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平成23年度地方財政審議会議事要旨(平成23年5月20日)

日時

平成23年5月20日(金)10時00分〜12時00分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委 員) 神野 直彦(会長)  佐藤 信  木内 征司
       中村 玲子  松本 克夫

(説明者) 自治財政局地方債課 課長補佐 赤岩 弘智
       消防庁総務課 課長補佐 名越 一郎

議題

(1)地方債の早期協議について
 今回の議題は、地方公共団体からの起債協議に対し、総務大臣が同意をするに際して、地方財政法第5条の3第7項の規定に基づき、審議するものである。
(2)東日本大震災における消防の活動について
 震災発生後約2か月余が経過し、平成23年5月2日には被災地の復旧・復興に向けた第一次補正予算が成立したことから、これまでの震災による被害の状況や、被災県に対する緊急消防援助隊の応援状況、福島原発における消防隊の活動状況等について説明するものである。

要旨

I 議題「(1)地方債の早期協議について」

標記の件について、説明を受け、審議の上、これを了承した。

(主な内容)

○ 震災の影響で市場からの資金調達が困難になっているということはないか。
→ 震災後、主要社債の発行が見送られる中で、東京都や愛知県が震災後の早いタイミング(3月18日)に地方債の条件決定を行ったことで、市場における地方債への信認は厚くなったと評価されている。その後も、地方債市場は安定しており、震災前と遜色のない条件で安定的に資金を調達できている。

○ 今回の早期協議には、臨時財政対策債も対象となっているが、そもそも本来は臨時財政対策債によることなく、地方交付税率の引上げにより、交付税額の確保を図るべきだと思う。

○ 現行の各地方公共団体の臨時財政対策債の発行可能額算定方法は、普通交付税の交付の有無にかかわらず、人口に応じて発行可能額の一部を算定しており、普通交付税の財源の不足を補うという臨時財政対策債の趣旨に反していないか。
→ 現在、臨時財政対策債の発行可能額は、各地方公共団体の人口に応じた「人口基礎方式」と、各地方団体の財源不足額に応じた「財源不足額基礎方式」との両方の方式により算定している。「人口基礎方式」は普通交付税の交付の有無にかかわらず発行可能額を算定するものであり、ご指摘のようなご意見もあったことや、財政力の弱い地方公共団体に配慮し財源調整機能を強化するといった観点から、平成22年度から「財源不足額基礎方式」を導入しており、段階的に「人口基礎方式」を廃止し、平成25年度に「財源不足額基礎方式」へ完全移行することとしている。


II 議題「(2)東日本大震災における消防の活動について」

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 今回の震災においては、一般住民のみならず活動中の消防団員が多数犠牲になったと聞いている。今後、消防力を早期に復旧させるためにも、より積極的に消防団員を確保していく必要があると考えるが、そもそも消防団の活動が活発であるという指標は何をもって判定しているのか、単純に消防団員数で判定するのか、あるいは人口に占める団員数の割合で判定するのか。
→ 被災3県は昔ながらの共助の精神が残っており、地域の結束力が強い地域であるため消防団の組織力や活動は活発であり、団員数の割合は高いと認識している。消防庁としては、従来より消防団員確保に向けて地域コミュニティや事業所に対し積極的に働きかけており、今後もこういった取組を推進していきたい。

○ 消防職員・消防団員に対して賞じゅつ金が支給されるとの説明があったが、消防団員については、消防団基金から別途公務災害補償がなされると聞いている。これはどの程度の補償なのか。
→ 今回の震災に際し亡くなられた消防団員に対して、消防団員等公務災害補償等共済基金から各種補償費等が支給される。金額はケースにより異なる。

○ 消防組織法第50条に基づく緊急消防援助隊の国有財産の無償使用制度については、先日の行政刷新会議における事業仕分けの対象となったと記憶しているが、今回の震災を踏まえた見直しが必要なのではないか。
→ 消防庁としては、震災等の大規模災害発生時における緊急消防援助隊の活動は非常に重要であると認識しており、事業仕分けの議論、結論を踏まえつつ平成23年度当初予算においても必要な予算額を確保していたところである。
今回の震災を踏まえ、緊急消防援助隊の有用性と必要性は国民の共通理解になったところであると考えるので、予算の面も含め、今後も緊急消防援助隊の充実強化に向け積極的に取り組んで参りたい。

○ お亡くなりになった消防職員・消防団員の活動内容は非常に痛ましい。発災直後において情報共有を早期に図るなどして安全管理を図れなかったのか。
→ 最前線の消防職員・消防団員は皆、津波の危険を感じつつも崇高な使命感を持って水門の閉鎖や災害時要援護者への支援等に最後まで従事した。今回の震災を教訓に、できる限り犠牲者を出さない仕組みづくりに取り組んで参りたい。

○ 現場において、各都道府県から派遣されている応援隊同士の連携はうまくいったのか。
→ 被害の全体像が分からない状況の中、指揮支援隊を中心として各応援隊が有機的に連携して活動した。今回の教訓を踏まえ、今後も緊急消防援助隊がより迅速に活動できる体制整備に取り組んで参りたい。

○ 自衛隊や警察との連携や指揮系統はどのように調整したのか。
→ 発災直後から、自衛隊や警察、海上保安庁等関係行政機関の局長級が出席する「緊急参集チーム協議」が総理官邸内で招集され、各行政機関の情報を共有するとともに、政府としての方針を決定し、指揮系統を一元化して活動にあたった。
また、被災各県においては県知事を本部長とした調整本部を設置し、被災県内における活動の総合調整を実施した。

○ 阪神淡路大震災以来、緊急消防援助隊が活動した実績はあるのか。
→ 例えば、新潟県中越地震や岩手宮城内陸地震における活動があげられる。
発災直後の道路寸断等により陸上の消防部隊が接近困難な場合においても、県警や自衛隊等と連携し、消防ヘリを活用した救助活動や被害情報の収集にあたった実績もある。

○ 今回のような大震災においてヘリが果たす役割は大きい。増強する計画はあるのか。
→ 平成23年度当初予算において、山間部での救助活動に非常に有効なヘリサット購入の予算を計上した。導入されれば世界初となるため、早期に配備したい。

○ 津波で多くの方が亡くなったが、第1波の到達が約10分後であったことからみると、迅速に情報が伝達されていればより多くの方が避難できたと考えられるがいかがか。
→ 発災直後にテレビや電話等が不通になったものの、防災行政無線等により津波情報を受信し、避難を開始したケースが多かったとも聞いている。消防庁としては、今回のケースを分析し、一刻も早く情報を伝達し避難できる仕組みづくりに取り組んで参りたい。

○ 保育園児がほとんど助かったという例もあるが。
→ 子供に対する防災教育活動の重要性が改めて実証された。消防庁としては、今後も消防団や自主防災組織等と協力しながら積極的に取り組んで参りたい。

○ 消防庁職員も現地に出向したのか。
→ 発災直後、政府調査団として岩手県、宮城県、福島県へ職員を派遣しており、その後も総務省全体として被災各県庁や各市町村役場等(例えば、原発事故で緊急時避難準備区域に指定された飯館村)へ継続的に職員を派遣している。

○ 今回の震災において、現時点で判明している反省点・課題はあるか。
→ 今回の震災は津波の被害が甚大であったことから、消防に限らず政府全体として検討していくべき課題は多々あると認識している。消防庁としても、今回の震災を教訓として、津波対策を含めた震災対応力の強化に努めて参りたい。

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