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第29次地方制度調査会第19回専門小委員会

日時

平成20年12月16日(火)10:00〜12:00

場所

三田共用会議所 第4特別会議室(4階)

議事次第

  1. 開会
  2. 議題
    基礎自治体のあり方等について
  3. 閉会

配付資料


○林小委員長 まだお見えでない委員もいらっしゃいますが、時間がまいりましたので、第19回専門小委員会を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、まず「基礎自治体のあり方等」につきまして、事務局から説明をいただいて、その上で、この件につきまして意見交換を行いたいと思います。それでは、事務局よろしくお願いいたします。

○市町村課長 市町村課長の丸山でございます。資料を御説明させていただきます。
 まず資料1でございます。「各種データにみた市町村の現況について」ですが、市町村の多様な状況がわかるものということで資料を準備させていただきました。
 1ページでございますが、平成11年3,232ございました市町村の数が、平成20年で1,782となってございます。平成16年度、17年度に進んだ合併により市町村数が減少した状況がわかるかと思います。
 2ページでございます。人口規模別市町村数でございます。
 最大で350万人超の横浜市から最小で200人余りまで幅広く分布がございます。人口1万人未満の市町村数がなお500程度、3割弱に及ぶという状況でございます。
 3ページでございます。
 人口増減率による分布状況でございます。これは平成2年〜7年、7〜12年、12〜17年、5年刻みで3つの時期の推移を見てございます。人口が減少する市町村の割合が増大しており、平成12年〜17年の間における人口減少市町村数が約7割に達しているということでございます。
 4ページ、高齢者人口比率による分布状況でございます。
 これは平成7年、12年、17年、3つの年の分布状況を記してございます。高齢者比率は増加しておりますけれども、その進行の速度は緩和の傾向にございます。グラフが全体に右寄りにシフトしてございまして、近年は比率の低い市町村が減少傾向にあるということでございます。高齢者比率が5割を超える市町村がある一方で、1割程度にとどまる市町村もわずかながら存在してございます。事例としては、右側のほうに具体の市町村名を付してございます。
 5ページ、人口と高齢者人口比率との関係ということでございます。
 高齢者比率が高い市町村は、人口が少ない市町村に集中している。左のほうでグラフがやや垂直気味になっているところでございます。人口6万人程度以上ではグラフがほぼ水平的になっておりまして、顕著な差が見られないということでございます。どの人口段階におきましても高齢者比率が増加する傾向にございます。
 6ページでございます、集落の状況ということでございます。
 左のほうでございますが、高齢者の割合が50%以上の集落数ということでございます。地域によって相当の違いがございますが、全体を見ますと全体の12.6%が高齢者割合50%以上の集落ということでございます。
 右のほうでございますけれども、10年以内、あるいはいずれ消滅の可能性のある集落について、アンケート調査でございますけれども、全体の4.2%が該当するということでございます。
 7ページ、面積による分布状況でございます。
 2,000km2という、東京都よりも大きいような市町村がある一方で、100km2未満の市町村が半数を占めるということでございます。面積は平均でおよそ1.8倍になっているということでございます。
 8ページ、人口規模と産業構造との関係ということでございます。
 人口規模が大きくなるにつれまして、第1次産業の就業者比率は減少し、第3次産業就業者比率が増加する傾向が見てとられるかと思います。
 9ページでございます。人口1人当りの製造品出荷額でございます。
 3つの折れ線グラフがありますけれども、橙色のものが三大都市圏、緑色のものが地方圏のグラフでございます。人口との相関関係は小さいが、三大都市圏の製造品出荷額が、地方圏の製造品出荷額を平均的に上回っているという状況でございます。
 10ページでございます。人口1人当りの農業産出額でございます。
 これも同じように3つの折れ線グラフで表現しております。人口規模の小さい市町村の農業産出額が大きい。地方圏の市町村の農業産出額は三大都市圏に比して、平均的に大きいということが示されているかと思います。
 11ページでございます。人口1人当りの歳出額ということでございます。
 人口規模別に人口1人当りの歳出額を見てとったものでございますが、人口1万人未満が非常に大きくなっておりまして、そこから徐々に減少してまいりますが、人口30万人以上でまた増加。このあたりは中核市ということになりますし、都市的な需要が出ているといった状況が出ているのではないかと思います。
 12ページでございます。人口100人当りの市町村職員数ということでございます。
 先ほどの人口1人当りで見た歳出額とほぼ同様の傾向が示されているかと存じます。
 13ページでございます。人口規模別に見た財政力指数ということでございます。
 人口規模が大きくなるにつれまして、財政力指数が高まる傾向がございます。人口50万人以上はすべて0.6以上、人口1万人未満の4割強が0.2未満といった状況にございます。
 14ページでございます。人口規模別に見た専門職員の配置状況でございます。
 栄養士、保健師・助産師、土木技師、建築技師、農林水産技師、司書・学芸員で見てございます。職種によって若干の違いはございますけれども、全般的に人口規模が大きいほど専門職員の配置が充実しているという状況にございます。
 15ページでございます。人口規模別に見ました事務の共同処理の状況ということでございます。
 ここでは、青の消防事務、黄色のごみ処理の事務と2つの状況を示してございます。人口3万人未満の市町村におきましては、総じて共同処理の割合が大きいこと、人口の増加につれて共同処理を実施する割合は基本的には減少の傾向にある。そんなことが見てとれるかと思います。
 簡単でございますが、概略御説明を申し上げました。

○合併推進課長 合併推進課長でございます。資料2に基づきまして、改めて市町村合併の状況につきましてご説明を申し上げたいと存じます。
 1ページでございます。市町村合併による市町村数の変遷でございますが、我が国の市町村数は明治21年には7万を超えておったわけでございますが、明治の大合併で大体5分の1になり、昭和の大合併で大体3分の1になりまして、平成の大合併を経まして現在では1,773市町村にまで減少ということでございます。
 次に2ページでございます。旧合併特例法と合併新法につきましてまとめてございます。左側が平成11年に改正されました合併旧法ということでございまして、合併旧法の特徴は、下のほうにございますが、合併算定替、合併がなかったものと仮定いたしまして、毎年算定した普通交付税の合算額を保証する措置でございますが、この合併算定替の特例期間を10年に延ばす。加えまして、合併特例債による財政支援措置を講ずるというところが特徴であったわけですが、右のほうに行きまして、平成17年4月からの新法では、合併特例債を廃止し、合併算定替の期間を段階的に5年に短縮するということでございます。
 その一方で、新法では総務大臣が基本指針を定め、都道府県が市町村の合併の推進に関する構想を定めまして、市町村の組み合わせ等を示し、合併協議会の設置勧告であるとか、合併協議推進勧告ができるという形になっております。また「合併特例区等の設置」と書いてございますが、合併に際して、合併関係市町村の協議によりまして、合併特例区等を一定期間設置できるということになっております。
 これにつきましては3ページでございまして、地方自治法による一般制度である地域自治区の合併時の特例ということで、右側に記載してございますが、地域自治区につきましては、特別職である区長を置ける、また、市町村の協議で定める期間に限るということでございますが、市町村の区域の一部のみに置くことが可能ということになってございます。また、合併特例区、これは法人格がある特別地方公共団体でございまして、特別職である区長、また、5年以内で規約で定める期間ということでございますが、市町村の区域の一部のみに置くことが可能でございますし、区の予算の作成や公の施設の設置・管理を行うということでございます。
 右下の地域審議会につきましては、平成11年の改正で旧法時代に既に導入しておるものでございますが、旧市町村地域に係る事務について審議、意見具申を行う地域審議会を設置できるという形になってございます。
 次に4ページでございます。市町村合併の進展状況については、平成11年3月末3,232団体が1,459団体減少いたしまして、官報告示ベースということでございますが、平成22年2月1日で1,773団体になる予定でございます。日本地図に市町村数の減少率に応じて色分けをつけておりますが、進捗状況が地域ごとに大きな差異がございます。また、人口1万人未満の市町村も478存在するということでございまして、平成22年3月31日の合併新法の期限に向けまして、市町村合併の推進を図っている最中ということでございます。
 5ページは都道府県別の合併の進捗状況ということでございます。左側の表で都道府県別に減少率をずっと書いてございますが、一番低いのが大阪府、2番目が東京都、3番目が神奈川県の10.8%ということで、やはり大都市地域の市町村合併の進捗状況が低いという状況にございます。また、減少率の4番目が北海道でございまして、15.1%ということで、市町村合併の進捗状況が低いということでございます。
 右のほうで1万人未満の団体数を書いております。平成22年2月1日現在で478団体になる見込みでございますが、このうち北海道が114団体、長野県が42団体ということで、この両者で3分の1を占めるという状況でございます。
 次に6ページ以下は特徴的な都道府県の市町村合併の状況を地図に落としたものでございます。色がついている部分が合併をしたということでございます。北海道につきましては、市町村合併が進捗しておらない状況がよく見えるのではないかと思います。また小規模市町村につきましても、右のほうにございますが、市町村数180のうち、114の市町村、3分の2の市町村が人口1万人未満でございまして、北海道につきましては、まさに1万人未満の市町村が連なっているような状況になっているということでございます。
 次に7ページでございます。青森県につきましても合併の進捗割合としては平均より若干劣るという状況でございます。青森県の特徴といたしましては、津軽半島で飛び地合併が3カ所発生しているということであろうかと思います。
 次に8ページでございます。東京都でございますが、合併がございましたのは、西東京市のみということでございます。
 9ページ、長野県もどちらかといいますと、あまり市町村合併が進捗していない地域ということでございますが、小規模町村が市町村数80のうち42市町村、2分の1が小規模町村ということでございまして、小規模町村が点在しているといいますか、散在しているような状況になっているということでございます。
 10ページ、愛知県も大都市部ということであまり市町村合併が進捗していない地域でございますが、名古屋市を中心として合併が進んでいない地域とそれ以外の地域で合併への取り組みが分かれている状況でございます。
 よく市町村合併につきましては西高東低と言われますけれども、合併が市町村数の減少率でいきますと、一番進んでいる広島県と3番目の愛媛県の事例を地図に落としたものが11ページ、12ページでございます。
 13ページは、合併市町村と未合併市町村の対比ということでございまして、合併市町村数が574あるわけですが、平均人口が9万2,339人、平均面積が358.3km2という状況でございます。
 14ページは、これを三大都市圏(政令市含む)とその他の地域の比較ということで整理し直したものでございます。
 15ページでございます。平成11年時点における1万人未満団体の変化でございますが、平成11年の時点で1,537団体の1万人未満の団体があったわけですが、その7割1,105団体が合併をされまして、ただ、合併をしてもなお1万人未満のところが30団体あるということでございます。未合併の1万人未満の団体432と、合併したけれどもなお1万人未満の団体30。それから、ここには書いておりませんが、人口減少で新たに1万人未満となった団体が16団体ございまして、現在合計478団体が1万人未満団体ということでございます。
 16ページ、団体種別ごとの市町村の人口・面積の変化でございますが、町村のところで申し上げますと、平成11年時点では人口の23.2%、面積の7割が町村部であったわけですが、平成22年2月時点では人口では1割、面積では4割を占めるという状況でございます。
 17ページは人口段階別の市町村の人口・面積の変化でございますが、1万人未満のところで着目して申し上げますと、平成11年の3月時点では人口の7%、面積の約5割という状況だったわけですが、平成22年2月時点では、人口で2%、面積では4分の1程度という状況でございます。
 18ページは、平成11年3月時点の人口1万人未満市町村の財政状況の変化でございますが、合併して規模が大きくなりますので、財政力指数が向上し、19ページにございますように、人口1,000人当り一般職員数、人口1人当り人件費も未合併団体と比べて大きく下がっているという状況でございます。
 以上でございます。

