会議資料・開催案内等


情報通信審議会総会(第13回)議事録




第1 開催日時及び場所
平成17年1月12日(水) 10時03分〜11時03分
於、総務省8階第1特別会議室

第2 出席した委員等(敬称略)
委員
荒川 薫、清原 慶子、後藤 滋樹、坂内 正夫、佐々木 かをり、清水 英一、
庄山 悦彦、関根 千佳、高橋 伸子、畑 文雄、辻 正次、土居 範久、
土井 美和子、東海 幹夫、長田 三紀、根岸 哲、根元 義章、平野 浩志、
御手洗 顕、宮崎 久美子、宮原 秀夫、村上 輝康
(以上22名)

第3 出席した関係職員等
 (1)   総務副大臣、大臣政務官及び大臣官房
山本 公一(副大臣)、山本 保(大臣政務官)、松井 浩(総務審議官)、
高原 耕三(総務審議官)、平井 正夫(官房長)、
鈴木 康雄(政策統括官)鬼頭 達男(技術総括審議官)、
藤岡 道博(官房審議官)、松井 英生(官房審議官)

 (2) 情報通信政策局
堀江 正弘(情報通信政策局長)、吉崎 正弘(総合政策課長)、
阿知波 吉信(情報流通高度化推進室長)

 (3) 総合通信基盤局
有冨 寛一郎(総合通信基盤局長)、江嵜 正邦(電気通信事業部長)、
竹田 義行(電波部長)、石田 直裕(国際部長)

 (4) 事務局
福岡 徹(情報通信政策局総務課長)

第4 議題
本会議は、情報通信審議会議事規則第9条の規定により、公開にて行われた。

1   会長の選出及び会長代理の指名について

2   部会に所属する委員の指名について

3   報告事項
  ア u−Japan政策について
  イ 地球温暖化対策に関する自主行動計画のフォローアップについて






  開会
  
福岡情報通信政策局総務課長  お待たせいたしました。ただいまから情報通信審議会総会(第13回)を開催いたします。
  私、事務局を担当しております情報通信政策局総務課長の福岡でございます。よろしくどうぞお願い申し上げます。
  本日は、会長が選出されますまでの間、かわりまして議事の進行を務めさせていただきます。なお、本会議の模様をインターネットにより中継しておりますのでご了承願います。
  それでは、お手元の議事次第に従いまして議事を進めてまいりたいと思います。


  副大臣・大臣政務官あいさつ

福岡情報通信政策局総務課長  初めに、山本副大臣及び山本大臣政務官が出席しておりますので、ごあいさつをさせていただきたいと存じます。まず、山本副大臣、よろしくお願い申し上げます。
山本副大臣  おはようございます。総務副大臣の山本でございます。きょうは麻生大臣が海外出張でございまして、かわりにごあいさつをさせていただきたいと思っております。
  本総会は新体制になって初めての開催でございまして、皆様方にはこのたび情報通信審議会の委員にご就任を賜りまして、大変ありがとうございます。この審議会は情報通信分野における制度あるいは技術の方向づけなど、基本的な政策を審議していただく大変重要な審議会でございます。2005年までに世界最先端のIT国家となることを目標に、政府全体で取り組んできた結果、日本のICT利用環境は大きく改善し、世界一安くて速いブロードバンド環境が目標の予定より早く実現いたしました。一方、2007年には人口減少に転じ高齢化が本格化する中、解決すべき将来の課題は山積みの状態です。新たな社会基盤として定着しつつあるICTこそが問題解決のブレークスルーになると確信をいたしております。
  このような状況の中で、総務省ではu-Japan政策パッケージを取りまとめ、2010年をターゲットとして「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークに簡単に接続でき、そのメリットを享受できる次世代の情報通信社会の実現を目指しております。具体的には、まず地上デジタル放送の普及につきまして、一昨年12月に三大広域圏で開始され、おおむね順調に進展しておりますが、今後は全国普及の加速化という新たな段階に入ります。このため、現在審議会に地上デジタル放送の利活用のあり方と普及に向けての行政の果たすべき役割を諮問させていただいております。
  また、情報通信分野の研究開発につきましては、電子タグの高度利活用技術や、センサーネットワーク技術の研究開発等に取り組むとともに、本年7月に審議会から答申をいただく予定であるユビキタスネット社会に向けた研究開発のあり方を踏まえ、より一層戦略的に推進してまいります。
  さらに、電気通信事業関係では、現在ブロードバンドサービスの進展と相まって、通信インフラのIP化も急速な勢いで進むなど、ネットワークインフラが大きな転換期を迎えている状況にあり、IPネットワーク時代に適切に対応した競争政策をさらに積極的に推進していきます。
  また、このような転換期において、新たな状況を踏まえつつ、加入電話等の国民生活に不可欠なサービスを適切に確保するため、現在、審議会にユニバーサルサービス基金制度の見直し等の諮問をさせていただいているところでございます。
  電波関係では、世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境の構築を実現するため、周波数割り当ての見直し、周波数の迅速な再配分や利用制度の整備及び電波利用制度の見直し等、電波開放戦略を推進してまいります。
  以上、総務省の取り組みの一端をご紹介いたしましたが、委員の皆様には、これらの情報通信分野における重要事項について、幅広い見地から活発なご審議をお願いいたしたいと存じます。
  以上をもちまして私のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございました。
  続きまして、山本大臣政務官よりごあいさつのほどをお願い申し上げます。
山本政務官  今ご紹介いただきました、山本保です。3人の政務官がいるわけでございますが、情報通信と郵政事業を担当しておりますどうぞよろしくお願いいたします。
  私はもともと福祉を専門としておりまして、情報通信の分野は全く知らなかったのでございますが、皆様のおかげをもちまして少しずつ勉強しております。実は一昨日に、アメリカのラスベガスでCEAが主催しましたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーでシンポジウムがございまして、ほんとうに不勉強でありましたけれども、そこでパネルディスカッションをさせていただきました。パネリストは、フランスとアメリカの方との3人でした。先方からの質問の中で、「なぜ日本の情報通信はこんなに進んだのですか」というものがございましたが、日本の競争政策について少し詳しくご説明しましたら、とても感心されておりました。
  先生方のお力をいただきまして、今副大臣が申し上げたように、日本の国を更に発展させていきたいと思います。すばらしい成果を生むように私どもも努力させていただきますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。以上をもちまして、ごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。


