会議資料・開催案内等


  
  

電気通信消費者支援連絡会(第6回)議事録
  

1 日時
  平成1611月25日(木) 午後10時00分〜午後1200
  
  
2 場所
  総務省801会議室(総務省8階)
  
  
3 出席者
 (1)   委員(五十音順、敬称略)
  新美育文(座長)、大宮功、河内勝士、熊崎明子(吉田委員代理)、桑子博行、小松原元、西野茂生、野田哲也、服部高明、藤井秀之、山崎若水、好光陽子
(2)   総務省
  江嵜正邦(電気通信事業部長)、鈴木茂樹(料金サービス課長)、奥公彦(消費者行政課長)、古市裕久(事業政策課調査官)、木村公彦(料金サービス課課長補佐)、渋谷闘志彦(消費者行政課課長補佐)、藤波恒一(事業政策課課長補佐)、景山忠史(事業政策課課長補佐)、村瀬満宏(消費者行政課専門職)
  
  
4 議事
 (1)    開会
(2)    電気通信分野の最近の動向
(3)    電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン
(4)    迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会
(5)    NTT施設設置負担金
(6)    架空請求対策
(7)    電気通信サービスの広告表示に関する自主基準実施状況
(8)    閉会
  
  
   
新美座長 皆さんおはようございます。それでは、早速議事に入りたいと思いますが、本日は非常に盛り沢山の議事が予定されております。資料の確認とともに、その議題についてお伝えしますので、ご確認しながらお願いします。
  議題の第1番目としましては、「電気通信分野の最近の動向」ということで、資料6−2にございます。それから個人情報ガイドライン、「『電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン』の改訂について」というのは資料6−3にございます。それから迷惑メール対策ですね、「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会中間とりまとめ案の概要」ということで資料6−4でございます。それから資料6−5に「NTTの施設設置負担金について」というものがございます。資料6−6に「架空請求対策について」ということでございます。それから資料6−7で「電気通信サービスの広告表示に関する自主基準実施状況について」ということでございます。
  今、申し上げました資料6−2から6−6までをまず事務局から説明をしていただき、その後、資料6−7に関しまして桑子委員からご説明いただく、そういう段取りで進めたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは事務局の方からご説明をお願いします。
村瀬専門職 それでは早速ですが、お手元に配付しております資料6−2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
  電気通信分野の最近の動向ということですが、1ページ目でございますが、総務省の電気通信消費者相談センターへの相談件数をまとめたものでございます。平成10年度から平成16年9月までの相談件数を棒グラフで表しております。この棒グラフの下の網かけになっている部分が本省で受け付けた件数でございます。それから、上の部分の薄い部分が地方総合通信局の方で受け付けた件数でございます。平成16年9月までの分でございますが、本省分と地方分を合わせますと、トータルで8,038件ということになります。平成15年度が本省・地方分を合わせますと13,645件でございまして、9月まで分の8,000件を年間に換算して比較いたしますと、この倍の16,000件、単純計算で昨年を上回るペースで受け付けをしているという状況でございます。
  次に2ページ目ですが、平成15年度の苦情・相談件数を内容別に整理しております。これは本省で受け付けた苦情・相談件数ですが、15年度は8,796件承っておりまして、特に目立ったものとしては、一番上にあります架空料金請求、これが4,119件ございまして、全体の8,796件の約半数近くを占めるという状況です。
  参考で右の方に平成14年度の欄がございますが、架空料金請求は、555件に対し約7倍強と急増しております。DSLサービスの方は360件ということで、平成14年度と比べますと半減しているという状況です。あと迷惑メール関係とIP電話関係が、ほぼ昨年並みの状況です。さらに、国際不正接続トラブルについては、平成14年度一番多い件数でした。2,209件の10分の1以下の173件という状況で、これはいろいろな対策等の成果かと思われます。特に、この架空料金請求関係につきましては、平成15年度に急増いたしましたが、実はこの資料にはございませんけれども、平成16年度も引き続き高止まりの状況が続いているというか、昨年にも増して増えているという状況でございます。後ほど架空請求対策については、別にご説明をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
  以上簡単ではございますが、最近の受付件数についてご説明をさせていただきました。
新美座長 どうもありがとうございます。質問がおありだろうかと思いますが、とりあえず、6−2から6−4の資料の説明を終わってから、その3点についてまとめてご質問の時間、あるいはご議論の時間を設けたいと思いますので、今しばらく後に回させていただきたいと思います。
  それでは続きまして、「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」につきまして、事務局から報告をお願いします。
景山補佐 先に資料6−4についてご説明させていただきます。
こちらは「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会中間とりまとめ案の概要」ということになっておりますけれども、こちらは、電気通信消費者支援連絡会とは別に「迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会」という会合を今年の10月7日より開催しておりまして、先般、中間とりまとめ案ということでとりまとめ、現在パブリックコメントにかけているところなのですけれども、そちらの中間とりまとめ案の内容について簡単にご説明させていただきたいと思います。
  1ページ目ですけれども、まず1として、迷惑メールの現状として、携帯電話を中心として受信者の同意を得ないで一方的に送信される広告・宣伝目的の電子メール、こちらをこの研究会では、いわゆる迷惑メールとして捉えているのですけれども、こちらにつきましては、平成14年から「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、いわゆる「特定電子メール法」が施行されておりまして、この法律による取り締まりや電気通信事業者における自主的な対応等もありまして、一定程度対応の成果というのがあらわれているところではあるのですけれども、近年、送信行為の巧妙化・悪質化が進行しておりまして、未だ迷惑メールの問題というのは解決されていないというのが現状ではないかという問題認識に立っております。
  この研究会の対応、検討の方向性としましては、下の方に図が付けてありますが、法制度だけとか、個別のポイントに絞って検討するのではなくて、1)から5)として書いてありますけれども、1)政府による法執行を効果的に行うこと、2)電気通信事業者による自主規制を積極的に行うこと、3)迷惑メールの送信を止める、あるいは受信を回避するような技術的な解決策で対応すること、4)あるいは受信者の側で迷惑メールの受信を回避するようなフィルタリング等のサービスを積極的に利用すること、5)あるいは迷惑メールというのは国境を越えて送信されるということもありますので、国際的な取組を協調して行うことというような5つの観点から検討を行うことが必要ではないかということで進めております。
  こちらの中間とりまとめにつきましては、先行して法制度の見直しに関係する部分について検討を行うということで、この下の図の太い囲みにかかっております「法制度に係る論点」について具体的な検討を行っております。
  もう1ページをめくっていただきまして、2ページ目で具体的な法制度に係る論点についての基本的方向性というのを提示してございますけれども、まず、1つ目として特定電子メール等の定義の見直しということで、こちら具体的には規制の対象になるメールの範囲でございますけれども、携帯電話同士で短い文字メッセージを電話番号あてに送受信するショートメッセージサービスというものがあるのですけれども、こちらについては、現在、特定電子メール法の規制の対象とはなっていないのですけれども、最近、このサービスを利用した迷惑メールが増えているということで、こちらも対象に加えるのが適当ではないかという方向性を打ち出しております。
  2つ目として「事業用メールアドレスに対する送信」と書いてありますけれども、現在、特定電子メール法では個人が私的に利用している電子メールアドレスに対して送信することのみを対象としているのですけれども、こちらは個人事業主が利用している場合ですとか、会社が利用しているメールアドレスへの送信についても、受信側の迷惑という点については変わりがないのではないかということで、こちらも対象に加えるべきではないかという方向性を打ち出しております。
  下の段の(2)としまして、架空アドレスあてメール送信を禁止する範囲でございますけれども、現在、法律の中では架空の電子メールアドレスというのは自動的に生成して、大量に送信する行為というのを禁止しているのですけれども、こちらのメールの内容というのを広告・宣伝メールというふうに限定しております。ただ最近、広告・宣伝の内容そのものを大量に送るというのではなくて、知人を装ってメールを送る場合ですとか、その電子メールアドレスが実際に利用されているかどうかというのを判定するために内容がほとんどない、あるいは全く空のようなメールを送りつけて、エラーが返ってくるかどうかを確認するというような手法も行われているのではないかということで、このような行為についても電気通信事業者の方でメールを大量に処理しなければいけないというような弊害については変わるところはございませんので、このようなものも禁止の対象に含めることができるように検討すべきではないかというふうに方向性を打ち出しております。
  もう1ページめくっていただきまして、(3)として自動アドレス収集行為による送信行為の対応ですけれども、こちらはメールアドレスをWeb上に公開している受信者、利用者の側には大量に送られてくるというような傾向があるのではないかということで、このような自動的にWeb上から収集して送信するような行為というのは禁止すべきか否かというところを検討したところでございますが、こちらにつきましては、公開されている情報を利用して送信するという場合に、送信行為そのものを法律において禁止するというのはなかなか厳し過ぎるのでないかということで、こちらは今回の中間とりまとめにおきましては、法制度の見直しによって禁止対象とすることは適当ではないのではないかというふうに打ち出してございます。
  (4)としまして、悪質な違反行為の取り締まりの強化ということですけれども、現在、特定電子メール法での取り締まりにおきましては、違反行為があった場合には、総務大臣の措置命令というのを行政処分として行い、その処分に違反した場合に初めて刑事罰の対象になるのですけれども、特に最近は悪質な送信者がいて、自らの情報を偽ったりするようなことが多いのではないかということで、一定の重大な法益侵害をもたらすおそれのあるような悪質な送信行為につきましては、現在の行政処分に加えて、直接刑事罰を科すような取り締まり強化というのも必要ではないかということで打ち出してございます。
