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政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会(平成26年8月28日)議事録

日時

平成26年8月28日(木)10時00分から11時30分まで

場所

中央合同庁舎第2号館8階 第1特別会議室

出席者

(委員)
宮内忍独立行政法人評価分科会長、梅里良正独立行政法人評価分科会長代理、石田晴美、森泉陽子の各委員、有信睦弘、大西昭郎、岡本義朗、工藤裕子、河野英子、齋藤真哉、瀬川浩司、園田智昭、宮本幸始、柳澤義一の各臨時委員
(総務省行政管理局)
上村進局長、讃岐建官房審議官、竹中一人管理官、深澤良光管理官、坂井憲一郎企画官、平野誠調査官

議題

議題:1 独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」に対する意見案の取りまとめについて
   2 平成26年度の事務・事業の見直し対象法人について
   3 その他

配付資料

資料1PDF   目標及び評価に関する指針(案)に対する一般の意見について
資料2−1PDF 独立行政法人の目標の策定に関する指針及び独立行政法人の評価に関する指針について(意見)(案)
資料2−2PDF 政策評価・独立行政法人評価委員会の審議における目標及び評価に関する指針(案)の主な修正内容及び修正理由について
資料3PDF   平成26年度の見直し対象法人一覧
資料4−1PDF 平成26年度末に中期目標期間が終了する12法人の概要
資料4−2PDF 平成26年度末に中期目標期間が終了する12法人の主な論点  
資料5PDF   会計基準について

会議経過

(宮内分科会長) 時間になりましたので、ただいまから政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を開会いたします。それでは審議に入ります。本日は最初に本年7月17日に総務大臣から諮問を受けました「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」について、意見案の取りまとめを行いたいと思います。それではまず「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」に対する一般の意見について、事務局から説明をお願いいたします。
(竹中管理官) はい。おはようございます。それでは説明いたします。まず資料1を御覧いただきたいと存じます。目標及び評価に関する指針に対する一般の意見について、いわゆるパブコメでございます。7月17日に政独委に諮問いたしました後に18日から1カ月間パブリックコメントを実施いたしました。その結果概要について御説明いたします。
 意見提出総数者は12件、12名と数えたほうがいいかと思いますが、ございました。意見は一人1件当たり複数の意見をいただいている場合もあり、延べ数として52件となっております。内訳といたしましては目標評価の指針全体に関するものが4件、目標の指針に関するものが25件、評価の指針に関するものが19件、その他4件として事務局で整理しております。
 意見の内容について若干御紹介したいと思います。ページを開いていただきまして、例えば、資料ですけれども右のほうに「No.」がふってありますので、そこを見つつ御紹介していきたいと思います。2番目、No.2のほうですが評価は第三者で行うべきとか、No.の20のほうになりますが研究開発法人の目標期間を10年まで認めるべきとか、41のほうで独立行政法人評価制度委員会と総合科学イノベーション会議の役割の明確化など、目標評価の指針以外の御意見もいただきました。
 22番のほうを見ていただきたいのですが、国立研究開発法人は民間企業の研究開発と何が違うのかを目指すのかといった理念についても事項も設けるようにすべきとの意見についていただきました。これは前回分科会で委員から御指摘があった国立研究開発法人の役割をまず明確にすべきとの意見と共通するものがあると考えております。当該意見を踏まえて目標の指針は修正したいと考えております。
 また37を御覧いただければと思います。予想し難い外部要因により業務が実施できなかった場合には評定において考慮するという記述について、この指針案について賛成を表明する意見もあったことを御紹介いたします。いただきました意見の取扱いについてですが、今後目標評価の指針が総務大臣決定された後に総務省のホームページに指針とともに総務省のコメントをホームページで公表することを予定しております。簡単ですが以上でございます。
(宮内分科会長) ありがとうございました。次に「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」につきましては、本日までの議論を踏まえ事務局に原案を取りまとめさせておりました。その内容について事務局から説明をお願いいたします。
(竹中管理官) はい。分科会で御審議いただきました目標評価の指針(案)の主な修正内容及び修正理由について御説明いたします。お手数ですが資料2−1と2−2を見比べながら、大きいクリップを外していただきまして2−1、2−2を見比べながら御説明いたしたいと存じます。
 小さなクリップであります独立行政法人の目標の策定に関する指針のほうから御説明いたしたいと存じます。クリップのほうでいきますと6ページのほうを御覧いただければと存じます。下線で引いてあるところが修正したところでございます。修正理由といたしまして、この場で議論になりましたが、主務大臣が設定する難易度等について国民に対する説明責任を果たすために判断理由を明記させるという御意見がございましたので、下線のように修正しております。
 10ページ目を御覧ください。10ページ目最初のほうに下線部がございます。国の政策体系の中で関係性を明確にしておかないと、国の政策と切り離して研究成果の最大化を目指すような誤解を与える恐れがあるという御指摘がございました。これは最初に「1中期目標の策定の目的等」で書いてありますが、「国の政策体系との関係について」が「2」となっていることから御指摘があったものでございます。またこの関係についてはパブリックコメントでも御指摘を受けておると理解しております。そのため1番中期目標の策定の目的というところで、赤字のように「国立研究開発法人は、科学技術イノベーション政策等の国の諸政策の実施機関として」という文言を入れさせてもらっております。
 15ページでございます。これも難易度の話でございます。難易度の設定について国民に対する説明責任を果たすため判断理由を明記すべきということで、ここにもその理由を書くように記載しております。
 資料2−2をめくっていただきまして17ページでございます。これは共管法人の取扱いについてでございます。複数の主務大臣が所管する国立研究開発法人の中長期目標の設定にあたって負担が過度にならないよう合理的な運用を図る必要があるということで、このように共管法人の取扱いについて書かせていただいております。
 20ページでございます。これも難易度の話でございまして、難易度が高いとした理由を明記するという内容でございます。
 22ページのほうでございます。7月25日に総務大臣決定いたしました「国の行政の業務改革に関する取組方針〜国民本位の行政の実現〜」において、独法についても国の行政機関の取組に準じて業務改革に取り組むよう要請しているところでございます。それを受けまして、独法においてもこの方針に掲げられた業務改革に取り組んでいく必要があるということで御紹介したと思います。そこについて触れております。
