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各府省等において取り交わされた文書

高速自動車国道における救急業務に関する覚書

高速自動車国道における救急業務に関する覚書

 建設省、消防庁及び日本道路公団は「高速道路救急業務に関する調査研究委員会」による昭和49年3月15日付けの答申及び「有料道路負担問題検討委員会」による昭和54年7月10日付けの答申の趣旨に基づき、高速自動車国道における救急業務について必要な措置を推進することとし、その実施の方法等に関し次のとおり覚書を締結する。
 なお、この覚書の適用は昭和55年4月1日からとし、昭和49年4月1日付けで建設省、消防庁及び日本道路公団の間で締結された「高速自動車国道における救急業務に関する覚書」は廃止する。

昭和55年12月1日

建設省道路局道路交通管理課長 三木 克彦

消防庁予防救急課長         山越 芳男

日本道路公団管理部長        吉田 伸

1 市町村による高速自動車国道における救急業務実施方式等について
 高速自動車国道における救急業務を市町村(組合を含む。下記2の(2)、(3)及び(4)を除き以下同じ。)が実施する場合においては、原則として、1インターチエンジにつき、そのインターチエンジの敷地が所在する市町村(以下「インターチエンジ所在市町村」という。)が1であるときにおいては当該インターチエンジ所在市町村が、複数であるときはそのうちのいずれか一がそのインターチエンジと隣接するインターチエンジの区間を単位として上下線の方式(以下「上下線方式」という。)により担当する。
2 日本道路公団による自主救急について
 (1)  「高速道路救急業務に関する調査研究委員会」による昭和49年3月15日付け答申(以下「答申」という。)
   2(1)における「その管理区間」とは、交通管理隊が配置される管理事務所(以下答申の「交通管理分駐所」
   を「管理事務所」と読み替える。)の最終の管理区間となるべき区間をいう。
 (2)  答申2(1)における「人口5万未満のインターチエンジが所在する市町村が救急業務を担当すべき区間」
   とは、上下線方式により人口5万未満のインターチエンジ所在市町村(当該インターチエンジにインターチ
   エンジ所在市町村が2以上あり、その一が人口5万以上である場合における当該インターチエンジにかか
   る人口5万未満のインターチエンジ所在市町村を除く。)が高速自動車国道における救急業務を担当する
   とした場合におけるその区間をいう。
 (3)  新規供用予定の高速自動車国道の区間にかかる管理事務所が答申2に該当する管理事務所であるか
   どうかは、毎年度、当該新規供用予定年度の前年度の8月1日現在において見込まれる当該新規供用予
   定年度における高速自動車国道の供用区間及び当該新規供用予定年度の前年度の4月1日におけるイ
   ンターチエンジ所在市町村の全国国勢調査による人口を基礎として答申2から判定する。
 (4) 既供用の高速自動車国道の区間にかかる管理事務所が当該管理事務所を設置した年度の翌年度以降
   の年度において答申2(1)に該当しているかどうかは、毎年度、当該年度の前年度の4月1日現在における
   インターチエンジ所在市町村の全国国勢調査による人口を基礎として答申2(1)から判定する。
 (5)  自主救急基地の設置又は廃止については、日本道路公団と関係市町村は、あらかじめ、協議を行うも
   のとする。この場合において、関係都道府県は、関係機関相互の連絡調整をはかるものとする。
 (6)  市町村の救急隊は、次に掲げる場合においては、自主救急が実施されている区間についても出動する。
   1 自主救急隊のみでは、一度に搬送し得ない数の負傷者が発生した場合及び発生したと思われる場合
   2 自主救急隊がすでに出動している間に新たに救急事故が発生した場合
   3 負傷者の救出に特別な器具を必要とする場合
   4 その他特別な事情により自主救急が実施できない場合
3 日本道路公団の救急業務実施市町村に対する財政措置について
 (1) 高速自動車国道において、原則として、上下線方式により救急業務を実施する市町村(以下「救急業務
   実施市町村」という。)に対し、財政措置を講ずる。
