審議内容
開会
○原口総務課長 定刻がまいりました。本日は、森下会長が所用で欠席となったため、郵政行政審議会令第4条第3項の規定により、田尻会長代理に議事の進行をお願いしたいと存じます。
田尻会長代理、よろしくお願いいたします。
○田尻会長代理 それでは、ただいまから郵政行政審議会第8回総会を開催させていただきます。本日は、ご多忙のところご参集いただきまして、ありがとうございます。
最初に、会議の定足数の関係でございますが、本日は、委員総数30名中、現在20名が出席されておられまして、あと1名、間もなくご到着の予定でございますが、定足数を満たしております。
本日は、谷口大臣政務官がお見えでございますので、ごあいさつをいただきたいと存じます。
それでは、谷口大臣政務官、よろしくお願いいたします。
○谷口大臣政務官 皆様、こんにちは。今、政務官を務めさせていただいております谷口と申します。本日は、お忙しいところお集まりいただき、また平素から郵政行政に対しまして格別のご理解とご協力を賜りまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
本日は、日本郵政公社の第二期の中期経営目標・中期経営計画についてご審議をいただく予定と伺っております。いよいよ民営化まであと半年余りとなりましたけれども、第二期の経営目標及び計画の期間となっております、この半年間は、民営化を成功させるために極めて重要な期間であると考えております。そういう意味で、この期間の目標・計画をしっかり立てて着実に実行をしていくことが、民営化の円滑な実施に向けて大変重要であり、また、それに向けての活発な議論をお願いしたいと思っております。
総務省としましても、今、国民の皆様方、10月からの民営化で、郵便局がどうなるのかとかという不安を抱いていらっしゃる国民の方もたくさんいらっしゃいます。ぜひ民営化してよかったと思っていただけるように、私ども総務省も全力を挙げてまいる決意でございます。
つきましては、引き続き、皆様方のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げて、私のごあいさつとさせていただきます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○原口総務課長 ここで、大臣政務官は所用がございますので、退席させていただきます。
(谷口大臣政務官 退室)
○田尻会長代理 それでは、審議に移らせていただきます。前回の総会、昨年8月9日でございましたが、それ以降、日本郵政公社経営・評価分科会及び郵便・信書便サービス部会が開催されておりますので、その審議概要などにつきまして、それぞれご報告させていただきたいと存じます。
まず、日本郵政公社経営・評価分科会につきまして、樋口分科会長からご報告をお願いいたします。
○樋口委員 樋口でございます。
1月10日及び2月14日に、それぞれ第11回及び第12回の日本郵政公社経営・評価分科会を開催いたしましたので、ご報告申し上げます。
第11回の審議事項は、日本郵政公社の重要な財産の譲渡しの認可でございます。本件につきましては、郵政行政審議会議事規則第10条第2項の規定により、準用する第8条の規定によりまして、「その内容から合理的に判断して、分科会を招集して審議する必要がない」と認める場合に該当いたしますため、持ち回り審議といたしました。審議した結果、諮問のとおり答申することが適当といたしました。
第12回の審議事項等につきましては、まず第1点が、日本郵政公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画についてでありまして、第2点は、その認可でございます。
まず初めに、日本郵政公社・生田総裁から、同公社における第二期中期経営目標及び中期経営計画について説明を受けました。
次に、審議事項として、同公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画の認可について審議をいたしました結果、当分科会といたしましては、諮問のとおり答申することが適当と判断いたしました。
なお本審議事項につきましては、後ほど、本総会においてご審議いただく予定になっておりますので、その際に分科会での審議の内容をご報告させていただきます。
以上でございます。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
次に、郵便・信書便サービス部会につきまして、私からご報告をさせていただきます。
郵便・信書便サービス部会は、昨年10月24日及び先月21日に、それぞれ第20回及び第21回の郵便・信書便サービス部会を開催いたしました。
