用している場合は、新規のソフト事業に取り組んだ傾向がより強いということで、新規事業を過疎地域において誘発をしたという効果は高く評価をすべき。
・過疎地域では、問題意識は持ちながらも事例がわからない、もしくは、これから取り組んでいくという地域も多いと思うので、色々な取組事例をわかりやすく示していくということが大切。
 
集落調査の結果について
・中間支援組織の問題点は、財源及び人材の確保。
・集落の抱えている課題などを整理し、町と橋渡しをしたり、あるいは課題解決するといった役割果たせるような中間支援組織が各県に作られていいのではないか。
・地域おこし協力隊員については、隊員本人の問題もあると思うが、受け入れ側の学習も必要。その際には、コンサルティングやアドバイザーが必要となってくるのではないか。
・地域おこし協力隊については、市町村の職員がきちっと地域おこし協力隊員を受けとめて、コーディネートしたり、オーガナイズすることが重要。
・職員が協力隊員を絶えず世話をする、コーディネートをするということは職員にとっても成長の機会になると思う。
・集落支援員や地域おこし協力隊とのかかわり方というのは、どうやったらいいか正解はないと思うが、現場の事実を共有し、一緒に考える姿勢が大切。市町村の手が回らない場合には県庁がサポートすることも一つの考え方。
・地域おこし協力隊はとてもいい制度だと思うので、これを拡充していくことが必要。拡充するためには、この第1期の卒業生が出るときのこのケーススタディーを十分にして、必要な環境整備をどうすればいいのか、ぜひ検討していただきたい。
・地域おこし協力隊等の人的制度は種々あるが、成功しているところと、あまりうまくいっていないところでは、自治体の担当職員の差もあるのではないか。また、担当者は事務多忙とも聞く。そういう場合には中間支援組織等がサポートできる体制を確立していることに違いがあるのだと思う。
・単独集落で維持が最も困難となっているのは祭り文化という点は、もう少し強くアピールすべき。また、どう対応していくかも合わせて考えていく必要があるのではないか。
・祭りや伝統行事などの地域文化の保存、継承活動に危機感を感じているという中には、自分達の地域はだめなんだという受けとめ方を地域の方がされている場合もある。私の町にも実際そういう地域があるが、今、そういう地域を残せなければ、山村とか中山間地域と呼ばれるところは将来に残せないと思う。
・市町村合併以降、(市町村の単位が大きくなり)担当者が現場を把握していないのではないかという危惧を常に持っている。さらに民生委員、農業委員、役場の職員などの数も減ってきており、地域の実情を把握する役割をだれがやっていくのか。
・現場を把握できなくなってきている中で、市町村が計画をつくっても、現場とは違うということになりかねないので、調査を行う際にはそうした基本的なところから検討をお願いしたい。
・森林組合、農協、自治体にせよ、集落の祭りや防災を現在担っている人達の職場が地域からなくなっているということは非常に大きな問題。
・外部の視点というのは他の所を知って初めて言えることもあると思うので、定住ということだけではなく、もう少しほかを見る機会も作っていったほうがいいのではないか。
・色々なソフト事業の取組を見ていると、ほとんどが住民の方々の誇りとやる気につながり、更なる活動の展開に結びついているというところがまさに大切なポイント。成功事例まで持っていくための方法や人材育成はますます重要になってくるのではないか。
・役場の職員や学校の先生のOBの方達は、定年後、全然地域のコミュニティーにかかわっていないといったことも多くもったいないと考えている。プロフェッショナルとしてもっと集落の祭り事や伝統行事への支援、地域おこし協力隊のサポートといった活動に参加いただける仕組みがあればいいな、と考えている。
 
まとめ
・一番今困っているのは文化の継承ということ。これは過疎問題も単に不便だから何とかしてくれという段階から、地域社会の存続、あるいはみずからの誇りの原点というものが危うくなっているところまで来ているということではないか。ただし、そういう集落にとってNPOや学生等が大きな支えになっているということはうれしく思う。
・地域おこし協力隊等がスムーズに活動するためには、中間支援組織、また、都道府県の力というものも大事。ソフト施策の展開として中間的な支援を確立していくということも大事なことではないか。
・他人をうまく介在させる際に、やはり要となって働くのは、地元の自治体職員であろうと思う。地域政策の力という表現もあったが、そういう力をつけて将来につなげるということにも過疎債ソフト分が有効に使われてほしい。

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