会議資料・開催案内等



電気通信消費者支援連絡会(第18回)議事録

  1. 日時:平成201215日(月)1000分〜1200

  2. 場所:総務省低層棟1階 共用第4会議室

  3. 出席者
    (1) 委員
      新美育文(座長)、石田幸枝、神崎茂樹、木村たま代、桑子博行、齋藤雅弘、竹井信二、田中隆代、富田政広、長田三紀、宮内良治、村田恵美子、矢野洋子、能登雅夫(花木親司委員代理)、鷲田和男(江口研一委員代理)
    (2) 総務省
      武内信博(電気通信事業部長)、二宮清治(消費者行政課課長)、大村真一(消費者行政課企画官)、中村伸之(事業政策課課長補佐)、小林徹(データ通信課課長補佐)、大内康次(消費者行政課課長補佐)、村田光由(消費者行政課課長補佐)、神谷征彦(消費者行政課主査)

  4. 議事
    (1) 開会
    (2) 「電気通信サービス利用者懇談会」報告書(案)について(事務局)
    (3) インターネット利用環境整備を巡る最近の動向について(事務局)
    (4) 特定電子メール法の改正等について(事務局)
    (5)  1)情報通信サービスに係る相談を巡る最近の傾向について
    (独立行政法人国民生活センター)
     2)意見交換
    (6) 閉会
☆「電気通信サービス利用者懇談会」報告書(案)について(事務局)
村田補佐    資料18−218−4により説明
新見座長   それではただ今の説明につきましてご意見等ございましたらどうぞ。
石田委員   クーリングオフなど特定商取引法の適用除外となるとのことなので、相談員協会として積極的な対応が必要と考えており、多くの方から意見提出して欲しい、そのように進めて欲しいと思う。
長田委員   意見聴取・グループインタビューした地方消費者センター等にもパブコメ実施中であることを連絡済みだと思うが、可能な限り、多くの消費者センターに周知、場合によっては国民生活センターにも協力いただき、たくさんの意見を求められればと思う。
 また電気通信サービス利用者懇談会で取りまとめられた報告書は、情報通信法の検討にも是非反映して欲しい。放送法との関係をどう整理するかという問題もあるとは思うが、改正しないといけない点があるという意識を高めて欲しい。あちらの検討では消費者保護関係に検討の時間をあまりかけていないこともあるので。
新見座長   石田委員の発言のように関心ある団体等から積極的な意見提出いただければと思うし、また、できるだけ意見集約してもらえるとありがたい。

☆インターネット利用環境整備を巡る最近の動向について(事務局)
大内補佐   資料18−5により説明
新見座長   ただ今の説明につきましてご意見等ございましたらお願いします。
桑子委員   説明後半にあったように、検討会結果として具体的な受け皿が示されたと考えている。資料10ページにあるように、安心ネット推進協議会がインターネットの違法有害対策の推進母体となることを期待している。注目いただき、ご協力いただければと思う。
長田委員   本法律は来年4月1日から施行されると思うが、今年に入って、条例により携帯電話のフィルタリングを義務化している市町村等もあり、この動きについて総務省はどうお考えか。検討会でもフィルタリングの完全義務化は問題ではないかという提起もあった。親権者同意により外すという選択肢を残しておくのが当然の権利かと考えているが、それが条例により狭められていくのが今後も続くのか。
 また、最近では携帯電話の学校への持ち込み禁止が話題となっているが、リテラシー向上や環境整備の国の方針が出ているのに学校への持ち込みが禁止されると、リテラシーの向上やその取り組みの場が学校以外に限定されてしまうのではないかと思って心配している。
 子供達は小学校時代から携帯電話を必要とする生活を送るようになっており、授業中に弄ることと、問題は別なのではないか。また学校裏サイトのあるなしも、携帯電話持ち込みを禁止することでは解決されないと思う。携帯電話を禁止すれば別のことをする、つまり集中できない授業こそが問題ではないか。問題のすり替えにより、法律目的にあるリテラシー向上について、学校を舞台に展開しにくくなる事を心配しているが、どう思うか。
大内補佐   条例の動きが複数あるのは承知しているところ。例えば親権者の同意がある場合でも、一度はフィルタリングがかかる内容の条例を定めた例もあると承知しており、条例に伴う影響につきは事業者から意見を聞く等、我々も状況を注視して参りたい。一般論としては、利用者が県境を越え得るなか、極度に内容が異なる条例が多く存在する事が必ずしも好ましいとは言えないとの意見があることも踏まえ、法施行後、利用者利益の確保の観点から、慎重に状況を見極めながら対応してまいる所存。
 携帯電話の学校への持ち込みについては、少なくとも公教育の観点から持ち込まないとする方針については文部科学省から通達が出ており、総務省として特段申しあげることはない。ただし、構成員ご指摘のとおり、携帯電話利用の全般的な観点からは、リテラシー向上が必要であり、今後とも問題を整理しつつ必要に応じて対策を検討してまいりたい。
新見座長   法律ができてからの調整は今後の課題。また、携帯電話持ち込み禁止は教育問題であるため、ダイレクトにぶつかるのは難しいということかと思います。リテラシー向上をどう確保するかは難問と思いますが、よい場を確保していくための検討が大切だと思います。