資料1−2をごらんください。審議事項は、信書便事業関係としまして、39社の特定信書便事業の許可、信書便約款及び信書便管理規程の認可、並びに6社の事業計画等の変更の認可についてでございます。
今回の39社を加えまして、特定信書便の参入事業者の合計は214社となりました。日本郵政公社関係として、郵便約款の変更の認可が、第20回部会において1件ございました。それぞれの審議事項につきまして審議させていただいた結果、いずれも適当と認め、諮問のとおり答申いたしております。
以上でございます。
それでは、短い時間ではございますが、以上2件につきまして、部会報告並びに分科会のご報告について、ご質問、ご意見等ございましたら、ご自由にご発言いただければと存じます。どうぞ。
よろしゅうございますでしょうか。
特に、ご質問等がないようでございましたら、次に、本日の審議事項であります日本郵政公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画の認可につきまして、審議に入りたいと存じます。なお、この審議事項につきましては、2月14日に開催されました分科会でのご審議を踏まえ、本総会で最終的な結論を得ることとするものでございます。
まず、省側から諮問事項の概要をご説明いただきまして、次に、樋口分科会長より分科会での審議の内容などにつきまして、ご報告いただきました後、質疑を行わせていただきたいと考えます。
それでは、鈴木総合企画室長より説明をお願いいたします。
○鈴木総合企画室長 総合企画室長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
資料2の下に、諮問書、その後ろに中期経営目標・計画の本体をつけてございますけれども、諮問書の読み上げについては省略させていただきまして、お手元の資料2、第二期中期経営目標・計画の概要及び審査結果に基づきまして、概要をポイントを絞ってご説明させていただきたいと思います。
まず資料2の3ページをお開きいただきたいと思います。中期経営目標・計画に係るスキームについてでございます。今回の中期経営目標・計画につきましては、公社法24条に基づきまして公社が作成し、総務大臣に対して申請のあったものでございます。そして、公社法66条に基づきまして、今回、審議会に諮問させていただいているものでございます。位置づけをご確認いただければと思います。
続いて、4ページをごらんいただきたいと思います。中期経営目標・計画の法令上の記載事項についてでございます。中期経営目標・計画、添付書類につきましては、公社法、そして施行規則によりまして、法令上、この4ページにございますとおり記載することとされているものでございます。
続きまして申請の概要につきまして、6ページをごらんいただきたいと思います。中期経営目標・計画の全体構成についてでございます。平成18年12月27日に、日本郵政公社より第二期中期経営目標・中期経営計画の申請を受理いたしております。そして、この目標・計画の期間については、平成19年10月、今年10月の郵政民営化の前までということで、平成19年4月から9月までの半年間の期間とされております。
全体構成といたしましては、まず第一期と同様、経営の健全性の確保、そしてサービス水準の維持・向上につきまして、公社全体、郵便、貯金、保険の各業務ごとに目標を定めてございます。これに加えまして、第二期において新たに設定した事項といたしまして、内部統制の強化、新会社への円滑な移行が記載されてございます。
続いて、7ページをお開きいただきたいと思います。今回の中期経営目標・計画のポイントといたしましては、3点ございます。その3点のうちの1点目としては、新規項目の追加ということでございます。先ほどもご説明申し上げましたけれども、ここの大項目の構成の中で、第一期について2項目について記載しているのに加えまして、第二期につきましては、内部統制の強化、新会社への円滑な移行を新たに項目立てしてございます。
これは、昨年の審議会におきましてもご議論いただきました、業績評価の中のコンプライアンスの徹底ですとか郵便の経営改善命令を踏まえまして、内部統制の強化、新会社への円滑な移行、それぞれについて、今年の10月の民営化に向けて記載を追加しているものでございます。
続いて、8ページをごらんいただきたいと思います。今回の目標のポイントの2点目でございます。利益等の積立金の数値目標についてでございます。第一期の4年間に対しまして、第二期は半年間という期間でございますので、4年分と半年分で、直接、なかなか比較は難しいということで、18年度中間決算と比較して分析をしてございます。