  続きまして、(5)のオプトイン方式についてでございますけれども、日本ではオプトアウト方式ということで、一度目は送信することは合法的でして、受信者が拒否の意思表示をした場合には、それ以降は送信できないという方式を採用しておるのですけれども、諸外国の中には、最初から承諾がある場合にしか送信してはいけないとしている国もございまして、そちらの方式の採用の是非についても検討を行っておりますけれども、こちらのオプトイン方式につきましては、送信者側から見ますと、事前に承諾を得た人にしか送ることがそもそもできなくなるというふうな形で、営業上の自由の制約というのが大きいのではないか。また、諸外国でも迷惑メール規制を導入してからまだ日が浅いところもございますので、こちらにつきましては、そのオプトイン方式の有効性などについて継続的に調査を行いまして、それを踏まえて改めて検討すべきではないかということで、今回のとりまとめにおきましては、当面はオプトアウト方式、現行の制度を継続して、その中での運用の強化、取り締まりの強化というのを行っていくべきではないかということで打ち出してございます。
  最後に(6)としまして、「電気通信事業者による役務提供の拒否について」というところですけれども、こちらは特定電子メール法の中では、電気通信事業者の側において、一定のメール送信につきましては、それを途中で電気通信役務の提供を拒否するということで処理しないことができる場合というのを規定しておりますけれども、現在、規定されている内容がかなり限定的な記述になっているところがございますので、こちらを電気通信事業者の側での自主的な対応というのが積極的に行えるように、ある程度広い範囲で記述することができれば、それが適当ではないか、あるいは、どのような場合に電気通信事業者の側で役務提供を行わなくても正当な理由があることになるのかという事例を、できるだけ具体的に整理していくという方向性が適当ではないかということで打ち出しているところでございます。
  最後の4ページ目ですけれども、今後の検討事項としまして、今回この中間とりまとめでは法制度に関する基本的方向性という点についてのみ打ち出しているところでございますので、継続しまして、最初の方のページにありました5つの論点の残りの論点、あるいは今回、基本的方向性を打ち出しました法制度の論点につきまして、継続的に検討を進めまして、今後、総合的な迷惑メール対策のパッケージを提示することを目標として、議論を続けていきたいと考えているところでございます。
新美座長 どうもありがとうございます。それでは、順序が逆になりましたが、今度は資料の6−3のガイドラインの改訂についてご説明をお願いします。
藤波補佐 総合通信基盤局の藤波と申します。よろしくお願いいたします。資料6−3に基づきまして、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの改訂についてご説明させていただきます。
  1枚おめくりいただきまして、ガイドラインの改訂の背景及び経緯につきましてご説明させていただきます。まず、現行ガイドラインについてでございますが、現行ガイドラインにつきましては、平成3年に最初に策定されたものでございまして、平成10年に大幅な改訂を行ったものでございますが、このガイドラインは個人情報保護に関する基本的事項を定めたものとして、電気通信事業における個人情報の適正な取扱いの確保のために大きな役割を果たしてきたと認識しております。
  しかしながら、現行ガイドラインにつきましては、まず、1点目としまして、来年の4月1日より「個人情報の保護に関する法律」、いわゆる「個人情報保護法」が全面施行されることに伴いまして、既存の個人情報保護のガイドラインというのが各省庁で定めておりますけれども、それにつきましても必要な見直しを行うことが求められていること。
  2点目といたしまして、「個人情報保護法」に基づき閣議決定されました「個人情報の保護に関する基本方針」というものがございますが、その基本方針の中で情報通信分野が、他の分野と比較しまして個人情報の特に適正な取扱いの厳格な実施を確保すべき分野であり、個人情報を保護するための格別な措置を早急に検討することとされたことから、この観点からも見直しをすることが求められている。
  それから3点目は、少し残念なことですけれども、昨今、電気通信事業者による個人情報の大量漏洩事件というのが相次ぎまして、電気通信事業者に対して個人情報保護のより厳重な実施が求められていることなどから、必要な改訂を行うということが求められているということが背景にあります。
  1ページおめくりいただきまして、そのため、我々総務省におきましては、昨年2月から「電気通信事業分野におけるプライバシー情報に関する懇談会」、これは中央大学の堀部先生に座長をお願いしておりますが、この懇談会を開催いたしまして、現行ガイドラインの改訂につきまして議論を行っていただきまして、ガイドラインの改訂案をとりまとめました。このガイドラインの改訂案に対して、パブリックコメントを今年の6月28日から7月27日まで行いまして、その結果を踏まえ、最終的に懇談会の意見が8月13日に報告書として公表されたということになっております。この報告書の内容を踏まえ、我々総務省では、ガイドラインの改訂につきまして、今年の8月31日に官報掲載して告示を行って改訂を行っております。
  経緯につきましては、以上でございますが、もう1 ページ目は参考といたしまして、プライバシー情報に関する懇談会の構成員の名簿を掲載させていただいております。堀部先生に座長を引き受けていただいておりますけれども、千葉大学の多賀谷先生に座長代理を行っていただきまして、そのほか消費者団体の代表の方や事業者の方などに委員をお願いしております。
  もう一枚おめくりいただきまして、改訂ガイドラインの内容につきまして、4ページに書いておりますけれども、先ほど申しましたように改訂ガイドラインの1つの大きな目的は、「個人情報保護法」の施行に伴いまして、それに合わせるというのが1つございますので、この現行ガイドラインも、それから「個人情報保護法」も基本的な理念はほとんど変わらないわけなのですけれども、法律とガイドラインの言葉が違っているとなかなか解釈等に無理が出てきて望ましくないということがございますので、用語・定義等をできるだけ法律と統一のとれたものとするほか、(1)から(6)に書いておりますが、次のような内容を盛り込んだものとなっております。
  具体的な内容につきましては5ページ以下に書いておりますが、改訂後のガイドラインの規定を遵守すれば、電気通信事業に関しては、「個人情報保護法」の規定を遵守したことになるように策定しているというものでございます。内容につきましては、5ページからご説明させていただきますと、具体的には安全管理措置というものを定めておりますが、安全管理措置というのは、個人情報の漏洩等を防止するための措置でございますが、これは法律では安全管理のために必要かつ適切な措置を講ずるとしか書いていないものですけれども、これだけだと電気通信事業者は何をやっていいのかなかなかわからないということがございますので、ある程度具体化しまして、1)、2)、3)に書いたようなアクセスの管理や持ち出し手段の制限や不正アクセスの防止のための措置をとらなければいけないということを定めております。
  次に6ページ目でございますけれども、第12条といたしまして、従業者委託先の監督というのをきちっとやらなければいけないということを定めておりますが、その内容につきましては、従業者としまして、普通の正社員の方だけじゃない、派遣労働者の方についてもきちっと監督を行わなければならない。それから、従業者に対しては必要な教育研修を行わなければならない。それから委託契約におきましては、再委託の場合の監督等に関する事項も定めなければいけないということを定めています。
  次に7ページでございますけれども、第13条といたしまして、電気通信事業者の中で個人情報保護の実施に関する責任の所在を明確にするために、個人情報保護管理者というものを必ず設置して、その人が責任を持つ必要な個人情報の取扱いの監督等を行わなければならないということを定めております。
  次に8ページでございますけれども、ガイドラインにつきましても、法律につきましても基本的には個人情報保護について最低限守らなければいけないということを定めたものでございますけれども、これ以外に電気通信事業者の方が自分でどのようなことをやるかというのをきちっと定めていただくのが大事だというふうに考えておりますので、それを電気通信事業者が自分の個人情報の取扱いに関する方針についてプライバシーポリシーとして公表し、これを遵守するということを求めております。内容につきましては、それは自主的に定めるものと考えておりますので、こういうことを定めなさないというのはガイドラインの中では定めず、自主的に定めるものということにしております。
  次に9ページでございますけれども、これは電気通信事業者が、個人情報に関する苦情について、適切かつ迅速に処理しなければならないということを定めております。これは平成15年の電気通信事業法の改正においても、電気通信事業者の苦情を適切かつ迅速に処理しなければならないということを定めたものと並行したものとなっていると認識しております。
  それからもう一枚おめくりいただきまして、最後になりますけれども、第22条といたしまして、もちろん個人情報の漏洩が発生しないようにするのは当然なのですけれども、漏洩等が発生した場合の対応といたしまして、まず、漏洩した場合は、その事実関係を本人に速やかに通知することを求めております。また、個人情報の漏洩等が発生した場合に、二次被害の防止や類似事案の発生回避等の観点から、できるだけ事実関係等を公表していただきたいということを求めています。
  それから2つ目といたしまして、漏洩等が発生した場合は、行政も速やかに適切な対応をとる必要がありますので、総務省に対しても報告することを求めております。
  以上改訂のポイントにつきまして、駆け足で申しましたけれども、最後のページは改訂後のガイドラインの概要につきまして全体的なイメージを定めたものでございまして、1章で定義等の総則を定め、2章では一般的な個人情報取扱いに関する原則を定めていまして、3章では、特に電気通信事業者の取扱う個別の情報についての留意すべき点というものを定めたということになっております。
新美座長 どうもありがとうございます。それでは、ただいま資料6−2から6−4までの3件についてご報告がございましたが、ご質問等がありましたらどうぞよろしくお願いします。ございませんでしょうか。
山崎委員 資料6−2の最近の動向ということですけれども、初めてなもので質問させてください。2ページ目のところにあります表では、架空請求がすごく伸びていて、逆に、国際接続トラブルの方がぐっと減っているということなのですが、減っている理由というのは、対策をとられたため減ったというようなことなのか、教えていただければと思います。
新美座長 利用者の相互関係、関連性みたいなものですか。
山崎委員 関連性というよりも、むしろ、国際接続が減った理由、あるいは対策ということもあったのかとかということです。
新美座長 わかりました。その点いかがでしょうか。
村瀬専門職 国際不正接続トラブル、多分、内容の方はご存じかと思いますので省略させていただきますけれども、まず、国際電話会社の方で講じられている対応といたしまして、特に問い合わせが多い電話番号につきましては、ダイヤルされた場合に、これは国際電話ですよという音声ガイダンスを入れていただいたりだとか、あるいは周知啓発ということで、毎月の料金請求書に、こういった国際不正接続トラブルがございますので、注意喚起をしていただくようなリーフレットを同封していただくなどしまして、いろんな周知啓発活動等が進んだ結果ではないかというふうに考えております。
  もう一点、補足で申し上げますと、特にアフリカとか、特定の地域が非常に多かったわけですけれども、そういったところの対地の通話制限を行う。そういった対策の方もとっていただいたのを付け加えさせていただきます。
新美座長 よろしいでしょうか。それでは、そのほかご質問等ございましたら。
河内委員 2ページのところの先ほどの続きですが、平成16年度の上期も大体15年度と同じような感じなのでしょうか。
新美座長 この点はいかがでしょうか。
河内委員 大きなトレンドみたいな形で・・・。
奥消費者行政課長 現在、まだ集計中で数字が具体的には出ておりませんが、先ほどご説明しましたように、架空料金請求がやはり非常に多いという状況は変わっておりません。
新美座長 架空料金請求につきましては、後ほど別個に議題として取り上げておりますので、その内容については後ほどということで。ほかに何かご質問等がございましたらお願いします。