  委員及び総務省幹部自己紹介

福岡情報通信政策局総務課長  では、続きまして、まず委員の皆様方から自己紹介をお願いしたいと存じます。恐縮でございますが、お席順に荒川委員のほうからよろしくどうぞお願い申し上げます。
荒川委員  明治大学理工学部の荒川と申します。専門は情報通信システムの末端部におけるデジタル信号処理で、最近は特に人間の心理とのかかわりについて研究しています。どうぞよろしくお願いします。
清原委員  皆様、おはようございます。東京都三鷹市長の清原慶子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
後藤委員  早稲田大学理工学部の後藤滋樹です。どうぞよろしくお願いいたします。
坂内委員  国立情報学研究所の坂内と申します。よろしくお願いいたします。
佐々木委員  イー・ウーマンの代表をしております佐々木と申します。よろしくお願いします。
清水委員  日本ルーセントテクノロジーの清水と申します。今から7年前になると思いますが、AT&Tが2つに分かれまして、その片割れがベル研究所をもとに出発しましたルーセントでございます。よろしくお願いします。
庄山委員  日立製作所の庄山でございます。よろしくお願いいたします。
関根委員  株式会社ユーディット情報のユニバーサルデザイン研究所の関根と申します。u-Japanをユビキタス・アンド・ユニバーサルで進めたいと思っております。よろしくお願いいたします。
高橋委員  生活経済ジャーナリストの高橋と申します。よろしくお願いいたします。
畑委員  早稲田大学理工学部の畑です。よろしくお願いいたします。
辻委員  大阪大学国際公共政策研究科の辻です。よろしくお願いいたします。
土居委員  中央大学理工学部の土居でございます。よろしくどうぞお願いいたします。
土井委員  東芝研究開発センターの土井と申します。土居先生とは井の字が違いますけれども、よろしくお願いいたします。
東海委員  青山学院大学の東海でございます。よろしくお願い申し上げます。
長田委員  初めて参加いたします。東京地婦連の長田と申します。よろしくお願いします。
根岸委員  神戸大学の根岸と申します。よろしくお願いします。
根元委員  東北大学大学院情報科学研究科の根元でございます。よろしくどうぞお願いします。
平野委員  損害保険ジャパンの平野でございます。よろしくお願い申し上げます。
御手洗委員  シャープの御手洗です。よろしくお願いいたします。
宮崎委員  東京工業大学理工学研究科の宮崎久美子と申します。4月からは新しく東工大にできますイノベーションマネジメント研究科のほうに移ることになっております。よろしくお願いいたします。
宮原委員  大阪大学の宮原でございます。よろしくお願いします。
村上委員  野村総合研究所の村上でございます。よろしくお願いいたします。
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございました。
  続きまして、本日出席をしております総務省のほうから順に自己紹介をいたします。松井総務審議官から順にお願いいたします。
松井総務審議官  総務審議官の松井でございます。情報通信全般を担当させていただいております。よろしくお願いいたします。
高原総務審議官  総務審議官の高原でございます。国際関係のほうを担当いたしております。
平井官房長  官房長の平井と申します。よろしくお願いいたします。
有冨総合通信基盤局長  総合通信基盤局長の有冨といいます。インフラ政策全般を担当しています。よろしくお願いいたします。
江嵜電気通信事業部長  総合通信基盤局電気通信事業部長の江嵜でございます。よろしくお願いいたします。
竹田電波部長  同じく総合通信基盤局電波部長の竹田でございます。よろしくお願いいたします。
石田国際部長  同じく国際部長の石田でございます。よろしくお願いいたします。
堀江情報通信政策局長  情報通信政策局長の堀江でございます。放送行政を中心とする情報通信政策を担当しております。よろしくお願いいたします。
鬼頭技術総括審議官  技術総括審議官の鬼頭でございます。研究開発、標準化、宇宙通信を担当いたしております。よろしくお願いいたします。
鈴木政策統括官  情報通信政策を担当しています統括官の鈴木と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
松井官房審議官  総務審議官ではなくて普通の審議官の松井です。
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございました。
  それでは、山本副大臣、山本大臣政務官は所用がございますので、失礼でございますが、ここで退席を申し上げます。
山本副大臣  どうぞよろしくお願いいたします。
福岡情報通信政策局総務課長  それでは、さらにお手元の議事次第に従いまして議事を進めてまいりたいと思います。
  本日は委員30名中22名の方々が出席をされておりますので、定足数を満たしております。
  この審議会の全体の委員の皆様方の名簿、それから総務大臣から指名をされました情報通信技術分科会に所属していただく委員の方の名簿を、お手元の資料1というところで用意させていただいておりますので、ご確認をいただければと思います。よろしゅうございますでしょうか。