☆特定電子メール法の改正等について(事務局)
神谷主査   資料18−6により説明
齋藤委員   オプトアウトの方法について、非常に煩雑な解除手続があり、腹が立つことがある。わかりやすく表示という省令、立法の趣旨から鑑みると、私は違反と解釈すべきと考えている。ハードル3つ、場合によっては4つを超えないとオプトアウトできないことは、解除障壁を高くして解除しづらくしているということで、非常に不誠実な事業者もいる。これは、私は省令違反だと思うが、もし仮にそうではないとしても、好ましくないことはガイドラインで明記する等をして欲しい。
神谷主査   省令では、オプトアウトの通知先をわかりやすく表示しなくてはならないという規定以外にも、オプトアウトの通知先としてURLを表示する場合は、当該URLで誘導されるウェブサイトにおいて利用者が簡単にオプトアウトできるようになっていなければならない旨を規定している。ご指摘の点は、本規定を適切に適用していくべきものと考えている。
石田委員   迷惑メール相談センターの案内等があれば良かったと思う。先ほどからも周知徹底の重要性を指摘する声がある。
神谷主査   情報提供パンフレットを作成しているので、後ほど配布したい。
田中委員   普通の人がオプトアウトをちゃんとできるかなというのが心配。パワーポイントを使って、そのやり方を教えてもらう等はできないのでしょうか。そういうことをしてもらうとわかりやすい。
神谷主査   現在、こちらに書いてある内容の説明会を全国各地で実施中。総務省主催のものだけでなく、民間主催のものでも説明しているので連絡もらえれば対応したい。
新見座長   地方版消費者支援連絡会の開催も検討されているところ、そういった場で実施していくこともありだと思う。