郵便につきましては、郵便は年度後半の年賀収入が大きく影響するため、年度の前半は赤字の構造になっております。18年の中間はマイナス714億円に対しまして、19年の目標がマイナス1,050億円と、数字から見ると悪くなってございます。これは、19年度というのが民営化直前の時期でもあり、民営化等経費の影響が大きいので、この要素を除いて分析いたしますと、18年はマイナス670億円、これに対して19年の目標はマイナス626億円と、やや高め、または概ね同水準となっているものでございます。
貯金につきましては、真ん中のグラフのところでございますが、18年の中間が3,092億円に対して、19年の目標が2,900億円。これも、民営化等経費を除きますと、18年の3,339億円に対しまして、19年が3,697億円と高めの目標になってございます。
保険につきましては、1,287億円の18年の数値に対しまして、19年の目標は1,400億円となっており、民営化等経費を除くと1,691億円に対して1,822億円と、やはり高めとなっているものでございます。
続いて、9ページにつきましては、今のグラフでご説明いたしました比較のバックデータでございますので、省略させていただきまして、10ページをごらんいただきたいと思います。民営化等経費の内容についてでございます。民営化等経費の中には2種類のものが含まれておりまして、まず1つとして、民営・分社化経費でございます。これは、合計としまして、1,358億円、郵便が376億円、貯金が621億円、保険が361億円ということでございます。
具体的な民営・分社化経費の主な内容については、分社化によりまして、業務の流れですとか資金の流れが変わりますので、郵便、貯金、保険、それから共通的な財務や人事、ともに情報システムの設計や開発ですとか、業務の流れが変わりますので訓練の経費などがかかってまいります。また、郵便局や本社・支社の建物に別々の会社が同居することになりますので、郵便局のセキュリティ対策としての間仕切りですとか電気錠設置、本社・支社社屋の模様替などを見込んでございます。
民営化等経費の2点目としましては、内部統制経費でございます。合計としまして173億円、郵便で48億円、貯金で82億円、保険で43億円でございます。これは、郵便収入の適正管理、現金過不足事故の防止、保険募集管理態勢の整備などに要する経費がかかってございまして、1つには、鍵・カード管理機ですとかオートキャッシャーの導入、配備などの機器の配備のための経費。それから、もう一点といたしまして、内部統制のために非常に重要な検査ですとか監査・点検等のダブルチェック等をしていくための検査・監査要員のための経費が含まれてございます。
続いて、11ページをごらんいただきたいと思います。3つのポイントの3点目でございます。共済整理資源の負債計上でございます。公社は、企業会計原則に基づきまして、19年度に共済整理資源に係る将来負担を、引当金として1兆2,844億円計上することを計画してございます。
共済整理資源についてご説明させていただきたいと思います。共済整理資源につきましては、昭和34年に現在の公務員の共済年金制度ができております。そして、それ以前については恩給の制度、それ以後につきましては、掛け金の積み立てによります保険料財源から支給という形になっております。
共済整理資源は、昭和34年以前に公務員になりまして、昭和34年以降に退職した職員の恩給期間相当分について、国庫が負担するものでございます。郵政事業につきましては、当時の事業主でありました郵政事業特別会計、そして郵政事業特会から引き継ぎまして、日本郵政公社が負担することとされているものでございます。
今年度は、公社が約1,300億円を負担しております。平成19年度から共済整理資源の額の算定方法が変更される見通しとなっておりまして、それに伴いまして、将来の費用負担が見積もれるようになることから、引当金として計上することを計画しているものでございます。
資料の12ページをごらんいただきたいと思います。共済整理資源の影響についてでございます。共済整理資源の負債計上に伴いまして、特別損失ということで、約1.3兆円の影響が出ます。これによりまして、各事業とも、純利益等は18年度の中間期実績比で大きくマイナスとなるものでございます。郵便については、先ほど19年度の目標をマイナス1,050億円と申し上げましたけれども、実際には、この共済整理資源の影響がございますので、さらにマイナス6,886億円の影響がございまして、マイナス7,936億円。貯金につきましても、マイナス3,586億円の影響によりまして、最終的にはマイナス592億円。保険につきましては、キャピタル益を除いた目標設定のため、キャピタル益を加えて共済整理資源の影響がマイナス2,372億円となります。
このように、負債計上によって、19年度の損益にマイナスの影響を及ぼすものでございますけれども、実際の業務運営のほうが何か急に悪くなったということではなく、これらは会計上の処理の問題でございまして、また一方では、将来の費用負担を引当金として計上するということで、財務の透明性の確保に寄与するものでもございます。
