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政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会議事録(平成26年7月31日)

日時

平成26年7月31日(木)11時00分から12時00分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 第1特別会議室

出席者

(委員)
宮内忍独立行政法人評価分科会長、梅里良正独立行政法人評価分科会長代理、石田晴美、森泉陽子の各委員、荒張健、有信睦弘、出雲明子、岡本義朗、河井聡、木村琢麿、工藤裕子、河野英子、齋藤真哉、園田智昭、原田久の各臨時委員

(総務省行政管理局)
上村進局長、讃岐建官房審議官、竹中一人管理官、坂井憲一郎企画官

議題

  1. 「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」について
  2. その他

配付資料

会議経過

○宮内分科会長 ただいまから「政策評価独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会」を開会いたします。
 それでは審議に入ります。本日は、前回総務大臣から諮問を受けました「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」について、引き続き審議を行っていきます。
 それでは、初めに「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政の評価に関する指針(案)」について、前回の本分科会における議論と各省協議の結果を踏まえた修正点、評価結果の予算要求への適切な反映並びに目標及び評価に関する指針(案)に対する一般の意見について、事務局から説明をお願いいたします。
○竹中管理官 御説明いたします。
 前回の分科会からの主な改正点のほうから申し上げます。資料1をごらんください。目標の指針でございますが、重要度、優先度、難易度について、前回の分科会の御指摘を踏まえ、高いとした理由について明確に目標を記載することを書いております。
 6ページをごらんください。(2)のところで当該目標について重要度、優先度及び難易度が高いとした理由について目標を策定するときにつけてくださいということで書かせてもらっております。この関係については国立研発法人と行政執行法人についても同様でございます。
 記載例についても若干修正しております。29ページをごらんください。目標及び指標の記載例ということで、重要度、優先度、難易度が高いとする例として次のようなものがあるということで、重要度が高いとして政府の○○戦略における××促進に向け、当該○○事業によるファンド組成数○○以上を達成することが主要な役割を果たすものであるためとか、優先度についても高いとか、難易度についても高い、低いものは書きませんので、高いと例を挙げさせてもらっております。
 これら重要度、優先度、難易度が高い例でございまして、30ページ、例でございますけれども、重要度、難易度が高い例とか、31ページにいくと重要度が高い例とかそれぞれのバリエーションに応じて3種類使い分けていただければと存じます。このように書かせていただきました。
 次に、22ページをごらんください。Vの2でございますが、業務改革の取り組みとの関係ということで書かせていただいております。7月25日に総務大臣決定がなされました業務改革の取り組み方針というものがございます。これは備えつけ資料のほうで本文をつけさせていただいておりますが、簡単に申しますと、総務大臣から国の行政機関に対して行政運営の効率化や行政サービスの向上を目的として、行政のIT化の推進だとか業務の必要性、実施体制の見直しなど、業務改革の取り組みに向けて行政機関に対して実施を求めておりまして、同様なことについて独法についてもこの業務改革の取り組み方針に準じて行ってくださいと要請しております。
 そこで、業務改革の取り組みと整合がとれるようにする必要があるということで、一文入れさせてもらっております。
 23ページをごらんください。4でございますが、評価のほうでは共管法人の取り扱いについて書いておったのですが、目標のほうでは記載しておりませんでしたので、共管法人の取り扱いについて入れさせていただいております。
 同じページの「5 本指針の見直しについて」ということでございますが、目標の状況やその他の政府の方針等を踏まえて、主務大臣のもとでPDCAサイクルの実行性を高める観点等から、適時見直す、見直し規定について入れたものでございます。
 次に、評価のほうに入らせていただきます。資料2をごらんください。
 8ページをまずご覧いただければと存じますけれども、これも先ほど御説明した業務改革の取り組みとの関係について、評価の視点の中で書かせていただいております。同じような書きぶりが今、中期目標管理法人のほうで書いておりますが、国立研発法人のほうと行政執行法人のほうにも書かせていただいております。