 23ページでございます。これも「共管法人の取り扱いについて」の記載でございます。同じく23ページでございますが、目標に関する指針について主務大臣の下でPDCAサイクルの実効性をより高める観点から、この指針についても不断の見直しを行っていく必要があるということで、「適示に本指針の見直しを行い、必要な変更を加える」という見直し規定を入れたものでございます。目標のほうの指針については以上でございます。
 続きまして評価のほうに移りたいと存じます。もう一方の独立行政法人の評価に関する指針を御覧いただきながら御説明をいたします。まず8ページでございます。これも先ほど申しましたように、総務大臣決定いたしました国の行政の業務改革に関する取組方針において独法についても国の行政機関の取組に準じて業務改革について取り組むよう要請しているということから、独法においても同方針に掲げられた業務改革に取り組んでいくということでこの文章を書かせてもらっております。これについては28ページ、31ページ、51ページ、それぞれ国立研究開発法人、行政執行法人のほうでも書かせてもらっているところでございます。
 続きまして21ページでございます。21ページ真ん中のほうでございますが、複数の主務大臣が所管する国立研究開発法人の中期目標の設定にあたっては過度な負担とならないように運営をするということから、審議会の役割についてそれぞれの審議会が分担し、全体に関する事項、共通して所管する事項については主務大臣間で協議して審議会を開催するということで書かせてもらっております。これは研究開発法人について審議会が置かれるということから、こういう規程を入れさせてもらっております。
 次に32ページ、33ページのほうを御覧いただければと思います。特にこの研究開発法人の評価の部分でございますが、特に分科会だとか、懇談会だとか、そのほかにも科学技術系の先生方を中心に意見を聞かせていただきました。32ページといいましたけど、ちょっと31ページから続く話でございますので1ページ戻っていただきまして31ページから若干御説明いたしたいと存じます。
 ここで7の(1)の「S」のところでございますが、「特に顕著な成果の創出や将来的な特別な成果の創出の期待等が認められる」場合にはSを付けるということを書いております。これは総合科学技術会議の答申を受けて評価についてこのような評価の役割を書かせてもらっておりますが、この分科会の議論の中でその判断の目安をわかりやすくする観点から具体例を示す必要があるということでございまして、32ページから続くように修正をしていただいております。
 若干述べさせていただきます。「評定は、それぞれの研究段階、研究特性、研究方法等に応じて、目標策定時に多角的に設定された評価軸に関して必要に応じて重み付けを行い、外部の専門的な知見・見識も踏まえて総合的な勘案により行うものであるが、その際、どのような理由で何に重み付けを行い、それを踏まえてどのような判断により評定に至ったのかの理由を、わかりやすい形で目標の内容に応じて定量的・定性的な観点から明確に記述する」と。ポツでございまして、「評定区分は上記(1)iアのとおりであるが、具体的には」ということで評価軸の話でございますが、例えば、「成果・取組の科学的意義(独創性・革新性・先進性・発展性等)」に関する評価軸の場合であれば、最上級のS評定としては、特に顕著な意義判断されるものとして、例えば「世界で初めての成果や従来の概念を覆す成果などによる当該分野でのブレイクスルー、画期性をもたらすもの」、「世界最高の水準の達成」など。
 以下3行、経済活動の活性化・高度化への貢献に関する評価軸の場合でありますとか、社会的価値への創出の貢献に関する評価軸でありますとか、「「マネジメント」や「人材育成」に関する評価軸」のそれぞれについて、どのような場合がSであるかを記載させていただいております。
 またA評定の判断として、Sには至らないが「成果の発見による相当程度の意義、成果、貢献」が認められる場合。B評定については「成果等の創出に向けた着実な進展」がある場合。Cについては一層の工夫・改善の必要が。Dの判断として抜本的見直しを含めた特段の工夫・改善の必要が認められるということでございます。
 なお、年度評価においては、例えば成果創出に向けた進捗の早期化や成果実現の確度の向上などが明らかになった場合、これを加味した評定を行うことに留意するということで、研究の途中段階でも年度評価を行うということでございますので、当分科会でも研究の途中段階での評価ということが議論になりましたが、そこについても触れさせていただいております。
 資料2−2の7ページ目を御覧いただければと思います。指針の分厚い資料でいきますと61ページでございます。S評定を付した場合の主務大臣の対応でございます。法人のインセンティブを高めるためにS評定を付した場合に主務大臣が取るべき措置を明確にするということで、S評定を付した場合は「予算要求において法人の業務経費に重点的に配分する等、法人のインセンティブを高めるよう努めるものとする」ということで記載させてもらっております。
 続きまして61ページの(3)のほうでございますが、D評定を付した場合には主務大臣が法人に対して取るべき措置を明確にすると。前回の分科会ではこのDのところについて書かせてもらっておりましたが、Sのほうについては、このDの記述を受けて御指摘を踏まえて書いておるものでございます。ちょっと説明が前後いたしますが、Dを評定した場合に「業務の廃止を含めた抜本的な見直しを命ずるものとする」ということで書かせてもらっております。
 63ページを御覧ください。63ページ「5」のところでございますが、これは見直し規程を置かせてもらっております。これは目標の指針と同様に不断に見直しを行っていく必要があるということで「適示に本指針の見直しを行い、必要な変更を加えるものとする」ということで記載しております。
 指針については以上でございますが、様式のほうについても前回の指摘を踏まえて直しております。以上でございます。
(宮内分科会長) ありがとうございました。これまでの説明について御意見、御質問などありましたら、どなたからでも御発言お願いいたします。
(柳澤臨時委員) すいません。いいですか。
(宮内分科会長) はい、どうぞ。
(柳澤臨時委員) はい、柳澤です。些末なちょっと確認だけなのですけど、資料2−2のところで「重要度、優先度及び難易度」という言葉がいろいろ出てくるのですが、その資料2−2の1ページのナンバー3の15ページになりますと「重要度等」という言葉になっているのですけど、この「重要度等」という言葉と、ここで使われている「重要度、優先度及び難易度」が高いという並びと同じ意味で使っているのか、内容が違うか等を確認したいというのが、まずそれ1点です。
 それからもう一つは同じ資料2−2で4ページですけども、4ページの10番で21ページとあって、右側の修正理由、これは単なる間違いだと思うのですが、2行目に「中期目標の設定に当たっては」という言葉が入っているのですけど、これは評価の問題で、ここは「中期目標の設定に当たっては、その負担が」っていうふうになっているのですけど、これは多分修正理由の間違いなのか、評価の目標の設定にあたってという言葉が正しいんだったら、それはちょっと評価に関する問題だとちょっとどうなのかなっていうとこで、ここは目標の設定のところをただコピペしてきているんじゃないかなというので、ちょっとここは文言がどうかなと。
 それからすいません。もう1点だけです。あとそのすぐ下に11番にこれもワーディングの些末な話で申し訳ないのですが、3行目に「重み付け」という言葉が出てきます。「重み付け」という意味合いは、この中では設定区分のことを意味しているということでよろしいのでしょうか。ちょっと「重み付け」っていう言葉はあんまりこう一般的に私の範囲では余り普段聞かないので、これはここでいう設定区分の話のことなのか。そんなところです。
