総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 柴山総務副大臣記者会見の概要(平成25年5月9日)

会見発言記事

柴山総務副大臣記者会見の概要

平成25年5月9日



冒頭発言

 おはようございます。ゴールデンウィーク明けということで、早朝からお集まりを頂きまして、ありがとうございます。
 御案内のとおり、今日恒例の副大臣会議が首相官邸にて開催をされました。副大臣会議の内容につきましては、いつものとおり、官房副長官の方からまとめてブリーフィングがされるというように思っております。
 私の方からの発言につきましては、総理の外遊について、非常に有益であったことを評価するとともに、特に、原発のトルコへの輸出について、しっかりとセキュリティがまだ国内で基準づくりもできていない状況でもありますので、安全が確保したものについて協力をしていくというメッセージについて、誤解のないように発出していただきたいということを、官房副長官の方に要請をさせていただきました。

【アメリカ合衆国出張について】
 それとですね、ゴールデンウィーク中に、4月30日から今月3日まで、ワシントンD.C.の国土安全保障省や連邦取引委員会などの連邦政府機関、また、サンフランシスコのアップル社、グーグル社などのICT企業を訪問をさせていただきました。今日は、こちらの出張報告も、是非させていただきたいというように思っております。
 折しも今日5月9日、そして10日、東京において、日米サイバー対話ですね、これが初めて開催をされることになっておりまして、セキュリティの問題を始めとして、様々な意見交換、状況把握、情報交換がなされるというように感じておりまして、その環境整備という面でも、ある程度意義のある海外出張だったというように思っております。サイバーセキュリティ対策、消費者保護、また、今、国民番号制度が実現をしようとしているわけなのですけれども、電子政府の推進、そして何よりも、安倍内閣における大きな柱である経済成長にインターネットがどのように寄与していくか、そういった事柄について、日米間の連携、そして、情報共有を図っていくことができたというように思っております。
 サイバーセキュリティの確保は、諸外国と連携をして取り組んでいかなければならない重要な課題でありまして、この問題には、アメリカではDHS、国土安全保障省が中心となってリードしているわけなのですけれども、更なる協力関係の強化を確認をしてまいりました。
 折しもアメリカでは、オバマ大統領が大統領令を発出し、サイバー攻撃への対応として、省庁間、また、官民の連携、特に官民の情報共有ですね、不正プログラム・マルウェアなどの情報共有ということを進めております。
 後、過度な規制を導入するよりも、金融とか治安など、それぞれの分野でベストプラクティスを確立するということが目指されているという点も確認をさせていただきました。早速、こういったそれぞれのスタンスについては、我が国でも取り入れて、そして、更なるサイバーセキュリティの確保に取り組むことが極めて重要だというように感じました。
 消費者保護につきましては、連邦取引委員会、FTCとですね、スマートフォンのプライバシー保護、今、地理情報ですとか、あるいは、様々なアプリケーションを通じてのプライバシー、情報の漏洩ということが懸念されているわけですけれども、こういったことに対する対策、また、迷惑メール対策、こういった消費者保護についての政策について意見交換をして、情報交換の継続と国際連携の推進に協力していくことで合意をいたしました。
 また、グーグル社やアップル社に対しましては、スマートフォンにおける消費者保護への積極的な取組を要望するとともに、最近、報道で話題になっているグーグルでのオートコンプリートですね、検索サイトに用語を入れると、関連するということで、いろいろとネット上、話題になっている言葉がパッと出てくるのですが、これが誹謗中傷に当たる名誉毀損的なものについても出てくるということが、東京地方裁判所で差止め、あるいは、損害賠償の対象になっておりますけれども、こういったことについても、米国本社の責任ある方にお話をして、対応をお願いをしたところでもあります。
 スマートフォンの普及によりまして、今申し上げたような様々な問題というのが出てくるのですけれども、この分野については、今申し上げたような事業者だけではなくて、国、消費者、有識者など、多種多様な関係者が参画するマルチステークホルダープロセスを活用しながら対応していく必要があると考えております。
 電子政府につきましては、ヴァンローケル連邦政府CIO及びクンドラ前連邦政府CIOと会談いたしました。アメリカでは、政府情報システムの構築に当たっては、まずクラウド・コンピューティングによるということを原則とする、いわゆる「クラウド・ファースト」を徹底しています。また、ITダッシュボードを用いて、各政府機関のIT投資を国民に「見える化」して、投資管理の効率化、また、ガバナンスの強化を図ることで、競争原理を導入して、どんどん良いものに更新をしております。アメリカは競争の国、そして、チャレンジの国なのだなということを実感させていただきました。
 こういった電子政府の推進、また、それに係る分野の産業化、こういった事柄が、インターネットによる経済成長につながっていくのだろうというように思いますし、また、サイバーセキュリティやプライバシーポリシーの確保も、これ自体、やはりインターネットによる経済成長の重要な一分野になっていくのであろうと。特に、民間が担う場合には、それが経済成長をリードしていくのだろうというように思います。
 今回の出張の結果は、今後の各種会議でもフィードバックをしていきたいと思っております。政治主導で省庁の壁を超え、官民の壁を超え、そして、中央と地方の壁を超え、国境の壁を超えて、加速をさせていくことが必要不可欠であろうというように思っております。
 
