会議資料・開催案内等

情報通信審議会 情報通信技術分科会(第22回)議事録


 

 
 
第1   開催日時及び場所
平成15年10月29日(水)  14時00分〜14時55分
於、総務省8階第一特別会議室

第2   出席した委員等(敬称略)
(1)   委員
齊藤 忠夫(分科会長)、原島 博(分科会長代理)、生駒 俊明、
川田 隆資、後藤 滋樹、酒井 善則、清水 英一、高畑 文雄、
土井 美和子、中川 正雄、名取 晃子、根元 義章、宮崎 久美子
(以上13名)

(2)   専門委員
水町 守志(以上1名)
第3   出席した関係職員
(1)   大臣官房 鬼頭 達男(技術総括審議官)
(2)   情報通信政策局
金谷 学(通信規格課長)
(3)   総合通信基盤局
河内 正孝(電波政策課長)、武居 丈二(基幹通信課長)、
富永 昌彦(移動通信課長)、坂巻 政明(衛星移動通信課長)、
米子 房伸(衛星移動通信課企画官)
(4)   事務局 山川 鉄郎(情報通信政策局総務課長)

第4   議題

(1)   Ku帯を用いた高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件」について【平成15年6月25日諮問第2013号】

(2)   「5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件」について【諮問第2014号】

(3)   「携帯電話等の周波数有効利用方策」のうち「第3世代移動通信システム(IMT-2000)の高度化方策」について【平成7年7月24日電気通信技術審議会諮問第81号・審議再開】

(4)   2003ITU無線通信総会(RA-03)の結果概要」及び「情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会の構成」について【報告】

(5)   委員会の設置等について


開会

齊藤分科会長  それでは、時間でございますので、始めさせていただきたいと存じます。情報通信技術分科会第22回会議でございます。本日は、委員15名中13名がご出席ということでございますので、定足数を満たしております。
 また、審議事項のご説明をいただくために、水町専門委員にご出席いただいております。
 それから、本日は公開で会議を行います。傍聴者の方々は留意事項をお守りいただきまして、静粛に傍聴していただきますようにお願いいたします。また、本会議の模様はインターネット中継があるということでございますので、ご了承願います。
議題

 
(1) Ku帯を用いた高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件」について(平成15年6月25日諮問第2013号)