熊崎委員 資料6−4についてなんですけれども、当面はオプトアウト方式のもとでということなのですけれども、私自身も経験ありますし、ほかの方でもそうなのですけれども、実際二度と送ってこないでくださいというような形で送りましても何回も来ますし、そういった場合に、電気通信事業者にそのメールを転送して、実はこういうふうですが、何とかしてくださいというような転送先のメールアドレスもなく、携帯についてはこちらの方に転送することもできないという現状でして、実質、相手にしない、放っておきなさいというのが一般論的になっているところがございます。そういった意味合いで、このオプトアウト・オプトインというより、まずこういったものを拒否しますよという連絡先等を、相手方ではなくて、常に電気通信事業者の方で仲介をとっていただいて、そこでデータを集めていただいて精査していただくというような方法というのは、自主的対応や技術的解決策等とありますけれども、そういったもう少し根本的にできるような方法は本当にないのでしょうか。
  また、最近は携帯電話も非常に高機能化してきまして、ウィルスの危険性が高まっているので、アンチウィルスソフトなんかも入れる。ウィルスの危険が高まってくるということになりますと、もちろん国際電話の方につながってしまうという可能性も、いろんなケースが出てくるわけです。そういった意味合いで、総務省も電気通信事業者も、直接そういった転送した形での苦情数がすぐ挙げられるような先というのを公表してやっていただくということはできないものなのでしょうか。
新美座長 この点につきまして、事務局の方から説明がありましたら。
景山補佐 受信者側の方で受信者メールの転送等をということなのですけれども、総務省では、特定電子メール法に基づきまして、財団法人日本データ通信協会というところが窓口になっておりまして、そちらで受信者からのメールの情報の提供を受け付ける窓口というのを設けておりますので、こちらの方に転送していただくというような形になっています。また、各電気通信事業者の方でも、それぞれ受付窓口というのを設けています。全社で設けているかどうかというのはちょっと確認していないのですけれども、概ね設けているというふうに認識しておりますので、そちらの方にまずお届けいただくということができるのではないかと考えております。
  また今回、中間とりまとめでは、法制度の見直しというところにフォーカスを絞っております。法制度の見直しそのものではなくて、制度を前提として、それをいかに着実に執行していくかという観点につきましては、この中間とりまとめが終わりました後、制度をつくっただけという形ではなくて、その執行をどのように効果的に行っていくかという具体的方策については、継続的に検討していくということで考えていますので、その中で現在の枠組みにつきまして、それを実効があるようにするために、どのような受信者からの情報提供を受けて、具体的な措置をとっていくかというのも検討していくということで考えています。
熊崎委員 そうしますと、今は携帯からもできるわけですか。
景山補佐 そうですね。携帯電話の方からも日本データ通信協会の窓口の方に転送するような形でできますので、情報提供というのは、今でも受け付ける形にはなっています。
熊崎委員 以前、携帯関係で非常に不便しまして、そういったメールに協力していただくために、電話番号等を教えてくださいと延々と全部着信拒否にしてあるものを手で打ちまして、パソコンから打ったことがございまして、そういった意味でも、やはり、ぜひ実効性のある形でご検討をいただきたいと思いまして、質問させていただきました。
新美座長 今、熊崎委員のおっしゃったことは、この迷惑メールに関する委員会も意識しておりまして、端末が古いものから新しいものまであったり、それから受け手側の事業者と送信側の事業者が別の場合にどういう体制がとれるのか。かなり大がかりなことを考えなきゃいけないところもありますので、当面は中間とりまとめではまとめ切れる問題ではなくて、次のターゲットとして考えているということです。それもできるかどうかいろんな問題があるということで検討しているということでございます。よろしいでしょうか。
西野委員 弊社はボーダフォンなのですけれども、こういう形でユーザーさんに迷惑メール対策の告知をさせていただいていまして、その裏側に迷惑メールを受信された場合の転送先のアドレスというのを記載させていただいております。こちらの方に受信された迷惑メールを転送いただくことで弊社の方に迷惑メールを告知していただくという対応をとらせていただいておりますので、実際、こういう対応をさせていただいているということでご紹介させていただければと思います。
新美座長 フィルタリングをそれでかけてくださるということですか。
西野委員 はい。件数がある程度集まった場合、利用停止を行っております。
熊崎委員 今のは基本設定で入っているアドレスでしょうか。ほとんどその裏側というのは、特に読まない人の方が多いものですから、私はいろんな携帯の使い方を教えてとか聞かれることが非常に多いものですから、いろんな資料を拝見しているのですけれども。
西野委員 告知はこれだけではなくて、月々の料金請求の同封物ですとか、あるいはパンフレットですとか、あるいはショップの方でいろんなチラシとか、そういった形でいろんな場面で告知はさせていただいておりますので、デフォルトでの設定というのはできていないのですけれども。
熊崎委員 デフォルトで設定していっていただくとありがたいかと思うのですけど。
新美座長 確かにデフォルトで用意してあるのは好ましいかもしれませんが、デフォルトでも変わる可能性がありますよね、電話番号なんかも。それはないですかね、転送先の。
西野委員 転送先のアドレスは今告知させていただいているのは、そう頻繁に変えるとユーザーさんにやはり不便がかかりますので、これを変更する予定は今のところはございません。
新美座長 それでは周知徹底の方法についてもう少しということで、望むらくはデフォルトでという要望があったということですね。あとほかにございますでしょうか。
藤井委員 迷惑メールの関係で、日本データ通信協会とか日本産業協会は、再送信の禁止義務違反のメールということで、1回受信拒否しますね、そうすると相手に、メールアドレスを探るために送ってきているようなものは、それをやるとその情報をまず与えてしまう、この辺は研究会の中ではどうだったのでしょうか。
新美座長 むしろ着信拒否をすると、かえって使われているアドレスだということがわかってしまって困るということで、結局、通信事業者の方で技術的に何とか対応をとれないかと。一番いいのは、捨ててくれと頼んだら捨てるというような可能性もあるのではないかということで議論はしているようですけれども、総務省としてどこまでやるかというのは、まだ議論は詰まっていないんじゃないでしょうか、いかがですか。
景山補佐 その点につきましても、ちょっと繰り返しになってしまいますけれども、中間とりまとめにつきましては、法制度のところのみに絞っておりまして、実際の運用の在り方につきましては、問題提起がこれまでの開催された会合では出てきておるのですけれども、今後の検討課題として、大きな問題としては認識しておりますけれども、そちらにつきましては今後の検討の中で、具体的な方向性をどのぐらい示せるかというところで継続的に検討というところになっているのが現状でございます。そちらの問題につきましては、具体的に研究会の中でも問題提起等はされておりますので、今後の扱うべきテーマの1つとして事務局で認識しているところでございます。
新美座長 今言ったようなことで、問題としては十分認識して対応を考えているということでございます。
藤井委員 せっかくの制度でも、そこがまたネックになって動かないのかなというのがちょっと気になるのですが。
新美座長 それを法律では扱うべき問題ではないということで、次の段階での総合パッケージをつくるときの1つとして検討中だというのが、事務局から説明があったような状況でございます。
藤井委員 先ほどの資料6−4の絵で言うと、1)から5)のどこで検討されることになるのですか。技術的解決となるのですか、どこになるのですか。法制度から外れたときの解決策、この残りは3つしかないですよね。どこで検討しているのでしょうか。
景山補佐 1ページの絵でかいております四角で囲っておる部分につきましても、この1)と2)がすべて終了したというわけではございませんで、この1)と2)の中の法制度にかかわる部分について検討したというところでございますので、特に「政府による効果的な法執行」につきましても、この制度を前提とした政府による執行の在り方というのは、今後の課題として残ってございますし、電気通信事業者による自主的な規制というのも、その大部分というのは法制度に基づくものではなくて、自主的対応として、具体的にどのような措置が実際にとれるかというところでございますので、この1)、2)の中ですとか、あるいは利用者の側での対応というところ、いろいろなところでかかわってくるところかと思いますので、具体的にどのマルだけに入っていて、それが終了したというようなことには現在なっていない形になっております。
  したがいまして、今の受信拒否の連絡をすることによって効果があるかどうかという問題については、どのマルにとりあえず入れるという形ではなくて、今後の課題として出てくるというようなことで、まだ具体的にどういうような取り上げ方をするかというのは決まっておりませんので、曖昧な表現になってしまって申し訳ありませんけれども、そのような状況でございます。
新美座長 藤井委員のご質問の趣旨はわかりますが、この研究会でとりあえずは特定電子メール法を改正して対処できるところを早急に明らかにすると、提案をするというのが中間とりまとめの眼目ですので。特定電子メール法の改正では十分に対処し切れない、あるいは事業者の自主基準ですね、そういうものと総合的に対応すべきような問題については、次の段階、この中間とりまとめの後の検討課題ということで作業を進められているというふうに理解していますが。
藤井委員 今の点は、私もパブコメで何か出そうかとは思っておりますので。
新美座長 それはぜひ歓迎いたします。
藤井委員 架空アドレスの問題とか、根っこの部分が解決しないとなかなか・・・。
新美座長 この特定電子メール法の改正だけで万全だというふうには捉えていないというのが総務省のスタンスですので。
山崎委員 今のご説明で中間とりまとめのところでは、この研究会として法的な部分というのは検討しているところだということなのですけれども、消費者サイドとすれば、迷惑メールは一刻も早くなくなるようにということが皆さんの願いだというふうに思っているわけです。法的な分野での検討も進めていただくということと同時に、今日は連絡会ということなので、事業者の方で、先ほど表示しているというお話もあったのですけれども、どういうこれまでの対策がとられてきていたのか、どこの部分でそれが成果につながったけれども、今、現在ではまだ不十分だというところがもう少しわかるようにしていただいた方がいいのかなというふうに思います。
  1ページの上のところでも、これまで一定の成果を上げてきているけれども、巧妙化・複雑化してきているという中で、悪質化している中で防げていないということなのですけれども、それはそうだと思うのですが、これまでどういう対策が打たれて、どういう対応が打たれて、どういう成果があったということと、不十分なところ、足りないところはどういうところなのかということがわかるようにしていただくと、その話をする上でよりかみ合った議論ができるのかなというふうに思います。
  同時に事業者の方々には、この図で言えば技術的解決とか、ほかの部分のところで即とれる対応もあるのかな。ないのかもしれませんけれども、あるのであれば進めていただきたいと思うし、アピールしていただいた方がいいのではないかと思うのです。例えば先ほどの迷惑メールの受付のアドレスをご提示いただきましたけれども、そういうところにどのぐらいの利用者からの申し出があったりするのかとか、あるいは違う方法での事業者サイドでの対応、どんなことがあって、どんなふうに対応されてきているのかというようなことがわかれば教えていただきたいなと思います。
  何年も前から迷惑メールについてはあるわけで、早急な対応が急がれているのだろうなというふうに思うと、法的な整備の検討と合わせて事業者サイドとしての取組も急いでいただければなと思うのですけれども、その辺の情報を伝えていただいた方がいいなと思います。
桑子委員 私は迷惑メールの研究会の委員として参加させていただいておりますので、その議論の状況を簡単にご紹介しておきたいと思いますが、山崎委員ご指摘のとおり、今までの事業者としてどういう対応を行ってきたかということを踏まえた上での一応議論は進んでいるというふうに私自身は理解しております。