続いて、13ページをごらんいただきたいと思います。19年度のP/L、B/Sについてでございます。共済整理資源の影響もございまして、P/Lにつきましては、公社全体で、この半年でマイナス8,527億円ということで、当期純損失が立ちます。郵便がマイナス7,936億円、郵便貯金がマイナス592億円となります。
続いてB/Sのほうでございますが、公社全体として資本合計が7.5兆円、郵便がマイナス1.3兆円、貯金が7.3兆円、保険が1.5兆円となるものでございます。
続いて、14ページをごらんいただきたいと思います。平成15年から18年度の第一期、4年間の取組状況につきましては、正式には18年度の決算がまとまった後、今年の夏に業績評価の中でご審議いただくものでございますので、現段階での18年度の見通しと第一期の目標の達成見通しについてご説明させていただきたいと思います。
まず、郵便の積立金につきましては、4年間の中期経営目標としましては、500億円以上という目標設定をしてございます。決算の累計値は、15年度が263億円、16年度が546億円、17年度が573億円と、3年目までは4年間の目標を超えた水準でございましたけれども、18年度は、民営化等経費の影響もございまして294億円という見通しになってございます。このあたり、要因分析も含めまして、夏の業績評価の中でしっかり分析していきたいと思っております。
続いて、貯金の積立金でございますけれども、4年間の目標は3.9兆円以上という目標に対して、3年目の17年度で目標を突破しておりまして、18年度も約5.9兆円と目標を大きく超える見通しとなってございます。
次に、簡易保険でございますけれども、こちらは、4年間の目標、3,000億円以上に対して、4年間で2.1兆円ということで目標を大きく超える見通しとなっております。
いずれにしましても、これらについては、今年の夏の業績評価の中で、経営努力によるものなのか、それとも、この4年間、株式市場の影響も大きく出ておりますので、そういったものなのかどうか、民営化等経費がどう影響しているかなど、要因分析をしっかり行っていきたいと思っております。
続いて、15ページをごらんいただきたいと思います。郵便についてでございますけれども、効率化の指標として目標設定しております事業経費率についてでございます。事業経費率については、4年間の目標としては、98.5%以下ということでございますけれども、18年度見通しでは98.7%ということで、少し超える見通しとなってございます。
それから右上の送達日数達成率につきましては、4年間の目標97%以上に対して、4年とも目標を超える見通しとなってございます。
続いて、16ページの貯金をごらんいただきたいと思います。経費率の累計は、18年度見通しは0.48%ということで、4年間の目標であります0.52%以下を達成する見通しになってございますが、年々、経費率が単年度で見ると上がってきてございます。これは、1つの要素としては、上の※のところに経費率の式が書いてございますけれども、分母の貯金の平均残高が、230兆円から195兆円ということで、大きく減少しているといったことも影響しているものでございます。
続いて17ページ、保険についての取組状況でございます。事業費率の累計でございますが、4年間の5.1%以下という目標に対しまして、18年度の見通しでは5.2%と、少し超えてしまう見通しとなってございます。こちらにつきましても、分母の保険料収入が減少しているということで、その影響もあるものでございます。失効解約率につきましては、保険が3.6%、年金保険が2.3%という4年間の目標を立てておりますが、いずれも達成できる見通しとなってございます。
続いて、18ページをごらんいただきたいと思います。18ページ以下は、中期経営目標の具体的内容を、公社全体、それから各業務ごとに順に見てまいりたいと思います。
公社全体の目標といたしましては、先ほども申し上げましたとおり、経営の健全性、サービス水準に加えまして、新たに内部統制の強化、新会社への円滑な移行を項目立てして定めております。
19ページをごらんいただきたいと思います。今、新たに項目立ていたしました「新会社への円滑な移行」の民営化の準備スケジュールについてでございます。スケジュールの線表のとおり、今年の10月の民営化に向けまして、民営・分社化の内容や趣旨等を職員に周知するという取組をするとともに、職員の帰属につきましては、希望聴取後の1月の帰属会社内定通知を受けまして、現在、苦情処理、最終調整の段階に入っております。そして、この職員の帰属と資産の帰属につきましては、どの会社に承継されるかを記載いたします実施計画を、日本郵政のほうから、4月末までに認可申請することとされております。
