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ITS無線システムの高度化に関する研究会(第5回)議事要旨

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日時

平成21年6月2日(火)10:00〜11:10

場所

総務省8階第1特別会議室

参加者

(1)構成員(順不同、敬称略)
  川嶋 弘尚(座長)、唐沢 好男(座長代理)、岩渕 英介、
  熊谷 博(代理:矢野 博之)、関口 潔、高山 光雄、
  豊増 俊一(代理:大石 賢治)、中島 豊平(代理:高山 雄介)、
  中村 方士(代理:山田 章)、中山 寛治、西川 幸男、花井 利通、
  柵木 充彦、松岡 孟(代理:藤田 健二)、松下 政好(代理:徳田 清仁)、
  マリ・クリスティーヌ、矢野 厚(代理:北村 明直)、山村 レイコ、
  和田 雅夫
(2)オブザーバー(敬称略)
  橋本 晃(代理:渋谷 秀悦)(警察庁)、
  山内 輝暢(代理:縄田 俊之)(経済産業省)、
  奥谷 正(国土交通省道路局)、島 雅之(国土交通省自動車交通局)
(3)総務省移動通信課
  桜井総合通信基盤局長、吉田電波部長、竹内移動通信課長、
  坂中移動通信企画官、井出課長補佐
(4)その他
  井上 泰一((株)野村総合研究所)、勅使河原 元((株)野村総合研究所)

議題

(1)報告書(案)について

議事概要

○議題
(1)報告書(案)について
・「報告書(案)に対する意見募集の結果及び考え方(案)」(資料5−1)及び「報告書(案)」(資料5−2)について、事務局より説明があった。質疑応答における主な発言は以下のとおり。

○ 報告書(案)に対して個人から何点か意見が提出されているが、それに対する考え方を説明して欲しい。
○ 資料5−1の番号2などに示すとおり個人からいくつかのご意見を頂いている。頂いたご意見に対する考え方として、本研究会の趣旨・目的などを示して回答しているところ。
○ 報告書(案)の参考資料として示してある利用イメージのうち追突防止について、現在の絵ではカーブが存在することにドライバーが注意しているような発言になっているが、それよりカーブによって先が見通せないことに注意しているような記載にしたほうが良い。

・研究会最終回にあたり、各構成員からの安全運転支援システムに対する期待等の主な発言は以下のとおり。

○ 本報告書(案)については、全体的に良くまとまっており、異論はない。前回会合で提示された報告書(案)に記載されていた路側機単価についても修正されている。報告書(案)の参考資料として添付されている利用イメージについて、実際の交通状況では様々な状況が複合的に発生する。その場合、どの情報を優先的に表示するかなど今後検討すべき課題がいくつかある。また、安全運転支援システムではHMIが重要となるので、利用イメージについては今後も様々な観点から精査し改善を図りたい。
○ 今後の普及や市場規模の予測、利用イメージなどが利用者にとって分かりやすくまとめられている。
○ 前回提示された報告書(案)に対して、誤解を招かない記載に修正されている。今後、本報告書(案)を踏まえ技術的検討が行われると思うが、それについてもぜひ貢献したいと考えている。安全運転支援システムの設備整備では他省庁も関係すると思うが、各省庁で連携を図りながら進めていただきたい。700MHz帯は、現在のところ日本のみがITS用途に割当てているが、今後ぜひその有効性を海外にアピールして頂きたい。
○ この報告書(案)を元に700MHz帯を用いた安全運転支援システムを実現すると共に、海外展開も図っていきたい。先週ジュネーブで開催されたITU−Rの関係会合において、日本が提案したミリ波を用いたレーダーやITS通信の勧告化に向け大きな前進があったと聞いている。700MHz帯のITS無線システムの標準化でもぜひ日本としてリードして頂きたい。
○ ITS無線システムに関する技術的課題、利用イメージ、普及の3つについて主に検討した結果がこの報告書(案)と認識している。普及については、高級車から搭載とされているが、最終的には全ての車に搭載したいと考えている。そのためにも、普及が進むよう路車間通信を含めて実現して頂きたい。
○ 700MHz帯を用いたITS無線システムについては、量産化に向けた技術的課題がまだ残っており、今後具体的な方向性が議論されると考えている。
○ VICSセンターでは、昨年9月4日より5.8GHz帯を用いたVICSの技術情報を開示。5.8GHz帯の普及促進が課題であり、次世代VICSプロジェクトとして今年より数カ年計画でVICSのデジタル化の推進やメディアごとに提供するコンテンツの検討を実施。検討ではこの報告書(案)を参考にさせて頂く。
○ この報告書(案)は、今後安全に関する技術開発の促進に役立つと認識。本報告書(案)に基づいた安全運転支援システムの早期に実現のため、引き続き関係者にご尽力頂きたい。
○ 2012年以降700MHz帯を用いたITSのサービスが提供可能となったとき、具体的に利用者にメリットのあるサービスをどれだけ提供できるかが重要である。5.8GHz帯を用いたサービスはスマートウェイで一部開始され、今後拡大すると思われるが、ユーザにとっては700MHz帯も5.8GHz帯も区別はなく、どのようなサービスが提供されるかが重要である。従って、5.8GHz帯を用いたサービスを普及させると共に、700MHz帯の利用が可能となった時に如何に既存の5.8GHz帯とシームレスなサービスを提供できるかが求められる。
○ この報告書(案)により安全運転支援システムの展開に関するシナリオができたと認識。今後はこれに沿って実用化に向けて取組んで頂きたい。特に、安全運転支援システムの実用化に向けHMIをどうするかは大事であり、是非関係者で検討をして頂きたい。
○ 通信方式や周波数など様々な点でよい内容になったと認識。今後安全運転支援システムを如何に実現するかが重要なポイント。特に普及に関してしっかりと活動することが重要であり、それには関係省庁や自動車メーカーとも協力したい。
○ 自動車メーカーとしては、今後如何に利用者にとって有益なサービスを提供するかが課題であると認識。特に、通信システムは自動車メーカーがこれまで扱ったことのない商品であり、見通し外の危険に関する情報をドライバーに提供することでどのような影響があるか分からない。従って、自動車メーカーとしては慎重に検討を進めていきたい。
○ 700MHz帯を優先して検討することで、既存の5.8GHz帯の検討で気づかなかったことが明らかになる。2012年以降の普及に対して700MHz帯を用いたシステムでどれだけ自動車メーカーの要求条件を満たせるか、ビジネスとして成り立つかなどについて今後検討したい。また、報告書(案)の第5章に一部記載されているITS無線システムの更なる高度化に向けた取組みもしっかりと進めていきたい。
○ 米国では700MHz帯を家庭内に情報を運ぶ新たなパイプとみなしており、この周波数帯を様々な用途に利用することを検討。日本でも特定の周波数を単一の用途に割当てるのではなく、より柔軟な電波の利用法を検討してはどうか。
国際展開について、言語の違いなどから国内の取組みが海外に伝わり難く、その結果海外からの参入や海外への展開が阻害される懸念がある。従って、国内の情報を積極的に海外に展開すると共に、海外からの参入を容易にする工夫が必要。
○ この報告書(案)により今後の制度化やビジネスモデル策定など次のステップに進むスタートラインに立ったと認識。今後はスムーズな普及を図ることが求められ、それには安全だけでなく環境にも貢献することを提示したい。
○ 本研究会での検討にあたりもう少し女性の視点があれば良い。安全運転支援システムの実用化にあたっては、より人間的に温かみのあるものにして頂きたい。また、このシステムを利用して居眠り運転を防止するサービスなども実現して頂きたい。
○ 利用者にとっては、安全運転支援システムで何ができるのかが重要であり、それについてこの報告書(案)では分かりやすく示されている。このシステムを実現するにあたり技術的課題がいくつかあるが、その解決には何が問題となっているのか実証する必要がある。従って、今後実証実験により技術的課題の抽出及びその解決策を図る必要がある。