齊藤分科会長  それでは、お手元の議事次第に従いまして、議事を進めてまいります。本日の議題でございますが、答申案件1件、諮問案件1件、報告案件2件、委員会の設置等の5つでございます。
 最初の案件は、諮問第2013号、「Ku帯を用いた高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件」について審議を行います。本件は、調査検討をしていただきました「航空移動衛星通信システム委員会」の水町主査から検討結果の報告をいただき、ご審議いただきたいと存じます。それでは、水町主査、よろしくお願いいたします。
水町専門委員  ご紹介いただきました水町でございます。それでは、委員会のご報告をさせていただきます。関連の資料は、資料番号1−1、委員会報告概要、資料番号1−2の報告書及び資料番号1−3の答申(案)でございます。時間の関係もございますので、資料1−1の報告概要に基づきまして、ご報告させていただきます。
 資料の1ページ目をごらんください。まず、審議事項、審議経過ですが、諮問第2013号、「Ku帯を用いた高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件」について検討を行ったものでございます。
 委員会では会合を2回開催、検討いたしました。審議の概要でございますが、資料をめくっていただきまして、2ページをごらんください。
 審議の背景といたしまして、航空機内において高速大容量のデータ通信に対するニーズが世界的に高まっていること、このようなニーズに対応するため、世界的な周波数の割り当てについても、本年6月から7月にかけて開催された世界無線通信会議において、14GHzギガヘルツから14.5GHzギガヘルツ帯が航空移動衛星業務に二次配分されたこと、また、我が国におきましても航空会社において本システムの導入が計画されていることから、これらを踏まえまして、本システムについて、技術的条件について検討を行いました。
 3ページ目は本システムの構成を示しており、航空機に設置します航空機地球局、フィーダーリンクを設定します航空地球局、航空機地球局と航空地球局の無線通信を中継する人工衛星局及び航空機地球局と航空機地球局の運用を監視・制御し、地上ネットワークと接続するネットワーク監視・制御センターから構成されております。
 使用する電波の周波数はアップリンクが14GHzギガヘルツ帯、ダウンリンクが12GHzギガヘルツ帯となっています。
 4ページ目に、本システムが導入された場合に想定されるアプリケーションを示しております。まず、下りが最大で20Mメガbpsメガの伝送速度が可能となるなど、これまでと比較しまして、飛躍的に高速化されることが見込まれます。これによりまして、これまで航空機内では困難であったリアルタイムによるインターネットアクセスが可能となります。
 次に、5ページ目の審議結果をごらんください。本システムの技術的条件についてご報告させていただきます。本システムでの周波数の利用は二次利用ということで、一次利用の無線局に影響を与えないようにすることが審議の第一のポイントでした。
 まず、一般的条件ですが、隣接する他の衛星通信システムに干渉を与えないよう、そのために、航空機地球局には通信の相手方である人工衛星局を自動的に捕捉、追尾する機能、航空地球局により制御される機能、障害が発生した場合に送信を自動停止する機能などを求めることといたします。また、航空地球局には制御している航空機地球局が他の通信システムに干渉を起こさないよう制御する機能を求めることとしています。これらの要件は、本システムに対するITUの勧告にも盛り込まれているものです。
 周波数については国際分配のありました14から14.5GHzギガヘルツ帯としております。
 以下、通信方式、変調方式は資料のとおりでございます。
 続きまして、航空機地球局の無線設備の技術的条件についてですが、次の6ページに送信装置の条件を示しております。周波数の許容偏差以下、占有周波数帯域幅、スプリアス発射の強度の許容値などの項目ごとに表にしてございます。
 受信装置、空中線、監視・制御装置の技術的条件は、次の7ページに各項目ごとに示しております。
 8ページですが、航空地球局の無線設備については、現在利用されております固定衛星業務の地球局のものと同じですが、本システム全体を管理するネットワーク監視・制御センターと回線で接続されていることとしております。
 測定法については、現在利用されております地球局の測定法に準拠しております。
 次の9ページですが、周波数の共用条件につきましては、ITUにおける勧告を踏まえ、検討いたしました。
 まず、固定衛星業務との共用ですが、本システムは固定衛星ネットワークの範囲内で運用されますので、他の固定衛星ネットワークとの調整値を超えないことといたしております。
 次に、地上の固定業務との共用は、勧告で示されました地表面における最大電力束密度の値を超えないことといたしました。また、既存の地球局と固定局との共用の状況や航空機の姿勢の安定の状況を考慮いたしまして、地上において一定の高度未満の場合は電波の送信を行わないことといたしました。
 電波天文業務及び宇宙研究業務との共用につきましては、共用困難なため、基本的には当該領域では電波の送信を行わないことといたしております。
 その他、配慮すべき事項でございますが、最後に、航空機に設置されるものでありますために、航法計器などに対して影響が出ないように配慮するものとしております。
 以上、簡単でございますが、委員会報告とさせていただきます。
齊藤分科会長  ありがとうございました。ただいまのご説明でございますが、何かご質問、ご質問はございますでしょうか。
根元委員  すみません。基本的なことを教えていただきたいんですが、この技術的基準というのは、国内の静止衛星、それから国内の航空機に適用すると考えるんでしょうか。それとも、海外の飛行機が日本にやって来るわけですけれども、これについても技術基準を適用するんでしょうか。
齊藤分科会長  お願いします。
