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情報通信審議会 情報通信政策部会 インターネット基盤委員会
地理的名称に関連するトップレベルドメイン検討ワーキンググループ (第2回会合)
議事概要

日時

平成21年2月27日(金) 14:00〜16:00

場所

総務省 地下2階 1〜3会議室

出席者(敬称略)

  1. 主査
    舟田正之(立教大学)
  2. 構成員
    馬野耕至(読売新聞東京本社)、前田香織(広島市立大学)、山上紀美子(社団法人全国消費生活相談員協会)、桑子博行(代理:矢上氏)(社団法人テレコムサービス協会)、高橋徹(財団法人インターネット協会)、立石聡明(社団法人日本インターネットプロバイダー協会)、丸山直昌(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)、大東洋克(GMOインターネット株式会社)、堀田博文(株式会社日本レジストリサービス)、石川地域情報政策室課長補佐、岸宏之(東京総務局都情報システム課課長補佐)、原田一紀(東京都総務局情報システム課係長)、依田繁男(代理:土屋氏)(長野県軽井沢町企画課長)、星野和弘(長野県軽井沢町企画課情報係主任)、三浦満雄(代理:平田氏)(大阪府総務部IT推進課長)、原田智(京都府政策企画部業務推進課長)、竹下由志章(代理:西川氏)(岡山県倉敷市情報政策課長)、増田典之(広島市企画総務局情報政策課長)
  3. 総務省
    武内電気通信事業部長、長塩データ通信課長、柳島データ通信課企画官、小林データ通信課課長補佐、増子データ通信課専門職