○ 先程の構成員からの発言の中にHMI、700MHz帯と5.8GHz帯のシームレスなサービス等重要な意見があったが、それらについては意見募集に対する考え方や報告書(案)の中に記載されていると思われる。これらの資料の取り扱いは今後どうなるのか。
○ 報告書(案)に対する意見募集の結果及び考え方については、報告書(案)の報道発表と併せて公表させて頂く予定。

・本研究会の最終回にあたり唐沢座長代理より以下のとおり挨拶があった。

○ 作業班主査として報告書(案)を取りまとめたが、各所で研究開発や実証実験が進められる中、現時点でベストなものとなっている。今後ITS無線システムの実用化に向けた検討を行うにあたり、この報告書(案)がベースとなると認識。
技術的観点から見ると、今回検討した安全運転支援システムは危険に関する情報をドライバーに提供することで安全に貢献するものだが、過剰な情報提供はかえって逆効果となる可能性があり、必要な情報のみを提供するシステムを実現するにはまだ課題がある。また、このシステムの普及により無線機の数が増加すると混信の原因となるので、通信をする必要がない場合には無駄な電波を発射しないなどの工夫が必要。

・本研究会の最終回にあたり川嶋座長より以下のとおり挨拶を頂いた。

○ 本研究会での審議の結果、700MHz帯を利用した車車間通信と路車間通信の共用方策の方向性を示せたことは大きな成果と認識。2012年の実用化に向け、車車間通信と路車間通信の共用方式の検討や干渉検討などの技術的検討の実施を総務省に求めると共に、運用主体を想定した検証などでは関係省庁や民間企業などとも連携した取組みが必要。
近頃CENのTC278にWG16が設立され、欧州においてITSの国際標準化活動が活発化している。日米欧のシステムを可能な限り共通化させるなど国際協調に向けた取組みが重要。特に標準化作業を担う企業や関係団体が積極的に取組むことを期待。

○その他
・報告書(案)については概ね了承され、最終的な修正は座長一任とされた。また、報告書(案)は修正後速やかに報道発表される旨事務局より説明があった。
・本研究会の最終回にあたり桜井総合通信基盤局長より以下のとおり挨拶があった。

○ 本日取りまとめて頂いた報告書(案)に基づき、700MHz帯を用いたITS無線システムの2012年実用化を目指し、情報通信審議会における技術的条件の諮問、ITS無線システムの実証実験や国際標準化、実用化を加速する実証実験環境の整備などの施策を実施していく予定。また、中長期的取組としてITS無線システムの更なる高度化に向け研究開発等も推進する。
700MHz帯を用いた安全運転支援システムの実用化に向けては今後も関係省庁、関係団体、民間企業と協力して取組んでまいる所存。

○閉会

以上

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