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会見発言記事

高市総務大臣予算折衝・地方財政対策関係記者会見の概要

令和元年12月18日

冒頭発言

  皆様、おはようございます。

【令和2年度予算 大臣折衝状況】

  先ほど、財務大臣と地方財政対策について折衝し、合意をしたところでございます。

◆一般財源総額の確保
  一般財源総額については、地方団体が安定的な財政運営を行えるよう、前年度を0.7兆円上回る63.4兆円程度を確保するとともに、水準超経費を除く交付団体ベースで見ますと、前年度を1.1兆円上回る61.8兆円を確保することができました。
  その中でも、地方交付税総額につきましては、前年度を0.4兆円上回る16.6兆円程度を確保しました。増額は、2年連続となります。

◆臨時財政対策債の抑制
  臨時財政対策債の発行額は、前年度から0.1兆円減の3.1兆円とすることができました。

◆地域社会再生事業費(仮称)の創設
  歳出につきましては、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用して、地方団体が地域社会の維持・再生に向けた幅広い施策に自主的・主体的に取り組むため、新たに「地域社会再生事業費」を0.4兆円計上することといたしました。

◆緊急浚渫推進事業費(仮称)の創設
  防災・減災対策として、河川などの浚渫を推進するため、新たに「緊急浚渫推進事業費」を0.1兆円計上します。
  これは、私の悲願でもありました新たな政策でございます。

◆災害防止・国土保全の機能強化
  災害防止・国土保全機能強化などの観点から、森林整備を一層推進するために、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金を5年間で2,300億円活用します。また、令和2年度は森林環境譲与税を前年度の200億円から400億円に倍増することといたしました。
  加えて、これまで各市町村長から伺ったお声を参考にしたものでございますが、都道府県などが技術職員の増員を図り、技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害発生時の中長期派遣要員を確保するための経費に対する地方財政措置を講じることといたしました。

◆まとめ
  このように、地方財政対策は、一般財源総額をしっかりと確保した上で、地方交付税総額を増額し、臨時財政対策債の発行額を抑制するなどの内容となっておりまして、地方団体にも評価していただけるものだと考えております。
  地方団体におかれましては、今回の対策を踏まえていただき、地域社会の維持・再生、また、防災・減災対策の更なる推進など、様々な地域の課題に積極的に対応していただくことを期待いたしております。

◆予算重要項目
  地方財政対策以外の予算重要項目につきましても折衝を行いました。
  「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」は、地域課題の解決に資することが期待されている「ローカル5G」の実現に向けて、地域のニーズを踏まえた開発実証を推進するものであり、36.2億円を確保しました。
  「グローバル量子暗号通信網構築のための研究開発」につきましては、現代暗号の安全性の破綻が懸念されている量子コンピュータ時代において、重要機関の間での機密情報のやり取りを安全に実施可能とするために、グローバル規模で、量子暗号通信網の実現に向けた研究開発を推進するものでございます。14.4億円を確保しました。
  なお、現段階におきましては、予算の編成作業に合わせて計数整理中でございますので、詳細につきましては、20日に予定されています政府予算案の閣議決定後に、事務方から説明させていただきます。

  私からは、以上でございます。

質疑応答

令和2年度の予算及び地財対策への思い

問:
  今回の大臣折衝で、苦労された点はどういう点だったのか、また、地財対策について、地方から評価される内容になっているのかについて、お聞かせください。
答:
  先ほど重点項目で申し上げた点でございますが、「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」及び「グローバル量子暗号通信網構築のための研究開発」につきましては、地域の活性化や安全性の高い通信を実現する点で、今後、我が国の情報通信分野における最重要課題だと考えております。
  本日の大臣折衝で、それぞれの必要額まで増額することができました。折衝前は、5Gは、19.4億円でしたが36.2億円に、そして、量子暗号は、7.5億円から14.4億円にと、非常に大きくお認めいただけたと思っております。
  それから、令和2年度の地方財政対策におきましては、地方財政計画の歳出に、
  ・人づくり革命などの社会保障費の増1.3兆円
  ・偏在是正措置により生じる財源を活用した「地域社会再生事業費」の創設0.4兆円
  ・会計年度任用職員制度導入に伴う経費の増0.17兆円
を適切に計上しまして、特に水準超経費を除く交付団体ベースの一般財源総額を1.1兆円増の61.8兆円確保することができたことは大きかったと思います。
  交付税総額につきましては、補正予算に伴う減額の精算を令和3年度からとしたこと、交付税特別会計の剰余金0.1兆円を活用することとしたこと、こういった工夫によりまして、対前年度0.4兆円増の16.6兆円を確保することができました。
  さらに、臨時財政対策債につきましては、前年度から0.1兆円減の3.1兆円としまして、残高も0.5兆円減の53.3兆円とすることができました。
  このほかにも、先ほど申し上げました防災・減災対策の強化について、浸水被害などを防ぐために、普段から河川の維持・管理、つまり浚渫などを集中的に進めていただくことができますように、「緊急浚渫推進事業費」0.1兆円を創設することができました。
  実は昨年、私の事務所があります地域の自治会長さんが、豪雨災害で中小河川に落下して、そのまま流されてお亡くなりになりました。今年の台風、豪雨災害でも各地で中小河川が氾濫し、被害が大きくなるという事態が起きました。
  これは地方単独事業ではなかなかできないということで、思い切って総務省として対策をとることを決断したものでございます。新たにこれを活用していただきたいと考えております。
  森林環境譲与税を前年度の200億円から400億円に倍増したことも、思い切った政策であり、これは、災害防止や国土保全機能強化に資するものだと考えております。
  技術職員の増員も、市町村支援や災害時の中長期派遣要員の確保を推進できるものだと考えております。
  私としては、最大限の対応ができたと考えておりますので、地方からも評価をいただける内容になったと思います。

会計年度任用職員の財源

問:
  会計年度任用職員について伺います。来年度から始まるに当たり、「人件費が増える」という不安の声が各自治体から出ていますが、今回の財源確保について、不安を払拭する内容になっているかどうか教えてください。
答:
  来年度から、会計年度任用職員制度が施行されることとなりまして、新たに期末手当などを支給することになります。
  これまで、地方団体に対して、所要額に関する調査を行ってまいりました。その結果を踏まえまして、地方財政計画において1,700億円程度を増額計上し、必要となる一般財源を確保しております。
  ご安心をいただいて、地方公共団体では、当該制度の円滑な移行に取り組んでいただきたいと、期待いたしております。

問:
  ほかにありませんか。では、以上で終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
答:
 どうもお疲れさまでございました。
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