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IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスワーキンググループ(第3回会合)議事概要

日時

平成22年5月11日(火) 14:00〜16:00

場所

総務省11階 第三特別会議室

出席者(敬称略)

(1) 主査
江ア 浩(東京大学)
(2) 副主査
中村 修(慶應義塾大学)
(3) 構成員
今井恵一(代理:加藤氏)(社団法人テレコムサービス協会)、今田正実(特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム)、内山昌洋(パナソニック システムネットワークス株式会社)、喜多裕彦(代理:三瓶氏)(社団法人電気通信事業者協会)、北村倫夫(株式会社野村総合研究所)、木下剛(シスコシステムズ合同会社)、坂口肇(UQコミュニケーションズ株式会社)、紫関昭光(日本アイ・ビー・エム株式会社)、高瀬晶彦(株式会社日立製作所)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、田中寛(KDDI株式会社)、出口幹雄(富士通株式会社)、馬場覚志(NTTコミュニケーションズ株式会社)、原田典明(日本電気株式会社)、松本佳宏(株式会社ケイ・オプティコム)、宮坂肇(株式会社NTTデータ)
(4) 総務省
福岡電気通信事業部長、長塩データ通信課長、中沢データ通信課企画官、武馬データ通信課課長補佐

議題

  1. IPv6環境クラウドのガイドライン骨子(案)について
  2. 構成員からのプレゼンテーション
    (1) センサネットワークの現状と課題 省エネの環境アプリケーション事例(緒方構成員)
    (2) IPv6環境クラウドサービスの利用促進を阻害する課題 〜環境センサーネットワークの技術的・制度的・ビジネス的課題〜(北村構成員)
  3. 自由討議
  4. その他

議事要旨

【IPv6環境クラウドのガイドライン骨子(案)】
事務局より「IPv6環境クラウドのガイドライン骨子(案)」(資料WG環3−1)、「IPv6環境クラウドサービスの利用促進方策について」(資料WG環3−2)について説明。
○ ガイドラインでは、3つのモデルに共通の要件を整理するのか。または、モデル毎に個別の要件を整理するのか。
○ 両方を想定している。
○ 資料WG環3−1の「拡張性の確保」が大きな括りになっているが、信頼性の確保の面から、信頼性についての測定も項目として入れてはどうか。
○ クラウドサービスとしての信頼性の数値は参照程度でよいが、むしろ周辺系がどのくらいの信頼度で動かなければいけないか、あるいは周辺系の信頼度を踏まえた対策をどうするかが重要。
○ 信頼性の観点についても考え方を盛り込む。
○ 「拡張性の確保」にもセキュリティのことがメインに書かれているため、「情報セキュリティの確保」との差が分からなくなってしまっている。拡張性の確保を目標にしていることが分かるように記述すべき。

○ 資料WG環3−1の「システムのレイヤー構成(例)」について、センサーネットワークにはエネルギー情報計測・収集・制御システムだけでなく、ビル群エネルギー管理システムも含まれるだろうし、クラウドにはビル群エネルギー管理システムだけでなく、エネルギー情報計測・収集・制御システムも含まれるだろう。また、レイヤーについては、センサーネットワークもクラウドも全てのレイヤーにまたがるのではないか。こうしたことを踏まえると、表中の「システム構成要素」において、クラウドサービスとエネルギー情報計測・収集・制御システム等が同じレベルで列挙されていることに疑問を感じる。
○ 「システム構成要素」や「システムのレイヤー構成例」に挙げているのは一例である。どういう構成になりうるかは実証実験を通じて具体化・詳細化していくことになる。誤解を生まないように整理する。
○ モデルAは、消費情報と制御の双方向のモデルで、Bは消費管理をするモデル、Cは供給の管理のモデルを指していると思う。このように機能要件だけでなく、スケール、情報の所有権やプライバシーといったレベルでモデル分けして整理する必要があると思う。
○ モデルAだけ対象が具体的すぎるように見えるのは事実。

○ 「ID管理とアクセス管理」の項目で認証、認可とあるのは、利用者の認証、認可か。
○ 「利用者」は「クラウドサービスを効果的に活用する」にかかっている。「サービスを構成する様々な要素」の認証、認可と読めるように表現を改める。

○ 国際的には、APEC TELで、環境負荷軽減にネットワークがどう貢献するのかを議論する方向。本WGでの議論を反映できればよい。また、資料WG 環3−2の「環境クラウドの利用による環境負荷軽減効果の測定」についてはデータセンターに偏っているので、ネットワークの要素をもう少し入れる方がよい。

【構成員からのプレゼンテーション】
緒方構成員より「センサネットワークの現状と課題 省エネの環境アプリケーション事例」(資料WG環3−3)について説明。
北村構成員より「IPv6環境クラウドサービスの利用促進を阻害する課題 〜環境センサーネットワークの技術的・制度的・ビジネス的課題〜」(資料WG環3−4)について説明。
○ センサーネットワークとBEMSのプロトコルの整合が課題ではなく、IPv6で接続されるセンサーネットワークの上のBEMS間の整合に問題があるということが実態。そのため、ガイドラインの「システムの構築・運用に係る要件」に、ネットワークレイヤーにおけるセンサーネットワークへの対応の確保の要件を整理してほしい。具体的には、通信プロトコルやオープン化の要件などを押さえるべき。
○ 標準化の側面で、センサーネットワークについてはすでにIETFでROLL(The Routing Over Low-Power and Lossy Networks)グループが検討を行っており、センサー自体は6LoWPan(IPv6 over LoW Power wireless Area Networks)の検討に含まれるため、センサーネットワークについては整理できる。一方、BEMSに関しては、相互接続は何となくできている状況で、それをどう国際標準化するかが鍵になってくる。

○ 今後の方向性は、センサーが安価になり目的ごとにセンサーを設置することになるのか、もしくはセンサーが高価なので多目的利用が可能なセンサーを設置することになるのか。
○ 多目的に利用する前提でセンサーを設置する例は少ないと思われる。大抵は別目的で得たセンサー情報を転用するという形である。
○ センサーネットワークは、センサー情報そのものと情報をどう管理するか(どう利用するか)がセットになっていると思う。目的に応じて別々のセンサーを使うのか、センシング情報を複数の目的で利用するのかによって、データの完全性の確保の手法か変わってくるため、どちらを前提とするのかを整理する必要がある。

○ これはガイドラインにおける拡張性にも関係する話であり、センサー情報の多目的利用をどう実現するかは、どのようにアーキテクチャを決定するかという議論になる。実証実験を行う各モデルにおける運用ガイドラインが出てくるときに、多目的利用についても実現の可能性が見えてくると思う。
○ センサーを多目的利用化するために、センサー単体レベルで標準化して実現することは現実的ではなく、センサー情報を収集する上位のサーバ側のレベルで標準化すると実現しやすいと思う。
○ 現状は、センサーを設置する人、収集する人、集計し管理する人の区別がないため、途中段階で個別の情報を把握することが難しく、その情報をクラウドで扱うことはさらに困難。プラットフォーム化して整理できるか分からないが、何らかの方針が決まるとよい。

【その他】
主査より、事務局に対して本日の議論を踏まえ、ガイドライン骨子案を修正するとともに、実証実験実施の準備を進めることを指示。
事務局より、参考資料WG環3-3により、スマートクラウド研究会に本研究会の取組について報告予定であることを報告。

以上

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