会見発言記事
新藤総務大臣閣議後記者会見の概要
平成25年3月22日
冒頭発言
おはようございます。それでは、本日の閣議後の会見をさせていただきます。
【医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視】
まず、本日、「医薬品等の普及・安全に関する行政評価・監視」の結果に基づく勧告を、厚生労働大臣に対して行いました。この、本勧告は、まず、(1)新医薬品等の承認審査の改善等による供給の迅速化、(2)後発医薬品の普及促進のための措置、(3)医薬品等の安全対策の推進などを求めております。厚生労働大臣に対し、今回の勧告の趣旨を御理解いただき、必要な措置を講ずるよう求めたところであります。
【平成25年版「地方財政の状況」の閣議決定】
次に、本日、平成25年版「地方財政の状況」、いわゆる「地方財政白書」について閣議決定し、国会へ報告しました。平成25年版地方財政白書では、平成23年度の決算状況を中心に、地方財政の状況について報告をしております。詳しい内容については、後ほど事務方から資料配布させていただきます。
【平成24年度特別交付税及び震災復興特別交付税の3月交付の閣議決定】
それから、平成24年度の特別交付税及び震災復興特別交付税の3月交付額を決定し、その内容について先ほどの閣議において報告をいたしました。まず、特別交付税の3月交付額は7,420億円、今年度の交付総額は1兆473億円となりました。この決定に当たり、今冬期の大雪に係る除排雪、地域における医療や交通の確保のための財政需要のほか、普通交付税の算定によっては捕そくしがたい特別の財政需要について算定をいたしました。各地において、多額の経費を要している除排雪については、448億円の措置をしたところであり、普通交付税による措置との合計額は1,876億円と、過去最高額の措置となりました。また、震災復興特別交付税の3月交付額は4,803億円であり、今年度の交付総額は7,645億円でございます。東日本大震災に係る被災団体の実施する様々な復旧・復興事業の地方負担分や地方税の減収分等の全額を措置したほか、補正予算に計上した津波被災地域の住民の定着促進のための増額分、1,047億円を交付することとしたところであります。引き続き、被災団体が、東日本大震災からの復旧・復興事業を円滑に進めることができるよう、その実情をよくお伺いしながら適切に対処してまいりたいというふうに思います。
【福島県の双葉消防本部への全国消防職員の派遣】
後、三つほどございます。
併せて、本日の閣僚懇で、福島県の双葉消防本部への全国消防職員の派遣について発言をいたしました。福島第一原子力発電事故に伴い設定された警戒区域等の多くを管轄する双葉消防本部は、東日本大震災以降、職員の総力を挙げて、管轄地域内の消防活動に尽力をされてまいりました。しかしながら、復興区域等の見直しに伴う住民の一時立入りや、復旧・復興関係者の出入り等により、火災の発生が懸念される一方で、職員数が減少し、今後の消防活動体制は、より厳しい状況が見込まれております。このような状況を踏まえ、この度、双葉消防本部から人的支援について協力要請があり、消防庁と全国消防長会が連携をして、消防職員の派遣に係る調整や呼び掛けを行ったところであります。その結果、当面、4月1日から9月末までを活動期間として、福島県内を含む全国22の消防本部から消防職員を「福島支援全国消防派遣隊」として派遣をいたしまして、火災の警戒巡回や消化活動を実施していただくことになりました。派遣職員数は約12名体制で、2週間ごとに交替するために、半年間で総人員195名となります。また、派遣に要する経費は、震災復興特別交付税により全額措置をいたします。全国の消防職員の絆をもって、被災地の皆様の安心・安全の確保が図られるよう頑張っていただきたいと考えております。詳細につきましては、この会見終了後、事務方より説明がございます。
【行政不服審査制度の見直し(1)】
続きまして、行政不服審査制度の見直しについてでございます。行政の処分に関し、国民に広く申立ての道を開く行政不服審査制度は、国民から信頼される公正な行政の基盤ともなる仕組みでございます。現在、50年ぶりの実質的な法改正に向け見直しを進めておりますが、その際、実務にかかわっている方々からの意見を広く聞くことによって、より良い制度にしたいと、このように考えておりまして、本日午後、各府省・各団体からヒアリングを行う予定となっております。今後、更に検討を進め、この夏を目途に改正方針を策定したいと、このように考えています。