☆情報通信サービスに係る相談を巡る最近の傾向について(独立行政法人国民生活センター)
宮内委員   資料18−7により説明
齋藤委員   1点質問させてほしい。宮内委員から説明があった資料18−7で、相談者には何か特徴があるか。
宮内委員   20代から70代まで幅広い年齢層から来ていることが特徴であると思う。
齋藤委員   以前、別のところで聞いたところだと、北海道では4050代の相談者が多いと聞いている。もし原因分析できるようなら伺いたいのですが。
宮内委員   ちょっと材料がない。
齋藤委員   (当日配布資料により説明)
解約時のトラブルについて紹介させていただきたい。契約段階でワンストップ等の利便性で入口は間口を広げてお客を取り込んでいるが、解約時など事業者にとって都合が悪いときには、二重〜五重の障壁により、実質的には解約不能に近い状態に持って行くような手口が見える。本件は金銭被害も生じており、大変よくないと思う。事例を糾弾しているわけではなく、構造としてこういったことがあるので改善してほしいという意図から紹介したもの。事業者側でのルールが未整備な部分があり、仮に本社側では理解、対応していると主張されても、実際の窓口レベルまできちんと対応しているのかは疑問。こういうことが苦情に繋がっていると思う。電気通信サービス利用者懇談会でも指摘があったが、懇談会の報告書が出た後といわず、直ちに今からでも対応して欲しい。
長田委員   (当日配布資料により説明)
携帯電話機器の水濡れ問題について紹介させていただく。各社対応では同様なサービスであるのに、1社だけ外装を別料金にしていたりする。私の感覚からするとおかしいと思う。その事業者が扱う携帯電話機器で、外装費用を取らずに修理可能なものは本当に存在するのか。疑問である。
新美座長   それでは、ご説明いただいた件でも、それ以外でも構わないので自由な意見交換をお願いします。
木村委員   三点意見を言わせてください。一点目は、料金体系のわかりづらさを何とかしてほしい。私どもの団体への通信関係の相談件数も昨年より増加傾向にある。最近の相談事例だと、事業者からの領収書発行が有料になるというもの。これまで領収書は郵送されてきたが、ある時から、インターネット上で見てくださいということになった。もし紙を希望する場合は100円の支払いを求められる。もちろん事業者側からすれば周知回数も期間も十分という意識をお持ちなのだろうが、利用者がすべてメモして覚えるのは不可能。それが突然、今日から100円かかりますと言われるのは実質的に値上げに等しいと思慮。事業者に相談すると、回線事業者を変更したらどうかと言う。通信回線変更には手続等の手間もかかり変更は容易にはやりづらい。
 二点目は、昨年からウィニー等のファイル共有ソフトによる個人情報漏えい問題を時々見るが、これは利用しなければ防げると思う。一方、サイト上で共有設定ファイルや地図をデフォルトの公開のまま利用している方が結構いる。私が知る範囲では例えば地図上にマッピングして、住所や電話番号や、ひどい場合だと詳しい個人情報を書いてネット上に流れてしまうことがある。ニュース等でも少し報道されているのでご存知の方もおられると思うが、あれは最初から公開設定。しかし利用者はまさか公開されているとは思ってもみない。また、あるショッピングサイトでは気に入った商品のリストが公開されてしまう。これも自分で設定変更しないと非公開にならず、自分で変更しないと他人に中身が見えるままになってしまう。このように利用者と提供者との感覚が非常にずれていると思う。だから提供者側には十分にこの点を意識してサービス提供していただければ、トラブルも減少するはず。個人情報が流出すると損害賠償の裁判沙汰にもなりかねず、利用者は被害者にも、また知らないうちに加害者にもなりうる。
 三点目は携帯電話の学校持ち込み禁止の件。発言した橋下大阪府知事は有名人であり、問題が表に出る点は良いことと思う。長田委員からの意見にも賛成。一点付け加えると、携帯電話を持ち込ませないようにすると、かえって子供の実態が分からなくなるのではないか。親は白黒で判断しがちなところがあり、子供がどう利用しているかが分からなくなるように思う。また学校から携帯電話を締め出す事で保護者に十分な情報提供がなされなくなる懸念もある。それと、子供以上に大人の携帯電話マナーも悪いと思う。国会審議中や電車内での利用等もあり、子供のことだけを一概に指摘できないのではないか。大人の携帯電話利用マナーも改善の余地がある。その点も含めてリテラシーの向上を望んでいる。
新見座長   領収書の有料化については少し気になる。民法上は、領収書を出さないと相手が主張するのであれば、お金は払わないと主張できると思う。電子ファイルでは領収書にならない。受取証書と電子ファイルによるお知らせというのは全く別物であり、きちんと捺印した書類でないと民法上は有効ではない。その事業者が領収書を一体どう位置づけているか懸念がある。受取証書にならないのでお金を払わなくていいと思うのだが、齋藤委員どう思われますか。
齋藤委員   領収書の解説は新美座長のご指摘のとおりだと思うが、利用明細通知サービスに領収書が合体しているので議論が厄介になる要因だと思う。単に先月の利用料金はいくらという領収書発行は役務提供者の義務だと思うので、約款でどのように規定されているかだと思うが、よくよく読むと領収書と請求書は別に扱われている。領収書発行は事業者に義務があり、データ整備はキャリアが当然するべきで、そこで対価を取るというのはいかがなものかと思う。いずれにしても結論としては、紙媒体で利用明細と領収書を証明するものを送付するべきだと思う。
新見座長   紙媒体にすると有料というのは法律家視点からは如何なものかと思う。事実としてあれば、指導すべきとも思う。
長田委員   取扱説明書の有料化はどうなのでしょうか。簡便なものは一緒に梱包をされていて、詳細版が見たい人はインターネットからダウンロードしてください、紙で欲しい人は有料ですという場合。