 私の方からは、とりあえず以上です。

インターネット選挙運動

問:
 すみません。幹事社から1問ですね。日本ではネット選挙がこれから解禁されるわけですけれども、米国のそういったセキュリティ対策について何か現地で情報交換等あればですね、御紹介いただけないでしょうか。
答:
 ネット選挙に関しては、オバマ大統領が、いかにインターネットを活用したかというようなプレゼンテーションを、セールスフォース・ドットコム社から説明を受け、大変参考になりました。まだまだ日本の選挙運動、キャンペーンをですね、こういったIT分野を活用して、特にですね、アメリカにおいては、草の根でその支援活動が広がっていくというようなことが実感できましたので、まだ日本はこのインターネットを選挙活動中も普段の政治活動と同様なことができるという意味で一歩前に進んだだけで、全くレベルとしては違っているのかなというように思います。それこそ様々な地域での選挙活動が皆で情報共有をできたり、あるいは、ネットで個人がファンディングを行うというようなことまで、やはり高めていかないと、アメリカのレベルには追いついていかないというように思いますし、今、御指摘があったようなセキュリティですね、なりすまし、あるいは、様々なネットを通じた選挙運動に対する妨害、誹謗中傷といった事柄についてはですね、やはりそういうものに対するある程度免疫とかですね、慣れというものが出てこないと、我々まだ立法作業化の中でいろいろ懸念については問題提起をしていたのですが、実際に体験をしないと、なかなか具体的な対応策ということができない部分もありますので、今回ようやく制度化がされるということですから、アメリカでの具体的な対応策というよりは、日本でこういった仕組みを実際に走らせてですね、問題があれば極力、政党トータルとして最善の対応を採るということで臨めばよいのかなというように思っております。