○市町村課長 引き続きまして、資料3「基礎自治体のあり方について」、御説明申し上げます。
 1ページでございます。まず基礎自治体につきまして、27次地制調(地方制度調査会)の答申をいただいてございます。
 市町村は、基礎自治体として地域において包括的な役割を果たしていくことがこれまで以上に期待されているということ。
 今後の我が国における行政は、国と地方の役割分担に係る「補完性の原理」の考え方に基づき、「基礎自治体優先の原則」をこれまで以上に実現していくことが必要である旨の答申をいただいているところでございます。
 参考までに下に地方自治法の規定を抜粋してございます。
 第1条の2におきまして、地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとすると規定されてございまして、第2条の第3項でございますけれども、市町村につきまして、市町村は、基礎的な地方公共団体として、第5項において都道府県が処理するものとされているものを除き、一般的に、前項の事務を処理するものとする、ということになっておりまして、市町村につきましては、総合行政主体であると同時に、市町村優先の原則ということが自治法上にも定めが行われているということでございます。
 2ページでございます。基礎自治体の現状についてでございます。
 最初に27次地制調の答申を掲げてございます。「今後の基礎自治体は、住民に最も身近な総合的な行政主体として、これまで以上に自立性の高い行政主体となることが必要であり、これにふさわしい十分な権限と財政基盤を有し、高度化する行政事務に的確に対処できる専門的な職種を含む職員集団を有するものとする必要がある」とされてございます。
 このようなあるべき基礎自治体の姿は、今後も、妥当するのではないか。
 こういった目標にかんがみて、現状をどう考えるかということでございます。具体の視点を掲げております。

○ 平成の合併を経て、市町村数は、3,232から1,773となりましたが、市町村合併は十分進展したと考えられるのか。

○ 市町村合併の進捗状況には地域ごとに差異が見られることについてどう考えるか。

○ 合併市町村においては、行財政基盤が強化され、基礎自治体としての役割を果たすための安定した体制を整備できる条件が整ったと考えられるか。

○ 合併市町村についての周辺地域の寂れや行政と住民との距離拡大といった指摘についてどう考えるか。

○ 急速な少子高齢化、厳しい財政状況などの環境変化の中で、今後、住民サービスの提供やまちづくりを将来にわたって担っていくための市町村の体制の確保についてどう考えるか。
 といったことでございます。
 3ページでございます。基礎自治体のあり方についての検討について、検討の視点、検討課題、論点を掲げてございます。
 まず検討の視点、2つございます。
 ◎ 適切な住民サービスの提供の観点から、基礎自治体には、安定した行財政基盤が必要ではないかという視点。
 ◎ 今後の市町村合併のあり方については、合併の進捗状況や合併市町村の状況など合併の検証の上に検討を進める必要があるのではないか、ということでございます。
 検討課題でございます。
 「大きな自治」の観点から。市町村の壁を超えて自治を考えるという観点からまず考えてございます。
 1つは、基礎自治体の安定した行財政基盤の確保について。右のほうに論点を掲げてございます。

○ 今後、どのように基礎自治体の安定した行財政基盤の確保を図るべきか。
 その中で、今後の合併市町村のあり方でございます。

○ 合併新法期限(平成22年3月)後の市町村合併に対する基本姿勢・具体の方策はどうあるべきか。
 小規模市町村に対する方策のあり方でございます。

○ 合併を進めたとしても、なお残る小規模市町村における、適切な住民サービスの提供の方策をどのように確保していくべきか。
 広域連携のあり方でございます。単独で住民サービスを十分に提供することが難しい場合、その方策の一つとして広域連携があるわけでございますが、論点にございますとおり、

○ 現行の共同処理制度についてどのように評価し、対応していくべきかということでございます。
 もう一つは、「小さな自治」の観点から、市町村の中の地域自治を深めるという観点でございます。1つは、地域自治組織のあり方について。

○ 行財政基盤の確保に呼応して、住民自治の充実・強化が図られるよう、地域自治組織をどう考えていくべきか。
 もう一つは、地域コミュニティのあり方について。

○ 住民自治の基盤としてコミュニティ活動を推進するための取り組み方策をどう考えるべきか。
 以上、今後、基礎自治体のあり方についての検討をいただく場合の参考を述べさせていただきましたが、4ページのほうに、市町村のタイプ別に適切な住民サービスを提供する場合における課題がどんなことがあるのかということを検討した全体イメージを記させていただきました。
 左のほうに市町村の類型、その類型ごとに考えられる課題を右のほうに簡単に列記させていただいているものでございます。類型につきましては、分類の便宜上、まず合併市町村と未合併市町村に分別させていただきまして、その上で類型化を図ってございます。
 まず、合併市町村のうち、一定の人口規模となった市町村でございます。
 合併の結果、一定の人口規模となった市町村におきましては、現在、行財政基盤の整備が進められているところでございますが、基礎自治体として住民サービスの維持・向上や、広域的なまちづくりを展開するための体制が整ったと言えるのだろうか。また、その場合、地域の一体性の確保や、旧市町村単位での住民自治、コミュニティ活動が十分であるのか、こういったことが課題になっているかと存じます。
 次に、合併したが、なお小規模な市町村についてでございます。合併市町村とはいいましても、まだ人口が小さいものですから、住民サービスを維持・向上するための行財政基盤は十分であるのかということが課題になっているのではないかと存じます。
 それから、未合併市町村についてでございます。これにつきましても、まず一定の人口規模を有するものと小規模の市町村というふうに分別してございます。
 一定の人口規模を有する市町村につきましては、大都市部に所在する市町村と、大都市部以外に所在する指定都市などの地域の中心都市、そして、地域の中心都市の周辺にある市町村、3つにグループ分けして考えてございます。
 いずれにいたしましても、一定の人口規模を有するということでございますから、小規模市町村に比べれば財政的な問題は相対的には少なく、組織、体制や職員の配置、専門性も相対的に充実しており、一定の行財政基盤が形成されているということが多いのではないかと思います。ただ、地域のタイプごとの課題もあるかと思います。
 まず大都市部に所在する市町村でございます。総じていいますと、面積が小さく、市街地が他の市町村と連担しており、日常の生活圏と行政区域が一致していない地域があり、将来の高齢者の急増等を踏まえますと、行財政基盤の一層の強化、効率化、住民サービスの維持・向上が課題となるのではないかというふうに考えられます。
 次に大都市部以外の地域を考えますと、まず、指定都市、中核市、特例市など地域の中心的な都市についてでございます。
 ある程度の行財政基盤が形成されているところが多いかと思います。地域分権の受け皿としての期待が強いわけでございまして、地域内の中心都市としての役割の強化が課題となっているのではないかと存じます。
 3つ目に、そうした地域の中心都市の周辺の市町村ということでございます。中心都市のベッドタウン、あるいは衛星都市といった性格を持ったところが多いかと思います。こういったところにおきましても、将来の高齢者の急増等を踏まえますと、行財政基盤の一層の強化、住民サービスの維持・向上が課題になるものと考えられます。
 次に、未合併の小規模の市町村ということでございます。こうした小規模市町村のおかれている状況は、それぞれの地域ごとにまさにさまざまではあるかと存じますけれども、総じて行財政運営の厳しさが増加しているところが多いのではないかと思います。ここではタイプ別に3つに分類してございまして、小規模の市町村が点在しているようなエリア。地域の周辺部に小規模の市町村がかなりの広がりを持って連なっているようなエリア、さらに離島など地理的に他の地域と隔たりがあるエリアということでございます。
 最初の小規模市町村が点在しているというところでありますと、中長期的には合併についての検討ということも1つの選択肢になろうかと思いますが、現在においては合併を選択せず、あるいは選択できないということで現在こういった状況になっているということかと思います。
 2つ目の周辺部に小規模市町村が広がりを持って連なっているところですが、ここでは合併の効果を簡単には発現することが難しいということかと思いますし、3つ目の離島など地理的に他の地域と隔たりがあるということでございますと、合併ということ自体が非常に難しい事情もあるかと思います。それぞれの地域における事情には異なる面がございますけれども、いずれにいたしましても小規模の団体ということでございますので、住民サービスを維持・向上するための行財政基盤の充実ということが大きな課題であるというふうに考えてございます。
 以上、市町村の類型別に見た課題ということで整理させていただきました。御参考になれば幸いです。