 次に59ページをご覧ください。(3)でございます。ここではD評定を受けた場合の取り扱いについて書かせていただいております。項目別評定でDを評定した場合について、業務の廃止を含めた抜本的な見直しを命ずるということと、総合評定でDを付した場合には、組織または業務の改廃を含めて抜本的な見直しを命ずる旨を記載しております。
 これは年度、中間を問わず評価で行った場合でございまして、(4)は中期目標期間が終了した時点でここに書いてありますが、中(長)期目標期間終了時の法人の業務の継続または存続の必要性について検討するときには、見直し評価の結果を十分活用し、業務の廃止もしくは移管または組織の廃止その他の必要な措置を的確に講じる。Dの評価を受けた場合と目標終了時の見直しの時点での書きぶりを分けております。
 61ページをごらんください。目標の指針と同様に見直しについての規定を設けることとしております。
 また、評価の様式のほうで記載例を入れたらどうかという御指摘がございました。100ページ以降に記載例を示させていただいております。これは中期目標管理法人のほうを例として年度評価から総合評定、103ページに項目別評定総括表だとか、特に前回御指摘のありました中期目標管理法人の年度評価の項目別評定調書におきまして、目標の書き方と関連してくるのですけれども、重要度で高い理由を書いている。難易度では高いとしてこういう理由を書いているということです。
 実績値についてということも言及がありましたので、工夫として、2の主要経年データというところで達成目標の横に前中期目標期間の平均値ということで、参考指標として書かせてもらっております。
 これが指針の主な修正点でございます。
 次に、資料3に移らせていただきます。「評価結果の予算要求への適切な反映について」ということで、予算要求のメカニズムについて御質問があったものでございます。
 まず、今の運営費交付金の算定の仕組みについて御説明したいと思います。まず、法人が中期目標期間に毎年度の運営費交付金の算定ルールを定めて、これをもとに中期目標期間の予算の見積もりを定めております。中期計画は主務大臣が財務大臣と協議をした上で認可することとなっておりますが、算定ルールの例として2つほど挙げさせてもらっておりますが、運営費交付金について算定ルールの1を見ていただくと「運営費交付金=人件費+業務経費+一般管理費−自己収入」ということで書かせてもらっています。その中で特に業務経費を見ていただきたいのですが、業務経費は「前年度予算額×政策係数×効率化係数×消費者物価指数+当年度の所要額計上経費」ということになっておりまして、※で書いておりますように、政策係数については法人の研究の進捗状況だとか財務状況、政策ニーズの新たな対応の必要性だとか独立行政法人評価委員会による評定等を総合的に勘案して、毎年度の予算編成過程において決定することとなっております。
 法人は特に裁量の余地がある政策係数を決めて、毎年度の予算要求に当たり運営費交付金を主務大臣に要求いたします。主務大臣は、法人から要求があった運営費交付金額を調整して、省内調整とかもろもろあると思いますが、概算要求にそれを反映し、予算査定を経て概算決定で運営費交付金が決定されるのが12月下旬ぐらいになろうかと思います。
 これが今の運営費交付金算定の仕組みでございますが、評価結果の予算要求への反映についてでございますが、年度評価においては8月上旬を目途に評価をいたしまして、政策係数だとか算定ルール2でβとしてサービスの質の向上に伴う経費の増分というものが調整部分だと存じますが、その調整において評価結果を適切に反映した上で、運営費交付金を要求することとなります。予算査定を経た後に、この運営費交付金の取り扱いについては法人の長の責任のもとで法人内で配分されて、事業費だとか職員給与等に配分されることと存じます。
 算定ルールは算定ルールとしてあるのですけれども、参考で書かせてもらっておりますが、独立行政法人・中期計画の予算等についてという古い資料なのですが、平成12年の中央省庁改革の資料でございますが、これにおいて、中期計画の予算の性格ということで「独立行政法人が、中期計画に定める予算と異なる業務執行を行っても違法の問題は生じず、その当不当の判断は(成果に関する)事後の評価による」ということになっておりますので、繰り返しになりますが、法人の長の責任のもとで予算が配分されるものと承知しております。
 中期目標の評価のほうでございますが、主務大臣は8月上旬を目途に評価を終了することは年度評価と一緒でございますが、その評価結果をもとに業務全般の見直しを8月中旬までに策定して、5年なら5年の予算要求の見積もりをつくることとなります。中期目標期間の予算の見積もりを策定して、それを年度ごとに割っていくのですが、年度ごとの評価にも活用していくということでございます。
 これが評価結果の予算要求への適切な反映の御説明でございます。
 次に、資料4をごらんください。目標及び評価に関する指針に対する一般の意見。パブコメのことでございます。7月18日からパブコメにかけておりまして、現在、1件出てきております。