坂巻衛星移動通信課長  今回ご審議いただきました技術基準を電監審を経まして、省令として定めていく次第でございます。基本的には我が国の航空機などに適用するわけでございますけれども、しかしながら、当然のことながら、外国の航空機が日本に飛来するわけでありまして、それがこの基準に合致しないと、基本的には我が国には乗り入れはしないということになりますけれども、この基準、ほとんどのところは基本的にITU−Rなどの勧告に即しておりまして、そういった意味で外国との整合性というものは図られていくだろうと思っております。
根元委員  どうもありがとうございます。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。
 船とか飛行機とか、基本的にはその国籍のものにやるということですね。
坂巻衛星移動通信課長  そうなのでございます。世界中どこを飛んでいても、また航行しておりましても、基本的にはその国籍の主管庁が責任を持つということになっております。ですから、日本国籍の船が海外に行きましても、それは私どもが基本的に責任を持つ。そこでいろいろ障害が起きましたときには、そこの当該国の主管庁から私どものほうに連絡がある。そして、私どもが責任を持って対応する、そういったことになろうかと思います。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。そういう全般的なルールに基づいてやるということになると思います。
 ほかには何かございますか。今お話ございましたように、いろいろな条件は国際的にも整合しているということで、特別日本だからどうということはないということだと思います。
 高度3,000メートルは自分でわかるけれども、電波天文局の見通し域内だというのはちゃんとわかって、そこで自動的にとめられるようになっているんですか。そこを飛ばないというなら、いいんだけど。
坂巻衛星移動通信課長  この電波天文業務のところ、それから特に宇宙研究業務ですね。こちらは送信停止をお願いするということになっております。外国がわかっているかということですが、それは広く周知されております。
 また、実態的には、現在企画がされておりますのはボーイングを中心としたグループのシステムでございますが、非常に意思疎通はきちんとしておりまして、ここの周波数帯は使わないということはうたわれております。今後、こういった似たようなサービスをする事業体が出てきた場合には、やはりそういうところには周知していくということになろうかと思います。
 ITU−Rの勧告プラスアルファのところが実はここはあるわけでございまして、そういった意味では、3,000メートル以下というのを、今ご指摘がございましたように、各国今つくっている最中でございますけれども、ITU−Rを超える規制でございますが、私ども、今まで聞いているところでは、イギリスなども、3,000メートル弱ぐらいの規制を導入するやに伺っております。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。運用上の問題で、ほんとうにこれを実施する上で、多少工夫が要るかもしれません。しかし、送信ですね。だから、受信はできると。インターネットを受信してもいい、ただし、返事はできない、こういう感じですかね。
後藤委員  通常のインターネットの使い方、例えばWebとか電子メールはTCPを使いますので、片方向に受信したとしても、反対方向にACK(アック)を送信して受信確認をしなければなりません。単一方向のプロトコルというのもありますけれども、使い勝手は相当に制限されることになります。
坂巻衛星移動通信課長  そもそも、おそらく衛星側で該当の周波数を使わないというふうになろうかと思います。
齊藤分科会長  飛行機の中でこういうことができるようになるというのは大変いいことだと思いますので、運用上の工夫をいろいろしていただく余地はあるかもしれませんけれども、そういうことに関しては、今後検討いただくということだと思います。
 もしよろしければ、本件は、資料1−3に答申(案)がございますが、その答申書のとおり答申したいと存じますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  それでは、どうもありがとうございました。この案のとおり答申することにいたします。
 ただいまの答申につきまして、総務省より、今後の行政上の措置についてご説明を伺えるということでございますので、よろしくお願いいたします。
鬼頭技術総括審議官  技術総括審議官の鬼頭でございます。本日は、Ku帯を利用した高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件についてご答申をいただきまして、まことにありがとうございます。
 ご案内のとおり、インターネット、特にブロードバンドを使ったインターネットも家庭あるいは職場に非常に普及しておりまして、もう身近なメディアとしてなかなか手放せないようになってきております。最近は、ホットスポットということで、繁華街とか駅あるいは空港等に、そういうサービスもどんどん広まっております。
 そういった中で、インターネット、ブロードバンド環境がうまく使えない、整備されていないという空間が幾つか残っておりますが、その1つが航空機かなと思っております。特に航空機の場合は、大体国際線ですと、半日ぐらい全く通信ができない、そういう状況になりまして、いろいろ国際ビジネス等に携わる方、メールの送受信がやりたいとか、あるいは最新の情報を収集したいというようなニーズは非常に高いものがございまして、今回のシステムの実現は待ち望まれているところでございます。そういった意味で、このシステムの導入を一刻も早くやることで、ある意味でユビキタス社会の穴を1つふさぐことができるのかなと考えております。
 私ども総務省といたしましては、このご答申、技術的条件を受けまして、今後、このシステムの円滑な早期導入を図るべく、関係の規定の整備を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、このご答申を取りまとめいただきました分科会委員の皆様方、あと水町主査を初め専門委員の皆様方のご尽力に対しまして、厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
齊藤分科会長  それでは、よろしくお願いいたします。
 
