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会見発言記事

新藤総務大臣繰上げ閣議後記者会見の概要

平成25年8月8日


 8月8日の繰上げ閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、平成26年度の機構及び定員要求等について、除染等の加速化及び原子力安全確保のための体制強化について、政策評価の結果の平成26年度予算の概算要求への反映について、「平成26年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」に関連して(地方財政)、平成26年度税制改正要望について(地方税)、普通交付税の繰上げ交付について及び「国家戦略特区」の提案募集について説明した後、社会保障制度改革国民会議、TPP交渉日米協議及び平成26年度予算概算要求基準等について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 それでは、お待たせいたしました。本日の閣議後の会見を開始させていただきます。

【平成26年度の機構及び定員要求等について】
 まず、本日の閣議におきまして、平成26年度の概算要求に関しまして、基準が閣議了解されましたが、それに関連いたしまして、私の方から、機構及び定員の取扱いについて発言を行いました。
 平成26年度の定員要求について、この定員の減員要求につきましては、21年の7月に閣議決定をした定員合理化計画に基づいて、この22から26年度までの5カ年において、この21年度末定員約30万人の10%、すなわちトータル約3万人を削減する方針、これを確実に達成するように、所要の定員合理化数の要求を行うとともに、増員要求につきましては、復興関連の時限定員など特殊要因を除いて、前年度要求数を相当程度下回る、こういうように厳しく抑制することをお願いをしたわけであります。

【除染等の加速化及び原子力安全確保のための体制強化について】
 それから、この機構と定員に関連いたしますが、除染等の加速化及び原子力安全確保のための体制強化ということで、石原環境大臣との折衝を行いました。昨日の原子力災害対策本部において、安倍総理の御指示に引き続きまして、今朝の閣議後の閣僚懇談会においても、菅官房長官より、福島における除染等の加速、原子力安全確保のための体制強化について、関係大臣で検討を進め、早急に実現してほしいと、こういう旨の御発言がございました。この閣僚懇談会の後に、石原環境大臣との折衝におきまして、まず、除染等の事業加速のために、局長級の統括官及びこれを支える課長級の参事官に加えて、10名の増員を行うと。さらに、原子力安全確保のため、原子力発電所の審査官を18名増員したいと、こういう御要望をいただいたわけであります。
 これらの御要望については、緊急に対応する必要があると、このように判断をいたしまして、具体的な体制整備に向けて早急に人材を確保するとともに、しっかりと機能する効率的な組織にしてくださいと、こういうことをお願い申し上げた上で、平成25年度中のこの緊急的な措置として、この環境省からの申出には了解をすると、こういうことで、大臣との間で話を決めました。

【政策評価の結果の平成26年度予算の概算要求への反映について】
 それから、続きまして、同じく本日の閣議において、概算要求基準の閣議了解に当たり、政策評価制度を所管するという立場から、発言をしております。
 政策評価は、政策の見直し・重点化、予算の縮減・効率化を図っていく上で非常に重要な取組であります。今年度からは、その一層その機能を強化するために、行政事業レビューとの連携の強化というものを進めておりますが、全政府的に、この政策評価と行政事業レビューを一体的な取組をお願いしたいと、こういうことをしているところであります。そして今般は、各大臣に対しまして、この趣旨を踏まえて、厳格な評価を実施して、その結果を政策に的確に反映した上での概算要求にしていただきたいと、こういうお願いをいたしました。

【「平成26年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」に関連して(地方財政)】
 それから、続いて、26年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針に関連して、地方財政の部門で発言をいたしました。この各大臣に対しまして、概算要求に当たり、地方財政に関し取り組んでいただきたい事項について、文書をもって要請させていただく旨の発言をいたしました。具体的には東日本大震災の復旧・復興の推進、社会保障制度改革関連、各種基金に関する財政措置等について、適切な措置を要請するものであります。
 詳細は、事務方の方にお問い合わせいただきたいと思います。

 後、幾つかございますので、今日は少し長いですが。

【平成26年度税制改正要望について(地方税)】
 それから、併せて、この閣議においては、平成26年度の税制改正要望についても発言いたしました。
 これは、平成25年8月末までに提出していただくように、この税制改正要望についてお願いをいたしました。

