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IPv6によるインターネット利用高度化に関する研究会第14回会合議事概要

日時

平成23年7月7日(木) 15:00〜17:00

場所

総務省11階第3特別会議室

出席者(敬称略)

(1)座長
齊藤忠夫(東京大学)
(2)構成員
荒野高志(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、依田高典(京都大学)、今井恵一(社団法人テレコムサービス協会)、江ア浩(東京大学)、近藤寛人(社団法人電気通信事業者協会)、清水博(財団法人電気通信端末機器審査協会)、立石 聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、中村修(慶應義塾大学)、松本修一(代理:野田氏)(一般社団法人日本ケーブルラボ)、松村敏弘(東京大学)、村松茂(財団法人日本データ通信協会)
(3)総務省
桜井総合通信基盤局長、原口電気通信事業部長、前川総合通信基盤局総務課長、泉データ通信課長、中沢データ通信課企画官、田邉データ通信課課長補佐

議題

(1)通信機器、データセンター、情報家電のIPv6対応等について(構成員及びオブザーバーからのプレゼンテーション)
(2)IPv6を用いた環境分野のクラウドサービスWGからの報告
(3)その他

議事要旨

・資料14-1〜14-4について、シスコシステムズ合同会社、さくらインターネット(株)、パナソニック(株)、今井構成員から説明。
○ IPv6 Ready LOGOは、機能試験にパスすれば取ることができる。ただし、製品としての完全性を特に家電メーカーは気にしていることを考えると、ロゴの表示が一人歩きすると困るということを心配しているのだと思う。顧客は、ロゴがついていると100%動くだろうということを想像しているが、全ての場合についての検証はできないので、品質保証という観点でメーカーは保守的にならざるを得ないだろう。
○ ロゴを付けると、これは何かという説明が必要になる。お客様の質問に対して正確に答えられず、悪い印象になってもということを考えると保守的になってしまう。
○ テレビがインターネットにつながってくる中で、問題点、品質保証等については、IPv6をサポートすることによってどのくらい増えるのか。
○ 接続検証について言うと、今までの倍以上になっている。これまでIPv4しかなかったが、IPv6と両方の検証が必要。さらに、キャリアグレードNATや、トランスレーター等、色々なケースについて検証が必要になってくる。
○ 現在のIPv6 Ready Logoの問題点は、アプリケーションレベルでのテストがされておらず、アプリケーションがデュアル環境で動くかということに対する認証ができていないことだと思う。
○ 検査工程の標準化ができることは望ましいが、マーケットがそれを望んでいるかというところも、大きなポイントになっている。
○ 一番困っているのは何かというと、デュアルスタックでどう動作をすればいいのかを示すガイドラインがないこと。例えば、World IPv6 Dayの際に問題になったフォールバック等、アプリケーションの動作に関するガイドラインができて、業界全体のコンセンサスとして動くことが重要ではないか。
○ ガイドラインに関しては、国内の問題として日本作成し、それをグローバルに展開するということは不可能ではない。

○ 資料14-2のP16 で、データセンター側でIPv4サーバーを立てIPv6ユーザーがアクセスをしてくる場合、途中でトランスレーションをされるので、サーバーログにはトランスレーションされた後のIPv4アドレスしかログが残らない。IPv6ユーザーのアクセスを調べるには、トランスレーションしているログとのマッチングが必要になるのではないか。
○ 例えばログを、ユーザーごとに何らかの手段で提供することを検討している。ユーザーにプログラムを提供する方式や、プロトコルごとに独自のヘッダーをつけてユーザーのサーバーに転送する方式等、なるべくアクセスごとのIPv6アドレスが分かるような形での方法を検討しているところ。

○ 資料14-1で、IPv4オンリーの装置と、そこにIPv6のオプションを付けた場合で、価格はどう設定されているのか。
○ 価格面については、IPv6が標準で含まれているものとそうでないもの、両方ある。また、現在、IPv6が基本的には使えるようになっているが、過去に販売していたものは、非常にさまざまなケースが存在するので、個別相談になると思う。
○ 一般論で言うと、大手ISPはIPv4アドレスがなくなるのでIPv6対応を実施しているが、IPv4アドレスがすぐにはなくならず困らない事業者もIPv6に移行することを政府として促していくということになっている。誰がコスト負担するかということになると、ISPは値段据え置きでやろうということを考えている。機器ベンダーはどうなのか。
○ 新しいネットワークをつくるには新しく設備投資をしなければいけないというところが非常に多く、事業者の負担になる可能性が高いが、一部分についてまずは少ない投資で置き換えを始められるようなソリューションを提供している。

