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人材力活性化研究会(第12回)議事概要

日時

平成25年3月1日(金) 10時00分〜12時00分

場所

都道府県会館 403会議室

出席者(敬称略)

  • 構成員
    飯盛義徳(座長)、富永一夫(副座長)、小澤浩子、舘逸志、玉沖仁美、豊重哲郎、前神有里、松原朋子、宮城治男
  • 事務局
    総務省 関地域力創造審議官、大槻人材力活性化・連携交流室長

議事概要

1.「地域づくり人育成講座」の今年度の展開について

 (1)講座の参加対象について

  •  現在の地域づくり人育成講座では、参加条件として、行政の推薦状が必要となるものもある。こうした参加条件をどう考えていくか検討するべきではないか。推薦状が必要無いということになれば、行政職員以外の参加者が増える可能性があり、それに伴い、行政職員に重きをおいてきたこれまでのカリキュラム・説明の仕方を見直す必要がある。
  • 中小企業を中心に地域貢献や地域密着型の事業展開をする上で、地域について学ぶニーズが高まっている。初級講座で受講をする行政の方が、自分の周りにいる民間の団体とか商店街の方とかに声をかけることで、そうした民間企業人の参加も増やしていけると良い。
  • 行政以外にも参加ニーズがあることは事実だが、過去に行政職員を対象とした研修の間口を広げて、民間人の参加を増やしたことがあったが、対象を広げることで、メインターゲットがぼやけてしまい双方の参加者の満足度が低下してしまったことがある。参加対象については熟慮すべき。

(2)「地域づくり人養成講座(ステップアップ編)」開催について

  • 垂直展開の1段階目ということで、試行錯誤しながらの実施であったが、結果的には受講生の満足度が高いよい学びの場をつくることができた。まず、事前課題をしっかりと出すことで、自分の地域の課題は何で、どういうことを解決したいのかというような問題意識をしっかり持って、研修に臨んでいただけた。しかも地域づくり活動を実践されていることから、非常に意識が高いメンバーであった。また、少人数で開催したことにより、みんなの顔が見え、参加者各自の課題を解決するために様々な観点から非常に中身の濃い議論となった。その結果、事前に持ってきた課題の解決策が議論を通じてブラッシュアップされ、極めて実現可能性の高い解決策を導き出すことができた。
  • このような素晴らしい成果があがった一方で、こうした(10名程度で濃密な議論をする)内容の研修を全国でどのように実施するか、政策として展開していくのかという点については検討が必要である。
  • 自地域の問題に対して、考えを尽くし、様々な取組を実践した上で、更にできることはないかという状況で参加したペアが、参加者間で議論をすることで、新たな打ち手を見出すことができた。その分野の専門家がいなくても、様々なバックグラウンドの人が集まって意見を出すことで創発的に新たなアイディアが生まれることが確認できた。
  • 民間の方が加わってプロジェクトを推進している地域では、一行政地域だけでは狭いので、今後はブロック開催を行い、事務局の皆さんを我々がサポートできる仕組みができると良いのではないか。

(3)「域学連携」地域づくり人育成支援事業について

  • 「域学連携」の事業により地域づくり人育成のきっかけとしているケースがあると思うが、この動きが地域の中で根づいていくという、継続・発展性みたいなものをどう担保していくのか、今後事業の予算額を含め、効果的な設計を考えていく必要がある。