このほか、業務マニュアルですとか暫定システムの整備、研修については、線表のとおり10月の新会社発足に向けて実施を行っているところでございます。
次に、内部統制の強化についてでございます。これは、昨年の8月、審議会でもご議論いただきました17年度の業績評価のコンプライアンスの徹底の中でも、「C:取組が遅れている」ということで指摘をしたところでございます。また、その下の郵便業務に関する経営改善命令も発出したところでございます。こういったものを踏まえまして、昨年の9月に、公社は内部統制強化のための改善計画を策定いたしております。そして、この改善計画の内容を踏まえまして、今回の第二期中期経営計画の中には、その改善計画を踏まえた内容となってございます。
続いて、20ページをごらんいただきたいと思います。暫定システムの開発スケジュールについてでございます。民営・分社化に最低限必要な暫定システムにつきましては、システムの構築とともに、実際に機能するかどうかをシステムリハーサルによりまして、確認していくスケジュールとなってございます。この2007年の3月のところに、民営化延期申請期限ということで書いてございますけれども、これは、システム開発に大幅な遅れが生じた場合に、日本郵政が民営化の時期を半年間延期する申請期限とされていたものでございます。
日本郵政のほうでは、実際にシステム開発を行っております公社のほうから報告を受けた上で、今年の10月の民営化の時期を延期する必要はないというふうに既に決定しているところですので、今年10月1日の民営化というのが法律的には確定したところでございます。
続いて、21ページをごらんいただきたいと思います。郵便業務の中期経営目標についてでございます。財務内容の健全性で、積立金については、先ほど説明したとおりでございまして、効率化の指標のところで、事業経費率109.5%以下と記載してございます。第一期の経営目標は、98.5%以下でございますので、数字は高くなってございますが、これについては、後ほどご説明したいと思います。
そして、そのほかの目標としまして、その下のお客さま満足度の向上のところで、郵便送達日数達成率、97.0%以上ということで、こちらについては、第一期の目標と同水準となってございます。
続いて、22ページをごらんいただきたいと思います。郵便の目標に与える民営化等経費の影響ということで、先ほど申し上げました事業経費率についてでございます。事業経費率については、19年度上期(民営化等経費を含む)ということで109.5%となってございます。これは、先ほども申し上げました、年度前半については、年賀収入がないということで100%を超えるという構造的な、そういう形になってございますが、18年度中間が107.8%に対しまして、19年度上期は109.5%になってございますけれども、民営化等経費を除きますと107.0%ということですので、17年度や18年度の中間と比べましても、概ね同水準か、少し抑えた水準になってございます。
続いて、23ページでございます。貯金業務についての目標でございます。利益積立金につきましては、先ほどご説明した2,900億円以上ということで、効率化の指標の経費率、0.62%以下につきましては、第一期の中期経営目標の0.52%以下に比べて、少し高い水準になってございます。
これにつきましては、24ページのところでご説明をさせていただきたいと思います。経費率の目標につきましては0.62%以下と、これまでの中間期と比較して高い水準にありますけれども、営業経費が1,150億円増加、郵便貯金平均残高が約5.9兆円減少する見込みによるものでございます。
これまでの審議会でのご議論の中でも、分母が急に減少しているところは、経費率がどうしても悪く見えてしまうので、分母・分子の両方を分析する必要があるとのご指摘をいただいておりますので、ここの1)、2)で順番に分析を加えたものでございます。分子の営業経費につきましては、光熱水費などの経費の削減をしたものの、ICカード発行や防犯・警備の強化などの施策経費、民営化等経費が追加的に必要となったもので、これはお客さまへのサービス水準や業務品質を向上させ、確実に民営・分社化を行うためにやむを得ないと考えているところでございます。
分母の郵便貯金平均残高につきましては、18年度中間期よりも、19年度上期は3%ということで、5.9兆円減少の見込みとなってございます。
続いて、25ページでございます。簡易保険業務についてでございます。内部留保積増額は、先ほどご説明いたしまして、効率化の指標としての事業費率7.0%以下、こちらについても、貯金と同様、第一期の中期経営目標5.1%以下に比べて高い数字になってございます。これは、後ほどご説明したいと思います。
