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IPv6によるインターネット高度利用化に関する研究会
IPv4アドレス在庫枯渇対応に関する広報戦略ワーキンググループ(第2回会合)議事概要

日時

平成21年9月16日(水) 10:00〜12:00

場所

総務省 10階 総務省第1会議室

出席者(敬称略)

(1) 主査
江ア 浩(東京大学)
(2) 副主査
中村 修(慶應義塾大学)
(3) 構成員
阿賀谷匡章(株式会社ジュピターテレコム)、依田高典(京都大学)、内山昌洋(パナソニックコミュニケーションズ株式会社)、榎本洋一(ソフトバンクテレコム株式会社)、笠原秀一(株式会社ウィルコム)、菊池正郎(代理:鈴木氏)(ソネットエンタテインメント株式会社)、岸川徳幸(NECビッグローブ株式会社)、木下剛(シスコシステムズ合同会社)、木村孝(ニフティ株式会社)、瀧塚博志(代理:川名氏)(ソニー株式会社)、橘俊郎(株式会社ケイ・オプティコム)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、田中寛(代理:奥田氏)(KDDI株式会社)、鶴巻悟(ソフトバンクBB株式会社)、寺田昭彦(財団法人電気通信端末機器審査協会)、外山勝保(インターネットマルチフィード株式会社)、永見健一(株式会社インテック・ネットコア)、濱口和子(株式会社日立製作所)、馬場達也(株式会社NTTデータ)、前村昌紀(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、松村敏弘(東京大学)、三膳孝通(株式会社インターネットイニシアティブ)、山下達也(NTTコミュニケーションズ株式会社)、山下良蔵(日本ケーブルラボ)
(4) 総務省
福岡電気通信事業部長、長塩データ通信課長、中沢データ通信課企画官、武馬データ通信課課長補佐

議題

  1. 構成員からのプレゼンテーション
    (1) NECビッグローブのIPv6への取り組みと課題について(岸川構成員)
    (2) @niftyにおけるIPv6対応計画の概要(木村構成員)
    (3) ソフトバンクグループ IPv6状況と広報課題について(榎本構成員)
    (4) CATVインターネットの現状とJ:COMのIPv6対応に向けた取り組み及び課題(阿賀谷構成員)
    (5) IX・データセンタ・コンテンツ提供者におけるIPv4枯渇対策・IPv6対応策(外山構成員)
    (6) システムインテグレータとしてのIPv4アドレス在庫枯渇に対する広報の役割について(馬場構成員)
  2. 自由討議
  3. その他

議事要旨

【構成員からのプレゼンテーションについて】
(1) 岸川構成員より「NECビッグローブのIPv6への取り組みと課題について」(資料WG広2−1)について説明。

 ○ISPのIPv6対応について、足並みを揃えることは重要だが問題もある。各ISPのネットワーク構成は違うので、難しいのではないか。また、事業競争上の観点からも難しいと思う。
 ○移行するには連携も必要ではないか。IPv6に移行させるには、足並みを揃えるといった対応を取らないと難しいのではないか。
 ○P11について、IPv4グローバルの端末からIPv6サーバーへの通信はないということか。
 ○ユーザーがIPv6を利用するようにして欲しい。IPv4グローバルが振られた端末からIPv6サーバーへの通信が発生すると、ネットワーク構成が複雑になり余計なコストがかかることで、ISPの経営が破綻する恐れがある。
 ○P12において、主要なサービスはIPv6になることとあるが、これは世界的に見てもそうなのか。
 ○そうなるのが理想である。日本から海外への通信はそれほど多くはなく、また海外のサーバーを借りることも少ないので、日本において端末側をIPv6対応させれば、LSNを通る通信を減らすことができ、ISPの負担が軽くなる。YouTubeやGoogleといったサービスは海外への通信だが、それ以外の通信は少ない。
 ○IPv6移行については、業界として横並びにできるかどうかがポイントになるだろう。