【普通交付税の繰上げ交付について】
 それから、続いてですね、この普通交付税の繰上げ交付のことでございます。この梅雨期における大雨等により、亡くなられた方々の御冥福をまずお祈りをしたいと存じます。そして、御遺族にはお悔やみを申し上げ、被災された方々には心からお見舞いを申し上げたいと、このように存じます。そして、この本日の閣僚懇談会において、今回の災害により大きな被害を受けた地方公共団体に対し、当面の様々な対応に係る資金繰りを円滑にするため、9月に定例交付すべき普通交付税の一部を繰り上げて、この9日ですね、明日、交付することを今日決定をいたしました。
 具体的には、災害救助法の適用を受けた山形県内の2市2町、島根県内の1町、山口県内2市1町の8団体に対して、35億8,400万円を繰り上げて交付をいたします。
 今後とも、被災地方公共団体の実情を十分にお伺いしながら、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じて、その財政運営に支障が生じることのないように適切な対処をしてまいりたいと思います。
 資料につきましては、後ほど事務方から配布をさせていただきます。

【「国家戦略特区」の提案募集について】
 そして、最後でございます。かねてより準備、また、作業を進めてまいりました国家戦略特区についてでございますが、5月10日にワーキンググループを立ち上げて以来、この特区のコンセプト、そして、制度設計についての議論を進めてまいりました。この度、ワーキングのですね、検討結果を受けまして、来週の8月12日月曜日から、この国家戦略特区に対するアイデア募集、これを開始したいと、このように思っています。募集要項を公表するとともに、国家戦略としてのふさわしいプロジェクトやアイデア、これを広く民間事業者や地方公共団体からも募集することにいたします。そして、8月19日の週には、私も含めて、この国家戦略特区についてのコンセプト、そして、募集要項に係る説明会を設けようと、このように考えております。この国家戦略特区は、言うまでもございませんが、我が国の経済再生のための第三の矢であります成長戦略の要であるという位置付けであります。そして、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくると、こういうことをまずミッションといたしまして、その上で、この特区はですね、従来の事業の寄せ集め、それから延長のものではないと。日本経済を停滞から再生へ導くための、正に扉を開くための先導的プロジェクトとして位置付けたいと、このように考えております。そして、この国家戦略特区については、今回、従来の特区とは異なった部分としてですね、従来の特区というのは、地域を指定して、その中でどういう事業が行われるかということを認定してまいりました。今回は、もちろんそういう特区もございますが、それに加えてですね、プロジェクトに着目した、言わばバーチャル特区というようなものを概念として導入したいと考えています。例えば、iPS細胞を始めとする再生医療の実用化を進めるというプロジェクトであれば、その地区に限定せずに、この分野において特区に参加する企業を募る、また、団体をそこに参加することができると。そして、その団体は、規制の適用や特区のですね、適用を受けることができると。このように、地域だけではなくて、分野であるとか体制も含めて特区対象にしたいと、このようなことも考えております。そして、この提案については、何と言いましても、この国の経済成長に大きなインパクトを与えられるように、その意味で、規制改革、それから税制措置と。提案者側が望む改革、提案についてですね、改革ですとか措置について、提案をしていただきたいと考えております。もちろん、ワーキンググループ、私どもの方でメニューとして、今回新たに規制を緩和できると、こういう項目も既にお示しをしておりますが、それらは何十項目あるうちの一部であります。これまでも、関係機関、関係者からですね、望むべき規制緩和はどのようなものがあるかというヒアリングもしてきております。これはもう数十項目に上るわけでありますが、いずれにしても、自分たちが日本経済の成長に起爆剤となるべく特区をやりたいと。そこで必要な規制緩和や税制措置は、望むものは皆さんで自由に提案していただいて結構であるということにしようと思っています。それから、特に税制措置につきましては、これはペイアズユーゴーを原則とするという前提においてですね、自由に御提案いただくと。なかなか全国的には難しい税制措置だとしても、今回の特区内において、その税制を、税率変更を行って、しかしその影響は、事業の効果によって賄える、若しくは、それ以上の効果が出せると、こういうものについてですね、であるならば、これは検討の対象となる、このように考えているわけであります。そして、これらの提案は、提案するだけではなくて、その成果や得られる効果について、自己評価も含めて出していただくということであります。我々も当然のごとく、ワーキングにおいてですね、御提案につきましては、我々の評価も行いますが、提案者も自ら自分たちの、この事業に対する評価をしていただく、KPIを設定していただいて、そしてPDCAをですね、自分たちでも出していただく、このようなことを考えております。そして、受付をした提案につきましては、このワーキンググループで選定をして、必要なものから適宜ヒアリングを行って評価をしていきます。一応、8月12日に募集要項を提示して、そして、提案募集の第1次締切は、1カ月後の9月11日を締切りとする予定であります。そして、今度のですね、戦略特区は、いろいろな御提案がありますが、手挙げ方式ではございません。御提案があっても、それはワーキング、そして、最終的には総理が長となって、総理の主導の下で開催されます特区諮問会議によって決定されるわけであります。そして、今回は、いろいろな提案が出てくるとしても、私どもで、その提案の中から、例えば別々のものを総合して一つのプロジェクトにする、再構成をお願いするというようなこともあり得るかもしれません。いずれにしても自由度を上げてですね、そして斬新で、そしてより効果の高いもの、正に国を挙げて取り組む国家戦略としてふさわしいプロジェクトにできるように、選定の方法から新しい仕組みを入れていこうと、このように思っているわけであります。そして、この国家戦略特区の内容を折り込んだ法案については、これは秋の臨時国会に提出をしたいと、このように考えております。さらに、この国家戦略特区の取組を進めること、これは、国際競争力の向上を通じまして、まず、日本は世界に打って出るのだということです。それから、併せて、この国家戦略特区は、別に日本の企業のみが参加するわけではありません。我が国が世界で一番ビジネスのしやすい環境を提供するということでありますから、外国企業がその趣旨に賛同して、この戦略特区に応募していただくことも自由であると。したがって、世界を取り込むこともしていきたい。多様な人材や資本をですね、海外からも日本に呼び込むことができるように期待をしております。それから、もう一つはイノベーションです。この経済成長を促す上で重要なのは、イノベーション。ですから、例えば、農業ですとか、医療ですとか、いろいろな分野においても新しい取組を入れることによって、このそういった特区の事業というものを認めてもよいではないかと思っておりますし、それは日本が変わっていくのだということを国内外にアピールするということにもつながっていくと思います。それから、もう一つ重要なことは、国家戦略特区は都市だけの特区ではございません。ですから、地域活性化においても重要な取組であれば、それが国ぐるみで、国を挙げての取組として評価が得られたものであるならば、地域の活性化についても特区として取り上げてもいいと思っています。さらには、産業だけではありません。文化ですとか芸術ですとか、そういった日本のですね、もつ強み、多様性、こういったものをいかした地域の活性化というもの、経済の活性化というのもあり得ると思います。ですから、多様性と自立性をもった日本をアピールする、そういうプロジェクトも出てくることを、私は期待をしているわけであります。いずれにいたしましても、今回、まずは集中的にここのところで提案をいただいて、そしてワーキングでもみます。絞り込んだものは、総理大臣を長とする特区諮問会議というものを設けて、そこで決定をいたします。ここには政府、それから地方、そして事業者、有識者、いろいろな方が入って諮問会議を構成されます。その上で、決められた事業については、事業ごとに統合推進本部というものを設けて、その中で決められた規制緩和がきちんと進んでいくように、その事業が進捗していくように、そういう管理をしていくと、こういう構成になっているわけであります。これは、安倍総理が肝入りであって、安倍内閣としてですね、経済成長、実効性あらしめるものとするための、まずは要となる、そして、扉を開けるものであるというふうに思っていますし、大きな、私も責任をもっていると、このように思っておりますけれども、総理主導の下で、もう一度申しますけど、国が決めるのではないのです。国を挙げて取り上げる。そういうプロジェクトとしてですね、日本の本気を示すと、こういう事業にしたいと、このように考えております。