(坂井企画官) それでは事務局からお答えします。まず1点目の先生御指摘の重要度、優先度、難易度と「重要度等」との表記につきましては、基本的には同じ意味合いで使っております。ただ念のため申し上げますと、目標のときは重要度、優先度、難易度なのでございますが、評価のときは恐らく優先度っていうのは、この言語の中身で決まるというよりも外的要因で決まるものですから、そこは一応含めておりません。
 続きまして2点目の御指摘の部分でございます。これにつきましては、ちょっとすみません。事務局としてそこの部分は、きちんと先生御指摘のとおりでございまして、評価の部分で設定にあたってとしている部分はおかしゅうございますので、修正理由については少し修正させていただきます。
 3点目の「重み付け」でございますけれども、「重み付け」という用語につきましては、これまで国立研究開発法人に関しましては、内閣府の総合科学イノベーション会議事務局と調整させていただいたところは前回説明のとおりでございます。その中でやはり先方のほうで安倍総理を筆頭とした会議の中で答申した重み付けっていうものにつきまして、評価軸の中できちんと書き込んでございます。先方の意向としてはできるだけこの考え方を踏襲して書き込んでいただきたいという要請がありましたので、当方の用語の中で重み付けという用語はちょっとこなれないっていうか、不慣れな言葉でございますが、そういう趣旨を踏まえましてこの「重み付け」というのを書かせていただいております。
(柳澤臨時委員) ありがとうございます。
(宮内分科会長) ほかにございます。どうぞ。
(瀬川臨時委員) 評価に関する指針の31ページからの部分なんですが、13ページと見比べながら少しお話をさせていただきたいと思います。S、A、B、C評価のところで国立の研究開発法人のS評価について、「特別な成果の創出の期待等が認められる」というふうに「期待」というのが入っているんです。通常S評価というのは、やはり例えば13ページにありますとおり、顕著な成果が既に得られているというところがまず必須ではなかろうかと思います。こちらの31ページを拝見すると、SとAについていずれも将来的な成果の「期待等が認められる」ということで、この部分は若干S評価としては甘いんじゃないかと。具体的にいうとS評価の「期待等」の「期待」というのは削除すべきではないかと思います。
 それから同じく今度は1ページめくっていただいて32ページなんですけれども、ここはちょっと文言の間違いかなと思うんですが、C評価、D評価のところで特にCなんですけれども「より一層の工夫、改善等が期待される」というふうに書いてあるんですが、通常C評価ですと例えば13ページにありますとおり「改善を要求する」が妥当です。むしろCの評価なので、ここの部分がむしろ「より一層の工夫、改善等が求められる」であるとか、「必要とされる」といった書きぶりにならないと整合性がないんじゃないか。この2点よろしくお願いします。
(坂井企画官) 事務局からお答えいたします。1点目のS評定、31ページの「期待等が認められる」のほうでございますが、これにつきましては基本的に昨年末の閣議決定、独立行政法人改革等に関する基本的な方針の閣議決定におきましても、国立研発におきましては、研究成果の最大化が見込まれる等々、ある程度の時間軸を幅広く取って記載されております。それを踏まえまして総合科学イノベーション会議におきましても議論の中で評定の仕方としてある一定の期間だけではなくて、将来的に見込まれるものを含めて評定するというようなスキームについて一応答申が得られております。
 当方といたしましては基本的にその考え方を一応踏まえた上で、その上でただそうなりますとかなり時間軸でぶれが生じますので、できるだけ先ほど管理官が説明されたとおり、具体的な例示で縛りをかけるという方向で記載させていただいているということでございます。
(瀬川臨時委員) そこの部分は非常に評価の際に混乱、あるいは難しい事態を引き起こすのではないかと思います。具体的には例えばS、Aのこの文章を読まれて、委員の先生方皆さんははっきりこの違いで、線が引けるかどうかということにあると思うんですね。その具体的な事例というのは何ページですか。
(坂井企画官) 32ページになります。これは中期目標管理法人の場合もそうでございますが、具体的に評語、評定を決めた上で、それが具体的に当てはめのときに混乱が生じないように目安としていろいろな例示を示させていただいております。
 同様に国立研発につきましても、評定につきましては先ほどの事務局と調整の上でこのような形で具体的に当てはめに混乱が生じないように、取り分けSとAの間に混乱が生じないように、Sはかなり明確に書き込むと。Aにつきましては、Sに当てはまらないものを適用するというような形で整理させていただいているところでございます。
(瀬川臨時委員) 具体的な事例で縛るということなのですけれども、研究開発法人の研究業務のスペクトルの幅が非常に広いので、分野ごとによってどれが実際にSと認められて、どれがAになるのかというところの違いや線引きが非常に難しくなるのではと危惧しています。
(坂井企画官) そこは当方でも総科の事務局と調整させていただくときに結構議論したところでございまして、まさにこの評価軸というのはこの評価の際に突然出てくるものではございませんで、目標を設定する際に評価軸をあらかじめ想定して目標を設定していくと。それは当然成果の部分も時間軸も含めて主務大臣が法人と相談されて決めていかれるので、当方の理解としてはそこのところの混乱はあまり生じないのではないかというふうに理解しております。
(瀬川臨時委員) これは恐らく何年か運用して見直しの際にきちんと検証しないといけないと思います。ここの場であらかじめ強調しておきたいと思うのですけれども、やっぱり実際の評価の段階で非常に線引きが難しいような事態が起こったときには、ここの文案も含めてきちんと見直すことを考えた上で、具体的な事例を積み上げて評価に混乱が起きないようにしていただければと思います。
 もう1点、後半の部分でC評価について「改善等が期待される」というのは、これは文言の間違いじゃないかと思うのですが、そちらはいかがですか。
(坂井企画官) そこはちょっと確認させていただきますが、この部分についても調整させていただいているつもりなのですが。
(瀬川臨時委員) 日本語としてもおかしいと思いますけれども。Cのところがですね。
(讃岐審議官) ちょっと補足いたします。今のA、B、Cのところで書いているものは実は7月17日に総合科学技術・イノベーション会議から答申を受けた、今日ちょっと席上にはお配りしていないのですけれども、それをそのまま引き写したものでございます。したがいまして今瀬川先生が御指摘になったC評定については、その答申の中では一層の工夫、改善等が期待されるというですね。
(瀬川臨時委員) それは、もし総合科学技術・イノベーション会議が間違っているなら、やはりそちらについてこちらは指摘するべきでは。
(讃岐審議官) そこを私どものほうでこの文言を尊重しつつ、一方で33ページのほうを御覧いただきたいと思うのですけれども、この「期待」というのは当然その前提として33ページの下から6行目、7行目ぐらい、「C評定の判断として」という私どものほうとして想定されるものとして「一層の工夫・改善の必要性」、少し飛ばして、「が認められる場合を想定」していますと。こういうふうに例示のほうでより具体的にというか、書かせていただいているということでございます。
 改めましてこれも先ほど瀬川先生御指摘のとおり、今後の様々な実績などを踏まえながらよくよく見直していくということが必要かなというふうには思いますけれども、当面このような言葉で全体のA、B、Cについては総科のほうの言葉をそのまま尊重し、その具体的な評価の運用にあたってできるだけ混乱が生じないようにということで、ここで様々な例示、S評定から始まっている例示を書かせていただきましたので、それに沿って運用ということを考えて、また必要に応じて実績を踏まえて見直しをしていく、こういうことかというふうに考えているところです。