  ただ、今日の説明はあくまでも中間とりまとめ案の概要でありまして、ご覧になっているかもしれませんけれども、ホームページ上においては、中間とりまとめの報告書全文も公表されております。一応、その中におきましては、事業者の対応等を含めて、それから今までの3回の議論の中で具体的に事業者としてどういう対応をとったかという、いわゆる参考資料等もございますので、できれば、そういった資料も参考にしていただければと思います。
  ただ、今ご指摘の中の、例えば日本データ通信協会というものが迷惑メール相談センターとして対応しているということの周知に関しては、確かにご指摘のとおり、若干欠けているといいますか、まだ弱いと理解しておりますので、そういったセンター、それから事業者としても、そういったものがあるということを広く国民に周知するということを今後強力に推進する必要があるだろうと考えています。
  その辺は1ページの絵で言いますと、利用者の啓発というところの具体的なアクションとして前面に出していく必要があるというふうに考えておりますし、特に事業者間でのやり取りでどういうことができるかという話も、今かなり議論の中で出てきておりますので、最終的にはトータルのパッケージの中で、そういった内容も提示することになろうかと思っております。
新美座長 どうもありがとうございます。
大宮委員 事業者の立場で少し実例を紹介させていただきたいのですけど、どこまで各事業者がやられているかというのは把握できていないのですけれども、1つは、こちら側の絵で言うところの、今やっている顕著な対策としては、まず、右側の迷惑メールと受信者の間のところですけれども、特定のアドレスからの受信を拒否するようなツールを事業者側が無料で準備しているところがありまして、そこにお客様の方からそこのアドレスを設定していただくことによって、そこからメールは全部端末に届かないように拒否するというツールは提供させていただいております。それが1点。
  それから左側の送信者からのところの迷惑メール、もとから絶つ方の話ですけれども、実はこれは非常に深い問題がございまして、まず迷惑メールというもの自身が受け手の側で迷惑かどうかと判断されるという部分がございますので、まずは事業者側からでは判断できない。中身を見て本当にこれがそれらしいかどうかというところを見ればいいじゃないかという話があるかもしれませんけれども、それは通信の秘匿の問題がございまして、法律で中を見ることができない点がございますので、どうやってそういった部分を防ごうかという非常に悩ましい問題に悩んでおります。1つ言えそうであるということは、こういった迷惑メールを送る人自身が、特定のメールアドレスというか、インターネットの中のアドレスのところから一時期に大量にメールを発生させているんですよ。というところで、それというところが余り頻繁に行われる人に対して、各社とも約款あるいは利用契約の中に、余りそういったことをやると契約を解除させていただきますという条項を入れさせていただきまして、実際それが発動された例も何件かございます。非常に複雑な問題でございまして、我々の方で今すぐできる対応というのはそこのところまでしかありませんけれども、日々努力はさせていただいている状況でございます。
奥消費者行政課長 迷惑メールについて、先ほどお話がございましたように、今回中間とりまとめ案の概要だけ示させていただきましたけれども、今日は第6回ということですけれども、これまでの5回までの間で、迷惑メールにつきまして事業者さんの対応について実はご説明を詳しくさせていただいておりますので、今回は省略をさせていただいておりますけれども、またご必要であれば、次回以降やらせていただきたいと思います。
新美座長 ご関心の高いところかと思いますので、この連絡会では深く取り上げることはできないかと思いますが、今言ったように、これまでの議論の経緯、それから研究会の議論等はオープンにされておりますので、どうぞご遠慮なくアクセスして、またコメントもいただきたいというふうに思います。
  そのほか特にございませんでしょうか。なければ、時間も押しておりますので、続きまして、「NTTの施設設置負担金について」ということで、資料6−5について説明をいただきたいと思います。それではよろしくお願いします。
木村補佐 料金サービス課の木村と申します。よろしくお願いいたします。いろいろ最近巷で話題になっておりますが、NTTの施設設置負担金の関係につきまして、この場をおかりしましてご説明をさせていただければと思います。
  資料6−5なのですけれども、1枚めくっていただきまして、まず1ページ目なのですけれども、1ページ目のところには、10月19日に情報通信審議会の方で施設設置負担金の在り方についていろいろ議論をしまして、審議会で答申という形でおまとめいただいたものがございます。それのポイントとなるようなところを抜粋しまして載せさせていただいております。何ページと書いてあるのは答申のページ数になっております。本体は分厚いのでちょっと今日は省略させていただきましたが、その内容はこの中に記載されているものになってございます。
  例えば68ページのところ、最初のところは、いわゆる電気通信事業法上どういう料金規制になっているかというところの記述をしてございます。施設設置負担金の額、現行72,000円という形になっておりますけれども、それにつきましては、事業法上プライスキャップ規制の対象となってございます。したがいまして、キャップを超えない、要は上限値を超えないような料金変更につきましては、基本的に事前の届出のみで事業者の判断として自由に変更が可能な法律上の仕組みになってございます。
  次に73ページのところは、その間にいろいろ答申の中では議論しておるのですけれども、既に本来の意義を失っていて、新規加入の妨げになり得るようなそういう施設設置負担金については、NTT東日本及び西日本が自らの料金戦略として、廃止も選択肢とした見直しを欲するのであれば、それは容認されるべきものという形で書いておりまして、まずはNTT東西の料金戦略の問題ですと。その中で戦略として廃止ということを判断されるのであれば、それは容認されてしかるべきであろうというふうな内容でございます。
  その後に何点か留意点を答申の中では記載しているのですけれども、それをちょっと若干抜粋してまいりました。74ページとなって真ん中あたり、3つ目のところなのですけれども、負担金の見直しに当たりましては、社会的コンセンサスというものを得るために、事前に十分な情報開示というものが必要でしょう、それに努めることが必要ですと。あと算定根拠等についても国民の理解を得られるような、そういう十分な説明責任というのを果たしていただくことが求められるだろうというふうなことを記載してございます。
  同じページにあるのですけれども、実際に見直しをやる上でのやり方という意味での留意点というのが、また別に記載してございます。既存加入者が過去に支払った施設設置負担金といったものが固定電話網の整備に役立ってきていた、そういったこと、あるいは市場において、実際、電話加入権といったものが売買されている、あるいは電話加入権を担保とした貸し付けといったものも実際に行われているということはございますので、見直しに当たっては、そういう既存加入者、あるいは関連市場等々そういったものに対して、一定の配慮というのは必要でしょう。1つの例示として、十分な周知及び実施までの期間をとって段階的に実施するというふうな例示を挙げておりますけれども、そういったことをやはり必要ではないかということを指摘してございます。
  仮に廃止するとNTT東西が判断した場合には、例えばということで、1つ例示をしていますが、携帯電話の新規加入料の廃止。携帯電話にも以前施設設置負担金と類似といいますか、同じような形で加入時にお支払いいただいた時期というのがございました。それが平成8年に廃止になったのですけれども、実際、平成3年ごろから8年ごろにかけて、段階的に6回程度に分けて段階的に値下げして0円にしたという経緯がございます。そういったことも1つの参考になるのではないかということで、答申の中で指摘がなされてございます。
  あと、最後の75ページと書いてあるところは、これは政府側に対する要請といいますか、そういった性格のものになっておるのですけれども、税法上、電話加入権というのは減価償却できない資産という形で取り扱われております。過去に先ほど申し上げました携帯電話の新規加入料を廃止した際には、もともと携帯電話の利用権といったものもありまして、それも電話加入権に準ずる扱いということで、減価償却できない資産という形で取り扱われていたのですけれども、それについて減価償却を認めるなどの措置というのが廃止時点でとられました。したがいまして、仮にこの加入電話に関する施設設置負担金というものを見直し、あるいは最終的に廃止するというふうな場合においては、政府においても携帯電話の例、そういったものの措置も参考にしながら、税法上の取扱いについても必要な検討を行うべきであるという指摘を答申の中で受けております。
  次の2ページ目ですけれども、いろいろ世間一般では、電話加入権といったものと施設設置負担金といったもの、厳密にどういったものかというのは理解がなかなかされていないところがあるかと思います。行政側あるいは事業者側の問題というところもあるかもしれませんが、それを1枚の紙に、その性質あるいは関係についてまとめてみたものが2ページ目の資料でございます。
  上に電話加入権ということで、四角で囲ってありますけれども、契約者が加入電話契約に基づいて加入電話の提供を受ける権利ということで、これはもともと電電公社時代にありました公衆電気通信法という法律、あるいは現在であればNTT東西の電話サービスの契約約款、そういったものに定義が書いてございまして、どういうことかといいますと、NTT東西と契約者、申込者の方が加入電話の契約を締結することによって発生する権利義務関係でございます。それを加入者側から見たとき、いわゆるサービス提供を受けるという権利というものを電話加入権という形で表現しているという性格のものでございます。
  電話加入権という権利が発生することによって、実際役務提供を受けることになるわけなのですけれども、その時の料金として、下に1)と書いてあります基本料、通話料という月々お支払いいただくような内容、あるいは2)ということで、いわゆる施設設置負担金、加入時ですね、契約承諾時に72,000円をお支払いいただくと、あるいはもう一つの選択肢としてライトプランということで、サービス開始後、その施設設置負担金の支払い、加入時の支払いは不要ですけれども、その代わりに基本料に毎月640円を加算するというふうなサービスメニューがあるという形になってございます。
  一方で、※印ということで書いておりますけれども、役務提供を受ける別の方法として、NTT東西と契約するという以外にもう一つ方法があるものとして、市場で先ほども申し上げました電話加入権の売買というのが行われております。これを購入することによって、サービス提供を受ける権利というのを取得することができるという方法もあります。実際、これは需給関係に応じて価格というのが変動してございまして、実際、現時点で11月の頭ぐらいに確認してみたところ、市場における販売価格、販売というのはユーザーさんに対して買いたいと、加入権が欲しいという人に対する販売価格が大体15,000円程度。一方で売買ですので、電話加入権が要らなくなったということで、取引業者に売る場合の料金です。これは大体4,000円程度までに下がっておるというふうな状況でございます。
  一方で施設設置負担金というのは何ですかということなのですけれども、これにつきましては、下の方にあります、いわゆる加入電話契約承諾時に支払いが必要となる工事費でございます。「●」のところにありますけれども、負担金の性格として、加入電話のもともと早期普及のための資金調達という意味合いがございました。もともと戦後ネットワークが崩壊したときに、いかに早く電話のネットワークを回復するかという観点から、本来であれば、毎月の基本料でその費用というのは回収していけばいいのですけれども、それをやっていくと、なかなか電話ネットワークというのは回復しないだろうということで、基本料の前払い的な方法として加入時にお支払いをいただきましょうというふうな性質、位置づけで始まったものでございます。したがいまして、どういう形で使われているかというと、それは加入者回線部分の新規架設工事に要する費用に充てられるというふうな使われ方がしてございます。