 
 
(2)

「5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件」について(諮問第2014号)


 
齊藤分科会長  次でございますが、諮問第2014号、「5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件」についての審議を行います。総務省からご説明をお願いします。 
武居基幹通信課長  基幹通信課長の武居です。資料番号2をごらんいただきたいと思います。
 1ページおめくりいただきまして、諮問第2014号、5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件ということで、そこに諮問理由を掲げさせていただいておりますけれども、近年、簡易かつ安価に、家庭、オフィス内にインターネット接続環境を展開できる無線LANが急速に普及しておりますし、また一方で、ADSLの高速化やFTTHの進展に合わせまして、ホットスポット等における無線アクセスシステムについてもより高速な通信が求められておりまして、このための周波数の追加割り当てが急務となっております。
 ご案内のように、このような背景から、本年7月に、世界無線通信会議におきまして、無線LANを含む無線アクセスシステム用としまして、5GHzギガヘルツ帯で、具体的にはそこにございますように、5,150から5,350MHzメガヘルツ及び5,470から5,725MHzメガヘルツが世界的に分配されました。我が国におけるこれら周波数帯での無線LANを含む無線アクセスシステムの制度化等を図るため、無線設備の技術的条件等について審議を求めるものでございまして、今回、このようなことから諮問させていただくものでございます。
 答申を希望する事項といたしましては、大きく2つございますが、1つは、5GHzギガヘルツ帯における無線LANを含む無線アクセスシステムの技術的条件、2点目は、5GHzギガヘルツ帯における無線LANを含む無線アクセスシステムと他のシステムとの周波数共用条件でございます。
 答申を希望する時期といたしましては、平成1610月ごろ、答申が得られたときの行政上の措置としては、関係省令等の整備ということでございまして、1枚おめくりいただきますと、5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムのイメージということで、ホットスポットにおけるインターネットアクセスでございますとか、住宅、マンションにおけるインターネットサービス、いわゆるFWAサービスでございますとか、オフィス内の高速無線LANあるいは家庭における高速ホームリンクとしての無線LAN、こういったものに活用が予定されるものでございます。
 下に、現在の周波数の割り当て状況及び今回の検討の周波数帯域を示させていただいておりますけれども、斜線が入っているところが現在割り当てられているものでございまして、このうち5,030から5,091MHzメガヘルツまでは2007年までの暫定使用ということでございます。それから4,900から5,000MHzメガヘルツまでは、2007年までは固定マイクロとの共用ということでございまして、いずれも2002年に制度化を行っております。
 今回は5,150から5,350MHzメガヘルツということで、少し黒墨で塗っているところと、5,470から5,725MHzメガヘルツということで、気象レーダーでございますとか、地球探査衛星、各種レーダー等が現在使われているところで、こういったシステムとの共用条件の検討も出てまいろうかと考えております。
 それから、この7月に電波政策ビジョンというものを定めまして、その中でも、無線LAN、無線アクセス等の周波数というものが、今後、利用周波数帯幅が広がっていくということでございまして、今回の検討はその電波政策ビジョンの方向性に沿ったものとして、検討を進めるものでございます。
 以上でございます。
齊藤分科会長  ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、ご質問、ご意見を伺えますでしょうか。
 電波政策ビジョンにも、この周波数の数字は先取りして、このとおり書いてあるんでしたね、たしか。
武居基幹通信課長  はい、そうです。
齊藤分科会長  もうちょっと先のことも、何か少し書いてあるけれども、ここは書いてあると、こういうことですね。
武居基幹通信課長  基本的には、電波政策ビジョンで5年以内に無線LANNWA用に確保すべき周波数幅の数字というのが、今回の周波数の諮問検討の内容と整合をとるような形になっております。
齊藤分科会長  ITUにも提案されつつあったし、電波政策ビジョンの答申の提言にも整合がとられているということですね。
 よろしゅうございましょうか。これから5GHzギガヘルツ帯の無線LANはまだまだいろんな利用に拡大されていくという期待も高まっておりますし、周波数が使いやすくなるというのは大変いいことではないかと思います。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  もしよろしければ、このご説明を了承しまして、本件諮問の審議を進めるために、後の議題で委員会の設置が提案されておりますが、委員会の設置が決定いたしますれば、当該委員会において調査検討をいただきまして、その結果を当分科会に報告いただいて、審議した上、答申の議決をする、そういうことになると思いますので、またよろしくお願いいたします。その委員会の設置は後の議題でございます。
 
 
 
(3)