(宮内分科会長) よろしいでしょうか。
(瀬川臨時委員) はい。
(宮内分科会長) ほかに何かございますでしょうか。
(梅里委員) はい。よろしいですか。
(宮内分科会長) はい。
(梅里委員) 今の瀬川委員の意見に対して、私も一応賛同を表明してみたいと思います。「創出の期待等が認められる」という表現にした場合、うまくいけば世界の最高水準が達成できるかもしれないというものは全てS評価になりますよね。失敗しましたとか、うまくいきませんでしたというものも。だからその「期待」を入れることによってすごくSの幅が広がるという気がしますので、私もやはり成果が出たときにS評価という委員の意見に賛成を表明しておきたいと思います。以上です。
(宮内分科会長) ほかに。岡本先生。
(岡本臨時委員) 私は総科のほうの会議に出ていたのでちょっと発言がしづらいのですけど、ここはそれほど瀬川先生が御心配されているような観点からの議論が行われたというわけではなかったというのを、正直に認めなきゃいけないかなと思います。
 他方で今日御指摘の成果が出ていない段階で、じゃあ期待の段階で高い評定を与えるべきなのかどうかっていうのは、むしろ科学技術をやっていらっしゃる方々がどういうふうに受け止められるかというところをむしろお聞きしたいかなと。確かに評価をするという立場から辛いというか、厳しいという御指摘は私も賛同するところなのですけれども、他方で、じゃあ評価の段階で何も出ていない段階でSにならないということがどうなのかということは、すいません。いつも有信先生にお伺いしちゃうのですけど、いかがでしょうか。
(有信委員) 御心配もごもっともだと思うんですけれども、特に研究開発評価とか、科学技術の成果評価に関しては、評価者の見識だとか知識によるとこがかなり多くなるわけですね。そこの部分がなければ、単純に基準だけで切り分けられるとすると評価者はいらないというぐらいの感じになってしまうものですから、そこのところで研究成果のある意味での期待っていうか、ここまできて「期待」といういい方は非常に難しいのですけど、エビデンスは必ず出ているんですね。このエビデンスが本当に将来的にどの程度のものに結び付くかというところの判断まで含めて、S、Aという評価をすることは可能だと思う。
 逆にいうと、評価のときのそこで上がっている研究の成果、あるいは科学技術の成果っていうのは当然エビデンスがあるのだけども、そのエビデンスだけで全てをはかると、実質的に大きく育つものと、そこで終わりになるものとの区別が実はあるので、そこのところの評価を許容しましょうという意味だと私は理解しています。それは、いわば評価者の責任として果たすべきことだろうと思っています。
(宮内分科会長) よろしいですか。かなり微妙な問題であることは門外漢の私でも感じられるところなのですが。
(園田委員) ちょっといいですか。
(宮内分科会長) はい。
(園田委員) 今のところに関して,具体的な評価の仕方について伺いたいです。ある期に特に顕著な成果の創出の期待が認められてS評価にしたとしますよね。次の期に同じ状況だった場合には何評価になるのでしょう。それから、その次の期に成果が具体的になった場合にはまたS評価になる、そういうことでいいのですか。
(讃岐審議官) その際、なかなか評価の実態ということをどう捉えるのかということだと思います。ちょっと改めて31ページから33ページまで全体で捉えていただければと思うのですけれども、S評定のところ、確かにこれは総合科学技術・イノベーション会議のほうで「将来的な特別な成果の創出に期待等」も含めてということで、これはこれまでの研究開発法人の議論の中で評定というものを、もちろん実績もというのは当然のことなのですが、将来を見越したものも含めて評価する必要があろう。こういうずっと長く議論していたこと、これを反映してきているということ。
 ただ一方で確かに有信先生おっしゃったように、単なる漠然とした期待ではなく、やはり何かがあって、それが将来どういう成果に結び付くのかという具体的な成果に、何かの発見などがあったとして、それが将来どういう意義を持つのかというようなところを、これについては様々な不確定なものがあるけれども、そこをどう評価するのか。将来を見越したところまで含めて評価していかないといけないじゃないかと。こういう考え方であるというふうに、私も理解しております。
 さてそれで今御意見で、ある期にSであってということは、いろんなケースがあると思いますけれども、今のイメージだとある期に達成されたものがSであるならば、それはそこの達成で終わるのだと思いますし、それが引き続き更に進展を遂げていくということであれば、更にまた別のステージでの評価、評定というものになってくるでしょうし、後々それが全然違う全くマイナスの成果をもたらすようなことになれば、その時点でまたそこの実績の評価というのは変わってくる。
 上下っていうものはあり得るのだろうと思いますし、よくよくいろいろな状況に応じて代わってくるものだと思いますし、評価結果についてはこの委員会でも、今後新しくなる評価制度委員会でも必要な場合には意見を述べるということはできますし、またこの評定の基準というものも今全く新しく作ったものでありますけれども、必要に応じて見直すという最終的に最後のクローズを入れておりますので、皆様、先生方の御意見を聞きながら、実効性のある評価ということを考えていくと、こういうことかなと考えています。
(宮内分科会長) よろしいでしょうか。今の皆さんのご意見を伺っている中で、やはり「期待等」の問題については有信委員の言われるように、評価者の力量の問題が必ず付いてまわるということでもあろうかと思いますし、またそれが有効に機能しない。全部この期待の中で全てが解決されていくような実態があるようであれば、こちらのほうからもメッセージを出すというような心づもりを持った上で、これを解釈していってもらいたいというふうに考えているということだけは付言させていただいて、一応これは、文章はこのままで飲むということでよろしいでしょうか。
(森泉委員) 私はこの期待が認められるというのを取ってしまのは逆に反対です。例えばiPS細胞の山中先生が確か助成金をいただいたときもその成果は確立していたわけではないと聞いています。確立していたものが得られたら、そこでもう研究としては一応目途が立ったっていうことで、その次の段階だと思うのです。
 ですからそこはやはり有信先生がおっしゃったように評価委員の方の力量でもあるのですけれども、もうすでにできているものではないという気がします。ですから期待というのがすごく幅広く取られてしまうのであれば、成果の創出が見込まれるとか、そういう表現にすればよいのではないかと思います。期待されるというのはむしろAなのかもしれないという気がいたしますが、既に成果もこの段階で得られるというふうに考えるのは余りにも硬直的だろうというふうには思います。以上です。
(瀬川臨時委員) 申し訳ないです。またよろしいですか。
(宮内分科会長) はい、どうぞ。
(瀬川臨時委員) 大変誤解があると思うのですけど、私は研究者でございますので、その立場から申し上げますと個別のプロジェクトの研究評価と組織の研究評価は違うのですね。ここはよろしいですか。要するに個別の、例えば山中先生のiPSの評価は将来的に伸びる可能性があって、これは国としてもサポートしなければいけないし、こういうところは期待感に非常に大きなウェイトがあって私は構わないと思うのですね。今のこれはそうじゃなくて、機関全体の評価の話をしています。その評価が期待感でいいのかっていうのを私は議論をしているので、少しそのところを整理いただければと思います。