(2) 林氏より「@niftyにおけるIPv6対応計画の概要」(資料WG広2−2)について説明。

 ○岸川構成員と論点はほぼ同じだが、中小ASPのIPv6対応も重要だということも加える必要がある。

(3) 榎本構成員より「ソフトバンクグループ IPv6状況と広報課題について」(資料WG広2−3)について説明。

 ○IPv6対応のポリシーが他社と違っているのがポイントではないか。ダイヤルUPユーザーが取り残される懸念があるが、ボリュームとしては影響は小さいかもしれない。

(4) 阿賀谷構成員より「CATVインターネットの現状とJ:COMのIPv6対応に向けた取り組み及び課題」(資料WG広2−4)について説明。

 ○ケーブル業界が他のISPと違うのは、今でもユーザー数が伸びていてIPv4プライベートアドレスの保有分が少なくなってきていることだろう。

(5) 外山構成員より「IX・データセンタ・コンテンツ提供者におけるIPv4枯渇対策・IPv6対応策」(資料WG広2−5)について説明。

 ○P6にあるトランスレーターを入れるとセキュリティ等の面でも課題があるとはどういうことか。
 ○中間に装置を置くことになるので、そこで通信内容をいじられると言ったいわゆる「man in the middle」という問題がある。エンドユーザーに近いISPやDCがIPv6対応のためにトランスレーターをおくことは良いが、IXのような通信を中継するような部分にあることは問題があるかもしれない、ということである。
 ○ISPは犯罪がおきた場合に、ユーザーのIPアドレスを警察に知らせることがあるが、IXのような通信を中継するような部分でも追跡することは可能か。
 ○ログを取ることはするが、それには当然コストがかかってくる。
 ○トランスレーターをおくとコストがかかってしまうのは必然か。
 ○ログを取っておくとなると、当然コストはかかる。
 ○ログが莫大になるというのは、「man in the middle」 の問題と同じである。

(6) 馬場構成員より「システムインテグレータとしてのIPv4アドレス在庫枯渇に対する広報の役割について」(資料WG広2−6)について説明。

 ○お客様の説明の部分で第三者が作成した資料とあるが、JISAが作成した資料はあるか。
 ○IPv6対応に関係する資料は出ていないようだ。もしあれば、顧客のIPv6対応には効果的だと思う。
 ○機器ベンダーなどのIPv6対応状況を把握されていると思うが、公開できる情報はあるか。
 ○P5にある、対応計画・対応状況については、公開することは難しい。検証結果についても、ビジネス面で難しいだとう。
 ○テストベッドを構築する中でも、ベンダーへの広報をどうするかという議論がでている。

【自由討議】
○これまで、電話交換機のデジタル化等の大きな転換時期があった。また、NTTの地域IPネットワークも頻繁に変わっている。しかし、なぜ社会問題にならなかったかというと、NTTが努力して解決してきたからだと思っている。IPv6は何が問題かというと、産業構造がNTTのような垂直統合から垂直分離ビジネスモデルに変にわったという点ではないか。特にNTTはISPを手がけられないということから、問題が顕在化してきているのではないかと思う。現在のネットワークのユーザー分布を、5:5:7:5と考えている。すなわちブロードバンドユーザーが全体の5割の3000万、そのうちFTTHが5割で1500万、そしてNTTのFTTHが7割で1100万、さらにそのうちNTTコミュニケーションズが5割という構造になっている。今後この比率が7:7:7:7になっていくのではないか。そのうち多数派はNTTのNGNの巻き取りの時期である2012年に合わせて対応が可能だろう。しかし、少数派側のユーザーは切り捨てられる可能性もあるし、値段が上がる可能性もある。しかも、少数派の部分のユーザーには広報が行き届かない部分になってしまうだろう。これによって、実は大変なことがおこるかもしれないが、マジョリティ側ではないので、社会問題にはならない可能性もある。よって、広報戦略は、意義はあるが効果は実は薄いかもしれない。2012年頃に問題が大きくなると考えられるので、そのための準備が一番重要であり、消費者対策が必要になるだろう。それによってNGNが成功してNTTのシェアが更に増したとしても、それは競争政策の問題なのでまた別に議論すればよい。
○モバイル端末のユーザーが増えてくると、家庭でもインターネットに接続するようになり、今とユーザー構成が変わるかもしれない。したがって、7:7:7:7というのは少し変わってくる可能性がある。
○例えば、NTTのFlet’sサービスは解約率が高くなっているようだが、Yahoo!BBといった他のアクセス回線にユーザーが流れているのではなく、インターネットに接続するのは携帯電話で十分と考える人が増えているという話を聞いたことがある。
○ISPの周りを取り巻く産業が、いつIPv6に移行すれば良いか分からないので、ISPの広報だけでなく産業全体を含めた広報が必要だと思う。その上で経営者等へどう啓発していくかが課題となっており、データセンターやコンテンツ事業者がIPv6移行に向けて足踏みしているのではないか。
○誰に対して何を広報するかが重要である。「インターネットの円滑なIPv6移行に関する調査研究会」では、各プレイヤーがIPv6対応計画を策定することになった。ISPが計画を立てるにあたっては、各社の方向性が違うので、異なる選択肢の中で合理的に進めるのがよいだろう。日本の中だけでひとつのシナリオで進めるというのはできるかもしれないが、グローバルの視点から考えると難しいだろう。
○色々なシナリオが考えられる。シナリオを想定した上で、セイフティネットやリスクマネジメントをどうするかを考えないといけないだろう。
○携帯電話のIPv6対応状況を把握することは可能なのか。
○携帯事業者に聞いたところ、まだ検討中というところが多いようだ。
○まだ話せない部分が多いということだろう。

【その他】
○ 次回の開催日時(10月7日13時〜)について連絡。

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