  議題

      ア 会長選出及び会長代理の指名について

福岡情報通信政策局総務課長  それでは、次に会長の選出をお願いしたいと思います。情報通信審議会令第4条第1項の規定によりまして、会長は委員の皆様方の互選により選任をするということになっております。どうぞ委員の皆様方からご推薦をちょうだいしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
清水委員  よろしいですか。
福岡情報通信政策局総務課長  はい。
清水委員  日本ルーセントの清水です。皆さんどなたがなられても適任であると存じますけれども、私としましては、国内外を問わず幅広く活躍され、新しい技術分野におかれましてもご経験豊富で、かつまた財界の重鎮でもいらっしゃいます庄山委員が最適任であると存じます。よって、庄山委員をご推薦申し上げます。
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
  根岸委員、お願いいたします。
根岸委員  今ご発言がございましたが、私もご経験あるいはご見識から見まして庄山日立製作所社長がご適任だと思います。
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。
  ただいま清水委員、それから根岸委員から庄山委員を会長にとのご推薦がございました。皆様方いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
福岡情報通信政策局総務課長  ありがとうございます。それでは、庄山委員に会長をお願いしたいと存じます。これからの議事は会長にお願いをいたします。恐縮ですが、会長、どうぞ会長席のほうにお移りくださいませ。
庄山会長  ただいまご推薦いただきました庄山でございます。会長の職を務めさせていただきたいと思います。
  先ほど副大臣あるいは政務官からもお話がございましたように、情報通信は21世紀におきまして非常に重要な分野でございますし、しかも非常に変化も速いところでございまして、そういう意味におきまして、この審議会におきましてのいろんな議論の進め方等々につきましては、ぜひ各委員の皆様方にご協力いただきながら進めていきたいと思っておりますので、今後ともぜひよろしくご支援のほどお願い申し上げたい。
  それでは、きょうの議事に入ります前に、初めに私が会長として審議会を主宰できない場合の代行をお願いする会長代理をあらかじめ決めておきたいと思います。会長代理は規定によりまして会長が指名するということになってございまして、私から指名させていただきたいと思います。会長代理には技術的な観点も含めまして、幅広い見識をお持ちの宮原委員にぜひともお願い申し上げたいと思いますが、宮原委員、よろしゅうございましょうか。それでは、こちらの会長代理席のほうにお座りいただきたいと思います。
  それでは、宮原会長代理のほうから一言ごあいさつをお願い申し上げたいと思います。
宮原会長代理  ただいま会長代理のご指名をいただきました大阪大学の宮原でございます。微力ではございますが、会長のサポートということで、一生懸命やらせていただきたいと思いますので、どうか皆さん、よろしくお願い申し上げます。
  
    イ 部会に所属する委員の指名について

庄山会長  それでは、次に、各部会に所属する委員の指名を行いたいと思います。部会所属委員の一覧につきましては事務局からこれより配付させます。
(部会所属委員一覧配布)

  それでは、ご覧の一覧表のとおりご指名いたしたいと思いますので、よろしくご協力をお願い申し上げたいと思います。委員の皆様方には、部会の運営に関しまして、いろいろな角度からのご協力を賜りますようよろしくお願いいたしたいと思います。


