総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 新藤総務大臣閣議後記者会見の概要(平成25年7月16日)

会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成25年7月16日


 7月16日の閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、情報通信白書、成年被後見人の選挙権、啓発動画コンテスト表彰式について説明した後、一般信書、全国知事会議決議、海外出張等について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 おまたせいたしました。それでは、本日の閣議後の会見を始めさせていただきます。

【情報通信白書(1)】
 まず、本日の閣議で「平成25年情報通信に関する現状報告」、いわゆる情報通信白書を配布いたしました。
 今年の白書は、特集テーマを「『スマートICT』の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか」といたしまして、ICTの最新トレンド、あるいはICT産業の国際展開を活かして、日本経済の再生と成長をどう実現するかと、このような展望をしております。
 具体的には、ICTの活用が、今後の我が国の持続的な成長と発展に不可欠との観点から、ICT産業の国際展開やビッグデータの活用による効果等に分析するとともに、我が国の抱える社会的課題の解決にICTが寄与する可能性や、安心・安全なICTの活用環境に関しても分析をしております。
 今回の分析結果を踏まえ、ICTによる日本経済の再生と成長実現に向け、引き続き全力を挙げてまいります。本白書が、国民の皆様に活用いただけることを願っております。

【成年被後見人の選挙権(1)】
 それから、次にですね、成年被後見人の選挙権に関して、現在、東京高裁及び3つの地方裁判所で訴訟継続中であり、原告は、次回の衆議院選挙、参議院選挙において投票することができる地位にあることの確認等を求めてこられております。また、これらの原告は、早期の訴訟の解決を求めてこられております。成年被後見人の選挙権の回復等を行う改正公選法の施行により、今回の参議院通常選挙をはじめ、本年7月以降に公示・告示される選挙において、成年被後見人の方は、選挙権を有し投票することができるようになっているわけでもあります。従って、私どもといたしましては、法務省と協議いたしまして、政府内で検討を進め、原告との協議を行った結果、裁判上の和解により、いずれの訴訟も終結させることで原告と合意に至ったところでございます。選挙権やその行使の在り方は、民主主義の土台となる選挙制度の根幹に関わる重要な事柄であると認識しておりますが、総務省といたしましては、成年被後見人等の判断能力が不十分な有権者の方が、自らの意思に基づき投票しやすい環境の整備を、今後も進めて参りたいと考えております。

【啓発動画コンテスト表彰式】
 それから、このインターネットの解禁に伴う啓発動画コンテストのことでございますけれども、本日、この会見終了後に受賞者の方々をお招きいたしまして、大臣室で啓発動画コンテストの表彰式を開催いたします。
 審査員特別賞の方のみが御都合がつかずに欠席されますが、それ以外の最優秀賞、そして総務大臣特別賞、審査員特別賞、各賞受賞者の方々がお出でをいただくことになっております。
 また、審査員を代表して、中村先生にもお越しをいただいております。
 ネットの世界で、バーチャルの中でですね、御投票いただいた方々と実際にお会いできて、話をできることを楽しみにしております。
 表彰式はオープンといたしますので、よろしければ、是非皆さんにもお出でをいただきたい、このように考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

情報通信白書(2)

問:
 幹事社の共同通信の蒔田です。幹事社から質問をいたします。先ほどお話のあった情報通信白書について、総務省として概算要求に反映させるなど、力を入れて取り組みたいICTの政策がありましたら御紹介をお願いいたします。
答:
 私ども、この情報通信白書に載せているものは、基本的にICT成長戦略会議、それから、G空間×ICT推進会議と、こういう2つの会議を設けて、それぞれ政府的な議論をしてまいりました。その成果をですね、含めて、情報通信白書の中には反映させております。従って、いわゆるG空間情報ですとか、それから、ビッグデータ活用ですね、それから、4K、8K実現前倒し、放送コンテンツの海外展開、更には農業の競争力強化、こういった新たな付加価値産業をつくっていくのだということ、それから、医療ですとか介護、更には防災、そして資源確保、こういった社会的な課題の解決のためのプロジェクトですね。それから、オープンデータ、セキュリティといったICTの共通基盤の高度化・強靱化に向けた課題と、こういったものをですね、省庁の垣根を越えて強力に推進していくことが重要だと、こういうことを言っているわけであります。  概算要求の大枠は固まっておりませんが、既に、政府の「日本再興戦略」、更には「世界最先端IT国家創造宣言」にも、私どもの提案のものは、具体的プロジェクトとして盛り込まれておりますから、私とすれば、他省庁との連携をしながら、予算要求に反映をさせていきたいと、このように思っています。

成年被後見人の選挙権(2)