○合併推進課長 資料の最後でございます。資料4「未合併要因(人口規模別)について」御説明をさせていただきます。前回の委員会で、小規模市町村の未合併要因につきまして御質問がございましたので、資料を再度つけさせていただいております。
 めくっていただきまして、小規模市町村ならではの未合併要因というのはなかなか出てないのですけれども、人口規模別で5,000人未満の町村では未合併要因といたしまして、離島や山間地等に位置することにより、隣接する団体の市区町村役場までの時間距離が遠いために、合併が困難であるという割合が最も大きくなっておりまして、やはり合併せずに単独で運営していこうと考えたという割合が最も小さくなっているというのが特徴かと存じます。
 以上でございます。

○林小委員長 ありがとうございました。これまで監視機能の強化ということで御議論をいただき、一定の方向性を見出すことができました。いよいよ基礎自治体のあり方に関してこれから議論をいただくわけでございますけれども、今、説明をいただきましたように、それぞれの自治体が抱える課題は非常に多様でございます。したがいまして、基礎自治体のあり方等といっても、これは本当にいろんな視点で議論が出てくるのだろうという気がいたします。
 例えば、合併の意味にしましても、先ほど御説明いただきましたように、大都市圏ではあまり合併が進んでいない。ただ合併の意義が大都市圏と地方圏でそれぞれ違っております。例えば大都市圏だと、先ほど御説明いただいたように連担をしていて、行政サービスのスケールオーバーが起っていたり、場合によっては効率の悪い行政になっているのではないか、そういうような問題もありますし、今後、分権が進んで、さらに基礎自治体の役割が大きくなるといったときに、現状ですら人口減少あるいは高齢化が進むことによって、行財政の持続可能性すら危ぶまれるような、そういう自治体も存在すると。こういう非常に根本的な問題から効率化を進めていくといったような問題までさまざまな課題を抱えているのが基礎自治体だと思います。
 ただ、今後、議論をしていく上で、ありとあらゆる面を議論してまとめていくということは非常に難しいだろうというように思っておりますので、しばらく御自由に議論いただきながら、少しずつ方向性を定め、そして広く、薄くやるのか、あるいは選択と集中である特定のテーマを絞り込んだ形で議論をしていくのかということについてはもう少し見定めてまいりたいと、このように思っております。
 今日は、そういう意味で御説明をいただきましたことに関して、あるいはそれ以外のことについて御質問あるいは御意見というものをいただきたいというぐあいに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。どなたからでも結構です。

○江藤委員 あまり言う気はなかったのですが、今、委員長から、チェック機能の充実についてということで、一定の方向が見えたという話をされたのですけれども、この間の第3回の総会のときに、いろいろ議論が出ました。制度改革をやらないで、現行のままでいいよという人もいましたけれども、議選の廃止を決めるのがおかしいんじゃないかとか、自由度を高めるのに反しているんじゃないか、など強く主張されていました。全部反対のわけではないんですけれども、かなり異論が出ていたという印象を受けているんですね。委員長自身も合併の議論をしてから、もう一度戻るという言い方をされていたと思うのですけれども、一定の方向が見えたという評価でいいのかどうなのか。専門小委員会では私も見えたと思うのですが、そういう意味では、スケジュールとか今後をどうするかも含めてお話しを伺えればと思います。

○林小委員長 総会はかなりいろんな意見が出ました。専門小委員会では一定の方向性ということでまとまったというぐあいに私は今理解をしておりますが、今後それを答申にまとめていくに当たって、少し検討しなければならないことがあるのかもしれない。ただ、専門小委員会で議論しても、ある程度固まっておりますから、議論は総会での議論なのかというような感じもしますし、ちょっとそのあたりは今後残された時間内にどのようにしていくのか。それとの兼ね合いでいきますと、スケジュール的にもやはり答申案を取りまとめるというような期間が必要でございますので、それとの間にこの議論をどの程度まで進めるかというような、そういう時間的な問題もありますので、ちょっとそのあたりは少し回数の問題だとかということも含めて、今後、検討していかなければならない。そのあたり、あらあらのスケジュールで結構ですので、ちょっとどういう形になるかというのを少し御説明をいただけましたら、今後の議論の上で非常に有用ではないかと思いますので、ちょっとお願いいたします。

○行政課長 ありがとうございます。事務局でございますけれども、先般、総会を開きましたのが、最初に1回、2回総会をしていただきまして、途中である程度まとまったところで総会の御報告もいただきたいというお話も当初ございましたので、ある程度の区切りのいい監査・議会の機能の小委員会としての方向性をある程度議論していただいたところで御報告いただいたということでございます。
 したがいまして、今後は地方自治体のあり方について、小委員会のほうで議論をいただきまして、任期が4月の初めということでございますので、最終的には来年のその前の段階、春以降に詳細なスケージュールはまだ基礎自治体の検討の状況次第でございますが、春以降に答申に向けた御議論をしていただくことになると思いますので、その段階で監視機能の話ももちろんでございますが、基礎自治体の話も含めまして、最終的に答申に向けた議論をさらに詰めていただくと、そういうことになってまいるかと思います。
 当面、まずこの基礎自治体の話については、小委員会のほうの御議論をまだ詰めていただいておりませんので、その議論を春に向かって詰めていただいたらいかがかとというふうに事務局のほうで思っているところでございます。

○小林小委員長 江藤委員よろしいですか。監視機能について、小委員会でさらに議論するということは、総会で出た意見をどの程度盛り込むかという議論になって、むしろ少し後退するような議論になる可能性もありますので、そのあたりはちょっと皆さんの御意見を伺いながら進めていきたいと思っておりますので、また4月、5月ぐらいからでしょうか、少しそのあたりのお諮りをしたいというぐあいに思います。よろしいでしょうか。ほかいかがでしょうか。
 自治体それ自体の財政どころか、その根本的な問題が持続できるのかどうか、人口がいなくなるというような問題もありますし、その辺も行財政システムとしてはどうすればいいのかというようなこともあるかもしれませんし、今日は御自由に御発言いただければと思いますが、どうぞ。

○金子委員 合併とかそういう話の前に、そもそも基礎自治体がやる仕事というのは、法律に基づいて自治事務であろうと法定受託事務であろうと、法律に基づいて新たなお仕事ができてくるわけですよね。それで現行の制度でも、国の省のほうで新しい行政需要に対応していろいろ新しい法律ができて、その中で基礎自治体のお仕事も増えていくというようなこともちょっとあるわけなんですけれども、その際に今現行の地方自治法の263条の3の第5項ですか、これで地方公共団体に新たに事務や負担を義務づけるときには、事前に地方公共団体の連合組織に意見を申し述べる機会を与えよという規定があるのですけれども、これでどういうふうに運用されているのかという話を、この前、2週間前ですか、ちょっと事務局のほうにお聞きしたのですが、いろいろあるというようなお話だったので、その後、私のほうから、僣越ながら知事会のほうにどういう状況なのか、お話をちょっと伺いましたら、とにかく各省の提出法案、国会の提出法案に占める事前情報提供された法案の割合がそもそも非常に少ないと。省によっては全く事前情報提供を行ってないようなところもあるというようなことでお話をお伺いいたしました。
 意見を伺ってないといったところもあれば、意見を伺うにしても、非常に直近というんですか、2週間後に閣議決定なのでというような形で非常に直近に情報提供をしてもらっても、やはり知事会としても47都道府県メンバーでやっておられるので、そんな短期間で意見がまとめられるわけもなしということで、情報提供があったものについても非常に短い期間でやらなければいけないみたいな、事実上意見を出すなというのと同じような形になっているということで、今後、地方分権を進めていく基礎自治体の自由度を上げていくというような、都道府県・市町村含めた地方公共団体の自由度を上げていくというような観点からは、そういう国法によって義務の増やすというようなときに、この手続をかなりうまくというんですか、法の趣旨に基づいてやっていただかないとなかなか、地方分権といったってかけ声倒れ。
 この前、地方分権改革推進委員会のほうから、第2次勧告が出て、既存の法律の義務づけ、枠づけを廃止するというような内容になっておりましたけれども、私申し上げたように、これは新しいそういうことをやっていたって、新たにどんどん、あまり地方公共団体のあずかり知らないところで、どんどん新しく法律ができて、新しいお仕事がむやみやたらに増えていくということになると、これは地方分権の趣旨にそぐわないというようなことになってきかねないので、この条項の運用をどうやっていくべきか。運用でうまくいかなければ、うまくいくような形で、例えば法律を改正するというようなことも併せて議論していくべきではないかとちょっと思います。

○林小委員長 ありがとうございます。非常に重要な論点だというぐあいに思います。分権の話ですので、そのあたりは分権改革推進委員会のほうで、これに関して何か言うということではないかという気もいたしますし、地制調としてそれに対してどう考えるか、あるいはどう対応するかということについてまたちょっと考えたいと思います。