「携帯電話等の周波数有効利用方法」のうち「第3世代移動通信システム(IMT2000)の高度化方策」について(平成7年7月24日電気通信技術審議会諮問第81号・審議再開)


 
齊藤分科会長  第3の議題は別の議題で、携帯電話等の周波数有効利用方策についての審議の再開ということでございます。これについてご報告いただきたいと思います。
 本件は、平成7年7月に諮問されまして、これまで800MHzメガヘルツ帯における移動通信業務の周波数の有効利用のための技術的条件など、一部答申をしてまいりましたが、本日は、第3世代移動通信システムIMT2000の高度化方策につきまして、審議を開始するというものでございます。また、総務省からご説明いただきたいと存じます。
富永移動通信課長  移動通信課長の富永でございます。よろしくお願いいたします。それでは、資料3を用いまして、ご説明させていただきます。
 第3世代移動通信システムIMT2000の高度化方策の審議開始ということでございます。第3世代の携帯電話といたしましては、我が国では既にW−CDMA方式とCDMA2000方式が導入されております。加入者のほうでございますけれども、1,000万を超えるということになっておりまして、第2世代から第3世代への移行が進展しつつあるという状況でございます。
 また、近年ではデータ通信サービスへのニーズが高まっておりまして、CDMA2000の方式のほうでは、高速データ伝送が可能なCDMA20001x EVDO方式という方式が間もなく導入されようとしております。W−CDMA方式につきましても、高速のデータ通信ニーズに対応するということで、HSDPA、これはハイスピード・ダウンリンク・パケット・アクセスというものの略称でございますが、HSDPA技術の導入に向けた検討がなされております。
 このHSDPA技術の概要でございますが、次のページをごらんください。下のほうにHSDPA技術ということで、簡単に図示してございます。現行のW−CDMA方式の下りの方向につきまして、これまでピークが384kキロbpsでございましたが、このピークの伝送速度を高速化する、効率化するということで、高速のパケット伝送方式になっているものでございまして、最大で14Mメガbps程度出るということでございます。
 基地局がございますと、基地局の近傍では非常に受信環境がよい、受信条件がよいということでございまして、そういうあたりでは14Mメガbpsぐらいまで出せる。基地局から遠ざかりまして、受信状況に応じて速度が変更されて、受信条件の悪いところでは低速のデータ伝送ができるというようなものでございます。
 1ページ目に戻っていただきまして、他方、これまで主に第2世代の移動通信システムに用いられてきました800MHzメガヘルツ帯でございますが、本年6月25日に開催されました情報通信審議会技術分科会から一部答申をいただいておりまして、これを受けて、今後、第3世代移動通信システムを円滑に導入していくということで、周波数の再編成が進められることとなってございます。
 こういった状況を踏まえまして、第3世代移動通信システムの技術の進展について調査等を行うとともに、HSDPA技術の導入に関する検討、それから800MHzメガヘルツ帯におけるW−CDMA方式の導入に関する検討のご審議をお願いするものでございます。
 それで、先ほど分科会長からご説明がございましたように、審議内容につきましては、第3世代移動通信システムIMT2000の高度化方策としておりますが、既存の携帯電話等周波数有効利用方策委員会、これは平成7年7月の諮問でございまして、その中でご審議いただくということで、お願いするものでございます。
 委員会の構成につきましては、3ページ目に載せてあるとおりでございます。
 答申を希望する時期につきましては、来年春ごろまでに答申をいただければと考えておるところでございます。答申をいただきました後には、関係省令の改正等に活用してまいりたいと考えております。
 以上で、説明を終わらせていただきます。
齊藤分科会長  ありがとうございます。この件につきまして、何かご質問、ご意見はございますか。
宮崎委員  ちょっと1つよろしいですか。
齊藤分科会長  どうぞ。
宮崎委員  このように技術の高度化を行っていっても、新しい技術というのは一般市民に広く普及しなければあまり意味がないと思います。それで、この場合、新たに携帯電話を買いかえないと、この高度化したサービスは使えないというふうに聞いているんですけれども、もしそうだとしますと、買いかえによるコストが生じますので、それまでに可能ではなかった新たなサービスというのがある程度提供されませんと、人々は容易に買いかえないというふうにも思われるんですけれども、新たなアプリケーションというのはどのようものが想定されているんでしょうか。
富永移動通信課長  今回の例えばHSDPA技術ということでございますと、下り方向で14Mメガbpsまで出るということでございますので、携帯電話によるインターネット接続が格段にやりやすくなる。例えば動画を見るにいたしましても、よりスムーズにそれが見られるようになるというような応用が考えられるわけでございます。
宮崎委員  でも、それは最大ピークの速度が14Mメガですね。ですから、平均はもっと低いと思うんですね。