【北海道への出張(1)】
そして、最後でございます。今晩から明日にかけまして、私が北海道へ出張いたします。全国で唯一の財政再生団体である、夕張市を訪問いたしまして、3月6日に夕張の財政再生計画の変更について、総務大臣として同意をしたところでありますが、計画が実際にどのように実施されているか、これを、現地を見る必要があるというふうに、かねてより考えておりました。現地の視察や地元の関係者との意見交換を通じて、計画の進捗状況や課題を把握したいと、このように考えております。また、併せて、芸術を核とした美唄市の地域活性化の取組、更に、独自の展示法により全国的に有名となった旭川市立旭山動物園の取組、旭川市内の郵便局等、地域の元気を創造している現場を視察するとしております。その、それぞれの場所で関係者との意見交換を考えております。具体的な日程につきましては、既に資料を配布させていただいておりますので、御覧いただきたいと思います。
私の方からは以上であります。
質疑応答
北海道への出張(2)
- 問:
- 幹事社、日経新聞の館野と申します。最初、1問だけお願いします。冒頭、御発言のありました、北海道の出張、とりわけ、夕張の部分ですけれども、大臣としては特にどういった部分を中心に御覧になって、どういかしていきたいとお考えでしょうか。
- 答:
- 今、申しましたように、このですね、財政再生計画の変更について、総務大臣が同意をしたカテゴリーであります。その事業を実際に私が目でですね、確かめたいと。それから、地元の方々の意見もお聞きしたいと、このように思っております。それは、市営住宅の再編事業ですとか、新しいまちづくりのプランがそこに入っているわけでありまして、そういったものを自分の目で見ながら、夕張の市長、また、北海道の知事もお会いすることになりますが、また、商工団体ですとか、社会福祉の関係者ですね、そういう皆さんとの意見交換を、予定をしているというところでございます。
神奈川県臨時特例企業税に係る最高裁判決
- 問:
- 朝日新聞の河口です。神奈川県のですね、臨時特例企業税に関しまして、最高裁が昨日、条例は地方税の趣旨に違反していて、違法・無効だとする判決を出しました。この企業税につきましては、かつて、総務省、総務大臣も同意していたわけですけれども、今後の地方の独自課税制度に対する影響ですとか、今後の対応についてはどのようにお考えでしょうか。
- 答:
- 昨日ですね、最高裁でその判決があったことは承知をしております。しかし、訴訟につきましては、総務省が当事者ではございませんので、私の方からコメントをすることはいたしません。一般論と申し上げれば、地方公共団体が住民の意向を踏まえて、自らの判断と責任において課税自主権を活用すること。これは、それにより、財源確保を図ること自体は地方分権の観点から望ましいと考えておりますし、今後もその方針は変わらないと、このように思っています。そして、今回の訴訟は総務大臣の同意そのものが争われたものではありませんので、私どもの、総務大臣の同意というのはですね、地方団体の課税自主権を尊重する観点から、不同意要件というのがございます。不同意要件に該当する場合を除き、総務大臣は同意を義務付けられていると、こういう中で臨時特例企業税については、平成13年の当時、不同意要件には該当しないと、そのように判断した上で同意をされたものというふうに承知をしております。
震災復興特別交付税
- 問:
- NHKの伏見と申します。冒頭ありました、震災復興特別交付税についてお尋ねしたいかと思うのですけれども、今年でこれ、2年目になりまして、改めて、今の被災地の状況ですね、それから、復興に対する支援の在り方、大臣の所見をお伺いできればと思います。
- 答:
- 復興を加速していかなくてはならないと。それから、被災地に寄り添う予算としなくてはならないと。こういう思いの中でですね、我々とすれば、できるだけ需要に応じて財政支援ができるように措置をしたつもりであります。しかし、予算を、枠組みをしっかり作ってもですね、なかなかそれを執行するのが難しい状況があるのも現実であります。ですから、今後更に、いかにして復興事業が現地において、現実に進むかという、そのためのですね、いろいろな支援策、また、改善策が必要なのではないかなと、このように思っておりますし、私どもとすれば、何よりも人的な支援をですね、マンパワーの支援というものを地元が求められております。ですから、そういうものについては、より一層の効果が上げられるような制度を、制度というよりも、支援を、今、考えているところであります。いずれにしても、被災から2年を過ぎまして、心の傷が癒されることはないと思いますし、何よりも、何十年もかけてつくってきたまちが一瞬にして壊れてしまったわけで、その時間を取り戻すのは容易なことではないわけであります。ですから、被災地の皆さんが心配の無いように、将来に不安が少しでもですね、少なくなるように、国とすれば、これはもう最後までしっかりと御支援をすると、こういう姿勢を示し続けていくことが重要ではないかと、このように思っています。