(宮内分科会長) いかがでしょう。有信委員どうぞ。
(有信委員) いや、確かに非常に難しい問題だと思います。つまり現在まだ議論が続いている、いわゆる特定研究開発法人の問題もあります。実は総合開発イノベーション会議の議論は、そこは多分まだごっちゃになったまま議論されているのだと思うのです。それで一番先端的なものを包含するような形で、こういう基準が示されてきているというふうに理解をしています。
 ですから委員長が言われたように、一応この形で具体的な評価の進め方を見ながら、それを必要であれば修正していくという形を取らざるを得ないのではないかと思います。つまり特定研究開発法人のような位置付けのものと、それからいわゆる研究開発法人の位置付けと、その評価をどこで区切るかっていうようなことが実は明確になっていないわけですよね、今のところ。したがって、できるだけ、包含的な可能性を持った形にしておいて評価の段階でそれぞれのミッションに基づいてきちんと評価をしていく。こういうやり方を当面は取らざるを得ないような気がしています。これは感想ですが。
(讃岐審議官) 改めて昨年の末に政府として研究開発法人をどうするのかとしたときの閣議決定、それに関連する部分をそのまま読ませていただきますと、業績評価についても過去の活動の達成度評価のみでなく、そこまでの成果が更に将来どのような成果に結び付くのかという将来を見越した評価とするなど、必ずしも定量的実績にとらわれない評価も可能であることを明示する。こういうことがございました。これを踏まえて、この今のような表現になっているということでございます。
 この評価というのは、年度におけるいわば研究ユニットみたいなところの全体のパフォーマンス自体をどのように評価するか、そこで出てきたものを将来どのような成果に結び付くのかというようなところについても視野に入れて評価をするという、そういうことを見込んで将来を見越した評価ということを、この独法の業務の評価としてもしっかりと考える必要があるのではないかと。こういう前提かと思います。なので、そういう前提で、このように書いているということで御理解いただきたいという。
(瀬川臨時委員) 誤解のないようにさらに申し上げておきますけど、私も研究者の一人としてもちろん将来性を伸ばすっていうのは、これ非常に大事なことだと思っております。これは是非やっていただきたい。その意味で、先ほどの総科の文言っていうのは私も同意するところでありますけれども、例えば具体的に産総研、あるいは理研のような非常に巨大な組織で、生物もやっていれば物理もやっている、科学もやっている、ほかのいろんな材料もやっているようなところで、これを全体として評価するときの指標が、これで本当にいいのですか。
(讃岐審議官) すいません。そこは、全体の評価はそれぞれの研究ユニット、それぞれの評価と、それからマネジメントを、全体を見て改めて総合的な評定というのを、それぞれの評定と、それから全体状況を見て総合的な評定というのをまた別途いたしますので、ここに書いてあるのは、あくまでも個別のいわば研究ユニットごとを想定とした評定であるというふうに御理解いただければ。
(瀬川臨時委員) わかりました、はい。
(宮内分科会長) それでは大体御議論も尽くされたと思いますので、よろしいでしょうか。
(坂井企画官) すいません。分科会長よろしいでしょうか。
(宮内分科会長) はい。
(坂井企画官) ちょっと1点。前回の分科会の宿題を事務局から御報告させていただけたらと思います。
(宮内分科会長) はい。
(坂井企画官) 一つといたしましては、一番後ろに「席上配布」というものを付けさせていただいております。これは前回7月の31日の分科会におきまして行政サービス実施コスト計算書に関して、数点、先生方から御質問をいただいたもののうち、そのときの会議の中で事務局として検討させていただくということをお答えした2点につきまして、検討結果を一応御説明させていただくという趣旨でございます。4枚程度の紙ですが、御確認いただけましたでしょうか。
 まず1枚目ですが、2点、宮内分科会長と石田委員から出ております。宮内分科会長の御趣旨は、要すれば損益計算書、PLベースの数字とセグメントに割り振られた金額との間の整合性というのを確保するにはどう判断するのかについてちょっと配慮いただきたいという御趣旨でございました。
 それともう一つ、石田委員ですが、これは様式上の行政コストの1行で書き込むこと関しまして、行コス自体がかなり詳細に機会費用等々いろいろございますので、そこまで書き込まれたらどうかという御提案でございました。
 それにつきまして持ち帰りまして事務局で検討した結果でございますが、3ページを御覧いただきたいと思います。これ、3ページはまだ「調整中」ということでお示ししておりますが、御案内のとおり今行政管理局、主計局等におきまして独立行政法人会計基準の改訂作業を行っているところでございます。現段階における検討案というものを一応付けさせていただいております。
 セグメントに関しましては現行の会計基準「Q&A79−2」というところがございまして、これはQ&Aっていうのは管理局と主計局と公認会計士協会さんの三者で一応策定しているものなのですが、セグメント情報の開示様式の記載例っていうものを作っております。この御覧いただいている表の欄では、今の現行案っていうのは赤、PL情報と書いている部分ですけれども、そこまでのうちその赤の部分を除いた「臨時損益」を除いたものまでをセグメントの開示情報として提示させていただいています。
 それを今回の検討の中ではPL情報としては「臨時損益」に加えまして、今懸案となっております行政コスト情報につきましてもローマ数字IIIでございますが、同じ下の赤でございますが「行政サービス実施コスト」ということで付けさせていただく。
 したがいまして、こういう形でセグメント情報拡充を図る方向を検討しておりますので、基本的には宮内分科会長が御懸念のような点は、関係性が不明確になるっていうことはなくなろうかと考えておる次第でございます。それが1点目でございます。
 2点目の石田先生の一応もっとほかの機会費用等々を追加したらどうかということでございますが、それに関しましては今の3ページと4ページ、某法人の付属明細書を付けさせていただいております。ここで御覧いただきますように、評価という意味ではトータルコストがわかればいいというものを考えておりますので、様式上の行政コスト、文末の一行を加えればいいかなと思っております。石田委員御指摘の「その他」の項目というのは、今回見直しの発端になった評価の負担の問題ですとか、今回の評価様式のスペース等の問題を考慮しますと、現在こういう4ページの付属明細書等が公表されておりますので、それを御参照いただくほうがより負担は少ないかなというふうに考えております。検討結果は以上でございます。
(宮内分科会長) どうもありがとうございました。今、私のコメントの部分について、様式はこれで全く問題はないのだろうと思うのですが、実際に行コスで出てくる債務の機会費用であるとかいうような項目は、それぞれのプロジェクトとの関連性っていうのが必ずしも明確でないということになるので、会計基準側で手当てするのか、配分の方法については何か明確なルールを持たせることに多分なるのだろうと思うのですけれども、その辺はどういうものになるのか項目をピックアップした上で、抽象的一般的に終わらせるのではないような検討を是非お願いしたいと思います。
(坂井企画官) 今のQ&Aの79−2では、共通経費の部分つきましては、按分するかしないかまでは一応記載することになっていますが、今後更にセグメントを詳細化したときに、どこまでそれを詳細化して区分けするかっていうところはまた別途の場で検討されることかと思います。
(宮内分科会長) 石田委員。