 意見の内容ですけれども、本件目標指針案はやむを得ない場合に定性的な目標を定めることを認めています。そこから続きますが、このため定性的な目標については、その設定の段階だけでなく、その評価の段階においても厳正に取り扱うべきだと思います。したがって、定性的な目標については客観的な証拠に基づいて特に厳格に評価しなければならず、目標を達成したという高度の蓋然性が認められない場合は、目標不達成としなければならないこととするべきという意見をいただいております。
 目標を定める際には、定性的な目標を定めることとできるとしておりますが、その場合においても関連した定量的な指標だとか、達成水準を明らかにして目標を定めるということで目標を定めて、それをもとに厳正な評価をしていただくということで、このパブコメは応援メールかと思って解釈しておりますが、まだパブコメの終わりのほうに結構来ることがございますので、今の段階でのパブコメの御紹介をさせていただきました。
 以上、資料4まで御説明いたしました。
○宮内分科会長 それでは、ただいま説明について御意見、御質問などがありましたら、どなたからでも御発言願います。
○石田委員 評価結果の予算要求への適切な反映についてですが、真ん中から下から2番目の参考で、「中期計画に定める予算と異なる業務執行を行っても違法の問題は生じず、その当不当の判断は事後の評価による」というものを参考として出していただいたのですが、実際には難しいですね。現行だと運営費交付金は運営費交付金債務として負債に計上し、収益化基準が決まっています。この収益化基準はほとんどの法人が費用進行基準、つまり年度計画で策定した事業について、実際に幾ら支払ったかによって運営交付金債務を運営費交付金収益に計上しているので、経費を節約すればするほど運営費交付金債務残高は残ってしまいます。それを自由に法人の長の責任で配分しても違法ではない、とここで言われても、ほとんど活用されないと思います。運営費交付金債務残高は結構残っていますので、会計基準自体をいじらないと柔軟な資源配分は難しいのではないかと思います。
 特に先ほどの国立研究開発法人の場合は、中長期の目標期間が5年から7年です。その中で目標は柔軟に見直す、長がマネジメントするとなると、今の運営費交付金の会計基準あるいは剰余金の使途についての会計基準や法律の規定も少し変えないと、柔軟な資源配分は難しいように思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○坂井企画官 先生御指摘の点はある意味事実の部分がございまして、現状の運営費交付金の算定のルールの中で費用進行といった形が現にとられざるを得ない。それについて、今回の通則法改正の中で業務達成基準ということで実際にそれを達成したときにどうやっていくかということに少しずつシフトしていくことになっております。
 今回、この7月に結果報告しておりますが、独立行政法人の会計基準研究会のほうでそういったことを1つの大きなテーマとして設定させていただいて、検討を進めてさせていただく予定になっておりますので、そこの検討を踏まえつつ、こちらのほうも対応させていただきたいと思っている次第でございます。
○石田委員 今回は違う使い方をしても違法ではないということが、参考資料として出ましたが、そういう小手先の対策ではなく、抜本的な対策を立てる御予定ということですか。
○坂井企画官 そういうことでございます。
○石田委員 わかりました。
○宮内分科会長 ほかにございますでしょうか。
 私のほうから質問させていただきたいのですが、先ほどの記載例の中で104ページなのですが、会計の検討のほうで行われるのかとも思うのですが、右側に主要なインプット情報で行政サービス実施コストがここに挙げられているのですが、プロジェクトというか事業ごとに配分されるというのは計上経費というところは多分それなりの配分だとかというものを通じてやると思うのですが、行政サービス実施コストにはPLには上がらない金額があって、これらはどこに帰属するかということについての配分の基準というものが明確にはないだろうと思われるのです。
 それを何らかの格好で入れてくるのだろうと思うのですが、可能であれば全体の損益計算書の数字とセグメントに割り振られた金額との間の整合性がとれるような何らかの調整表のようなものをつくっていただかないと、多分ここの数字だけを見せられても余りぴんと来ない状態が起きるのではないかと思いますので、その辺のところは御調整をお願いしたいと思います。
○坂井企画官 事務局のほうでどうしてここに記載させていただいたかという狙いを若干補足させていただきます。
 先生も御案内のとおり、行コスのほうは実際に独法の業務運営に関し国民が負担した経費ということを明確にするという趣旨でございまして、当該情報はいかんせん会計基準の設定のときからかなり議論したにもかかわらず、使える局面がなかったということがございます。例えば機会費用の扱いですとか、その辺が使いづらいというか、そういう状況がございました。