次に、お客さま満足度の向上のところで、失効解約率を保険金ベースで、保険1.8%以下、年金保険1.15%以下となってございます。第一期4年間の経営目標として保険3.6%、年金保険2.3%となってございます。これは、第二期につきましては6カ月間でございますので、1年間分に比べまして、第一期の半分となっておりますので、そういう意味では、第一期と同水準の目標設定となってございます。
続いて、26ページをごらんいただきたいと思います。保険の事業費率の関係でございます。事業費率の目標については7.0%以下と、これまでの中間期と比較して高い数値となっております。分子の事業費については、民営化等経費による増加、また分母の保険料収入は、既契約からの保険料収入の減少による影響が大きく、これらを除外した事業費率は、前年同期と同水準となってございます。
1)のところですが、事業費については、コールセンターの利便性アップ、簡易保険システムのシステムリスク低下のため等の経費の増加によって272億円増加しているが、民営化等経費を除けば、18年度中間期をやや上回る程度になってございます。
また、2)のところですが、保険料収入につきましては、16年中間の6兆円から、19年には4.1兆円まで大幅に減少しているという状況にございます。
続きまして、27ページをごらんいただきたいと思います。27ページから30ページまでは、これまで説明いたしました中期経営目標を達成するための取組として、事業計画に記載されている施策の対応関係を示したものでございます。
続いて、31ページをごらんいただきたいと思います。31ページは、予算、資金計画についてございます。予算については14兆9,624億円、資金計画は、下の図のとおりになってございます。
続きまして、32ページについてでございます。貯金の運用計画についてでございます。基本方針としては、(1)安全・確実性を重視した運用などということで、基本方針については、第一期と同様のものとなってございます。
2の第二期中期計画期間における資産構成のところでございます。資産構成の割合については、国内株式は概ね1%以下、外国債券は概ね2%以下、外国株式は概ね1%以下等となってございます。
括弧内については、第一期の割合でございます。第二期については、第一期より小さくなっております。この理由といたしましては、第一期は4年間であったために、保有資産の価値上昇も想定しまして、余裕を持って設定してございます。一方で、第二期は6カ月でございますので、保有資産の価値上昇分を上乗せしていないということで、この構成割合については、その運用実績がおさまる水準に策定したものでございます。
続いて、33ページの保険の運用計画でございます。こちらにつきましては、基本方針、資産構成につきましても、第一期と同様の計画となってございます。
続いて、審査結果につきまして、35ページに基づきましてご説明させていただきたいと思います。中期経営目標の審査結果の概要についてでございます。今回、第一期と同様の基準で審査しているものでございます。まず1つとして、目標選択の妥当性といたしまして、法令上、記載すべき事項がすべて記載されているかどうか。そして、その他必要な事項として記載されたものも、郵政民営化など公社を取り巻く経営環境等が踏まえられているということでございます。
指標の妥当性といたしましては、継続性の観点から、第一期と同じ指標が用いられており、いずれも目標の達成度を計るものとして適切なものが選択されていること、定量的に定めることが可能なものは、可能な限り定量的に定められており、定量的に定めることが困難なものについても、事後評価する際に必要な具体性があるということでございます。
目標内容の妥当性といたしましては、公社全体としては、第一期に引き続き、経営の健全性、サービス水準の維持・向上を目指すとともに、郵政民営化の確実な実施が重要な課題になることから、新会社への円滑な移行、内部統制の強化を新たに加えた目標となっているということでございます。
郵便については、民営化等経費が必要なこと、年賀郵便の収入がない前半期であるけれども、民営化等経費を除いた積立金及び経費率は18年度中間期と同水準であること。また、内部統制の強化、コンプライアンスの徹底が記載されているということでございます。
郵便貯金については、積立金は18年度と同水準、また経費率については、サービス水準や業務品質を向上させ、確実に民営・分社化を行うために必要な経費増であり、目標としてはやむを得ない水準であると認められるということ。さらに、サービス水準の維持・向上のための業務品質の改善、コンプライアンスの徹底等について記載がございます。