  報告事項

      1 u-Japan政策について

庄山会長  それでは、次に議題に入らせていただきまして、報告事項がございます。初めに総務省のほうから、先ほどもお話が出ておりましたが、u-Japan政策につきましてご説明いただけるということですので、よろしくお願いしたいと思います。
吉崎総合政策課長  総合政策課長の吉崎でございます。よろしくお願いいたします。
  先ほど山本副大臣のごあいさつの中にございました2010年を目指した情報通信政策の総合パッケージu-Japan政策が、昨年末まとまりましたのでご報告いたします。
  資料2−1をご覧いただきたいと思います。まず、u-Japan政策の背景でございます。3ページをご覧ください。今、政府全体といたしましては、2001年1月をスタートといたしまして、5年間で世界最先端のIT国家を目指すe-Japan戦略が進められております。最初はインフラを整備していくことを中心に進められ、2003年7月からは利活用を中心にということで、e-Japan戦略II2が進められてきております。本年12月が2001年1月スタートの5年目満期ということになりまして、この間、特にインフラ面では世界でもっとも速く安いネット環境が整備されるなど相当の成果が上がっているところでございます。そろそろ2006年以降の次期の戦略を考える時期に差しかかっておるわけでございますけれども、e-Japan戦略の場合には欧米あるいは韓国へのキャッチアップということで進めてまいりましたが、世界最先端レベルになった現時点におきましては、お手本なしのフロンティア開拓が必要になってまいります。
  そこで、2010年を見据えて社会がどのようになっているか、そこにおける課題は何か、情報通信はどのように役に立つのかといったことを考えていき、次世代の戦略を考えていこうではないかということで、昨年3月u-Japan政策懇談会というものが立ち上がりました。座長は当審議会の委員でもございます野村総研の村上理事長でございまして、36名の委員の方にお集まりいただきまして、延べ27回議論が進められてきたというものでございます。昨年12月にまとまりまして、2006年以降の次期IT戦略、政府全体のものに提案をしていきたいと考えているというのが背景でございます。
  1ページめくっていただきまして4ページでございますが、繰り返しになりますが、最初の箱はe-Japan戦略が進められてきており、一定の成果が上がっているということ、2つ目の箱が2010年を見据えて、少子高齢化などの社会変化の中でさまざまな課題があるということ、3つ目の箱はICT自体が定着して、課題解決のツールとして活躍し始めており、特にこれからのシーズとしてはユビキタスネットということがトレンドであるということ、そして4つ目の箱は中期ビジョンが必要であるということでございます。このような背景で、まず2010年の社会を考えていこうということでございます。
  6ページをご覧ください。u-Japanのuというのは何かということでございますが、シーズの面では今申しましたユビキタス、ラテン語であまねくという言葉でございますが、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がネットワークにつながるということでございます。特に今までと違いますのでは、人−人に加え、人−モノ、モノ−モノといったコミュニケーションが出てくるということでありまして、冷蔵庫とタグ、あるいは自動車と道路といったコミュニケーションが出てくるということでございます。
  また、左の下のほうですが、ユニバーサル、人に優しいということが非常に重要になってまいります。現在の機器やネットワークはまだまだ使用しているという感覚を利用者に持たせるものでございますが、機器やネットワークを意識しないで、だれでもが簡単に利用できるようになってきて、その結果として高齢者や障害者の方々も積極的な社会参加ができるようなユニバーサルというのが2つ目の視点でございます。
  3つ目はこれまでの供給者に加えまして、利用者の視点が十分に融けこんだユーザー・オリエンテッドになってくるということでございます。
  そして4つ目が今までの画一的なモノづくりの社会から、個別、個性あふれる情報社会ということになりまして、ユニーク、個性といったことが重視されるということでございます。この絵を見ていただきますと、それぞれアルファベットのUが4つございますし、結ぶ、優しい、融ける、湧き上がる、全部漢字で「ゆう」ということでありまして、4つのU、左下にFor Youと書いてありますけれども、このような社会をつくっていきたいということでございます。
  7ページ以降が具体的な利用シーンでございまして、お年寄り、子供あるいは障害者の方々が、さまざまなツールを使って楽しい積極的な社会参加ができるというイメージ図でございます。
  8ページは産業の利用面でございまして、生産管理プロセスあるいはナレッジマネジメント、企業間のコラボレーションなどに使われていくということでございます。
  9ページは供給する側の産業がどのようになってくるかということでございますけれども、特に左下のほうの通信・放送にだんだん似通ったサービスが出てきまして、そこでの連携が強化され、コンテンツサービスなどが発展していく、特に携帯電話ですとか、テレビといったような日本の得意分野を生かして市場を拡大していくということで、業界自体も変革に取り組む必要があるということでございます。変革がうまく成功しますと、右に書いておりますように2010年には87兆円程度の市場が見込まれております。
  このような社会を実現させるためには前提条件が必要でありまして、その環境整備のために必要な行政の仕事が政策パッケージということになるかと思います。11ページをご覧ください。特にe-Japanとu-Japanの差ということで、下の絵をご覧いただきたいと存じますが、e-Japanの最初の2001年の時点ではインフラを中心に整備が進められました。当時のインフラはナローバンドプラス若干のブロードバンドということでございました。また利用面では電子商取引、電子政府などがあったわけですが、主としてインフラ整備に力点が置かれておりました。2003年7月に転換されたe-Japan戦略II2では利活用を中心にするということになりまして、ブロードバンド自体が相当普及したということでありまして、医療などの先導的7分野についての規制改革などを中心に今取り組まれているということでございます。
  これからの方向性としては、3つの矢印が書いてございますが、ネットワークとしてはユビキタスネットということになるかと存じます。固定を中心としたブロードバンドのみならず、移動のときに無線を使ったものなどが縦横に入り組んで、ネットワークのほうで自由に意識しないネット環境が出てくるというのがユビキタスネットでございます。
  また利活用の面につきましては、現在取り組まれておりますのも情報化促進の面が強いわけですが、真に社会の課題を解決するところまで至ることが必要になってくるということでございます。
  また3つ目、右の斜め上に伸びております利用環境整備が重要でございまして、ICT自体非常に重要な役割を担うわけですが、現時点においてはICT自体が安心・安全なものではないというのもございます。この辺が政策として3つの大きな方向になるということでございます。
  時間の関係で12ページは飛ばさせていただきまして、13ページをご覧ください。このような3つの政策がどのようなものかというのを全体的に書いております。まず、下のほうの左側のユビキタスネットワーク整備でございますけれども、有線・無線のシームレスなアクセス環境の整備ということで、電波開放、あるいは固定・移動の融合などが出てまいります。それから、市場原理の外で格差が出てきたりしておりますけれども、ブロードバンドが全国的に整備されているということが必要であります。今進められておりますデジタル放送につきましても、全国的に見られることが必要だということでございます。