 その一方で、今回の目標及び評価も会計基準ときちんとリンケージしていく。例えばセグメントの話につきましても、会計基準の見直しとリンケージして検討させていただいていますが、そのときに実際に会計基準のほうでは行コスのほうもあわせて改善という流れで組み込まれております。そういったことを踏まえまして、この点においても可能な限り、いまひとつはインプット、アウトプット情報のところでどこまでできるかということを書いていただいて、その検討に資したいということがあります。
 あと、やはり行コスというものは将来的に引き続き行政サービスを実施する主体として独法が適切かどうかという狙いが大きなところでございますから、そういったところの検討に資したいという意味で書かせていただいております。
 今、全体の中での位置づけというところは御指摘のとおりですので、そこのところは検討させていただくということにさせていただきたいと思います。
○宮内分科会長 ほかにございますでしょうか。
○石田委員 今のことに関連して、これから会計基準を再検討するということですが、もし行政サービス実施コストをお書きになるのでしたら、一本だと逆にミスリードしてしまうと思います。その中には先ほどおっしゃった機会費用もあるし損益外減価償却費も損益外減損もあるので、内訳を分けて示したほうがわかりやすくなるような気がします。
○坂井企画官 ちょっとまだ具体的に今後検討という話ですので、先生の御意見を御参考にさせていただきたいと思います。
○宮内分科会長 ほかにございますか。
○木村臨時委員 今さらながら、資料1の目標の指針なのですが、10ページ以下で国立研究開発法人の目標について、これは今日の前段の議論で出てきたので、その追加と申しますか、延長で申し上げますと、10ページの1の中長期目標の策定の目的等の中では、まさに研究開発の成果の最大化ということがうたわれていて、11ページの2では国の政策体系の関係ということで、2のほうは3類型共通ということだと思うのですが、こう書かれると、1の研究成果の最大化ということが国の政策体系と独立した裸の研究成果と見られかねない感じがいたしますので、1と2の関係を明示していただいたほうがよろしいのではないかということが私の印象でございます。
 場合によっては、1と2を入れかえたほうがいいのかもしれないという印象を持っております。
 さらにいえば、15ページの6の直前の(3)で研究開発以外の事務・事業、これは恐らく産総研などで行政事務の一環を担っているようなものが含まれているのだと思うのですが、私のイメージとしては、そういった行政事務、研究開発以外の事務についても研究開発の成果がうまく反映させられるような仕組みになるのが好ましいと思っておりますので、その辺のリンケージも示したほうがいいのではないかという感じがしております。
 ただ、そうなると評価軸がますます混乱するという問題もあると思いますので、そこまで欲張りはしませんけれども、あくまでも国の政策とか行政事務との関連でこういった研究開発が動いているのだということは、何らかのメッセージとして示したほうがいいのではないかということが意見でございます。
○讃岐審議官 今の最初の点、まさに研究開発成果の最大化というものをどのように位置づけるのかということについて、それ自体が独立して国の政策目標を飛び越えてそれだけということではないというところは、私どもも十分意識しなければいけないということで、実際に1の中長期目標の策定というところに大きな枠組みとしてはめているということなのですが、これは独法通則法を改正するときからの議論ということで、大きな枠組みとして独法制度の理念、効率的はもちろん入りますし、効果的というのは政策を国の政策目的を効果的に実現する。こういう独立行政法人の業務運営の理念のもとに研究開発成果の最大化というものが位置づけられるのだというところを大きな枠をはめておくということを意識して書いたところであります。
 その実現のやり方として、2以下の政策体系においてしっかりミッションとの関係を明記させていくという位置づけで書いてきているところでございます。
○木村臨時委員 ですので、効率的とか効果的とか裸で書いていると、政策とは切り離して何でもできるのだと、効率的な研究成果の最大化であれば何でも許されるのだと読めないかという懸念です。
○讃岐審議官 改めて文章をよく精査してみたいと思います。
○岡本臨時委員 資料2の59ページの評価の活用のところなのですけれども、今日の御説明でD評価をつけられた場合に主務大臣が見直しということを明記された理由は、何が前回から変わったのですか。
○竹中管理官 これは外部からDをとった場合にどうなるのかをきちんと明記してほしいということを言われまして。
○岡本臨時委員 いい場合の評価もあるわけです。いい場合の評価、これは繰り返しになるのであえて今日は申し上げないつもりだったのですけれども、いい場合にどうするかということを書かないで悪い場合だけを書くということは、今までの行革の流れの延長線ではわかりますけれども、それで果たして評価というものがシステムとして活用うまく回るかということは非常に懸念を持つわけです。