富永移動通信課長  先生がおっしゃいましたとおりでございまして、一番受信環境のいいところで14Mメガbps程度でございますが、エリア的に平均して見ますと、ほぼ2.2Mメガbps程度ではないかという技術的検討がございます。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。
 IMT2000というのは、今のご質問にもあるように、コンセプトとしては古いんですね。十数年前のコンセプトで、そのときは携帯電話しかなくて、こういうものも電話的なイメージで説明されていて、だから、IMT2000って電話がないといけないんでしょう。だけれども、こういうのは、おそらく機器としては、今のLANカードみたいなカードの格好になってくるのが大部分じゃないかと思うんですね。そうすると、しかし、上りは電話の回線、電話と同じのを使うんだけれども、あるいはEVDOも同じですね。上りは電話と同じのを使って、下りはこれでいくと。今の携帯電話をやっている事業者がエクステンドとしてこういうのをやる。そうすると、お客さんも電話の延長かなと思う。それがIMT2000のコンセプトだと思いますが、それはおそらく15年前のコンセプトで、今はそういうことをやる事業者は、きっと全然違うマーケットで違うことをやるといって来ると思うんですね。
 ところが、電波的にも、事業免許的にも、携帯のとごっちゃになっていて、何かこういうのはいっそ──ヨーロッパの国で第2世代の免許を持っているところには第3世代の免許を出さなかった、そういう延長上にあるかどうか知りませんが、第2世代的なものとは違うものとしてこういうものをみんなに理解してもらって、電波免許的にも少し違う事業形態を想定する。第4世代になったら、きっとそうなると思うんですね。何か第3世代というのは電話のコンセプトを引きずり過ぎている。そこら辺のところが、今の第3世代の延長上としてのこういうものに対する広い理解だと思いますが、マーケットは大分違うと思うんですね。そこのところ、この技術的な問題とはちょっと違いますが、第3世代というのにそういう何か違うコンセプトを導入できると、わかりやすくなるし、それなりにマーケットを開拓するという意欲もわく、そういうようなことも考えられるんじゃないかと思いますが、これもITU−Rと関連して、そこのところを切り離すことはできないようになっているようですが、これはどなたかにお答えいただくというような問題ではなくて、ひとり言に近うございます。済みません。何となくちょっと──何せ15年前だから、しようがないですね。そういう感じがあります。
富永移動通信課長  先生、よろしければ、コメントを1つ。実は、第3世代は確かにかなり──1980年代の中ごろからご議論いただきまして、一応電話がベースに入っておりますと。最近、マーケットサーベーランスをやられても、全体としてWAPの中で電話の占める割合というのはどんどん減っているわけでございます。確かにそういう状況はあるということでございますが、やはり依然としてデータだけである程度ビジネスができるか否かについては、なかなかマーケットサーベーランスからでは、今のところはまだ結論が得られないというのが現状ではなかろうかと私どもは認識しております。状況の推移を見つつ、先生のお話にあったような議論も必要かなと。
 一方で、第4世代につきましては、今年のRA、無線通信総会で、第4世代のフレームワークに関する勧告ができ上がりました。これは我が国が以前より情報通信審議会のほうでご議論いただきまして、受けた答申をもとに世界に打って出て、それをもとにコンセプトを世界で議論して、フレームワークをつくったものでございます。
 その中ではサービス的なものもいろいろ議論されておりまして、これからそういったものをベースにもう少し議論が進展する中で、今のお話みたいなものを踏まえながらということかなと考えております。
齊藤分科会長  PHSは多分今データばかりで伸びているんだと思うので、電話に使っている人もごく少数いるかもしれませんが、データ専用のカードが月八千幾らで結構売れていると。今度EVDOがブラス4,200円。あれを音声でプラスもうけて、ARPOを確保しようということだと思うんですが、PHSが八千何百円で売れるんですから、EVDOは1万円ぐらいで売ってもいいと思うんですね。PHS8,000円で売れて、EVDOが1万円で売れないわけはないと思うんですね。だから、ちょっとマーケットセグメントが違うのかもしれませんが、ぼちぼち──要するに今両方やっているから、相対的にデータが低いので、しかし、4,200円なら専らデータに使って8,000円より安いですから、もうPHSはだめになるのかもしれません、(笑)プラス基本料金があるとしても。だから、何かそこら辺の値決めとか、だれがどう使うのか、難しいことがあると思うんですが、そろそろそういう時代に入ってきますね。済みません、余計なことで、本質的でない議論で。
 よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  もしよろしゅうございましたら、この第3世代移動通信システムの高度化方策につきまして、審議を進めるということにいたします。本件は、既に設置されております携帯電話等周波数有効利用方策委員会において調査検討し、その結果を報告いただきまして、当分科会で審議をしていただいた上、答申をする、そういうことになりますので、よろしくお願いいたします。
 