  それから3つ目の実物系ネットワークの確立ということで、電子タグ、センサーネット、情報家電、これらは特に現在規格化、標準化があまり進んでおりませんけれども、これらが結び合うことによってユーザーの側からすると非常に使い勝手がよいということになり、そこを確立していくことが必要だということでございます。
  4つ目がネットワーク・コラボレーションということで、特にシステム間連携がなかなかまだうまくいっていないところもございますので、そういったことを整備していくことが必要であり、全体の目標としましては、2010年までに少なくともブロードバンドについては国民の100%が利用可能な社会にということを考えておるところでございます。
  それから真ん中がICT利活用の高度化ということで、まずは利用する側の社会システム自体をICT対応にしていくということが必要であるというのが1つ目でございます。特にコンテンツの創造・流通・利用促進が重要でございまして、マイクロペイメントなどの流通・決済などが非常に重要であるということでございます。
  それから、利活用を進めるに当たっては、やはりだれでもが使えるということが重要でございまして、ユニバーサルデザインで使い勝手のいい、人に合わせる機械ということがまず必要であり、4つ目の箱では今度は機械が人に合わせるということも必要であるということでございます。
  そして右側のほうが利用環境整備ということでございまして、現在のところICTに対して安心感を持っておられる方は20%に満たっておりませんけれども、これを80%ぐらいの方が安心感を持てるようにということで考えていくべきであるということでございます。
  あと下のほうは国際戦略、技術戦略になっております。
  この利用環境を少し詳しく書いたものが14ページでございまして、外側の黒い枠は1番のプライバシーの保護から10分野につきまして、それぞれ10課題を抽出しました。ここの箱の中に書いてございますけれども、社会的影響度が高いわりに対応策が不十分である、緊急に、優先的に取り組むべきということになるわけでございますけれども、それを21個選んだものが真ん中の緑のところでございます。プライバシーでありますと、医療におけるプライバシー保護、あるいは公的機関などの個人情報保護からはじまりまして、ここに書いてございますようなものが特に社会的影響度が高いわりに対応策が不十分であって、早急に取り組むべきものとご指摘いただいたものでございます。
  これらの作業をやっている中で感じましたことが次の15ページのユビキタス憲章につながるものでございます。今まではだれでもが自由に情報を利用できるということではありませんでしたが、技術が進んで、だれでもが自由で多様な情報流通ができるようになってまいりました。その反面であまり勝手な情報流通は困るという不安も出てきまして、自由に使いたいという欲求と、あまり勝手に使われては困るという欲求がぶつかり合って、調和を求めているということがこの100課題に共通していることであり、これからまたさまざまな新しい事例が出てくると思いますけれども、それらの指針になるような全体的な憲章をつくろうということで、ここに書いてございますような憲章案もつくられたということでございます。
  そして、これらを進めていくのはどのようにしていくかということでございますけれども、16ページでございます。これまでですと官と民との関係というのが多かったわけですが、特に民も産の部分が多かったわけですが、これからは産と並列するような形で民も出てくるということになって、官自体はこれらの民産学が主役として行う場合の環境整備を行っていくというところがポイントになってくるかと思われます。
  また3)のところに書いてございますけれども、階層ごとに適切な役割分担をということでありまして、コンテンツのようなレイヤーの高いところはより自由度が高く、インフラのようなレイヤーの低いところは公的にいろいろと面倒を見るところが多いということで、階層ごとに適切な役割分担を講じることが必要であるということでございます。
  17ページにまいりますけれども、2010年を見据え、通信・放送全体を見たということで、ややもすると非常に抽象的な議論になりがちでございますので、工程表をつくってできるだけ具体的なスケジュールを明示し、もう一つ明確な成果目標を設定することを総務省としてつくるべきだという要請をいただきました。そして、その工程表もつくりっ放しではなくて、実施、評価、改善、そして計画の見直しといったような不断のPDCAサイクルを回していけというご要請を受けたところでございます。
  以上が懇談会でいただいた報告でございまして、それを受けてつくりました工程表が総務省クレジットの資料2−2でございます。1ページをめくっていただきまして2ページが先ほどの3つの大きな柱に沿ったものでございまして、ユビキタスネットワーク基盤整備です。1つ1つご説明はできませんけれども、一番初めの有線・無線のシームレスなアクセス環境の整備、電波開放戦略の着実な推進ということで、2010年には県庁所在地以上においては、シームレスな環境を実現できるようにしていこうということで、ここに書いてありますような細かい矢印1つ1つを着実にこなしていこうというものでございます。この1つ1つの矢印自体で1つの研究会が立ち上がるぐらいのものでございますけれども、全体のパッケージということでここに網羅してございます。
  2ページが利活用の高度化、3ページ目、4ページ目がICTの安心・安全というところ、6ページもそうです。7ページが国際と技術ということでございます。特に技術につきましては、当審議会の技術分科会などで議論をいただいているところでございます。
  今回、これがまとまりましたので、これに従って2010年に向けての政策を展開していきたいと思っておりますし、IT戦略本部でこれから次期戦略が議論になりますけれども、そこに提案していこうと思っております。また、英訳をしまして、世界のICT先進国になりました日本として、世界各国に先進国ではこんなことを考えているのだという情報発信を、例えばことしの5月に開かれる東京での国際会議、あるいは来年のチュニジアで開かれるWSIS(国際情報通信サミット)などでも情報提供していけるようにしたいと考えているところでございます。
  ご説明は以上でございます。
庄山会長  どうもありがとうございました。それじゃ、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。どうぞ。
清原委員  清原でございます。ただいまご説明をいただきまして、自治体、地域の立場からひとつ意見を申し述べたいと思います。
  私は2003年4月から市長を務めておりますけれども、そのころからやはり市民の皆様の大きな関心になってまいりましたのが、安全・安心ということでございました。そういうことから昨年は庁内に安全安心課を新しく設置するなど、とりわけ安全・安心の取り組みを強めてきたところでございますが、ただいまご報告いただきましたICT安心・安全21戦略というのは、極めて重要な取り組みだと思います。やはり普通のユーザーの皆様が、ICTをほんとうに使い勝手よく、また満足度が高く利用していただくためには、何よりもセキュリティーの問題、プライバシーの問題というのが大変重要だと常日ごろ認識しております。また、健康、医療、防災、防犯の面でのニーズも極めて高く、私どもの自治体のみでなく他の自治体でも市民意向調査、住民意向調査で安全・安心へのニーズが従来と比較して際立って高くなっているという状況がございます。ぜひこのICT安心・安全21戦略等を総務省が民学産公の連携の中で強めていただくことがより質の高いICTの利用促進につながるものと思いますので、このご提案を実行に移すべく自治体も一緒になって努力してまいりたいと思いますので、ぜひそうした連携、ネットワークの取り組みもお願いしたいと思います。以上でございます。
庄山会長  どうもありがとうございました。ほかにどなたがご意見はありますでしょうか。それでは、大変貴重なご意見をありがとうございました。ぜひ反映させていただくようお願いしたいと思います。
  次にもう一件報告事項がございますので、それが終わりましてからでも後ほどまとめてご意見をお聞きしたいと思います。
  