 今回はうまく評価というものを回していこうと、おっしゃったように効果的、効率的なという経営に結びつけていこうということだったら、繰り返し申し上げますけれども、経営資源の配分につなげていかなくてはいけないということです。それは予算のことは繰り返し申し上げしましたけれども、それはあくまでも予算要求への反映というところでとどまってしまうのです。主務大臣を縛るのだったら財務大臣も縛ってくださいと、そう思うのです。
 やはり評価というものは悪い場合もあるかもしれないけれども、いい場合にどうするかということも書かなくてはいけないわけで、前から申し上げますように、議論の出発点としては上に行くわけで、絶対にSをとったら予算を上げろといっているわけではなくて、予算の議論はそこから始めるということが重要だと思っているわけです。それで下げていくのは説明責任の問題ですからなぜ下げるかという議論をすればいいのであって、主務大臣が予算要求にとどまっている限り何も変わらないように思うのです。
 そこでバランスの問題があると思います。悪いほうだけ書くというのは果たしてどうなのか。これは行革のぎりぎりのところで、ずっと削りに削って行革やってきて、そういう限度が来ているのではないかと思うのです。システムの考え方を変えない限り、いかに精緻な評価システムをつくっても、評価制度が精緻になっても結局それが経営資源の配分につながらないのだったら、何のための評価なのだという議論がまた出てくると思いますので、ちょっとむなしく思いますけれども、何とかならないものかと思います。
○坂井企画官 お答えになっているかどうかわかりませんが、基本的に今回の目標及び評価の指針の大きく違うところは、先生がおっしゃったような法人に対するモチベーションを高めるという仕掛けをいろいろなところでさせていただいております。それが目標の立て方についてもチャレンジングな目標についてはきちんと評価するという形にさせていただいていますし、評価のところで、目標の立て方もそういうものを認めております。
 また、難易度、重要度ということで法人の努力というものを基本的に認めるという哲学で基本的に設計させていただいて、実際にそのアウトプットのところで予算にどう反映させるかというところにつきましては、少なくともこのフェーズの中では恐らく指針で言えるのは59ページの(2)、先ほど問題だとおっしゃった(3)の上に予算要求ということで、きちんと要求段階で主務大臣が責任を持って反映していただくということを岡本先生の御指摘も踏まえてビルドインさせていただいています。
 これにつきましては、前回お答えしましたとおり、主計にもきちんと御了解いただいていまして、当然主計のほうはコストカットという方向での御意見だったのですが、Sについてはきちんと加味するということも重々御了解をいただいたところです。そういう哲学で組み込ませていただいております。あくまで予算要求ベースというところでここまでは書かせていただいたということで御理解いただきたいと思います。
○岡本臨時委員 前回は理解したつもりなのです。でも(3)が入ってしまうと下に行く方向だけではないですか。
○竹中管理官 Sの書き方の問題ですね。
○岡本臨時委員 よろしくお願いします。
○宮内分科会長 そろそろ時間にしたいのですけれども、ございますか。
 それでは、次に「研究開発に係る事務及び事業に関する目標・評価軸・指標」及び「研究開発に係る事務及び事業に関する評定の具体例について」、事務局から説明をお願いいたします。
○竹中管理官 資料5をごらんください。あわせて資料1をごらんいただければと存じます。
 資料1でいいますと、13ページの5「研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上に関する事項」における目標の立て方ということで、1枚めくっていただいて、目標の中で評価軸の設定ということと、15ページに評価軸と関連する指標の設定ということで書かせてもらっておりますが、これの考え方について若干評価軸というものがなじみが余りないものですから、整理したものを書かせてもらっております。
 目標の立て方ですけれども、左のほうから主務大臣はできるだけアウトカムと関連させた目標を設定します。具体的にはいろいろ目標の立て方はあると思いますが、具体的な達成水準を定めるものとか、課題解決のアウトカム創出への貢献を目指す目標であるとか、ハイリスク・ハイリターンに挑戦するような目標、新たな領域開発等目指すべき方向性を示すような目標、橋渡し研究について資金受け入れを示すような目標。それぞれの研究開発の特性に応じて目標を設定するわけですが、その中で目標設定の際に目標ごとにあらかじめ評価軸を提示することになります。
 評価軸の考え方については、先般総合科学技術・イノベーション会議のほうから答申がありました評価軸の例として、この下のような成果創出の観点からの評価軸であるとか業務運営の観点からの評価軸だとか、こればかりではないと思いますが、評価軸がさまざまなものが目標ごとに作成されることになろうと存じます。