アメリカ合衆国のIT企業について

問:
 読売新聞の幸内と申します。サンフランシスコでアメリカのIT企業と会われたときに、日本のIT産業に関連して日米の比較において、向こうから御指摘なり、あるいは副大臣から、日本のビジネス環境について話題にしたりとか、したということがありましたら、お聞かせいただけますか。
答:
 私が率直に言って、サンフランシスコのですね、こちらの紙の方に書かせていただいた各企業訪問をしたときのもう率直な印象はですね、日本のやはり会社とはカルチャーが違うなというように思ったのですね。というのは、特にアップルとかグーグルを訪問するとですね、そこが大学のキャンパスじゃないかというように、何か勘違いするぐらい敷地は広いですし、働いている人たちも思い思いの何かTシャツや短パンで仕事をしていたりですね、あるいは、グーグル社何か、中に何かプールがあったりとかですね、こういうところじゃないと、先進的なイノベーションというのは生まれてこないのではないかというような気もいたしました。おそらく、徹底的な成果主義を導入して、細かいその勤務時間の管理などはしていないのではないかなというように感じたのですけれども。それと、後、グーグルについてはよく言われることですけれども、先ほど私が申し入れをしたような、いろいろと法的な問題はあるのですけれども、そういうことも、いわゆる一つのリスクと考えて、ホームスタッフを充実させて、それを解決していくための、何かバネにしていくということで、非常に前向きなチャレンジスピリッツを多くもっているということを感じさせていただきました。私に対応した方がノースリーブの女性でしてですね、こっちは皆、スーツでしかめっ面して行ってるのにですね、それはやはり、何と言うのでしょう、ちょっとカルチャーギャップみたいなものを感じましたし。また、M&Aについても、イノベーションを起こすものをどんどん積極的に取り入れていくというような貪欲さがあったのかなというように思います。アップルも似たような雰囲気がありましたし。さすがに、マカフィーやセールスフォース・ドットコムはですね、セキュリティとかクラウドを扱っているということで、もう少し堅い感じがしたのですけれども、やはり日本の様々な電気通信会社と比べるとですね、雰囲気の違いというのはあるのかなというように感じました。特段、先方からですね、日本のそういった情報通信関連産業企業についての要望というものはなかったと思いますけれども、ただ、やはり、例えばセールスフォース・ドットコムのクラウドのノウハウをですね、日本の企業が、あるいは政府、また、自治体がどんどんどんどん取り入れようということでですね、アポイントメントが非常にずらずらずらというふうに並んでいてですね、これが非常に印象的でしたね。これからは、地方自治体もそういったクラウドサービスを、海外のものをどんどん受け入れていこうという時代に来ているのかなというように感じました。以上です。

道州制、地方団体の課税自主権について

問:
 日本経済新聞の天野と申します。ちょっと外遊の話から話そらせて恐縮なのですが、道州制をめぐってですね、自民党と地方6団体との話合いが昨日始まりましたけれども、これについて副大臣のお立場で、今国会基本法案の提出などの方針などについてですね、どういうふうにお考えになっているのかというのをお聞きしたいのと、ちょっとそれに関連してなのですが、地方ではやはり税源のですね、方を求めるような声が依然として強いと思うのですが、一例としての課税自主権ですね、私、神奈川県の方の法人特例税が違法という判決が出たりしているので、ああいったその地方自治体の課税自主権をどうあるべきかと、これからどういうふうにしていくべきかというのについて、副大臣としてお考えがあれば教えてください。
答:
 これは、直接は坂本副大臣の所管ですので、私の方から踏み込んだ発言をすることは、あえて差し控えたいとは思うのですけれども、ただ、私も野党時代にですね、道州制基本法ですとか、あるいは、これからの方向性などについては、道州制推進本部の幹事としてかかわってきましたし、また、外部有識者の方々ともいろいろ意見交換をしておりますので、方向性としてその分権改革、あるいは、道州制への移行ということについて、非常にこれを進めていきたいという気持ちは持っております。ただ、当然のことながら、現場との調整ということがすぐに進まないというのは、これまでの長年、この問題について取り組んできた経緯から容易に分かることですし、特に地方団体、特に都道府県の関係の方々がですね、この問題について様々な意見をお持ちというのもよく承知をしておりますので、そこは丁寧に意見交換をして、一つ一つ、一歩一歩進めていくことが必要であるというように思っています。先ほどの判決のことについては、やはり法律の範囲内で、条例による課税ということも認められておりますし、何が法律の範囲内なのかということについては、これはいろいろと解釈の問題として出てくる部分もありますけれども、もしそれが不都合であれば、立法作業も必要になってくるとは思いますが、当面はやはり、今、出ているような法解釈の中で進めていかなければいけないということで、非常に難しい作業であろうかというように思います。坂本副大臣の下でですね、これからしっかりと進めていっていただけたらというように思います。
問:
 ほか、ありませんでしょうか。どうもありがとうございました。

ページトップへ戻る