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IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会第18回会合議事概要

日時

平成24年5月17日(木)13時30分〜15時50分

場所

中央合同庁舎第2号館(総務省)8階 第1特別会議室

出席者

(1) 座長
齊藤忠夫(東京大学)
(2) 構成員
荒野高志(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、江ア浩(東京大学)、木下剛(財団法人インターネット協会)、近藤寛人(社団法人電気通信事業者協会)、清水博(財団法人電気通信端末機器審査協会)、立石聡明(代理:木村孝)(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、中村修(慶應義塾大学)、村松茂(財団法人日本データ通信協会)
(3) 総務省
桜井総合通信基盤局長、原口電気通信事業部長、安藤総合通信基盤局総務課長、古市事業政策課長、二宮料金サービス課長、齋藤データ通信課長、中西データ通信課企画官、田邉データ通信課課長補佐

議題

(1) 事務局説明
・研究会の今後の進め方(第3次報告書のフォローアップ等)
(2) オブザーバからのプレゼンテーション
(3) その他

議事要旨

  • 事務局説明
・資料18-1について、事務局より説明。
○特に質疑なし。
 
  • オブザーバ及び構成員からのプレゼンテーション
・資料18-2〜18-5について、グーグル株式会社、日本マイクロソフト株式会社、東日本電信電話株式会社及び立石構成員(代理:木村孝)より説明。
 
○資料18-5の社団法人日本インターネットプロバイダー協会の説明資料について、本来の趣旨であるIPv6対応を進めるべきというメッセージがやや見えにくくなっているため、工夫された方が良いかもしれない。本日の4名の説明については、何れもAAAAフィルタに関しては、短期的な対策であり、本来は望ましくない手法であるというのが意見であるため、そこをしっかり表す必要があると思う。
 
○また、資料18-2のグーグル株式会社の説明の中で、数値目標を掲げるべきだという話があった。これに関しては、どこで目標を策定することが最も適切なのかということが1つのポイントになる。政府が策定すると、規制のようになりかねない、基本的には民間で策定するほうが良いのではないか。
 
○グーグル株式会社の説明の中で、問題のあるネットワークのDNSの情報を公開し、大手コンテンツプロバイダーが当該情報を利用して、フィルタを掛ける可能性があるという話があった。この問題のあるネットワークの定義を教えてほしい。これは数値目標に関連する話である。また、資料18-3の日本マイクロソフトの説明について、14頁の「実際には存在しないルートのルータ広告による構成を行うべきではない。」との表現について補足してほしい。
 
○通常OSがルータ広告を受け、そのルートを構成した際、現状ではIPv6パケットを送付しても実際のホストに到達できない(OSでは、IPv6パケットをルーティングできるルートなのか、できないルートなのかを判断できない)ため、フォールバック問題が生じることについて言及したもの。
 
○今、説明頂いた趣旨は、クローズドなネットワークが良くないと言っているわけではないが、フォールバック問題が起こるような構成を作るべきではないという認識なのか。
 
○然り。
 
○現時点では問題のあるネットワークのリストに載せるための閾値を決めていない。IPv4と比較して、相当通信品質が悪いものは全てリストに載せていく方向で検討している。
 
○IPv6を推進するための数値目標等に関しては、関係者で構成する何らかの組織で策定するほうが良いのではないか。リストを公開するのであれば、その定義もしっかり公開してほしい。どこまでの遅延を問題とするかなど、コンテンツ事業者にとっての安定したネットワークの指標として参考になるのではないか。
 
○現時点では数値を示すことができないが、リスト化する際には、すべての透明性を確保してきたい。
 
○グーグル株式会社の説明の中で、壊れているネットワークとの表現があったが、これは閉域網全体のことを指しているのか。
 
○閉域網そのものが悪いのではなく、閉域網の存在により、フォールバック問題のようにグローバルなインターネットへの接続が阻害されていることが問題である。
 
○IPv6にグローバルな到達性があれば、閉域網サービスが並行して稼働していても問題は生じない。この点、現状ではバランスの悪い状況になっているということを、説明されたのではないか。
 
○誤解を招く表現であるため、何が壊れているのかをしっかり定義するべきである。
 
○資料18-4の東日本電信電話株式会社の説明については、スケジュール感が示された前向きな内容であった。VNE数の拡大について、大凡の規模、実現時期を教えてほしい。
 
○規模感としては、論理的数値として、数百か数十かと問われれば、数十程度になるのではと見込んでいる。時期については、制度上の確認を含め、諸手続が必要になるため、1年以上後になる見込み。
 
○同じく東日本電信電話株式会社の説明にあるIPoE方式の申込手続の簡素化に向けた取組について、ワンストップで完了する仕組みを提供とあるが、利用者の申込みは必要なのか。
 
○新規の場合、インターネット接続サービスへの申込みは必要となる。これは、他社でも同じではないか。既存の利用者への提供に関しては、別の課題として残っている。
 
○新規申込み回線への工事無料化とあるが、全くNTTの利用者でない方がNTTの回線を契約する場合のことを指しているのか。また、Bフレッツの利用者がフレッツ光ネクストに移行する場合も含まれるのか。
 