    2 地球温暖化対策に関する自主行動計画のフォローアップについて

庄山会長  それでは、総務省サイドから地球温暖化対策に関する自主行動計画のフォローアップについてご説明いただけるということになっていますので、よろしくお願いしたいと思います。
阿知波情報流通高度化推進室長  情報流通高度化推進室長の阿知波と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは資料3の地球温暖化対策に関する自主行動計画のフォローアップについてご報告いたします。この報告は、通信・放送の業界団体、今6つの団体がございますが、ここが行っている環境対策についての進捗状況を、毎年1回ずつ定例的にご報告しているものでございます。
  それでは、資料に基づきましてご説明いたします。1のフォローアップの背景をご説明しますが、2ページをご覧ください。1)の一番上の箱のところなのですが、これは平成10年の電気通信審議会の答申にあったところなのですが、この下線部を読ませていただきますが、「通信・放送関係業界に自主行動計画の策定を要請」するということです。それから下の二重線ですが、「自主行動計画を確実に推進するため、地球温暖化対策の実施状況について、年1回、当審議会を活用したフォローアップを行う」、これが任務でございます。ここでご議論いただいたものでございますが、次の箱の地球温暖化対策推進大綱(平成14年)というものがありますが、本部長は内閣総理大臣で、ここに報告することになっております。ここの下線部を読ませていただきますが、「産業界等において策定された省エネルギー・二酸化炭素排出削減のための、行動計画について、関係審議会等によりその進捗状況の点検を行い、その実効性を確保する」となっておりまして、この地球温暖化対策推進本部の会合に報告するという運びとなります。
  中身でございますが、2)のフォローアップの視点というところの(2)と(3)をご覧いただきたいのですが、(2)の事業用設備等に係る対策は、交換機とか送信機という事業用の設備です。それから(3)のオフィスの省エネルギーとか企業の社会・地域貢献という観点からのフォローアップでございます。
  それでは1ページに戻ってください。対象の業界団体でございますが、2のフォローアップの方法というところにございますが、対象6業界団体、電気通信事業者協会、例えばこれはNTTとかKDDIが入っているようなところなのですが、通信・放送合わせて1,045社が対象でございます。フォローアップ自体は業界団体ですが、その会員社は1,045社でございます。
  ここを対象として行った結果でございますが、3のフォローアップの結果でございます。これはどういうことかといいますと、3ページをご覧ください。マトリクス表になっておるのですが、各業界団体が何を行っているかということでございます。黒丸と星のところをやっているということでございます。白抜きの星のところは今年度から行っている新しい活動内容であるということでございます。
  それから4ページをご覧ください。ここは各業界団体または団体に属する企業が行っている個別の具体的な環境対策の事例を並べたものでございます。ここも白抜きの星のところが新しい活動でございます。ですから一番上のグリーン調達、建物のグリーン設計、それから環境に配慮した機材を買うということですとか、建物自体も環境に配慮したものを建てるというものについての各ガイドラインの実践、推進ということは、例えばNTTですとか、KDDIのような大手さんがなされていることでございます。こういう具体的、また地道な活動を行っているということでございます。
  それでは、最初のページにお戻りください。今、3の(1)のところをご説明したのですが、(2)から下は、さらにこの自主行動計画のフォローアップの枠組みを超えて取り組みを強化している部分でございます。(2)は業界団体ではなくて、会員の各企業が個別に詳細な環境自主行動計画を作成している状況でございますが、会員企業中199社がつくっておりまして、約19%ということになっております。これは昨年の35社から5.7倍ほどに増加しております。
  それから(3)環境対策に資する数値目標の設定は、数値目標というところが昨年のこの審議会で話題になったところなのですけれども、例えば紙の使用量、廃棄物量、電気消費量等個別の数値目標をつくっている会社でございますが、72社が導入しております。これも昨年の20社から3.6倍ほどに増えております。
  それから、2)でございますが、効果の計測につきまして、今年度末までにすべて発表される予定でございます。
  それから(4)のフォローアップの結果でございますが、1)といたしまして、各業界団体がどういうふうに発表しているかということですが、日本放送協会(NHK)につきましては、計画、目標、計測の結果についてホームページですとか、環境報告書を作成して公表しております。そして他の5団体についても今公表について検討されているというところでございます。
  それから、2)でございますが、会員企業につきましても、31社が今ホームページで公開されておりまして、149社が公開に向け準備中であるということ、数値目標につきましても、22社が公表され、40社が準備中であるということでございます。
  以上がフォローアップなのですが、参考といたしまして、5ページをご覧ください。ユビキタスネット社会の進展と環境に関する調査研究もあわせて報告させていただきます。今までのフォローアップはICTの業界自身が行っている環境対策だったのですが、この調査研究の対象は、ICTによって環境に対して貢献したいという観点からの研究会でございまして、我が国の環境対策の基本計画、基本方針に立ち戻ったものなのですが、我が国の方針といいますのは、京都議定書の1990年を基準年にして二酸化炭素等を6%削減するということを履行するという中で、環境対策と経済成長を両立化させるのがもともとの基本的な方針でございまして、私どもといたしましては、改めてユビキタス技術というものに着目して、その影響度でありますとか可能性を検証し、さらにはそれを実現するための具体的方策について検討する調査研究会でございます。