○金子委員 私が申し上げているのは、地方自治法の特定の条項について、うまくいってないようなので、これの改正も含めてということなので、地制調の議題ということではなじむのではないかと思ったわけなんですけれども。

○林小委員長 それはそうだと思います。ただ、今次の地方制度調査会でそれを議論するかどうかということについてはまた考えます。ほか、いかがでしょうか。小田切委員。

○小田切委員 先ほど御説明いただきました資料3の4ページの市町村類型ごとの課題の全体イメージ、これは恐らく今後きめ細かく議論するときに大変役立つ方向性を示していただいたのだろうと思っています。その点で重要な、今後もシートとなるのかというふうに思いますので、意見1つと質問1つさせていただきたいと思いますが、4ページの一番上にあります合併市町村で一定の人口規模となった市町村、これは前回、私申し上げておりますように、合併パターンを意識したさらなる類型化が必要だろうと思います。つまりここの部分は、都市と都市が合併したパターンと、都市と農山村が合併したパターンに分けることによってより課題が浮き彫りになる。当然都市と農山村で合併したパターンの場合には、先ほども問題提起していただいた周辺部の問題が出てくるわけでございまして、この整理ではそこの部分が隠れてしまう、そういうことになるのだろうと思います。その点で、いずれにしてもこれをより充実するような方向性をお考えいただきたいと思います。
 次は質問なのですが、同じシートの中で、未合併市町村、小規模市町村のところでございますが、小規模市町村が点在している場合と、周辺に小規模市町村が連なっている場合、こういう2つに分かれております。先ほど丸山課長さんの御説明も少しここの部分がわかりづらかったのですが、私はこういうふうに分けることは広域連合の可能性を検討する上で大変重要なものだろうというふうに思いますし、長野県の実態などを見ると、こうした分け方は意味があると思うのですが、果たしてこういうふうに分けていただいた真意はどこにあるのか。これも追加的に説明していただければありがたいと思います。

○林小委員長 よろしくお願いいたします。

○市町村課長 これまでの議論の中で、制度論を議論する場合には、単に一般的な制度論だけではなくて、多様な市町村の立場に立ってどんな課題があるのか。どんな制度をどのように運営できるのか、そんな視点も重要であると御指摘をいただいていたことから対応してつくったものでございます。その意味で、さらなるパターン分けの検討についても委員の御指摘のとおりかと存じます。
 次に、先ほどの小規模市町村が点在している。それから周辺部に小規模市町村が連なっていると、この2つのイメージでございます。もちろん地域においてはいろんな多様性があるものですから、はっきりと2つに分別してということではないのかもわかりませんが、一定の都市があり、その関連で周辺に小規模市町村が点々とあるものというものが1つのエリアのイメージでございまして、こういったものについては、お隣の都市との連携、あるいは合併といったものが比較的考えられやすい。そういった地理的条件にあるのではないか。
 それと比較いたしますと、圏域の周辺部に小規模市町村がある程度の面積を持って連なっているようなところ、北海道においてもそういった地域があると思いますし、県によっては一定程度そういうまとまりのエリアがあるかと思いますが、こういったところでは、隣接する都市と直接の連携ということが比較的難しい状況があり、また隣接している小規模市町村同士の合併ということを考えてもすぐには合併効果がもたらされにくい部分がある。こういった問題として、独自の地域の課題を考える必要があるのではないか。そういった問題意識で整理をさせていただいたものでございます。

○西尾委員 第29次地方制度調査会が発足して総括的な議論を始めたときに、既に私は自分の見解を述べてしまったのではないかと思っているのですけれども、改めて合併を含む基礎自治体のあり方ということに本格的に専門小委員会が調査・審議を始めるということですから、この合併の問題について、私の基本的な意見を述べておきたいと思うわけです。
 今回の平成の市町村合併は既に10年近く合併促進運動を続けるということになってきているわけでありまして、明治の合併のときはほんの2〜3年の間に大統合をやり遂げてしまったわけです。そして昭和のときは、8年ぐらい全体では時間をかけていますが、8年ぐらいやったところで終わりにしているんですね。既に平成の今回の合併はその期間も超えて長く合併促進運動を続けてきているわけです。私はもうこれが限界だというふうに思っていまして、現在の合併特例法が期限切れになる平成22年3月をもって一応今回の合併促進運動は終わりにすべきではないかというのが私個人の強い意見です。
 第1期をやりましたときに大雑把な言い方として、西高東低の状況になっている。もっと厳密に言えば、47都道府県間に物すごいばらつきがあって、合併が進捗した県とそうではない県があると。このまま促進運動を終わりにしてしまって全国的に大きなばらつきがある状態のまま今後の地方制度を考えるということには大きな支障が生じてくるのではないかということで、さらに合併特例法を改正し延長いたしまして、いわば第2期の合併促進運動を始めたわけです。そのとき、前期で十分に進まなかった北海道、東北各県、長野県等々、前期の段階であまり進まなかったところに、特に今度この後、5年間の間にやってほしいと、もう一度真剣に考えてほしいということを要請してきているわけですね。これも3年以上経過しているわけです。
 そしてその後の進みぐあいを見るとあまり進まないのですね。このまま、22年3月まで総務省としては努力を続けるのでしょうけれども、そんなに数が増えるとは私にはとても思えません。1,700台でとまってしまうのではないかと思います。1,700台を切ること自身困難なのではないかと思っています。
 政府としては、今回、市町村数を総数いくつにされるなどという目標は立てられない、立てるべきではないかというふうに一貫して国会でもお答えになってきたわけですけれども、各政党は目標値を選挙綱領などの中に書き込んだわけで、自由民主党にしても公明党にして現在の民主党にしても、おおむね1,000を目指すべきだと言ってこられたわけです。ですからその後の歴代政権は連立与党の立場としては、おおむね1,000を目指せという政権のもとでこの促進運動が続けられてきたということだと思います。そういう意味で、国会を構成しておられる各政党が期待していた数字から見れば、はるかにこれに届かないわけで、十分な進展を示していたとか、十分な成果を上げたとは到底言えないということが明らかなことなんですね。
 しかし私は初めから今回の平成の市町村合併で、おおむね市町村総数を1,000にせよなんていうのはとてもじゃないけれども、達成不可能な目標ではないかと思っておりました。そしておおむね1,000というのに何の合理的な根拠もないと思っていました。私としては3,200有余あった市町村数が2,000を切るというところまでいったら上出来ではないかというふうに個人的には思っていましたので、私個人の感覚からいえば、1,700台まで統合されてきた。おおむね2分の1にまで統合されてきたというのは十分な進展を見せたということではないかと思います。問題は少し地域的にばらつきがあり過ぎることなのですけれども、総数としてはそう言えるのではないかと思っています。
 これから何らかの方法で、まだ進まなかった道県に対して、さらに努力をせよと、道県に対しても市町村に対しても、そういう要請をし続けていったとしても、私はそう進まないのではないかと思います。そうなっていくと、極端に言えば非常に財政的に締めつけるというような強権的な手段をとるか、もっとすっきりと法律で合併を決めてしまうというような強制合併の手段でもしない限り、これ以上、合併がそういう県で進展するということは期待できないのではないかと思います。私はそういう交付税措置で、そういう市町村を痛めつけると、そして合併に追い込むとか、法律で強制合併をしてしまうということは、それこそ自治の大原則に反することで絶対にやってはならないことではないか。市町村合併はあくまでも自主合併でやるべきで、関係市町村が協議をし、協議が整ったときに行うべきことでありまして、その原則は守り続けなければならないのだとすると、これ以上やっても、そう成果は上がらないのではないかと思っています。
 何らかの知恵をお出しになって、もう少しやってみようということをなさったとしても、北海道を始めとして、例えば福島県とか長野県とか、西のほうでも高知県はなかなか進みませんし、宮崎県もあまり進んではいないのですけれども、そういうところに対して、さらに努力をせよといってやったとしても、1万以下の市町村が今四百八十いくつという話がありましたが、そのうちのいくつが合併ができるのでしょう。多分各党が言う1,000などという数字に到底達しませんね、それだけやったとしても、北海道でもやり、福島でもやり、長野でもやりということをやったとしても、1,000などという水準は絶対に到達できない水準です。
 にもかかわらず、民主党などは、あそこは道州制を掲げてないわけですから、基礎的自治体は市町村は700から800を目指すとおっしゃるということは、市町村合併をやれと言っていらっしゃるということだと理解しなければならないわけですけれども、1,000どころではなくて、目標を700から800にまで上げようということを言ってきておられるわけですね。これをどこまで本気なのか疑うのですが、本当にそういう政権が誕生して市町村合併をさらにやれということだとしますと、私は今まで問題にしてきたような、あまりこれまで進まなかった都道府県の小規模町村をできるだけ数を減らすための合併ということでは到底間に合わない話になるのだと思います。700、800なんていう目標を立てられたならば、今回全く動いてない東京の周辺、名古屋の周辺、大阪の周辺、三大都市圏の要するにサラリーマンのベッドタウンになっているような市ですね。ほとんど平成の市町村合併どこ吹く風ということで何にも考えないで動かなかったという相当数の市があるわけでありまして、ここに合併をしろということを言わない限り、そういう目標は到底達成できない話だと思います。
 類型別の中にも出てきましたけれども、そういう都市、大都市、三大都市圏周辺のこの市をどう考えるのかという話が出てきていますが、私の住んでいる武蔵野市でも十数万の人口がちゃんとあるんですね。隣の三鷹もあるのですね。しかし、そういう話は多分武蔵野、三鷹などが合併しなさいという話なのだろうと思いますけれども、今まで進めてきた合併の考え方とは全く違う考え方に立たなければならないわけですね。できるだけ市町村の平均的な行財政能力を高めるために、小規模な町村を極力減らしていこうというので一生懸命努力してきたというんですけれども、十分に中規模の能力を持っている都市をさらに合併しろというのは別の論理に立たない限り出てこない話です。何のための合併をさせるのですかということについて、全く新しい理念がない限り言い出せないことではないかというふうに思います。
 私は結論として、総務省がそこに踏み切られることは政治の状況からいって大変なのかもしれませんけれども、地方制度調査会としては、平成22年3月をもって一応終わりにすべきだと、今回の促進運動は。私個人は未来、再びこういう大合併はもうやるべきではないと思っているんですけど、明治、昭和、平成で終わりにしてもらいたいと思っているのですが、仮にまた将来、合併を考えるべきだという政治の動きが出るとしても、それはしばらくずっと時間を置いてからにすべきではないかと思います。
 私は全国を回って話を聞いているときに、市町村関係者がいつまでもまだ合併を考えなければいけないのかということで、新しい分権改革の成果を活用して新しい自治をやろうなんていうほうにエネルギー、関心がとっても向かないんですね。みんなこの合併問題をどうしようかということに依然として引っ張られている。こういう不安定状態をこれ以上続けることは決していいことはないと思います。
 なお、合併特例法を全面的に廃止してしまいなさいという意味で言っているわけではありません。従来もうこういう合併促進運動を始める前も市町村合併特例法というのはちゃんとつくられていまして、特に国がたいこをたたいて合併促進をしないときでも、合併協議が起こるという事態はあるわけで、そのときに合併がしにくいような最低限の条件は除去したような合併はそういうときには進みやすいような措置を定めておく市町村合併特例法は継続すべきだと思っていますけれども、国が積極的に何らかの目標を立てて、合併をしなさいという勧奨運動はもう終わりにすべきではないかというのが私の意見です。
 以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。基礎自治体のあり方を考えていく上で、今後、合併に進むのか、広域連携なのか、あるいは単独なのかということは、これはいろんな選択肢があって、地制調として、今後、合併を進めていくという積極的に合併を推進するのだというようなことで議論をすると、私は実は思っておりませんで、むしろ基礎自治体が抱える課題をどのようにして解消していくのかということではないかという気がするんですね。
 今日の資料3のところで、4ページに、先ほどの類型をしていただいている部分で、合併市町村と未合併市町村というように分類があります。ただ、合併市町村と未合併の違いというのは、要するに合併をしたことによってさまざまなデメリットが生まれている可能性がある。これはかつてこの会議でもデメリットをどうするかということが非常に重要だということが出てまいりました。
 したがって、合併市町村に関して、合併によって出てきた後遺症をどのようにして解消していくのかという問題は、これは固有の問題としてあると思うんですね。ただ、一定の人口規模となったとか、なお小規模な市町村というのは、これは未合併であろうが、合併であろうが、同じことで、共通の問題を抱えますので、したがって、基礎自治体として、今後どのような体制を維持していけばいいのか。あるいはさらに必要なものは何だろうかということを議論するということと、合併によって出てきた問題点といいますしょうか、それをどのようにして解消していくのかという2点あるのではないかという気がするのですね。
 先ほど西尾委員もおっしゃったように、大都市の場合、合併を1つ考えたとしても、合併の目的が、先ほど私も少し申し上げましたように、連担をしているとか、規模が小さいから大きくなろうということではなくて、むしろ効率的な行財政運営ができるようにしてはどうだろうかという意味での連携を図っていかなければいけないという話と、それから、地方では、今のままで果たして分権を受けとめることができるのかといったような、目的も恐らく違うのだろうという気がしますから、そのあたり小規模自治体をとらえて基礎自治体のあり方を考えるのか、あるいは大都市圏の基礎自治体のあり方を考えるのかによってまた全く目的も違ってくるだろうと思いますし、それによって議論の仕方も違ってくる。ですから非常に幅広く議論をしていかなければならないということなので、ただ、合併を今後、さらに促進していくかどうかということは、私は個人的にはあまり考えていないと申し上げたいのですけれども、これもまた合併をさらにということなんでしょうか、あるいは合併したくてもできなかったところはどうするかという議論はひょっとするとあるかもしれませんですね。
 その辺のところは、合併ということに焦点を当ててやるのか、あるいはそうではなくて、むしろ基礎自治体のあり方を考える中で、これは合併ということになるのか、あるいは広域連携になるのか、単独でいくのかということを議論していく。私は後者ではないかというぐあいに思っておりますが、いかがでしょうか。