新見座長   非常に難しい問題だと思慮。ただ、携帯電話でインターネット閲覧してくれというのは、インターネットを見ない人もいるだろうし商売として如何なものだろうか。別途有料というのは、不要な人はむしろ割引くのが本来のシステムと思う。システム的なことはなかなか言えないが、ただ今申し上げたようにインターネット利用を前提としているのであれば、商売として適切さを欠くのではないかと思う。
齋藤委員   少し考えたのは、瑕疵担保の概念を少し広げていくということ。複雑な商品の場合は取扱説明書がないと使えないと思う。この場合、取扱説明書は商品の一部ではないのか。そういう考えができないわけではなく非常に難しい議論。(瑕疵担保責任が問われるのはなにか大変難しい議論)。裁判所もどう判断するかなんとも言えない。ただ商売の在り方としてはいかがなものか。
新見座長   事業として適切かといえば不適切ではないかと、ただマーケット観点ではありうるのかも知れないということ。
 また家でつながらないから携帯電話を解約したいケースについては直接通信を保証していないという主張は変で、繋がらない、つまり役務提供がされないから解約したいと利用者は主張をしているだけで、提供すべき役務が満たされていないのであって、損害賠償を求めているわけでもなく、解約してもいいのではないかと個人的には思う。事業者は自分達に有利なときは約款を狭く解釈して、不利なときは楽観的に解釈しているように印象として思えてしまう。
長田委員   電話機は本体を返却しないと解約できないのだろうか。
齋藤委員   おそらく、これは予測だが、店舗で電話がつながらないよう措置を施すために返却を求めているのではないか。そうしないと、契約関係がなくても勝手に利用されて事業者が損してしまうからだと私は理解しているが、もし実態を知っている方がいらっしゃれば教えて欲しい。
新見座長   紛失したときに紛失届を提出したら、すぐ回線を切ってくれるので、携帯電話本体がなくても解約できるように思うのですが。
鷲田代理   SIMカードの所有権はドコモからレンタルという形を取っているので本体を返却いただくということが必要。
長田委員   movaです。
鷲田代理   movaについてはおっしゃるとおり。本体の返却がないとすべて立ちゆかなくなるわけではないと思う。受電したお客様センターが事情を勘案の上、郵送返却を不可としている可能性がある。郵送受付もありとしているところ、運用面や周知等、多少至らない点があったのはご指摘のとおりと思う。
新見座長   契約解除関係で一点提起したいのですが、契約は代理店で可能なのに解約は代理店でできないというのは、何か不都合があるからなのか。
鷲田代理   基本的には対応可能。ご紹介があった今のケースだと、郵送ということと、強いていえば端末機器を持っていないという点がイレギュラーであり、通常は想定しておらず、頑なな対応をしてしまったのだと思う。いずれにしても、先ほど申し上げたとおり代理店でも解約可能。
齋藤委員   FOMAの約款はかなり限定されており、なぜこんなに解約を縛る約款になっているかが理解できない。契約も解約も同程度で可能なようにしないと不便でしょうがない。発想がおかしいと思う。他キャリアも含め、電気通信サービスに係る民法的発想を再考して欲しい。そういう対応をすること自体、発想が遅れていると思う。事業者が意識改革することでトラブルもかなり減少すると思う。
能登代理   本年4月の第17回電気通信消費者支援連絡会において齋藤委員から携帯電話の債権と免責関係で二点質問があったところ。その後、携帯電話事業者からヒアリングしたので現状報告させていただきたい。まず一点目、割賦残金と月々の通話料を合算して請求するというのは、実際にあるとのこと。利用者が破産を申し出たとき、端末代金部分は免責されるため、破産財団債権たる通話料等だけを払えば解約しなくてもいいのに、端末代金と通話料等を分けて払うことができないために、通話料等を払えなくなり、このため解約せざるを得なくなるというケースがあって、これは破産法の生活インフラ等継続サービスを事業者から一方的に解約できないという趣旨に反するのではないかという話。確認したところ、通常は分けて請求していないが、個別に相談してもらえれば対応しているとのこと。また、請求書の記載については、端末代金と通話料は明細で分けていると聞いている。二点目は破産申し立て前の割賦残金について。免責されているのに、携帯電話事業者は、通話料が未納だとして新規契約に応じないという話だった。携帯電話事業者にヒアリングしたところ、免除の人に対しては、預託金等の適用により、新加入を可能にしているということだった。携帯電話事業者間で不払者情報の交換をしているが、これも次月の登録対象にしないと聞いている。また仮に登録の時期がずれていたとしても事業者間の問い合わせで対応ができると聞いている。
齋藤委員   ご紹介いただき感謝。一点だけ指摘させていただくと、割賦残金と通話料を分けて個別に対応できると言うが、キャリア本社はそういう考え方であっても現場担当には周知されておらず、対応できていないのが実情ではないかと思う。仮に弁護士が説明しても、「そんなことは対応できない」と主張なさる。現場担当者が民事法をご理解いただけていないと思う。ぜひ現場が対応できる体制を作っていただきたいと思う。
新見座長   民事ルールが周知できていないという点、是非しっかりとお願いしたい。私個人の見解だが、NTTの法務部門と別件でお付き合いしていると、許認可を得るための理論武装はできるのだが、一般ユーザーとの約款関係ではわかりやすく書こうという意識は欠けているように思う。事業者側もわざとそうしているわけではないと思うが、そういう特色のある約款を作成していると思う。事前規制から事後規制に環境が変化していることを読み取り、意識的に改善に取り組んで欲しいと思う。約款をフォローしていると、B2Bや役所関係では非常に上手にやっていると思うのですが、ユーザーから見ると本当に理解できるかという仕組みになっているので、そこを改善していただければと思う。
石田委員   座長のご意見に賛成。
新見座長   ありがとうございます。事業者もテイクノートしていただけるとありがたい。それでは本日はこれで終了いたします。

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