(1) |
電気通信分野の個別法に関する論点整理について |
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個別法を定める場合、個人情報の所持を規制するという考え方と個人情報の流通を規制するという考え方があり得る。 |
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規制によっては、事業者にとって負担が重くなり、規制に対応できない小規模事業者が淘汰され、業界の健全な発達が阻害されるおそれもある。 |
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電気通信事業者はネットワークで接続しているから、保有個人データが5,000件以上の事業者だけを規制してもあまり有効ではないのではないか。 |
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名簿屋や私立探偵の取り扱う個人情報の保護に全分野で対応すべきではないか。また、事業者だけでなく個人情報を買う者や誘引する者も規律するべきではないか。 |
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名簿屋に個人情報を流す事業者の従業員を規律するのが重要。 |
(2) |
ガイドラインの改訂の方向性について |
1) |
個人情報の第三者提供の制限について |
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本人の同意について、契約約款による包括的同意は個人情報保護法の同意に該当すると解されるのか。 |
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また、契約約款に事後的に提供条件が変更されることがあると規定されている場合、契約約款の変更により個人情報の第三者提供について規定が設けられた場合、個人情報保護法上の同意があると解されるのか。 |
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契約約款への包括的同意が個人情報保護法の同意と解した場合、利用目的を広く定めている場合には、事業者が自由に個人情報を取り扱える可能性もあり、契約約款の同意だけをもって対応するのは危険ではないか。 |
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個人情報保護法では、原則、本人の同意が必要であり、同意を不要とする例外規定も設けられている。仮に契約約款による包括的同意を個人情報保護法の同意として扱うこととした場合、さらにオプトアウトなどの例外規定が必要かどうかについて考えるべきではないか。 |
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同意の解釈について、電気通信事業分野だけで議論していると、他分野の議論と矛盾する可能性もあるので、個人情報保護法に則って同意の範囲を考えざるを得ないのではないか。 |
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加入者以外に恒常的利用者が存在する場合、加入者が契約約款の規定に同意しても、恒常的利用者の同意が存在しない例も考えられるのではないか。 |
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個人情報保護法第23条で規定されている例外事項である「児童の健全な育成の推進のために特に必要な場合」とは、統計調査等を行う場合のように社会全体の利益のために個人情報を収集する場合をいっているのか、それとも親が子供の非行防止のために個人情報を提供してもらうといった個別の利益のために行うものも含まれるのか。 |
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不払い者情報の交換は個人情報保護法第23条第1項第2号に該当するのか、あるいは同条第4項第3号の共同利用に該当するのか検証が必要ではないか。 |
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迷惑メール業者のリストについても、不払い者情報と同様に扱ってガイドラインの条文に規定するか、解説で記述するといったことが望ましいのではないか。 |
2) |
利用明細について |
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利用明細には利用者の名前は出ていないので個人情報保護法上利用者の個人情報に該当するのであろうか。 |
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利用明細の閲覧・交付について、加入者が恒常的利用者でなく、料金支払者である場合であって、利用明細を閲覧することにつき正当な利益を有していると認められる場合には、恒常的利用者の同意がなくとも閲覧・交付に応じるとすると、恒常的利用者は、オプトアウトにより閲覧・交付を拒否できるということになるのであろうか。 |
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事業者が識別できるのは基本的には加入者のみであり、加入者の申告がない限り恒常的利用者の存在を認知できないため、個人情報保護法の「本人」は原則として加入者と考えてよいのではないか。ただし、恒常的利用者の存在を認識した場合には、通信の秘密に係ることなので恒常的利用者の同意を求めるべきではないか。 |
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個人情報保護法第23条及び第25条の「本人」に誰が該当するのか整理が必要ではないか。 |
3) |
発信者情報と位置情報について |
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発信者情報以外の位置情報、つまり位置登録情報については引き続き現行ガイドライン第11条で規律するが、発信時に送られる位置情報については、第10条で規律するのか、あるいは第11条で規律するのか適用関係を明確化する必要がある。 |