会議資料・開催案内等


地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第4回)議事要旨

  1. 日時 平成20年11月21日(金)13時00分から15時00分

  2. 場所 中央合同庁舎第2号館 1002会議室


  3. 出席者(五十音順、敬称略)
    座長 部  正夫(地方職員共済組合理事長)
    構成員  稲継  裕昭(早稲田大学政治経済学術院教授)
      大谷  哲也(豊田市総務部人事課長)
      河田  祥則(多治見市企画部人事課長)
      清野  良一(埼玉県越生町副町長)
      阪口  克己(武田薬品工業株式会社総務人事センター所長兼研修所長)
      高尾  和彦(総務省自治行政局公務員部公務員課長)
      辻    琢也(一橋大学大学院法学研究科教授)
      西村  美香(成蹊大学法学部教授)
      二見  研一(神奈川県総務部人事課長)

  4.  議題
       地方公共団体における人事評価に関する論点整理について

  5.  資料(PDF)
       地方公共団体における人事評価の活用等に関する研究会(第4回) 整理の方向(案)

  6.  会議経過
    (1)  事務局より、地方公共団体における人事評価の活用等に関する論点について説明が行われ、引き続き、全体の整理に向けた意見交換を行った。意見交換の主な概要は以下のとおり。

    (人事評価のねらいと活用)
     人事評価結果の活用について、公務員の組織全体のモラールアップ、公務能率の向上のためだけでなく、最終的には住民サービスの向上等にもつながるものであることを明記するべき。

    (能力評価、業績評価について)
     ○  意欲に関する評価自体は、一律に否定されるものではない。しかし、団体における人事評価の成熟度によっては恣意的になるおそれもあることから、第18次公能研と同様に、実際の行動や達成指向性を伴った行動過程について能力評価の中でとらえて評価するのが妥当ではないか。
     ○  給与への活用等を考えると、目標管理による業績評価は必要。そのためにも、具体的な目標設定について期首に評価者と被評価者が期首に合意・理解した上でスタートすることが重要。
     ○  政策評価等の目標設定でも同じだろうが、業績評価の目標はまず地方公共団体の総合計画の方向に沿った組織目標に即して立てられる必要がある。部下育成などマネジメント系の目標については、組織目標とリンクした目標とウェイト差を設けたり、管理職の能力評価の中で評価するべきではないか。
     ○  総合計画や行革プラン等の体系に即して組織目標を考えることが基本だが、団体によっては、全ての業務でなく新規施策や事務事業だけに限って策定するところもある。その場合、恒常的な業務についてもきちんと目標を立てさせるべき。一方で、一部の施策・事務事業のみやっている部署だけが目標を立てやすく、かつ業績が上がりやすいということにならないよう注意する必要がある。
     ○  単純な定型的業務を行う部署と、政策の企画立案を行う部署とでは、評点について評価の仕方もあり前者が下がる傾向にある。前者についても住民サービスの観点から何とか目標を立てて評価を実施しているものの、100%達成しても当たり前という評価になりがちなので、例えば良い点を積極的に評価するなど評価方法を工夫してはどうか。
     ○  一方、目標により難易度、困難度の差はあるので、その点は念頭におくべき。
     ○  目標設定が難しい定型的な業務について、具体的な例示を立てられないか。

    (自己申告、面談、評価結果のフィードバックについて)
     ○  評価者訓練については、各自治体における階層別の研修や都道府県単位の研修も組織的に実施するべき。
     ○  下位評価(標準より下位の評価を指す。)を受けた者に対して、面談によるフィードバックを行って納得させることは重要。一方で、このことで下位評価を躊躇する評価者が出る可能性もあり、注意が必要。
     ○  そうした評価、面談を適正にできない管理職はむしろ管理職としては失格である。
     ○  下位評価の枠設定はないが、結果的に3〜4%になっている団体や、以前設定していた下位評価枠を廃止した団体もある。
     ○  1割程度は下位というのが実感であり、下位評価をきちんと行えと明記するべき。

    (苦情対応について)
     ○  苦情対応については、各部局単位で上位評価者が対応するか、あるいは総務課・人事課で対応するかで実際は随分違ってくる。基本的には上位評価者は、苦情申出の対象となる評価に関わっているので、その評価者が対応する前者の方式は、組織規模が大きい団体以外は実効性の点で疑問ではないか。
     ○  人事課、総務課は、どのような状況で人事評価が行われているかを把握する上でも、苦情対応も行うべきではないか。少なくとも小規模団体では、標準的に人事課・総務課対応でないと意味がないのではないか。
     ○  苦情相談における人事課等と人事委員会・公平委員会のすみ分けも考えられるが、現実には難しい点が多い。

    (人事評価の活用を念頭に置いた検討)
     ○  評価が甘く偏ったりしないための一つの方法として、同一の被評価者に対する評価結果の経年比較をして飛び出し値をつける評価者がいないかをどうかをチェックする仕組みも有効でないか。
     ○  評価の活用分野によって能力評価と業績評価のウェイトづけをきちんと変えていくべき。人事異動、査定昇給、ボーナスなどについて、評価結果を全て同一ウェイトであてはめれば、反映の結果も全て同じ方向を向くことになり、偏りが強調される可能性がある。活用分野ごとに、何を重視するのかという認識を持った上でウェイト設定を行うべき。
     ○  人事評価が人事政策の原点であるという認識に立ち、評価者が分限処分につながる下位評価についてもきちんと行うべきことをはっきりしておくべき。ただし、いずれにしても、評価だけで分限処分が決まるわけではないので、警告書の発出など必要なケアを併せて行うことになるというのが基本的な考え方。
     ○  分限処分に至る手続きについて、押さえるべきポイントを整理できないか。
     ○  国家公務員における活用の基本的枠組(評価結果の反映基準の考え方)を、地方公共団体にとって原則ととらえるのではなく、あくまで一例示として参考にするべき。

    (2) 事務局より、次回研究会の日程は調整の上、改めて連絡するとの報告があった。

    以上

    (文責:総務省自治行政局公務員部給与能率推進室)

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