問:
 読売新聞の八角です。先ほど大臣からお話のあった、成年被後見人の選挙権についてなのですけれども、この時期に和解に至った理由と背景とを御説明していただけますでしょうか。
答:
 まず、原告の皆さんは、早期の訴訟の解決を求めておられるということがございます。私どもとしてもですね、法務省と協議の上で政府内の検討をずっと進めてき、かつ原告側との協議を行ってきたわけであります。この原告の思いをですね、受け止められる環境が整ったということで、裁判上の和解により訴訟を終結させることで原告と合意に至ったということであります。私としては、以前より、改正公選法の施行によって、訴訟は間もなく終結すると、こういうことは申し上げてきたわけでありまして、控訴を取り下げるのではなくてですね、これは原告との裁判上の和解によって訴訟を終結させると、こういう合意ができたということでありまして、非常によかったのではないかなと、このように思っています。
問:
 朝日新聞、山田です。今の関連ですけれども、3地裁の訴訟について、一部、国家賠償請求もあったと思うのですけれども、そういった和解の内容ですね、そういった賠償の取扱いとかですね、その辺りについてお願いします。
答:
 これはですね、和解の内容の詳細は、これは最終的に裁判所での和解時点で確定をいたしますので、現時点における詳細の説明は差し控えさせていただきたいと、このように思いますが、私どもとすれば、この3地裁、いずれも明日、そして明後日と、そういう段階で和解ができるのではないかと、このように考えております。
問:
 NHKの伏見です。すみません。同じ話題についてなのですけれども、今、大臣から御説明ありましたが、和解の見通しが立ったという理解でいいのかというのが一点と、あと、これまで政府としては、もう訴えの利益がなくなったので、もう和解する必要がないというか、裁判が終結して自然に終わるものだというような認識だったかと思うのですけれども、あえてこちらから政府のスタンスとしては歩み寄っていった意味であったりだとか、大臣がどういうふうに御評価されているのかという2点をお聞かせ願えればと思います。
答:
 これは見込みではなく、和解の合意が、協議が行われたので、それによって、このような発表をしているということであります。これは、協議が整ったというふうに御理解いただければいいと思います。それから、私としてもですね、これは成年被後見人の方々が投票したいという思い、これはノーマライゼーションといいますか、そういった観点からも私も共感しているところであります。政府とすれば、原告の思いを受け止めながら、私たちとしてできることを、何かないかということでいろいろ協議した結果が今回の和解ということになったということでありまして、こちらが歩み寄るというよりも、そういった国民の思いを受け止めて、政府としてもですね、できることはきちんと対応したいと、こういうことでやらせていただいたと御理解いただければいいと思います。
問:
 度々すみません。読売新聞の八角です。引き続きその話題で恐縮なのですけれども、政府のほうの控訴趣意書のほうには、違憲の行政行為ではないというような趣旨のようなことが主張されていたかと思うのですけれども、違憲判決について、政府のお立場は今のところも変わっていないのかということについて、お聞かせ願えませんでしょうか。
答:
 それは、これまでも御説明はしておりますけれども、法律が違憲であるか否かを最終的に判断するのは、これは最高裁判所でございます。立法府が制定した法律の規定そのものが違憲であるとする下級審の判決を、政府がですね、争わないままに確定された例というのは、ないのですね。ですから、私たちは、これについて、今までの考えを変えているわけではありません。ただ、もう原告の訴えが、利益がなくなったわけでありますから、裁判は終わらせるという意味において、私どもとすれば、それは和解をしたということで、裁判を終結させるということでよろしいのではないかというふうに理解したということであります。

一般信書

問:
 通信文化新報の園田です。内閣府の規制改革会議で、議論の俎上に上っている信書のことについてなのですけれども、大臣の一般信書に関する考え方などがもしあったら、ちょっと漠然として申し訳ないのですけれども教えてください。
答:
 今、それ、もう少し個別具体の何かあるのですか。
問:
 そうですね。郵政グループのお立場からしたら、一般信書のほうがどんどん解放されてしまうのは結構厳しいのかなという部分と、後、そうですね、そういう3事業のユニバーサルサービスを守るという観点も必要だと思うのですけれども、すごく難しい問題かなと思って。
答:
 もう少し具体的な何かがあれば、コメントをさせていただきますけれども、一般論で言えば、今までの議論がございますね。その積み重ねの中で慎重に判断していく必要があるだろうと、このようには考えています。ただ、時代がどんどん変わっていきますから、そういう中でですね、我々も、これはいつもいろいろな声に耳を傾けて議論はしていかなくてはならないであろうと。しかし、これは極めて重要な問題であるがゆえに、長い間、議論があるわけですね。従って慎重に取り扱っていかなければいけないだろうと、このように考えます。