行政不服審査制度の見直し(2)
- 問:
- すみません、産経新聞の村上です。現状のですね、行政不服審査制度については、大臣はどのように評価されて、今後、どのような方向で見直しが進んでいくのかというのをちょっとお聞かせください。
- 答:
- 行政不服審査制度は、これは、行政の処分に関して、国民に広く申立ての道を開くという制度でありまして、国民から信頼される公正な行政の基盤ともなる、そういう仕組みであると、このように思っています。しかし、この制度は、昭和37年の制定以降、50年間抜本的な法改正が行われていなかったわけであります。その間に、社会における権利意識の変化、こういったものもございますし、行政手続法の制定に関する法整備も、整備・拡充が行われているわけであります。したがって、この、時代に即した行政不服審査制度のこの見直しというのは必要になっていると、このように判断をしております。今後のことについてはね、これまで、平成20年に、一度自公政権で改正法案が提出されております。また、それ以外にもですね、見直しの方針が取りまとめられたこともございます。ですから、これまでのいろいろな議論を踏まえながら、今回、しっかりとした枠組みを作れるようにしていきたいと、このように考えております。
消防団員の高齢化・不足
- 問:
- 大臣、すみません、時事通信、丸山です。福島の方には消防職員を派遣されるということなのですが、全国でですね、消防団員が、高齢化とか不足が、これ、問題になっております。これについて新藤大臣は何かお取組、今後、お考えになる、御予定はありますか。
- 答:
- 消防団は、明治の27年に国家としてのですね、組織が始まって、今年、正確に言うと、年明けの1月だったと思いますが、120年を迎えるのですね。それで、この、東日本の大震災を始めとして、いろいろな、大豪雨災害のときもそうですが、地域にあって命を守り、住民の安心のための活動を、極めて献身的に行っていただいております。常備消防の6倍の規模を持つ消防団であります。しかし、御指摘のように、高齢化や、それから、人員減少が傾向としてあるわけで、私としては、是非消防団をですね、もう一度、国民の皆さんにきちんと御理解を頂いた上で、消防団員を少しでも増やせるように、今年は頑張ってみようではないかということを、職員の方には指示を出しております。併せて、災害時に犠牲になった団員も、公務中の犠牲になった方も150人を超えているわけであります。ですから、そういう皆様のですね、犠牲が二度と繰り返されることの無いように、これは安全マニュアルですとか、そういったものも見直しをいたしますし、防災の議論、研修もきちんと進めていきたい。それから、資機材の充実、こういったものもですね、既に予算措置をしておりますけれども、そういう、消防団に対する必要な支援は、更に充実強化をしていきたいと、このように考えています。
成年被後見人選挙権訴訟判決
- 問:
- すみません。読売新聞の八角と申します。先日、判決があった、東京地裁の判決のあった後見人、被後見人の方に選挙制度が失うという規定について違憲判断がされましたが、現在の検討状況を教えていただけますか。
- 答:
- これは、今、政府の訴訟の窓口である法務省との協議が、事務的なことが行われているということであります。私たちとすれば、地裁における判決でありますから、その内容についてですね、我々はしっかりと協議をして、適切な対応をしていくということがあります。一方で、与党内でもいろいろな御議論があるということも聞いておりますから、そういったものも踏まえながらですね、最終的な方向性を決めていくものと、このように考えます。
- 問:
- よろしいですか。
- 答:
- はい、では、どうもありがとうございました。
- 問:
- ありがとうございました。
ページトップへ戻る