 
 2.来年度の展開について
 
(1)事業の名称・運営について

  • 来年度から講座の名称が人財塾となるが、「塾長」が開講の挨拶、受講修了書の授与をするなど、受講生に感動や意識づけを与える構成にすると良いのではないか。
  • 総務省が国の施策として実施する事業である以上、市町村単位の行政から募集を募るといった現行の在りかたを今一度考え直す時期に来ている。県知事にこの事業について周知し、県が人材育成の大切さを理解した上で、市町村で重点的に育成すべき人材を推薦させるといった仕掛けが必要。やねだん創世塾では、佐賀県の古川知事が人材育成の必要性を感じ、これからの県をリードする人材やモデル地域に絞って、推薦して県庁職員と一緒に毎年3人ずつ参加している。そのように、県が動きだし、市町村も動かなければならないシステムを総務省がつくりあげていかないと、地域でいくら「がんばれ」と言っても、事業の成果は限定的なものになってしまう。また、手引きの活用方法についても、民間に個別に広めていくのではなく、行政が効果的に展開していく仕組みが必要ではないか。研修の内容についても、これまでと同じことをやっていたのでは、国を動かすリーダーは育成されないのではないか。更に、県・市区町村単位での支部を作って活動をフォローしていく体制も構築する必要がある。
  • 「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」に10人の知事がいるが、そういう意識を持っている県に働きかけてみることができないか。
  • 上級まで行った方を何らかの形で地域で認定するなどして、その人を核に地域ごとで広げていくというような道筋を作っていく必要がある。また、地域の主体である企業がNPOと連携して地域をつくっていく動きもあり、企業にも間口を広げて別の主体にも入っていただきながら、それを引っ張っていく上級を修了した人々を育てるというようなことができるとよい。
  • 各地域のボトムアップ型の育成プログラムは多くあるが、総務省が実施する施策としては、各県等で支部をやっていくということも念頭に置く必要がある。大学連携の事業をやっていても、首長が来ると全く違う。首長が最初の会議に来れば、そこで検討したプログラムも実際に動く。自治体の職員のが自主的に参加することは、非常に有機的でよいが、それだと自治体の中でトッププライオリティにならない。そういう意味でも、各県の知事も巻き込んで、どこかの県でこのプログラムを開催するというのも一つの案である。また、他の省庁の取り組みについても横断的に認識する必要がある。
  • 一つのキーワードは組織化をどうするかということ。今のまま我々が毎回がんばってやっても、現状維持でこれ以上物理的にもこなせない。だから、やはり総務省らしく、都道府県及び区市町村みたいなところにもっていって、どういうふうに組織化できるようにもっていくのかというところが一つ。次に、地域づくりコンクールみたいなものを全国コンクールみたいなものをやって、よくがんばっているところの情報が目立ってマスコミにでも載って、どんどんいろいろなところに伝わっていくような、仕組みがつくれないか。3つ目としては、個人的フォローアップをするツールとしてスカイプなどのICTを活用することで、移動時間とお金、移動するための費用を節減できる。

(2)参加者のフォローアップについて

  • この講座を受けた人たちがその後、いったいどんな動きを始めたのかという実態を把握することが必要ではないか。そうした実態を調べることで、様々な課題や今後の展開の可能性が見えてくるのではないか。例えば行政職員が研修に来た後、その自治体の中でどういう位置付けで仕事をしているのかについて把握することで、財政的な支援や、制度的な面も含めて、事業全体の改善の可能性が整理されるのではないか。これまでの取り組みが積み重なってきているからこそ見えてくる事である。
  • 本当に人材育成を真剣に考えて自治体として取り組んでいるところは、その人が帰ってきてからの仕事を想定しているが、自ら手を挙げた参加者の所属組織の中には、「行かせてやったのだから、そのことはもう忘れてこの仕事をしなさい」という雰囲気の職場があることも予想される。そうした参加者が、活躍の場を広げられるようなフォローの仕組みが必要ではないか。実際に、地域メーリングリストや、フェイスブックなどを読んでいても、その後の活動が記載されていることもあり、参加者もそうした状況に気づいてほしいと思っているのではないか。メールアドレスがわかっているので、年に1回でも「その後、どうですか」といった問いかけをすることで、やっている人はどんどんその成果を表明してくれるのではないか。また、「何かしないといけないな」と気づくきっかけにもなるのではないか。
  • 2年間継続的に講座を実施してきており、何百人という卒業生が輩出されている。今後そうした方々をどのようにフォローアップしていくかというのが中級、上級のプログラムで検討していく必要がある。受講をきっかけにして、様々な取組を地域で実践されていると思うが、公務員として宿命的に部署が変わることから、いかに活動を継続していくかという点についても知恵をまとめることも必要である。
  • 参加者の方たちの経過を確認することは、事業の成果を測る上でも重要。例えば、年に1回発表会を開催し、そこでアドバイスをすることで経過を支援できればよいのではないか。そうすると参加者の方たちも、1年後には何か成果を出さなければといった自分にとっても成果を出すよい刺激と緊張感ができて、また同窓会にもなり、リアルで会うとさらにSNSが盛り上がるという好循環を維持することができる。しかし、その一連の構成が発表会だけでよいか、また、増え続ける卒業生をどのように集めるかといった課題がある。
  • 参加者のフォローアップの仕組みがうまくいっているのが、地域活性化センターの地域リーダー養成塾。そこでは修了者研修会が毎年実施されており、今現在行っている人と修了した人が顔を合わせて、そこで一緒に勉強する場がある。さらに、講師の方と同窓会をやって、各年次ごとの修了者が集まってグループ会議をやっている。自治体も共催機関として働きかけてやったり、まったく民間でやったり、地域の人たちも巻き込んで開催している。参加者も行政、NPO、経営者等、お互いを知る場としてうまくいっている。
  • 愛媛大学では社会人向けに農林水産業中心のテーマで、「地域マネジメントスキル修得講座」を実施している。ここを修了した人が200人からいるが、必ず何かをやっているというくらい、このネットワークが今、愛媛の中では主流で動いる。起業した人や、行政職員でこういうことが好きでやっている人たちがいろいろなコラボで動いている。愛媛大学が地域の人を中心に、地域に密着してやってきたので、フォローも普段からできており地域活性化の効果が出ている。

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