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平成23年度地方財政審議会議事要旨(平成23年5月10日)

日時

平成23年5月10日(火)10時00分〜12時00分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
      中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治行政局地域政策課地域情報政策室 課長補佐 西潟 暢央

議題

自治体クラウドについて
 今後の全国展開が期待される自治体クラウドを議題とし、自治体クラウド開発実証事業の成果と課題、自治体クラウドの先行事例や地財措置等について説明を受けるものである。

要旨

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)
  
○ 自治体クラウドの導入事例の説明の際、神奈川県町村会の事例について、「最大規模の事例」との話があったが、どのような意味か。
→ 神奈川県町村会の事例では14町村という多数の地方公共団体が共同で取り組んでいる。自治体クラウドのような取組は、意思決定に至るまでに各団体の利害調整が必要であり、協議が整うには困難を伴うことが多いが、その点で画期的な事例といえる。
  
○ 自治体クラウドのような情報システムの集約化は、業務の標準化により仕事の効率化を目指すという行政改革の流れの中で生まれた動きであると理解してよいか。
→ クラウド化の流れは、当初は共同電算の形態から始まった地方公共団体の電算処理が、コンピュータの小型化と効率化によって分散してきた一方、ネットワークの整備に伴い、再度システムを集約する方向にあるという技術的な背景が大きいが、自治体クラウドの導入の効果としては、ご指摘のような業務の標準化を通じた行政改革にも非常に有効なものである。
  
○ クラウドの導入が進んだ社会における情報漏洩の危険性への対応について、どのような認識を持っているか。もし情報漏洩を完全には防げないのであれば、自治体クラウドの導入が進んだ場合、情報漏洩の影響が複数団体に及ぶという意味で、一度の情報漏洩で被害の生ずる規模が拡大してしまうことが懸念されるのではないか。
→ 自治体の現場においては、クラウドが導入されているか否か以前の問題として、情報漏洩は人為的ミスによるものが多いのが現状である。ネットワーク化することにより、情報漏洩の被害が拡大する虞があるのはご指摘のとおりであり、特にクラウド化されたネットワークに内部関係者が悪意を持って侵入した場合等を想定し、こうした行為を未然に防止するとともに、侵入されたときの情報漏洩の被害を最小限に抑えるための対策が必要となっている。重要な情報の分散管理を徹底し、それぞれのデータを互いに容易には結びつけられないような管理体制であれば、情報漏洩の被害は最小限に抑えられるものと考える。

○ 総務省は一時期、自ら旗を振ってすべての地方公共団体に対して一律的なクラウドの導入を図ろうとしていたように思うが、こうした施策の方向性についてどのような認識を持っているか。
→ 効率性を重視して政府主導で地方公共団体のシステムの標準化を図るべきという意見と、地方の自律性を重視して政府の役割は提案や情報提供に限定されるべきであるとする意見があるが、法定受託事務であっても地方の現場が自主性を発揮し独自の行政サービスを提供している現状を考慮すると、情報システムの分野で法制化等により政府が一律的な標準化を図ることは必ずしも適切ではないと考える。他方、一部の地方公共団体からは政府主導のシステムの標準化を望む声があるが、これは自治体における情報システムに通じた人材の不足等に起因する場合も多く、各地方公共団体の事情を踏まえ、適切に対処していくことが必要である。
  
○ 災害発生時に、情報システム分野において政府が果たすべき役割についてどのように認識しているか。
→ 今般の大震災において、被災自治体のホームページにアクセスが殺到した際、姉妹都市がネットワークを通じてデータサーバを一時的に移転させ混乱を回避した等の事例を聞いているが、こうした取組は事前に計画されていたというよりは緊急避難的なものが多い。今後は今般の大震災への対処事例の情報収集を行い、大災害時に情報システムが求められる対応についてあらかじめ計画を策定する等の体制の整備が必要である。

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