また簡易保険については、内部留保積増額は18年度と同水準、事業費率については、コールセンターの利便性アップや、簡易保険システムのシステムリスク低下のための経費により増加しているものの、民営化等経費の増加と保険料収入の減少による影響が大きく、これらを除けば18年度中間期と同水準ということで、そのほかコンプライアンスの徹底、業務品質の向上についても記載がございます。
こういったことを踏まえまして、今回の中期経営目標につきましては、平成19年4月1日以降の6カ月間についての経営に関する具体的な目標として、妥当なものと認められると考えてございます。
36ページから40ページまでが、個別の項目ごとに具体的に妥当性を確認したものでございます。
第二期中期経営目標・計画の概要、審査結果については、以上のとおりでございます。少し駆け足の説明になりまして、まことに恐縮でございました。よろしくご審議のほど、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
それでは、樋口分科会長より、ご報告をお願い申し上げます。
○樋口委員 それでは、日本郵政公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画の認可に関する審議につきまして、各委員からの主な発言内容をご紹介申し上げます。
まず生田総裁の説明に対しまして、民営化に向けて、コンプライアンスを含め、しっかりやっていただきたいという意見がございました。
次に、総務省の説明に対しまして、総務省の中での審査におきまして、特に議論になった項目についての質問。それから、通常の4年間の期間と、今回の第二期中期経営計画の期間は半年でございますが、その半年間の期間の中期経営目標を審査する場合の観点の違いがありますか、それは何でしょうかという点。それから、民営化後のコンプライアンスの維持についてといった質問がございました。
また、郵便の送達日数について、毎年、同じような結果であるけれども、何らかの工夫が必要ではないか。それから、ステークホルダーである社員に関して、メンタルヘルスなどの社員の観点からの目標・計画があってもいいのではないか。それから、民営化して社員が少なくなっていく一方で、業務量が増加して社員の負担が増加すれば、利用者との間でぎくしゃくしたものになってくる懸念がある。行政としても、このような懸念を解消するため、研究をしたほうがよいのではないかといった指摘や意見がございました。
以上のような審議状況を総合的に勘案いたしました結果、経営・評価分科会といたしましては、日本郵政公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画の認可に関する総務大臣の諮問内容を適当と判断し、総会へご報告するものであります。
以上です。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
ただいまの審議事項につきまして、ご意見、ご質問等はございませんでしょうか。ございましたら、どうぞ、ご自由にご発言いただければと存じます。
三宅委員、どうぞ。
○三宅委員 中期経営計画の事業計画では、サービス水準の維持・向上ということがうたわれていまして、その中で、郵便局ネットワークの有効活用ということが言われております。これは結構なことなのですが、この中期経営計画の文章のほうの3ページの真ん中あたりに、民間による郵便局ネットワークの活用という説明がありまして、そこで、「引き続き、ATM提携サービスや相互送金サービスなど郵便局ネットワークと民間事業者ネットワークとの接続によるサービスの提供の推進を図る」と書いてあります。これは正論だろうと思いますが、現実に相互送金について民間金融機関との間でどういうふうなことがなされているかを、私は郵便局へ行って調べてみたのです。それによると、提携金融機関は、地方銀行が、青森銀行、みちのく銀行、荘内銀行、スルガ銀行、大垣共立銀行、鳥取銀行、それから第二地方銀行が、京葉銀行、東日本銀行、みなと銀行、信託銀行が住友信託銀行、それから外国銀行がシティバンク、エヌ・エイで、その他の銀行が新生銀行、それと全国の労働金庫、あとは一部の信用金庫や信用組合と、これだけしか現段階では提携していないんです。
それで、本来のネットワークを活用するというのであれば、当然、メガバンクも含めて提携先を広げないといけない。過去、民間金融機関と当時の郵政省が、いわば縄張り争いをしていたときには、そういうことは、特に民間金融機関のほうでは、とんでもない話だということを言われたと思うのですが、日本郵政公社が民営化に向けて動き出すときには、民間金融機関も、もっと手を差し伸べてあげないといけないと思います。