全国知事会議決議

問:
 日本経済新聞の天野と申します。先に行われた全国知事会議、大臣も出席されましたけれども、そちらの方で、最後、アベノミクスへの協力、共同の条件だということで決議がなされております。国に行政改革を求める決議ですとか、人づくりを求める決議ですとか、後、地域経済再生を求める決議ですとか、3つの条件があったと思うのですけれども、もし大臣、この内容を御存知であればですね、それをどう受け止めていらっしゃるのか。あるいは参院選後ですね、どう応えていくのか、お願いします。
答:
 私は、今回の知事会のですね、決議、極めてまっとうであり、重要な御提言だと思っておりますし、国と地方の思いは同じであるということであります。また、不断の行政改革を行いながら、何よりも地域を活性化させることによって、経済成長の実感というものが、それぞれの地域で得られるようになるわけですね。マクロ経済の数字だけ上がっても、自分のまちや自分の家庭において実感ができなければ、それは国民からの共感を得ることはなかなか難しいと、私は率直に感じております。従って、これは全国津々浦々、それぞれのまちでそれぞれのやり方がございますので、そういう皆さんの工夫、努力がですね、きちんと後押しできるようなことを私たちは考えていきたいと思いますし、何よりも地方が自立というものをキーワードにしていろいろと工夫をし、そして自らの手で頑張っていこうと、こういう思いは大切にしていきたいと、このように思っています。私、知事会の席上でもはっきり申し上げましたけれども、ともすると、国と地方が対立しているような概念で物を語る方がいらっしゃいました。また、そういう場面が、かつて場があったと思いますけれども、私は委員会の審議においても、一貫してですね、これは対立の概念ではないのだと、お互いに役割分担をしながら、共に地域の住民、それは全て国民でもありますし、国と地方が一緒に良くなるために、どうするかということを、それぞれが役割分担して頑張っていこうではないかと、こういうお願いをしておりますし、そういう気持ちで、今は仕事をしております。

海外出張

問:
 時事通信の佐藤です。来週ですか、また海外への出張が予定されていると思うのですけれども、お話しできる範囲で、今回ブラジルとスリランカと思うのですが、それぞれどういう成果なり、どういう効果を期待して行かれるのか、ちょっとその辺をお願いします。
答:
 私はですね、これは日本の経済成長戦略の鍵を握る3つのキーワードだと思っていますし、私が総務大臣として、また総務省として取り組むべき3つのキーワードがあるのですね。それは、まず地域の活性化です。もう一つはイノベーション。それから、海外展開というふうに考えております。正にイノベーションという意味では、4K、8K、それから、要するに放送と通信の融合ですとか、いろいろなものがあります。今回、海外出張するに当たっては、私たちのいろいろなイノベーションの取組をですね、海外展開をいかにしていくかということが重要だと思っているのです。既にゴールデンウィークのときのインドネシアでは、防災ICTですね。それから地デジですとか消防、更には郵政、こういったことに関して海外展開の可能性というのを探ってまいりました。モルディブにおいても同じであります。今回ブラジルに参りますのは、今、日本が世界展開している日本方式の地デジというのは、日本を含めて15カ国です。その中心を担っていただいてるのは、実は一番最初にブラジルに日本方式を採用してもらいました。そして、南米にバーッと広げていったのですね。それから今、ポルトガル語圏。要するに、言葉が同じという地域をですね、特にアフリカの関係は、日本・ブラジル方式という形で世界に展開をしております。ですから、今後更に日本の海外展開を促進させていくために、まず、パートナーであるブラジルの担当大臣とですね、しっかりとした意思の疎通を図る、それから、今後の展開というものをやっていきたいと。私とすれば、この地デジを通じてですね、これは映像を高度化するだけではなくて、遠隔地医療、それから遠隔地教育ですね、更には防災性、緊急地震放送というのは日本方式でなければできない。自動で災害時にオンになって、情報を皆さんに伝えることができるという極めて優れた特性があります。ですから、そういったものを改めてブラジル側にですね、きちんと認識をしていただくと。また、これからの戦略をやろうではないかということであります。そして併せて、スリランカにつきましては、これはモルディブのときに合わせて行く予定になっていたのですが、スリランカ側のですね、特に大統領が、どうしても直接、私とお会いをしたいということで、日程の指定をいただきまして、私とすると、8月の2日頃に予定されている国会に間に合わせるためには、この時期に行かざるを得ないということで、やや無理な日程なのですけれども、ブラジルから大西洋を越えて中東を経由してスリランカに入ると、こういう日程を組ませていただきました。そこで大統領とですね、スリランカの大統領とお会いをして、スリランカにおける地デジの日本方式の採用について、更に強力な依頼をしようと、このように思っております。いずれも、先ほど申しましたけれども、単なるシステムを入れるだけではなくて、子供たちの教育、それから医療ですね、そして防災と。これ、国の安定と発展のために欠かせない最も基本的な要素を、通信基盤を整える中で、そういった付加価値を高めることができると。この良さをですね、是非訴えていこうと、こういうことで日程を決めたわけであります。
問:
 ほかはよろしいでしょうか。では、ありがとうございました。
答:
 はい。

ページトップへ戻る