(石田委員) はい。1本という私の指摘というのはこの2ページ目の「様式1−1−4−1」のところの「主要なインプット情報」のところで行政サービス実施コストが1本でということだと思うのですけれども、先ほど御説明の中でフルコストが見えればいいというお話があって、機会費用はフルコストかというのがやはりあます。機会費用は要は、今はただで使っているけれど、もし買った場合はどの程度の費用が見込まれるかという費用です。そして、その計算は国債の利率を使ったりしているわけです。
 なので、ここはフルコストを示すのであれば、損益外減価償却費とか、損益外減損のような機会費用以外のものと機会費用はやはり一度、分けていただいたほうがいいように思います。外から見る人はフルコストだと思うけれど、その中に機会費用が入っているか否かは気が付かないと思いますので。
(坂井企画官) ちょっと私の表現が悪いのですけど、フルコストというのは閣議決定のときからいろいろいわれている関係でちょっとお伝えしたのですが、党の考え方としてこの様式の中に行政サービス実施コストの範囲といいますか、そういったものをある程度読めるような形で書き込むことを一応していきたいと思います。
 先生おっしゃっている何行かにするっていうのは、先ほど繰り返しになりますが、やっぱり負担が生じますし、もう一つは別に財務諸表と同じように付属明細書公表されていますので、そこのところの詳細を見ていただくこと、プラスの先ほど御説明したセグメントの中にも公表していきますので、すでにあるもので併せて読んでいただけるのが適当かと考えております。
(石田委員) 一応反対意見として、是非機会費用は別にしていただきたかったということです。負担といっても1行、行政サービス実施コストの内訳で機会費用とその他を表示すれば済むことです。機会費用は他の費用と比べ少し特異な感じがします。付属明細書を見ればわかるじゃないかといわれれば見ればわかるのでしょうけれど、普通は見ないと思います。一応意見として残していただければと思います。
(宮内分科会長) 大体御議論は尽くされたかと思いますが、よろしいでしょうか。それではお諮りいたします。「独立行政法人の目標の策定に関する指針(案)」及び「独立行政法人の評価に関する指針(案)」に対する意見案につき、独立行政法人評価分科会として資料2−1のとおり決定するということでよろしいでしょうか。先ほど申しましたように付け加える部分、運用を見ながら再度コメントを付すという部分についてはコメントとして残していただければありがたいと思います。よろしくお願いします。なお事後の事務的な処理につきましては、私分科会長に御一任いただくことにさせていただきたいと思います。
 それでは次に「平成26年度の事務・事業の見直し対象法人について」。それでは今年度の事務・事業の見直し対象法人についての議題に入りたいと思います。まず各WGにおける議論を踏まえた論点について、事務局から説明をお願いします。
(竹中管理官) はい。それでは説明いたします。平成26年度に中期目標期間が終了する法人について、各WGで所管府省のヒアリングや法人役員との意見交換、現地視察等を行っていただき、精力的に御議論いただいているところでございます。私のほうから各WGの検討状況の概要を御説明したいと存じます。
 今回の見直し対象法人は資料3にあるように、12法人でございます。資料4−1でございますが、対象12法人のそれぞれの概要でございます。御参照いただきながら聞いていただければと存します。資料4−2はこれまでの各WGにおける御議論の概要を現に取りまとめたものでございます。これらの論点を中心に、今後更に御議論を深めていっていただけるものと思っております。
 資料4−2を中心に御説明をしてきたいと存じます。表紙をめくっていただきまして、1ページのほうから御説明いたしますが、資料の構成といたしまして左から所管府省名、「法人名」、法人の「主な業務」、WGにおける「主な論点」となっております。1ページ目からですが、「第1WG」のほうでございます。第1WGは3法人ございます。このうち「国立健康・栄養研究所」と「医薬基盤研究所」は平成27年4月に統合いたしまして「医薬基盤・健康・栄養研究所」となることになっております。
 1ページ目の「国立健康・栄養研究所」についてでございます。「主な業務」については資料のとおり5点でございます。この中で論点になるものといたしまして、若干御紹介いたします。医療基盤研究所との統合によりそれぞれの特性や専門性を生かし共同研究の実施、研究ユニットの組換え、それぞれの研究シーズを共有する仕組みの構築となる統合効果を発揮すべきではないかという論点。
 次に特別用途食品の収去試験について、民間登録試験を活用し、法人業務の縮小を図る、研究所や民間試験機関の試験レベル維持に特化すべきとの御議論等ございました。
 2ページ目に移ります。「医薬基盤研究所」でございます。2ページ目、後段でございます。主な業務といたしましては資料のとおり7点ほどございます。ここ、医薬基盤研究所についても統合の話はございます。そのほか人員等の研究資源の適正配置の必要性の論点がございます。知財戦略の明確化をして、研究成果の最大化を図るべきとの論点。研究成果の実用化に向け、アカデミア、製薬会社などとのネットワークを構築すべき等の論点。めくっていただきまして、難病研究資源や実験等物等を扱うバンク等について類似のバンク事業を実施する独立行政法人との相互連携が必要との論点等々、12程度の論点が挙がっております。
 続きまして5ページ目になります。「年金積立金管理運用独立行政法人」、GPIFと呼ばれておるものでございます。主な業務内容は年金積立の管理運用でございます。主な議論といたしまして基本ポートフォリオの見直し、専門人材確保等、日本再興戦力において迅速かつ確実に実施すべきとされた事項の検討を加速すべきでないかという点。専門人材の育成、確保に際しては、必要とされる能力を検証した上進めるべきではないかという論点等、4点ございます。
 6ページのほう移っていただきまして、「第2WG」の議論を進めさせていただきます。第2WGでは経済産業省所管の「産業技術総合研究所」、産総研と呼ばれるものと「日本貿易振興機構」、ジェトロと呼ばれる2法人でございます。
 産総研のほうでございますが業務については書いてあるとおりでございますが、産総研につきまして内閣府の総合科学技術・イノベーション会議で特定研究開発法人の指定について現在検討されているところでございます。本資料においては特定研究開発法人という記載はしていませんが、産総研の見直しについては特定研究開発法人の指定を想定して議論を進めていただいているところでございます。特定研究開発法人の制度を適用する研究分野について、産総研が現在行っている研究分野のうち、世界に冠たる研究か考えており、そういった研究分野を明確にし、組織の見直しを行うべきとの論点がございます。その中で更に今後国の研究機関に求められている企業への技術の橋渡しについて、これを的確に評価するため企業等から提供される外部資金の獲得目標を更に分野ごとに設定すべきとの議論がございます。
 また2番目のほうですが地域センターというものが各地方にございますが、独法化後その必要性を検討し、センターごとに地域の産業集積や地域特性に基づいて研究分野を重点化するとか、次期中期目標期間には地域センターが地域の産業や産官連携拠点としてどれぐらい貢献できているのか、評価していく必要があるとの議論がございます。またこれに関連いたしまして目標に地域センターを明確に位置付けるとの論点等ございます。