○西尾委員 私は平成22年3月で一応促進運動を終わりにしたらば、1,700前後の市町村はあると。市区町村というべきでしょうか、市区町村があると。そして、それは実は人口が350万を超えている横浜市から200人未満の村まであるのだと、この実態ですね。これを正確にみんな国民が意識しなければいけない。これが基礎自治体と言われるものですと。この基礎自治体、非常に多様性を持っている自治体、規模も違えば、多様性を持っている基礎自治体を全く同じに扱っていくということはできない相談ではないかと。だからこそ市の中に政令市が生まれたり中核市が生まれたり、特例市が生まれたりしまして、一般市と区分けされていて、それとは別に町村というのがまたあると、こういう段階をとっているわけですけれども、こういう多様な市町村で1,700前後の市町村があるということを、これからの国づくりの前提にして、よく考えていくのだとすれば、考えなければいけないことがたくさんあるのだと思います。
 しばしば話題になってきている市町村間の広域連携の仕組みが、今まで用意していたもので十分なのか。これまで用意していたものもほとんど機能しないものが多いわけで、果たしてどうして機能しないのだろうか、もっと新しい柔軟な方法はないのだろうかということから始めて、どうやってお互いに水平的な広域連携を進めていくのかということに知恵を出さなければいけないという問題もあります。
 さらには広域連携の恩恵さえ受けられないような離島で孤立しているという村まであるわけですね。そういう小さな村というのはどういうふうに処遇していくことが一番妥当なのかということまで含めて、じっくりとそれこそいろいろなアイディアを出して皆さんが真剣に議論すべきだと思うんです。ただ、それをそういう議論にみんながなっていくためには、合併はもう終わりよということにしないとそういう議論にならないんですね。合併は依然としてまだ続けざるを得ないという話になったときに、広域連携だ、小規模町村問題をどう考えるなどといっても、それを制度化しようとしてもできません。国会も乗りません。そんな余計なことを考えていたら、合併促進のじゃまになる。それが並列的な方策であるかのごとく出てくるからいけないのだと。合併が最優先で合併を進めなければいけないのだというときに、いくら新しいことについて知恵を出しても実現しません。私はそういうことが大事だと思うのなら、合併は一遍やめるという決断をしなければいけないのではないかと言っているんです。

○林小委員長 ありがとうございます。いかがでしょうか。

○名和田委員 委員長のマイクで恐縮です。今の委員長、西尾先生のご議論を踏まえて、私なりの意見を簡単に申したいと思います。西尾先生が、今次の調査会の最初に合併合併で今市町村は腰が定まらないとおっしゃった、非常によく覚えております。感銘を受けた次第であります。
 私は基礎自治体のあり方ということで考えると、以前に財団法人日本都市センターというところで、基礎自治体概念についての国際比較研究というのをやったことがありまして、この研究自体が全体としてうまくいったかどうかわからないのですけれども、私自身そこで勉強して、日本の少なくとも第27次地方制度調査会で提起されて基礎自治体という概念を見ると、総合行政主体であるという実際の能力、総合行政を行うに足る体制を持っている、能力を持っているということに着眼をして、基礎的な自治体と言って、基礎という言葉がついている。
 これに対して基礎自治体という言葉自体は、ほかの国にあまり見出されないように思われます。例えば文脈はややそれてしまいますけれども、フィリピンにバランガイという組織があること皆さん御存じだと思いますけれども、これは市町村の下の日本でいう地域自治組織のようなものですけれども、法定されておりまして、フィリピンの地方自治法の規定ではBasic Political Unitというふうに規定されていて、だからその解釈では「基礎」いう字がつくわけですね。しかし、これは恐らく日本でいう基礎自治体ではないので、その上の市町村が基礎自治体というべきであろうというふうに思います。
 その他、ヨーロッパでは基礎的というふうに言っているかどうか、私はよくわからないのですけれども、少なくともドイツについて基礎的自治体という言い方はあまりないのではないかと思います。ただ、強いて言うと、市町村、デマインデが基礎自治体に当たるのであろうかと。そう考えると、特にドイツなどでは地域的な共同体の事柄すべてを自己の責任で規律する権利を持つというふうに基本法に規定されていて、そうすると、ドイツの基礎自治体というのは能力ではなくて権利に即して考えられている。権利はあるけれども、もし能力がなくてできないのであれば、上に委託しなさいと、郡とか連携制度がありますので連合自治体というようなものに委託をするという形になっている。
 どちらがいいかということをここで申し上げてもしようがないので、日本では基礎自治体という概念は総合行政主体としてきちんとやっていけるだけの能力を持つことが今要請されているという制度的な前提のもとで考えるということになるかと思います。そうすると、それを遂行する上で何が必要であるかということで、現在のところ、私が聞いている範囲では市町村で、特に事務的にややこしい事柄というのは、福祉とか保健分野であるようです。ただ、なぜそうなのかというと、多分制度の改編が急であり、かつ頻繁であるということで、次から次に文章見てきちんとしたマニュアルでやらなければならないということが大きな負担になっている。あるいは状況が厳しいものですから、市民からの要求が厳しい特別の相談も厳しいといったようなことがあるのかなと思います。
 そういう特殊なといいますか、特殊要因を一応除いて考えると、私は日本の基礎自治体という概念が能力に即して考えられているということからすると、今日の資料にありました専門職ですね。専門的な職員をきちんとある程度雇えて、必置規制云々とは違う話であるということは御了解いただけると思うんですけれども、必置規制は別にしてきちんとした能力のある多様な人材を抱えて、総合行政主体としてやっていけるということが必要なのであろうと。今後の基礎自治体の基本的なあり方はそういうふうに一応押さえられるのではない。
 そうすると今までは、そうならねばならないから、合併しなさいということで、それこそ合併促進運動を長年にわたって国を挙げて進めたという状況なのですけれども、現状に立って総合行政主体たるに足る能力を身につけるための方策として、かなり合併というのが限界に来ているというのが、この調査会の発足当初に西尾先生がおっしゃった認識で、私もそうではないかというふうに感じた次第であります。
 そうすると、今、委員長からも御議論がありましたように、連携制度についてもう一度考えていく。確かに今の連携制度は不満であるとか、使いにくいとかといった声があると思うんですね。他方で総務省は定住自立圏という試みをされておりまして、これは特に制度化されているというわけではなくて、協定でやっているわけですね。この定住自立圏の事業を十分に検証して、どういった連携制度ならば乗っているのかという、こういったような検討を踏まえて、多様な選択肢を示して、能力が十分でない市町村については、周辺の市町村、あるいは県と連携することによって、先ほど申しました総合行政主体として立っていくという、そういう方向性が必要なのではないかなと私も考える次第でございます。
 私の専門から言うと、コミュニティとか市町村の中の編成のほうが興味のあるところですけれども、とりあえず今御議論がありましたので、基礎自治体というレベルの問題について発言をさせていただいた次第です。以上です。

