各府省等において取り交わされた文書
国際緊急援助隊の派遣に関する法律案にかかる消防庁次長・外務省経済協力局長間の覚書
覚書
外経協技第12号
消防救第24号
昭和62年3月11日
外務省経済協力局長
英 正道
消防庁次長
山越 芳男
外務省及び消防庁は、国際緊急援助隊の派遣に関する法律案を国会に提出するに際し、下記の通り確認する。
記
- 外務省は、被災国政府等から国際緊急援助隊の派遣の要請があり、その派遣を適当と認める場合において、当該要請に救助活動が含まれているときは、地方公共団体の消防機関の有する救助のレベル、現在までに消防庁に登録している消防本部による適確かつ迅速な出動体制、及びこれまでの実績等を十分踏まえ、必ず消防庁に対し本法案第3条に基づく協議を行うものであること。
- 外務省及び国際協力事業団(以下「JICA」という。)は、予算の範囲内で他との均衡を考慮の上、救助に係る国際緊急援助活動に必要な機材その他の物資の調達、備蓄等に努めるものであること。
- 本法案第1条に規定する「国際緊急援助活動を行う人員を構成員とする国際緊急援助隊」は、関係行政機関又は各地方公共団体等の事務として、それぞれの任命権者等の指揮命令等の下、国際緊急援助活動を行う人員の集まりという意味であり、これらの人員とは別個独立の組織を創設したものではないこと。
- 消防庁の職員及び市町村(東京都及び市町村の消防の一部事務組合を含む。以下同じ。)の消防機関の職員が本法案に基づき国際緊急援助活動を行うことは、消防庁の事務又は市町村の事務(地方自治法第2条第2項の事務)として公務出張によりなされるものであり、JICAは、消防庁又は市町村に対する出張依頼を行うものであること。この出張依頼は、従来JICAが行っている委嘱と異なり、JICAが相手方に対し使用者の地位に立つものではないこと。
- 本法案第4条の規定に基づき、国際緊急援助活動を行う国若しくは地方公共団体の職員に係るJICAの行う「派遣」は、これらの職員に係る出張依頼、渡航手続き、輸送の手配等の事務を意味するものであり、外務省及びJICAがこれらの職員に国際緊急援助活動を行わせるものではないこと。
- 国際緊急援助活動を行う市町村の消防機関の職員の帰国決定の権限は、当該市町村が有するものであること。
- 本法案は、本法案にいう国際緊急援助隊以外の人員の海外の被災地における救助活動については何ら規定するものではないこと。
- 上記3から7については、内閣法制局において確認済みであること。
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