 
 
(4)

2003ITU無線通信総会(RA03)の結果概要」及び「情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会の構成」について(報告)


 
齊藤分科会長  その次の報告事項でございます。2003ITU無線通信総会の結果の概要ということで、RA03の結果につきましてご報告いただくということでございます。情報通信審議会情報通信技術分科会のITU−R部会の部会長をしていただいております中川委員からご報告いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
中川委員  ITU−R部会部会長の中川でございます。情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会の審議状況についてご報告したいと思います。
 配付資料は4−1、2003年無線通信総会の結果概要、4−2の情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会の構成に基づきまして、説明いたします。
 初めに、資料4−1の1ページ目を見ていただきたいと思います。ITUの無線通信総会についてでありますが、ITUでの無線通信部門に関する組織や研究課題等について審議するために、通常二、三年に1度開催されております。今回は6月2日から6日まで5日間にわたりまして、ジュネーブで開催されました。
 その日本の対処方針につきましては、4月21日の技術分科会(第19回)でご報告させていただいておりますので、無事総会が終了し、結果がまとめられ、その概要について報告するわけでございます。
 日本からは総務省及び民間から29名が出席しました。今回は、全体会合の議長として、日本人としては初めてKDDIの伊藤様が務められております。そして、見事に会議をまとめられたと聞いております。
 次に2ページでございます。5の審議結果についてご説明させていただきます。こちらにつきましては、4月の技術分科会でご報告させていただいた内容とほとんど重複しますので、簡単にご報告させていただきます。
 まず、1のSG(Study Groups)から提出されました勧告案の承認につきましては、第4世代移動通信システムのビジョン等、先ほど富永移動通信課長さんのほうからお話がもう出ていたものでございますが、それらに関する勧告案32件が承認されております。
 そして、2の今年から2007年までの研究会期の課題につきましては、第4世代移動通信システム、5GHzギガヘルツ帯無線LAN・無線アクセス、超広帯域(UWB)システム、3,000GHzギガヘルツを超える周波数帯など、361件が承認されております。
 内容につきましては、4から7ページの別紙1〜4に記載されておりますが、これは4月の技術分科会でご報告した資料にある対処がほぼそのまま承認されたということでございます。
 さて、2ページの(3)に戻りますが、今回、SGの副議長として、日本から4人が立候補いたしました。KDDIの阿部さんが副議長として新任され、NHKの熊田さん、KDDIの水池さん、NTTドコモの橋本さんの3名につきましては、引き続き留任し、4人全員が任命されております。他の議長、副議長の任命状況については、8ページの別紙5にお示ししております。
 次に、3ページに移りたいと思います。3ページの作業方法の改善についてでございます。
 まず、1)のITU−R勧告の承認手続の同時採択承認手続についてでありますが、9ページの別紙6にございますように、こちらは4月の技術分科会の時点ではAAP(Accelerated Approval Process)「加速承認手続き」としてご紹介したものでございますが、この採択と承認という2段階の手続を省略するというイメージに反発が多く、同時に両方の手続をするということで、PSAA(Procedure for Simultaneous Adoption and Approval)「同時採択承認手続き」という名称に変更されたものでございます。内容については、実質ほとんど変更はございません。
 次の2)のコストの削減については、ITUの財政が非常に厳しいために、文書量や各種研究委員会の期間を短縮しようということが取りまとめられております。
 次に、3)の研究委員会の再編成でございますが、さまざまな議論がございましたが、10ページの別紙7にありますように、結局、今回の無線通信総会では再編成は行われないこととなりました。今後開催される研究委員会で、さらなる検討を行いまして、再編成についての利点や欠点をRAGに報告することになってございます。
 続きまして、資料4−2、情報通信審議会情報通信技術分科会ITU−R部会構成について、ご説明したいと思います。
 最初の1ページでございますが、ITU−Rの部会の各委員会は、それぞれITUの無線通信部門のSGに対応して設置されております関係上、ITUでのSGの構成が変わった場合、それに合わせて国内委員会の構成をどのようにするか、検討する必要がございます。しかしながら、先ほど説明いたしましたように、資料4−1の別紙7のように、ITUでのSG構成は変更されませんでしたので、引き続きこれまでと同様の委員会構成で審議を続けていくつもりでございます。
 ITU−R部会からの報告につきましては、以上でございます。よろしくお願いします。
齊藤分科会長  ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、何かご質問、ご意見ございませんか。
(「なし」の声あり)
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。大変うまくいったということでございまして、大変ありがとうございました。