  この考え方としましては、最後の7ページをご覧いただきたいのですが、左のほうからご説明しますと、もちろん今ICTが非常に盛んになっておりますので、電力消費が家庭、オフィスで増えているという事実がございます。一方におきまして、真ん中にありますが、社会・経済構造の変化をもたらしているということです。例えば生産・物流・消費の効率化、電子商取引とかICタグによるものが期待されておりますし、テレワークやITSによる通勤量の削減とか渋滞の削減という人やモノの移動というものが情報の移動に変えられているという実態、それから重厚長大産業、例えば鉄鋼、化学、セメントというようなエネルギー消費型のものからの転換が行われているという状況を勘案し、2010年時点でどういう影響度があるであろうかという検討が1つでございます。
  それから、このユビキタス技術というものを積極的に社会に活用したらどうなるだろうかということが検討項目の2)、3)、4)になるのですが、2)としましては、環境負荷を低減させるモデルシステムをつくり、それから3)といたしましては、環境の実態をより把握する計測のシステムを検討するということ、それから4)としましては、社会に定着するための財政金融税制上の具体的な措置を考えていきたいということがこの調査研究会の目的でございます。
  もう一つ参考までにご報告いたしますと、私ども総務省といたしましても、この1月4日から職員によるテレワークを実施しております。職員がブロードバンド通信とパソコンを使って在宅で勤務を始めました。6人から始めておりますが、各年度年度で拡充する予定でございます。総務省にとどまらず、他省庁ですとか自治体さん、それから民間企業の間でもどんどん広まっていくように今積極的に運動を行っておりまして、ITによって環境に貢献したいと考えております。以上でございます。
庄山会長  どうもありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。はい、どうぞ。
佐々木委員  イー・ウーマンの佐々木です。今の環境に関してなんですけれども、非常に重要だと思いました。やっぱりITが普及するということは便利なのですが、一方で私たち使っている仲間でも、二大懸念が1つは電力不足や温暖化という今出たもの、それからもう一つが電磁波の問題で、この2つが生活の中に入ってくることの危険性がどうしても目に見えない。ITを活用することの利便性は即座に体感できるのですが、見えないし専門家じゃないとわからない、なかなか私たちの手で測定することができないというところで、非常に関心が高くて、マイナス印象を持たれる方の多くはそういった意識だと思います。ですから、こういったフォローアップは非常に重要だと思いますし、見ていると一歩踏み込んでフォローアップして、まあいいのじゃないのということではなく、もう少し踏み込んで、ここにも出ていましたがホームページでの公表も検討中とありますが、これは即座にやるべきことだと思いますし、今、企業もみなCSRの時代で、さまざまな側面からの社会的責任を問われていますから、私たちがこのITCを促進していく中でかなり強く積極的に発言をし、促していったほうがいいのではないかなと考えます。
阿知波情報流通高度化推進室長  まず、前者のほうなのですけれども、私どもの研究会におきましては、電力消費の増大でのマイナス面もきちんと把握して将来ビジョンをつくっていきたいと思っています。プラスだけではなくて、マイナスの側面もきちんと勘案したものをつくっていきたいと考えております。
  それから2番目のもっと積極的にということなのですが、これにつきましても各業界団体さんに今後どうしたらいいかということをもっと積極的に要請してまいりたいと思っております。ありがとうございます。
庄山会長  どうもありがとうございました。ほかにどなたか。
村上委員  後半のユビキタスネット社会の進展と環境に関する調査研究会についてコメントさせていただきたいと思います。
  u-Japan政策の検討におきましても、ユビキタスネット技術というのがハードのインフラのマネジメント、あるいはその保守について特にセンサーネットワーク技術の応用が非常に重要な役割を果たしそうだという検討をいたしました。そういう中で、環境問題というところに焦点を置いて、具体的な調査研究をされるというのは非常に意義の高いことだと思います。先ほどの話で、この成果を特に我が国の京都議定書対応というところに活用されるということですが、同時に日本だけでこの問題は解決するわけではありません。u-Japan政策でも、アジアとの協力、あるいはアジアブロードバンドの枠組みの中での国際協力の展開を重視すべきだという指摘をしておりますけれども、この成果を長期的な視点で、中国を中心とするアジア全体についても均てんしていくようなことをお考えいただければと思います。以上でございます。
阿知波情報流通高度化推進室長  ありがとうございます。委員がおっしゃるとおり、この調査研究会なのですが、u-Japan政策を受けた個別論、具体論に入ってきているということでございまして、u-Japan政策のほうも海外に吉崎のほうから報告するという姿勢でございますが、私どもとしても同様な積極的な姿勢で臨んでいきたいと考えております。
庄山会長  どうもありがとうございました。ほか、どうぞ。
坂内委員  ICTによってこういう業界はこういうふうにちゃんとやっている。ただ、ICTが環境に関してもっと積極的に貢献できるという側面をもうちょっと強調したほうがいいのではないか。例えば最後のユビキタスネット社会が進展するとこんなふうになるから、環境CO2の減少要因になる、これは1つの事実だと思うのですけれども、もう少し積極的に、例えばここにITSというキーワードが出ているのですけれども、自動車運輸関係のCO2に貢献というのは20%ぐらいある。これを仮にICTの技術でもって限りなくゼロに近づけるということができるとする。これは他のいろいろな施策や技術とコンバインしなきゃいけないことですけれども、そうするとICTは直接間接にもっと積極的にこの環境というものに貢献することができるというような、ターゲットを絞って踏み込んだ対応がさらに欲しいなという気がするのです。