○前者のような新規契約を想定している。契約変更の場合まで含めるかは詰め切れていないが、検討していきたい。
 
○ISPでは、IPv6インターネット接続サービスを利用するための追加料金を利用者に負担させない方向で検討が進められているのか、現状を確認したい。
 
○オブザーバとして参加しているISP各社から、次回以降の会合で説明されると思う。
 
○日本マイクロソフトの説明について、12頁の「避けるべき解決策」の中でプレフィックスポリシーの編集についても言及されているが、やるべきではないということか。
 
○弊社のホームページにおいて、プレフィックスポリシーの編集に係る技術情報を公開しているが、利用者の問合せにより、当初想定しきれなかった問題、利用者が気付きにくい問題が発生していたことが判明したことによる。
 
○グーグル株式会社の説明の中で、3つのVNEによる寡占という表現があったが、実態に即していないのではないかという感覚をもっている。現状では、過渡期ということもあり、IPv4アドレスの枯渇によりIPv6に今すぐにでも移行したい、VNEと契約したいという顧客が少ない。そういう意味で、VNE数の拡大に反対はしないが、数を増やすことよってIPv6利用が進むというのは、やや短絡的ではないか。
 
○案2(PPPoE)であれ案4(IPoE)であれ、ISPがIPv6を導入するのであればどちらでも良いと考えている。弊社のプレゼンテーションの中で、各社へのヒアリングを通じて浮かび上がった案2、案4における懸念点を示したが、グーグル株式会社としては、これらが解決されればIPv6対応が進むのではないかと考えたものであり、特段これがないとダメだという趣旨ではない。
 
○本研究会は、IPv6対応を推進することを目的としており、様々なアイデアをご提案いただくことは、とても良いことであるように思う。
 
○東日本電信電話株式会社の説明について、8頁目にVNE事業者の新規参入拡大の目処が立ったという表現があるが、何に対してどのような目処が立ったのか根拠を教えてほしい。
 
○当初、障害発生時の経路数の問題や網のキャパシティの問題等により、VNE数を3社に限定していたが、その後、約1年を経て、ネットワークの増強等により経路数を増加しても問題ないという目処が立ったということである。ただ、論理的に提供できる数と現実的に運用できる数については、未だはっきりした答えは出ていない。当初3社限定で策定したルールが、枠を拡大したときにどうなるのかという問題もあるため、相談しながら詰めていきたい。弊社としては、IPv6の普及促進という観点で有効な施策であると考えており、できるだけ早期に提供したい。
 
○IPv6を普及させるためには、技術面だけでなく、実際に販売していかなくてはならない。そこの部分を含めてしっかり議論していく必要があると考えている。
 
○皆様にも御意見を言っていただく機会があるので、その時に今のような話も含めて、どうすればIPoEを使いこなせるのか、そのために皆で何をしなければいけないのか等ご提案いただきたいと思う。
 
○数値目標の件については、是非とも本研究会において取り上げてほしい。
 
○本研究会において数値目標を策定するということは、即ち国が策定するということである。本研究会で策定するのか、あるいは別の業界団体で策定するのか、多様な方法がある。業界が数値目標を持つことが望ましい旨を本研究会のレポートに記載することはあり得るが、国が直接数値目標を策定することの弊害もまた考えられるのではないか。諸外国においてIPv6に関わる目標を掲げて、うまくいっている例はあるのだろうか。
 
○インターネットのオペレーションは、国ではなく、エンジニアが自ら目標を決め、その解決に努めるべきであるというのがグーグルの精神ではなかったのか。ここでいう数値目標とは、具体的に皆が前に動くような会議にしてほしいという思いであると理解したい。グーグルが持つ豊富なデータを皆で共有し、エンジニアが連携しながら業界として数値目標を作る形にしていこうということではないか。国が研究会を開催する重要性はあるが、そこで数値目標を掲げ、インターネットやISPに対し、こうしなければいけないということまで言及するようになれば、インターネットの今までの独立性や自立性が保たれなくなるおそれがあるのではないか。
 
○IPv6移行に関わる様々な経験を積んだ上で、皆で話し合って協力関係を構築することが、IPv6の普及促進にも繋がるというテーマが出てきた。この点、本日、共通理解が得られたのではないかと思う。それぞれの課題を話し合い、皆で解決に向けて協力していこうということは、本研究会の目的でもあり、そういう意味で、皆様に参加いただくことはIPv6の普及促進に役に立つ。皆が真剣に課題に取り組むことにより、初めて望ましい数字が出てくるのではないか。業界団体等において合意が得られれば、業界団体としての数値目標は策定できるかもしれないが、本研究会はそのような場ではないとの認識を持っている。
 
 
【その他】
○次回会合では、IPv6利用拡大に向けた議論を引き続き行う予定。次回の開催等については別途連絡する。
 
以上

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