無人の小型飛行機である「ドローン」は、普段人の目が届かない民家やマンションの部屋の中などを空から撮影することが可能です。
そして、ドローンを用いて撮影した画像・映像を被撮影者の同意なくインターネット上で公開する場合には、被撮影者のプライバシー及び肖像権を侵害するおそれがあります(注1)。
このため、ドローンを用いて撮影した画像・映像をインターネット上で公開する場合には、被撮影者のプライバシー及び肖像権、並びに個人情報の保護に配慮するようお願いいたします。
具体的には、撮影の際には被撮影者の同意を取ることを前提としつつ、同意を取ることが困難な場合には、以下のような措置を取るようお願いいたします。
- 人の顔や車のナンバープレート等(注2)プライバシー侵害の可能性がある撮影映像等に対しては、ぼかしを入れるなどの配慮をすること
- 特に、ドローンによる撮影映像等をインターネット上で公開できるサービスを提供する電気通信事業者においては、削除依頼に対する体制を整備すること
(注1)
ドローンを用いて画像・映像を撮影し、更に被撮影者の同意なくインターネット上で公開した場合、以下のリスクを負うことになります。
- 民事上、撮影者は被撮影者に対して、不法行為に基づく損害賠償請求を負うこととなります(民法第709条:故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。)。
- 浴場、更衣場や便所など人が通常衣服をつけないでいるような場所を撮影した場合には、刑事上、軽犯罪法の対象となるおそれがあります(軽犯罪法第1条:左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。同法第23号:正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者)。
- 個人情報取扱事業者による撮影の場合には、無断での撮影行為は不正の手段による個人情報の収集に当たり、個人情報保護法の違反行為となるおそれがあります(個人情報の保護に関する法律第17条:個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。)。
(注2)
表札、住居の外観、洗濯物その他生活状況を推測できるような私物もプライバシーとして法的保護の対象になることがあります。