  したがいまして、3.のところにありますけれども、加入電話契約を解除しても返金されない。毎月の基本料は当然、契約を解除しても返されないのと同じように、これは実際工事に充てる費用ということでお支払いいただいているものなので、返金するような性格のものとはなってございません。そういう性質のものでございます。若干、先ほどの答申の方との関係もありますけれども、施設設置負担金の額というのは約款に記載してございまして、これは届出のみでできるということで、7日前までの事前届出という形になってございます。
  そういう性質のものですので、一番下の二重の四角で書いてございます。施設設置負担金、いわゆる工事費用の一種を廃止したとしても、サービス提供を受ける権利という意味で、電話加入権というものがなくなるわけではないということが言えるかと思います。
  続きまして3ページ目でございます。これもご参考までに付けさせていただきました。過去いろいろな仕組みというのが電電公社時代からございましたので、その変遷というのがわかるようにということで1枚にまとめてみたものでございます。もともと昭和60年の電電公社民営化前、電電公社が独占的にサービス提供をしていた時代ですけれども、その当時は、今の施設設置負担金に相当するものということで設備料というものがございました。一番高い時期で8万円、安い時期では1万円といった料金が設定されていたところでございます。1、3、5、8万円ということでだんだん値上がりしていったというものですけれども、そういった設備料というものと、あと電信電話債券、いわゆる償還期間が来れば返金されるといった、債券の買い取りというのも求められております。そういう制度の中で電話の加入というのをしていただいていたわけなのですけれども、民営化時点におきまして、いわゆる電電債と言われている電信電話債券というものが廃止になってございます。あと、設備料の8万円も一部売切り制の導入等によって別立てにしまして、8,000円ほど額が安くなって、72,000円という形で設定されたという状況になってございます。
  一方で携帯電話、移動系のサービスの提供を受ける際に、もともと加入電話と同じように72,000円という形で先ほど申し上げました加入時に料金をお支払いいただいていた時期がございました。ここは一応、平成元年と参考として挙げましたけれども、それが具体的には平成3年ごろから平成8年にかけまして段階的に値下げをしていきました。NTTドコモの場合はたしか6回ぐらいに分けて値下げをされておったかと思います。5年何か月かかけて6回値下げを段階的に行いまして、最終的に平成8年にいわゆる負担金に相当するものというのはなくしましたという状況がございます。
  一方で加入電話については、平成14年に先ほども少しご説明させていただきました、640円という形で基本料を上乗せする形の料金メニューというのを新たに設けたという状況がございます。先般、たしか11月5日だったと思いますけれども、NTTの方から来年3月に施設設置負担金の値下げというのを実施したいということでプレス発表があったかと思います。今、72,000円となっている施設設置負担金を36,000円に値下げをする。一方でライトプランの加算額も見直しまして、640円から250円、これは半額になっておりませんけれども、システムの関連の費用だとかを抑制するということで、若干、半額以下という形の料金設定をしたいということで公表がされているところでございます。
  具体的には、その後の計画につきましては、NTT東西の方は、今後また引き続き検討していきますと、具体的に廃止するかどうか、あるいは何年でどれぐらいやるかとか、そういった具体的なことについてはまだ決定をされていないというふうに認識をしてございます。そういった状況になっているというものを1枚まとめたものでございます。
  当然、総務省の方にも外部の方からのお問い合せ等々がありますけれども、よく聞かれるような内容につきまして、Q&A方式で8問ほどつくってみました。我々の方で思っている考え方をQ&A方式でまとめたようなものということでご認識いただければと思います。いろいろ消費者団体の方々とか、先生方の場合は外からのお問い合せとかもあるかと思います。そういった場合にもちょっとご活用いただければなということで準備をさせていただいたものでございます。
  ちょっと枚数が多ございます。時間の関係もありますので、この場での具体的なご説明は省略をさせていただきますが、何かございましたら、いろいろお問い合せの方を我々の方にしていただければと思います。説明の方は以上でございます。
新美座長 どうもありがとうございました。なかなか難しい問題を含んでいるかと思いますが、ただいまの説明についてご質問がありましたらどうぞお願いします。特にございませんか。
熊崎委員 問1の「施設設置負担金の廃止を容認するのか。」に対して、4番目に答申の指摘も踏まえ十分に国民の理解を得ながらというようなお話なのですけれども、これはパブリックコメントであるとか、調査とかをなさるご予定はあるのでしょうか。結構、反対の意見の方が聞こえてくるのでございますが。
木村補佐 一応、審議会の方としましては、答申という形で10月に出しました。その中でいろいろ国民のご理解だとかを得ながらやっていこうということで、そういう必要性について指摘を既に答申という形でしてございます。我々の方からはNTT東西の方に答申の内容を伝達いたしまして、こういった形で指摘があるので、それを十分踏まえた上で対応をしていただきたいということでお願いをしておるという状況でございます。改めてパブリックコメントというか、そういった形での予定というのは特段ないのですけれども、今後はNTT東西、実は数日前ですか、新聞広告とかにも一面で出されたりとかということもありましたけれども、実際、料金をどうするかというのは、事業者さんの判断として、料金の設定については、役所側がこうしろ、ああしろという話でもないと。したがいまして、やる場合に当たっては事業者の方として、そういう説明責任を十分に果たしてほしいということで依頼している。その1つの形として、新聞広告みたいな形でNTT東西が対応されているというご認識をいただければと思います。
鈴木料金サービス課長 追加でよろしいですか。答申案についてパブリックコメントを実施しておりまして、7月25日から8月25日まで1月間、この間に135のパブリックコメントをいただいておりまして、その多くがこの負担金の見直しに関するものでございました。今後は、今説明がありましたように、当事者のNTTの活動になりますけれども、先週が東日本、先々週が西日本の方が新聞の一面広告で、もともとの施設設置負担金の趣旨の説明から、どうして今見直さなければいけないかというのをやりましたが、大変細かい字で誰も読む気にならないというご批判も実はいただいておるんですけれども、彼らに対しては、審議会の方からも十分説明をして理解を得なさいと言っていますので、今後の活動としては、こういった新聞広告などを通じてお客様の理解を得る努力、それから毎月の請求書にパンフレットを入れまして、こういう趣旨で見直していきたいと思いますというようなご説明を繰り返して、今のところは来年の3月1日にひとまず半分に値下げをすると、それ以降はお客様方の反応を見ながら決めていきたいというふうに申しておりますので、理解の状況などを踏まえて、理解を得るのが足りなければ、もう少し努力をしなさいというふうにNTTに求めていくことになると思います。
熊崎委員 Q&Aの8番目の財産権の答えのところで、5番目の方に一般個人について、電話加入権は相続税、贈与税の課税対象とされていて、時価によりということですが、実際これは15,000円程度の時価ということで見られていると判断していいわけですね。
木村補佐 地域の税務当局によって若干違いがあるようなんですけれども、1万円とか、2万円とか、そういう額で判断されているというふうに聞いてございます。
熊崎委員 実際、この施設設置負担金廃止ということになりまして、加入権は消滅しないということですけれども、料金がないものに対して財産権というのは成立するんですか。
木村補佐 いわゆる憲法で言う財産権というのは非常に広い概念でして、一種の債権だとか物権、そういったものにかかわらず、あるいは私法上、公法上そういったものにかかわらず、一定の何かしらの財産的な価値を有するものを広く捉えるという概念のようでして、そういう意味では、当然、料金をお支払いいただいて、それによってサービス提供を受けるという意味では、広い意味で財産権であることには変わりはないかと思います。ただ、市場での金銭的価値という意味での財産的な価値というのがなくなるというのは、それは事実かと思います。
熊崎委員 そうしますと、あくまでも民法的な財産権という架空のものとしては残るけれどということになってくるわけですね。
木村補佐 と思います。
新美座長 今のところに関連するのですけれども、公社時代に結ばれた契約は民民の問題だといって、簡単に切り捨てているように思うのですが、その辺はご議論になったのでしょうか。
木村補佐 公社時代の契約も、一応加入電話契約というのは、いわゆる私法上の契約という位置づけでされておりますので、基本的には同じ概念になるのかなという気はしてございます。
新美座長 公社がやったものでも、基本的には、そのままNTTの問題だと考えればいいと。
木村補佐 はい。権利義務関係は、法律において公社からNTTの方に承継されているという形で、NTTが一種のお客様との関係、債権・債務関係というのはそのまま継承しておるという関係にあるかと思いますので。
新美座長 これは法律家ですからちょっと気になったのですけれども、過去に解約したユーザーとのバランスで、今回だめだというけれど、過去に解約したユーザーはユーザーからの解約なのですね。今回はある意味でNTTの側から解約とは言わないまでもアクションなのですね。これを一緒に論ずることは非常に民法的な感覚からいくとおかしいと思うのですが、その辺はどういう議論があるのでしょうか。
木村補佐 確かにそれはNTT側から料金を下げますということと、ユーザー側から必要なくなったので解約します。それは別のものだとは認識はしてございます。実際、仮に返金しますと言ったときに、それぞれいろんなユーザーがいらっしゃって、どういう形で、幾らでご購入されたか。その方法は、例えば電電公社時代、3万円のとき、5万円ときに買われたのかもしれない、あるいは市場から1万円ぐらいでお買いになられたかもしれない。いろんなパターンがある中で、それをすべからく同じように扱い返金をする、公平・不公平なく返金するというのは実際問題としてなかなか難しい。というところはあるかと思いますので、そういう意味で、解約されたユーザーも然りなのですけれども、過去にどういった形でそれを購入されたかというところを、ユーザーによってそれぞれ皆さんばらばらですので、そういう意味では、そういう方々が同じように不公平なく返金するというのはなかなか難しいかなというふうに認識をしておるところでございます。
新美座長 ただ、返金するのが難しいというのと、返金しなくてもいいというのは全然違う問題ですよね。
木村補佐 もともと性質上として返金するような性質のものではないと認識しておりますので、そういう意味では、仮に返金するとしても、そういった公平な形での返金というのは、なかなか現実問題難しいだろうと。
新美座長 ここでは法律の議論をしてもあれなので・・・。そうすると、ライトプランということで、基本料に上乗せしている部分の説明がつきにくくなるんですよね。何でそういう差をつけたのか。過去の経緯からいくと、何らかの価値がありますよということをやっていて差をつけていたわけですね。
木村補佐 そうですね。前払いだったのを前払いにしないので、その分が割り戻しになったという関係だと思います。
新美座長 しかも、それも前払いだとかいうのではなくて、通常ならば期限を設けて何か月分使うときの負担金ですよとやるのが民法上のロジックなので、それを全然やっていなくて、突如これでやめますよというのが消費者にとっては完全なる裏切りだととられるわけですよ。ある意味、エンドレスで使えると思っていたわけですよ、権利を買っておけば。それを急にやめちゃうというので抵抗が大きいので、その辺の議論をしていらっしゃるのかということなのです。