 7ページ目に移っていただきまして、ジェトロのほうでございます。主要な業務は中小企業の海外展開支援と海外からの「対日投資促進」でございます。ここでの論点でございますが、海外展開、対日投資について政府としても重要な対策として位置付けられているところであり本法人に期待はあるところでございますが、その中で法人の業務体制について、特に海外事務所では業務量に応じた体制として今後重点化していくべき地域があると存じます。そこに人的資源を配分すべきとの考え、御議論をしていただいておるところでございます。また当然ながら法人でもこれらの分野は見直しが実施されていると聞いておりますが、その見直しのスピードをより加速して取り組んでいく必要があるんじゃないかという議論がございます。
 またこの対日投資、海外展開の事業等を通じた人材育成が必要であるとの論点もございます。また「海外展開支援」や「対日投資促進」について、次期中期目標には法人の評価を行うにあたりアウトカム指標を設定すべきとの議論がございます。またアジア経済研究所について、ジェトロと15年前に統合されたんですけれども、それの統合効果についての議論もございました。
 続きまして「第3WG」のほうに移りたいと思います。8ページ目を御覧ください。「第3WG」、文部科学省所管の「日本原子力研究開発機構」、原研と呼ばれるところでございます。この法人は平成17年に旧日本原子力船研究開発事業団と旧核燃料サイクル開発機構とが統合された法人でございます。原子力に関する基礎、応用の研究など5つの主要業務を行っております。
 議論といたしましては、この原研は幅広い研究開発を行っていますが、今後我が国のエネルギー政策の中で機構でしか担い得ない研究内容や、成果を得る時期、国や民間、その他の研究開発機関との役割分担の明確化をしたり、研究開発業務の見直しや合理化、重点化をすべきではないかという議論がございました。
 また原研が保有する「「もんじゅ」」のナトリウム漏えい事故や、機器の点検漏れ、「「J−PARC」」における放射性物質の漏えい事故の発生などを踏まえて、原子力に関する研究を行う法人として特に安全管理など、組織のガバナンス体制強化のための一層の取組が必要ではないかという議論がございます。また展示施設などについての見直しの議論もございました。
 続きまして「第4WG」のほうでございます。第4WG、11ページを御覧いただければと存じます。11ページ以降でございますが、厚生労働省所管の「国立がん研究センター」「国立循環器病研究センター」「国立精神・神経医療研究センター」「国立国際医療研究センター」「国立成育医療研究センター」「国立長寿医療研究センター」の6法人を御議論していただいております。
 この6法人は平成22年4月に独立行政法人化され、今回が初めての見直しとなる法人でございます。6法人は論点が重なっているところが多くありますので、特にがんセンターのところで他法人と共通する論点について御紹介したいと存じます。6法人の主な業務については、それぞれの疾患における高度専門的医療の研究開発、医療の提供、人材育成等となっておるところでございます。
 それでは11ページの「国立がん研究センター」を中心に御説明いたしたいと存じます。論点のほうでございますが、昨年の12月の独立行政法人改革等に関する基本的な方針の閣議決定において、将来的にはこの先ほど申し上げた6法人の統合など、国立高度専門医療研究センター全体として組織の在り方について検討を行うとの指摘を受けているところでございます。現在厚生労働省は今の中期目標期間終了後で、来年4月以降に組織の在り方について検討をする方針と聞いております。この検討に係る具体的なスケジュールが今何ら決まっていないことから、組織の在り方について検討を行い可能な限り早期に結論を出すべきではないかという論点がございました。これは6法人共通にいえるものでございます。
 続きまして、国の医療政策における本法人の果たすべき役割が不明確、先ほどの指針でいいますと縦の関係です。大臣と法人の関係が不明確なところが多いということでございますが、その役割を明確にした上で本法人として取り組むべき研究開発に重点化すべきでないかという御議論がございました。これも6法人共通でございます。
 また本法人は業務に密接に関連する医療を提供することになっていますが、国立研究開発法人としての医療の提供業務、病院業務の話でございますが、それをどうするべきなのか。例えば研究的なところを突き詰めるような病院にするのか、地域の病院にするのかなど。病院の本来的な在り方について検討し、次期中期目標において役割を明確にすべきじゃないかという議論がございます。これも6法人共通の話題でございます。
 人材育成についてでございますが、例えば全国から高度な技術を持った医師を集めて、本法人で研修させた後地方に戻らせるような仕組みを構築などの、より医療の均てん化に資するような事業内容に見直すべきではないかという点が御議論としてございます。これも6法人共通の話題でございました。
 またバイオバンクの整備事業について、国立高度専門医療研究センターの間や、各バンクを持っている事業や法人等ございますが、そことの連携を強化するとともに、外部への情報の提供を拡大するなど、バイオリソースの一層の活用に取り組むべきではないかという議論もございました。これも6法人の共通の話題でございます。
 がんセンター特有の問題として、本法人等のがん診療連携拠点病院等とのネットワークを更に活用することにより医療の均てん化等に取り組むべきではないかという議論がございました。
 続きまして「国立循環器病研究センター」のほうに移ります。12ページを御覧ください。先ほどがんセンターのほうで共通な議論を御紹介いたしましたので、本法人の特有の議論として、5)には書いてありますけれども、循環器病について本法人と都道府県における中核的な医療機関間等とのネットワークが十分にできていないと考えられることから、循環器病について医療機関間のネットワークを構築して、医療の均てん化等に取り組むべきではないかということでございます。
 続きまして13ページ目を御覧いただければと思いますが、「国立精神・神経医療研究センター」でございます。本法人の特有の議論として2点ございます。まず5)のほうでございますが、精神・神経疾患等についての本法人と都道府県における中核的な医療機関等のネットワークが十分にできていないことから、精神・神経の疾患についても医療機関とネットワークを構築しての医療の均てん化等に取り組むべきという点。7)でございますが、この法人では決算で繰越欠損金が出ていますから、次期中期目標において繰越欠損金の削減を目標とするとともに、具体的な欠損金の解消計画を策定することを明記するべきではないかという論点がございました。
 続きまして14ページの「国立国際医療研究センター」でございます。本法人特有の議論といたしまして、5)にあります感染症その他の疾患についての、HIV、エイズと肝炎以外は本法人の都道府県における中核的な医療機関とのネットワークが十分にできていないということでございます。医療機関間のネットワークを構築し医療の均てん化に取り組むべきではないかという議論がございます。また7)でございますが、この法人も繰越欠損金が出ておるところでございます。これについても削減目標を組むとともに、計画を策定すべきでないかという論点がございます。
 続きまして「国立成育医療研究センター」のほうでございます。15ページを御覧いただければと存じます。特有の議論といたしまして5)のほうでございますが、成育医療についても都道府県における中核的な医療機関とのネットワークが十分にできていないということから、成育医療について医療機関間のネットワークを構築して医療の均てん化に取り組むべきではないかという論点がございます。
 また最後になりますが「国立長寿医療研究センター」のほうでございます。最後のページ16ページでございますが、特有の議論といたしまして5)のほうでございますが、長寿医療についても都道府県における中核的な医療機関とのネットワークが十分にできていないと考えられることから、長寿医療についての医療機関間とのネットワークを構築して、医療の均てん化等に取り組むべきではないかという論点がございました。