  私どもも情報通信の分野なのですけれども、情報通信が普及するといろんないいことができるぞということで10年やってきたわけですけれども、具体的にこれができる、それを実現するために何を突破しなきゃいけないか、そろそろ明確に実現する、ここの価値創発というのは僕は大賛成で、インフラから利活用、そして価値創発に対して、何を突破してどこまでICTが貢献できるのかという視点を、ここが総本山ですので、積極的に、特に環境ということに関しては、わりあいターゲットがはっきりしているという気がしますので、そういう意味では先ほどの佐々木さんと同じで、より積極的にというか、そういう形の対応をお願いしたいと思います。
阿知波情報流通高度化推進室長  どうもありがとうございます。
  資料の6ページをご覧いただきたいと思うのですけれども、これは構成員なのですけれども、私どもの研究会の思いなのですけれども、委員がおっしゃるとおり個別具体論に入らないとということがございまして、例えば交通の部分ですとトヨタですとか日通、各個別分野の方、例えば一番上ですとイオンの流通の方ですとか、清水建設というオフィス建設、建物の分野といいますICT分野の方だけではなくて個別のユビキタスが活用できるのではないかという広範な分野の方に助力をいただきまして、委員がおっしゃるような個別具体論をより深く掘り起こしていきたいという思いで行っているところでございます。
土井委員  今のお話に関連して、先ほどのu-Japan政策の中で、民もプロシューマーとして考えましょうというお話がありましたけれども、まさに今回お話しいただいているユビキタスネット社会というところで、環境を考えるというのは、民――いわゆる一般の消費者とかプロシューマーとして自分たちの環境を考えていくというので、ユビキタスのICTがどうやって利活用されていくかということを一般の方に理解していただくのに非常によい切り口かなと思います。そういう点で先ほどの皆さんからのご指摘と同じなのですけれども、ぜひ積極的にやっていただきたいと思います。
  あわせて、せっかくこれをやっていただくのであれば、政策パッケージの中に、すみません、先ほどからこれに該当する項目があるのかなと思って探しているのですけれども見つからなかったのですが、もしあればぜひ教えていただきたい。ないようでしたら積極的に加えていただけないかと。
  あともう一点、Plan、Do、Check、Actionということで、評価をすることは非常に大事だと思うのですが、今評価をするときにいかに市場に普及したかということで評価をされるのが非常に強くなっておりますが、それだけではなくて、やはりプロシューマー、一般の方にどれくらい、例えば技術あるいは環境に対して意識を高めたかということで、そういう検証とか、知財に関する意識を高めたかみたいなところも評価尺度として考えていただければと思います。そういう点でODAとかアジアに対して、今回スマトラの災害などでもいろいろ救援されていますけれども、ICTで救援をしていくというところもわかりやすく説明していただけると、総務省がやっている施策を皆さんに理解していただけるのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
庄山会長  どうもありがとうございました。パッケージ工程表のどこかに入れさせていただくというようなことで。
吉崎総合政策課長  議論の中で環境は100課題の中に入っていたのですが、差し迫った切迫感であまり点数が高くなかったというのが入らなかった最大の理由です。ただ、そことは別に利用の高度化のところの社会システム全体をICT対応にしなければいけない、その中に例えば労働のシステムですとか、あるいは今の廃棄物などについてタグをつけて、できるだけ地球に優しくしようといったものは個別には入ってくるということでございます。これを受けた形で今阿知波のほうから話をしましたような各論をまた詰めていくということでございますので、あそこの工程表に入っていないからといってやらないということでは毛頭ございませんのでご安心ください。
土井委員  ぜひよろしくお願いいたします。
庄山会長  どうもありがとうございました。まだほかもございますでしょうが、ありましたらまたいろいろな形で事務局のほうにメールでも結構でございますので、ぜひ積極的にご参加いただきますように。
  それでは、事務局のほうから何かございますでしょうか。
福岡情報通信政策局総務課長  この後の部会等に関するご案内でございます。この後、当会議室におきまして、情報通信政策部会を開催いたします。恐縮ですが、会場設営の関係がございますので、委員の皆様方には一たん隣の控え室、そちらの扉があきますので、のほうにお移りいただきますようお願い申し上げます。なるべく早く用意いたします。
  また、この情報通信政策部会開催中は、その後の1140分に予定しております情報通信技術分科会、また午後でございますが1時半から電気通信事業部会を予定してございますが、それらにご出席されます委員の方で、もちろん外にお出になる方もいらっしゃるかと思いますが、もしよろしければ同じように隣の801を控え室という形で準備させていただいておりますので、適宜にご利用いただければと思います。よろしくどうぞお願いいたします。


  閉会


庄山会長  それでは、特に何かございませんようでしたら、本日の会議はこれにて終了とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
  それでは、次回の総会の日程につきましては、別途確定になり次第事務局のほうからご連絡申し上げるということにいたしたいと思います。ぜひまた万障繰り合わせの上ご出席のほどよろしくお願いしたいと思います。
  以上できょうの第13回総会は終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
  ―― 了 ――



  本会にて配付された資料をご覧になりたい方は、総務省にて閲覧及び
貸し出しを実施しておりますので、下記までご連絡をお願いいたします。

担当:総務省情報通信政策局総務課情報通信審議会係 飯島

電話 03−5253−5694
FAX 03−5253−5714
メール t-council@soumu.go.jp








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