鈴木料金サービス課長 そこは議論しています。電話をお使いいただく権利は何の変更もないわけです。それもエンドレスなんです。ここで払い戻しというのは、少し文章が足りませんけれども、要するに、市場で売れなくなったから、今までだって市場で幾ばくか金が入った分を、値下げによって、あるいは将来的にゼロにすることによって売れなくなったから、その分なんぼか保証せいという話については、そもそも市場で売買するというのは、NTTと消費者との間の金銭的なサービス提供上の契約と何ら関係のない話ですねと。その上で、なおかつ市場で売れなくなった、やめて返すから金返せみたいな話は、今までもやめて返す、中止するという方については一切お支払いをしていないので、それについて、特に市場で売れなくなったから、返すから金を払えと言われても返せませんという趣旨なのです。
新美座長 これは後でやりますけれども、例えば、ゴルフ場で会員を多くし過ぎてパンクしたときに大問題になったこともあるのですよね。それから、例の公団の値引きも手放しでOKというわけじゃなくて、ほかのケースでは、事情によってはだめですよという判決もおりているので、相当慎重に議論しないと、これは消費者にとっては大変な問題ですし、場合によっては大混乱を招く可能性もないわけではないというふうに、私は個人的に思っているのですけどね。その辺はちょっともう少し緻密に議論しておかないと、まずいんじゃないかなというふうに思います。あとこの問題について、何かございましたら。
山崎委員 私もその議論には参加させてもらっていたのですけれども、いずれそういう国民の受け止めとの違いがあることについて、過去の経過も含めて、どうしてこういう双方の認識の違いが発生するようになってしまったのかということの経過なり仕組みなり、法律的なものを含めて、そこの解明・説明がきちっとされないと納得性がないというふうな話をさせてもらっていたのですが、ちょっと法律的には詳しくないので、余り突っ込んだ議論はできていなかったのですけれども。
  それで、今現在NTTの施設設置負担金があるのですけれども、段階的に半額になった。その先がまた全然発表されていなくて、先ほどの説明だと状況を見ながらみたいな話で、非常に不透明な印象があるのだろうなと思うのです。いついつまでに、例えばゼロにするならゼロというふうに、やはり明らかにするべきだなと思うわけです。買う人は今買うのがいいのか、次なのか、いつまで待つとかということを考える方もおられるでしょうし、反応を見ながらというのは、企業の姿勢としては不透明だなという印象を持っているということ。
  先ほど新聞広告の話がありましたが、私、ちょっと見ていないのですけれども、おっしゃるように非常に小さな文字でということで、誰が読むんだというふうなご意見も私も聞きました。そういうことからすると、やはり事業者としてのきちんとした説明ということをNTTに求めていかないといけないなと思いますので、それが総務省の仕事であれば、それはそういうふうにしていただきたいと思います。NTT自らそういう姿勢を示していただくことが必要だなというふうに思っております。やはり、世間の受けとめとしては、なかなか容認できないというのが現状ではないかなと思いまして、地方紙の論説、論壇みたいなところでも、やはり許せぬ加入権廃止というようなことで、きつい口調での新聞掲載もされたりしておりますので、いずれ廃止するのであれば、それなりの納得を得られるような説明が、消費者、国民としても必要だし求めたいというふうに思います。
新美座長 今の率直なご意見を受けとめて、少し理論武装というと語弊がありますけれども、もう少し丁寧な説明をしていった方がいいのじゃないかと思います。ピュアな議論をすれば、ここに書かれてあるとおりだろうと思いますけれども、現実がどう動いてきたかということを少し反省しながら、もう少し丁寧な説明をするということが消費者にとってはいいのではないか。今、山崎委員がおっしゃったようなところだと思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
  この問題はこれくらいでよろしいでしょうか。続きまして、架空請求対策、先ほど話題になりましたが、架空請求の対策についての説明をいただきたいと思います。では、よろしくお願いします。
渋谷補佐 消費者行政課の渋谷と申します。よろしくお願いします。それでは、資料の6−6につきましてご説明させていただきたいと思います。
  まず、1ページ目ですが、先ほどちょっと冒頭にご紹介がありましたが、総務省電気通信消費者相談センターというところがございまして、そこに苦情・相談が寄せられております。トータルで5,045件ということで、これは前年度の同期比で30%の増加ということになっております。一方、そのうちの架空請求に関しましては2,664件ということで、前年同期比で70%の増加ということで、これが著しく伸びているという状態でございます。総務省に寄せられる相談のうちの半分以上がこの架空請求関係ということになっております。下の方は、平成15年度と比べて70%増ということが書いてあります。
  続きまして2ページ目。この架空請求の関係につきまして、総務省の取組といたしましては、まずは周知啓発が大事だということで、1、2、3とも周知啓発の関係のことが書いてございます。
  1番目としまして報道発表、過去に3回実施しておりまして、もともと平成15年に入ってから架空請求という問題がクローズアップされてきまして、当初クローズアップされてきたので、こういう問題があるので対応方法はこうですよというような周知を15年4月にいたしました。その後、例えば弁護士会を名乗ったりとか、こういった法律に基づいてやっているとかいろんな手口が出てきましたので、そういった様々な手口を紹介した上で、それについてはこうですというようなことで、平成1511月にまた周知をしました。今年に入りましてからは、最初に迷惑メールで出会い系サイトのメールが送られてきまして、一回クリックした瞬間に入会おめでとうございますとか、あなたは入会しましたので、すぐ払ってくださいというようなことで、次に架空請求が来るという手口が急増しましたので、そういった手口の詳細について説明するとともに、それへの対応方法というものについて発表しております。
  こうした内容につきまして、パンフレットですとか、ホームページですとか、それからあとは全国の消費者団体ですとか、また、総務省に地方局というものがありますので、そういった地方局を通じまして周知を進めてまいりました。こうした周知を進めてまいったのですが、先ほど申し上げたように、平成16年度に入っても依然として、この架空請求の問題というのはおさまっていないということで、4番としまして、架空請求に関する苦情が減少しないということから、6月から電気通信事業者協会内に設置された検討部会において、新たな対策、どういった対策をとれるかということについて検討を進めてまいりました。
  具体的な検討項目としましては、3ページにございますが、これは「消費者政策会議決定」というふうに書いてございますが、消費者政策会議と申しますのは、消費者団体の方は皆ご存じかと思いますが、消費者基本法というのが今年の春にできまして、それに基づいて、昔は消費者保護会議という会議だったのですが、名前が変わりまして消費者政策会議という名称になりまして、全閣僚がメンバーになっている会議でございます。そこで決定文書というのが今年の9月10日に出さして、その中で架空請求、不当請求に関する消費者トラブルへの対応策についてというような決定文書がありまして、れまその中の1番目としまして、携帯電話の犯罪利用の防止という項目が掲げられております。
  中身としましては、総務省は携帯電話事業者とともに、架空請求等の犯罪に利用されることが多いプリペイド式携帯電話に係る本人確認の徹底や、その利用停止等について、警察庁、法務省とも連携しつつ検討を進め、早急に結論を得るというようなことで、この内容自体は、まさに先ほどの電気通信事業者協会と事業者、それから総務省で検討している内容そのものなのですが、こうしたことについて検討を進めなさいというようなことで、閣僚レベルでも決定をされております。
  プリペイド式携帯電話につきましては、問題としては匿名性が高いという一言に尽きるというふうに思っておりますが、前払いでやりますので、当初の本人確認はするのですけれども、当初の本人確認をした後に転売したり、譲渡したりした後には、誰が使っているかわからないというような問題がございまして、そういった誰が使っているかわからない状態の携帯電話が存在するが故に、それが犯罪に使われて、捜査機関からすると、誰が犯罪者かということについて追跡をするのが難しくなっているというようなことが背景にございます。そうしたことから、誰が使っているかということがわからないのが問題だということで、本人確認を徹底するということと、それに合わせる担保措置として、利用停止等の措置を検討するということでございます。
  具体的には次のページでご説明させていただきます。携帯電話のほかに3ページの下の方ですが、「預金口座の不正利用の防止」ということと、「警察当局による取締まり」、それから「広報・啓発」というものが、この決定文書の中に併せて盛り込まれております。今日の朝日新聞の1面にも口座売買禁止成立へというのが載っていますが、捜査機関から言わせますと、犯罪に使われる二大ツールとして、不正な口座、架空名義の口座ですとか、不正に売買された口座が使われていて追跡が困難。それからプリペイド式携帯電話の捜査が困難。この二大ツールが問題だという話がありまして、その口座の方につきましては、不正な口座の売買について処罰をするというような法律を議員立法で国会の方で今議論されておりまして、間もなく成立するというような運びになっております。それが預金口座の不正利用の防止ということです。それから警察は取締まりを強化して、さらに広報・啓発も進めていきますというようなことが載っております。
  それから最後の4ページ目ですが、もともとこのプリペイド式携帯電話につきましては、このサービス自体は平成10年10月から開始されております。当初、ツーカーホン関西という会社がプリケーというサービスで開始したのですが、当初は普通に何も本人確認もせずに売られていました。当初は誘拐事件ですとか、麻薬、薬物犯罪なんかでも使われていまして、それで本人確認をすべきじゃないか、誰が使っているかわからないのは問題だという話がありまして、平成12年7月に各社で新規加入時、入るときに本人確認をしましょうという施策をとりました。その後も事業者の方でしっかりやられてきたとは思うのですが、一部、代理店等で不十分な点があったりとかして、警察の方からも一層しっかりとした本人確認の取組をしてくれというような話もありました。その後、事業者の方で一回、販売店で身分証明書を見せて確認をした後に、さらに、本社のシステムに情報を登録して、登録されて初めて開通させる。今までは販売店で確認書類を見せたら、そのまま使える状態になっていたのですが、一度本社のシステムに登録してから開始させると。言わばダブルチェックの方式をとるということで今年の5月に発表しております。実際にKDDIは8月から、ドコモは前からやられているんですが、残りのボーダフォンとツーカーについては、来月の12月までにこれをやるということで対策をとっております。
  最後の、新たな対策を検討中ということなのですが、まだこの検討中ということで、このペーパーにはお出ししていないのですが、簡単にその概要をご説明申し上げますと、今のプリペイド式携帯電話の問題の2つは、先ほどの4ページの図にありますとおり、本人確認をしていなかった時代、平成10年から平成12年に販売されていた携帯電話については全く本人が確認されておりませんので、このときの電話、それから本人確認が開始された後も転売されたりとか、譲渡された後は利用者として把握困難になっているものもありますので、そういった転売譲渡されたもの、それから過去に販売したもの、これらを含んですべての世の中のプリペイド式携帯電話の契約者情報をすべて確認します。例えば、一定の周知期間をおいて届出義務を課します。携帯事業者の方で、普通の携帯電話(ポストペイド)については、誰が契約者かというのを把握しているんですけれども、同じようにプリペイドもすべて把握するというシステムに変える。ただ単に届け出てくださいと言ってもなかなか届け出ないので、届け出ない人については利用停止をするということで、これは担保措置として利用停止をするということで、結果的にはすべての契約者を把握するということを事業者と総務省との間で考えております。これが実現すれば、すべての契約者を把握できるということで、警察による取締まりも大きく期待できるというふうに考えているところであります。