○ JPNICとしては、当初アドレスの計画を出してもらい、それに従ってその目的で割り当てているというのが今までやってきたこと。枯渇に伴って考え方も変わってきて、相互に流通していくことによって事業者としてもうまく使えるように、8月から移転が可能になる。価格は、JPNICとしては名簿管理をしているだけで、移転に伴う費用がかかるかかからないかとか、当事者間で払われるかどうかというのは関知しないという立場を取っている。使わなくなったら返す、というのが基本的な原則ではある。
○ IPアドレスの割り当ては、データベース等の維持のための実費を各RIRは請求しているという状況にある。貸し出しをしているというのが基本的な考え方なので、原理的には回収できることにはなっているが、現実は難しいという認識が世界的にもでき上がっている。ただし、IPv4アドレスがなくなっていく段階で、再利用を上手にやらないと混乱が生じるということが意識され、借りているものの名義変更は認めるということになった。

○ ネットワークにつながった家電の面倒をエンドエンドで全て見ることは可能なのか。インターネットの場合は、少し考え方を変える必要があるのではないか。
○ HEMS、スマートグリッド、スマートコミュニティーという世界では、エンドユーザーがある程度の責任を持つというインターネットの常識が通用するのかも考える必要があると思う。しかし、燃料電池にコントロールの機能がついていて、つながるかどうかはメーカーの問題ではないというのは通用すると思えない。最初から最後まで面倒を見るという思想が良いかどうかというのは非常に重要な問題提起だと思うが、インターネットの常識が通用しない世界が現れてくるという側面も考える必要があるのではないか。
○ エネルギーソリューション等の新しい分野や、さらにホームセキュリティー、ヘルスケアという分野になると、人命に関わるような情報のやり取りが将来あるかもしれない。そうなると全部面倒見ますと言わざるを得なくなるのではと懸念している。
○ 技術の問題、構築の問題、運用の問題が、かなり混ぜて議論がされているので混乱するが、オープンな技術を使うことと、オープンネットワークを使うことは区別する必要がある。また、パブリックネットワークを使うのか、クローズネットワークを使うのかも別の軸になっている。システムを構築するときにオープン技術をオープンネットワークで使うのか、クローズネットワークで使うのか、また、クローズネットワークとオープンネットワークとの接続性を持つのか、持たないのかというような観点で、責任分界点というのが決まってくる。


・資料14-5〜14-6について、事務局から説明。
○ 北米のスマートメーター等は、NISTが主導して、特に政府が標準化を引っ張っている。そういう意味では、今既に導入されているメーターは、標準化以前のものとして展開されている。一方で、Google、マイクロソフト等が、どこのマーケットを狙っているかは、1つは北米マーケットで基本的にIPベースのものだろう。もう一つ狙っている地域はアジア。国際展開という意味では、NISTとの関係は戦略的に考えるべきところに来ているので、政策的にハイレベルの話し合いが必要だろう。
○ このガイドラインでは節電について書かれているが、今問題になっているのは電力のピークカットだと思う。IPv6を使って5分おきに使用量を測定できれば、個別の制限はネットワークを通してできるように、このIPv6クラウドサービスは節電を推進できるというのが良いところ。ただし、節電ではなく何か別の言葉を使って表現できると良いだろう。

○ 資料14-3のP8には、節電ではなくデマンドコントロールと書いてあり、これはピークカットと言うことになるだろう。また、ガイドラインの中でもデマンドコントロールの部分が書かれている。
○ IPv6を使って社会インフラを高度化させる等、メリットが見えてくることがIPv6の普及、拡大に結びつくと思う。前文のあたりを修正し、メリットが読み込めるようにしたい。
○ アメリカでは、昼ではなく夜に洗濯乾燥機を回すことを自動で行うことが、HEMSと連動したスマートグリッドの一番効果がある使い方だと言われている。


・資料14-7について、江ア構成員から説明。
○ 大変重要な国際連携の話である。こういう視線が今後重要になってくると思う。一つ注意したいのは、日本でできたからそのまま海外でもうまく行くだろうというと、そうでない場合がASEANでは起こりうること。先進国同士の連携とはかなり違う。


【その他】
○ 次回の開催等について連絡。

以上

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