 
(5) 委員会の設置等について

齊藤分科会長  最後の議題でございますが、委員会の設置等につきまして審議を行います。事務局からご説明いただきたいと思います。
山川情報通信政策局総務課長  委員会の設置についてお諮りいたします。資料5をごらんください。
 まず、先ほどご答申いただきましたKu帯を用いた高速・大容量航空移動衛星通信システムの技術的条件、これを審議、調査検討しておりました航空移動衛星通信システム委員会、これにつきましては、その役割が終了したことにより、廃止することといたしたいと思います。これが現行の資料5、下のほうの欄にあります委員会でございます。
 また、ただいま諮問のありました諮問第2014号、5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件の調査審議に当たりまして、事務局といたしましては、その調査審議が効率的に行われるために委員会を新たに設置することが適当であると考えまして、分科会決定第3号の一部改正を提案いたします。これにより設置される委員会の名称は、5GHzギガヘルツ帯無線アクセスシステム委員会でございまして、所掌事務は5GHzギガヘルツ帯の無線アクセスシステムの技術的条件に関する事項でございます。
 改正案につきましては、資料5の上段を見ていただければと思います。よろしくご審議のほどお願いいたします。
齊藤分科会長  ありがとうございました。ただいまのご説明でございますが、何かご質問はございませんでしょうか。
 先ほどお決めいただいたことに関連して、必要になる組織の改正ということでございますので、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  そうしますと、調査審議の終了した委員会は廃止するということが1件、それから、新規諮問の調査審議のために新たに調査委員会を設置するということでございます。
 それでは、当分科会の決定第3号の一部を改正するということになります。よろしゅうございましょうか。それが第5の改正案ということで、変わるところは、改正案の最初のページの5GHzギガヘルツ帯を入れて、航空移動を取る、こういうことでございます。第10番目の委員会ということでございます。
 そのようにいたしますと、委員会に所属する委員及び主査は分科会長が指名するということになっておりますので、指名させていただきたいと存じます。お手元に名簿をお配りしていると存じますが、このような形で指名させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 主査は、ここにございますように、東京工業大学の安藤専門委員にお願いするということでございます。よろしくお願いしたいと思います。
 このほか4名の方につきまして、専門委員になられ次第、本委員会に参加していただく。この分野でございますが、5GHzギガヘルツ帯でございますと、関連するレーダーの方とか、そういう方にご意見をいただかなければいけないということで、今リストにございますほかに、さらに4名に参加していただくということにいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。そういうことでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)

閉会

齊藤分科会長  そういたしますと、以上で本日の議題は、予定を終了でございますが、委員の皆様から何かございませんでしょうか。よろしゅうございましょうか。事務局からは何か。よろしゅうございましょうか。
 そうしますと、本日の会議は終了でございます。次回でございますが、ご案内いただいていると思いますが、1127日(木曜日)で、時間は3時30分からでございます。この8階第1特別会議室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はありがとうございました。
―― 了 ――


 本分科会にて配付された資料をご覧になりたい方は、総務省にて閲覧及び
貸し出しを実施しておりますので、下記までご連絡をお願いいたします。

  担当: 総務省情報通信政策局総務課情報通信審議会係 飯島
  電話 03−5253−5694
  FAX 03−5253−5714
  メール t-council@soumu.go.jp

 





 

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