  それから、これは補足ですが、今日の朝日新聞にもありますが、与党の方でプリペイド式携帯電話については法規制ということも議論されておりまして、総務省としてもフォローしていきたいと考えているところでございます。
  最後の参考として海外の情報ですが、これはプリペイド式携帯電話がどれだけ世界で普及しているかということなのですが、日本は3%ということで、ほとんどが普通のポストペイド携帯電話です。ヨーロッパとか南米、中国、インドは、かなりプリペイド式携帯電話の割合が高いということで、これは所得格差の問題ですとか、プリペイド式携帯電話は基本料がかかりませんので、低所得者、普段余り携帯を使わない。それから受信を主に使うといったような人にとって喜ばれるといいますか、使われるということで、プリペイド式携帯電話の割合が高くなっているという背景がございます。
  駆け足で申し訳ございませんでした。以上です。
新美座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明についてご質問がありましたらお願いします。
  ご質問がないようでしたら、1つだけ私の方からします。日本はプリペイド式携帯電話が犯罪に結びつきやすいということなのですが、こうやって見ますと、ヨーロッパとか、中国とか、南米は相当利用率が高いのですが、この場合には、犯罪と結びつきが相当強いんですかね。日本は強いと言われているが、その辺の比較はどうなっているのでしょうか。
渋谷補佐 犯罪自体についてですか。
新美座長 ええ。
渋谷補佐 詳細に把握はできていないのですが、諸外国でも犯罪に使われているということは実態としてはあるようです。ただ、それが携帯電話のそもそもプリペイドを廃止するとか、プリペイドを規制するといったような方向にはなっていないというふうに聞いております。これだけ普及率が高いので。
新美座長 それを日本の議論と外国の議論と比較、何でも大体外国の議論を参考にするのに、これだけはちょっと違うなという印象を持っているものですから伺った次第でございます。
奥消費者行政課長 必ずしも外国の場合、プリペイド式携帯電話に特化した犯罪が多いということはお聞きしておりませんで、最近のおれおれ詐欺ですとか、あるいは架空請求のように、日本で特化して使われているという例は余り外国では聞かないところです。
新美座長 おれおれ詐欺というようなものは余り外国では聞かないのですよね。犯罪の類型自体がかなり日本特有との印象を持っていますので、そういうことも含めて少し押さえておかないと、何でプリペイドかということになりますので、総務省としてもその辺、押さえておいた方がいいんじゃないかなと思います。
  あとほかに、この問題について。
野田委員 兵庫県も架空請求が相変わらず多いんですけれども、今、ご説明いただきました4ページの最後の部分ですね。新たな対策について党の方でも対策を考えておられるということなのですけれども、そちらとのすり合わせといいますか。党の方では第三者への譲渡の禁止とか、そんなことも新聞紙上では出ていたような感じで見ているんですけれども、預金口座の不正利用の防止の方は先に法案が行ってしまったような。我々も情報がなかなか入ってこなくて、政府の方の対応と党の方の対応というよりは、むしろ国会の方が先に行ってしまったような感じがするのですけれども、ちょっと誤解なのかもわかりませんけれども。このプリペイドというのは、仮に国会の方の法案というのが次の国会ではなかなか難しいかなという記事も出ていましたけれども、今、おっしゃられたような新たな対策というのは、それと関係なく動きそうなんでしょうか。そのあたりの状況を教えていただきたいと思います。
奥消費者行政課長 党の方ではたしか10月の末ぐらいから議論をされておられまして、例えば、本人確認をさらに強化していく、あるいは今おっしゃいましたように譲渡規制をしていく。今様々なご検討をされておられまして、当初はこの臨時国会に提出もということでお聞きしていたのですが、いろいろ検討すべき項目が多いということで、なかなか臨時国会では難しいんじゃないかと。ただ、できるだけ早く進めていきたいとおっしゃっておられます。
  我々の方も事業者と協力して、できるものについては協力をしていきたいというふうに思っておりますが、先ほどご説明をいたしました内容につきましても、党の方からもできるだけ早く、事業者の方でできるものについてはやろうということになっておりますので、その辺は齟齬がないというふうに思っております。ですから、法律できちんと義務化をしていって、どういうことをきちんと事業者なり、あるいは利用者、そういう悪い人たちについてどう規制をかけていくのか。その辺を今、議論をされておるというふうに聞いております。
  口座の方は、たしか9月か、それ以前かぐらいからずっと議論されておられましたので、ようやくこの臨時国会で成立をするという状況になってございます。
新美座長 どうもありがとうございました。ほかにございますか。
藤井委員 国民生活センターでも載せたりしていますけれども、東京都も夏ぐらいから架空請求対策ということで、都内で6万件ぐらい相談件数があるものですから、ほかの県にちょっと遅れた形ですけれども、事業者名公表ということで始めております。最近の傾向としては、今、こういう動きを受けて、葉書は相変わらずあることはあるのですが、一時期より減って、メールで来る方が相談件数としては多い。中身はもう少し精査しなきゃいけないのですが、葉書の中に携帯電話の電話番号が最近なくなってきて、固定電話が多いですね。その辺は我々もそこの電話には、相談員レベルでもかけたりして警告をするのですけれども、話し中であったり使われていないというような形で、どういう仕組みなのかがいま一つ・・・。NTTにもかけたのですけれども、回線としては話し中の場合もちゃんとつながっているというような回答があるので、その辺は、新たな対策としてはプリペイド以外の部分も含めて、どんなふうに今後考えていらっしゃるのかお聞きしたいなと思います。
奥消費者行政課長 プリペイド式携帯電話につきましては、先ほどから申し上げておりますように、誰が使っているかわからない。この辺の匿名性を利用して悪用している者もおります。基本的には固定電話の場合は、誰が使っているかというのは契約者情報できちんとわかるのですが、警察のお話ですと、固定電話に直接かかるわけではなくて、転送サービスによって、固定の端末にかかったものが、転送サービスで別のプリペイド式携帯電話にかかっていると。ですから、プリペイド式携帯電話について誰が使っているかというのをきちんと把握してもらえれば捜査ができると。そのまま固定で使っている人がいれば、これは誰が使っているかわかりますので、それは捜査ができるということで、警察と協力してやっているところでございます。
新美座長 どこかでルートが切れたら、それで終わりということでしょうね。
山崎委員 固定電話が書いてあって、かけても通じないという問い合わせを受けたりするのですけれども、その番号から業者名だとかという、契約者名ですよね、それは調べられるわけですね。
奥消費者行政課長 それはNTT東西の方で契約者情報は持っております。ですから、それで本当に犯罪に使われているということがあれば、警察が捜査に入ることは可能です。
山崎委員 それで実際に警察に連絡されて捜査に入っているという事例はあるのですか。
奥消費者行政課長 警察の方から連絡があれば、それは可能です。
山崎委員 連絡があればね。
新美座長 可能性としては、留守番電話になっていれば、かけた人の電話番号は記録されますから、それを見て、向こうからアプローチをするということは十分考えられますね。いろいろ考える人はあるでしょうから。
奥消費者行政課長 先ほどちょっと説明が漏れたかもしれませんが、事業者さんの方でやろうとしている施策のうち、できれば、年内にでもやりたいと思っておりますのは、例えば架空請求で、先ほどございましたように葉書とかメールとかで、こういう番号によくかかってくるというのが、東京都をはじめ自治体もよく発表されておられまして、できればそういうものについては、積極的に事業者の方から連絡をして本人確認をしていく。本人確認できないものについては利用停止をしていく。こういうことも検討しているところでございます。
西野委員 今、総務省の方からご説明いただいた対策ですとか、新たな対策、そういったものを着実に実施する方向で事業者側としては準備させていただいております。加えて、これもまた同じ資料になってしまうのですけれども、お客様向けにこういった形で架空請求についてご注意くださいという周知もさせていただいております。詳しい内容は、ここでは割愛させていただきたいのですけれども、先ほど迷惑メールの対策についての説明も、少し説明が漏れていた部分もございますので、今日こちらの資料、部数を用意させていただいておりますので、後ほど配付をさせていただければと思います。
新美座長 まだ、この点についてご議論はおありでしょうけれども、大体論点というか、問題点についての意見交換はできたと思いますので、続きまして、桑子委員から資料を提出していただいております、広告表示に関する自主基準の実施状況についてご説明していただきたいと思います。これまでこの連絡会で何回か取り上げましたが、その実施後の状況について、よろしくお願いします。
桑子委員 それでは資料6−7に基づきまして説明させていただきます。
  今、座長からお話がありましたように、この電気通信消費者支援連絡会におきましても、電気通信サービスの広告表示の自主基準につきましては、たしか2度ほどご議論をいただきまして、それらのご意見も踏まえ、そしてパブリックコメントも1か月ほど行った上で、最終的にガイドライン、自主基準を策定させていただいております。
  まず1ページですが、今まで電気通信サービス向上推進協議会という形で対応してきておりますので、協議会の概要をこの1ページでご説明したいと思います。広告表示ということで、背景にございますように、例えば携帯電話サービスについてとか、ADSL等のインターネットのサービス、IP電話のサービス等についてのいわゆる広告表示が非常にわかりづらい。ないしは誤解を生むような表現が多いというようなことで、様々なご指摘をいただいていたところでございます。ちょうど昨年の6月だったと思いますが、この電気通信消費者支援連絡会におきまして、広告表示についての自主基準を策定するためのワーキンググループを設立すべきであるということのご議論がありまして、主査として私が指名されまして、昨年の6月以降自主基準づくりということで、当初はこの連絡会の下のワーキングの中で検討を進めてきたという状況でございます。
  検討体制にありますように、昨年の11月の時点で、実際自主基準を策定しても、その後のフォロー等がありますので、電気通信関係の3団体が中心となり、この電気通信サービス向上推進協議会というものを設置し、その自主基準の検討メンバーがそのままメンバーとして参加する形で引き続き検討させていただきまして、概要にありますように、パブリックコメントも踏まえて、昨年の12月15日に電気通信サービスの広告表示に関しての自主基準を公表させていただいております。
  それからその後、今年の3月の時点で自主基準をさらに具体的な規定とか、解説、事例などを盛り込んだ形のガイドラインというものも策定し、公表した上で電気通信事業者としての対応を進めてきたところでございます。
  2ページの方に移りますが、自主基準の内容については、ホームページ等でも公開しておりますのでご存じの方も多いかと思いますが、ここにありますように、全体は4章の構成になっておりまして、23条からなる広告表示の自主基準というものを策定しました。そしてその中で、例えば第2章としては電気通信サービス全般についての遵守すべき事項という観点で、例えば技術的な専門性というものを考慮してわかりやすい表示に努める、それから虚偽とか誇大表示を行わない、比較広告に当たっての注意事項、料金表示に当たっての注意事項、それからサポート体制についての表示等というような観点での共通原則を盛り込んでおります。
  それから第3章としては、特に、この電気通信サービスの中で、いろいろ広告においての苦情が多いところとしてベストエフォート型サービス、代表的なものはADSLのサービスということになりますが、そういったものについての速度表示についての記載方法とか、割引のキャンペーン等々という観点での内容を盛り込んでおります。また、IP電話についても品質、それから通話可能範囲等の表示方法、それから携帯についても提供エリアとか、割引料金等についての表示等ということを盛り込んだ形で自主基準としてとりまとめさせていただいたという形です。