 私からは以上であります。

質疑応答

社会保障制度改革国民会議

問:
 共同通信の今井です。幹事社からお願いします。先日、社会保障制度改革国民会議でですね、国保のですね、都道府県移管を提言しました。このことに対する大臣の評価とですね、それから、全国知事会の方は、移管に当たってはですね、赤字の解消というのがですね、前提条件だと主張していますが、これから政府内でいろいろな調整ですとか制度設計、進んでいくと思いますけれども、総務省としてですね、どのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。
答:
 この社会保障国民会議で示された方向については、我々はこれをですね、きちんと評価し、そして取り組んでいかなければならないと、このように考えております。そして、この社会保障の持続可能性の確保、これが極めて重要であって、そのためには、各地域における社会保障の運営責任者は地方なのであります。ですから、地方の協力が不可欠だというふうに考えております。そして、この8月5日の報告書の中で出されました国保の財政的な構造問題の解決を前提とした上での、この国保の責任主体を都道府県とすること、それから、その構造的問題の解決のための財源については、後期高齢者支援金の全面総報酬割導入、こういったものをですね、これにより生ずる財源を考慮に入れるべきと、こういった位置付けというのは極めて妥当な方向ではないかと思いますし、この改革については、地方との協議というものが重要だと、このように考えています。総務省といたしましては、関係省庁ともよく連携をしながら、何よりも担い手である地方の皆さんとの理解と協力が得られるような改革をしていきたいと、このような取組をしていこうと考えております。