議題

  1. 構成員からのプレゼンテーション
  2. 論点整理
  3. 自由討議
  4. その他

議事要旨

【新gTLDに関する期待と要望について】
前田構成員より「新gTLDに関する期待と要望」(資料1)について説明。
インターネットを利用する際にURLを直接入力する利用者は、日本では利用者全体の2割以下、世界全体だと7割程度となっている。また、ドメイン名の取得率は米国で数十%という比率に対し、日本は3%となっている。
自治体内での理解をより深めるため、自治体からみたドメイン取得の意義を明確にするとともに、より具体的な情報を与えてもらいたい。
SEO(検索エンジン最適化)を事業として展開できているのは日本だけであろう。「.tv」のように商業性を見込めることも、自治体からみたドメイン取得の意義として考えられるだろう。
ICANNから出ているガイドブックから読み解くと、地理的名称とは国、県、首都、市(申請者が地理的名称であると申請した場合)から支持を得ていること(コミュニティベース)が要件であり、選考の段階で地理的名称、個人名、商品名が重なった場合、コミュニティベースの申請を受けた地理的名称の優先度が高くなるため、市名については地理的名称であると申請した方が選考上有利である。したがって、複数の自治体にまたがるgTLDについては、関係する自治体からの支持を受けていることが望ましいであろう。
【論点整理について】
事務局より「ワーキンググループ論点整理(案)」(資料2)について説明。
さきほどの説明に1点補足させていただく。来週からICANNのメキシコ会合が開催予定であり、ガイドブックの改訂版も事前に出ている。その際、ICANNの事務局長から「まだまだ議論が必要であり、次のバージョンのガイドブックも作成しないといけない。新ドメインの申請を本年12月よりも早く受け付けることは困難である。」とのコメントが出ている。
ドメインの申請受付が始まった場合、ある期間内に申請をするのか、それともいつでも申請可能なのか。
ひとまず、ある期間を区切って申請を受け付けることになっている。ただし、それは1回きりということではなく、また一定期間後に申請期間が設定されることになっている。
歴史的地名や旧国名(旧藩時代の名称)、例えば「.江戸」というドメインについて、誰が登録者になれるかという議論は難しい。地名学ではいろんな議論が存在する。市町村合併により消えた地名もあるだろうし、消えたものが復活するということもあるかもしれない。地理的空間の歴史性も十分に考えていく必要がある。
「.江戸」が仮に本当に申請されたら、論点整理で提案されているような、一定期間のパブコメが必要か。
「.江戸」が地名か、時代名なのかでも変わってくるが、いずれにせよ複数の者が関係すると思われるドメインについては、皆で情報共有の上、事前の調整が可能とする必要があると考えている。
自治体間で基準が異なると、申請者側にも混乱を与える可能性があることから、統一的な審査基準を国に示していただくと有り難い。
論点整理の中で、自治体の検討・参考に資するよう、ガイドラインをあらかじめ用意することが必要ではないか、と記述している。国別トップレベルドメインで議論している審査基準等をベースに、自治体ごとに若干変更を加えることも可能だし、この際、自治体標準仕様にしてしまうこともあり得る。いずれにせよ、自治体が悩むことなく、国に準拠したやり方が可能となるように用意していきたい。
まだ正式に決めた訳ではないが、仮に、我が自治体に関係するドメイン名の申請があってICANNからの問い合わせがあった場合には、「関与しない」という回答になると思う。オープンドメインに対して、自治体が関与する必要はないと考えているが、その場合はICANNに対して「反対しない」という意味になるか。
市の名前については、申請者がそれを「地理的名称である」と宣言しなければ、オープンベースのドメインとしての扱いを受けることになる。ただし、都道府県や首都の名前に関しては、必ずICANNからの通知・連絡を受け、判断を示す必要がある。その際に、関知せず、自由な判断に任せるというのであれば、ICANNの審査は先に進むことになる。
ドメイン名が増えること自体については、自治体側で特に異議はないと思うが、その判断を自治体がしなければならないことがネックになる。「関与しない」や「関知しない」という判断ができるのであれば、自治体はそれが一番楽と考えるのではないか。
「関与しない」と文書で明記して出す場合、「支持しない」と同じ意味になる可能性がある。「関与しない」というスタンスであれば、申請者側に「これは地理的名称ではない」と宣言していただくことになるのではないかと考える。そうすれば、申請者はICANNに対し、「支持する」や「反対しない」という自治体の文書を出す必要もなくなる。
論点整理の中に、混乱防止策としてガイドラインの中で「予約ドメインの設定」を記載するとしているが、国や自治体だけでなく、ドメインの管理運営を申請する企業等にも広く知っていただく必要がある。
我が自治体の市名が付いた汎用JPドメインについては、半年間の予約期間を過ぎた後、同名の旅館が登録・利用しているが、これには当自治体は関与していない。地元の企業等の名刺・パンフレットに、我が自治体の名前が書かれているのは、ブランド面でも良いことだと思っており、使っていただく分には構わないというスタンスである。
ICANNから示されたガイドラインの第2版によれば、市の名前である場合、申請者が「市の名前である」と宣言すると、他のもの(オープンベースのドメイン)よりも優先されるということもあるが、その自治体の支持文書が必要になる。自治体が関与するか否かの方針次第で、申請者の行動も変える必要があり、あらためてICANNの議論の難しさを感じた。いずれにせよ、自治体の方針が途中で変わると、申請者側も混乱するため、あらかじめ方針をきちんと決めておくことが重要。
論点整理の中に、自治体向けガイドラインが必要とされているが、このガイドラインは、「こうしなさい」という規制的な意味で書いているのか、「参考にしてください」という意味のガイドラインのいずれをイメージしているか。
前回までの議論において、一定の運用の手引きがないと自治体は困ってしまうとのご意見もあったことから、「このまま使っても大丈夫」との意味で考えている。したがって、そのまま使ってもらっても良いし、少し加味して、違う方策を取ってもよいものである。ただ、自治体として統一的にという希望が強ければ、そうした方向性を持たせることも可能。
「ドメインの運営主体が地方自治体自身となる場合」が論点項目に挙げられているが、「.日本」については政府が直接運営することは想定されていない。一方で、ICANNのルールや国内法制では否定されてないようだが、例えば「.東京」の場合に、東京都が自ら運営することについて、どう考えるべきか。
管理運営にかかるコストも考慮する必要があり、難しいと思うが、それでも自治体として自らやるべきという判断があれば、やることは問題ないと思う。
「.jp」については政府が運営していないが、他国の国別トップレベルドメインを見ると、政府や公的機関が担当している場合もあり、地理的名称ドメインを自治体が運営することもあり得ると思う。ドメインには一切「関与しない」立場もあり得るかもしれないが、(他国では問題なくとも)日本や日本人の目から見て道徳的に問題と考えられるドメイン名称を抑止できるきっかけとも考えられる。
ICANNの申請プロセスの中には、「公序良俗に関する申立」という仕組みもあり、新たなドメイン名が承認される前に、そうした観点から異議申立を行うことも可能。
地理的名称ドメインに関し、他国の都市の動向はどうなっているか。
ニューヨークについては「.nyc」、ベルリンについては「.berlin」を新たに作ろうとするグループが活動している。例えば、ベルリンについては、世界に複数箇所の同じ地名があるため、それらの連携を図る動きもあり、このほか、表に出ている動きとして、おそらく10カ所以上はあると思う。
ドメイン管理運営に関する事業性の判断や、複数自治体間の調整など悩ましい点も多く、地理的名称ドメインについては、自治体が選定プロセスに関わらないで良い方式とするか、できればあまり関与したくないと考えている。ICANNの中ではこうした議論は出ているか。
複数関係者の調整のやり方までは特段規定されていないが、先ほどの「.berlin」の例で言えば、他の関係者・活動団体も巻き込んで一緒にやっていこうとする動きが出ている。
地方自治体が「関与する」という際に2つのレベルがあると思う。自治体自身が運営主体となって関わる場合と、もう1つは、民間企業等が手を挙げたときに推薦を与えるという場合である。ただ、行政における公平性が特に重視されるようになっている時代にあって、特定の企業を推すことは難しいのも確か。
2月にICANNから出されたガイドブックによると、県と市とでは求められる対応が異なるとのことであり、都道府県は「関与しない」という対応はできないのであれば、その部分は、国から自治体に示されるガイドラインにしっかりと示して欲しい。観光情報や自治体情報の発信において、地理的名称ドメインを積極的に活用していくことを考えると、きちんとした運営を維持できるような組織を選ぶ必要があり、その判断が可能となるような自治体向けのガイドラインがあった方がよい。
ドメインの管理運営事業者が一定レベル以上であるかどうかは、本当はICANNで審査していただきたい。複数の事業者が候補に挙がった場合、自治体が最低限確保すべきポリシーが守られているなら、あとはどの事業者でもよいという意思表示があってよいと考えるが、そうしたやり方が出来ないのであれば、複数の団体が関わる調整方法について、ICANN側でもう少し具体化していただきたい。
そうした調整は各国に任せるというのがICANNの立場であるので、そこを直接ICANNが受け持つというのは、正直難しいと思われる。
そうであれば、自治体間の調整がうまく進むよう、ガイドライン等の中で、国から一定のルールを示していただくようお願いしたい。
【その他】
次回のワーキンググループでは、検討結果の取りまとめを行いたい。
次回会合については別途連絡。本日の説明事項等に関し、他に意見や質問等があれば、事務局まで提出していただきたい。
以 上

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