○林小委員長 ちょっと私のほうから名和田さんに、能力に応じてという場合の能力というのは、一方で何か果たすべき役割というのがあって、それにふさわしい能力かあるかどうかという問題なんですよね。そうすると、350万の自治体から二百数十人の自治体まであるときに、果たすべき役割というのを、もちろん特例はありますけれども、画一的に考えて、それに合った能力をつけるという話なのか、あるいはもう少し多様なのだから、基礎自治体というのは、これは便宜上私はつけていると思いますが、多様なものに合わせて役割も変えて、それにふさわしい能力があるかどうかという話でいくのか、そこは物すごく根幹にかかわる問題ではないかと思うんですね。
 だから27次のときに、西尾先生が西尾新案というのを出されて、これは一律に義務づけをしているから、それにふさわしい能力ということになると、それに合った合併も必要かもしれないし、だけど、そこがもう少し多様になっていけば、今のままで能力を十分に発揮できて、それもこなし得るというようなこともあり得るわけですね。そのあたり、能力という場合に、何を果たす能力なのかというところとセットで考えないと、今の権限なり権利なり、あるいは今やっている仕事を果たす上での能力なのかというような話まで踏み込んでいくことも必要なのではないかというと思うんですね。ですから根本的にそういうところまで入り込んでいかなければいけないということなのですけれども、そこまで入り込んだ議論をこの29次にやるのかどうかという問題があるわけです。
 私は、先ほど西尾先生がおっしゃったように、多様であるということをもっと踏まえたものにしていかなければいけないのではないかというように思うんですね。ですからそういう政令、中核、特例、一般都市、町村というような5つの分類で果たしていいのかどうかという問題とか、こういう問題も根本的にあるわけですね。さはさりながら、29次としては、もう少し近い話をしていかなければいけないという部分もあるので、そのあたりもどのように考えていけばいいのかということも含めてお話しをいただければ、今後の進め方も少し方向性が見えてくるのではないかという気がいたしますので、いかがでしょうか。

○政所委員 私は地域の産業の観点から、今までの議論についてちょっとお話ししたいと思います。明治期に7万あったということは、それが1,700になってきたということでの産業という観点から考えますと、7万の生活スタイルがあったということは、そこに7万の産業のスタイルもあったわけで、これも近代工業化といいますか、戦後の非常に急速な高度成長の中ではあまり評価されないで、過少評価されてきたわけですけど、今非常にお大きく変わったというのが貨幣とか、貨幣経済から価値経済に移っている中で、直近の例で言うと、山古志村が大被害を受けたときに、皆さん大被害と同時にびっくりされたのが世界に通じる産業がそこにあったということも同時にびっくりされたと思うんですね。
 今、世界の動きの中で全部大きな力と大きな動きではないですけど、極めて注目されているのがこういった原種、地域に根ざした農業でいえば、種とか、産業で言うと特許取るべきの非常に小規模だけれども、極めて高いレベルのものと、こういうことが実は次の時代に評価されるべきであって、合併のよしあしということについて、私もいい悪いということは限定的には申し上げられないのですが、産業に関して言えば、極めて重要な状況に今来ていると思うんです。ですからいざとなったときに国益を考えていくときには小さな自治体の中にある産業を維持していったり、それを担う人を地域外からももっと呼び寄せるためにどうしたらいいかということに関しては極めていくつかの手があると思うんですね。
 例えば資料でいいますと、資料1の専門職員の話が出たのですが、こういう中で、先ほどの山古志村などに関して言えば、極めて高いレベルの原種の農業の普及委員も必要ですし、例えば産業的に言えば特許に関することとか、そうなると弁理士も弁護士も地方には圧倒的に足りなくなってきて、例えばそういう人たちを配置できなくても、小規模自治体、基礎自治体が自律的にという方向のときにどういうことが必要なのかという小規模の自治体に向けての話もきちんと踏まえなければいけませんし、あと、先ほど何回か出てきた横浜市の話なんですけど、300万のところが、実は水源地は山梨の道志村と非常に頼っていたり、そうすると広域連携というのは、こういう合併とか、合併ではないですが、連携というのも出てくるのかなというところ、基礎自治体の道志村からすれば、道志も合併のあれがありますけど、こういうことも今後は議論の中で、単純に数でいくのか、人口規模でいくのかという前に、西尾先生からも出ましたように、ある一定の安定的に1,700というベースである程度考えていく上での広域の話と、今、委員長がおっしゃったように、多様であるというのが大きな国家的な資源であるという認識を、やはり今までの議論とちょっとここで今変わってきているということは前提としておきたいなと、ちょっとそんなふうなことを思いました。

○林小委員長 ありがとうございました。西尾委員。

○西尾委員 ますます大きな議論になってしまうのですけれど、日本は明治の大合併、昭和の大合併、平成の大合併と三度にわたって大規模な全国的な町村合併促進運動をやったわけですけれども、これに類似の町村合併を繰り返しいるという国は北欧諸国とか、イギリスが1974年代後半に大統合をやりまして、市町村数を大幅に減らしました。それから、ドイツも合併を進めていますが、私から見ると日本の昭和の合併に当たるものを今ドイツはやっているんだなという感じがいたしますが、ともかくかなりの合併をやっている国々はそういう国々ですね。フランスやイタリーは進まない。コミューンというものが物すごい力を持っていまして、合併はほとんど考えようがない。中央政府はやりたいと思っても、何度も挫折する、進まないということで、そのまま日本で言えば、明治のときの7万数千に当たるような町村集落が、そのままに今コミューンで残っているという国がフランスやイタリーだと思うんです。アメリカ合衆国はその中間的な存在だと思いますけれども、こういう合併を何度も繰り返している国というのはどういう国かというと、基礎自治体と呼ぶかどうかは別にして、基礎的な自治体である市町村にかなりの範囲の行政事務を担わせている国なんですね。あるいは担わせようとしている国なんですね。大きな市町村主義をとっている国なんですね。フランスやイタリーは町村にそんな大きな仕事を期待していません。だから別に統合させる必要もないわけです。大事なことはほとんど県まででやってしまっているわけですね。まさに自治を市町村がやっているわけで、そこをあえて統合しなくても、国として何の支障もないというやり方をしているわけです。
 日本はたくさんの仕事を市町村に担ってもらおうと思うから、担える能力のある市町村に組み替えようといって、戸籍も担える。義務教育の小学校を担える市町村にするために明治の合併をやっているわけですね。戦後のときは直接は新制中学校を効率的に運営できるようにするためにというので、また昭和の大合併をやったと。国から新しい事務をどんどん市町村に押しつけるんですよ。押しつけるのには十分でないという町村があると、合併しろと、これを繰り返してきたわけです。
 ですからここで一番大事なことは、基礎自治体は地域総合行政の主体であって、できる限り地域の事務を包括的に扱うべきなのだというのが伝統的な考えでずっと今日まで来ていますけれども、この考えに立って、この仕事も国や県がするよりも、市町村がやったほうがいいのではないのと言っておろすという発想をすると、市町村優先の考えで次々おろしていくということをやったら、また合併を繰り返されなければならない、こういうサイクルをやっているんですね、日本は。少し何でもかんでも市町村におろすということ自身を考え直すべきなのではないかと。そうしないと合併の繰り返しが今後も起こるということだと思います。これが言いたいことの1つです。そこはだから根本的な物の考え方を少しこの辺で変更しなければならないのではないかと私は思っているということです。
 それから、何度将来また第4次の何という元号になっているのか知りませんが、何とかの市町村合併というのが、10年後か、15年後かにまた始められるということがあったとしても、明治、昭和、平成、そしてまたとやっても、絶対に合併できない小規模町村がいつも残り続けたわけです。明治のときも目標にした300戸から500戸という標準を立ててやりましたが、7万数千を1万5,000ぐらいにしたときに、300戸以下の村は解消できたかといったら解消できませんでした。たくさん残ってしまったわけです。でもやめざるを得なかった。昭和のときは8,000人以上という規模で目標を立ててやりました。それでは終えたときに全町村が8,000人以上になったのでしょうか、なっていません、8,000人未満のものがたくさんあったにもかかわらず、もうやめざるを得ないねとやめたんですよね。
 今回はそういう目標は何ら立てていないわけです。むしろ総数のほうに政党が目標を立てていると。結果としての市町村数に目標を立てているという形なんですけれども、何度繰り返しても離島の島はいつまでたっても一島一村の島です。これは合併しようがないんですね、何度繰り返そうと。そうするとほかの市町村は合併を繰り返すたびに平均的な規模が大きくなっていく。小規模な町村は何度やろうと残り続ける。こういう二極分解を絶対起こしますよと。ますます激しい二極分解を町村の世界に起こしますよということ、これは避けられないのだということをみんな考えなければいけないのではないかと思います。