 (2) 日本道路公団が救急業務実施市町村に対し、財政措置として支弁する金額(以下「支弁額」という。)は、
   別表1に定める基礎数値を用いて算定するものとし、同表中(イ)、(ハ)及び(ニ)の項目に関し用いる具体的
   数値は、当該財政措置を講ずる年度の前年度末までに消防庁、日本道路公団及び本州四国連絡橋公団
   が確認する。
 (3) 日本道路公団の救急業務実施市町村に対する財政措置は、昭和49年3月31日以前に供用開始された
   高速自動車国道の区間にかかる救急業務を実施している市町村にあつては、昭和49年4月1日以降に
   おいて実施する当該救急業務に対して、昭和49年4月1日以後に供用開始される高速自動車国道の区間
   にかかる救急業務を実施する市町村にあつては、当該供用開始された日以降において実施する当該
   救急業務に対して、それぞれ講ずる。
 (4) 答申4(1)における「新たに救急隊1隊を設置した」とは、救急業務実施市町村の消防本部、消防署又は
   出張所等に、救急隊1隊を維持するために要する費用の積算の基礎となる人員に見合う救急隊員及び
   救急車1台以上が新たに配置され、常時、救急業務が実施できる体制が確立されたことをいう。
 (5) 答申4(1)のただし書における高速自動車国道における救急業務を行うために明らかに救急隊1隊を新
   たに設置したかどうかの判定は、次に定めるところにより行う。
   1 救急隊数が1である救急業務実施市町村(消防法上、救急業務の実施を義務付けられているものを
    除く。)については、答申4(1)(2)の要件を満足しているものとみなす。
   2 答申4(1)に掲げる(1)から(3)までの要件のうち2要件(前記(1)に該当する場合においては、(1)又は
    (3)の要件のうちいずれか)を満足し、かつ、要件を満足していない1要件が(1)である場合には次に
    掲げるイを、(2)である場合には同ロを、(3)である場合には同ハを満足する救急業務実施市町村に
    ついては、救急隊が新設されたものとみなす。
    イ 救急隊新設の時期が高速自動車国道の区間の供用開始年度と異なるが、その供用開始日の
     前後180日以内であること。
    ロ 市町村人口/(供用年度救急隊数-1)≦救急隊1隊当りの全国平均人口×1.1を満足する市町
     村であること。
    ハ 新設された救急隊がインターチエンジから4キロメートル以内の位置にあること。
 (6) 答申4(1)に該当する救急業務実施市町村であるか否かの判定は、次に定めるところにより行う。
   1 当該市町村の人口、救急隊数及びインターチエンジから当該新設救急隊が配置されている消防
    署等までの距離は、供用開始の日(当該救急業務実施市町村にかかる高速自動車国道の区間
    の供用開始以後に救急隊を新設した場合においては、当該設置の日)における全国国勢調査に
    よる人口、隊数及び距離を用いる。
   2 救急隊1隊当りの全国平均人口は、救急隊を設置した年度の前年度の4月1日における救急隊数
    及び全国国勢調査による人口(これに、1,000未満の端数が生じたときは、これを1,000に切り上げ
    る。)を用いるものとし、当該財政措置を講ずる年度の前年度末までに消防庁及び日本道路公団
    が確認する。
   3 次に掲げる市町村(既に、高速自動車国道における救急業務を行うため、新たに救急隊1隊を設置
    したと認められた市町村を除く。)については、当該各号に掲げる日を1の供用開始の日とみなす。
    一 高速自動車国道の既供用区間と新規供用区間との接点となるインターチエンジが所在する市町
      村 当該新規区間が供用開始された日
    二 高速自動車国道の既供用区間に、新たに設置されたインターチエンジが所在する市町村
      当該インターチエンジが新設された日
 (7) 答申4(1)に認定された救急業務実施市町村の当該救急業務実施にかかる高速自動車国道の区間が、
   供用開始年度から数えて第3年度目及び第6年度目に該当する場合の当該年度の支弁額は、次式に
   より算出した額とする。
   1  供用開始年度から数えて第3年度目に該当する場合
   2 供用開始年度から数えて第6年度目に該当する場合
 (8)  答申4(2)を適用する場合における人口規模別の分類は、人口5万未満、人口5万以上10万未満、