それから、日本郵政公社も積極的に働きかける。そういったことが、国民の利便性の向上につながる。そういった具体的な行動を日本郵政公社が示すように、総務省のほうからご指導をお願いしたいと思います。特に、この10月から、また組織が変わります。日本郵政株式会社という持株会社のもとで、郵便事業会社、郵便局会社、郵便貯金銀行そして郵便保険会社がぶら下がる形になるわけですけれども、そこで経営トップの方針がぐらぐら揺れるようでは、国民の利便性は非常に阻害される。そこのところは、しっかりと総務省のほうで監督していかれる必要があると私は思います。
以上です。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
ただいまの件で、どなたか。はい。
○淵江貯金企画課長(併)保険企画課長 貯金企画課長の淵江でございます。
三宅委員から、良いご指摘をいただいたと思っています。ただいま日本郵政株式会社のほうでは、民間金融機関と全銀システムを接続する旨、交渉していると聞いております。総務省としましても、三宅委員がご指摘のとおり、国民の皆さんの利便性向上のために、全国の金融機関と相互に送金ができることは大切だと思いますので、その動きを支援するように努めてまいりたいと思います。
ありがとうございました。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
よろしゅうございますでしょうか。
○三宅委員 はい。
○田尻会長代理 それでは、ほかに、ご意見、ご質問ございましたら、どうぞ。
○松ア委員 それに関連して、ユニバーサルのサービスを提供したいというのであれば、インターネットを活用したサービスをもっと使いやすく考えていただきたいと思います。
先日、私も自分で登録したのですが、パスワードが2つも必要だったり、大変煩雑です。まず入り口が使いにくくて、はっきり言えば利用者にとって使えないシステムになっています。統合が行われると、過疎の地域では郵便局がなくなったりするわけですね。それを補うためのものとしても、ぜひインターネットを、だれでもどこでもユビキタスに利用できるよう整備していただきたいと思います。
過去、キャプテンシステムのときに委員会に出ていたのですが、最終的に、1局に必ずシステムを置いて使えるようにとおっしゃっていたのが、最後の委員会では、「勇気ある撤退もまた必要」というコメントをいただいて、もう愕然とした記憶があります。今回はぜひ、そういう勇気ある撤退ではなく、勇気ある前進でインターネットを活用するシステムを早急に整備するようお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○田尻会長代理 ただいまの松ア委員のご発言に、何か総務省サイドから。よろしくどうぞ。
○淵江貯金企画課長(併)保険企画課長 淵江でございますが、大変良いご指摘をいただきました。私も自分で使ってみて、大変使いにくいなというのが印象で、また、ある新聞社の金融機関のサービスを比較する記事を読んだときにも、郵便局のインターネットサービスに対する評価が非常に低かったというのをよく覚えております。
その点につきましても、今の公社の段階で何とか対応できないのかという話はしておりますが、現状を申しますと、今年の10月の民営化のためにシステムをつくることが最優先でございまして、それができた後の対応になるんじゃないかなと。ただ、大変重要なことだと思いますので、その辺についても、しっかり取り組むように、公社及び株式会社のほうに伝えていきたいと思います。ありがとうございます。
○田尻会長代理 ありがとうございました。
それでは、ほかに、ご質問、ご意見ございませんでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
特にないようでございましたら、総務大臣諮問第273号「日本郵政公社の第二期中期経営目標及び中期経営計画の認可」につきましては、適当と認め、諮問のとおり答申することといたして、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○田尻会長代理 ありがとうございます。
それでは、そのように決定させていただきます。
ただいま決定いたしました答申書の取扱いにつきましては、事務局で所定の手続に従って取り運んでください。
なお、本日頂戴しました有益なご意見につきましては、事務局を通じて公社に伝えることといたしたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
以上をもちまして、本日、予定しておりました議事は、すべて終了いたしましたので、閉会とさせていただきます。
なお、この後、私が記者会見を行い、本日の議事の模様を公表させていただきたいと存じます。
委員の皆様方、本日は、お忙しい中、ご出席いただきまして、どうも大変ありがとうございました。
閉会 |