○林小委員長 ありがとうございます。まだ御発言いただいてない方、どうぞ。今日は大きな話から小さい話まで自由に御発言いただければと思いますので、いかがでしょうか。

○篠崎委員 随分長いこと御無沙汰しておりましたので、ちょっと議論についていけてないところもあるのですが、基礎自治体のあり方というふうに申し上げたときに、今はかなり小規模なところの合併の問題が焦点になっているようなんですけれど、私は過大な350万の横浜の話もありましたけれど、政令指定都市そのものにもかなりの、住民の自治とか、違う視点から見たときの問題点があるのではないか。少し将来的に分権改革の最近の道州制といったことを考えたときに、そういう政令指定都市そのものを基礎自治体としてどう考えていくかということも考えなければいけない要素がいっぱいあると思うんですけれど、そこまでもこのあり方の中に含んで考えるのかどうか、これは1つ今のような、ある意味で私は道州制のことにも今かかわっているのですけど、そういう中ではこの場で含めるのかどうかということは少し御検討いただきたいなということを感じております。
 それともう一点は、私も多様な、西尾委員さんがおっしゃいました350万から200人未満というふうな多様な実態であれば、多様さを許す制度ということを考えていかなければいけないのではないかと。ですから規模が大きくなれば、中核市だ、特例市だ、政令都市だというふうなことがありましたけれど、基礎自治体も先ほどのように合併だけの方向で考えるのではないといったときには少し小規模なところがどんなところに課題があって、その課題に合わせてどういう特別な条件整備をしていけばいいのか、連携以外にもいろいろとあるのではないかというふうにも思っておりますので、そんなところの多様さを許す制度をイメージしながら議論していくのかなというふうに思っております。

○林小委員長 道州制はとりあえず・・・・・・

○篠崎委員 道州制は取り上げないんですが。

○林小委員長 道州制を前提とするとか、道州制との関係でとかということはとりあえず置きましょうと。今抱えている基礎自治体がどういう問題があるのかというところで議論をしたいというぐあいに思っていますが、大都市制度だとか、これも基礎自治体ですよね。小規模自治体もそうだし、その辺、物すごくいろいろ抱える課題が違うので、少しこの4月、5月ぐらいまでにやれるというところは非常に限られているところがあって、そのあたり、ベースのところを議論するのか、あるいはもう少し合併によって出てきたさまざまな問題を解決するといったようなところに焦点を絞るのか、あるいは小規模自治体に焦点絞るのかといったようなところも少し検討していかなければならない部分がありますので、今日はとりあえず御自由に御発言をいただいて、どうぞ。

○篠崎委員 済みません、そういう意味では基礎自治体が抱える本当に大から小までの中での問題点をある程度パターン化できると思うんですね。パターン化されて問題点を出していただいて上で、今回はここからここまでのことというふうに議論するのが望ましいのかなというふうに思っております。

○林小委員長 いかがでしょうか、ほかに。江藤委員どうぞ。

○江藤委員 私はこの地制調のときに、資料を見させていただくと、今後の合併についてというのは、合併をさらに進めていくのかいう印象を受けていたのです。この3の資料についての出し方も含めて、それから今日の資料3の3ページが今後の恐らく検討課題、かなり大事な検討の視点、こういうような議論を読むと、新法以降の議論も踏まえてという印象を受けていたのですが、今日、西尾委員の議論をお伺いすると、そうじゃないんだぞ、今こういう規模になってもさらにというような話はない。むしろ、多様な規模の自治体というのを前提にして地方自治を組み立てていかなければいけない。ここのところが今まであまり議論されてなかった。そこを明確に地制調としては考えていくのだよというところについては、そうだなということを改めて感じました。
 ということであれば、合併についてはむしろ今後も進めていくところはあってもいいと思っているんですけれども、検討についての今後の視点とか検討の課題だとか論点については、恐らく大幅に変わるのではないでしょうか。そのためのきょうのブレーンストーミングをしていくのではないだろうかと思いました。
 もう一点、議会のところで議論された小規模団体のときに、住民総会の議論があったのを落としてこちらのほうに入っている、ここでやろうという話もあったんですね。それとの絡みでいいますと、検討課題についても大きく変えていただくようになると思うんですが、これは合併して大きなものと、そしてそれだけではだめだから小さなものを組み立てようという議論の発想だと思うんですが、これも大事だと思います。ただ、自治制度というよりは住民自治制度という議論をしたときには、その基礎自治体をどのように住民がチェックできるのか。例えば今回の対象にならないのでしょうけど、選挙制度だとか、直接請求などの話がこの議論では落ちてしまうのではないか。小規模団体の町村総会の話もここでは落ちてしまう。そういうようなものを基礎自治体のあり方を議論するときには、私は必ず入れ込まなければいけないのではないかと思います。ただ、それで議論が拡散しすぎると言われるかもしれませんけれども、ここで必要なのは、自治制度というか、地方自治制度だと思うんですね。そこのところは一緒に合わせながら議論することを要望します。

○西尾委員 発言しすぎですけど、江藤委員の発言を聞いていて、事務当局の今までの資料の出し方見ていたら、こうだと思っていたけれども、西尾委員の意見聞いたら違うんだなと思われたと。これなんかはとんでもない誤解でありまして、私は総務省と一体では全くありませんので、総務省は何を考えていらっしゃるか、私が何を考えているか全然別個の話なのでありまして、だから私は、私個人の意見としてはと常に言っておりますけれども、むしろなぜこんなことを今日強調して繰り返し発言しているかといえば、江藤さんと同じように、今日出してきた資料の出し方から見れば、事務当局はまだ合併を続けざるを得ないと何となく判断しておられるのではないかと。それはやめてもらえませんかと私は言っているという趣旨だと理解してください。

○自治行政局長 合併をこれから進めるのか、進めないかについては全く白紙で、まさにそれをこの小委員会で幅広い観点から御論議していただきたいと思っているわけです。私どもは1つは、合併ということを現にやってきましたので、その結果、合併、平成の大合併を経過しつつある途中段階での市町村の姿がどうなっているのかということは、合併との関連で避けて通れませんので、「合併」という文字がたくさん入っているペーパーがデータとしてはたくさんありますけれども、それはそういう趣旨で用意させていただいております。
 このいくつかペーパーの資料3が、今後の議論の参考にしていただきたいといを形でつくったのですけれども、実は4ページの市町村の類型ごとの課題の全体イメージというものが、これまであまりつくってなかったペーパーなんですね。これは実はいろんなパターンのものを局内で議論して、合併市町村、未合併市町村という大きな括りでつくったらいいのか、もっと圏域ごとにつくったらいいのかとか、それから小田切先生からも御指摘もありましたように、合併といっても都市と農村いろんなパターンがありますので、そういう社会経済によってつくったらいいのかといろいろ考えてつくりましたので、いずれにいたしましても、市町村が合併を経過しつつある、置かれている市町村の課題というものをどういうふうにパターン化して資料をつくれば、幅広い観点から、合併をこれから進めるのか、進めないかということを含めて御議論していただけるかということを私ども腐心しておりますので、何なりと今後の資料のつくり方については御指摘をいただければと思っております。

○林小委員長 政所委員。

○政所委員 合併によって、今、地域で起きていることの1つの例というのが、やはり出先機関がみんな合理化によって統合されたということで、こういう問題というのは、また産業に立ち返りましても、どんどん波及しておりまして、例えば商工会とか、商工会議所なんかもそうですし、JAもそうですし、その他さまざまな出先機関がどんどん合理化されているわけですね。そういう中で、例えば資料1の6にある集落の状況というところに人口の非常にわかりやすい数字があるのですけれども、こういったところも消滅の可能性というのをこのまま読み解くのか、あるいはまたいろんな合併によって起きていることについて、ここでいろいろ議論して、何とか維持できるような、維持できるといいますか、ような話に持っていくのか、そのあたりも非常に気になっているところなんです。ですからこの数字というのはあくまでも予測なので、先ほど西尾委員がおっしゃられたように、極めて二極化された中で深刻に起きている問題はいろいろあると思うのですが、そういう意味では小規模自治体の中のことに限定していえば、収入は2分の1、3分の1でも負担は教育費からありとあらゆるものに対して3倍、4倍になっていると。こういう数字も実は一方で、この裏にあるということを大変気になっているところです。