 それに従いまして、関連する評価軸に関連した各種の評価指標を設定することになりますが、指標を設定するときには右のほうですが、★のようなことを勘案して指標を設定することになると存じます。そのことが資料1の15ページの6のところに書いてあるようなことでございます。
 参考までに2枚目のほうで総合科学技術会議が作成したイメージもあわせて載せておりますが、これをもとに総合科学技術会議と相談いたしまして、目標と評価軸と指標の関係はこのようになるのかということで、資料を作成させていただいております。
 次でございます。資料6をごらんください。あわせて資料2の評価の指針の31ページをごらんいただければと存じます。
 31ページ、研究開発法人の年度評価の項目別評定ということでまだ調整中でございますが、今、申し上げましたように目標を設定する際に評価軸をあらかじめ設定して、それをもとに評価軸で評価していくのだということでございます。
 それらの評価軸で得た評価を総合的に評価し、その結果を評定に反映することとなります。それが32ページのiiの3つ目に書いております。評価軸を用いて総合的に評価した結果を評定に反映するということでございます。
 そこで評価軸ごとに評価する場合に目安となるものを作成したものが資料6でございます。
 評価軸はいろいろありますので、具体例として書かせてもらっておりますが、科学的・技術的観点、社会的・経済的観点だとか国際的観点、時間的その他マネジメント等の観点から書かせてもらっております。
 5段階で評価するということでございますので、それぞれの評価軸ごとに5段階で書かせてもらっております。5段階のうちの特にS、最上級がわかればその下、A、B、C、Dについて仕切りができるのではないかということで、Sについて具体的な意味づけを書かせてもらっております。
 例えば科学的・技術的観点からでございますと、Sで他に先駆けて、これまで実現できていなかった何とかのメカニズムの解明だとか、何とかの形成であるとかなどが成功しました。この結果、実用化に向けて世界で初めて突破口を開いたとか、そういう成果を得られて、これにより当該分野で従前の考え方の延長線では捉えられないブレークスルーをもたらす発展があったとか、そのようにしております。
 Aでは、新たな意義ある発見・知見が得られたとか、Bでは着実に研究が進展しているとかになります。
 社会的・経済的観点とかも同様に、一番最初のSのほうで特に他に先駆けて、これまで実現していなかった成果がありまして、この結果、何かに大きく貢献する。これにより技術開発の成功が従前状況から飛躍的な社会的・経済的に意義ある成果をもたらしたと認められるという形で、それぞれそれに従ってAではそれよりは低いという形で書かせてもらっております。
 この評価軸、先ほども申しましたが、評価軸をもとに総合的にそれぞれの目標において評価軸を定めるわけですが、評価軸ごとにウエートづけがされまして、そこでそれぞれの評価軸を評価して総合的に評価することになりますが、軸に評価について、このようなイメージで一応つくらせてもらっています。
 以上でございます。
○宮内分科会長 ただいまの説明について、御意見、御質問などありましたら、どなたからでも御発言願います。
 どうぞ。
○森泉委員 資料6のSとAに関して、もうちょっと精査していただきたいと思ったのですけれども、新たな意義のある発見というのは、私はSより場合によっては超えてしまうようなことがあるのではないか。例えば適切かどうかわからないのですが、超電導を発見した。それがAにあって、Sで超電導の温度を上げていくということがSに対応するとすれば、新たな意義のある発見というものはSに入る場合が多々あるのではないかと思いました。
 ですから、Aの表現をもう少しSとA、非常に難しい区分けだと思うのですけれども、そこら辺はもうちょっとお考えがいただけたらということです。
○河井臨時委員 今の森泉先生とも関連するのですけれども、Sのところはいつもこれによりという結果だけでSというイメージが、科学的・技術的観点と社会的・経済的観点で出てくるのですけれども、今、森泉先生がおっしゃったように成果が確実に出なくてもすばらしいアイデアみたいなものもあるわけですね。結果をどこまで求めるのかというと、後半だと国際的観点、時間的観点には余りこれによりというものがないので、この辺の統一感というものはお考えいただいたほうがいいのかと思いました。
○宮内分科会長 大体よろしいでしょうか。
 目標及び評価に関する指針案につきましては、本日までの議論を踏まえ、次回の分科会で意見案の取りまとめを行う予定です。
 最後に事務局から報告事項がございます。
○竹中管理官 次回の分科会の日程でございますが、8月28日の10時からを予定しております。追ってまた場所等については御連絡したいと存じます。よろしくお願いいたします。
○宮内分科会長 それでは、以上を持ちまして「政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会」を終了いたします。
 本日は、御多忙の中御出席を賜りまして、ありがとうございました。

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