   人口10万以上20万未満及び人口20万以上の4区分とし、いずれの区分に該当する市町村であるか
   は、既供用の高速自動車国道の区間にかかる市町村にあつては、毎年度、当該年度の4月1日に
   おける全国国勢調査による人口をもつて判定し、新規供用の高速自動車国道の区間にかかるもの
   にあつては、供用開始日における全国国勢調査による人口をもつて判定する。
 (9)  答申4(2)に認定された救急業務実施市町村に対する支弁額の算定は、答申4(2)により算出された
   額に、各市町村の当該年度の前々年の高速自動車国道への救急出動回数に応じ、当分の間、次表
   の割増率を乗じて得た額とする。
年間出動回数 割増率
25回未満
25回以上50回未満
50回以上75回未満
75回以上100回未満
100回以上
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
 (10)  特殊事例に関する答申4(1)又は4(2)の財政措置は、別表2に定めるところにより講ずる。
 (11)  支弁額の支払等に関する事務は、次に定めるところによる。
   1  救急業務実施市町村は、当該年度の4月1日において既供用の高速自動車国道の区間にかかるも
    のにあつては、当該年度の上半期の当初に、新規供用の高速自動車国道の区間にかかるものにあ
    つては当該新規供用時に、別記様式1による書面に必要な事項を記載して、当該区間を管理する日
    本道路公団の建設局又は管理局(以下「管理局等」という。)に対し支弁額の確認の申請をするもの
    とし、管理局等は、これらを確認のうえ別記様式2により通知後、当該年度の4月1日において既供用
    の高速自動車国道の区間にかかるものにあつては、当該年度の上半期及び下半期の当初に、新規
    供用の高速自動車国道の区間にかかるものにあつては、当該新規供用時に市町村の請求に基づき、
    当該支弁額を支払う。
     ただし、当該救急業務実施にかかる高速自動車国道の区間が供用開始した年度の途中又は当該
    供用開始年度の翌年度の途中において、当該供用区間における救急業務を行うため救急隊を新た
    に設置する計画のある市町村は、当該救急隊を設置したときに当該年度分の支弁額を一括して請求
    するものとし、管理局等はこれらを確認のうえ当該支弁額を支払う。
   2  救急業務実施市町村に対し、答申4(1)又は4(2)に基づく財政措置を講ずべき日数(以下「支弁対象
    日数」という。)が1年に満たない場合における当該市町村に対する支弁額は、答申4(1)又は4(2)に
    より算出された額に、支弁対象日数/365を乗じた額とし、前記1ただし書により答申4(1)及び4(2)の
    双方の適用をうける救急業務実施市町村にあってはそれぞれの合計額とする。
   3  高速自動車国道の区間が供用開始された後、当該供用開始の年度又はその翌年度以降の年度
    の途中から自主救急が実施される予定の高速自動車国道の区間にかかる救急業務実施市町村に
    ついて、自主救急を開始する日の変更により当初の支弁額に増減が生じたときは、自主救急開始時
    又は当該自主救急開始予定の年度末においてこれを清算する。
4 日本道路公団と市町村との連携強化等について
 (1)  答申5 (2)における連絡協議会等は、原則として、日本道路公団の交通管制室の管理担当区間を単位
   に設置するものとし、必要がある場合には、一定の区間毎にその下部機関としての地区連絡協議会等を
   設置する。
 (2)  高速自動車国道における救急業務に関する関係機関の連携強化、相互協力等に関する具体的方策に
   ついては、各連絡協議会等においてそれぞれ定める。
5 昭和55年度上半期分として昭和49年4月1日付けで締結された「高速自動車国道における救急業務に関する
 覚書」に基づき、すでに支弁された支弁金については、新たに締結された覚書の支弁金の内払いとみなす。
6 その他
 この覚書に関し疑義を生じたときは、その都度建設省、消防庁及び日本道路公団が協議のうえ決定する。

別表1
支弁額算定に必要な基礎数値
別表2
特殊事例に関する財政措置

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