○林小委員長 ほかいかがでしょうか、小田切委員。

○小田切委員 今の政所委員の御発言と重なるところがありますので、ここで発言させていただきたいのですが、資料3の2ページになりますが、基礎自治体の現状についての下から2番目の「○」であります。「合併市町村についての周辺地域の寂れや行政と住民の距離拡大といった指摘についてどう考えるのか」という問いかけがあるわけですが、これは私は実態として周辺地域の寂れは確実に進んだ、あるいは住民のいわば孤立感が確実に強まったという、そういう実態認識からスタートするべきだろうと思います。もちろんこういった実態は、公共事業の縮減とか、農林業の国際化による後退ということが直接の要因だろうとは思いますが、市町村合併自体もそれとは無関係ではないという認識を持つべきだろうというふうに思います。
 そういう点では、本来こういった過疎化、高齢化が急速に進む中で、基礎自治体がそういった地域をきちんとモニタリングしてきちんとした対応するという、そういった時期に残念ながら合併が進んでしまって、そして、それをサポートする体制が十分とれなかったという認識は私は強く持っております。
 その点で、ぜひこういったことに対して自治制度として何ができるのか。多分自治制度だけではこの問題は解決・解消できませんので、当然振興制度としてどうするのかという、そういう議論、それをセットで議論をしなくてはいけないと思います。後者はいわゆる過疎法をめぐる議論ともかかわりがあるのだろうと思いますので、そういった議論の紹介などもこの場でしていただいて、そういった振興方策と自治制度との組み合わせを考えていくというのが大変重要ではないかと思います。

○林小委員長 ありがとうございます。ほかいかがでしょうか、小林委員。

○小林委員 お話を伺いながらずっと考えていたのですが、ちょっと水をさすようなことを申し上げますと、確かに西尾先生や林先生がおっしゃるような、今までやってきた目的での合併というのは限界というふうに私自身も思います。その結果、都市部での合併が進まなかったというか、結果として選択されなかったという現状があるのだと思うんですが、都市部に限って、今ずっと考えていたのですけれども、都市部の枠組みが東京とか名古屋のお話出ていましたが、現状のままでいいのかなと考えると、都市計画とか、まちづくりとか、もうちょっと経済的に考えると、都市部の生産性を上げるというふうな視点でもう一度見直していくと、ちょっと違った考え方が出てくるのではないのか。もうちょっと言うと、人や物流の流れに沿ってもう少し民間部門の生産性を伸ばすような行政サービスがもうちょっと一体的に供給できるような枠組みというのが、都市部では本来模索されるべきで、そういった枠組みを自治体同士が自主的にできる状態に現状にはあるのか。そもそもそういった視点そのものがないのかもしれませんが、都市部はこれからの生産性を上げて稼いでいかないとグローバルな競争に勝てないと思いますので、それはそれで地方というか、そうでない都市部でない地域の発展ということと併せて都市部の発展というのも考えていかないといけないと私自身は考えています。
 そういったときに、もっと非政府部門と政府部門とが補完的に生産性を上げていかれるような枠組み、その1つの例というのがまちづくりとか、どういった部分にどういったものを集中させていくのか、あるいは人の流れがここにあるから、その流れに沿ってどういった行政サービスが提供できるかとか、そういった視点がもっと必要ではないのかなと考えていました。
 その議論を前提に合併を今後進めたほうがいいのか、悪いのかといった話になると確信が持てなくて、今言ったような話は広域連携でできるような話なのかしれないし、そうでないのかもしれない。やっぱり合併が必要なのかもしれないし、その辺、私自身も確信が持てないのですが、ただ、都市部の枠組みが今のままでいいのか。もうちょっと言うと、もと民間部門の生産性を高めるような形で枠組みを考えることができるのではないのかなと漠然となんですけれども、そういうことを今考えておりました。

○林小委員長 各自治体が総合計画をつくるときに、広域行政をさらに進めますというようなことは書かれてはいるのですが、もっと広域的な総合計画が要るのではないかと私なんか思ったりするんですね。特に大都市圏の場合に行政区域を超えて居住地が変わっていくと。それによって社会資本の遊休化が起こったり、場合によっては、受け入れたところでは新たな拠出をつくらなければいけないとか、そういう問題が起っている。ところが全体的には人口が減少していく中で、人口の取り合いをしているような、そういうことを考えると、もっと大都市圏でも広域行政的なニーズというのはあるわけで、それは合併なのか、あるいは広域連携なのかということは、これは自治体が選択をすべきだと思うんですね。ただ、先ほど篠崎委員がおっしゃったように、いろんな基礎自治体があって、それが抱えている課題というのが、何か明確になっていないのではないかという気がするわけです。そこらはもう少しきちんと多様な都市、あるいは多様な自治体の抱える課題を明確にし、そして共通課題の場合にそれに対して国として何かやれるのか。これもまた議会と同じようにメッセージをすることによって奨励をするといったようなことで進むのか、そのあたり議論をしていかないと、物すごく多様なんですよね。
 今、小林委員おっしゃったように、大都市は大都市でもっと規模が大きくなれば、もっと強くなるかもしれない。あるいは産業の集積だって生まれるかもしれないといったような問題もあるし、だからその辺のところの課題を少し整理しながら、きちんとパターン化し、この29次では、この分、どこをやるかということを少しやったらどうかというのが篠崎委員の御発言だったのではないかという気がするのですね。ですからもう少し時間がかかると思います。もっといろんな課題があるということと、それから考え方ということも御意見いただきながら、そのあたりを少し整理をしていくというような形にできれば、何か落としどころというのが見えてくるのではないかという気もしますので、もう少し時間がありますから、どうぞ御自由に御発言をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○金子委員 この資料3の3ページのところで、これは後で抜本的に見直されるということのようでありますけれども、これは大きな自治と小さな自治という2つに分かれた検討課題と書いてあるのですけれども、この中で住民自治の充実強化、住民自治の基盤の話が出ているのですけど、住民自治というと、制度的なものとして地方議会ということになってこようかと思うので、この小さな自治とこういう地域自治組織のあり方や地域コミュニティのあり方を検討するときも、地方議会のあり方も視野に入れて、この住民自治の観点から地方議会制度を見ていくというような形で審議を進めていくのはどうかなと思います。

○林小委員長 監視機能だけではなくてということですね。

○金子委員 はい。

○林小委員長 いかがでしょうか。どうぞ、名和田委員から。

○名和田委員 小さな自治というのは私の最も関心があるところですけれども、今日はそれについて発言は前にもしましたのでいいかなと思っていたんですが、ちょっとだけ、今議論も出ましたのでさせていただきますと、私、横浜市で行政にかかっており、横浜市で市民活動をしており、横浜市に住んでいまして、この委員会でもよく横浜市の話が出るたびよドキッとするのですけれども、先ほど小林委員が言われた大都市経営といいますか、資本主義のもとで膨張する都市を一体的に管理する行財政の仕組みは、合併を合理化する1つの要因なり、理念なりだというふうに私は前から思っております。ですからそういう観点から、合併なのか、それとも広域連携なのか、諸外国においても、例えばフランスなんかは割と都市圏で連携する仕組みなどがかなり発達しているように聞いております。
 ですから日本で今後、都市経営のあるべき理念として合併なのか、それとも広域連携なのかということは議論しなければいけないし、そのもとでどういう制度的な仕組みがあるとよいのかなということもやはり議論しなければならないと思います。ここでいつもドキッとする横浜市としては、むしろ今出た住民自治、非常に住民自治が薄いと。確かに経済効率性は高まりグローバル競争に勝てるような体質になっていくかもしれないけれども、自分のことは自分で決めたいという自治の本能的復旧には非常に薄いし、その他たくさんの課題を横浜市は抱えていますけれども、そうなった場合の小さな自治のあり方ということを議論をせざるを得ないという気がします。ですから膨張する都市を一体的に管理するためにやむを得ず大きくなるけれども、内部に分節化された自治の構造を持つということが必要であると思います。
 この第29次で大都市制度のことを本格的に議論はできないと思うのですけれども、地域自治組織のあり方のバージョンアップを図っていくという文脈の中で大都市のあり方を念頭に置きながら議論を今後させていただきたいと思っております。
 今日は以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。

○政所委員 今のお話に続いてしまうのですけれども、大都市の議論の中で、1つ議会制度で考えなければいけないなと思うのが、今、横浜市の例が出ましたけれども、例えば県都である横浜市の市議会と神奈川県という県議会のような関係ということも、問題は二重であって、負担が市議会のほうにかなり大きくかかわるものもあるでしょうし、こういう県議会と市議会というような関係性で、あるいはもっと二重であるならば、二重であることの意味と効果というのがもっともっとあってもいいというように思うんですが、済みません、横浜市の例が出たので非常にわかりやすい例なので横浜市を挙げました。

○林小委員長 ありがとうございます。そろそろ時間が来ておりますけれども、今日ぜひこれだけはという御意見ございましたらお聞きをしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○金子委員 今の政所委員の意見につけ加えて、やっぱり横浜市と神奈川県の例が出ましたけれども、これから基礎自治体のあり方を考えていく上には議会も含めて市町村と都道府県のあり方、これはちょっと議会の監視機能のところで、都道府県議会と市町村議会を分けて検討したらどうかと私申し上げたのですけれども、そのときには若干時間等もなくてということだったのですけれども、ぜひ小さな自治を議論するに当たっては都道府県議会と市議会、特に大都市の神奈川県と横浜市議会の関係とか、そういうのを注目して議論していけたらと思います。

○林小委員長 ありがとうございました。それでは、時間もまいりましたので、本日の意見交換はこの程度にしたいと思います。今日いただきました御意見を整理し、それから宿題もいただいておりますので、それを踏まえて次回もう少し方向性等を絞った形で御議論をいただけるように準備ができればなと思っております。
 それでは、事務局から、今後の日程につきまして、御説明をお願いいたします。

○事務局 次回の日程でございますが、本日お配りしております資料の中に委員の皆様方の1月、2月の日程をお伺いする資料を入れさせていただいておりますので、こちらに御記載いただきまして、12月24日までに御返送を賜ればと考えております。それをもとに調整をさせて御連絡を差し上げたいと存じますので、御多忙のところ大変恐縮でございますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○林小委員長 それでは、これをもちまして本日の専門小委員会を閉会いたします。長時間どうもありがとうございました。


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