溝手自民党参院議員会長発言

問:
 テレビ朝日、小野です。今回、自民党の溝手参院議員会長がですね、新人向けの研修会でですね、安倍総理のように大変勢いの良い総理の下では馬鹿でも当選できるというような発言をして、撤回はされたのですけれども、麻生大臣のナチス発言と絡めてですね、こうした失言が続くことについて、大臣としての受け止めをお願いします。
答:
 私たちは、参議院選挙の結果を真摯に受け止めて、国民が大きな期待を示していただいたと。それについては、我々は謙虚に受け止めなければいけないと、このように考えています。そして、奢ることなく浮かれることなくですね、責任感と使命感をもって、着実に仕事に腰を据えて取り組んでいくと、その姿勢が求められておりますし、何よりも我々はそういう思いで政治に携わっていると自負しております。ですから、その中で誤解が生まれたりですね、また、訂正しなくてはならないような発言については、これはより慎重にお願いをしたいと、このように思います。ただ、発言自体は、これは真意をきちんとですね、お伺いすれば、そして、しかも訂正するなり撤回するなりという中でですね、もう処理が終わっているものだと、このように考えています。

靖国神社参拝

問:
 朝日新聞、山田です。来週になりますけれども、8月15日ですね、靖国神社に参拝されるお考えはありますでしょうか。
答:
 それは、いずれにしても私的な行為であるということでありまして、それを今、私、申し上げるつもりはありません。また、靖国神社については、自分の祖先がおりますし、これまでもいろいろなタイミングで、もう何回もお伺いしております。ですから、その中で自分なりの考えを、今、めぐらせているところだと、こういうことでございます。
問:
 日本経済新聞の天野と申します。今の点に関連してなのですけれども、今まで論評を、もしかしたらお書きになられているかもしれませんけれども、戦没者、あるいは戦死者の追悼に関してはですね、靖国神社もあり、あるいは千鳥ヶ淵の墓苑もありですね、あるいは国立追悼施設をつくろうというような動きもあります。靖国神社に関しては分祀したらどうかというようなですね、議論も長い間あります。大臣としてはですね、戦没者を追悼するに当たって、どういう在り方がふさわしいというかですね、いいのか、お考えをお聞きしたいと思います。
答:
 その問題は、国家として、政府として検討がなされておりますし、いろいろな議論があるわけですから、そういった中でですね、議論を深めていただければいいのではないかと、このように思います。基本として、この国のために活動し、命をですね、ささげた方について、尊崇の念をもって、また、哀悼を行っていくのは、これは世界各国がいずれもおやりになっていることだと、このように思います。そして、この靖国神社の問題は、私は、霊の眠る場所として、遺族としてですね、これは、騒ぎになることを望んでいないということであります。遺族とすれば、静かな気持ちで静かにお参りをして、そして心の中で自分と祖先がつながっていく、それから自分も今、国の一員として、皆さんと同じです。国民の一人として、今ここにいるわけですが、かつての国民の中でそのように公の活動をして、そして国に殉じた人たちがいると、そういうことを思いをいたすのが、神社だというふうに思っていますから、これは、静かな環境をつくっていくことが重要ではないかと、このように考えています。

TPP交渉日米協議

問:
 朝日新聞の高重です。TPP交渉と並行した日米協議が始まっておりますが、昨日は保険分野で、かんぽ生命に関連して競争条件が公平でないというような指摘が米側からあったようですけれども、今回の、まだ滑り出しですけれども、交渉についての御所感をお願いいたします。
答:
 これは、昨日からですね、明日まで第1回の日米並行交渉が行われているということであります。昨日は保険分野についての議論が行われたことは承知をしております。しかし、それは4月の日米合意の範囲内でのやりとりがあったということは承知しておりますけれども、それ以上については申し上げることはできないということであります。内容については、今はノーコメントであります。

平成26年度予算概算要求基準

問:
 時事通信、丸山です。来年度予算概算要求基準についてお伺いしたいのですが、本年は予算の要求の上限が示されていない形のものとなっておりますが、そういったことで歯止めがきかなくなるというような見方もあるのですが、その辺、今回どうお考えになられますか。
答:
 我々は、経済を再生させることと、財政再建を実現すること、この両方をですね、同時並行で進めていかなければいけない課題をもっているわけであります。ですから、その中でメリハリを付けて、絞るところは絞り、付けるところは付けて、経済を活性化させるということ。併せて、これは国際公約でもありますが、財政再建を着実な軌道に乗せていく、これをやっていく大前提の下での概算要求でありますから、これが大きくですね、逸脱した、この線から逸脱したものになり得るわけがありませんし、私たちはそういう中でしっかりとですね、そういうふうに要求をしていくべきだと、このように考えています。
問:
 よろしいですか。どうもありがとうございました。
答:
 はい。

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