  3ページですが、協議会としてのこれまでの主な活動ということで簡単にまとめますと、先ほど触れましたように昨年6月の時点でワーキンググループを設置し検討を開始したということで、11月に協議会を設置、12月に自主基準を公表させていただいたわけです。その後の動きとしては、今年の3月25日の時点でガイドラインも公表させていただき、そして電気通信事業者に対してガイドラインの説明会を開催、そしてホームページ上の公開、そして、ケーブルテレビ連盟にも新たにメンバーとして参加いただき、電気通信関係の4団体を通じて、すべての会員である事業者に周知するというような活動を行ってきております。また、消費者団体等の説明会等で何回かご説明させていただいたりという対応もしてきたところでございまして、その後も、このワーキンググループを6月、11月、11月は昨日でございますが開催した上で、自主基準及びガイドラインが実際にどういうふうに対応されているか、新たな苦情がどんな状況になっているかという確認の場を設けておるという状況です。
  4ページですが、こちらが通信関係についての広告に関しての苦情の推移ということで、なかなか情報の収集が難しいところがございまして、注にありますように、社団法人日本広告審査機構(JARO)にお願いしましてデータをいただき、それをプロットさせていただいたものでございます。折れ線グラフの部分が、右に縦軸がありますように、一番上が月間80件ということの苦情の推移でございます。昨年のというか、平成14年7月以降をご覧いただきますと、若干右肩上がりの傾向があるということがご理解いただけると思います。そして棒グラフの部分が、この中で通信関係ということで拾ったものでございまして、こちらは左側の縦軸にあります表示でございますが、かなり月によってばらつきがあったりという状況でございます。例えば、平成15年の後半と比較しますと、平成16年については、それほど増加しているということは見られず、特に9月においては、これはたまたまかもしれませんけれども、苦情については、通信関係は1件であったという状況になっております。
  次の5ページですが、こちらが問い合わせ関係ということで、問い合わせについては苦情の10倍程度の問い合わせが入っているようでございまして、全体的な傾向としては、やはりやや右肩上がりと、これはかなり「やや」という感じでございますが、通信関係でご覧いただきますと、平成16年4月以降については、これを見ても比較的低い状況にあるということが言えるのかなという感じがしております。
  次の6ページですが、こちらが、さらにそれを通信について内訳ということで平成14年7月以降のデータをいただいたものでございますが、こちらをご覧いただきますと、通信の中身としては比較的多いところが、やはりインターネット関係と携帯電話関係が多いという状況がご理解いただけると思います。また、いわゆる同期比ということで、3か月ごとの比較をさせていただいております。平成15年の後半で見ますと、前年の14年の同期との比較で言うと、183164、その後が200%ということでかなり増えているという状況ですが、その後は160118ということで若干傾向的には抑えられているのかなというふうに考えております。
  また、7ページ、こちらの問い合わせについての内訳でございまして、このような状況になっているということで、特に同期比でご覧いただきますと、平成16年4月以降に関しては、前年同期で通信関係は79%、69%、すなわち100を切っているわけですから、減少しているという傾向が、一応これで読み取れるというふうに考えております。特に、この通信の中の情報サービスの部分については、先ほどありましたように、例えば、架空請求についての苦情等というものも含まれておりまして、私どもで策定しました、いわゆる広告についての自主基準の対象外の部分であります。したがいまして、情報サービスとその他という部分を除きますと、さらに減少傾向というものがあるというふうに考えておりまして、例えば、平成15年につきましては、四半期ごとに上から順番に平成15年の1月から3月が59、その次が4月から6月が81、7月からが8110月からが71という傾向であったのですが、今年の1月から3月が72、その後4月以降は4437という数字になってきているということが言えるかと思います。この辺は我々の業界の中でも特に、ADSL関係のサービスといいますか、この販売が非常に激しかったのが、特に15年あたりであったというふうに思われますので、その部分の影響もあるのかなという感じもしておりますが、いずれにしろ、業界の中でこの自主基準というものが一定の周知、そしてこれに沿った形の対応というものが進みつつあるというふうにも考えているところでございます。
  あと残りの8ページから10ページはあくまでもご参考までに、具体的な苦情についての事例ということで幾つかの事例を添付させていただいております。携帯に関しては人口カバー率の問題とか、サービスについての苦情、それから9ページにかけてがインターネット関係ということで、ケーブルテレビ事業者に対しての苦情、それからADSLに対しての苦情というものが入っております。
  それから最後の10ページは、これも問い合わせのあくまでも代表例でございますが、こんなような問い合わせが入っているということでJAROの方にも、例えば、その他にありますように、電気通信業界としての広告表示のルールができたということで、詳しい内容を知りたいというような問い合わせも頂戴しているという状況になっております。
  一応、今年の3月の時点で、自主基準及びガイドラインを策定し、その後の業界全体としての広告表示に関しての状況としては以上でございます。
新美座長 どうも要領のいい説明をありがとうございます。ただいまの説明につきまして、ご質問等ございましたらどうぞよろしくお願いします。
山崎委員 何度もすみません。データでお示しいただいているのが、JAROの提供データというふうになっておるのですけれども、事業者さんの窓口での苦情受付だとか、相談問合わせの件数という数値は・・・。
桑子委員 数値は把握し切れておりません。ですから、そういった意味でJAROのデータを使わせていただいたというところです。ご存じのとおり、私ども電気通信の業界につきましては、特にインターネット関連を含めますと、登録上は1万社を超えているという実態がございます。そして我々の業界、4団体の加入率は大手の事業者を中心に入っておりますから単純比較はできないのですが、いずれにしろ1,000社はいっていない。したがって、全体を把握するというのはなかなか難しい状況にございまして、広告表示という観点では、JAROさんにいろいろな苦情・問い合わせが入っているということで、今回使わせていただいたというところでございます。
  それから、我々のテレコムサービス協会、それから電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)、この3団体に広告表示関係の苦情が入っているかということを昨日も確認したのですが、実は3団体に入った苦情は、この4月以降1件という状況でございまして、そういう意味では、なかなか直接事業者に入っているものの把握が難しいところでございます。
山崎委員 先ほど1万何千あるうちの加入率は1割ぐらいでというお話ですけれども、3団体では何社ぐらいになるのですか。
桑子委員 3団体では大体700ぐらいになります。ただ、事業者の数が700社といっても、当然、大手はほとんど入っていただいていますので、例えばインターネットのユーザーの比率で考えますと8割から9割はカバーしているというふうに考えています。それから携帯・固定電話ということになりますと、当然その3団体にすべて入っているということが言えるかと思います。
山崎委員 そうすると、大手のところでの団体としては4月以降1件ということなのですけれども、個別の会社での、そういう窓口での状況、件数だとかというのは把握されているのですか。
桑子委員 それは今申し上げましたように、多少入っているかと思いますけれども、その数字自体は把握し切れておりませんので。
山崎委員 大手さんのところでは窓口は設置されて・・・。
桑子委員 事業者としては、すべての事業者がまず100%近い事業者が、そういったお客様の苦情窓口は設置していると考えております。
山崎委員 データは把握されていない。
桑子委員 はい。
山崎委員 それは傾向としては、やはり、このJAROの出された傾向と近いという・・・。
桑子委員 一応、傾向としては、ここで全体的な傾向はある程度出ているのかなというふうには考えています。したがいまして、協議会としては、今後とも、この苦情の状況を引き続きウォッチしていきたいというところと、やはり我々、特にIP電話等を含めまして、技術の進展、サービスの変化も激しいところがございますので、また自主基準、ガイドラインの見直しということも十分考慮した上で進めていきたいというふうに思っております。
新美座長 ほかにご質問はございますでしょうか。
  JAROのデータを見る限りでは、そこそこというか、まあまあの成果が出ているなという印象を持ちましたが、今、山崎委員のご質問があったように、事業者にダイレクトに来ているものを見ないと、そういった結論は直ちに言えないかもしれませんが、手元のデータからは一定の効果が出ているのかなという自主基準、ガイドラインがあるのかなということです。これが実証されたというには、もう少しデータの積み重ねが必要だと。
  ほかに何かご質問ございませんでしょうか。それでは、そろそろ時間となりましたので、本日の議事はこれにて終了といたしたいと思います。
山崎委員 さっきの架空請求対策ですが、一言確認なのですけれども、消費者政策会議で9月10日に出されて、検討を進めて早急に結論を得るということなのですけれども、11月をめどというのは書かれていたと思うのですけれども、大体それでこの検討課題が、新たな対策を検討中ということが12月ぐらいから明らかにされるということなんでしょうか、聞き漏らしたのかもしれませんが。
奥消費者行政課長 先ほど申し上げましたように、事業者それから電気通信事業者協会、それから総務省で、この6月からずっと検討しておりまして、その内容につきましては、概ね今まとまっているところです。実施につきましては、まず12月から、先ほど申し上げましたように、自治体等に来ている架空請求の番号については積極的に本人確認をしていって、本人確認ができないものについては利用停止にする。それから、すべての過去販売され、あるいは譲渡されたプリペイド式携帯電話について、すべて事業者の方で把握するシステムをつくる。これはシステムをつくらなければいけませんので、少しそのための時間が半年ぐらいかかりますけれども、半年ぐらい先には、それがある程度周知期間を実施した後すべての携帯について登録させる。登録しないものについては利用停止。こういった措置を今ご検討いただいておりまして、近々ご発表されるかというふうに思っております。
新美座長 よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
それでは、これで閉会といたしますが、次回の予定等につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
村瀬専門職 本日も活発なご意見を賜りましてありがとうございました。総務省におきましては、本日いただきましたご意見等を踏まえまして、今後の具体的な消費者支援策の検討だとか、今後の連絡会の議論につなげていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  今後の予定でございますけれども、まだ今の段階で具体的にというのはありませんので、別途またメールなどで皆様のご予定を確認いただきながら決めさせていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
新美座長 では、次回につきましては、後ほど別途問合わせて調整をいただくということにしますので、よろしくご協力をお願いしたいと思います。今日はどうも長時間ありがとうございました。


以上

  
  

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