 以上、駆け足でございますが、WGでの主な論点等について御紹介させていただきました。
(宮内分科会長) ありがとうございました。それではただいま御説明いただきました12法人につきまして御意見などございましたら、この後どなたからでも御発言お願いいたします。
(岡本臨時委員) 内容じゃないのですけど、資料3の(注2)に若干引っ掛かったのですけど、行政執行法人に移行する法人については26年中に目標期間が終了する公文書館も含めて見直しを行わないというふうに書かれているのですけど、この26年に中期目標期間を終了する公文書館はなぜ見直しを行わないのですか。
(坂井企画官) 事務局の理解としては通則法改正に伴いまして、これらの法人というのは、今後来年度以降はそれぞれの毎年度評価というものの基本的に対象となりませんので、そういう意味で一応整理したものと理解していますけど。
(岡本臨時委員) いや、私の質問は来年度以降の話ではなくて、26年中に中期目標が終了する公文書館はなぜやらないのですかというそこだけなのですけど。
(坂井企画官) 申し訳ございません。ちょっと御説明が不十分でした。中期目標期間法人は基本的に今回全部中期目標期間が終了するものですから、それに伴いまして一応見直し対象から外しているということでございます。
(岡本臨時委員) いやいや。
(事務局) 失礼いたします。行政執行法人に移行する法人につきましてはすべからく中期目標期間終了するというようなことが、独法通則法のほうで整理されております。通常中期目標期間終了する際には見直しをするということになっておりますけども、行政執行法人についてはすべからく中期目標期間終了すると。かつ見直しをしないと。こういうふうに整理されておりますので、公文書館についてもそれになることで、それで見直しをしない。
(岡本臨時委員) いや、そういう硬直的な理解でよろしいのですか。法律上の根拠があるということだと思うのですけど、今のお話は。決まっているからそうだということだったら、もうどうしようもないのですけど。若干違和感があるのは中期目標の評価はどうするのだという、公文書館についてはですね。まず確認は行政執行法人のうち、公文書館は今年中期目標が終了するのですよね。まず、そこはいいんですよね。だとすると、それ1個だけはなぜほかの法人と同じ扱いにするかっていうことを問うてるわけで、根拠が法律に書いてあるからという御説明だったと思うのですけど。いや、ちょっと後で教えていただければいいです、はい。本質ではないかもしれません。
(宮内分科会長) 今の件はまた御整理いただいて。
(岡本臨時委員) はい。
(宮内分科会長) ほかにございますでしょうか。
(石田委員) すいません。「第4WG」ですが、最後6、国立の病院のセンターについて、今非常に悩んでいるという途中の状況を少しだけ御報告させていただきたいと思います。先般国立国際医療研究センターに現地視察に行ってきました。今度この6法人は国立研究開発法人になるのですが、実際に行ってみますと肌感覚として25%ぐらいが国立研究開発法人の研究開発で、75%ぐらいは総合病院、地域に医療を提供しているという病院でした。じゃあこれはどうするのだろうか。どういうふうに論点を整理したらいいのかを、今悩んでいる最中というただの途中報告でございます。
(宮内分科会長) ほかにございますでしょうか。
(岡本臨時委員) いや、悩んでいるということであれば「第2WG」の状況を少しだけ。2件の法人があるわけですけど、産総研に関しましては先ほど御説明もありましたようにいわゆる研究開発法人の中のトップ2といういい方がいいのかどうかわかりませんけど、そういう方向になるということを前提に産総研ってどうあるべきだという議論だということは前提にあるということなんですが、そういうふうに見ていますと、果たしてそういういわゆる世界に冠たる研究所という観点から見たとき、今の産総研は全部そうなのかという疑問は各委員が持っているという中で、どういう組織の見直しをしていったらいいかということが一つあるかなと。補足していただければありがたいと思います。
 それからジェトロに関しては非常に有益な事業をやっているという認識もあるのですけど、この民間のいろんな機関がやっているようなサービスをジェトロもやっているというものはサービスの質の内容が違うということなのもしれませんけど、あると。これ、従来からずっと指摘してきたことなのですけど、どうもそういう指摘がうまく伝わっていないのかなと。潤沢に財源があればどんどんやってみればいいという議論になるのかもしれませんが、財源がない中でジェトロに特化したような事業ということを強く申し上げてきているのですけども、そういう方向の見直しが今回果たしてできるのかどうかというところがひとつ大きな関心事項かなというふうに思っておるということをちょっと御説明させていただいたいと思います。
(宮内分科会長) ほかに、悩み事も含めて。大体よろしいでしょうか。それでは事務・事業の見直しについての議論はこの辺で終了させていただきます。本日の議論を踏まえ各ワーキンググループにおかれましては検討を深めていただきたいと思います。最後に事務局から報告事項がございます。
(深澤管理官) 独立行政法人制度総括を担当しております管理官の深澤でございます。資料の5を御覧ください。昨年12月の閣議決定、独立行政法人の改革等に関する基本方針の中で会計基準の見直し等を行うということが規定されております。これを受けまして策定する7月末に総務省独立行政法人会計基準研究会の総会を開催いたしました。今後毎月1回のペースでここにありますけれども、共同ワーキングチームを開催していって、閣議決定で指摘された論点についてひとつひとつつぶしていくというスケジュールを組んでおります。
 共同ワーキングと申しますのは、この会計基準研究会と財務省、財政制度等審議会、財政制度分科会の法制・公会計部会との共同WGでございます。メンバー等については参考資料3のほうに記載しております。私からは以上でございます。本日早速でありますが、第1回8月28日のところでありますけれども、収益化基準の見直しと単年度管理法人につきます会計上の取扱いについて議論をする予定でございます。私からは以上でございます。
(宮内分科会長) それからもう1点。
(坂井企画官) すいません。先ほどのちょっと説明について不十分でしたので、補足説明いたします。独法の行政執行法人に移行する法人につきましては、基本的に平成27年3月末で一斉に中期目標期間は終了するというのが事実でございます。その上で通則法改正法案附則第9条の中で、現行の終了した上で附則第12条の規定におきまして、行政執行法人に移行する法人は現行通則法の第35条の規程は適応除外するということになってございます。したがいまして、この規定によりまして国立公文書館を含む法人につきましては対象としていません。以上でございます。
(岡本臨時委員) わかりました。ありがとうございます。
(竹中管理官) 続きまして今後のスケジュールについて説明いたします。目標評価の指針に関する政独委、政策評価独立行政法人評価委員会の開催でございますが、これは本分科会の親委員会でありますが、9月2日までに持ち回り開催を行いたいと考えております。後日メールにて御連絡いたします。また当分科会は例年9月に見直し対象法人について各省担当からヒアリングを行うこととしておりますが、日程については調整の上後日連絡いたします。以上でございます。
(宮内分科会長) それでは以上をもちまして政策評価・独立行政法人評価委員会独立行政法人評価分科会を終了いたします。本日は御多忙の中御出席を賜りましてありがとうございました。

以上

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