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平成23年度地方財政審議会(1月10日)議事要旨

日時

平成24年1月10日(火)10時00分〜12時45分

場所

地方財政審議会室

出席者

(委員)
神野 直彦(会長)
木内 征司
佐藤 信
中村 玲子
松本 克夫
(説明者)
自治財政局調整課 課長補佐 梶 元伸
自治税務局都道府県税課 課長補佐 天利 和紀

議題

(1)平成24年度の各省主要施策の状況について(厚生労働省関係)
 今回の議題は、平成24年度国の政府予算案が決定したことに伴い、厚生労働省関係主要施策について、子どものための手当制度など地方財政に関係するものを中心に、説明するものである。

(2)社会保障・税一体改革について
 今回の議題は、平成24年1月6日に決定された「社会保障・税一体改革素案」について、説明するものである。

要旨

I 議題「(1)平成24年度の各省主要施策の状況について(厚生労働省関係)」

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

 

○ 年少扶養控除の見直し等による地方増収を手当に充てるという当初の厚生労働省案については、「控除から手当へ」という趣旨を過度に強調し、増収分を目的税的に使うべきであるとする考え方で論理が展開されているのではないか。
→ 年少扶養控除等の廃止は、子ども手当の創設と一体的に実施されているため、厚生労働省は、地方の増収分は手当の形で国民に還元するのが自然と考えたものと思われる。
 これに対し、地方増収を裁量の余地がない手当の地方負担に充てることについて、地方の大きな反発があったところであり、地方の自由度を増やす形での一般財源化等を組み合わせて整理し、最終的に地方側の了解もいただいたところである。

○ 野党との協議では、今後どのような論点が想定されるのか。
→ 所得制限の960万円は三党合意に書いてあるが、所得制限を超える人については手当ではなく税で対応すべきという意見が考えられる。その他、手当の名称については、議論があろう。

○ 地方増収分5,050億円については、一般財源化等を組み合わせて整理すると言われているが、国保の関係については地方の裁量の余地がないのではないか。
→ 子育て関係の国庫補助金の一般財源化相当分は、地方の自由な財源となるものである。国保の都道府県調整交付金は、額としては、法で規定を設けるが、どのような基準で市町村に配分するかは、都道府県の裁量で定めることができ、地方の自由度が高い制度設計になると考えている。

○ 国保の都道府県調整交付金を給付費等の7%から9%に引き上げることは、国保の改革が目指している方向性と一致するのか。
→ 国保については、都道府県単位化を推進するという施策の方向性が政府内で合意されている。今回の見直しは、都道府県の財政調整機能の強化と共同事業の拡大による都道府県単位化の円滑化等を目的としており、施策の方向性に合致するものと考えている。

II 議題「(2)社会保障・税一体改革について」

標記の件について、説明を受け、質疑応答及び意見交換を行った。

(主な内容)

○ 今回の社会保障改革は「全世代対応型」への転換を目指すものであるにもかかわらず、税制抜本改革により引き上げた消費税収を「社会保障四経費」に充てることになると、高齢者が主な対象となってしまう。その範囲で配分すると、地方団体が実施している社会保障についての重要性が十分評価されないのではないか。
→ 引上げ分の国と地方の配分に当たっては、「社会保障・税一体改革成案」を踏まえ、「社会保障四経費」に則った範囲の社会保障給付の役割分担で配分した。
 一方、地方消費税の使途については、地方の意見を踏まえて検討することとしている。

○ この一体改革をもって社会保障制度の抜本改革は終わったと考えているのか。
→ 年金をはじめ、今後も必要な社会保障改革は検討されるが、一方で、今回の消費税引上げに伴う公費投入による社会保障の機能強化は、「社会保障・税一体改革素案」に掲載された内容が現時点の到達点である。

○ 人口が少ないところは行政コストがかかる。地方消費税は偏在が小さいと言っても、財政調整はできない。地方消費税率を引き上げても、交付税の法定率が下がってしまうので、個々の団体で困るようなことはないのか。
→ 都道府県においては清算基準は変えないが、市町村交付金については、引上げ分について人口による配分など社会保障財源化に適した交付基準を検討している。交付税については、消費税率が上がることにより法定率自体は下がるが、引上げ分の一部を交付税法定率分として、財政力の弱い団体への手当を行うこととしている。

○ 引上げ分の地方消費税収の使途については、地方の意見を聴いて結論を得るとのことだが、社会保障財源化することは既に決まっていて、使途をどうするかを決めるだけなのか。今後の議論によっては一般財源化もあり得るのか。
→ 引上げ分の地方消費税収の使途を明確化し社会保障財源化することは、「素案」で決定しており、その具体的な方法や、使途の範囲等について今後検討していくことになる。

○ 工程表の地方税制の部分が未定(工程表上点線)になっている。地方法人特別税の見直しについて、今回の素案では交付税法定率分も決着してしまっているが、今後税源交換まで踏み込んで検討できるのか。
→ 素案の段階では、具体的な制度設計を含めた決着は困難であったため、そのような記述となっているが、地方法人特別税については、一体改革に併せて抜本的に見直すこととしている。

○ 所得税については累進性があるが、住民税は比例税率であることを考えれば、給付付き税額控除を住民税についても適用することは、逆進性対策にはなじまないのではないか。

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